JP6594054B2 - 光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板に関する。
プリント配線板のソルダーレジスト等の永久塗膜を形成する材料として、アルカリ水溶液により現像可能な光硬化性樹脂組成物が用いられている。近年、エレクトロニクス機器の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密度化に対応して、このようなアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物にも作業性や高性能化が要求されている。例えば、電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、半導体パッケージの小型化、多ピン化が実用化され、量産化が進んでいる。
このような高密度化に対応して、QFP(クワッド・フラットパック・パッケージ)、SOP(スモール・アウトライン・パッケージ)等と呼ばれるICパッケージに代わって、BGA(ボール・グリッド・アレイ)、CSP(チップ・スケール・パッケージ)等と呼ばれるICパッケージが登場した。このようなパッケージ基板のようにファインピッチの配線パターンを備えるプリント配線板においては、配線パターンが高密度に、互いに近接して形成されるため、配線パターンのライン間でショートやクロストークノイズが生じたりするおそれが高くなる。従って、このようなパッケージ基板に用いられるソルダーレジスト等の永久塗膜には、TCT耐性(冷熱衝撃耐性)等の信頼性が特に求められる。
TCT耐性に優れた硬化物を得られるアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物として、特許文献1に、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、平均粒径が300nm以下のシリカフィラーおよびY−X−Y型ブロック共重合体を含有する樹脂組成物が記載されている。
特許第5458215号公報
特許文献1に記載の樹脂組成物は、平均粒径が300nm以下のナノサイズのシリカフィラーを用いる必要があった。ナノサイズのシリカフィラーは解像性は良好であるが、体積当たりのフィラーの表面積が大きいため、樹脂との撹拌、分散工程がより煩雑となる。また、原料価格も高価となる。一方、平均粒径が300nmよりも大きいシリカフィラーを使用した場合には、解像性が十分ではなく、また、硬化物のTCT耐性やHAST耐性試験後、即ち、高温高湿度の環境に曝された後の密着性にも改善の余地があった。
そこで本発明の目的は、サブミクロンサイズのシリカフィラーを含有するにもかかわらず、解像性に優れ、TCT耐性およびHAST耐性試験後の密着性に優れた硬化物が得られるアルカリ水溶液により現像可能な光硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は上記を鑑み鋭意検討した結果、特定のカルボキシル基含有感光性樹脂、および、これと反応する官能基を持つ表面処理剤で表面処理した0.4〜1.0μmの球状シリカを配合することによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のアルカリ水溶液により現像可能な光硬化性樹脂組成物(以下、単に「本発明の光硬化性樹脂組成物」とも称する)は、(A)ポリフェノール化合物をアルキレンオキシド変性したポリアルコール樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を反応させることにより得られるカルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)前記(A)成分と反応する官能基を持つ表面処理剤で、表面処理された平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカとを含有することを特徴とするものである。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、前記(C)成分がエポキシ基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基およびスチリル基から選ばれる少なくとも1つの基を有する表面処理剤で処理をした平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカであることが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、前記(C)成分が、(メタ)アクリルシランで表面処理された平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカであることが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに、(D)ブロック共重合体を含有することが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、前記(D)ブロック共重合体が、Y−X−YまたはY−X−Y’型ブロック共重合体(Y、Y’およびXは相互に異なるポリマー単位である)であることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記光硬化性樹脂組成物を、フィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記光硬化性樹脂組成物、または、前記ドライフィルムの樹脂層を、硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、サブミクロンサイズのシリカフィラーを含有するにもかかわらず、解像性に優れ、TCT耐性およびHAST耐性試験後の密着性に優れた硬化物が得られるアルカリ水溶液により現像可能な光硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有するプリント配線板を提供することができる。
実施例1の光硬化性樹脂組成物の硬化物の断面を示す写真図である。スケールバーは100nmを示す。 比較例3の光硬化性樹脂組成物の硬化物の断面を示す写真図である。スケールバーは100nmを示す。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)ポリフェノール化合物をアルキレンオキシド変性して得られたポリアルコール樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を反応させることにより得られるカルボキシル基含有感光性樹脂(以下、単に「(A)カルボキシル基含有感光性樹脂」または「(A)成分」とも称する)と、(B)光重合開始剤と、(C)前記(A)成分と反応する官能基を持つ表面処理剤で、表面処理された平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカ(以下、単に「(C)球状シリカ」とも称する)とを含有することを特徴とするものである。通常、硬化成分以外の成分は、硬化反応には加わらないことから、硬化反応後は架橋ネットワークを有する樹脂に囲まれた状態で硬化物に内包されるため、架橋ネットワークを有する樹脂との間には界面が生じる。詳しいメカニズムは明らかではないが、シリカを硬化物が含有する場合、このような界面が応力発生時の弱点となり、これに起因してクラックが発生すると考えられ、本発明においては、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と(C)球状シリカとを反応させることにより、硬化系に取り込むことによって、このような界面に起因するクラックが発生しづらくなり良好なTCT耐性が得られると考えられる。また平均粒径0.4〜1.0μmのサブミクロンサイズの球状シリカを含有するにもかかわらず、良好な解像性が得られる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物において、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂を含有することによってHAST耐性にも優れる。ここで、絶縁性を評価基準とするHAST耐性は、HAST耐性試験後の密着性とは別異の特性であり、HAST耐性に優れるからと言って、HAST耐性試験後の密着性に優れるとは限らない。詳しいメカニズムは明らかではないが、本発明の光硬化性樹脂組成物においては、上記のとおり、硬化性樹脂と球状シリカの架橋ネットワークを形成し、硬化系に取り込むことにより、架橋ネットワークを有する樹脂との間の界面が生じにくくなり、その結果、HAST耐性試験のような高温高湿環境に曝されても硬化物が吸水しにくいために、平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカを含有するにもかかわらず、HAST耐性試験後であっても密着性に優れると考えられる。
[(A)カルボキシル基含有感光性樹脂]
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂は、ポリフェノール化合物をアルキレンオキシド変性して得られたポリアルコール樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を反応させることにより得られる。このようにして得られる(A)カルボキシル基含有感光性樹脂は、官能基としてカルボキシル基、(メタ)アクリル基、および、水酸基を有する。
前記ポリフェノール化合物としては、特に限定されず、フェノールノボラック骨格、クレゾールノボラック骨格、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールAノボラック骨格、アミノトリアジンノボラック骨格、トリスフェノールメタンノボラック骨格、フェノールアラルキル骨格、ビフェニルノボラックフェノール骨格、ジシクロペンタジエン骨格、テトラキスフェノール骨格、ナフトール骨格等を有するポリフェノール化合物が挙げられる。
前記アルキレンオキシドの種類は、特に限定されず、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
前記多塩基酸無水物としては、特に限定されず、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の脂環式二塩基酸無水物; 無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の脂肪族又は芳香族二塩基酸無水物、あるいはビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族または芳香族四塩基酸二無水物が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。中でも、脂環式二塩基酸無水物が特に好ましい。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂は、エポキシ樹脂を出発原料として用いないことにより、塩素イオン不純物量を例えば100ppm以下と非常に少なく抑えることができる。(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の塩素イオン不純物含有量は好ましくは0〜100ppm、より好ましくは0〜50ppm、さらに好ましくは0〜30ppmである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、アルカリ水溶液による現像が可能である。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲である。(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価が20mgKOH/g以上の場合には、アルカリ現像性が良好になる。一方、酸価が200mgKOH/g以下の場合には、現像液による露光部の現像ダメージを低減することができる。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000であることが好ましい。重量平均分子量が2,000以上の場合では、指触乾燥性に優れた乾燥塗膜が得られる。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合では、アルカリ現像性が良好なる。より好ましくは、5,000〜100,000である。
本発明の光硬化性樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂以外の他のアルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。他のアルカリ可溶性樹脂としては、他のカルボキシル基含有感光性樹脂、フェノール性水酸基を含有する樹脂が挙げられる。
[(B)光重合開始剤]
(B)光重合開始剤としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製イルガキュア819)、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製イルガキュアTPO)等のアシルフォスフィンオキサイド類;1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p−ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2−ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。(B)光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、オキシムエステル類(以下「オキシムエステル系光重合開始剤」と称する)、アセトフェノン類の1つであるα−アミノアセトフェノン類(以下、「α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤」と称する)、およびアシルホスフィンオキサイド類(以下、「アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤」と称する)からなる群から選択される1種以上の光重合開始剤を用いることが好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアOXE01、イルガキュアOXE02、ADEKA社製N−1919等が挙げられる。また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤も好適に用いることができ、具体的には、下記一般式で表されるカルバゾール構造を有するオキシムエステル化合物が挙げられる。
式中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)を表し、Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、Arは、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルを表し、nは0または1の整数である。
特に上記式中、X、Yが、それぞれ、メチル基またはエチル基であり、Zがメチルまたはフェニルであり、nが0であり、Arが、フェニレン、ナフチレン、チオフェンまたはチエニレンであることが好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤の配合量は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部とすることが好ましい。0.01質量部以上の場合、樹脂組成物の光硬化性が良好となり、耐熱性、耐薬品性等の塗膜特性も良好となる。一方、5質量部以下の場合、ソルダーレジスト塗膜の光吸収が良好となり、深部硬化性が低下しにくい。より好ましくは、0.5〜3質量部である。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等が挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、上記の化合物が挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアTPO、イルガキュア819等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤を除く光重合開始剤の配合量は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましい。0.1質量部以上の場合、樹脂組成物の光硬化性が良好となり、塗膜が剥離しにくく、耐薬品性等の塗膜特性も良好となる。一方、30質量部以下の場合、アウトガスの低減効果が得られ、さらにソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が良好となり、深部硬化性が低下しにくい。より好ましくは0.5〜15質量部である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、オキシムエステル系光重合開始剤を用いることが好ましい。オキシムエステル系光重合開始剤を用いることにより、少量でも十分な感度を得ることができるだけでなく、熱硬化性成分を配合した場合の熱硬化時、および実装の際の後熱工程での光重合開始剤の揮発が少ないため、乾燥炉等の装置の汚染を少なくすることができる。
また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いることも好ましい。アシルホスフィンオキサイドの使用により、光反応時の深部硬化性を向上させるため、解像性において良好な開口形状が得られる。
本発明の光硬化性樹脂組成物では、オキシムエステル系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤のどちらを用いても効果的であるが、上述のようなレジストのライン形状および開口のバランス、光硬化性の点からは、オキシムエステル系光重合開始剤とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の併用が更に好適である。
また、光重合開始剤としてはBASFジャパン社製のイルガキュア389、イルガキュア784も好適に用いることが出来る。
(B)光重合開始剤の他に、本発明の光硬化性樹脂組成物では、光開始助剤または増感剤を使用することができる。本発明の光硬化性樹脂組成物に好適に使用可能な光開始助剤および増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、およびキサントン化合物等を挙げることができる。
上述の光開始助剤および増感剤のうち、チオキサントン化合物および3級アミン化合物が好ましい。特に、チオキサントン化合物が含まれることが、樹脂組成物の深部硬化性の面から好ましい。中でも、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物を含むことが好ましい。
これらの光開始助剤および増感剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上の混合物として使用してもよい。
なお、上述の光重合開始剤、光開始助剤、および増感剤は、特定の波長を吸収するため、場合によっては感度が低くなり、紫外線吸収剤として働くことがある。しかしながら、これらは組成物の感度を向上させることだけの目的に用いられるものではない。必要に応じて特定の波長の光を吸収させて、表面の光反応性を高め、レジストのライン形状および開口を垂直、テーパー状、逆テーパー状に変化させるとともに、ライン幅や開口径の加工精度を向上させることができる。
[(C)球状シリカ]
(C)球状シリカは、前記(A)成分と反応する官能基を持つ表面処理剤で、表面処理された平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカである。ここで平均粒径とは、シリカ単体もしくはシリカ分散液のメディアン径でのd50値である。平均粒径は0.5〜0.9μmであることが好ましい。平均粒径は、レーザー回折・散乱式の粒子径分布測定装置により測定される。
前記表面処理剤としては、カップリング剤が好ましい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を用いることができる。中でも、シランカップリング剤が好ましく、液中にて分散された後、沈殿や凝集することを防ぐことができ、その結果、保存安定性に優れる。また、組成物配合の際にも凝集することなく安定に投入することができる。さらに、得られる硬化物の樹脂とフィラーとの濡れ性を向上させることができる。表面処理剤は1種を単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記表面処理剤が有する前記(A)成分と反応する官能基としては、前記(A)成分の(メタ)アクリル基と反応する官能基であるメルカプト基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、スチリル基等;前記(A)成分のカルボキシル基と反応する官能基であるイソシアネート基、エポキシ基等;前記(A)成分の水酸基と反応する官能基であるイソシアネート基等が挙げられる。中でも、常温(40℃以下)での反応性が低く、組成物中で安定であることから、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、スチリル基が好ましい。さらに常温での安定性は高いが、加熱時及び紫外線照射時に速やかに反応する、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基がより好ましく、さらに光ラジカル反応性が高く、組成物の光感度も向上し、反応後に吸湿性の低い、強固な化学結合が形成されるアクリル基、メタクリル基がさらに好ましい。上述のように(A)成分とシリカとの化学結合の形成によりクラック耐性の向上、HAST耐性試験後の密着性の向上が図られる。
エポキシ基を有するシランカップリング剤の具体例としては2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシオクチルトリメトキシシラン等のエポキシシランが挙げられる。ビニル基を有するシランカップリング剤の具体例としてはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニルシランが挙げられる。メタクリル基を有するシランカップリング剤の具体例としては3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン等のメタクリルシランが挙げられる。アクリル基を有するシランカップリング剤の具体例としては3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシランが挙げられる。メルカプト基を有するシランカップリング剤の具体例としては3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシランが挙げられる。イソシアネート基を有するシランカップリング剤の具体例としては3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシランが挙げられる。スチリル基を有するシランカップリング剤の具体例としてはp−スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシランが挙げられる。
前記(A)成分と反応する官能基を持つシランカップリング剤の市販品としては、例えば、信越シリコーン社製KBM−1003、KBE−1003、KBM−303、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−402、KBM−4803、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−5803、KBM−802、KBM−803、KBE−9007、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製A−151、A−171、A−172、A−2171、Y−9936、A−174、A−186、A−187、A−1871、A−189、A−1891、A−1310、Y−5187、WACKER社製GENIOSIL GF31、GENIOSIL XL10、GENIOSIL XL12、GENIOSIL GF40、GENIOSIL GF56、GENIOSIL GF62、GENIOSIL GF80、GENIOSIL GF82、EVONIK社製DynasylanGLYEO、GLYMO、MTMO、MEMO、VTEO、VTMO、VTMOEO等が挙げられる。
また(C)球状シリカは、樹脂中での分散性が良好であり、またシリカが球状であることより、硬化被膜のクラックの発生が良好に低減される。更に、高充填可能であることから反りの発生を低減でき、折り曲げ耐性を向上させる等の効果が期待できる。
ここで、前記平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカにおける、球状とは、球状であればよく、真球のものに限定されるものではない。好適な(C)球状シリカとして例えば以下のように測定される真球度が、0.8以上のものが挙げられる。真球度は以下のように測定される。SEMで写真を撮り、その観察される粒子の面積と周囲長から、(真球度)={4π×(面積)÷(周囲長)}で算出される値として算出する。具体的には画像処理装置を用いて100個の粒子について測定した平均値を採用する。
前記平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカ粒子の製造方法は、特に限定されるものでなく当業者に知られた方法を適用することができる。例えば、VMC(Vaperized Metal Combustion)法により、シリコン粉末を燃焼して製造することができる。VMC法とは、酸素を含む雰囲気中でバーナーにより化学炎を形成し、この化学炎中に目的とする酸化物粒子の一部を構成する金属粉末を粉塵雲が形成される程度の量投入し、爆燃を起こさせて酸化物粒子を得る方法である。
前記平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカ粒子の市販品としては、例えば、アドマテックス社製SO−C2、SO−E2、SO−25HV、SO−C3、SO−E3、デンカ社製SFP−30M、SFP−130MC等が挙げられる。
(C)球状シリカは、表面処理された状態で本発明の光硬化性樹脂組成物に配合されていればよく、表面未処理の球状シリカと表面処理剤とを別々に配合して組成物中で球状シリカが表面処理されてもよいが、予め表面処理した球状シリカを配合することが好ましい。予め表面処理した球状シリカを配合することによって、別々に配合した場合に残存しうる表面処理で消費されなかった表面処理剤によるクラック耐性等の低下を防ぐことができる。予め表面処理する場合は、溶剤に(C)球状シリカを予備分散した予備分散液を配合することが好ましく、(C)球状シリカを溶剤に予備分散し、該予備分散液を組成物に配合するか、表面未処理の球状シリカを溶剤に予備分散する際に十分に表面処理した後、該予備分散液を組成物に配合することがより好ましい。
(C)球状シリカは1種を単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。(C)球状シリカの配合量は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10〜150質量部の範囲が好ましく、50部〜130部の範囲がさらに好ましい。10〜150質量部の範囲の場合、球状シリカによる光散乱が抑えられ良好な開口形状が得られる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で(C)球状シリカ以外の他の無機フィラーを併用してもよい。他の無機フィラーとしては、例えば、(C)球状シリカ以外のシリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華等が挙げられる。
((D)ブロック共重合体)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(D)ブロック共重合体を含むことが好ましい。ブロック共重合体とは、一般的に性質の異なる二種類以上のポリマー単位が、共有結合で繋がり長い連鎖になった分子構造の共重合体を意味する。
(D)ブロック共重合体は、Y−X−Y型あるいはY−X−Y’型ブロック共重合体であることが好ましい。Y−X−Y型あるいはY−X−Y’型ブロック共重合体は、YないしY’がガラス転移点Tgが0℃以上、好ましくは50℃以上のポリマー単位であり、Xはガラス転移点Tgが0℃未満、好ましくは−20℃以下のポリマー単位であるブロック共重合体であることが好ましく、更に20〜30℃で固体であるものであることが好ましい。
このように、両端のブロックがマトリックスに相溶であり、中央のブロックがマトリックスに不相溶であるブロック共重合体とすることで、マトリックス中において特異的な構造を示しやすくなると考えられる。
ポリマー単位YないしY’としてはポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)等が好ましく、ポリマー単位Xとしてはポリn−ブチルアクリレート(PBA)、ポリブタジエン(PB)等が好ましい。また、ポリマー単位YないしY’の一部にスチレンユニット、水酸基含有ユニット、カルボキシル基含有ユニット、エポキシ含有ユニット、N置換アクリルアミドユニット等に代表される前述に記載した(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と相溶性に優れた親水性ユニットを導入すると、更に相溶性を向上させることが可能となる。このようにして得られたブロック共重合体は(A)カルボキシル基含有感光性樹脂との相溶性が特に良好となる結果が得られ、また、TCT耐性がより向上するため好ましく用いることができる。
ブロック共重合体の製造方法としては、例えば、特願2005−515281号、特願2007−516326号に記載の方法が挙げられる。
具体的には、YないしY’がポリスチレン、ポリグリシジルメタアクリレート、もしくはN置換ポリアクリルアミド、ポリメチル(メタ)アクリレートまたはそのカルボン酸変性物もしくは親水基変性物であり、Xがポリn−ブチル(メタ)アクリレートまたはポリブタジエン等であることが好ましい。
(D)ブロック共重合体の市販品としては、アルケマ社製のリビング重合を用いて製造されるアクリル系トリブロックコポリマーが挙げられる。具体例としては、ポリメチルメタアクリレート−ポリブチルアクリレート−ポリメチルメタアクリレートに代表されるMAMタイプ(例えば、M51、M52、M53、M22等)、カルボン酸変性されたMAM Aタイプ(例えばSM4032XM10等)や、親水基変性処理されたMAM Nタイプ(例えば52N、22N等)が挙げられる。
これにより、光硬化性樹脂組成物の硬化物に強靭性、可撓性および柔軟性が付与され、反りの発生が防止される。
また、(D)ブロック共重合体の質量平均分子量(Mw)が20,000〜400,000であり、30,000〜300,000の範囲にあるものが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることが好ましい。
質量平均分子量が20,000以上の場合、強靭性、柔軟性の効果が得られ、タック性も良好となる。一方、質量平均分子量が400,000以下の場合、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、印刷性、現像性が良好となる。
(D)ブロック共重合体の配合量は、固形分換算で前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、1〜50質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜35質量部である。1質量部以上の場合に良好な効果が期待でき、50質量部以下の場合、光硬化性樹脂組成物として現像性や塗布性が良好となる。
(光重合性化合物)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、公知慣用の光重合性化合物(光反応性モノマー・オリゴマー(光重合性樹脂溶液))を含んでもよい。光重合性化合物は、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。光重合性化合物は、活性エネルギー線照射によるアルカリ可溶性樹脂の光硬化を助けるものである。
前記光重合性化合物としては、例えば、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げることができる。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート等のアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物等の多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物等の多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの多価アクリレート類;前記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオール等のポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および前記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか一種等が挙げられる。
中でも芳香環を有する光重合性モノマーを用いることにより、反りの低下の面から好ましい。
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物等を光反応性モノマーとして用いてもよい。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、光硬化性を向上させることができる。
光重合性化合物の配合量は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部の割合である。配合量が、0.5質量部以上の場合、光硬化性が良好であり、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像において、パターン形成がしやすい。一方、20質量部以下の場合、ハレーションが生じにくく良好な解像性が得られる。
(熱硬化性成分)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、熱硬化性成分を含有することができる。光硬化後の樹脂組成物を更に熱硬化することにより、硬化物の耐熱性、絶縁信頼性等の特性を向上させることができる。
熱硬化性成分としては、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂等の公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。中でも、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有する公知慣用の多官能エポキシ樹脂が使用できる。エポキシ樹脂は、液状であってもよく、固形または半固形であってもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、三菱化学社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL903、DIC社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等のブロム化エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER152、jER154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、NC−3000、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299、新日鐵化学社製のYDCN−700−2、YDCN−700−3、YDCN−700−5,YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704 YDCN−704A、DIC社製のエピクロンN−680、N−690、N−695等のノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製のエピクロン830、三菱化学社製jER807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER604、東都化成社製のエポトートYH−434、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021等の脂環式エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、ADEKA社製EPX−30、DIC社製のEXA−1514等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER157S等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL−931等のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業社製のTEPIC等の複素環式エポキシ樹脂;日油社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鐵化学社製ESN−190、ESN−360、DIC社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日油社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
熱硬化性成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。熱硬化性成分の配合量は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が有するカルボキシル基1molあたり、反応する熱硬化成分の官能基数が0.5〜2.5molが好ましく、さらに好ましくは0.8〜2.0molである。
(有機溶剤)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、有機溶剤を含有することができる。有機溶剤は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の合成、各成分の混合、および得られた光硬化性樹脂組成物を基板やキャリアフィルムに塗布する際の、粘度調整のために使用できる。
有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤等が挙げることができる。
より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(その他の添加剤)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、着色剤、バインダーポリマー、エラストマー、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、防錆剤等の電子材料の分野において公知慣用の添加剤を含有してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ドライフィルム化して用いても液状として用いても良い。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよい。
ドライフィルム化に際しては、本発明の硬化性樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、5〜150μm、好ましくは10〜60μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルム上に本発明の樹脂組成物を成膜した後、さらに、膜の表面への塵の付着防止等の目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。
剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができる。カバーフィルムの剥離を考慮して、膜とキャリアフィルムとの接着力よりも、膜とカバーフィルムとの接着力が小さくなるようにする。
本発明の樹脂組成物は、例えば有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったドライフィルムの場合、ラミネーター等により光硬化性樹脂組成物層が基材と接触するように基材上に張り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂絶縁層を形成できる。
基材としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネートエステル等を用いた高周波回路用銅張積層版等の材質を用いたもので全てのグレード(FR−4等)の銅張積層版、その他ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
本発明では、光硬化性樹脂組成物またはドライフィルムの溶剤を揮発乾燥させ、これにより得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行うことにより、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。
例えば、乾燥後の光硬化性樹脂組成物またはドライフィルムに対し、パターンを形成したフォトマスクを通して、接触式または非接触方式により活性エネルギー線による露光を行うことができる。このほか、光硬化性樹脂組成物またはドライフィルムに対して、レーザーダイレクト露光機により直接パターン露光することにより、露光部分を光硬化させることができる。
上記いずれの方法においても、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3wt%炭酸ソーダ水溶液)により現像して、レジストパターンを形成することができる。
活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよい。
さらに、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のレーザー光源としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光を用いていればガスレーザー、固体レーザーどちらでもよい。
画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10〜1000mJ/cm、好ましくは20〜800mJ/cmの範囲内とすることができる。
前記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
更に、本発明の光硬化性樹脂組成物が熱硬化性成分を含む場合には、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂のカルボキシル基と、熱硬化性成分が反応し、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性等の諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、プリント配線板上に硬化皮膜を形成するために好適に使用され、より好適には、永久被膜を形成するために使用され、さらに好適には、ソルダーレジスト、層間絶縁層、カバーレイを形成するために使用される。また、本発明の硬化性樹脂組成物によれば、クラック耐性に優れた硬化物を得ることができることから、クラック発生による不良の影響が大きいファインピッチの配線パターンを備えるプリント配線板、例えばパッケージ基板に用いられるソルダーレジスト等の永久塗膜の形成に好適に用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
((A)カルボキシル基含有感光性樹脂の合成(A−1))
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置、および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和電工社製、ショーノールCRG951、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cmで16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2g/eq.であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りアルキレンオキシドが平均1.08モル付加しているものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のアルキレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(カルビトールアセテート)118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。
次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、冷却後、固形物の酸価88mgKOH/g、固形分70.9%のカルボキシル基含有感光性樹脂溶液A−1を得た。
(カルボキシル基含有感光性樹脂の合成(RA−1))
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、EOCN−104S、エポキシ当量220g/eq)220部(1当量)、カルビトールアセテート140.1部、およびソルベントナフサ60.3部をフラスコに仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。得られた溶液を一旦60℃まで冷却し、アクリル酸72部(1モル)、メチルハイドロキノン0.5部、トリフェニルホスフィン2部を加え、100℃に加熱し、約12時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応物を得た。これにテトラヒドロ無水フタル酸80.6部(0.53モル)を加え、90℃に加熱し、約6時間反応させ、固形分の酸価85mgKOH/g、固形分64.9%のカルボキシル基含有感光性樹脂溶液RA−1を得た。
((C)球状シリカの調整(C−1))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBE−502を2.0gを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−1を得た。
((C)球状シリカの調整(C−2))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−503を2.0gを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−2を得た。
((C)球状シリカの調整(C−3))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、アクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−5103を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−3を得た。
((C)球状シリカの調整(C−4))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−5803を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−4を得た。
((C)球状シリカの調整(C−5))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−503を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−5を得た。
((C)球状シリカの調整(C−6))
球状シリカ(アドマテックス社SO−E3、平均粒径d50=1.0μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−503を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−6を得た。
((C)球状シリカの調整(C−7))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、エポキシ基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−403を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−7を得た。
((C)球状シリカの調整(C−8))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、メルカプト基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−803を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−8を得た。
((C)球状シリカの調整(C−9))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、イソシアネート基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−9007を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品C−9を得た。
(球状シリカの調整(RC−1))
球状シリカ(アドマテックス社製SO−E6、平均粒径d50=2.0μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−503を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品RC−1を得た。
(球状シリカの調整(RC−2))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、反応性を持たない分散剤としてlubrizol社製Solsperse27000を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品RC−2を得た。
(球状シリカの調整(RC−3))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、アミノ基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−603を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品RC−3を得た。
(球状シリカの調整(RC−4))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、スルフィド基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−846を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品RC−4を得た。
(球状シリカの調整(RC−5))
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−30M、平均粒径d50=0.7μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、アルキル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−3033を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品RC−5を得た。
(不定形シリカの調整(RC−6))
不定形シリカ(龍森社製FUSELEX WX、平均粒径d50=1.5μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−503を2.0gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品RC−6を得た。
(カオリンクレーの調整(RC−7))
カオリンクレー(IMERYS社製Hydrite 121−S、平均粒径d50=1.5μm)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤として信越シリコーン社製KBM−503を2.0gとを均一分散させて、カオリンクレー溶剤分散品RC−7を得た。
(ブロック共重合体の調整(D−1)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(CA)75gに、Y−X−Y型ブロック共重合体(アルケマ社製M22N)を25gを加え、攪拌し、80℃にて加熱することにより溶解させた。これをワニスD−1とする。
(ブロック共重合体の調整(D−2)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(CA)75gに、Y−X−Y型ブロック共重合体(アルケマ社製M53)を25gを加え、攪拌し、80℃にて加熱することにより溶解させた。これをワニスD−2とする。
[実施例1〜6、10、11、参考例1〜3、比較例1〜8]
下記の表1、2中に示す配合に従い、各成分を配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで分散させ、混練して、それぞれ光硬化性樹脂組成物を調製した。表中の配合量は、質量部を示す。調整した実施例、参考例および比較例の光硬化性樹脂組成物を用いて下記のように評価を行った。
<ドライフィルムの作製>
実施例1〜6、10、11、参考例1〜3、及び比較例1〜8の樹脂組成物をそれぞれメチルエチルケトンで適宜希釈した後、アプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が20μmになるようにPETフィルム(東レ社製、FB−50:16μm)に塗布し、80℃で30分乾燥させドライフィルムを得た。ドライフィルムは、以下のプリント配線板上への積層用以外に、ドライフィルム単体の試験用にも準備した。
<光硬化性樹脂組成物の硬化物の断面形状の観察>
実施例1および比較例3の光硬化性樹脂組成物を、上記方法にてドライフィルムを作製後、厚さ16μmの銅箔に真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、未露光のソルダーレジスト層(ドライフィルム)を有する銅箔を得た。この銅箔に、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、全面露光し、PETフィルムの剥離をした。その後30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧2kg/cmの条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た。この基板を、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、150℃で60分加熱して硬化した。この硬化塗膜を銅箔から剥がし、塗膜を折り曲げた破断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した。
実施例1および比較例3の光硬化性樹脂組成物から得られた硬化物の断面写真図をそれぞれ図1および図2に示す。図1、図2から実施例1の光硬化性樹脂組成物から得られた硬化物に含まれるシリカの周囲には界面がなくなることがわかる。
<感度>
銅張積層版を化学研磨した後、上記ドライフィルムを真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、未露光のソルダーレジスト層(ドライフィルム)を有するプリント配線板を得た。この基板に41段ステップタブレットを用い、基準露光量で露光し、現像後の残存段数が8段となる露光量を以下の基準で評価した。
○:露光量300mJ/cm未満で8段残存
△:露光量300〜500mJ/cmで8段残存
×:露光量500mJ/cm超で8段残存
<解像性>
回路形成された基板に化学研磨した後、上記ドライフィルムを真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、未露光のソルダーレジスト層(ドライフィルム)を有するプリント配線板を得た。この基板に、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、90μmの開口を有するネガマスクで露光し、PETフィルムの剥離をした。その後30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧2kg/cmの条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た。この基板を、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、150℃で60分加熱して硬化した。得られたマスクデザイン開口径90μmの開口部をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察し、以下の基準にて評価した。
○:開口底部のBottm径がTop径に対し70%以上のサイズで開口している。
×:開口底部のBottm径がTop径に対し70%未満のサイズで開口または開口が得られない。
<HAST耐性>
くし型電極(ライン/スペース=15ミクロン/15ミクロン)が形成されたプリント配線板を化学研磨した後、上記ドライフィルムを真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、未露光のソルダーレジスト層(ドライフィルム)を有するプリント配線板を得た。この基板に、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、2mm□の開口を有するネガマスクで露光し、PETフィルムの剥離をした。その後30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧2kg/cmの条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た。この基板を、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、150℃で60分加熱して硬化した。基板作製後、130℃、湿度85%の雰囲気下の高温高湿槽に入れ、電圧5.5Vを印加し、200時間、槽内HAST試験を行った。200時間経過時の槽内絶縁抵抗値を測定し、HAST耐性を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:10〜10Ω
×:10Ω未満あるいはショート発生
<クラック耐性>
銅張積層板を化学研磨した後、上記ドライフィルムを真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、未露光のソルダーレジスト層(ドライフィルム)を有するプリント配線板を得た。この基板に、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、2mm□の開口を有するネガマスクで露光し、PETフィルムの剥離をした。その後30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧2kg/cmの条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た。この基板を、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、150℃で60分加熱して硬化した。作製した配線板に、−65℃で30分間、150℃で30分間を1サイクルとして熱履歴を加え、1000サイクル経過後、光学顕微鏡観察で開口部(2mm角)のクラック発生の有無を確認し、以下の基準で評価した。
◎:クラック発生率10%未満
○:クラック発生率10%以上30%未満
△:クラック発生率30%以上50%未満
×:クラック発生率50%以上
<HAST後の密着性>
厚さ35μmの銅箔を化学研磨した後、上記ドライフィルムを真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、未露光のソルダーレジスト層(ドライフィルム)を有するプリント配線板を得た。この銅箔に、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、全面露光し、PETフィルムの剥離をした。その後30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧2kg/cmの条件で60秒間現像を行い、レジスト塗膜を得た。この基板を、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、150℃で60分加熱して硬化した。この銅箔を130℃、湿度85%の雰囲気下の高温高湿槽に200時間処理した。処理後ソルダーレジスト面とFR−4基材を接着剤(ニチバン社製AR-S30)で接着した。接着後、引っ張り試験器(島津製作所社製AGS−G 100N)を用い、1cm幅で銅箔を引きはがすことにより、以下の基準でHAST後の密着力を評価した。
◎:HAST耐性試験後の密着力が試験前と比較し、90%以上の密着力
○:HAST耐性試験後の密着力が試験前と比較し、90%未満80%以上の密着力
△:HAST耐性試験後の密着力が試験前と比較し、80%未満50%以上の密着力
×:HAST耐性試験後の密着力が試験前と比較し、50%未満の密着力
* シリカ、カオリングレーは何れも固形分の値
* シリカ、カオリンクレーは何れも固形分の値
A−1:上記で得たカルボキシル基含有感光性樹脂(ポリフェノール樹脂変性樹脂)ワニスA−1(固形分70.9%)
RA−1:上記で得たカルボキシル基含有感光性樹脂(エポキシ樹脂変性樹脂)ワニスRA−1(固形分64.9%)
B−1:BASFジャパン社製イルガキュアTPO
B−2:BASFジャパン社製イルガキュアOXE02
C−1:上記で得たメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−1(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
C−2:上記で得たメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−2(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
C−3:上記で得たアクリル基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−3(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
C−4:上記で得たメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−4(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
C−5:上記で得たメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−5(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.5μm)
C−6:上記で得たメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−6(固形分70%、球状シリカの平均粒径1.0μm)
C−7:上記で得たエポキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−7(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
C−8:上記で得たメルカプト基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−8(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
C−9:上記で得たイソシアネート基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品C−9(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
RC−1:上記で得たメタクリル基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品RC−1(固形分70%、球状シリカの平均粒径2.0μm)
RC−2:上記で得た表面未処理の球状シリカ溶剤分散品RC−2(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
RC−3:上記で得たアミノ基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品RC−3(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
RC−4:上記で得たスルフィド基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品RC−4(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
RC−5:上記で得たアルキル基を有するシランカップリング剤で表面処理した球状シリカ溶剤分散品RC−5(固形分70%、球状シリカの平均粒径0.7μm)
RC−6:上記で得たメタクリル基を有する不定形シリカ溶剤分散品RC−6(固形分70%、不定形シリカの平均粒径1.5μm)
RC−7:上記で得たメタクリル基を有するカオリン溶剤分散品RC−7(固形分70%、平均粒径1.5μm)
*1:青色着色剤
*2:黄色着色剤
*3:メラミン
*4:三菱化学社製YX−4000
*5:DIC社製のエピクロンN−770
*6:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
*7:上記で得たブロック共重合体ワニスD−1(固形分25%)
*8:上記で得たブロック共重合体ワニスD−2(固形分25%)
上記表中に示す結果から、本発明の光硬化性樹脂組成物はサブミクロンサイズのシリカフィラーを含有するにもかかわらず、解像性に優れ、TCT耐性およびHAST耐性試験後の密着性に優れた硬化物が得られることがわかる。また、実施例1と比較例1との比較から、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂を配合することによって、HAST耐性だけでなく、HAST耐性試験後の密着性が向上することがわかる。平均粒径が大きい球状シリカを用いた比較例2の光硬化性樹脂組成物は解像性に劣ることがわかる。球状シリカを表面処理していない比較例3、および、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と反応する官能基を有しない表面処理剤で処理した比較例4〜6の光硬化性樹脂組成物の硬化物は、TCT耐性およびHAST耐性試験後の密着性に劣るものであった。表面未処理の平均粒径が大きい不定形シリカを用いた比較例7およびカオリンを用いた比較例8は、解像性に劣り、また、硬化物はTCT耐性およびHAST耐性試験後の密着性に劣るものであった。

Claims (7)

  1. (A)ポリフェノール化合物をアルキレンオキシド変性して得られたポリアルコール樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を反応させることにより得られるカルボキシル基含有感光性樹脂と、
    (B)光重合開始剤と、
    (C)前記(A)成分と反応する官能基を持つ表面処理剤で、表面処理された平均粒径0.4〜1.0μmの球状シリカとを含有し、
    前記(C)成分における前記(A)成分と反応する官能基を持つ表面処理剤が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランカップリング剤であることを特徴とするアルカリ水溶液により現像可能な光硬化性樹脂組成物。
  2. さらに、(D)ブロック共重合体を含有することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(D)ブロック共重合体が、Y−X−YまたはY−X−Y’型ブロック共重合体(Y、Y’およびXは相互に異なるポリマー単位である)であることを特徴とする請求項記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物を、フィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物を、硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  6. 請求項に記載のドライフィルムの樹脂層を、硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  7. 請求項またはに記載の硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
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