JP5400845B2 - ホウ素吸着装置、ホウ素除去システム、及びホウ素除去方法 - Google Patents
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Description
すなわち、凝集沈殿法では、ホウ素を不溶化させるために多量の薬剤を使用する必要があり、発生する汚泥も多くその処理が困難である。更に、凝集沈殿物にはアルミニウム化合物、カルシウム化合物等が大量に含まれているため、ホウ素を回収して再利用することができない。また、有機溶媒抽出法では、有機溶媒は消防法による規制を受けるものであり、火気を避ける必要があること、有機溶媒自体の漏出の虞にも注意しなければならないこと等、取扱いが困難である。また、逆浸透膜法では、ホウ素を分離して高濃度に濃縮することが困難である。
濃縮工程に関しては、容器内の残留液を脱液した後に再生剤を投入することによりホウ素含有量の多い溶離液を採取する方法(特許文献7参照)、鉱酸の温度を40〜90℃に上げて吸着樹脂の再生を行ってホウ素の含有量を増やす方法(特許文献8参照)等が提案されている。しかし、これらのいずれの方法においても、溶離液のホウ素濃度はホウ素化合物の溶解度をかなり下回った低い値であるため、そのままでは冷却晶析法によりホウ酸結晶を得ることはできなかった。
この結果、これまで濃縮の工程で通常使用されていた蒸散エネルギーを節減でき、なおかつ、本発明のホウ素除去方法では、溶離液の加温も溶離液を30〜45℃という低温で行うことができ、冷却晶析の際のエネルギー使用量も節減できるという効果を奏する。また、溶離液を再利用することにより、薬品(鉱酸)使用量も従来よりも節約されるという効果も生じる。
図1は、本発明の一実施形態に係るホウ素除去システムの全体構成を示す図である。図2は、図1に示される吸着塔の構成を模式的に示す概略縦断面図である。図3は、図2に示される吸着材モジュールを模式的に示す図であり、(a)は概略拡大斜視図、(b)は概略拡大正面図である。
本実施形態に係るホウ素除去方法は、吸着塔20を用いて、容器21内にホウ素含有水を通液することにより、ホウ素含有水中のホウ素を吸着材25に吸着させると共に、ホウ素含有水からホウ素を除去した処理水を生成する吸着工程を有している。また、ホウ素除去方法は、吸着塔20を用いて、容器21内に再生用の鉱酸を通液することにより、ホウ素が吸着された吸着材25からホウ素を鉱酸中に溶離させると共に、鉱酸に溶離したホウ素を含んだ溶離液を生成する溶離工程を有している。
吸着工程で浄化(ホウ素除去)対象となるホウ素含有水は、各種の施設や工場等において排出される原水であり、ホウ素を含む原水であれば特に限定されない。ホウ素含有水としては、例えば、メッキ、ガラス、医薬、染料、合成繊維等の分野の製造あるいは処理の工程からの排水、発電所における排煙脱硫排水、ゴミ焼却炉排水等が挙げられる。ホウ素含有水のホウ素濃度は、例えば10mg/L以上である。なお、ホウ素含有水は、粗濾しフィルタ71を通過することにより不純物が除去されて、原水槽70に貯留されている。
溶離工程では、再生用の鉱酸が配管2から吸着塔20に流入し、吸着塔20の上方から下方に流れる間に、吸着材25からホウ素が鉱酸中に溶離すると共に、鉱酸に溶離したホウ素を含んだ溶離液が生成されて、配管5〜7から流出される。ここで、再生用の鉱酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の水溶液が使用される。
この結果、これまで濃縮の工程で通常使用されていた蒸散エネルギーを節減でき、なおかつ、本実施形態のホウ素除去方法では、溶離液の加温も溶離液を30〜45℃という低温で行うことができ、冷却晶析の際のエネルギー使用量も節減できるという効果を奏する。また、溶離液を再利用することにより、薬品(鉱酸)使用量も従来の1/3〜1/2に節約されるという効果も生じる。
例えば前記実施形態では、容器21を円筒形状とし、容器21内に挿入される吸着材モジュール26を円柱形状としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、容器21を横断面が略四角形等の他の形の筒形状とし、容器21内に挿入される吸着材モジュール26を横断面が略四角形等の他の形の柱形状としてもよい。
(1)吸着実験
(a)吸着材
不活性ガス雰囲気中で低照射線量(10kGy)の放射線を高分子材料の基材に照射した後、その基材をブチルアルコール溶媒により濃度30〜50%に調整された溶液に0.5〜1分間浸漬し、引き上げた基材を用いて不活性ガス雰囲気の反応器中でグラフト重合を2〜3時間行わせて作成したポリエチレン、ポリプロピレン製の不織布に、70℃の条件でメチルグルカミン基を1.5〜2.2mmol/gの密度で導入した吸着材素材を作成した。
前記のように作成した吸着材モジュールを、ポリ塩化ビニル製の内径100mmの円筒状の容器の中に複数挿入して吸着材を形成し、吸着塔を作成した。吸着塔内に充填された吸着材の充填高さは2400mm(吸着材モジュール8個を直列に連結した高さ)とした。
産業廃棄物処分場の浸出水生物処理後の中間処理水を原水とした。この原水に対して、濃度25%のNaOHを添加して、pH9.5〜11.5に上げ、凝集フロックを沈殿させた上澄み水をpH8付近に調整すると同時に、ホウ素濃度が100mg/Lになるようにした。但し、実際には、ホウ素濃度は90.6mg/Lであった。そして、調整後の原水540Lを、約1.9時間、SV(Space Velocity)値約5.5(1/hr)で、吸着塔に通液した。ここで、SV値(1/hr)=流量(L/hr)/吸着材体積(L)である。
図4は、BV値と処理水のホウ素濃度との関係を示す図である。
吸着塔から流出する浄化後の処理水に、ホウ素が1mg/Lの濃度で漏れ出したのは、通液量445Lのときであった。この時点を破過とすれば、吸着塔の破過時点のBV(Bed Volume)値は23.3であった。ここで、BV値=通液量(L)/吸着材体積(L)である。破過時の吸着ホウ素量は39.9gであった。また、吸着実験における総吸着ホウ素量は44.8gであった。表1に、吸着塔のホウ素吸着性能の結果を示す。
前記した吸着実験でホウ素を吸着した吸着塔を再生したのが、この再生実験である。
まず、吸着塔を約30℃に加温した約40Lの脱塩水で洗浄・置換した。置換は下向流で行った。その後、約30℃に加温した1NのHCl(1mol/LのHCl水溶液)を吸着塔に下向流で通液した。そのときの通液量は約40Lであり、SV値は約5(1/hr)であった。
図5は、溶離液(再生廃液)のホウ酸濃度の推移を示すグラフである。
ここで、ホウ素含有量をホウ酸含有量に換算した。なお、ホウ素含有量の5.725倍をホウ酸含有量とした。
本再生実験によれば、前記吸着実験でホウ素を吸着した吸着塔に、加温した鉱酸(1NのHCl)を通液すると、流出する溶離液の初期段階のものは、5℃以下の冷蔵によって、簡便にホウ酸結晶の固形物を得ることができると結論された。
(1)吸着実験
(a)吸着材
吸着材素材、吸着材モジュールは、前記実験1と同じである。
吸着塔は、吸着材の充填高さを除き、前記実験1と概ね同じである。吸着材の充填高さは、600mm(吸着材モジュールを2個直列連結)、1200mm(吸着材モジュールを4個直列連結)、2400mm(吸着材モジュールを8個直列連結)の3種類を設定した。なお、充填高さ2400mmについては、前記実験1のデータを使用している。
吸着塔から流出する浄化後の処理水に、ホウ素が1mg/Lの濃度で漏れ出したのは、吸着材の充填高さが2400mm、1200mm、600mmの3種類の吸着塔において、通液量がそれぞれ445L、200L、80Lのときであった。この時点を破過とすれば、吸着塔の破過時点のBV値は、前記3種類の吸着塔において、それぞれ23.3、22.3、17.0であった。破過時の吸着ホウ素量は、前記3種類の吸着塔において、それぞれ39.9g、18.5g、7.8gであった。また、吸着実験における総吸着ホウ素量は、前記3種類の吸着塔において、それぞれ44.8g、22.4g、12.8gであった。表2に、充填高さが異なる3種類の吸着塔のホウ素吸着性能の結果を示す。
前記した吸着実験でホウ素を吸着した3種類の吸着塔の吸着材を再生したのが、この再生実験である。
前記した吸着材の充填高さが2400mm、1200mm、600mmの3種類の吸着塔を、約30℃に加温した約40L、30L、20Lの脱塩水でそれぞれ洗浄・置換した。置換は下向流で行った。その後、約30℃に加温した1NのHCl(1mol/LのHCl水溶液)を吸着塔に下向流で通液した。3種類の吸着塔における通液量は、それぞれ約40L、30L、20Lであり、SV値は、3種類の吸着塔ともに約5(1/hr)であった。
図6は、3種類の吸着塔についての溶離液(再生廃液)のホウ酸濃度の推移を示すグラフである。ここで、ホウ素含有量をホウ酸含有量に換算した。なお、前記と同じくホウ素含有量の5.725倍をホウ酸含有量とした。
本再生実験によれば、吸着材の充填高さ1200mmが、流出する溶離液(再生廃液)中のホウ酸を、5℃以下の冷蔵によって、簡便にホウ酸結晶の固形物を得ることができる限界付近であると結論され得る。
(1)実験の狙い
実験1では、30℃の溶離液温度において最高10900mg/Lのホウ素濃度の溶離液を得ることができた。この値は、ホウ酸の含有量に換算すると6.24g/100mlであり、更にこれを重量換算すると5.67(g/100g)に相当し、30℃でのホウ酸の溶解度6.23(g/100g)に迫るものであった。
しかし、5℃におけるホウ酸の溶解度2.98(g/100g)以上の溶離液の液量は、BV値に換算すると0.2であり、溶離液全体の20%程であった(図5参照)。つまり、図5に示すように、溶離液が流出しだす直後のものほどホウ素含有量が多く、その後急激に減少する傾向がある。このため、溶離液を集めて平準化すると、全体としてはホウ酸の溶解度よりも低いホウ酸濃度となってしまう。なお、ホウ素は酸性水溶液ではホウ酸の形態で存在する。したがって、このまま溶離液を一括して処理すると、ホウ酸の結晶を得ることはできない。
そのため、吸着塔で生成される溶離液のうち、生成時期が早くホウ素濃度の高い高濃度溶離液のみを分取し、この分取した高濃度溶離液を冷却晶析・固液分離し、ホウ酸結晶を取り出す方法を試みた。
吸着塔内に充填された吸着材の充填高さを2400mmとし、吸着塔にホウ素含有水を、処理水のホウ素が1mg/L以上となる時点まで通液した。ホウ素含有水の吸着塔への通液終了後に、再生用の鉱酸を30℃に調整して、吸着塔に通液した。吸着塔から流出してくる溶離液を所定の時点で分けて採取した。すなわち、前半に分取したホウ素濃度の高い高濃度溶離液と、後半に分取したホウ素濃度の低い低濃度溶離液とに分け、高濃度溶離液を冷却晶析・固液分離した。ここでは、分取する時点は、冷却晶析時の温度におけるホウ酸の溶解度に溶離液のホウ酸濃度が達した時点とした。
高濃度溶離液を5℃で冷却晶析した後、固液分離(濾過)すると、41.2gの固形物を得ることができた。この固形物は、すべてホウ酸結晶であると仮定すると、吸着塔が吸着したホウ素(約39.9g、実験1参照)に相当するホウ酸(39.9g×5.725)の約20%に相当する。
(1)実験の狙い
実験3によれば、ホウ酸結晶を得ることができるものの、吸着塔が吸着したホウ素のうち、約80%が溶離液中に残存することになる。そこで、ホウ素(ホウ酸)の回収率を高める以下の方法を試みた。
ホウ素含有水を吸着塔に通液して吸着工程が終了した後に、再生用の鉱酸を30〜45℃に加温調整して、吸着塔に通液する。吸着塔から流出する溶離液がpH3以下に達したときに高濃度溶離液の分取を開始し、吸着塔への予め決められた流入量が吸着塔から流出した時点で打ち切ると同時に、低濃度溶離液の分取を開始する。低濃度溶離液の分取を、吸着塔への予め決められた流入量が吸着塔から流出した時点で打ち切り、洗浄水を吸着塔に通液する。洗浄水は、吸着塔に残った酸を押し出すためのものである。分取した溶離液のうち高濃度溶離液のみを冷却晶析・固液分離工程に送り、ホウ酸結晶と残余溶離液とに分ける。
そして、次の吸着工程が終了した後、すなわち次回の吸着塔の再生時に、まず、残余溶離液を30〜45℃に加温調整して吸着塔に戻し、続いて、分取した低濃度溶離液を常温のままで吸着塔に戻して、再利用する。最後に、洗浄水を吸着塔に通液する。
このようなサイクルを繰り返すことにより、連続的にホウ素の結晶化を実施する。
更にホウ素の回収率を高めるためには、溶離液を、高濃度溶離液と低濃度溶離液との2分割ではなく、より多数に分割することが有効となる。これは、溶離液を細かく分割することにより、生成順で隣同士の分割された溶離液の濃度差が小さくなるため、この隣同士の分割された溶離液が吸着塔内で互いに影響し合って濃度変化する量を少なくできるからである。しかし、分割数をあまり多くしても、ホウ素の回収率自体は逓減していく一方で、システムの複雑化につながる。したがって、溶離液の分割数は3〜6分割が好ましく、システムの効率的運転を考えると3〜4分割がより好ましい。
ホウ素の溶離に使用される鉱酸は、吸着塔内の吸着材によって中和されて暫時消費される。鉱酸が消費されるとpHが上がり、ホウ素の溶離は行われなくなる。したがって、pHが上がった部分には、溶離したホウ素が加わらない一方、吸着材が保有する水分によりホウ素を含む溶離液が薄まる。このため、よりpHが上がり、残余溶離液中に元々含まれる高濃度のホウ素が水溶液中に残存することになり、pHが例えば3以下になった時点で開始される分取対象から外れてしまう。このため、洗浄水によって流出するホウ素が増えることになる。そこで、溶離工程で最初に流入する残余溶離液に鉱酸を追加することにより、水溶液のpHを下げ、分取対象から外れる高濃度の残余溶離液を少なくして、洗浄水によって流出するホウ素を低減する。
残余溶離液が加温されて吸着塔に戻される前に、加温されたホウ素を含まない浄水を吸着塔に通液する。これにより、溶離液の温度が低下してしまうことを防止でき、ひいては、ホウ素の溶離を促してホウ素(ホウ酸)の回収率を安定化させる。
前記(a)〜(d)の方法をすべて組み入れた方式で、吸着塔によるホウ素の吸着と、吸着塔の再生(ホウ素溶離)とを複数回繰り返し行い、ホウ素(ホウ酸)の回収率と、その再現性とを観察した。更に、再生用の鉱酸(残余溶離液)の加温温度の変化によるホウ素の回収率の変化について観察した。その結果を表3に示す。
溶離液の分取及び再利用を行い、溶離液の分取は3分割で行った。3分割した各溶離液の割合は9:6:6で、計21Lとした。また、吸着塔の再生前に、再生用の鉱酸(残余溶離液)の温度と同温度の浄水を吸着塔に通液した。そして、高濃度の残余溶離液のうち再生開始直後に使用される約1/3の容量に対して、鉱酸濃度が約2倍になるように、鉱酸を追加した。
吸着及び再生を1回のセットとして10回繰り返し行った結果、原水(ホウ素含有水)から吸着塔に吸着されたホウ酸量と、結晶として回収されたホウ酸量とは、それぞれ、146.5g(1回平均)、136.9g(1回平均)であり、両者の誤差は10%以内であった。ここで、再利用される残余溶離液には晶析しなかったホウ素が高濃度で残存しており、次回の吸着塔の再生時に、吸着塔に吸着されたホウ素が溶離して残余溶離液に上乗せされ、残余溶離液に上乗せされたホウ素と同量に近いホウ素が、ホウ酸結晶として析出したものと考えられる。一方、洗浄排水として流出するホウ酸量は、30.7g(1回平均)であった。したがって、ホウ素(ホウ酸)の回収率は、136.9/(136.9+30.7)×100=約82%となり、実用化に十分堪えうる値に達した。
なお、再生用の鉱酸(残余溶離液)の加温温度を25〜50℃の間で変化させると、ホウ酸の回収量において30℃よりも低い溶離温度での回収量は30℃以上の溶離温度でのものと比べて明らかに少ない傾向が示された。従って、加温温度は30℃以上であることがより好ましいと考えられた。
21 容器
22 入口
23 出口
25 吸着材
26 吸着材モジュール
28 糸状部材(経路変化手段)
30 分取装置
40 冷却晶析装置
50 固液分離装置
60 加温装置
100 ホウ素除去システム
Claims (10)
- 鉛直方向の軸心を有する筒形状の容器と、
当該容器内に充填されホウ素を吸着する吸着材と、を備え、
前記容器は、当該容器内に流入される液体を下向きに通液させるための上部に設けられた入口と、前記容器内から前記液体を流出させるための下部に設けられた出口とを有し、
前記吸着材は、高分子材料の不織布に官能基としてホウ素を吸着するグルカミン基を導入して作成され帯状に形成された吸着材素材を巻いて柱形状に形成した吸着材モジュールが、当該吸着材モジュールの軸心が前記容器の前記軸心と同軸になるように、前記容器内に1つ以上嵌入されて構成されており、
前記吸着材モジュールは、当該吸着材モジュール内を流下する液体の通液経路を変化させる経路変化手段を備えており、
前記容器内にホウ素含有水を通液することにより、前記ホウ素含有水中のホウ素を前記吸着材に吸着させると共に、前記ホウ素含有水からホウ素を除去した処理水を生成する一方で、前記容器内に再生用の鉱酸を通液することにより、ホウ素が吸着された前記吸着材からホウ素を前記鉱酸中に溶離させると共に、前記鉱酸に溶離したホウ素を含んだ溶離液を生成するものであり、
前記吸着材モジュールは、前記吸着材素材を複数層巻いた後の外周面に複数の軸心方向位置において周方向に糸状部材を巻回して括ることを、外径が増す方向に複数回繰り返すことにより円柱形状に形成され、
前記糸状部材の軸心方向位置は、少なくとも一つ内側の糸状部材と異なる位置に設定されており、前記糸状部材による括り部分は、前記経路変化手段の構成をなしていることを特徴とするホウ素吸着装置。 - 前記容器に充填された吸着材の高さは、1200〜6000mmであることを特徴とする請求項1に記載のホウ素吸着装置。
- 前記容器に充填された吸着材の密度は、170〜250g/Lであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホウ素吸着装置。
- 前記吸着材素材における前記不織布へのグルカミン基の導入割合は、1.5〜2.5mmol/gであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のホウ素吸着装置。
- 鉛直方向の軸心を有する筒形状の容器と、
当該容器内に充填されホウ素を吸着する吸着材と、を備え、
前記容器は、当該容器内に流入される液体を下向きに通液させるための上部に設けられた入口と、前記容器内から前記液体を流出させるための下部に設けられた出口とを有し、
前記吸着材は、高分子材料の不織布に官能基としてホウ素を吸着するグルカミン基を導入して作成され帯状に形成された吸着材素材を巻いて柱形状に形成した吸着材モジュールが、当該吸着材モジュールの軸心が前記容器の前記軸心と同軸になるように、前記容器内に1つ以上嵌入されて構成されており、
前記吸着材モジュールは、当該吸着材モジュール内を流下する液体の通液経路を変化させる経路変化手段を備えており、
前記容器内にホウ素含有水を通液することにより、前記ホウ素含有水中のホウ素を前記吸着材に吸着させると共に、前記ホウ素含有水からホウ素を除去した処理水を生成する一方で、前記容器内に再生用の鉱酸を通液することにより、ホウ素が吸着された前記吸着材からホウ素を前記鉱酸中に溶離させると共に、前記鉱酸に溶離したホウ素を含んだ溶離液を生成するホウ素吸着装置と、
前記ホウ素吸着装置において生成された溶離液を、生成順に第1の溶離液と第2の溶離液とに分けて採取する分取装置と、
前記分取装置において採取された前記第1の溶離液を冷却することにより、過飽和分のホウ酸を晶析する冷却晶析装置と、
前記冷却晶析装置において析出されたホウ酸結晶を含む溶離液を、ホウ酸結晶とホウ酸結晶を除いた溶離液である残余溶離液とに分離する固液分離装置と、
前記ホウ素吸着装置において使用される前記再生用の鉱酸を加温する加温装置と、を有し、
前記固液分離装置においてホウ酸結晶が分離除去された後の残余溶離液が前記再生用の鉱酸として前記加温装置を経て前記ホウ素吸着装置に戻された後に、前記分取装置において採取された前記第2の溶離液が前記ホウ素吸着装置に戻されることを特徴とするホウ素除去システム。 - 前記分取装置は、前記第2の溶離液を生成順に複数に分けて採取し、
複数に分けられた前記第2の溶離液は、生成順に前記ホウ素吸着装置に戻されることを特徴とする請求項5に記載のホウ素除去システム。 - 前記固液分離装置においてホウ酸結晶が分離除去された後の残余溶離液は、前記ホウ素吸着装置に戻される途中で鉱酸が付加されて鉱酸の濃度が調整されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のホウ素除去システム。
- 前記固液分離装置においてホウ酸結晶が分離除去された後の残余溶離液が前記加温装置を経て前記ホウ素吸着装置に戻される前に、加温された浄水が前記ホウ素吸着装置に通液されることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のホウ素除去システム。
- 前記加温装置は、前記ホウ素吸着装置において使用される前記再生用の鉱酸を30〜45℃に加温することを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載のホウ素除去システム。
- 鉛直方向の軸心を有する筒形状の容器と、
当該容器内に充填されホウ素を吸着する吸着材と、を備え、
前記容器は、当該容器内に流入される液体を下向きに通液させるための上部に設けられた入口と、前記容器内から前記液体を流出させるための下部に設けられた出口とを有し、
前記吸着材は、高分子材料の不織布に官能基としてホウ素を吸着するグルカミン基を導入して作成され帯状に形成された吸着材素材を巻いて柱形状に形成した吸着材モジュールが、当該吸着材モジュールの軸心が前記容器の前記軸心と同軸になるように、前記容器内に1つ以上嵌入されて構成されており、
前記吸着材モジュールは、当該吸着材モジュール内を流下する液体の通液経路を変化させる経路変化手段を備えており、
前記容器内にホウ素含有水を通液することにより、前記ホウ素含有水中のホウ素を前記吸着材に吸着させると共に、前記ホウ素含有水からホウ素を除去した処理水を生成する一方で、前記容器内に再生用の鉱酸を通液することにより、ホウ素が吸着された前記吸着材からホウ素を前記鉱酸中に溶離させると共に、前記鉱酸に溶離したホウ素を含んだ溶離液を生成するホウ素吸着装置を用いて、前記容器内にホウ素含有水を通液することにより、前記ホウ素含有水中のホウ素を前記吸着材に吸着させると共に、前記ホウ素含有水からホウ素を除去した処理水を生成する吸着工程と、
前記ホウ素吸着装置を用いて、前記容器内に前記再生用の鉱酸を通液することにより、ホウ素が吸着された前記吸着材からホウ素を前記鉱酸中に溶離させると共に、前記鉱酸に溶離したホウ素を含んだ溶離液を生成する溶離工程と、
前記溶離工程において生成された溶離液を、生成順に第1の溶離液と第2の溶離液とに分けて採取する分取工程と、
前記分取工程において採取された前記第1の溶離液を冷却することにより、過飽和分のホウ酸を晶析する冷却晶析工程と、
前記冷却晶析工程において析出されたホウ酸結晶を含む溶離液を、ホウ酸結晶とホウ酸結晶を除いた溶離液である残余溶離液とに分離する固液分離工程と、
前記ホウ素吸着装置において使用される前記再生用の鉱酸を加温する加温工程と、を有し、
前記固液分離工程においてホウ酸結晶が分離除去された後の残余溶離液が前記再生用の鉱酸として加温されて前記ホウ素吸着装置に戻された後に、前記分取工程において採取された前記第2の溶離液が前記ホウ素吸着装置に戻されることを特徴とするホウ素除去方法。
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