JP6118280B2 - 産業用車両 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばホイールローダなどの産業用車両に関する。
従来から、エンジンの出力が走行に利用されるとともに各部を駆動する油圧駆動システムに利用される産業用車両が知られている。例えば、特許文献1には、図9に示すような産業用車両100が開示されている。
図9に示す産業用車両100では、エンジン101が出力分配器102を介して車輪114と油圧駆動システム104の4つのポンプに連結されている。車輪114と出力分配器102の間には、モジュレーテッドクラッチ110、トルクコンバータ111、トランスミッション112およびアクスル113が配置されている。
油圧駆動システム104は、ローダポンプ120、スイッチポンプ121、ステアリングポンプ122および補機用ポンプ131を含む。ローダポンプ120は、メインバルブ123を介してブームシリンダ128およびバケットシリンダ129へ作動油を供給し、ステアリングポンプ122は、ロードセンシングバルブ124を介してステアリングシリンダ130へ作動油を供給する。補機用ポンプ131は、補機132へ作動油を供給する。
スイッチポンプ121は、ブームシリンダ128、バケットシリンダ129およびステアリングシリンダ130のいずれかへ作動油を供給するためのポンプである。すなわち、スイッチポンプ121は、第1ライン141によりロードセンシングバルブ124と接続されており、ロードセンシングバルブ124は第2ライン142によりメインバルブ123と接続されている。スイッチポンプ121は、走行時はステアリングポンプ122を支援し、積み込み作業時はローダポンプ120を支援する。より詳しくは、スイッチポンプ121は、積み込み作業時に、ブームシリンダ128またはバケットシリンダ129へ作動油を供給する。
特許第5048068号公報
図9に示す産業用車両100では、上述したように、スイッチポンプ121からの作動油が、積み込み作業時にブームシリンダ128へ供給される。換言すれば、ブーム上げ操作が行われるときは、スイッチポンプ121によりブーム上昇速度が速められる。一般に、ブーム上昇速度を速めることを、「リフト増速」という。
ところで、ポンプ数の削減の観点からは、スイッチポンプ121を省略することが望まれる。この点、補機132については作動油の供給量を一時的に低減させることが可能である。このため、補機用ポンプ131を用いてリフト増速を行うことが考えられる。このようにすれば、図9に示す産業用車両100ではできなかった、走行時のリフト増速も可能となる。
しかしながら、補機用ポンプ131を用いてリフト増速を行った場合には、次のような問題がある。ブームシリンダ128の負荷は補機132の負荷に比べて非常に大きなため、ブーム上げ操作のみを行った場合には、ローダポンプ120および補機用ポンプ131の所要動力が増大することにより、ブーム上げ操作と同時にエンジン回転数が低下する。このため、リフト増速の効果があまり得られない。あるいは、走行速度の加速時にブーム上げ操作を行った場合には、エンジン回転数の立ち上がりが遅く、加速性が悪い。
そこで、本発明は、補機用のポンプを用いてリフト増速を行う際にエンジン回転数を迅速に上昇させることができる産業用車両を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の産業用車両は、燃料噴射量に応じて回転数が変化する、車輪と連結されたエンジンと、前記エンジンにより駆動されるメインポンプおよびアクセサリポンプと、前記メインポンプから作動油が供給されて、ブームを上昇および下降させるブームシリンダと、前記アクセサリポンプから作動油が供給される補機と、前記アクセサリポンプからの作動油を前記補機へ導く通常位置と前記ブームシリンダへ導くリフト増速位置との間で切り換えられる優先弁と、前記エンジンの回転数を検出する回転数検出器と、要求エンジン回転数に基づいて前記エンジンへの燃料噴射量を制御する制御装置であって、前記優先弁を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、ブーム上げ操作が行われたときに要求エンジン回転数よりも小さな閾値を決定し、前記回転数検出器により検出される実エンジン回転数が前記閾値を下回るときは前記優先弁を前記通常位置に維持し、実エンジンン回転数が前記閾値を上回ったときに前記優先弁を前記リフト増速位置に切り換える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、実エンジン回転数が十分に高くなった後にリフト増速が行われる。すなわち、リフト増速よりも実エンジン回転数の上昇が優先される。このため、実エンジン回転数を迅速に上昇させることができる。例えば、ブーム上げ操作のみを行った場合には、当初はメインポンプの所要動力のみが増大する。このため、ブーム上げ操作と同時の実エンジン回転数の低下が抑制され、実エンジン回転数を早期に要求エンジン回転数近くに回復することができる。あるいは、走行速度の加速時にブーム上げ操作を行った場合には、実エンジン回転数をスムーズに立ち上げることができる。
前記制御装置は、前記優先弁を前記リフト増速位置に切り換えた後に、所定のリフト増速許容条件を満たさなくなったときは、前記優先弁を前記通常位置に戻してもよい。この構成によれば、安全性を確保するとともに補機を有効に利用することができる。
前記制御装置には、前記閾値として、複数の回転数判定領域のそれぞれに対して参照回転数が格納されており、前記制御装置は、要求エンジン回転数を含む回転数判定領域に対応する参照回転数を前記閾値として決定してもよい。この構成によれば、単純な選択によって閾値を決定することができる。
例えば、前記補機は、前記エンジン用のラジエータを冷却するファンモータであってもよい。
本発明によれば、補機用のポンプを用いてリフト増速を行う際にエンジン回転数を迅速に上昇させることができる。
本発明の一実施形態に係る産業用車両の概略構成を模式的に示す図である。 図1に示す産業用車両における電気制御系のブロック図である。 図1に示す産業用車両の側面図である。 リフト増速運転のフローチャートである。 要求エンジン回転数と閾値の関係を示すグラフである。 ブーム上げ操作がアクセルペダルの踏み込みと同時に行われたときの、エンジン回転数とトルクの関係を示すグラフである。 ブーム上げ操作がアクセルペダルの踏み込みと同時に行われたときの、エンジン回転数の経時的変化を示すグラフである。 ブーム上げ操作がアクセルペダルの踏み込みと同時に行われたときの、ブーム角度の経時的変化を示すグラフである。 従来の産業用車両の概略構成を模式的に示す図である。
図3に、本発明の一実施形態に係る産業用車両1を示し、図1に、産業用車両1の概略構成を模式的に示す。図3に示す産業用車両1はホイールローダであるが、本発明は、ショベルローダやフォークリフトなどの産業用車両にも適用可能である。
図3に示すように、産業用車両1は、前側部分11Aと後側部分11Bとが水平方向に揺動(スイング)可能に連結された車体11を含む。前側部分11Aには前車輪16が取り付けられ、後側部分11Bには後車輪17が取り付けられている。
後側部分11Bには、運転室15が設けられているとともに、エンジン12が搭載されている。前側部分11Aには、ブーム13が鉛直方向に揺動可能に連結され、ブーム13の先端にはバケット14が鉛直方向に揺動可能に連結されている。前側部分11A、ブーム13およびバケット14は、図1に示す油圧駆動システム2によって駆動される。
図1に示すように、エンジン12は、トルクコンバータ18およびトランスミッション19を介して前車輪16および後車輪17と連結されている。なお、図1では、クラッチやアクスルなどの図示を省略している。また、エンジン12は、トルクコンバータ18と並列に、出力分配器20とも連結されている。
エンジン12へは、図略の燃料噴射弁から燃料が噴射され、エンジン12の回転数は、その燃料噴射量に応じて変化する。トランスミッション19は、入力軸と出力軸の速度比を変更することができるとともに、車両の前進と後進を切り換えるために出力軸の回転方向を入力軸と同方向にするか逆方向にするかを切り換えることができる。
エンジン12への燃料噴射量は、制御装置5により、要求エンジン回転数Rに基づいて制御される。制御装置5は、運転室15内に配置された図略のアクセルペダルの操作量から要求エンジン回転数Rを算出する。アクセルペダルの操作量は、図2に示すペダル操作量検出器62により検出される。
より詳しくは、制御装置5は、エンジン12の回転数を検出する回転数検出器61(図2参照)と接続されている。そして、制御装置5は、回転数検出器61の検出値である実エンジン回転数Nが要求エンジン回転数Rとなるように燃料噴射量を制御する。
油圧駆動システム2は、出力分配器20に連結されたメインポンプ21およびアクセサリポンプ22を含む。つまり、メインポンプ21およびアクセサリポンプ22は、エンジン12により駆動される。また、油圧駆動システム2は、後側部分11Bに対して前側部分11Aを左方向および右方向へ揺動させる左右一対の操舵(ステアリング)シリンダ23と、ブーム13を上昇および下降させるブームシリンダ24と、バケット14の向きを変更するバケットシリンダ25を含む。
操舵シリンダ23へは、メインポンプ21から操舵弁31を介して作動油が供給される。操舵弁31は、流量制御型の弁であり、操舵弁31には、操舵信号出力装置43から操舵信号(パイロット流)が出力される。操舵信号出力装置43は、例えばオービットロール(登録商標)であり、運転室15内に配置された操舵ホイール41と操舵シャフト42により連結されている。なお、図示は省略するが、操舵信号出力装置43には、メインポンプ21から吐出される作動油の一部が入力される。
ブームシリンダ24およびバケットシリンダ25へは、メインポンプ21から制御弁32を介して作動油が供給される。制御弁32は、圧力制御型の弁であり、制御弁32には、ブーム操作弁44からパイロット圧が出力されるとともに、バケット操作弁45からパイロット圧が出力される。ブーム操作弁44およびバケット操作弁45のそれぞれは、レバーを含み、レバーの操作量に応じた大きさのパイロット圧を出力する。ブーム操作弁44のレバーをブーム13が上昇する方向に傾倒する操作がブーム上げ操作である。
アクセサリポンプ22は、優先弁33およびファン駆動システム34を介してファンモータ26へ作動油を供給する。ファンモータ26は、本発明の補機の一例である。また、アクセサリポンプ22からの作動油は、図略のブレーキバルブへ供給されるとともに、上述したブーム操作弁44およびバケット操作弁45へ一次圧として供給される。
ファンモータ26は、エンジン12用のラジエータ(図示せず)を冷却するためのものである。ファン駆動システム34は、ファンモータ26への作動油の供給量を制御する。
優先弁33は、合流ライン35により制御弁32と接続されている。なお、合流ライン35は、必ずしも制御弁32につながっている必要はなく、制御弁32とブームシリンダ24の間の供給ラインにつながっていてもよい。
優先弁33は、アクセサリポンプ22からの作動油をファン駆動システム34を介してファンモータ26へ導く通常位置と制御弁32を介してブームシリンダ24へ導くリフト増速位置との間で切り換えられる。優先弁33は、上述した制御装置5により制御される。具体的に、優先弁33にはソレノイド(図示せず)が設けられており、このソレノイドへの通電が制御装置5によってオンまたはオフされることで、優先弁33が通常位置からリフト増速位置に切り換えられる。リフト増速時に、優先弁33は、完全に回路を切り換えるのではなく、アクセサリポンプ22からの作動油の一部のみを荷役側に導く。このように、優先弁33は、リフト増速位置で、アクセサリポンプ22からの作動油をブームシリンダ24およびファンモータ26へ導いてもよい。
図2に示すように、制御装置5には、上述した回転数検出器61およびペダル操作量検出器62以外にも、ブーム上げパイロット圧センサ71、T/C作動油温センサ73、作動油温センサ74および冷却水温センサ75が電気的に接続されている。
ブーム上げパイロット圧センサ71は、ブーム上げ操作時にブーム操作弁44から制御弁32へ出力されるパイロット圧を検出するものであり、ブーム上げ操作検出器としても機能する。T/C作動油温センサ73は、トルクコンバータ18の作動油の温度を検出するものであり、作動油温センサ74は、油圧駆動システム2の油圧回路を循環する作動油の温度を検出するものである。冷却水温センサ75は、上述した図略のラジエータで放熱される冷却水の温度を検出するものである。
制御装置5は、ブーム上げ操作が行われたときに、リフト増速運転に移行する。図4は、リフト増速運転のフローチャートである。ここで、「ブーム上げ操作が行われたとき」とは、ブーム上げ操作を含む荷役側の操作(例えば、ブーム上げとバケットの同時操作)のみが行われたとき(すなわち、要求エンジン回転数が一定のとき)であってもよいし、ブーム上げ操作がアクセルペダルの踏み込みと同時に行われたとき(すなわち、要求エンジン回転数が上昇したとき)であってもよい。
まず、制御装置5は、リフト増速許容条件を満たすか否かを判定する(ステップS11)。ここで、「リフト増速許容条件を満たす」とは、複数の個別条件の全てを満たすことである。本実施形態では、個別条件としては、次の4つが採用されている。
・第1個別条件:ブーム操作弁44から制御弁32へ出力されるブーム上げパイロット圧(ブーム上げパイロット圧71の検出値)が所定圧力(例えば、1.2MPa)よりも大きいこと。
・第2個別条件:トルクコンバータ18の作動油の温度(T/C作動油温センサ73の検出値)が所定温度(例えば、105℃)よりも小さいこと。
・第3個別条件:油圧回路を循環する作動油の温度(作動油温センサ74の検出値)が所定温度(例えば、95℃)よりも小さいこと。
・第4個別条件:エンジン12の冷却水の温度(冷却水温センサ75の検出値)が所定温度(例えば、95℃)よりも小さいこと。
リフト増速条件を満たさない場合、換言すれば上記の個別条件のいずれかを満たさない場合は(ステップS11でNO)、制御装置5は、ステップS12に進み、優先弁33を通常位置に保ちながらステップS11の判定を繰り返す。その結果、リフト増速運転に移行した場合でも、リフト増速が行われないことがある。逆に、リフト増速許容条件を満たす場合は(ステップS11でYES)、制御装置5は、ステップS13に進む。
ところで、リフト増速運転中、制御装置5は、後述するステップS16の後にステップS11に戻る。従って、リフト増速許容条件は、ステップS11に進んだ時点の優先弁33の状態、すなわち優先弁33が通常位置にあるかリフト増速位置にあるかで判定条件を異ならせてもよい。これは、いったんリフト増速位置に切り換えられた優先弁33が直ちに通常位置に戻ることを防止するためである。例えば、上記の個別条件における所定圧力および所定温度として、厳しい条件である第1条件値と、これよりも緩和された第2条件値とが設定されてもよい。
ステップS13では、制御装置5は、要求エンジン回転数Rから、当該要求エンジン回転数Rよりも小さな閾値αを決定する。閾値αを決定する方法は種々考えられるが、本実施形態では以下のようにして閾値αを決定する。
図5に示すように、本実施形態では、要求エンジン回転数に対して3つの回転数判定領域R1〜R3が定められている。例えば、最も低い回転数判定領域R1は1200rpm未満であり、中間の回転数判定領域R2は1200rpm以上1600rpm未満であり、最も高い回転数判定領域R3は1600rpm以上である。なお、回転数判定領域の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
制御装置5には、閾値αとして、回転数判定領域R1〜R3のそれぞれに対して参照回転数(V1〜V3)が格納されている。参照回転数は、対応する回転数判定領域の最小回転数よりも小さい値である。例えば、最も低い回転数判定領域R1に対応する参照回転数V1は900rpmであり(通常、要求エンジン回転数Rは900rpm以下とならない)、中間の回転数判定領域R2に対応する参照回転数V2は1100rpmであり、最も高い回転数判定領域R3に対応する参照回転数V3は1500rpmである。
ステップS13において、制御装置5は、要求エンジン回転数Rを含む回転数判定領域に対応する参照回転数を閾値αとして決定する。
閾値αを決定した後は、制御装置5は、回転数検出器61により実エンジン回転数Nを検出し(ステップS14)、これを閾値αと比較する(ステップS15)。実エンジン回転数Nが閾値αを下回っていれば(ステップS15でNO)、制御装置5はステップS17に進む。一方、実回転数Nが閾値αを上回っていれば(ステップS15でYES)、制御装置5はステップS16に進む。なお、図4では、N=αのときはステップS17に進むようになっているが、N=αのときはステップS16に進んでもよい。
ステップS17では、優先弁33が通常位置に維持される。ステップS16では、優先弁33がリフト増速位置に切り換えられる。その後、制御装置5は、ステップS11に戻る。これにより、ステップS11からステップS17までの処理が繰り返される。
その後、作業者がブーム上げ操作を中断したときに、制御装置5はリフト増速運転を終了し、優先弁33がリフト増速位置にあれば通常位置に戻す。
上述した制御では、優先弁33をリフト増速位置に切り換えた後にも、ステップS11でリフト増速許容条件を満たすか否かが判定される。そして、リフト増速許容条件を満たさなくなったときには、ステップS12で優先弁33が通常位置に戻される。この構成により、安全性を確保するとともにファンモータ26を有効に利用することができる。
以上説明したように、本実施形態の産業用車両1では、実エンジン回転数Nが十分に高くなった後にリフト増速が行われる。すなわち、リフト増速よりも実エンジン回転数Nの上昇が優先される。このため、実エンジン回転数Nを迅速に上昇させることができる。例えば、ブーム上げ操作のみを行った場合には、当初はメインポンプ21の所要動力のみが増大する。このため、ブーム上げ操作と同時の実エンジン回転数Nの低下が抑制され、実エンジン回転数Nを早期に要求エンジン回転数R近くに回復することができる。あるいは、走行速度の加速時にブーム上げ操作を行った場合には、実エンジン回転数Nをスムーズに立ち上がることができる。
例えば、ブーム上げ操作がアクセルペダルの踏み込みと同時に行われたとき、当初はアクセサリポンプ22からの作動油がファンモータ26へ供給される。これにより、エンジン12の出力が走行速度の加速に優先的に用いられ、良好な加速性を得ることができる。実エンジン回転数Nが閾値αに達した後は、アクセサリポンプ22からの作動油がブームシリンダ24へ供給されるため、リフト増速を行うことができる。しかも、リフト増速を開始する時点では、エンジンの回転数が十分に高くなっているため、リフト増速を開始する時点がブーム上げ操作開始時点から遅れていても、アクセサリポンプ22から多くの流量の作動油が吐出されることにより、その遅れを取り戻すことができる。
ここで、図6を参照して、上記の効果をより詳しく説明する。図6中の実線は、本実施形態のリフト増速運転の負荷トルクを示し、破線は優先弁33を最初からリフト増速位置に切り換えたときの負荷トルクを示し、一点鎖線は、エンジン12の出力トルクを示す。エンジン12の出力トルクと負荷トルクの差が大きいほど、走行速度の加速が良好であることを意味する。
図6に示すように、本実施形態のリフト増速運転の負荷トルクは、優先弁33をリフト増速位置に切り換える前は、優先弁33を最初からリフト増速位置に切り換えたときの負荷トルクよりも格段に小さくなる。従って、優先弁33をリフト増速位置に切り換える前は、良好な加速性を得られることが分かる。なお、優先弁33をリフト増速位置に切り換えた後は、本実施形態のリフト増速運転の負荷トルクは、優先弁33を最初からリフト増速位置に切り換えたときの負荷トルクと同じである。
また、高地では、エンジン12の出力トルクが低下し(図6中の一点鎖線が下方にシフト)、負荷トルクとの差が小さくなる。従って、本実施形態の制御は、高地で作業する産業用車両1に特に有用である。
また、図7に、実エンジン回転数Nの経時的変化を示し、図8に、ブーム角度の経時的変化を示す。図7および図8においても、実線が本実施形態のリフト増速運転の場合を示し、破線が優先弁33を最初からリフト増速位置に切り換えた場合(以下、比較形態)を示す。図7から、本実施形態によれば、比較形態よりもエンジン回転数を迅速に上昇できることが分かる。
ところで、図7に示すように、実エンジン回転数Nは、優先弁33をリフト増速位置に切り換えた直後に少しだけ低下することがある。そこで、閾値αに加えて、これよりも小さな第2の閾値α’を使用し、優先弁33をいったんリフト増速位置に切り換えた後は、ステップS16に代えて、実エンジン回転数Nを第2の閾値α’と比較し、N≦α’となったときに優先弁33を通常位置に戻すようにしてもよい。この構成は、ブーム上げ操作のみを行った場合にも採用することができる。
また、図8からは、ブーム角度の経時的変化は、当初はリフト増速を行わない分、本実施形態の方が比較形態よりも緩やかである。しかしながら、リフト増速を開始した後は、本実施形態のブーム角度の経時的変化が比較形態のものに直ちに追いつく。これは、上述したように、リフト増速を開始する時点で、アクセサリポンプ22から多くの流量の作動油が吐出されることに起因するものである。
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、閾値αの決定方法としては、以下のような方法を採用してもよい。
制御装置5は、要求エンジン回転数Rに、1よりも小さな係数を積算することによって閾値αを算出してもよい。あるいは、制御装置5は、要求エンジン回転数Rから一定値を差し引くことによって閾値αを算出してもよい。ただし、前記実施形態のように制御装置5に予め複数の参照回転数が格納されていれば、単純な選択によって閾値を決定することができる。
また、アクセサリポンプ22とファン駆動システム34とが供給ラインによって直接的に接続されており、合流ライン35がその供給ラインから分岐していてもよい。この場合、優先弁33は、合流ライン35に設けられた開閉弁であってもよい。
本発明は、エンジンの出力が走行に利用されるとともにブーム上げを行う油圧駆動システムに利用される種々の産業用車両に適用可能である。
1 作業車両(ホイールローダ)
12 エンジン
13 ブーム
16,17 車輪
21 メインポンプ
22 アクセサリポンプ
24 ブームシリンダ
26 ファンモータ(補機)
33 優先弁
5 制御装置
61 回転数検出器

Claims (4)

  1. 燃料噴射量に応じて回転数が変化する、車輪と連結されたエンジンと、
    前記エンジンにより駆動されるメインポンプおよびアクセサリポンプと、
    前記メインポンプから作動油が供給されて、ブームを上昇および下降させるブームシリンダと、
    前記アクセサリポンプから作動油が供給される補機と、
    前記アクセサリポンプからの作動油を前記補機へ導く通常位置と前記ブームシリンダへ導くリフト増速位置との間で切り換えられる優先弁と、
    前記エンジンの回転数を検出する回転数検出器と、
    要求エンジン回転数に基づいて前記エンジンへの燃料噴射量を制御する制御装置であって、前記優先弁を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、ブーム上げ操作が行われたときに要求エンジン回転数よりも小さな閾値を決定し、前記回転数検出器により検出される実エンジン回転数が前記閾値を下回るときは前記優先弁を前記通常位置に維持し、実エンジンン回転数が前記閾値を上回ったときに前記優先弁を前記リフト増速位置に切り換える、産業用車両。
  2. 前記制御装置は、前記優先弁を前記リフト増速位置に切り換えた後に、所定のリフト増速許容条件を満たさなくなったときは、前記優先弁を前記通常位置に戻す、請求項1に記載の産業用車両。
  3. 前記制御装置には、前記閾値として、複数の回転数判定領域のそれぞれに対して参照回転数が格納されており、前記制御装置は、要求エンジン回転数を含む回転数判定領域に対応する参照回転数を前記閾値として決定する、請求項1または2に記載の産業用車両。
  4. 前記補機は、前記エンジン用のラジエータを冷却するファンモータである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の産業用車両。
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