JP5192601B1 - 作業車両及び作業車両の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、油圧ポンプの制御応答性を向上させると共に、前後進の切換時のショックを抑えることができる作業車両を提供することにある。
【解決手段】ポンプ容量制御シリンダは、ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力に応じて、油圧ポンプの容量を制御する。ポンプ容量制御シリンダは、ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の供給方向に応じて、油圧ポンプからの作動油の吐出方向を切り換える。前後進切換弁は、ポンプ容量制御シリンダへの作動油の供給方向を切り換える。圧力制御弁は、圧力制御弁に入力される指令値に応じて、ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力を制御する。前後進操作部材は、車両の前後進を切り換えるために操作される。制御部は、前後進操作部材による前後進の切換時に、圧力制御弁への指令値を低減させるポンプシャトル制御を実行する。
【選択図】図10

Description

本発明は、作業車両及び作業車両の制御方法に関する。
一般的に、ホイールローダ等の作業車両には、いわゆるHST(HydroStatic Transmission)を搭載しているものがある。HST式の作業車両は、エンジンによって油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプから吐出された作動油によって走行用の油圧モータを駆動する。これにより、作業車両が走行する。このようなHST式の作業車両では、エンジン回転速度、油圧ポンプの容量、走行用油圧モータの容量などを制御することによって、車速および牽引力を制御することができる。
特許文献1に開示されているように、油圧ポンプの容量は、ポンプ容量制御シリンダによって制御される。ポンプ容量制御シリンダは、ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力(以下、「ポンプパイロット圧」と呼ぶ)に応じて、油圧ポンプの容量を制御する。特許文献1に開示されている作業車両では、チャージポンプからの作動油の圧力をエンジンセンシング弁(速度感応弁)によって調整して、ポンプ容量制御シリンダに供給している。エンジンセンシング弁のパイロットポートにはチャージポンプから吐出された作動油が供給される。チャージポンプは、エンジンによって駆動される固定容量ポンプである。このため、エンジンセンシング弁は、エンジンの回転速度に応じて、ポンプパイロット圧を変更する。
一方、作業車両は、前後進操作部材と前後進切換弁とを備えている。前後進操作部材は、車両の前後進を切り換えるためのオペレータに操作される。前後進切換弁は、ポンプ容量制御シリンダへの作動油の供給方向を切り換える。コントローラは、前後進操作部材による前後進の切換を検出すると、前後進切換弁によってポンプ容量制御シリンダへの作動油の供給方向を切り換える。これにより、油圧ポンプからの作動油の吐出方向が切り換えられ、その結果、車両の進行方向が、前方から後方へ、あるいは、後方から前方へと切り換えられる。
特開2011−052794号公報
作業車両の操作性を向上させる観点から、油圧ポンプの制御の応答性を向上させることが望まれている。しかし、特許文献1に開示されている作業車両では、エンジンセンシング弁によってエンジンの回転速度に応じてポンプパイロット圧を調整している。エンジンセンシング弁は、チャージポンプからの作動油の圧力によって制御されるため、油圧ポンプの制御の応答性を向上させるのには限界がある。
また、ポンプパイロット圧は、チャージポンプから吐出された作動油の圧力の変化に応じて変動する。このため、エンジンの回転速度の変動に応じて、ポンプパイロット圧が過敏に変動する可能性がある。このようなポンプパイロット圧の過敏な反応を抑えるためには、ポンプ容量制御シリンダとエンジンセンシング弁との間に絞りを設けることが有効である。
本願の発明者は、エンジンセンシング弁に代えて、コントローラからの指令信号によって制御される圧力制御弁を用いることを考案した。圧力制御弁は、コントローラからの指令信号に応じてポンプパイロット圧を制御する。これにより、油圧ポンプの制御の応答性を向上させることが可能となる。
また、エンジンセンシング弁が用いられる場合と異なり、上記の圧力制御弁であれば、ポンプパイロット圧を任意に制御することができる。このため、上記のような絞りを用いずとも、ポンプパイロット圧の過敏な変動を容易に抑えることができる。
しかし、本願の発明者は、絞りを用いない場合には、作業車両の前後進の切換時に車両にショックが発生するという問題があることを見出した。本願の発明者は、このようなショックは、前後進の切換時に、ポンプパイロット圧が急激に大きくなることによるものであると考察している。このようなポンプパイロット圧の急激な変動は、絞りを用いることによって抑えることができる。しかし、絞りを用いた場合には、上記の圧力制御弁によって得られる応答性の向上が損なわれてしまう。
本発明の課題は、油圧ポンプの制御応答性を向上させると共に、前後進の切換時のショックを抑えることができる作業車両を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る作業車両は、エンジンと、油圧ポンプと、油圧モータと、ポンプ容量制御シリンダと、前後進切換弁と、圧力制御弁と、前後進操作部材と、制御部とを備える。油圧ポンプは、エンジンによって駆動されることによって作動油を吐出する。油圧ポンプは、作動油の吐出方向を変更可能である。油圧モータは、油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される。油圧モータは、油圧ポンプからの作動油の吐出方向に応じて前進方向と後進方向とに駆動方向が変更される。ポンプ容量制御シリンダは、ポンプパイロット圧に応じて、油圧ポンプの容量を制御する。ポンプ容量制御シリンダは、ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の供給方向に応じて、油圧ポンプからの作動油の吐出方向を切り換える。前後進切換弁は、ポンプ容量制御シリンダへの作動油の供給方向を切り換える。圧力制御弁は、圧力制御弁に入力される指令値に応じて、ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力、すなわち、ポンプパイロット圧を制御する。前後進操作部材は、車両の前後進を切り換えるために操作される。制御部は、前後進操作部材による前後進の切換時に、圧力制御弁への指令値を低減させるポンプシャトル制御を実行する。
本発明の第2の態様に係る作業車両は、第1の態様の作業車両であって、制御部は、ポンプシャトル制御において、前後進の切換時から第1所定時間が経過したときには、ポンプシャトル制御を解除する。
本発明の第3の態様に係る作業車両は、第2の態様の作業車両であって、制御部は、車速が第1速度閾値以上であるときの第1所定時間を、車速が第1速度閾値より小さいときの第1所定時間よりも長く設定する。
本発明の第4の態様に係る作業車両は、第1から第3の態様のいずれかの作業車両であって、制御部は、ポンプシャトル制御において、車速が第2速度閾値以上であるときには、車速が増大するほど指令値を小さくする。
本発明の第5の態様に係る作業車両は、第4の態様の作業車両であって、制御部は、ポンプシャトル制御において、車速が第2速度閾値より小さいときには、車速の変化に関わらず指令値の低減率を一定にする。
本発明の第6の態様に係る作業車両は、第4又は第5の態様の作業車両であって、制御部は、ポンプシャトル制御において、車速が第2速度閾値より大きい第3速度閾値以上であるときには、指令値を0にする。
本発明の第7の態様に係る作業車両は、第1から第6の態様のいずれかの作業車両であって、制御部は、車速が第4速度閾値より小さいときには、ポンプシャトル制御を実行しない。
本発明の第8の態様に係る作業車両は、第1から第7の態様のいずれかの作業車両であって、エンジンの目標回転速度を設定するためのアクセル操作部材をさらに備える。制御部は、アクセル操作部材の操作量が第1操作量であるときには、ポンプシャトル制御において、アクセル操作部材の操作量が第1操作量よりも小さい第2操作量であるときよりも指令値を大きくする。
本発明の第9の態様に係る作業車両は、第1から第8の態様のいずれかの作業車両であって、油圧ポンプと油圧モータとを接続する第1駆動回路及び第2駆動回路をさらに備える。油圧ポンプから流出した作動油が、第1駆動回路を介して油圧モータに流入するときには、油圧モータから流出した作動油が第2駆動回路を介して油圧ポンプに流入する。油圧ポンプから流出した作動油が、第2駆動回路を介して油圧モータに流入するときには、油圧モータから流出した作動油が第1駆動回路を介して油圧ポンプに流入する。第1駆動回路と第2駆動回路とのうち油圧ポンプから油圧モータに向かう作動油が流れる方の回路の油圧を駆動回路圧とし、第1駆動回路と第2駆動回路とのうち油圧モータから油圧ポンプに向かう作動油が流れる方の回路の油圧を吸い込み回路圧とする。駆動回路圧が、吸い込み回路圧に所定圧力値を加えた値以上であるときには、制御部は、ポンプシャトル制御を解除する。
本発明の第10の態様に係る作業車両は、第1から第9の態様のいずれかの作業車両であって、前後進操作部材による前後進の切換時から第2所定時間が経過した時点で、制御部は、ポンプシャトル制御を実行する。
本発明の第11の態様に係る作業車両は、第1から第10の態様のいずれかの作業車両であって、制御部は、ポンプシャトル制御において、モジュレーションをかけずに指令値を低減させた後、モジュレーションをかけて指令値を元の値に戻す。
本発明の第12の態様に係る作業車両は、第1から第11の態様のいずれかの作業車両であって、制御部は、ポンプシャトル制御が解除された通常制御時には、圧力制御弁への指令値を、エンジンの回転速度に応じた値である通常指令値に設定する。制御部は、ポンプシャトル制御において、圧力制御弁への指令値を通常指令値よりも低減させる。
本発明の第13の態様に係る作業車両の制御方法は、次の第1から第5のステップを備える。第1のステップでは、前後進操作部材による車両の前後進の切換操作を検出する。第2のステップでは、ポンプ容量制御シリンダへの作動油の供給方向を切り換える。第3のステップでは、ポンプ容量制御シリンダが、油圧ポンプからの作動油の吐出方向を切り換える。第4のステップでは、油圧ポンプの吐出方向の切換に応じて油圧モータの駆動方向が切り換えられる。第5のステップでは、前後進操作部材による前後進の切換時にポンプパイロット圧を低減させる。
本発明の第1の態様に係る作業車両では、制御部が、前後進操作部材による前後進の切換時に、ポンプシャトル制御を実行する。ポンプシャトル制御では、圧力制御弁への指令値が低減されることにより、ポンプパイロット圧が低減される。これにより、前後進の切換時に、油圧ポンプの傾転角の急速な変化を抑制し、ショックを抑えることができる。また、絞りを用いる必要が無いため、油圧ポンプの制御応答性を向上させることができる。
本発明の第2の態様に係る作業車両では、前後進の切換時からショックが発生する可能性のある時間が経過したときに、ポンプシャトル制御を解除して通常の制御に戻すことができる。
本発明の第3の態様に係る作業車両では、車速が第1速度閾値以上であるときには、車速が第1速度閾値より小さいときよりも、ポンプシャトル制御を長く維持することができる。車速が大きいときの方が、ショックの発生する時間が長い。このため、車速が大きいときにポンプシャトル制御を長く維持することによって、ショックの発生を抑えることができる。
本発明の第4の態様に係る作業車両では、車速が第2速度閾値以上であるときには、車速が増大するほど、ポンプパイロット圧を小さくする。これにより、ショックの発生を抑えることができる。
本発明の第5の態様に係る作業車両では、車速が第2速度閾値より小さいときには、車速の変化に関わらず指令値の低減率が一定となる。車速が非常に小さいときには、車速が変化しても、ショックの大きさや発生時間は殆ど変化しない。従って、このような状況で、ポンプパイロット圧が過剰に低減されることを回避することができる。
本発明の第6の態様に係る作業車両では、速度が大きく、大きなショックが発生し得る状況で、ポンプパイロット圧を最小限の値に低減させることができる。これにより、速度が大きいときであっても、ショックの発生を抑えることができる。
本発明の第7の態様に係る作業車両では、小さなショックしか発生しない状況で、ポンプパイロット圧が過剰に低減されることを回避することができる。
本発明の第8の態様に係る作業車両では、アクセル操作部材の操作量が比較的大きい第1操作量であるときの指令値を、アクセル操作部材の操作量が比較的小さい第2操作量であるときよりも大きくする。すなわち、指令値の低減量を少なくする。アクセル操作部材の操作量が大きいときは、オペレータが大きな出力を要求している状況であることが多い。このため、アクセル操作部材の操作量が大きいときには、指令値の低減量を小さくすることによって、ポンプシャトル制御の完了後の油圧ポンプの出力の回復を早めることができる。また、アクセル操作部材の操作量が大きいときには、オペレータは、ショックに対して過敏にならない。
本発明の第9の態様に係る作業車両では、牽引力が大きい状況で、ポンプシャトル制御を解除する。牽引力が大きい状況では、オペレータは、ショックに対して過敏にならない。このため、ポンプパイロット圧が不要に低減されることを回避することができる。
本発明の第10の態様に係る作業車両では、前後進操作部材による前後進の切換の直後に、他の条件が成立せずにシャトル制御が実行されず前後進の切換時にショックが発生することを回避することができる。
本発明の第11の態様に係る作業車両では、前後進の切換時には、指令値を元に戻すときよりも迅速に指令値を低減させることができる。油圧ポンプの駆動時には、傾転復帰力が作用している。傾転復帰力は、傾転角を戻す方向に作用する反力である。例えば、前進方向に油圧ポンプが駆動されているときには、傾転角が後進方向の角度に戻る方向への反力が発生している。このため、前進から後進に切り換えられた瞬間には、傾転角が後進方向に向けて急速に変更されてしまう。この場合、大きなショックが発生する可能性がある。本態様に係る作業車両では、前後進の切換時に迅速に指令値を低減させることができるため、傾転復帰力によるショックを軽減することができる。
本発明の第12の態様に係る作業車両では、ポンプシャトル制御時には、エンジンの回転速度に関わらず、ポンプ制御シリンダに供給される作動油の圧力を低減することができる。これにより、ショックの発生を抑えることができる。
本発明の第13の態様に係る作業車両の制御方法では、前後進操作部材による前後進の切換時に、ポンプパイロット圧が低減される。これにより、前後進の切換時のショックを抑えることができる。また、絞りを用いる必要が無いため、油圧ポンプの制御応答性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る作業車両の構成を示す側面図。 作業車両に搭載されたHSTシステムを示す油圧回路図。 エンジンの出力トルク線の一例を示す図。 ポンプ容量−駆動回路圧特性の一例を示す図。 エンジン回転速度と圧力制御弁の二次圧との関係の一例を示す図。 モータ容量−駆動回路圧特性の一例を示す図。 作業車両の車速−牽引力線図の一例を示す図。 ポンプシャトル制御の処理を示すフローチャート。 ポンプシャトル率マップの一例を示す図。 ポンプシャトル制御が実行される場合の圧力制御弁への指令値の変化を示す図。 ポンプシャトル制御が実行される場合の圧力制御弁への指令値の変化を示す図。
以下、本発明の一実施形態に係る作業車両50について、図面を用いて説明する。図1は、作業車両50の側面図である。作業車両50は、ホイールローダである。作業車両50は、車体51と、作業機52と、複数のタイヤ55と、キャブ56と、を備えている。作業機52は、車体51の前部に装着されている。作業機52は、ブーム53とバケット54とリフトシリンダ19とバケットシリンダ26とを有する。ブーム53は、バケット54を持ち上げるための部材である。ブーム53は、リフトシリンダ19によって駆動される。バケット54は、ブーム53の先端に取り付けられている。バケット54は、バケットシリンダ26によってダンプおよびチルトされる。キャブ56は、車体51上に載置されている。
図2は、作業車両50に搭載された油圧駆動機構30の構成を示すブロック図である。油圧駆動機構30は、主として、エンジン1、第2油圧ポンプ2、チャージポンプ3、第1油圧ポンプ4、油圧モータ10、エンジンコントローラ12a、車体コントローラ12、駆動油圧回路20を有している。油圧駆動機構30では、第1油圧ポンプ4がエンジン1によって駆動されることにより作動油を吐出する。油圧モータ10が、第1油圧ポンプ4から吐出された作動油によって駆動される。そして、油圧モータ10が上述したタイヤ55を回転駆動することにより、作業車両50が走行する。すなわち、油圧駆動機構30では、いわゆる1ポンプ1モータのHSTシステムが採用されている。
エンジン1は、ディーゼル式のエンジンであり、エンジン1で発生した出力トルクが、第2油圧ポンプ2、チャージポンプ3、第1油圧ポンプ4等に伝達される。油圧駆動機構30には、エンジン1の実回転速度を検出するエンジン回転速度センサ1aが設けられている。また、エンジン1には、燃料噴射装置1bが接続されている。後述するエンジンコントローラ12aは、設定された目標エンジン回転速度に応じて燃料噴射装置1bを制御することにより、エンジン1の出力トルク(以下、「エンジントルク」と呼ぶ)と回転速度とを制御する。
第1油圧ポンプ4は、エンジン1によって駆動されることにより作動油を吐出する。第1油圧ポンプ4は、可変容量型の油圧ポンプである。第1油圧ポンプ4から吐出された作動油は、駆動油圧回路20を通って油圧モータ10へと送られる。第1油圧ポンプ4は、作動油の吐出方向を変更可能である。具体的には、駆動油圧回路20は、第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとを有する。作動油が、第1油圧ポンプ4から第1駆動回路20aを介して油圧モータ10に供給されることにより、油圧モータ10が一方向(例えば、前進方向)に駆動される。作動油が、第1油圧ポンプ4から第2駆動回路20bを介して油圧モータ10に供給されることにより、油圧モータ10が他方向(例えば、後進方向)に駆動される。
駆動油圧回路20には、駆動回路圧検出部17が設けられている。駆動回路圧検出部17は、第1駆動回路20a又は第2駆動回路20bを介して油圧モータ10に供給される作動油の圧力(以下、「駆動回路圧」)を検出する。具体的には、駆動回路圧検出部17は、第1駆動回路圧センサ17aと第2駆動回路圧センサ17bとを有する。第1駆動回路圧センサ17aは、第1駆動回路20aの油圧を検出する。第2駆動回路圧センサ17bは、第2駆動回路20bの油圧を検出する。第1駆動回路圧センサ17aと第2駆動回路圧センサ17bとは、検出信号を車体コントローラ12に送る。また、第1油圧ポンプ4には、第1油圧ポンプ4の吐出方向を制御するための前後進切換弁5とポンプ容量制御シリンダ6とが接続されている。
前後進切換弁5は、車体コントローラ12からの制御信号に基づいてポンプ容量制御シリンダ6への作動油の供給方向を切り換える電磁制御弁である。前後進切換弁5は、ポンプ容量制御シリンダ6への作動油の供給方向を切り換えることにより、第1油圧ポンプ4の吐出方向を切り換える。具体的には、前後進切換弁5は、第1駆動回路20aへの吐出と第2駆動回路20bへの吐出とに第1油圧ポンプ4の吐出方向を切り換える。
ポンプ容量制御シリンダ6は、ポンプパイロット回路32を介して作動油を供給されることにより駆動され、第1油圧ポンプ4の傾転角を変更する。ポンプ容量制御シリンダ6は、ポンプパイロット回路32を介してポンプ容量制御シリンダ6に供給される作動油の圧力(以下、「ポンプパイロット圧」と呼ぶ)に応じて第1油圧ポンプ4の容量を制御する。また、ポンプ容量制御シリンダ6は、ポンプ容量制御シリンダ6に供給される作動油の供給方向に応じて第1油圧ポンプ4からの作動油の吐出方向を切り換える。
ポンプパイロット回路32には、圧力制御弁7が配置されている。圧力制御弁7は、ポンプ容量制御シリンダ6をポンプパイロット回路32と作動油タンクとのいずれかに接続する。圧力制御弁7は、車体コントローラ12からの制御信号に基づいて制御される電磁制御弁である。圧力制御弁7は、ポンプパイロット圧を制御することにより、第1油圧ポンプ4の傾転角を調整する。車体コントローラ12による圧力制御弁7の制御については後述する。
ポンプパイロット回路32は、カットオフ弁47を介してチャージ回路33と作動油タンクとに接続されている。カットオフ弁47のパイロットポートは、シャトル弁46を介して第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとに接続されている。シャトル弁46は、第1駆動回路20aの油圧と第2駆動回路20bの油圧とのうち大きい方をカットオフ弁47のパイロットポートに導入する。これにより、カットオフ弁47のパイロットポートには駆動回路圧が印加される。
カットオフ弁47は、駆動回路圧が所定のカットオフ圧より低いときには、チャージ回路33とポンプパイロット回路32とを連通させる。これにより、作動油がチャージ回路33からポンプパイロット回路32に供給される。カットオフ弁47は、駆動回路圧が所定のカットオフ圧以上になると、ポンプパイロット回路32を作動油タンクに連通させて、ポンプパイロット回路32の作動油を作動油タンクに逃がす。これにより、ポンプパイロット回路32の油圧が低下することにより、第1油圧ポンプ4の容量が低減され、駆動回路圧の上昇が抑えられる。
チャージポンプ3は、エンジン1によって駆動され、駆動油圧回路20へと作動油を供給するためのポンプである。チャージポンプ3は、チャージ回路33に接続されている。チャージポンプ3は、チャージ回路33を介してポンプパイロット回路32に作動油を供給する。
チャージ回路33は、第1チェック弁41を介して第1駆動回路20aに接続されている。第1チェック弁41は、チャージ回路33から第1駆動回路20aへの作動油の流れを許容するが、第1駆動回路20aからチャージ回路33への作動油の流れを規制する。チャージ回路33は、第2チェック弁42を介して第2駆動回路20bに接続されている。第2チェック弁42は、チャージ回路33から第2駆動回路20bへの作動油の流れを許容するが、第2駆動回路20bからチャージ回路33への作動油の流れを規制する。
チャージ回路33は、第1リリーフ弁43を介して第1駆動回路20aに接続されている。第1リリーフ弁43は、第1駆動回路20aの油圧が所定の圧力より大きくなったときに開かれる。チャージ回路33は、第2リリーフ弁44を介して第2駆動回路20bに接続されている。第2リリーフ弁44は、第2駆動回路20bの油圧が所定の圧力より大きくなったときに開かれる。
チャージ回路33は、低圧リリーフ弁45を介して作動油タンクに接続されている。低圧リリーフ弁45は、チャージ回路33の油圧が所定のリリーフ圧より大きくなったときに開かれる。これにより、駆動回路圧が所定のリリーフ圧を越えないように調整される。また、低圧リリーフ弁45の所定のリリーフ圧は、第1リリーフ弁43のリリーフ圧、及び、第2リリーフ弁44のリリーフ圧と比べて、かなり低い。従って、駆動回路圧がチャージ回路33の油圧より低くなったときには、第1チェック弁41又は第2チェック弁42を介して、作動油がチャージ回路33から駆動油圧回路20へ供給される。
第2油圧ポンプ2は、エンジン1によって駆動される。第2油圧ポンプ2から吐出された作動油は、作業機用油圧回路31を介してリフトシリンダ19に供給される。これにより、作業機52が駆動される。また、第2油圧ポンプ2から吐出された作動油は、作業機用油圧回路31を介してステアリングシリンダ(図示せず)に供給される。これにより、作業車両1の向きが変更される。第2油圧ポンプ2の吐出圧は、吐出圧センサ39によって検出される。吐出圧センサ39は、検出信号を車体コントローラ12に送る。
作業機用油圧回路31には、作業機制御弁18が設けられている。作業機制御弁18は、作業機操作部材23の操作量に応じて駆動される。作業機制御弁18は、パイロットポートに印加されるパイロット圧に応じて、リフトシリンダ19に供給される作動油の流量を制御する。作業機制御弁18のパイロットポートに印加されるパイロット圧は、作業機操作部材23のパイロット弁23aによって制御される。パイロット弁23aは、作業機操作部材23の操作量に応じたパイロット圧を作業機制御弁18のパイロットポートに印加する。これにより、作業機操作部材23の操作量に応じてリフトシリンダ19が制御される。
作業機制御弁18のパイロットポートに印加されるパイロット圧は、PPC圧センサ21によって検出される。また、リフトシリンダ19に供給される作動油の圧力は、ブーム圧センサ22によって検出される。PPC圧センサ21及びブーム圧センサ22は、検出信号を車体コントローラ12に送る。
油圧モータ10は、可変容量型の油圧モータである。油圧モータ10は、第1油圧ポンプ4から吐出された作動油によって駆動される。油圧モータ10は、タイヤ55を回転させるための駆動力を生じさせる走行用のモータである。油圧モータ10は、第1油圧ポンプ4からの作動油の吐出方向に応じて前進方向と後進方向とに駆動方向が変更される。
油圧モータ10には、モータシリンダ11aと、モータ容量制御部11bとが設けられている。モータシリンダ11aは、油圧モータ10の傾転角を変更する。モータ容量制御部11bは、車体コントローラ12からの制御信号に基づいて制御される電磁制御弁である。モータ容量制御部11bは、車体コントローラ12からの制御信号に基づいてモータシリンダ11aを制御する。
モータシリンダ11aとモータ容量制御部11bとは、モータパイロット回路34に接続されている。モータパイロット回路34は、チェック弁48を介して第1駆動回路20aに接続されている。チェック弁48は、第1駆動回路20aからモータパイロット回路34への作動油の流れを許容するが、モータパイロット回路34から第1駆動回路20aへの作動油の流れを規制する。モータパイロット回路34は、チェック弁49を介して第2駆動回路20bに接続されている。チェック弁49は、第2駆動回路20bからモータパイロット回路34への作動油の流れを許容するが、モータパイロット回路34から第2駆動回路20bへの作動油の流れを規制する。チェック弁48,49により、第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとのうち大きい方の油圧、すなわち駆動回路圧の作動油が、モータパイロット回路34に供給される。
モータ容量制御部11bは、車体コントローラ12からの制御信号に基づいて、モータパイロット回路34からモータシリンダ11aへの作動油の供給方向および供給流量を切り換える。これにより、車体コントローラ12は、油圧モータ10の容量を任意に変えることができる。また、油圧モータ10の最大容量や最小容量を任意に設定することができる。
油圧駆動機構30には、車速センサ16が設けられている。車速センサ16は、車速を検出する。車速センサ16は、車速信号を車体コントローラ12に送る。車速センサ16は、例えば、タイヤ駆動軸の回転速度を検出することにより、車速を検出する。
作業車両50は、アクセル操作部材13aと、前後進操作部材14とを備えている。
アクセル操作部材13aは、オペレータが目標エンジン回転速度を設定するための部材である。アクセル操作部材13aは、例えばアクセルペダルであり、オペレータによって操作される。アクセル操作部材13aは、アクセル操作量センサ13と接続されている。アクセル操作量センサ13は、ポテンショメータなどで構成されている。アクセル操作量センサ13は、アクセル操作部材13aの操作量(以下、「アクセル操作量」と呼ぶ)を示す開度信号をエンジンコントローラ12aへと送る。オペレータは、アクセル操作量を調整することによって、エンジン1の回転速度を制御することができる。
前後進操作部材14は、車両の前後進を切り換えるためにオペレータによって操作される。前後進操作部材14の操作位置は、前進位置と後進位置と中立位置とに切り換えられる。前後進操作部材14は、前後進操作部材14の位置を示す操作信号を車体コントローラ12に送る。オペレータは、前後進操作部材14を操作することによって、作業車両50の前進と後進とを切り換えることができる。
エンジンコントローラ12aは、CPUなどの演算装置や各種のメモリなどを有する電子制御部である。エンジンコントローラ12aは、設定された目標回転速度が得られるように、エンジン1を制御する。
図3にエンジン1の出力トルク線を示す。エンジン1の出力トルク線は、エンジン1の回転速度と、各回転速度においてエンジン1が出力できる最大のエンジントルクの大きさとの関係を示す。図3において、実線L100は、アクセル操作量が100%であるときのエンジン出力トルク線を示している。このエンジン出力トルク線は、例えばエンジン1の定格又は最大のパワー出力に相当する。
なお、アクセル操作量が100%とは、アクセル操作部材13aが最大に操作されている状態を意味する。また、破線L75は、アクセル操作量が75%であるときのエンジン出力トルク線を示している。エンジンコントローラ12aは、エンジントルクがエンジン出力トルク線以下となるようにエンジン1の出力を制御する。このエンジン1の出力の制御は、例えば、エンジン1への燃料噴射量の上限値を制御することにより行われる。
車体コントローラ12は、CPUなどの演算装置や各種のメモリなどを有する電子制御部である。車体コントローラ12は、本発明の制御部の一例である。車体コントローラ12は、各検出部からの出力信号に基づいて各制御弁を電子制御することにより、第1油圧ポンプ4の容量と油圧モータ10の容量とを制御する。具体的には、車体コントローラ12は、エンジン回転速度センサ1aが検出したエンジン回転速度に基づいて指令信号を圧力制御弁7に出力する。これにより、ポンプ容量と駆動回路圧との関係が規定される。
図4に、ポンプ容量−駆動回路圧特性の一例を示す。ポンプ容量−駆動回路圧特性は、ポンプ容量と駆動回路圧との関係を示す。図中のL11〜L16は、エンジン回転速度に応じて変更されるポンプ容量−駆動回路圧特性を示すラインである。
具体的には、車体コントローラ12が、エンジン回転速度に基づいて圧力制御弁7の開度を制御することにより、ポンプパイロット圧を制御する。これにより、ポンプ容量−駆動回路圧特性がL11〜L16に変更される。
図5は、エンジン回転速度と圧力制御弁7の二次圧との関係の一例を示す図である。図5に示すように、エンジン回転速度が増大するほど、圧力制御弁7の二次圧が増大するように、車体コントローラ12は圧力制御弁7を制御する。圧力制御弁7は、電磁制御弁であり、車体コントローラ12からの指令信号によって電気的に制御される。圧力制御弁7は、車体コントローラ12からの指令信号の値(以下、「指令値」と呼ぶ)に応じて、開度を変更する。圧力制御弁7は、車体コントローラ12からの指令値が増大するほど、圧力制御弁7の二次圧を増大させる。従って、車体コントローラ12は、エンジン回転速度が増大するほど、圧力制御弁7への指令値を増大させる。これにより、圧力制御弁7の二次圧、すなわち、ポンプパイロット圧が増大する。
上記のように車体コントローラ12が圧力制御弁7を制御することによって、ポンプ容量がエンジン回転速度及び駆動回路圧に対応したものに制御される。ポンプ容量−駆動回路圧特性は、エンジン回転速度が増大するほど、L11からL16へ向かって変化する。
車体コントローラ12は、エンジン回転速度センサ1aおよび駆動回路圧検出部17からの出力信号を処理して、モータ容量の指令信号をモータ容量制御部11bに出力する。ここでは、車体コントローラ12は、車体コントローラ12に記憶されているモータ容量−駆動回路圧特性を参照して、エンジン回転速度の値と駆動回路圧の値とからモータ容量を設定する。車体コントローラ12は、この設定したモータ容量に対応する傾転角の変更指令をモータ容量制御部11bに出力する。
図6に、モータ容量−駆動回路圧特性の一例を示す。図中の実線L21は、エンジン回転速度がある値の状態における、駆動回路圧に対するモータ容量を定めたラインである。ここでのモータ容量は、油圧モータ10の傾転角に対応している。駆動回路圧がある一定の値以下の場合までは傾転角は最小(Min)である。その後、駆動回路圧の上昇に伴って傾転角も次第に大きくなる(実線の傾斜部分L22)。そして、傾転角が最大(Max)となった後は、駆動回路圧が上昇しても傾転角は最大傾転角Maxを維持する。
傾斜部分L22は、駆動回路圧の目標圧力を規定している。すなわち、車体コントローラ12は、駆動回路圧が目標圧力よりも大きくなると油圧モータ10の容量を増大させる。また、駆動回路圧が、目標圧力よりも小さくなると油圧モータ10の容量を低減させる。目標圧力は、エンジン回転速度に応じて定められる。すなわち、図6に示す傾斜部分L22は、エンジン回転速度の増減に応じて上下するように設定される。
具体的には、傾斜部分L22は、エンジン回転速度が低ければ、駆動回路圧がより低い状態から傾転角が大きくなり、駆動回路圧がより低い状態で最大傾転角に達するように制御される(図6における下側の破線の傾斜部分L23参照)。反対にエンジン回転速度が高ければ、駆動回路圧がより高くなるまで最小傾転角Minを維持し、駆動回路圧がより高い状態で最大傾転角Maxに達するように制御される(図6における上側の破線の傾斜部分L24参照)。これにより、図7においてL1で示すように、作業車両50は、牽引力と車速とが無段階に変化して、車速ゼロから最高速度まで変速操作なく自動的に変速することができる。なお、図7は、アクセル操作量が最大であるときの車速−牽引力線図である。
上述したように、車体コントローラ12は、図4に示すようなポンプ容量−駆動回路圧特性が得られるように、エンジン回転速度に応じて圧力制御弁7を制御する(以下、この制御を「通常制御」と呼ぶ)。車体コントローラ12は、前後進操作部材14による前後進の切換時に、ポンプシャトル制御を実行する。車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御において圧力制御弁7への指令値を通常制御時の指令値よりも低減させる。以下、ポンプシャトル制御について詳細に説明する。
図8は、ポンプシャトル制御の処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、車体コントローラ12は、“後進且つ操作位置がF”又は“前進且つ操作位置がR”であるか否かを判定する。“後進且つ操作位置がF”は、作業車両50の進行方向が後進であり、且つ、前後進操作部材14の操作位置が前進位置であることを意味する。“前進且つ操作位置がR”は、作業車両50の進行方向が前進であり、且つ、前後進操作部材14の操作位置が後進位置であることを意味する。ここでは、車体コントローラ12は、前後進操作部材14による前後進の切換が実行されたか否かを判定する。詳細には、車体コントローラ12は、車両状態が、“シャトル”であるか否かを判定している。“シャトル”は、作業車両50の進行方向が、前後進操作部材14の操作位置に対応した方向とは逆になっている状態を意味する。
車両状態が“シャトル”であるときには、ステップS2に進む。ステップS2では、タイマーTmのカウントが開始される、又は、タイマーTmのカウントが継続される。タイマーTmのカウントが開始されていない状態で、ステップS2の処理を実行するときには、タイマーTmのカウントが開始される。タイマーTmのカウントの実行中にステップS2の処理を実行するときには、タイマーTmのカウントがそのまま継続される。
ステップS3では、車体コントローラ12は、車速Vが、速度閾値v1以上であるか否かを判定する。速度閾値v1は、本発明の第4速度閾値の一例である。速度閾値v1としてh、前後進の切換時のショックが発生し得る程度の速度の値が設定される。例えば、速度閾値v1は、1.0km/h以下の小さな速度であることが好ましい。車速Vが、速度閾値v1以上であるときには、ステップS4に進む。
ステップS4では、車体コントローラ12は、タイマーTmが所定時間tm1であるか否かを判定する。所定時間tm1は、本発明の第2所定時間の一例である。所定時間tm1としては、前後進操作部材14の操作が確実に行なわれたかどうかを確認できる程度の値が設定される。所定時間tm1は、例えば0.1秒以下の短い時間であることが好ましい。タイマーTmが所定時間tm1であるときには、ステップS9に進む。
ステップS9では、車体コントローラ12は、ポンプシャトル率マップから圧力制御弁7への指令値を算出する。すなわち、車体コントローラ12は、指令値の算出にポンプシャトル率マップを適用することによって、圧力制御弁7への指令値を低減する。従って、タイマーTmのカウント開始後、所定時間tm1が経過したときには、ステップS5以降の他の条件に関わらず、指令値の算出にポンプシャトル率マップが適用される。ステップS9の処理については後述する。
ステップS5では、車体コントローラ12は、駆動回路圧M1が吸い込み回路圧M2に所定圧力値P1を加えた値より小さいか否かを判定する。所定圧力値P1としては、前後進操作部材14の切換後に、オペレータが前後進操作部材14の操作位置と同一方向の駆動力を感じる程度の駆動回路圧に対応する値が設定される。
なお、第1油圧ポンプ4から流出した作動油が、第1駆動回路20aを介して油圧モータ10に流入し、油圧モータ10から流出した作動油が第2駆動回路20bを介して第1油圧ポンプ4に流入するときには、駆動回路圧M1は、第1駆動回路20aの油圧であり、吸い込み回路圧M2は、第2駆動回路20bの油圧である。第1油圧ポンプ4から流出した作動油が、第2駆動回路20bを介して油圧モータ10に流入し、油圧モータ10から流出した作動油が第1駆動回路20aを介して第1油圧ポンプ4に流入するときには、駆動回路圧M1は、第2駆動回路20bの油圧であり、吸い込み回路圧M2は、第1駆動回路20aの油圧である。駆動回路圧M1が吸い込み回路圧M2に所定圧力値P1を加えた値より小さいときには、ステップS6に進む。
ステップS6では、車体コントローラ12は、車速Vが速度閾値v2以上であるか否かを判定する。速度閾値v2は、本発明の第1速度閾値の一例である。速度閾値v2は、ステップS3での速度閾値v1より大きい。好ましくは、速度閾値v2は、2km/hより大きい。より好ましくは、速度閾値v2は、3km/h以上である。さらに好ましくは、速度閾値v2は、5km/hより大きい。所定時間tm2は、所定時間tm1より大きい。車速Vが速度閾値v2以上であるときには、ステップS7に進む。
ステップS7では、車体コントローラ12は、タイマーTmが所定時間tm2以下であるか否かを判定する。所定時間tm2は、車速Vが速度閾値v2以上であるときのポンプシャトル制御の解除時間である。所定時間tm2は、前後進操作部材14で設定した方向に駆動圧が立っていない場合(ステップS5が成立)でも、十分に時間が経過しており、設定した方向に駆動力が必要となる時間である。これにより、前後進操作部材14の操作に対するタイムラグを小さく抑えることができる。なお、ステップS5が成立するのは、通常Tm≦tm2のときである。所定時間tm2は、0.1秒より大きいことが好ましい。また、所定時間tm2は、1.0秒より小さいことが好ましい。タイマーTmが所定時間tm2以下であるときには、ステップS9に進む。
ステップS6において、車速Vが速度閾値v2より小さいときには、ステップS8に進む。ステップS8では、車体コントローラ12は、タイマーTmが所定時間tm3以下であるか否かを判定する。所定時間tm3は、所定時間tm1より大きい。また、所定時間tm3は、所定時間tm2以下である。所定時間tm3は、車速Vが速度閾値v2より小さいときのポンプシャトル制御の解除時間である。所定時間tm3は、前後進操作部材14で設定した方向に駆動圧が立っていない場合(ステップS5が成立)でも、十分に時間が経過しており、設定した方向に駆動力が必要となる時間である。これにより、前後進操作部材14の操作に対するタイムラグを小さく抑えることができる。例えば、掘削作業中などで車体コントローラ12がシャトル中であると認識し、且つ、駆動圧が立っていないときに、いつまでも駆動力が上がらないでいる状態になるのを回避することができる。なお、ステップS5が成立するのは、通常Tm≦tm3のときである。所定時間tm3は、0.1秒より大きいことが好ましい。また、所定時間tm3は、1.0秒より小さいことが好ましい。タイマーTmが所定時間tm3以下であるときには、ステップS9に進む。
ステップS1において、車両状態が“シャトル”ではないときには、ステップS10に進む。ステップS10では、車体コントローラ12は、タイマーTmを0にリセットする。そして、車体コントローラ12は、ステップS11において通常制御を実行する。すなわち、通常制御の実行中にステップS11の処理が実行されるときには、車体コントローラ12は、通常制御をそのまま維持する。ポンプシャトル制御の実行中にステップS11の処理が実行されるときには、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御を解除して、通常制御を復帰させる。
ステップS3において、車速が速度閾値v1より小さいときにも、車体コントローラ12は、ステップS10においてタイマーTmをリセットし、ステップS11において通常制御を実行する。
ステップS5において、駆動回路圧M1が吸い込み回路圧M2に所定圧力値P1を加えた値以上であるときにも、車体コントローラ12は、ステップS10においてタイマーTmをリセットし、ステップS11において通常制御を実行する。
ステップS7の条件またはステップS8の条件が満たされないときにも、車体コントローラ12は、ステップS10においてタイマーTmをリセットし、ステップS11において通常制御を実行する。
以上より、ポンプシャトル率マップの適用条件は、以下の(1)から(3)の全ての条件が成立したとき、又は、(1)且つ(4)の条件が成立することである。
(1)車両状態が“シャトル”であり、且つ、車速Vが速度閾値v1以上である。
(2)駆動回路圧M1<吸い込み圧M2+所定圧力値P1が成り立つ。
(3)車速Vが速度閾値v2以上である場合には、車両状態が“シャトル”になってからの経過時間が所定時間tm2以下であり、車速Vが速度閾値v2より小さい場合には、車両状態が“シャトル”になってからの経過時間が所定時間tm3以下である。
(4)車両状態が“シャトル”になってからの経過時間が所定時間tm1である。
次に、ステップS9に示す、ポンプシャトル率マップを適用することによる圧力制御弁7への指令値の算出方法について説明する。図9は、ポンプシャトル率マップの一例を示す図である。ポンプシャトル率マップは、車速とポンプシャトル率との関係を規定する。車体コントローラ12は、通常制御時の圧力制御弁7への指令値にポンプシャトル率を乗じた値を、ポンプシャトル制御時の圧力制御弁7への指令値として算出する。ポンプシャトル率は100%より小さい値を含む。
図9において、第1ポンプシャトル率マップMap1は、アクセル操作量が第1操作量以上であるときのポンプシャトル率マップを示している。第2ポンプシャトル率マップMap2は、アクセル操作量が第2操作量以下であるときのポンプシャトル率マップを示している。
第1ポンプシャトル率マップMap1において、車速が速度閾値vaより小さいときには、車速の変化に関わらずポンプシャトル率はr1で一定である。車速が速度閾値va以上且つ速度閾値vbより小さいときには、車速が増大するほどポンプシャトル率が小さくなる。車速が速度閾値vb以上であるときには、ポンプシャトル率は0である。速度閾値vaは、本発明の第2速度閾値の一例である。速度閾値vbは、本発明の第3速度閾値の一例である。
速度閾値vaは、上述した速度閾値v1より大きい。また、好ましくは、速度閾値vaは、速度閾値v2以下である。速度閾値vbは、上述した速度閾値v1より大きい。速度閾値vbは、速度閾値vaより大きい。また、好ましくは、速度閾値vbは、速度閾値v2より大きい。
第2ポンプシャトル率マップMap2においても、車速に対するポンプシャトル率の変化は、第1ポンプシャトル率マップMap1と同様である。ただし、第1ポンプシャトル率マップMap1は、第2ポンプシャトル率マップMap2よりもポンプシャトル率が大きくなるように設定されている。なお、アクセル操作量が第1操作量と第2操作量との間の値であるときには、第1ポンプシャトル率マップMap1と第2ポンプシャトル率マップMap2との間に設けられた別のポンプシャトル率マップが用いられる。
図10は、ポンプシャトル制御が実行される場合の圧力制御弁7への指令値の変化を示すタイミングチャートである。時間t0では通常制御が実行されている。通常制御において圧力制御弁7への指令値は、I1である。
時間t1で前後進操作部材14による前後進の切換操作が行われ、上述したポンプシャトル率マップの適用条件が満たされると、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御を実行する。図10に示す例では、車速が速度閾値vb以上であるものとする。この場合、ポンプシャトル率マップを参照して得られるポンプシャトル率は0である。従って、時間t1において、車体コントローラ12は、圧力制御弁7への指令値をI1から0に低減する。
時間t2において、ポンプシャトル率マップの適用条件が満たされなくなると、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御を解除する。このため、車体コントローラ12は、時間t2から時間t3までに亘って、圧力制御弁7への指令値を徐々に増大させる。圧力制御弁7への指令値は、時間t3で元の値I1に戻る。このように、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御の実行時には、モジュレーションをかけずに圧力制御弁7への指令値を低減する。これに対して、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御の解除時には、モジュレーションをかけて圧力制御弁7への指令値を除々に増大させて元の値I1に戻す。
図11は、ポンプシャトル制御が実行される場合の圧力制御弁7への指令値の変化を示すタイミングチャートである。時間t0では通常制御が実行されている。通常制御において圧力制御弁7への指令値は、I1である。
時間t1で前後進操作部材14による前後進の切換操作が行われ、上述したポンプシャトル率マップの適用条件が満たされると、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御を実行する。図11に示す例では、車速が速度閾値vaより小さいものとする。また、アクセル操作量は第1操作量以上であるものとする。この場合、第1ポンプシャトル率マップを参照して得られるポンプシャトル率はr1である。従って、時間t1において、車体コントローラ12は、圧力制御弁7への指令値をI1からI2に低減する。指令値I2は、I1にr1を乗じた値である。
時間t2において、ポンプシャトル率マップの適用条件が満たされなくなると、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御を解除する。このため、車体コントローラ12は、時間t2から時間t3までに亘って、圧力制御弁7への指令値を徐々に増大させる。圧力制御弁7への指令値は、時間t3で元の値I1に戻る。このように、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御の実行時には、モジュレーションをかけずに圧力制御弁7への指令値を低減する。これに対して、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御の解除時には、モジュレーションをかけて圧力制御弁7への指令値を除々に増大させて元の値I1に戻す。
本実施形態に係る作業車両50では、車体コントローラ12が、前後進操作部材14による前後進の切換時に、ポンプシャトル制御を実行する。ポンプシャトル制御では、圧力制御弁7への指令値が低減されることにより、ポンプパイロット圧が低減される。これにより、前後進の切換時のショックを抑えることができる。また、ポンプパイロット回路32において圧力制御弁7とポンプ容量制御シリンダ6との間に絞りを配置する必要が無いため、第1油圧ポンプ4の制御応答性を向上させることができる。
車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御において、前後進の切換時から第1所定時間が経過したときには、ポンプシャトル制御を解除する。車速Vが速度閾値v2以上である場合には、第1所定時間は、所定時間tm2である。車速Vが速度閾値v2より小さいときには、第1所定時間は、所定時間tm3である。これにより、前後進の切換時からショックが発生する可能性のある時間が経過したときに、ポンプシャトル制御を解除して通常の制御に戻すことができる。
所定時間tm2は、所定時間tm3より大きい。従って、車体コントローラ12は、車速が速度閾値v2以上であるときの第1所定時間(tm2)を、車速が速度閾値v2より小さいときの第1所定時間(tm3)よりも長く設定する。これにより、車速が速度閾値v2以上であるときには、車速が速度閾値v2より小さいときよりも、ポンプシャトル制御を長く維持することができる。車速が大きいときの方が、ショックの発生する時間が長い。このため、車速が大きいときにポンプシャトル制御を長く維持することによって、ショックの発生を抑えることができる。
図9に示すように、ポンプシャトル率マップでは、車速が速度閾値va以上であるときには、車速が増大するほどポンプシャトル率が小さい。従って、ポンプシャトル制御では、車体コントローラ12は、車速が速度閾値va以上であるときには、車速が増大するほど、圧力制御弁7への指令値を小さくする。これにより、ショックの発生を抑えることができる。
図9に示すように、ポンプシャトル率マップでは、車速が速度閾値vaより小さいときには、ポンプシャトル率は、車速の変化に関わらず一定である。従って、ポンプシャトル制御では、車体コントローラ12は、車速が速度閾値vaより小さいときには、車速の変化に関わらず、圧力制御弁7への指令値を一定の値に低減する。このため、車速が速度閾値vaより小さいときには、車速の変化に関わらずポンプパイロット圧の変動が抑えられる。車速が非常に小さいときには、車速が変化しても、ショックの大きさや発生時間は殆ど変化しない。従って、このような状況で、ポンプパイロット圧が過剰に低減されることを回避することができる。
図9に示すように、ポンプシャトル率マップでは、車速が速度閾値vb以上であるときには、ポンプシャトル率は0である。従って、ポンプシャトル制御において、車体コントローラ12は、車速が速度閾値vb以上であるときには、圧力制御弁7への指令値を0にする。このため、速度が大きく、大きなショックが発生し得る状況で、ポンプパイロット圧を最小限の値に低減させることができる。これにより、速度が大きいときであっても、ショックの発生を抑えることができる。
図8のステップS3において、車速が速度閾値v1より小さいときには、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御を実行しない。これにより、小さなショックしか発生しないほど速度が低い状況では、ポンプパイロット圧が過剰に低減されることを回避することができる。従って、前後進操作部材14の操作方向に駆動力が発生するまでのタイムラグを短く抑えることができる。
図9に示すように、第1ポンプシャトル率マップMap1が用いられる場合には、第2ポンプシャトル率マップMap2が用いられる場合よりも、ポンプシャトル率が大きい。このため、アクセル操作量が第1操作量以上であるときには、車体コントローラ12は、アクセル操作量が第2操作量以下であるときよりも、圧力制御弁7への指令値を大きくする。すなわち、アクセル操作量が大きいときには、圧力制御弁7への指令値の低減量を少なくする。アクセル操作量が大きいときは、オペレータが大きな出力を要求している状況であることが多い。このため、アクセル操作量が大きいときには、指令値の低減量を小さくすることによって、ポンプシャトル制御の完了後の第1油圧ポンプ4の出力の回復を早めることができる。また、アクセル操作量が大きいときには、オペレータは、ショックに対して過敏にならない。
図8のステップS5において、駆動回路圧が、吸い込み回路圧に所定圧力値を加えた値以上であるときには、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御を解除する。駆動回路圧が、吸い込み回路圧に所定圧力値を加えた値以上であることは、オペレータがショックを気にしない程度に牽引力が大きい状態であることを意味する。従って、このように牽引力が大きいときにポンプシャトル制御を解除することによって、ポンプパイロット圧が不要に低減されることを回避することができる。
図8のステップS4において、前後進操作部材14による前後進の切換時から所定時間tm1が経過するまで、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御を実行しない。従って、前後進操作部材14による前後進の切換の瞬間に、作業車両50における前後進の切換が不安定になることを回避することができる。
図10或いは図11に示すように、車体コントローラ12は、ポンプシャトル制御において、モジュレーションをかけずに指令値を低減させた後、モジュレーションをかけて指令値を元の値に戻す。このため、前後進の切換時には、指令値を元に戻すときよりも迅速に指令値を低減させることができる。第1油圧ポンプ4の駆動時には、傾転復帰力が作用している。傾転復帰力は、傾転角を戻す方向に作用する反力である。例えば、前進方向に油圧ポンプが駆動されているときには、傾転角が後進方向の角度に戻る方向への反力が発生している。このため、前進から後進に切り換えられた瞬間には、傾転角が後進方向に向けて急速に変更されてしまう。この場合、大きなショックが発生する可能性がある。本実施形態に係る作業車両50では、前後進の切換時に迅速に指令値を低減させることができるため、傾転復帰力による大きなショックの発生を抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、本発明が適用される作業車両として、ホイールローダを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、HSTを搭載した他の作業車両に対して、本発明を適用することができる。
上記実施形態では、1つの油圧ポンプと油圧モータを含む1ポンプ1モータのHSTシステムを搭載した作業車両を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、1つの油圧ポンプと2つの油圧モータを含む、1ポンプ2モータのHSTシステムを搭載した作業車両に対して、本発明を適用してもよい。
ポンプシャトル率マップの適用条件は、上述した条件に限られず、適宜変更されてもよい。例えば、上述した条件の一部が省略或いは変更されてもよい。或いは、上述した条件とは異なる条件が追加されてもよい。
ポンプシャトル率マップは上記の第1ポンプシャトル率マップMap1及び第2ポンプシャトル率マップMap2に限らず、適宜、変更されてもよい。
シャトル率マップは、テーブル或いは数式の形態で車体コントローラ12に格納されていてもよい。
本発明によれば、走行操作性を向上させることができる作業車両及び作業車両の制御方法を提供することができる。
1 エンジン
4 第1油圧ポンプ
5 前後進切換弁
6 ポンプ容量制御シリンダ
7 圧力制御弁
10 油圧モータ
12 車体コントローラ
13a アクセル操作部材
14 前後進操作部材
20a 第1駆動回路
20b 第2駆動回路

Claims (13)

  1. エンジンと、
    前記エンジンによって駆動されることによって作動油を吐出し、作動油の吐出方向を変更可能な油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動され、前記油圧ポンプからの作動油の吐出方向に応じて前進方向と後進方向とに駆動方向が変更される油圧モータと、
    供給される作動油の圧力に応じて前記油圧ポンプの容量を制御し、前記供給される作動油の供給方向に応じて前記油圧ポンプからの作動油の吐出方向を切り換えるポンプ容量制御シリンダと、
    前記ポンプ容量制御シリンダへの作動油の供給方向を切り換える前後進切換弁と、
    入力される指令値に応じて前記ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力を制御する圧力制御弁と、
    車両の前後進を切り換えるために操作される前後進操作部材と、
    前記前後進操作部材による前後進の切換時に、前記圧力制御弁への指令値を低減させるポンプシャトル制御を実行する制御部と、
    を備える作業車両。
  2. 前記制御部は、前記ポンプシャトル制御において、前記前後進の切換時から第1所定時間が経過したときには、前記ポンプシャトル制御を解除する、
    請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記制御部は、車速が第1速度閾値以上であるときの前記第1所定時間を、車速が前記第1速度閾値より小さいときの前記第1所定時間よりも長く設定する、
    請求項2に記載の作業車両。
  4. 前記制御部は、前記ポンプシャトル制御において、車速が第2速度閾値以上であるときには、車速が増大するほど前記指令値を小さくする、
    請求項1から3のいずれかに記載の作業車両。
  5. 前記制御部は、前記ポンプシャトル制御において、車速が前記第2速度閾値より小さいときには、車速の変化に関わらず前記指令値の低減率を一定にする、
    請求項4に記載の作業車両。
  6. 前記制御部は、前記ポンプシャトル制御において、車速が前記第2速度閾値より大きい第3速度閾値以上であるときには、前記指令値を0にする、
    請求項4又は5に記載の作業車両。
  7. 前記制御部は、車速が第4速度閾値より小さいときには、前記ポンプシャトル制御を実行しない、
    請求項1から6のいずれかに記載の作業車両。
  8. 前記エンジンの目標回転速度を設定するためのアクセル操作部材をさらに備え、
    前記制御部は、前記アクセル操作部材の操作量が第1操作量であるときには、前記ポンプシャトル制御において、前記アクセル操作部材の操作量が前記第1操作量よりも小さい第2操作量であるときよりも前記指令値を大きくする、
    請求項1から7のいずれかに記載の作業車両。
  9. 前記油圧ポンプと前記油圧モータとを接続する第1駆動回路及び第2駆動回路をさらに備え、
    前記油圧ポンプから流出した作動油が、前記第1駆動回路を介して前記油圧モータに流入するときには、前記油圧モータから流出した作動油が前記第2駆動回路を介して前記油圧ポンプに流入し、
    前記油圧ポンプから流出した作動油が、前記第2駆動回路を介して前記油圧モータに流入するときには、前記油圧モータから流出した作動油が前記第1駆動回路を介して前記油圧ポンプに流入し、
    前記第1駆動回路と前記第2駆動回路とのうち前記油圧ポンプから前記油圧モータに向かう作動油が流れる方の回路の油圧を駆動回路圧とし、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路とのうち前記油圧モータから前記油圧ポンプに向かう作動油が流れる方の回路の油圧を吸い込み回路圧として、
    前記駆動回路圧が、前記吸い込み回路圧に所定圧力値を加えた値以上であるときには、前記制御部は、前記ポンプシャトル制御を解除する、
    請求項1から8のいずれかに記載の作業車両。
  10. 前記前後進の切換時から第2所定時間が経過した時点で、前記制御部は、前記ポンプシャトル制御を実行する、
    請求項1から9のいずれかに記載の作業車両。
  11. 前記制御部は、前記ポンプシャトル制御において、モジュレーションをかけずに前記指令値を低減させた後、モジュレーションをかけて前記指令値を元の値に戻す、
    請求項1から10のいずれかに記載の作業車両。
  12. 前記制御部は、前記ポンプシャトル制御が解除された通常制御時には、前記圧力制御弁への指令値を、前記エンジンの回転速度に応じた値である通常指令値に設定し、
    前記制御部は、前記ポンプシャトル制御において、前記圧力制御弁への指令値を前記通常指令値よりも低減させる、
    請求項1から11のいずれかに記載の作業車両。
  13. 前後進操作部材による車両の前後進の切換操作を検出するステップと、
    ポンプ容量制御シリンダへの作動油の供給方向を切り換えるステップと、
    前記ポンプ容量制御シリンダが、油圧ポンプからの作動油の吐出方向を切り換えるステップと、
    前記油圧ポンプの吐出方向の切換に応じて油圧モータの駆動方向が切り換えられるステップと、
    前記前後進操作部材による前後進の切換時にポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力を低減させるステップと、
    を備える作業車両の制御方法。
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