JP6097104B2 - 重金属含有溶液の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重金属含有溶液から重金属を除去する技術に関する。
鉱物資源の枯渇、産業廃棄物処分場の逼迫等の状況から、リサイクル等を目的として、重金属含有溶液から重金属を分離する技術に期待が集まっている。カチオン交換樹脂やキレート樹脂等のイオン交換樹脂に重金属含有溶液を通液して、溶液中から重金属を分離するイオン交換樹脂法は、重金属分離方法の一つであり、例えば、希薄溶液からの分離等に適している。
また、イオン交換樹脂法を用いた重金属のリサイクル方法としては、目的とする重金属をイオン交換樹脂に吸着させ、次に硫酸等の酸でイオン交換樹脂に吸着した重金属を溶離して回収する方法が知られている。溶離(回収)液は必要に応じて、リサイクルしやすい性状にするための精製等が実施される。
特開2004−174418号公報 特開2006−137987号公報
ところで、イオン交換樹脂からの溶離液には、高純度の重金属が含まれていることが望ましい。高純度の重金属を含有させることにより、溶離液の価値が高まること、その後の純度を高めるための精製コストを安価、簡易にすることができる。例えば、重金属メッキ洗浄廃液からの重金属回収においては、Na形もしくはH形もしくは双方のイオン形が混合したカチオン交換樹脂、またはキレート樹脂等のイオン交換樹脂で重金属を吸着した後、酸でイオン交換樹脂に吸着した重金属を溶離して回収する。その溶離液に高純度の重金属が含まれており、メッキ成分以外の不純物がなければ、その溶離液をそのままメッキ原液として再利用できるため、費用・効率面等の点から望ましい。
溶離液中の重金属を高純度とするためには、酸等でイオン交換樹脂に吸着した重金属を溶離する時点において、イオン交換樹脂に残留するNa形またはH形等の官能基の量をいかに減らせるか、言い換えれば、重金属含有溶液由来の重金属等の成分をイオン交換樹脂の官能基(イオン交換基)にいかに多く吸着させることができるかにある。イオン交換樹脂中に残存するNa形またはH形等の官能基の量が多いと、該官能基由来のNa、Hが、イオン交換樹脂から重金属が溶離する際に、重金属と共に溶離液に混入してしまうため、純度を低めてしまう場合がある。したがって、イオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和される状態になるまで、重金属含有溶液をイオン交換樹脂に通液させることが望ましい。
しかし、イオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和された状態(以下、単にイオン交換樹脂の飽和状態と呼ぶ場合がある)を検知することは困難である。飽和状態を検知する指標としては、イオン交換樹脂から排出された処理水のpH変動が挙げられるが、飽和状態のイオン交換樹脂から排出された処理液のpH変動はごくわずかであるため、例えば市販のpH計では、処理液のpH変動を検知することが非常に困難で、イオン交換樹脂の飽和状態を検知することができない。これは、処理水のpH変動を処理水の金属濃度変動、Na濃度変動等に置き換えても、市販の金属濃度計やNa濃度計等では、処理水中の上記濃度変動を検知することは困難である。
そこで、本発明の目的は、イオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和された状態を検知して、重金属含有溶液の通液停止時期を制御することができる重金属含有溶液の処理方法を提供することである。
本発明は、少なくとも2つのイオン交換樹脂充填塔を直列に接続した多段式イオン交換樹脂充填塔に重金属含有溶液を通液して、前記溶液から重金属を除去する重金属含有溶液の処理方法であって、前記溶液中の重金属濃度(mg当量/L)と第1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する前記溶液の通液速度(m/h)との積が3以上300以下の範囲となるように、前記多段式イオン交換樹脂充填塔に前記溶液を通液し、第2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理水のpHの変動に基づいて、前記第1段目のイオン交換樹脂充填塔のイオン交換樹脂が飽和されたと判断し、前記多段式イオン交換樹脂充填塔への前記溶液の通液を停止する重金属含有溶液の処理方法である。
また、前記重金属含有溶液の処理方法において、前記第1段目のイオン交換樹脂充填塔のイオン交換樹脂の充填量に対する前記2段目のイオン交換樹脂充填塔のイオン交換樹脂の充填量の比は0.8〜1.25の範囲であることが好ましい。
また、前記重金属含有溶液の処理方法において、前記第1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する前記溶液の通液速度は、1m/h以上200m/h以下の範囲であることが好ましい。
また、前記重金属含有溶液の処理方法において、前記第1段目及び前記第2段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されるイオン交換樹脂は、弱酸性カチオン交換樹脂であることが好ましい。
また、前記重金属含有溶液の処理方法において、前記第2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理水のpHの変動が、基準値から0.5以上変動した際、又は0.003pH/処理倍量以上となった際に、前記多段式イオン交換樹脂充填塔への前記溶液の通液を停止することが好ましい。
また、前記重金属含有溶液の処理方法において、前記溶液の通液停止後に、前記第1段目のイオン交換樹脂充填塔に酸溶液を通液して、前記第1段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液を回収することが好ましい。
本発明によれば、イオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和された状態を検知して、重金属含有溶液の通液停止時期を制御することができる重金属含有溶液の処理方法を提供することである。
本実施形態に係る重金属含溶液の処理方法を実施するための処理装置の構成の一例を示す模式図である。 実施例1〜3及び比較例1の通液工程における1段目及び2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpHの推移を示す図である。 実施例4の通液工程における1段目及び2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpHの推移を示す図である。 実施例5及び6の通液工程における1段目及び2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpHの推移を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る重金属含溶液の処理方法を実施するための処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示す処理装置1は、貯留槽10、流入ライン12、供給ポンプ14、第1イオン交換樹脂充填塔16、第2イオン交換樹脂充填塔18、一次処理水排出第1ライン20、最終処理水排出ライン22、pH計24、を備えている。第1イオン交換樹脂充填塔16と第2イオン交換樹脂充填塔18は直列に接続されている。ここで、直列に接続されるとは、重金属含有溶液が1段目のイオン交換樹脂充填塔に流入し、1段目のイオン交換樹脂充填塔を通過して排出された溶液が2段目のイオン交換樹脂充填塔に流入する構成になっていることを言う。第1イオン交換樹脂充填塔16及び第2イオン交換樹脂充填塔18には、イオン交換樹脂が充填されている。
供給ポンプ14は流入ライン12に設置されており、pH計24は最終処理水排出ライン22に設置されている。流入ライン12の一端は貯留槽10に接続され、他端は第1イオン交換樹脂充填塔16に接続される。一次処理水排出第1ライン20の一端は第1イオン交換樹脂充填塔16に接続され、他端は第2イオン交換樹脂充填塔18に接続されている。最終処理水排出ライン22の一端は第2イオン交換樹脂充填塔18に接続され、他端は系外に設けられる処理水槽等に接続されている。
図1に示すように処理装置1は、さらに酸貯留槽26、酸添加ライン28、酸添加ポンプ30、溶離液回収ライン32、を備えている。酸添加ポンプ30は酸添加ライン28に設置されている。酸添加ライン28の一端は酸貯留槽26に接続され、他端は流入ライン12に接続されている。溶離液回収ライン32の一端は最終処理水排出ライン22に接続され、他端は系外に設けられる溶離液貯留槽等に接続されている。
図1に示す処理装置1は、さらに、分岐第1ライン34、一次処理水排出第2ライン36、分岐第2ライン38、を備えている。分岐第1ライン34の一端は流入ライン12に接続され、他端は一次処理水排出第1ライン20に接続されている。一次処理水排出第2ライン36の一端は第2イオン交換樹脂充填塔18に接続され、他端は流入ライン12に接続されている。分岐第2ライン38の一端は一次処理水排出第1ライン20に接続され、他端は最終処理水排出ライン22に接続されている。分岐第1ライン34、一次処理水排出第2ライン36、分岐第2ライン38、を備えることにより、第1イオン交換樹脂充填塔16及び第2イオン交換樹脂充填塔18の間で通液順序を入れ替えることが可能となる。すなわち、第1イオン交換樹脂充填塔16及び第2イオン交換樹脂充填塔18の一方を1段目のイオン交換樹脂充填塔とし、他方を2段目のイオン交換樹脂充填塔とするかを任意に設定することが可能となる。
以下に、図1に示す処理装置1の動作について説明する。
本実施形態の処理対象である重金属含有溶液は、貯留槽10に貯留されている。本実施形態における重金属とは、比重が4以上の金属をいい、例えば、Fe、Hg、Cu、Ni、Zn、Cd、Co、Mn、Ti等が挙げられる。
本実施形態の処理装置1では、少なくとも2つのイオン交換樹脂充填塔を直列に接続した多段式イオン交換樹脂充填塔に重金属含有溶液を通液して、溶液中の重金属をイオン交換処理により吸着除去する通液工程と、1段目のイオン交換樹脂充填塔内のイオン交換樹脂を再生する再生工程とを1サイクルとして、これらの工程を繰り返して実施する。本実施形態では、まず、1段目を第1イオン交換樹脂充填塔16とし、2段目を第2イオン交換樹脂充填塔18とした場合について説明する。但し、重金属含有溶液の通液順序は、第1及び第2イオン交換樹脂充填塔間で変更可能であり、1サイクル毎に、重金属含有溶液の通液順序を第1及び第2イオン交換樹脂充填塔間で変更することが好ましい。
<通液工程>
供給ポンプ14を稼働させると共に、流入ライン12に設けられるバルブ40及び42、一次処理水排出第1ライン20に設けられるバルブ44、最終処理水排出ライン22に設けられるバルブ46及び48を開く。これにより、貯留槽10内の重金属含有溶液が流入ライン12から第1イオン交換樹脂充填塔16に供給される。第1イオン交換樹脂充填塔16内のイオン交換樹脂により、溶液中の重金属等が吸着される。第1イオン交換樹脂充填塔16から排出される一次処理水は一次処理水排出第1ライン20を通り、第2イオン交換樹脂充填塔18に供給される。通液初期においては、重金属は第1イオン交換樹脂充填塔16内のイオン交換樹脂により吸着されるため、一次処理水中にはほとんど重金属は含まれない。しかし、通液を継続し、第1イオン交換樹脂充填塔16内のイオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和される状態(以下、単に第1イオン交換樹脂の飽和状態と呼ぶ場合がある)に近づくにつれ、第1イオン交換樹脂充填塔16から重金属がリークする。しかし、一次処理水中に重金属が含まれていても、第2イオン交換樹脂充填塔18内のイオン交換樹脂により、一次処理水中の重金属が吸着されるため、重金属が除去された最終処理水が第2イオン交換樹脂充填塔18内から排出される。
さらに重金属含有溶液の通液を継続すれば、第1イオン交換樹脂充填塔16内のイオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和される状態となる。しかし、イオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和されると、重金属含有溶液の重金属はイオン交換樹脂に吸着されることなく、ほとんどそのままイオン交換樹脂を通過するため、前述したように、飽和状態のイオン交換樹脂から排出された処理液のpH変動はごくわずかとなる。したがって、通常、第1イオン交換樹脂充填塔16内のイオン交換樹脂の飽和状態を第1イオン交換樹脂充填塔16から排出される一次処理水のpH変動から検出することは困難である。そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の通液条件で、重金属含有溶液を通液させることにより、イオン交換樹脂の飽和状態を検知することが可能となることを見出した。
本実施形態の通液工程では、溶液中の重金属濃度(mg当量/L)と1段目のイオン交換樹脂充填塔(本実施形態では第1イオン交換樹脂充填塔16)に通液する重金属含有溶液の通液速度(LV(m/h))の積が3以上300以下の範囲となるように、2段直列に接続された多段式イオン交換樹脂充填塔に重金属含有溶液を通液する。
このような通液条件で、重金属含有溶液の通液を行うことにより、次のような現象が起きる。すなわち、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内のイオン交換樹脂が飽和に近くなると、次第に第1段目のイオン交換樹脂充填塔を素通りして第2段目のイオン交換樹脂充填塔に流入する重金属が増加する。第2段目のイオン交換樹脂充填塔に流入した重金属が第2段目のイオン交換樹脂充填塔で樹脂に吸着され、吸着が進んで一部の重金属が第2段目のイオン交換樹脂充填塔内のイオン交換樹脂からリークすると、第2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpHが下がることになる。本発明の方法によれば、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂が十分に飽和した後に、第2段目のイオン交換樹脂充填塔から重金属がリークし始め、処理液のpHが低下する。すなわち、第2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理水のpH変動により、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内のイオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和されたことを検知することができる。また、本実施形態では、第2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理水のpH変動に基づいて、重金属含有溶液の通液を停止する。
このように、前述の通液条件で重金属含有溶液の通液を行い、第2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理水のpH変動に基づいて、重金属含有溶液の通液停止の制御を行うことにより、第1イオン交換樹脂充填塔16内のイオン交換樹脂の官能基は重金属等で飽和した状態となり、また、第2イオン交換樹脂充填塔18から排出される最終処理水に重金属が混入することも抑制することができる。ここでイオン交換樹脂の官能基が重金属等により飽和された状態とは、重金属含有溶液由来のカチオン成分が99.8%〜100.0%の範囲にある状態を言う。重金属含有溶液由来のカチオン成分が99.8%未満では、官能基由来のNaやH等が後述する再生工程で得られる溶離液中に混入し、目標液質との差異が大きくなってしまう場合がある。
溶液中の重金属濃度(mg当量/L)と1段目のイオン交換樹脂充填塔(第1イオン交換樹脂充填塔16)に通液する重金属含有溶液の通液速度(LV(m/h))の積が300を超える値で重金属含有溶液の通液を行った場合、イオン交換帯長さが長くなってしまうため、2段目のイオン交換樹脂充填塔(本実施形態では第2イオン交換樹脂充填塔18)から重金属がリークし始めた時には、まだ1段目のイオン交換樹脂充填塔(第1イオン交換樹脂充填塔16)内のイオン交換樹脂の官能基は重金属等で飽和した状態に達していない。また、溶液中の重金属濃度と1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度の積が3未満の値で重金属含有溶液の通液を行った場合、重金属の処理に時間が掛かり、処理効率が悪くなる場合がある。
前述したように、本実施形態では、2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理水のpH変動に基づいて、イオン交換樹脂充填塔への重金属含有溶液の通液を停止する。具体的には、最終処理水排出ライン22を流れる最終処理水のpHをpH計24により検出して、最終処理水のpHが基準値から0.5以上変動した場合に、重金属含有溶液の通液を停止することが好ましい。なお、最終処理水のpHが基準値から0.5未満変動した段階で重金属含有溶液の通液を停止すると、測定誤差等によって、誤って通液を停止してしまう場合がある。ここで基準値は、2段目のイオン交換樹脂充填塔から重金属がリークしていない時の最終処理水のpH値に設定されるものであり、例えば、重金属含有溶液濃度(mg当量/L)×総通液量(L)÷2段目イオン交換樹脂量(L−樹脂)が1000(mg当量/L−樹脂)に達するまでに得られる最終処理水のpH値に設定されることが望ましい。
また、最終処理水排出ライン22を流れる最終処理水のpHが0.003pH/処理倍量以上変動した場合に、重金属含有溶液の通液を停止することが好ましい。ここで、pH/処理倍量は、最終処理液のpHを縦軸に、処理倍量を横軸にとってpHと処理倍量の関係をグラフ化した場合に、pHの変化を示すグラフ(曲線又は直線)のある処理倍量の時点での接線の傾き(すなわち微分値)として表される。また、処理倍量とは通液時の2段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されるイオン交換樹脂の体積に対するある時点におけるそれまでの重金属含有溶液の総通液量で求められる。すなわち、処理倍量は、(重金属含有溶液の総通液量)/(2段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されるイオン交換樹脂の体積)で求められる。
重金属含有溶液の通液を停止する場合には、供給ポンプ14を停止し、通液する際に開いたバルブをすべて閉じる。
<再生工程>
前述の通液工程終了後、酸添加ポンプ30を稼働させ、酸添加ライン28に設けられたバルブ50、流入ライン12に設けられたバルブ42、分岐第2ライン38に設けられたバルブ60、溶離液回収ライン32に設けられたバルブ54を開くことにより、酸貯留槽26内の酸溶液が流入ライン12を通って、1段目のイオン交換樹脂充填塔である第1イオン交換樹脂充填塔16に供給され、イオン交換樹脂の再生が行われる。この際、イオン交換樹脂に吸着されていた重金属が酸溶液とイオン交換され、重金属を含む溶離液として第1イオン交換樹脂充填塔16から排出される。重金属を含む溶離液は、一次処理水排出第1ライン20、分岐第2ライン38、溶離液回収ライン32を通って、例えばリサイクルを目的として、系外に設けられる溶離液貯留槽等に回収される。
本実施形態では、前述したように、1段目のイオン交換樹脂充填塔内のイオン交換樹脂の官能基は重金属等で飽和された状態となっているため、再生工程により得られる溶離液は、重金属の純度の高い溶離液として回収することが可能となる。したがって、重金属の純度を高める等組成を変えるための精製等をほとんど必要とせず、回収した溶離液をそのまま再利用することが可能となる。
本実施形態では、前述の通液工程、再生工程を1サイクル目として実施し、2サイクル目では、1段目のイオン交換樹脂充填塔を第2イオン交換樹脂充填塔18とし、2段目のイオン交換樹脂充填塔を第1イオン交換樹脂充填塔16として通液工程及び再生工程を実施する。
2サイクル目の通液工程では、供給ポンプ14を稼働させると共に、流入ライン12に設けられるバルブ40、分岐第1ライン34に設けられるバルブ56、一次処理水排出第2ライン36に設けられるバルブ58、分岐第2ライン38に設けられるバルブ60、最終処理水排出ライン22に設けられるバルブ48を開く。これにより、貯留槽10内の重金属含有溶液が流入ライン12、分岐第1ライン34を通って、第2イオン交換樹脂充填塔18に供給される。溶液中の重金属は第2イオン交換樹脂充填塔18内のイオン交換樹脂により、吸着される。第2イオン交換樹脂充填塔18から排出される一次処理水は一次処理水排出第2ライン36を通り、第1イオン交換樹脂充填塔16に供給される。一次処理水中に重金属が含まれている場合には、第1イオン交換樹脂充填塔16内のイオン交換樹脂により、一次処理水中の重金属が吸着され、重金属が除去された最終処理水が第1イオン交換樹脂充填塔16内から排出される。最終処理水は、分岐第2ライン38、最終処理水排出ライン22を通り、例えば系外に設けられる最終処理液貯留槽等に供給される。
2サイクル目の通液工程の通液条件も、溶液中の重金属濃度(mg当量/L)と1段目のイオン交換樹脂充填塔(本実施形態では第2イオン交換樹脂充填塔18)に通液する重金属含有溶液の通液速度(LV(m/h))の積が3以上300以下の範囲となるように、多段式イオン交換樹脂充填塔に重金属含有溶液を通液する。この通液条件により、2段目の第1イオン交換樹脂充填塔16から重金属がリークするまでに、1段目の第2イオン交換樹脂充填塔18内のイオン交換樹脂の官能基が重金属等で飽和される。
また、2サイクル目の通液工程でも、最終処理水排出ライン22を流れる最終処理水のpHをpH計24により検出する。そして、最終処理水排出ライン22を流れる最終処理水のpH変動に基づいて、イオン交換樹脂充填塔への重金属含有溶液の通液を停止する。これにより、1段目のイオン交換樹脂充填塔内のイオン交換樹脂の官能基を重金属等で飽和させると共に、最終処理水中に重金属が混入することを抑制することができる。重金属含有溶液の通液を停止する場合には、供給ポンプ14を停止し、通液する際に開いたバルブをすべて閉じる。
次に、再生工程では、酸添加ポンプ30を稼働させ、分岐第1ライン34に設けられたバルブ56、最終処理水排出ライン22に設けられたバルブ46、溶離液回収ライン32に設けられたバルブ54を開く。そして、酸貯留槽26内の酸溶液が流入ライン12、分岐第1ライン34を通って、1段目の第2イオン交換樹脂充填塔18に供給され、イオン交換樹脂の再生が行われる。この際、重金属を含む溶離液が第2イオン交換樹脂充填塔18から排出され、最終処理水排出ライン22、溶離液回収ライン32を通って、例えばリサイクルを目的として、系外に設けられる溶離液貯留槽等に回収される。
また、3サイクル、4サイクルと通液工程及び再生工程を繰り返し行う場合には、第1イオン交換樹脂充填塔16と第2イオン交換樹脂充填塔18との間で重金属含有溶液の通液順序を前述したように入れ替えればよい。
本実施形態の重金属含有溶液の処理方法におけるその他の条件について説明する。
第1イオン交換樹脂充填塔16及び第2イオン交換樹脂充填塔18に充填されるイオン交換樹脂は、重金属を吸着することができるイオン交換樹脂であれば特に制限されるものではないが、例えば、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂等のカチオン交換樹脂、イミノジ酢酸形キレート樹脂等のキレート樹脂等が挙げられる。本実施形態で用いられるイオン交換樹脂は、重金属選択性の点等から、イミノジ酢酸形キレート樹脂を用いることが好ましいが、吸着した重金属の溶離性(再生効率)の点等から、弱酸性カチオン交換樹脂を用いることがより好ましい。弱酸性カチオン交換樹脂は、強酸性カチオン交換樹脂より、溶離性(再生効率)が良いので、再生工程において使用する酸の量をより少なくできるとともに、溶離液のpHを中性付近に保つことができる。なお、第1イオン交換樹脂充填塔16及び第2イオン交換樹脂充填塔18に充填されるイオン交換樹脂は、それぞれ種類の異なるイオン交換樹脂であってもよいが、同じ種類のイオン交換樹脂であることが好ましい。
本実施形態では、第1イオン交換樹脂充填塔16のイオン交換樹脂の充填量に対する第2イオン交換樹脂充填塔18のイオン交換樹脂の充填量の比が0.8〜1.25の範囲となるように、それぞれのイオン交換樹脂充填塔にイオン交換樹脂を充填させておくことが好ましい。充填量の比が上記範囲を満たすことにより、イオン交換樹脂充填塔間のイオン交換性能が同程度となるため、2サイクル目以降においても、前述の通液条件で、2段目のイオン交換樹脂充填塔からの重金属のリーク時期と1段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されたイオン交換樹脂の官能基が重金属で飽和される時期とが同調し易くなる。
第1イオン交換樹脂充填塔16の断面積に対する第2イオン交換樹脂充填塔18の断面積の比は、0.8〜1.25の範囲とすることが好ましい。断面積の比が上記範囲を満たすことにより、イオン交換樹脂充填塔間の通液速度が同程度となるため、2サイクル目以降においても、前述の通液条件において、2段目のイオン交換樹脂充填塔からの重金属のリーク時期と1段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されたイオン交換樹脂の官能基が重金属で飽和される時期とが同調し易くなる。
重金属含有溶液の通液速度は、重金属含有溶液の流量とイオン交換樹脂等の断面積により求められる。したがって、供給ポンプ14の出力を調節する等して重金属含有溶液の流量を調整すれば、重金属含有溶液の通液速度を制御することが可能となる。そして、1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度は、前述の通液条件を満たせば特に制限されるものではないが、処理効率(処理時間)、圧力損失等の点において、1m/h以上200m/h以下の範囲を満たすことが好ましい。1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度が上記範囲外では、処理に時間がかかりすぎたり、消費エネルギーが増えすぎたりして、非効率となる場合がある。
重金属含有溶液中の重金属濃度は、貯留槽10内に重金属濃度計を設置すること等により測定することができる。重金属含有溶液中の重金属濃度は前述の通液条件を満たせば特に制限されるものではないが、イオン交換樹脂の総交換容量等の点において、1000mg当量/L以下の範囲を満たすことが好ましい。通常、貯留槽10内の重金属含有溶液の重金属濃度はほとんど変動しないため、重金属濃度計等により測定した濃度値に基づいて前述の通液条件を満たすように1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度を調整すればよい。但し、本実施形態では、重金属濃度の変動を制限するものではなく、例えば、1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度を一定として、前述の通液条件を満たすように、重金属含有溶液を希釈又は濃縮して重金属含有溶液中の重金属濃度を調整してもよい。
再生工程において使用する酸は、重金属を溶離できるものであれば、特に制限されるものではないが、再利用のしやすさ及び取り扱い性の点等から、硫酸または塩酸が望ましい。なお、再生工程において硫酸を使用した場合には、重金属硫酸塩の溶離液として回収され、塩酸を使用した場合には、重金属塩酸塩の溶離液として回収される。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す処理装置を用いて、以下の条件で重金属含有溶液を処理した。重金属含有溶液の通液順序は第1イオン交換樹脂充填塔、第2イオン交換樹脂充填塔とした。
(イオン交換樹脂)
Na形弱酸性カチオン交換樹脂として、「アンバーライトIRC76」(ダウ・ケミカル社製、総交換容量2.5g当量/L−R(樹脂))、体積300mLを使用した。このカチオン交換樹脂を樹脂製カラム(充填塔)に充填して、カチオン交換樹脂充填塔とした。樹脂製カラムは円筒形状のものであり、その内直径は25.4mm、長さは1000mmであった。このようなイオン交換樹脂充填塔を2つ製作した。
(重金属含有溶液)
重金属含有溶液の液質は、ニッケル濃度が117mg/L(4.0mg当量/L)、pHが7.7、導電率が150μS/cmであった。
(金属等の測定)
Naおよび重金属(ニッケル)は、フレーム原子吸光法によって測定した。R−Na%の測定は、以下のようにして行った。通液終了後のイオン交換樹脂を取り出し、4重量%の塩酸でNaを抽出した。抽出液中のNa濃度をフレーム原子吸光法によって分析し、イオン交換樹脂の総イオン交換容量(mg当量)における吸着Naのmg当量の%として求めた。
(通液条件)
第1イオン交換樹脂充填塔及び第2イオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度を50m/hr(25.3L/hr)とした。すなわち、重金属溶液中の重金属濃度と第1イオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度との積が200となるように重金属含有溶液の通液を行った。
(通液工程の終点)
最終処理水排出ラインに設けたpH計により、第2イオン交換樹脂充填塔から排出された最終処理液のpHを計測し、計測したpH値が基準値より0.5低下した時点を通液工程の終点とし、重金属含有溶液の通液を停止した。上記基準値を重金属含有溶液の総通液量が50Lに達した時点の最終処理液のpH値とした。その結果、重金属含有溶液の総通液量が450Lに達した時に、最終処理液のpH値が基準値より0.5低下したため、重金属含有溶液の通液を停止した。なお、参考として第1イオン交換樹脂充填塔から排出された一次処理液のpHも同様に測定した。pH計は、東亜ディーケーケー社製「イオン・pHメータ IM−55G」を用いた。
(再生工程)
再生工程では、10wt%硫酸を使用し、再生レベルを9.0g当量/L−R(樹脂)、硫酸通液量を4.1L/L−R(樹脂)とし、再生剤の流量を4BV/時間とした。この条件での含有重金属濃度(mg当量/L)と通液速度(m/h)の積は200となる。
(実施例2)
実施例2では、重金属含有溶液の通液速度を75m/hrとし、重金属含有溶液中の重金属と第1イオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度の積を300としたこと以外は実施例1と同様の条件とした。その結果、重金属含有溶液の総通液量が430Lに達した時に、最終処理液のpH値が基準値より0.5低下したため、重金属含有溶液の通液を停止した。
(実施例3)
実施例3では、重金属含有溶液の通液速度を1m/hrとし、重金属含有溶液中の重金属と第1イオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度の積を4としたこと以外は実施例1と同様の条件とした。その結果、重金属含有溶液の総通液量が520Lに達した時に、最終処理液のpH値が基準値より0.5低下したため、重金属含有溶液の通液を停止した。
(比較例1)
比較例1では、重金属含有溶液の通液速度を80m/hrとし、重金属含有溶液中の重金属と第1イオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度の積を320としたこと以外は実施例1と同様の条件とした。その結果、重金属含有溶液の総通液量が400Lに達した時に、最終処理液のpH値が基準値より0.5低下したため、重金属含有溶液の通液を停止した。他の条件は実施例1と同じである。
実施例1〜3及び比較例1において、1段目及び2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpH、通液工程終了後の1段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されたイオン交換樹脂のR−Na%(総交換容量に対するNa形のまま残留したイオン交換容量の割合)、1段目のイオン交換樹脂充填塔から排出された溶離液(再生排液)中のNa濃度を測定した。
図2は、実施例1〜3及び比較例1の通液工程における1段目及び2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpHの推移を示す図である。表1に、通液工程終了後の1段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されたイオン交換樹脂のR−Na%、1段目のイオン交換樹脂充填塔から排出された溶離液(再生排液)中のNa濃度をまとめた。
実施例1〜3では、通液終了後のイオン交換樹脂のR−Na%が0.1%未満となり、溶離液(再生排液)中のNa濃度も20mg/L未満となった。この結果は、1段目のイオン交換樹脂充填塔内に充填されたイオン交換樹脂の官能基は重金属等で飽和していることを示している。また、通液終了後の最終処理液中の重金属濃度は1.1mg/L(0.037mg当量/L)であり、最終処理液中に重金属が多量に混入することも抑制された。比較例1では、R−Na%が0.3%、溶離液(再生排液)中のNa濃度が70mg/Lとなった。この結果は、1段目のイオン交換樹脂充填塔内に充填されたイオン交換樹脂の官能基は重金属により飽和された状態に至っておらず、官能基由来のNaが残留していたことを示している。そして、比較例では、イオン交換樹脂の官能基を重金属により飽和させるためには、さらなる通液工程を実施する必要があるが、その場合、最終処理液中に2段目のイオン交換樹脂充填塔内から重金属が多量にリークして、最終処理液中に混入する結果となる。
(実施例4)
実施例4では、ニッケル濃度が44mg/L(1.5mg当量/L)、pHが7.5、導電率が100μS/cmの重金属含有溶液を用い、重金属含有溶液の通液速度を200m/hrとし、重金属含有溶液中の重金属と第1イオン交換樹脂充填塔に通液する重金属含有溶液の通液速度の積を300としたこと以外は実施例1と同様の条件とした。その結果、重金属含有溶液の総通液量が1150Lに達した時に、最終処理液のpH値が基準値より0.5低下したため、重金属含有溶液の通液を停止した。
図3は、実施例4の通液工程における1段目及び2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpHの推移を示す図である。表2に、通液工程終了後の1段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されたイオン交換樹脂のR−Na%、1段目のイオン交換樹脂充填塔から排出された溶離液(再生排液)中のNa濃度をまとめた。
実施例4では、通液終了後のイオン交換樹脂のR−Na%が0.1%未満となり、溶離液(再生排液)中のNa濃度も20mg/L未満となった。この結果は、1段目のイオン交換樹脂充填塔内に充填されたイオン交換樹脂の官能基は重金属で飽和していることを示している。また、通液終了後の最終処理液中の重金属濃度は1.0mg/L(0.034mg当量/L)であり、最終処理液中に重金属が多量に混入することも抑制された。
(実施例5)
実施例5では、第2イオン交換樹脂充填塔内の樹脂量を第1イオン交換樹脂充填塔内の樹脂量の体積比で0.8(240mL)とした以外は、実施例1と同様の試験を行った。処理液のpHが0.5低下した時点で通液を終了したところ、通液量は425Lであった。図4に実施例5の通液工程における1段目及び2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpHの推移を、表3に通液後のイオン交換樹脂のR−Na%と、溶離液中のNa濃度を示した。
(実施例6)
実施例6では、第2イオン交換樹脂充填塔内の樹脂量を第1イオン交換樹脂充填塔内の樹脂量の体積比で0.7(210mL)とした以外は、実施例1と同様の試験を行った。処理液のpHが0.5低下した時点で通液を終了したところ、通液量は390Lであった。図4に実施例6の通液工程における1段目及び2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理液のpHの推移を、表3に通液後のイオン交換樹脂のR−Na%と、溶離液中のNa濃度を示した。
図4及び表3から明らかなように、第2段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂量が、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂量に対して体積比で0.8以上である実施例5では、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂が十分に飽和した後に、第2のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂がリークしてpHが下がっている。従って、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂のR−Na%が低くなるので、溶離液中のNa濃度も低く、重金属の純度は高くなる。また、第2段目のイオン交換樹脂充填塔からの重金属のリークも抑制される。一方で、第2段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂量が、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂量に対して体積比で0.7以下である実施例6では、比較例1と比較すると、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂のR−Na%は低く、溶離液中のNa濃度も低いため、比較例1より第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂を飽和させ、第2段目のイオン交換樹脂充填塔の樹脂からの重金属のリークを抑制することができていると言える。しかし、実施例5と比較すると、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂のR−Na%は高くなり、溶離液中のNa濃度も高くなった。したがって、重金属の純度の低下を鑑みれば、第2段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂量を、第1段目のイオン交換樹脂充填塔内の樹脂量に対して体積比で0.8以上とすることが好ましい。
1 処理装置、10 貯留槽、12 流入ライン、14 供給ポンプ、16 第1イオン交換樹脂充填塔、18 第2イオン交換樹脂充填塔、20 一次処理水排出第1ライン、22 最終処理水排出ライン、24 pH計、26 酸貯留槽、28 酸添加ライン、30 酸添加ポンプ、32 溶離液回収ライン、34 分岐第1ライン、36 一次処理水排出第2ライン、38 分岐第2ライン、40,42,44,46,48,50,54,56,58,60 バルブ。

Claims (6)

  1. 少なくとも2つのイオン交換樹脂充填塔を直列に接続した多段式イオン交換樹脂充填塔に重金属含有溶液を通液して、前記溶液から重金属を除去する重金属含有溶液の処理方法であって、
    前記溶液中の重金属濃度(mg当量/L)と第1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する前記溶液の通液速度(m/h)との積が3以上300以下の範囲となるように、前記多段式イオン交換樹脂充填塔に前記溶液を通液し、
    第2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理水のpHの変動に基づいて、前記第1段目のイオン交換樹脂充填塔のイオン交換樹脂が飽和されたと判断し、前記多段式イオン交換樹脂充填塔への前記溶液の通液を停止することを特徴とする重金属含有溶液の処理方法。
  2. 前記第1段目のイオン交換樹脂充填塔のイオン交換樹脂の充填量に対する前記2段目のイオン交換樹脂充填塔のイオン交換樹脂の充填量の比は0.8〜1.25の範囲であることを特徴とする請求項1記載の重金属含有溶液の処理方法。
  3. 前記第1段目のイオン交換樹脂充填塔に通液する前記溶液の通液速度は、1m/h以上200m/h以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の重金属含有溶液の処理方法。
  4. 前記第1段目及び前記第2段目のイオン交換樹脂充填塔に充填されるイオン交換樹脂は、弱酸性カチオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重金属含有溶液の処理方法。
  5. 前記第2段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される処理水のpHの変動が、基準値から0.5以上変動した際、又は0.003pH/処理倍量以上となった際に、前記多段式イオン交換樹脂充填塔への前記溶液の通液を停止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の重金属含有溶液の処理方法。
  6. 前記溶液の通液停止後に、前記1段目のイオン交換樹脂充填塔に酸溶液を通液して、前記1段目のイオン交換樹脂充填塔から排出される溶液を回収することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の重金属含有溶液の処理方法。
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