JP6092165B2 - 信頼性に優れた感光性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、信頼性に優れた感光性樹脂組成物及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、半導体パッケージ用ソルダレジストとして重要なPCT耐性、HAST耐性、無電解金メッキ耐性、熱衝撃耐性を確保すると同時に、柔軟性に優れた硬化被膜を形成しうる光硬化性熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法、そのドライフィルム及び硬化物、これらによって、ソルダレジストなどの硬化被膜が形成されてなる印刷配線板に関するものである。
現在、用いられる半導体パッケージ基板用ソルダレジストは、高解像度、高現像性、高信頼性などが求められている。特に、高信頼性確保のために、高温、高湿条件で耐性が求められており、例えば、PCT(Pressure Cooker Test)、HAST(Highly Accelerated Stress Test)、TC(Thermal Cycle)評価時に、ソルダレジストが受ける応力を緩和する技術が必須的に求められている。また、半導体パッケージの軽薄短小化傾向により、ソルダレジストも応力緩和及び柔軟性を備えなければならない。さらに、高温、高湿条件で回路基板内銅パターンの腐食(Cu migration)を防止できる技術が求められる。
従来のソルダレジストには、応力緩和剤として、ブタジエン変性エポキシ樹脂をエラストマーとして用いて信頼性を確保した例(特許文献1、2)があるが、エラストマー自体が熱反応に関わるため、ガラス転移温度感度による耐熱性低下が引き起こされる恐れがあり、全体ソルダレジスト組成物の反応度を調節することが容易でない短所がある。
一方、一般に、印刷回路基板に使用される感光性樹脂組成物には、耐熱性及び信頼性を向上させるために、無機フィラーが使用されており、このような無機フィラーが原料に混合され、優れた耐熱性及び耐候性を示すためには、均一に分散させる工程が必要とされる。
従来の感光性樹脂組成物の製造時、無機フィラーを原料に分散させるために、ロールミルが使用されているが、樹脂組成に応じて、分散工程が行われる時、加えられる物理的特性と分散程度が変わってしまう。これにより、感光性樹脂組成物の特性も変わり、品質管理と工程管理に困難がある。
前記のような従来技術により、ロールミルを利用して感光性樹脂組成物を製造する場合、製造時間が相当必要とされ、生産量が低下され、これにより、生産効率が劣る問題があった。また、ロールミルは分散工程時、製品が外部に露出され、汚染の可能性が高く、作業上、安全事故の危険が高い短所があった。
韓国公開特許公報 第10−2012−0022820号 韓国公開特許公報 第10−2011−0102193号
本発明は、前述の従来技術の問題点を解決するためのものであり、非反応性エラストマーを適用して樹脂分散性を高め、PCT耐性、HAST耐性、無電解金メッキ耐性、熱衝撃耐性を確保すると同時に、柔軟性に優れた硬化被膜を形成しうる光硬化性熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法、そのドライフィルム及び硬化物、これらによって、ソルダレジストなどの硬化被膜が形成されてなる印刷配線板を提供することを技術的課題とする。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を製造するにおいて、製造時間を短縮して、生産量を増大させると同時に、品質安定化を向上させて、原価低減効果まであり、非常に好ましい方法を提供することをさらに別の技術的課題とする。
前述した技術的課題を達成するために、本発明は、
(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂、(2)光重合開始剤、(3)不飽和二重結合を含有する反応性希釈剤、(4)熱硬化性成分、(5)フィラー、(6)イオン吸着剤、及び(7)コアシェル粒子型エラストマー及びシリコンエラストマーから選ばれる一つ以上のエラストマー、を含む光硬化性熱硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の他の側面によると、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥して得られるソルダレジストが提供される。
本発明のさらに別の側面によると、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物を基材フィルムに塗布し、乾燥して得られるソルダレジストドライフィルムが提供される。
本発明のさらに別の側面によると、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物のパターン化された硬化物が提供される。
本発明のさらに別の側面によると、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物のパターン化された硬化物層を含むプリント配線板が提供される。
本発明のさらに別の側面によると、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂、熱硬化性成分及びフィラーを含む第1次原料混合物を有機溶剤と共にミキサーで湿潤混合する工程;(2)前記工程(1)で得られた湿潤混合物を、ビーズミルを利用して分散混合する工程;及び(3)前記工程(2)で得られた分散混合物に光重合開始剤を含む第2次原料混合物を投入し、撹拌混合する工程;を含む方法が提供される。
本発明に係る光硬化性熱硬化性樹脂組成物を用いると、半導体パッケージ用ソルダレジストとして重要なPCT耐性、HAST耐性、無電解金メッキ耐性、熱衝撃耐性を確保すると同時に、柔軟性に優れた硬化被膜を形成することができる。
また、本発明で提示する好ましい方法により、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造すれば、製造時間を短縮し、生産量を増大させると同時に、品質安定化を向上させ、原価低減効果まで得ることができ、非常に有利である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
1.光硬化性熱硬化性樹脂組成物
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、必須成分として、(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂、(2)光重合開始剤、(3)不飽和二重結合を含有する反応性希釈剤、(4)熱硬化性成分、(5)フィラー、(6)イオン吸着剤、及び(7)コアシェル粒子型エラストマー及びシリコンエラストマーから選ばれる一つ以上のエラストマーを含む。
(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂
不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂としては、高耐熱性を確保することができるフェノール若しくはクレゾール、又はその誘導体から由来するものが好ましく、その軟化点は、好ましくは60℃〜120℃、より好ましくは70℃〜110℃である。不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂の軟化点が60℃未満のとき、組成物の耐熱性が弱くなり、ハンダ耐熱性等の耐熱性で不良が生じる恐れがあり、120℃を超えると、樹脂製造過程で高温の粘度により、作業性欠如及び収率減少が引き起こされ得る。
前記高耐熱性樹脂において、不飽和二重結合は、アクリル酸若しくはメタクリル酸、又はその誘導体(例えば、アクリレート若しくはメタクリレート)から由来するものが好ましい。また、前記高耐熱性樹脂は、優れた現像性と熱硬化性部分との反応基を形成するためにカルボキシル基を含有しており、これは無水フタル酸、無水マレイン酸などの多塩基酸無水物から由来するものが好ましい。
本発明において、不飽和二重結合及びカルボキシル基を有する高耐熱性樹脂の具体的な例としては、フェノール若しくはクレゾール、又はその誘導体のノーブルラック樹脂のフェノール性水酸基とエピクロルヒドリンを反応して得られた生成物に、(メタ)アクリル酸など不飽和二重結合を含有するモノカルボン酸を反応した後、得られた生成物に無水マレイン酸、無水フタル酸などの多塩基酸無水物を反応して得られる樹脂が挙げられる。
前記高耐熱性樹脂の酸価は、40〜150mgKOH/gが好ましく、より好ましくは50〜130mgKOH/gである。前記高耐熱性樹脂の酸価が40mgKOH/g未満のとき、アルカリ水溶液による現像性が乏しくなり、150mgKOH/gを超えるとアルカリ水溶液による現像によりパターンラインが薄くなるか、場合に応じては露光部分と未露光部分との区別がなく、アルカリ水溶液により溶解及び剥離され、正常なパターンの形成が困難になることがある。
前記高耐熱性樹脂の重量平均分子量は、基本樹脂の骨格によって異なるが、好ましくは2,000〜150,000、より好ましくは5,000−100,000である。重量平均分子量が2,000未満のとき、露光以降の硬化塗膜の耐湿性及び信頼性が劣り、現像時、収縮のような外形変化と低い解像度がもたらされ得る。また、重量平均分子量が150,000を超えると現像性が顕著に劣り、貯蔵安定性が低下するので、好ましくない。
前記高耐熱性樹脂の配合量は、組成物全重量に基づいて、20〜60重量%,好ましくは30〜50重量%である。高耐熱性樹脂の配合量が、組成物全重量の20重量%未満のとき、塗膜の強度低下をもたらすため好ましくなく、60重量%を超えると組成物の粘度上昇による作業性低下と塗布工程中の作業性低下などから好ましくない。
(2)光重合開始剤
光重合開始剤としては、オキシムエステル系光重合開始剤、α−アセトフェノン系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤からなる群から選ばれる1種以上を使用することが好ましい。これらの光重合開始剤等の例示的な構造は下記式(1)〜(3)の通りである。
Figure 0006092165
(式中、Rは水素原子、フェニル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノール又はベンゾイル基を表わし、
はフェニル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノール又はベンゾイル基を表わす。)
Figure 0006092165
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数7〜12のアリールアルキル基を表わし、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は2個が結合した環状のアルキルエーテルを表わす。)
Figure 0006092165
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、炭素数6〜12のアリール基、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基で置換されたアリール基を表わす。)
前記式(1)で表わされる代表的なオキシムエステル系光重合開始剤としては、好ましくは下記式(4)及び式(5)の化合物が挙げられる。
Figure 0006092165
Figure 0006092165
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のンアルカノール基又はアルコキシ基を表わし、
10は、フェニル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノール又はベンゾイル基を表わし、
11は、水素原子、フェニル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノール又はベンゾイル基を表わし、
12は、フェニル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノール又はベンゾイル基を表わす。)
前記式(1)のオキシムエステル系光重合開始剤の製品としては、BASF社製のIRGACURE OXE−01又はIRGACUREOXE−02 などが挙げられる。このようなオキシムエステル系光重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記式(2)で表わされる代表的なα−アセトフェノン系光重合開始剤としては、2−メチル−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノール、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4−モルホリノブチロフェノン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンなどが挙げられる。このようなα−アセトフェノン系光重合開始剤の製品としては、BASF社製のIRGACURE 907、IRGACURE 369又はIRGACURE 379などが挙げられる。
前記式(3)で表わされる代表的なアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィンオキサイド、ビス−2,4,4−トリメチル−ベンジル−ホスフィンオキサイドなどが挙げられる。このようなアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の製品としては、BASF社製のIRGACURE TPO又はIRGACURE 819などが挙げられる。
前記光重合開始剤の配合量は、前記(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。光重合開始剤の配合量が、前記(1)高耐熱性樹脂100質量部に対して、0.01質量部未満のとき、光硬化が不足し、塗膜が剥離されるか耐薬品性などの塗膜特性が低下されるため、好ましくなく、30質量部を超えると塗膜の表面で光の吸収が激しくなり、これによる深部硬化性の低下がもたらされるため好ましくない。
(3)不飽和二重結合を含有する反応性希釈剤
本発明で用いられる不飽和二重結合を含有する反応性希釈剤は、活性エネルギー照射により光硬化し、前記(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂をアルカリ水溶液に不溶化させる。また、光硬化を通して硬化塗膜の強度を向上させ、耐熱性及び信頼性を向上させる効果がある。このような反応性希釈剤としては、骨格中に不飽和二重結合を、例えば、2〜6個含有する化合物であれば特に制限されなく使用することができるが、不飽和二重結合の個数に応じて硬化塗膜の柔軟性と強度、そして組成物の信頼性に差が現われることがある。
不飽和二重結合を含有する反応性希釈剤の具体的な例は、カプロラクトンアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジメチルプロパンテトラアクリレート、トリメチルプロパノールトリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリトリトールカプロラクトンアクリレートなどが挙げられる。
前記反応性希釈剤の製品としては、日本化薬社製のDPHA、DPCA-30及び美源商事社製のM200、M300、M600などが挙げられる。
前記反応性希釈剤の配合量は、前記(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、10〜70質量部がより好ましい。反応性希釈剤の配合量が、前記(1)高耐熱性樹脂100質量部に対して5質量部未満のとき、光硬化性が低下され、活性エネルギー照射後、アルカリ水溶液による現像によりパターン形成が困難になるため好ましく、100質量部を超えるとアルカリ水溶液に対する溶解性が低下されるため好ましくない。
(4)熱硬化性成分
本発明では、光硬化性熱硬化性樹脂組成物に耐熱性を付与するために、熱硬化性成分が使用される。前記熱硬化性成分には、ブロックイソシアネート化合物、ベンゾオキサジン樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能性エポキシ化合物、多官能性オキセタン化合物など汎用的な熱硬化性成分が挙げられる。好ましくは、前記熱硬化性成分として分子中に2個以上の環状のエーテル基又はチオエーテル基を有する化合物が挙げられる。
前記分子中に2個以上の環状のエーテル基を有する化合物の例としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、即ち、多官能性エポキシ化合物が挙げられ、前記分子中に2個以上のチオエーテル基を有する化合物の例としては、多官能性エピスルフィド化合物が挙げられる。
前記多官能性エポキシ化合物には、ビスフェノールA多官能性エポキシ樹脂、ビスフェノールF多官能性エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA多官能性エポキシ樹脂、臭化多官能性エポキシ樹脂、ハロゲンフリー多官能性エポキシ樹脂、ノーブルラック多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル多官能性エポキシ樹脂などがある。ビスフェノールA多官能性エポキシ樹脂製品としては、日本エポキシ樹脂社製のJER828、JER834、JER1001;DIC株式会社製のEPICLON840、EPICLON850、EPICLON1050;東都化成社製のYD−011、YD−013、YD−127、YD−128;ダウケミカル社製のDER317、DER331、DER661、DER664;BASFジャパン社製のESA−011、ESA−014、ESA−115、ESA−128;旭化成工業社製のAER330、AER331、AER661、AER664;などがある。臭化多官能性エポキシ樹脂製品には、日本エポキシ樹脂社製のJERYL903;DIC株式会社製のEPICLON152、EPICLON165;東都化成社製のYDB−400、YDB−500;ダウケミカル社製のDER542;BASFジャパン社製のアラルダイド8011;などがある。ノーブルラック型多官能性エポキシ樹脂製品には、日本エポキシ樹脂社製のJER152、JER154;DIC株式会社製のEPICLON−730、EPICLON−770、EPICLON−865;東都化成社製のYDCN−701、YDCN−704;ダウケミカル社製のDEN431、DEN438;BASFジャパン社製のアラルダイドECN1235、アラルダイドECN1273、アラルダイドECN1299;日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306;などがある。しかし、前述された多官能性エポキシ化合物のみに限定されるものではない。このような多官能性エポキシ樹脂は単独又は2種以上を混用して使用してもよい。好ましくは、ノーブルラック型エポキシ樹脂又はその混合物が使用される。
前記分子中に2個以上の環状のチオエーテル基を有するエピスルフィド化合物製品には、日本エポキシ樹脂社製のYL7000;東都化成社製のYSLV−120TE;などがある。また、ノーブルラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に変えたエピスルフィド樹脂も使用可能である。
前記熱硬化性成分の配合量は、前記(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂1当量に対して、0.6〜2.5当量が好ましく、0.8〜2.0当量がより好ましい。前記(1)高耐熱性樹脂1当量に対する熱硬化性成分の当量が0.6未満のとき、組成物膜にカルボキシル基が残り、耐熱性、耐アルカリ性及び電気絶縁性などが低下されたため好ましくなく、その当量が2.5を超えると低い分子量の環状の(チオ)エーテル基が乾燥塗膜に残存して、塗膜の強度などが低下されるため好ましくない。
(5)フィラー
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、その塗膜の物理的強度などを上げるためにフィラーを含んでいてもよい。このようなフィラーとしては、慣用の無機又は有機フィラーを使用でき、特に、硫酸バリウム、ナノシリカなどの無機フィラーが好ましく使われる。白色の外観や難燃性を得るためには、酸化チタンなどの金属酸化物、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物などをフィラーとして使用していてもよい。
前記フィラーの配合量は、前記(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、例えば0.1〜150質量部であり、より好ましくは1〜100質量部である。フィラーの配合量が、前記(1)高耐熱性樹脂100質量部に対して、200質量部を超えると組成物の粘度が高くなり作業性が劣り、印刷性が低下されるか、硬化物が脆くなるため好ましくない。
(6)イオン吸着剤
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、粘度の上昇及び付着性を阻害しなく、且つ高温加湿条件下で硬化被膜内でのイオン移動の発生を長時間にかけて抑制するためにイオン吸着剤を含んでもよい。これは、イオン吸着剤(例えば、金属水酸化物)が酸性条件下で、アニオン交換体として作用する性質から由来すると考えられる。即ち、一般に、高温加湿条件下の銅回路は、電圧の印加により正極が酸性、負極がアルカリ性になると知られている。また、塩化物イオンなどのアニオンは正極に近く引き寄せられるため、アニオン交換作用がある金属水酸化物は非常に効率的にイオン移動の原因物質であるハロゲンイオン、特に、塩素イオンを構造内に収容するようになり、これにより、イオン移動の発生を長時間にかけて抑制できると考えられる。
このように、光硬化性熱硬化性樹脂組成物にイオン吸着剤を配合すれば、熱や湿気により生じる塩化物イオンなどのハロゲンイオンを捕捉することが可能で、電気絶縁性に悪影響を及ぼす不純物イオンを除去することでイオン移動を抑制し、電気絶縁性を向上させることができる。このようなイオン吸着剤は、優れたイオン交換特性高耐熱性を併せ持つイオンゲッター剤(getter)であり、系中に存在するイオン性不純物を捕捉し、イオンが原因となって発生する様々な問題を制御し、主にIC封止材やFPC接着剤等に添加して用いられており、電子材料の信頼性向上に役立つ。
イオン吸着剤は、捕捉しようとするイオン不純物の種類によって単独、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。イオン吸着剤の市販品としては、東亜化成社製のIXE−100、IXE−200、IXE−300、IXE−700F、IXE−770D、IXE−800、IXE−6107、IXEPLAS−AI、IXEPLAS−A2、IXEPLAS−A3、IXEPLAS−B1などが挙げられる。本発明では、イオン吸着剤として金属水酸化物が好ましく使用され、正極性イオン交換が可能になるのがまた好ましい。より好ましくは、ハイドロタルサイトとリン酸ジルコニウムの混合物が使用される。その形態には、微粒子形態が好ましく、微粒子粒径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。
前記イオン吸着剤の配合量は、光硬化性熱硬化性樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは0.2〜30質量部、さらに好ましくは0.5〜20質量部である。イオン吸着剤の配合量が前記範囲より多すぎると、組成物の粘度とチクソ性が高くなり過ぎて印刷性が低下されるか、付着力が低下される場合があるので好ましくなく、少なすぎるとイオン移動抑制効果が小さくなるので好ましくない。
(7)コアシェル粒子型エラストマー及びシリコンエラストマーから選ばれる一つ以上のエラストマー
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、ガラス転移温度及び硬度など硬化度を阻害しなく、且つその塗膜の柔軟性を向上させるために、コアシェル粒子型エラストマー及びシリコンエラストマーから選ばれる一つ以上のエラストマーを含んでもよい。慣用のエラストマーであるポリブタジエン変性エポキシ樹脂又はCTBN(CARBOXYL TERMINATED BUTADIENE ACRYLONITRILE)はガラス転移温度などの硬化度を下げるので好ましくない。
前記コアシェル粒子型エラストマーのコアは、ポリブタジエン、シリコン、SBR(スチレンブタジエンゴム)及びこれらの混合物から選ばれるのが好ましく、シェルとしては、コアと相溶性のあるポリマーを使用してもよく、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が好ましい。
前記コアシェル粒子型エラストマー製品としては、株式会社カネカ製のMX−153、MX−257、MX−960、MX−170、MX−136、MX−965、MX−217、MX−416、MX−551などが挙げられる。このようなコアシェル粒子型エラストマー製品は、単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記シリコンエラストマーとして好ましくは、粒径1μm〜10μmの微細粒子型エポキシ官能性シリコンエラストマーを使用してもよい。このようなシリコンエラストマー製品には、東レ・ダウコーニング社製のEP−5500、EP−5518、EP−2600、EP−2601、EP−2720などが挙げられる。このような微細粒子型シリコンエラストマー製品は単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記コアシェル粒子型エラストマー又はシリコンエラストマーは高濃度でエポキシ樹脂に分散されたものを使用することが好ましい。これらのエラストマーの分散に用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノーブルラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミノ型エポキシ樹脂、指環型エポキシ樹脂の中単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。この時、分散されたエラストマーの含量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜40質量部が好ましく、より好ましくは20〜40質量部である。分散されたエラストマーの含量がエポキシ樹脂100質量部に対して、10質量部未満のとき、硬化被膜の柔軟性向上を図られなく、40質量部を超えると分散特性が劣り、硬化被膜内の異質物として存在し、外観不良を生じるか(コアシェル粒子型エラストマー)、現像性マージンが劣り、PCB作業工程時に不良発生が生じることがある(シリコンエラストマー)。
前記コアシェル粒子型エラストマー又はシリコンエラストマーの配合量は、組成物全重量の1〜20重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。前記エラストマーの配合量が組成物全重量の1重量%未満のとき、硬化被膜の柔軟性が足りなく、衝撃などによる塗膜損傷などの不良により好ましくなく、20重量%を超えると塗膜の硬化被膜の表面内の未分散されたエラストマーによって外観不良が生じ、適用されたエポキシ樹脂により乾燥工程後の被膜表面のベタツキ(tacky)が生じるか(コアシェル粒子型エラストマー)、現像性マージンが劣り、PCB作業工程時に不良が生じることがある(シリコンエラストマー)好ましくない。
(8)着色剤
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、好ましくは前述した成分以外に、着色剤をさらに含んでいてもよい。このような着色剤としては、顔料、染料、色素、又は調色剤などが挙げられ、環境負荷減少及び人体に対する影響の観点からハロゲンを含有しないものが好ましい。
本発明で、使用可能な黄色着色剤としては、アゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンゾイミダゾール系、イソインドリノ系、アントラキノン系などがあり、その具体的な例を上げた次の通りだ:
アゾ系:ピグメントイエロー001,002,003,004,005,006,009,010,012,061,062,065,073,074,075,097,100,104,105,111,116,167,169
ジスアゾ系:ピグメントイエロー012,013,014,016,017,055,063,081,083,087,126,127,152,170,172,174,176,188,198
縮合アゾ系:ピグメントイエロー093,094,095,128,155,166,180
ベンゾイミダゾール系:ピグメントイエロー120,151,154,156,175,181
イソインドリノン系:ピグメントイエロー109,110,139,179,185
アントラキノン系:ソルベントイエロー163、ピグメントイエロー024,108,147,193,199,222
本発明で使用可能な青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系などがあり、その具体的な例は以下通りである:
ピグメントブルー15:00,15:01,15:02,15:03,15:04,15:06,16:00,16:01,60:00
上記以外にも金属置換若しくは非置換のフタロシアニン系化合物を使用してもよい。
前記着色剤の配合量には特に制限ないが、前記(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは0.1〜5.0質量部である。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、前述した成分以外にも必要に応じて、硬化性樹脂組成物に通常使われる成分(例えば、消泡剤)をさらに含んでもよい。また、組成物塗布時粘度を適宜調整するために有機溶剤をさらに含んでもよい。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を使用する方法は、例えば、以下の通りである。まず、組成物を有機溶剤で塗布する方法に適切な粘度に調整した後、基材上にディップコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法、バーコーティング法、スクリーン印刷法、カーテンコーティング法等の方法で塗布し、約60〜120℃の温度で組成物に含有された有機溶剤を揮発乾燥させる。その後、接触式又は非接触式によりパターンを形成したフォトマスクを介して選択的に活性エネルギーで露光をするか、又はレーザーダイレクト露光機などにより直接パターンを露光し、未露光部をアルカリ水溶液(0.1〜3.0%炭酸ナトリウム水溶液)により現像し、パターンを形成する。本発明の組成物は、熱硬化性成分を含有しており、130〜160℃の温度で加熱すれば、前記不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂のカルボキシル基と分子中に2個以上の環状の(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分とが反応し、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性などに優れた硬化塗膜を形成することができる。
上記の基材としては、予め回路が形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板、フェノール樹脂が含浸されたガラス繊維、エポキシ樹脂が含浸されたガラス繊維、ビスマレイミドトリアジン樹脂が含浸されたガラス繊維、銅箔積層板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハー基板などを使用できる。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、行う溶剤の揮発乾燥には熱風循環式乾燥炉、赤外線乾燥炉、ホットプレートなどを使用することができる。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布し、揮発乾燥した後、得られた塗膜に対して、活性エネルギーにより露光を行う。塗膜は、活性エネルギーの露光により硬化される。活性エネルギー照射に使用される露光機には、直接描画装置(例えば、コンピュータでCADデータにより直接レーザーでパターンを表現するレーザーダイレクトイメージ装置)、メタルハライドランプを搭載した露光装置、(超)高圧水銀ランプを搭載した露光装置、(超)高圧水銀ランプなどの紫外線ランプを使用した直接描画装置を使用することができる。活性エネルギーの範囲は、最大波長が340〜420nmの範囲でレーザー光及び紫外線ランプ光を使用可能であり、ガスレーザー及び固体レーザーのいずれも使用可能である。
現像方法は、ディーピング法、シャワー法、スプレー法、ブラッシ法などを使用でき、現像液には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液を使用することができる。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、液状で直接基材に塗布する方法この他にも、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルムに組成物を塗布し、乾燥して形成された、ソルダレジスト層を有するドライフィルムの形態として使用可能である。本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物をドライフィルムとして使用する具体例は以下の通りである。
ドライフィルムは、ベースフィルムとソルダレジスト層、そして必要に応じて、使用する剥離可能なカバーフィルムが、この順に積層される構造である。ソルダレジスト層は、アルカリ水溶液に現像可能な光硬化性熱硬化性樹脂組成物をベースフィルム又はカバーフィルムに塗布し、乾燥して得られた層である。ベースフィルムに、ソルダレジスト層を形成した後、カバーフィルムを積層するか、カバーフィルムにソルダレジスト層を形成し、ベースフィルムを積層すれば、ドライフィルムが得られる。ベースフィルムは、1〜200μmの厚さ範囲のポリエステルフィルムのような熱可塑性フィルムが用いられる。ソルダレジスト層は、光硬化性熱硬化性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーターなどでベースフィルム又はカバーフィルムに5〜200μmの厚さ範囲で均一に塗布した後、乾燥して形成される。ドライフィルムを使用してプリント配線板上に保護膜を製作する場合には,カバーフィルムを剥離し、ソルダレジスト層と回路が形成される基材を重ねて、ラミネーターを利用して積層すれば回路が形成される基材上にソルダレジスト層が形成される。形成されたソルダレジスト層に対して、前記同様に、露光工程、現像工程、加熱硬化工程を行えば、硬化塗膜を得ることができる。ベースフィルムは露光前又は露光後のどちらに関係なく剥離すればよい。
従って、本発明の他の側面によると、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥して得られるソルダレジスト、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物を基材フィルムに塗布し、乾燥して得られるソルダレジストドライフィルム、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物のパターン化された硬化物及び前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物のパターン化された硬化物層を含むプリント配線板が提供される。

2.光硬化性熱硬化性樹脂組成物の製造方法
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、常法で製造できる。例えば、撹拌装置付き反応器に前述した原料成分を投入し、撹拌混合した後、3本ロールミルで分散する方法で製造されていてもよい。このとき、原料成分は全て同時に投入してもよく、順に投入してもよい。本発明の一具体例によると、エラストマー及びフィラーを除いた成分を、まず、低速(例えば、500rpm)で撹拌して混合した後、そこに、エラストマー及びフィラーをさらに投入し、高速(例えば、700rpm)で撹拌して混合した後、撹拌が完了すれば、3本ロールミルで分散する。以後、分散が完了すれば、粒度の水準を確認し、粒度が10μmの場合、分散を繰り返す。
好ましくは、(1)不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂、熱硬化性成分及びフィラーを含む第1次原料混合物を有機溶剤と共にミキサーで湿潤混合する工程;(2)前記工程(1)で得られた湿潤混合物を、ビーズミルを利用して分散混合する工程;及び(3)前記工程(2)で得られた分散混合物に光重合開始剤を含む第2次原料混合物を投入し、撹拌混合する工程;を含む方法により、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造することができる。
前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物製造方法において、反応性希釈剤、イオン吸着剤、エラストマー、及び顔料のような着色剤等の任意成分は、前記第1次原料混合物、第2次原料混合物又は両者に含まれていてもよく、好ましくは第1次原料混合物に含まれる。本発明の好ましい一具体例によると、光重合開始剤を除いた全ての原料成分が第1次原料混合物に含まれていてもよい。
前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物製造方法で使用可能なビーズミル分散機は、外部容器内に内部容器を回転自在に結合し、外部容器と内部容器と間に入ったフィラーが、湿潤混合物が内部容器により回転しながら分散されるようにするものである。この過程で、粒状にかたまったフィラーが均一なサイズに分散される。
前記工程(1)で、ミキサー(例えば、ホモミキサー)を用いたフィラーの湿潤混合は20分以上(例えば、20分〜4時間間)行うのが好ましい。湿潤混合時間が20分以下のとき、粒子が均一にならなく、巨大粒子が残留する。前記工程(1)で得られた湿潤混合物の粘度は、10,000cPs(10rpm、@25℃)未満であることが好ましい。湿潤混合物の粘度が、これより高いと、後続工程(2)で、ビーズミル分散機内で混合物の円滑な循環が困難になるので、フィラーが分散されないまま粒子そのままの状態を有する問題があり、分散時間遅延及び生産性が低下され、好ましくない。
前記工程(2)で、ビーズミル分散時に使用されるビーズとしては、粒径が0.5mm〜2mm、好ましくは約1mmの酸化ジルコニアビーズが好ましい。前記工程(2)で、ビーズミル分散時ローターの回転速度は、好ましくは5Hz(400rpm)〜20Hz(1600rpm)、より好ましくは10Hz(800rpm)〜15Hz(1200rpm)である。ローターの回転速度が5Hz未満のとき、分散されないまま粒子そのままの状態を有する問題があり、20Hzを超えるとフィラーが分散されてもビーズ摩擦による温度上昇で樹脂物性が変わる恐れがある。また、ビーズミル分散時間は、好ましくは20分〜2時間、より好ましくは50分〜80分である。ビーズミル分散時間が20分未満のとき、分散されないまま粒子そのままの状態を有する問題があり、2時間を超えると溶剤揮発問題及び樹脂特性が変わる問題があり、生産性が低下される。
前記(3)工程での撹拌混合は、20分以上(例えば、20分〜3時間間)行うことが好ましい。撹拌時間がこれより短いと、光開始剤が樹脂に十分に溶解されなく、添加剤が分散原料と均一に混合されないので、添加剤機能が低下される。撹拌時間が長すぎると生産性が低下される。前記(3)工程以後得られた最終感光性樹脂組成物は、好ましくは20,000〜25,000cPs(10rpm、@25℃)範囲の粘度を有する。
以下、実施例及び比較例を参照して本発明を詳しく説明する。しかし、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
実施例1
撹拌装置付き反応器に、不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂(SR90−B3T4、固形分=65%、酸価=57mgKOH/g、KCC社製)400gとビスフェノールAタイプの熱硬化性成分(YD−012、ビスフェノールAエポキシ樹脂、軟化点=80℃、当量=650、国道化学社製)100gを投入し、500rpmで10分間撹拌した。撹拌後、不飽和二重結合を含む反応性希釈剤(ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート(DPHA)、日本化薬社製)10gと光重合開始剤(Irgacure369、オキシムエステル系光重合開始剤、BASFジャパン社製)30g投入した後、順に黄色着色剤(ピグメントイエロー147、BASFジャパン社製)2g、青色着色剤(ピグメントブルー16:00、BASFジャパン社製)6g、及びイオン吸着剤(IXEPLAS、ハイドロタルサイトとリン酸ジルコニウムの混合物、東亜合成株式会社製)5gを投入し、500rpmで10分間撹拌した。撹拌が完了した後、コアシェル粒子型エラストマー(MX−170、コア:シリコン、コア含量:25%、分散媒質:ビスフェノールAエポキシ樹脂、株式会社カネカ製)100gを投入し、500rpmで10分間撹拌し、フィラー(B−30、表面処理済み硫酸バリウム、D(50)=0.3μm、酒井社製)250gを3〜6回分割して投入した。投入完了後、700rpm20分間高速撹拌した。この時、高速撹拌による発熱により内部の温度が45℃を越えないようにした。撹拌完了後、3本ロールミルで分散した。分散が完了すれば、粒度の水準を確認し、粒度が10μm以上のとき分散を繰り返した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は75%で、粘度は13000mPa・sであった。
実施例2
エラストマーとしてコアシェル粒子型エラストマー(MX−170、コア:シリコン、コア含量:25%、分散媒質:ビスフェノールAエポキシ樹脂、株式会社カネカ製)50gとを使用したことを除いては実施例1と同様にして、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は73%で、粘度は12500mPa・sであった。
実施例3
エラストマーとしてコアシェル粒子型エラストマー(MX―136、コア:ポリブタジエン、コア含量:25%、分散媒質:ビスフェノールFエポキシ樹脂、株式会社カネカ製)100gを使用したことを除いては実施例1と同様にして、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は75%で、粘度は12500mPa・sであった。
実施例4
エラストマーとしてシリコンエラストマー(EP―2600、東レ・ダウコーニング社製)100gを使用したことを除いては実施例1と同様にして、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は75%で、粘度は13000mPa・sであった。
実施例5
エラストマーとしてシリコンエラストマー(EP―2600、東レ・ダウコーニング社製)50gを使用したことを除いては実施例1と同様にして、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は73%で、粘度は12500mPa・sであった。
実施例6
エラストマーとしてシリコンエラストマー(EP―2601、Epoxy Functional、東レ・ダウコーニング社製)100gを使用したことを除いては実施例1と同様にして、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は75%で、粘度は12500mPa・sであった。
比較例1
エラストマーを用いないことを除いては実施例1と同様にして、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は74%で、粘度は15000mPa・sであった。
比較例2
エラストマーとしてエポキシ化ポリブタジエン(EPOLEADPB−3600、分子量:5900、酸価:1以下、ダイセル社製)50gを使用したことを除いては実施例1と同様にして、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は75%で、粘度は13500mPa・sであった。
比較例3
エラストマーとして、ブタジエンアクリロニトリル(CTBN 1300X8、アクリロニトリル含量:17%、CVC)50gを使用したことを除いては実施例1と同様にして、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造した。製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の固形分は75%で、粘度は13500mPa・sであった。
前記実施例及び比較例で製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物に対して、基準規格であるJPCA規格に基づいて、DMA(DYNAMIC MECHANICAL ANALYSIS)を使用して、ガラス転移温度及びモジュラスを測定した。また、製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物の分散度は、グラインドメートルにより評価した結果、いずれも10μm以下であった。実施例及び比較例組成物等の配合、及びガラス転移温度とモジュラス測定結果を下記表1に示した。
Figure 0006092165
前記表1の結果から分かるように、コアシェル粒子型エラストマーを適用した組成物である実施例1〜3及びシリコンエラストマーを適用した組成物である実施例4〜6に比べ、エラストマーを適用しない比較例1は、ガラス転移温度は等しかったが、モジュラスが顕著に高かった。このように、モジュラスが高い場合、被膜が脆くなり、製造工程中に被膜損傷などの不良が発生する。また、一般的なエラストマーを適用した比較例2及び3は実施例に比べ、モジュラスは等しかったが、ガラス転移温度が約10℃程度低かった。このように低いガラス転移温度は、硬化度を阻害し、脆弱な信頼性を誘発する。
一方、実施例及び比較例組成物に対して、以下の特性評価を行った。
回路パターン基板を表面処理し、水洗及び乾燥工程を行った後、実施例及び比較例の光硬化性熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法で乾燥後、膜厚が約25μmになるように基板の前面に塗布し、80℃で30分間乾燥した。乾燥後、露光工程のために露光装備としては高圧水銀灯が搭載された露光装置を使用した。感度評価としては41段階タブレット(日立化成社製)を使用した。この装置を用いて露光工程を行い、30℃、1%炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像した。段階タブレットの感度結果(感度=6段)を通して最適の露光条件を選定した。
現像マージン評価
基板上に、組成物をスクリーン印刷法で塗布し、80℃で乾燥し、30分から100分まで10分間の間隔で取り出して室温で冷却した。以降、30℃、1%炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像時、残渣が残っていない最大許容乾燥時間を現像マージンとした。
粘り(TACKY)評価
基板上に、組成物をスクリーン印刷法で塗布し、80℃で30分間乾燥した後、室温で冷却した。この基板にポリエステル材質のパターンマスク用フィルムを1分間圧着し、パターンマスク用フィルムを剥離した時、フィルムに粘り(TACKY)可否を下記基準で評価した。
○:フィルムを剥離した時、転写が無い
△:フィルムを剥離した時、転写が一部存在し、剥離する時、微細な力が要る
×:フィルムを剥離した時、転写が存在し、剥離する時、力が要る
解像度
基板上に、組成物をスクリーン印刷法で塗布し、80℃で30分間乾燥した後、室温で冷却した。この基板にパターンマスク用フィルムを圧着し、高圧水銀灯が搭載された露光機を用い、600mJ/cmで露光した後、30℃、1%炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像し、水洗して、パターンを形成した。形成されたパターンのサイズを測定し、解像度とした。
ハンダ耐熱性
基板上に、組成物をスクリーン印刷法で塗布し、80℃で30分間乾燥した後、室温で冷却した。この基板を高圧水銀灯が搭載された露光機を用い、600mJ/cmで露光した後、さらに、1100mJ/cmで露光した。以降、150℃で60分間加熱し、最終硬化を行った。このように得られた基板を260℃に設定されたハンダ槽に10秒間浸漬した。前記浸漬工程を3回繰り返した。この時、目視でソルダレジスト層の外形的変化及び剥離可否を下記基準で評価した。
○:外形的変化及び剥離がない
△:微細な外形変化及び微細な剥離がある
×:激しい外形変化及び塗膜剥離がある
耐屈曲性
基板上に、組成物をスクリーン印刷法で塗布し、80℃で30分間乾燥した後、室温で冷却した。この基板を高圧水銀灯が搭載された露光機を用い、600mJ/cmで露光した後、さらに、1100mJ/cmで露光した。以降、150℃で60分間加熱し、最終硬化を行った。このように得られた基板を90゜に折り畳んだり、開いたりすることを3回繰り返した。この時、目視でソルダレジスト層の外形的変化及び剥離可否を下記基準で評価した。
○:外形的変化及び剥離がない
△:微細な外形変化及び微細な剥離がある
×:激しい外形変化及び塗膜剥離がある
PCT
上記の工程を通して製造された基板を、PCT装備(イレテック社製、モデル名:PCT-80)を用い、温度121℃、湿度100%、圧力2気圧、時間168時間の条件で処理し、塗膜の状態を下記基準で評価した。
○:外形的変化、変色及び溶出がない
△:微細な外形変化、一部変色及び溶出がある
×:激しい外形変化、過多変色及び溶出がある
HAST
電極(ラインスペース:30μm)が形成されたBT基板に、上記の工程に基づいて評価基板を製造した。この基板に、温度130℃、湿度85%の高温高湿条件で5V電圧を印加し、168時間、HAST評価を行った。168時間が経過した後、絶縁抵抗値を通して下記基準で評価した。
○:108Ω以上
△:106〜108Ω
×:106Ω以下
特性評価結果を下記表2に示した。
Figure 0006092165
ドライフィルム製造及び評価
実施例及び比較例の光硬化性熱硬化性組成物を、それぞれメチルエチルケトンで希釈した後、ポリエステル材質のPETフィルム上に塗布し、80℃で30分間乾燥し、厚さ25μmのソルダレジスト層を形成した。その上に、カバーフィルムをラミネートして、ドライフィルムを製造した。製造されたドライフィルムからカバーフィルムを剥離し、基板にフィルムをラミネートし、以降、前記工程のように高圧水銀灯が搭載された露光機を用い、600mJ/cmで露光した後、さらに、1100mJ/cmで露光した。以降、150℃で60分間加熱し、最終硬化を行った。このように得られた基板に対して、前記特性項目を評価したし,その結果を下記表3に示した。
Figure 0006092165
前記表2及び表3の結果から分かるように、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、ガラス転移温度など硬化度を阻害しないエラストマーの使用でPCT耐性とHAST耐性及び柔軟性が向上された。その結果、PCT耐性及びHAST耐性のような信頼性と同時に製造工程中の被膜損傷などの不良が改善された。即ち、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、半導体パッケージ用ソルダレジストに必須的に要求されるPCT耐性、耐熱性、HAST耐性、さらに柔軟性までを兼備したものであり、高信頼性が求められるソルダレジスト及び薄膜パッケージ用ソルダレジストに非常に適している。
一方、ビーズミルを用いた樹脂組成物製造方法と3本ロールミルを使用した製造方法の生産性を比較するために、以下の工程を行った。
−ビーズミル工程順序及び所要時間
(1)第1次原料混合物(高耐熱性樹脂、熱硬化性成分、フィラー及び溶剤)投入及び湿潤混合:4時間
(2)ビーズミル分散:2時間
(3)第2次原料混合物(残りの原料成分の全て)投入及び撹拌混合:3時間
(4)補正用溶剤の追加投入後、混合:1時間
・総製造時間(400kg基準):10時間
・最終収率:85%
・時間当り生産性:34.0kg/hr
−3本ロールミル工程順序及び所要時間
(1)原料成分全部の投入及び湿潤混合:4時間
(2)3本ロールミル分散(2Pass施行、1Pass=400kg/4時間):8時間
(3)補正用溶剤の追加投入後、混合:1時間
・総製造時間(400kg基準):13時間
・最終収率:85%
・時間当り生産性:26.1kg/hr
また、ビーズミルを使用した方法と3本ロールミルを使用した方法で、それぞれ製造された光硬化性熱硬化性樹脂組成物に対して、前記と同様にして、現像マージン、感度、解像度、粘り(Tacky)可否、ハンダ耐熱性及びPCT特性を評価し、その結果を下記表4に示した。
Figure 0006092165
前記表4の結果から分かるように、本発明の感光性樹脂組成物を、ビーズミルを使用した方法で製造すれば、3本ロールミルを使用した方法で製造された組成物と同一類似の特性の組成物を得ることができ、しかも、製造時間が短縮され、生産性が顕著に向上された。

Claims (15)

  1. (1)フェノール若しくはクレゾール、又はその誘導体から由来するものであって、軟化点が60℃〜120℃であり、不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂、
    (2)光重合開始剤、
    (3)不飽和二重結合を含有する反応性希釈剤、
    (4)熱硬化性成分、
    (5)フィラー、
    (6)イオン吸着剤、及び
    (7)コアが、ポリブタジエン、シリコン、スチレンブタジエンゴム及びこれらの混合物から選ばれ、シェルが、エポキシ樹脂であるコアシェル粒子型エラストマー;及び粒径1μm〜10μmの微細粒子型エポキシ官能性シリコンエラストマーであるシリコンエラストマー;から選ばれる一つ以上のエラストマーを含む光硬化性熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記コアシェル粒子型エラストマー又はシリコンエラストマーは、前記熱硬化性成分とは別に、エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜40質量部の高濃度でエポキシ樹脂に分散されたものを使用することを特徴とする、光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂の不飽和二重結合が、アクリル酸若しくはメタクリル酸、又はその誘導体から由来し、カルボキシル基が、多塩基酸無水物から由来することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記光重合開始剤が、オキシムエステル系光重合開始剤、α−アセトフェノン系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記不飽和二重結合を含有する反応性希釈剤が、不飽和二重結合を2〜6個含有することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記熱硬化性成分が、分子中に2個以上の環状のエーテル基又はチオエーテル基を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記イオン吸着剤が、ハイドロタルサイトとリン酸ジルコニウムとの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  7. 着色剤を、更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、塗布し、乾燥して得られるソルダレジスト。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、基材フィルムに塗布し、乾燥して得られるソルダレジストドライフィルム。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物のパターン化された硬化物。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物のパターン化された硬化物層を含むプリント配線板。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、
    (1)フェノール若しくはクレゾール、又はその誘導体から由来するものであって、軟化点が60℃〜120℃であり、不飽和二重結合及びカルボキシル基を含有する高耐熱性樹脂、熱硬化性成分及びフィラーを含む第1次原料混合物を有機溶剤と共にミキサーで湿潤混合する工程;
    (2)前記工程(1)で得られた湿潤混合物を、ビーズミルを利用して分散混合する工程;及び
    (3)前記工程(2)で得られた分散混合物に、光重合開始剤を含む第2次原料混合物を投入し、撹拌混合する工程;
    を含むことを特徴とする方法。
  13. 前記工程(1)の湿潤混合が、20分以上行われることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記工程(2)のビーズミル分散が、20分〜2時間行われることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  15. 前記(3)工程の撹拌混合が、20分以上行われることを特徴とする請求項12に記載の方法。
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