JP6091858B2 - シート装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の課題は、乗員が着座したとしても、表皮固定部材が動作してしまうことを防止し、表皮固定部材の取付性を高めることである。
シートバックフレームと、
前記シートバックフレームの下部の左右にそれぞれ配置された左右のクッションサイドフレームと、
前記左右のクッションサイドフレームに取り付けられたクッションパッドの表面を覆う表皮を固定するため、前記クッションサイドフレームから下方に延在し、なおかつ前後方向にも延在する表皮取付部材と、
前記表皮を前記表皮取付部材に固定するための表皮固定部材と、
前記左右のクッションサイドフレームを前後方向に案内するための左右のガイドレールと、を備え、
前記表皮固定部材は、
前記表皮取付部材に係合する係合部と、
前記係合部に一体的に形成され、なおかつ前後方向に延在する固定本体部と、を備え、
前記クッションサイドフレームは、前記係合部を中心とした前記表皮固定部材の回転を規制する回転規制部材を有し、
当該回転規制部材は、
前記クッションサイドフレーム及び前記表皮取付部材間に架け渡され、前記表皮固定部材の前記固定本体部に側方から当接する補強部材であり、
前記左右のガイドレールの幅方向における外側であって、かつ前記クッションサイドフレームの前端部に配置されており、
前記クッションサイドフレームの前側に取り付く前記表皮が前記回転規制部材に固定されていることを特徴としている。
前記クッションサイドフレームと前記表皮取付部材との上下方向の間隔が最も広い位置に前記回転規制部材が配置されていることを特徴としている。
前記回転規制部材に前記表皮を固定するための第二表皮固定部材をさらに備え、
前記回転規制部材の中央には屈曲部が設けられていて、
前記第二表皮固定部材は前記屈曲部に対応して屈曲していることを特徴としている。
前記屈曲部は、外側に向けて凸となるように形成されていて、
前記第二表皮固定部材における前記屈曲部に対応する部分には切欠が設けられていることを特徴としている。
前記左右のガイドレールによってスライド自在に支持され、かつ前記左右のクッションサイドフレームをそれぞれ支持する左右の支持フレームと、
前記左右のクッションサイドフレームを前記左右の支持フレームに対して昇降させるため、一端部が前記クッションサイドフレームの内側に回転自在に取り付けられ、他端部が前記支持フレームの外側に回転自在に取り付けられたリンク部材とを備え、
前記回転規制部材は、前記リンク部材の他端部側の回転軸を避けた位置に配置されていることを特徴としている。
また、回転規制部材が、クッションサイドフレーム及び表皮取付部材間に架け渡されているので、回転規制部材が表皮取付部材を補強することになり、表皮取付部材の強度を高めることができる。
また、左右のガイドレールの幅方向における外側であって、かつクッションサイドフレームの前端部に配置された回転規制部材に対して、クッションサイドフレームの前側に取り付く表皮が固定されているので、当該表皮がガイドレールから離れることになり、表皮とガイドレールとの干渉を抑制することができる。
以下の説明において、特に断りのない限り、「内側」とは一対のクッションサイドフレーム3の間に挟まれた空間側を示し、「外側」とは一対のクッションサイドフレーム3よりも外の空間側を示す。
サイドフレーム22は、金属板から形成されていて、その前縁部及び後縁部には上下方向に沿うフランジ221が形成されている。サイドフレーム22の下端部は、リクライニング機構4を介して右のクッションサイドフレーム3に連結されている。
ヒンジ部23は、左のクッションサイドフレーム3の後端部に回転自在に支持されている。
サイドワイヤ24は、金属製の棒部材から形成されていて、サイドフレーム22の前側の外形に沿うようにシートバック本体部21の左側部及びヒンジ部23に架け渡されている。
ここで、サイドフレーム22に対してサイドワイヤ24は剛性が弱いために、シートバックフレーム2自体の剛性も左右で異なることになる。
また、水平ワイヤ部53の前端部からクッションサイドフレーム3の前側下部にかけては、金属製の棒材からなる補強部材60が架け渡されている。ここで、クッションサイドフレーム3における上記の三本目の連結部材9が連結された部分から前端部にかけては、その下端部が前方に向かって徐々に上昇するような形状になっている。このため、クッションサイドフレーム3と、トリムワイヤ50との上下方向の間隔は、クッションサイドフレーム3の前端部で最も広くなっている。この前記間隔が最も広い位置に、補強部材60が配置されている。
補強部材60には、水平ワイヤ部53の前端部に重なる第一重畳部61と、クッションサイドフレーム3の前側下部に重なる第二重畳部62と、第一重畳部61の後端から第二重畳部62の前端まで上下方向に沿って連続する補強本体部63とが備えられている。補強本体部63の中央には、外側に向かって凸となる屈曲部68が設けられている(図2参照)。
図2に示すように、クッションパッド55は、一対のクッションサイドフレーム3の間に配置されるだけでなく、クッションサイドフレーム3の上面及び外側面も覆うようになっている。そして、クッションパッド55の表面には表皮56が貼り付けられている。この表皮56の端部はクッションパッド55からはみ出ていて、その下端部にトリムコード64が取り付けられている。すなわち、トリムコード64は、表皮56をトリムワイヤ50に固定するための本発明に係る表皮固定部材である。このように、トリムコード64を介して表皮56がトリムワイヤ50に取り付けられるので、トリムワイヤ50が本発明に係る表皮取付部材である。
固定本体部66は前後方向に延在する略板状部材であり、その内側の側面が逃げ部544に当接している。図2では、逃げ部54の頂点位置を点線T1で示しており、逃げ部54の外側の側面と固定本体部66の内側の側面とが当接した状態を示している。
また、図3に示すように固定本体部66の内側には、係合部65が上方に向けて延出している。係合部65の下端部は固定本体部66の内面から下方に凸となる湾曲形状となっている。この係合部65と固定本体部66との間に水平ワイヤ部53が収容され、係止される。係合部65の内側には、図示しない爪部が設けられていて、この爪部が水平ワイヤ部53に引っかかることで、水平ワイヤ部53を係止している。ここで、係合部65における逃げ部54に対向する部分には、逃げ部54との接触を防止する切欠67が形成されている。このように、トリムコード64は、複数の逃げ部54に対して1つ設けられている。
図4及び図5に示すように、トリムワイヤ50及び補強部材60は、幅方向におけるガイドレール6の外側に配置されている。そして、補強部材60の補強本体部63には、クッションサイドフレーム3の前側に取り付く表皮56が第二トリムコード90を介して固定されている。具体的に説明すると、図6に示すように、クッションサイドフレーム3の前端部の下方においては、表皮56がクッションパッド55の側面及び前面を覆っている。そして、表皮56の先端部は、クッションパッド55の前面から内側に向けて延出している。その表皮56の先端部に、本発明に係る第二表皮固定部材としての第二トリムコード90が取り付けられており、この第二トリムコード90を補強部材60に取り付けることで、表皮56がトリムワイヤ50の前側ワイヤ部51及びクッションパッド55の前側内面を覆うこととなる。このとき、前述したように補強部材60の屈曲部68が外側に向かって凸となっているので、表皮56がガイドレール6から離間することになり、表皮56とガイドレール6との干渉が防止されることになる。
昇降機構7は、左右一対の後部リンク部材71と、左右一対の前部リンク部材72とを備えている。左の後部リンク部材71及び前部リンク部材72は左のクッションサイドフレーム3の内側に連結されていて、右の後部リンク部材71及び前部リンク部材72は右のクッションサイドフレーム3の内側に連結されている。
つまり、後部リンク部材71、前部リンク部材72、支持フレーム5及びクッションサイドフレーム3によって1つのリンク機構が形成されている。また、右のクッションサイドフレーム3と左のクッションサイドフレーム3とは、三本の連結部材9によって一体化されていて、なおかつ左右の後部リンク部材71は第二後部回転軸713によって連結され、左右の前部リンク部材72はパイプ部材73で連結されているため、左右のリンク機構は同じ動作をすることになる。
そして、クッションサイドフレーム3が最下降状態である場合に、後部リンク部材71が起立するように作動伝達部材8が操作されると、後部リンク部材71が第一後部回転軸711を中心に回転して起立するとともに、前部リンク部材72も第一前部回転軸721を中心に回転して起立する。この回転によって、後部リンク部材71の規制部712が支持フレーム5に当接するとそれ以上の上昇が規制される(図8参照)。
そして、クッションサイドフレーム3が最上昇状態である場合に、後部リンク部材71が傾倒するように作動伝達部材8が操作されると、後部リンク部材71が第一後部回転軸711を中心に回転して傾倒するとともに、前部リンク部材72も第一前部回転軸721を中心に回転して傾倒する。この回転によって、後部リンク部材71の当接縁714及び前部リンク部材72の当接縁723が支持フレーム5に当接するとそれ以上の下降が規制される(図7参照)。
ここで、上昇時或いは下降時においてクッションサイドフレーム3は、第二後部回転軸713及び第二前部回転軸722を中心に回転していて常に水平状態を維持している。
クッションサイドフレーム3には、前方の連結部材9の後方から、後方の連結部材9の前方に掛けて内側に凹んだ補強凹部38が形成されている。この補強凹部38によってクッションサイドフレーム3の剛性が確保されている。補強凹部38内には、中央の連結部材9が配置されている。また、補強凹部38内であって連結部材9の後方斜め下には、第二前部回転軸722が取り付けられている。
クッションサイドフレーム3の後部である補強凹部38の後部内であって、リクライニング機構4よりも前方には作動伝達部材8が配置されている。具体的に説明すると、補強凹部38の後部には、作動伝達部材8を収容する凹部10が設けられている。この凹部10をなす段差部11は、作動伝達部材8の全周を囲っている。図10及び図11に示すように凹部10の外側に、ブラケット用固定部31,32が配置されているが、これらブラケット用固定部31,32のうち、前方のブラケット用固定部31は、上下方向で凹部10に重なる位置に配置されている。また、凹部10をなす段差部11のうち、前側部分11aは、第二前部回転軸722よりも後方に配置され、なおかつくびれ部37に対向配置されている。
また、作動伝達部材8には周方向に所定の間隔を空けて設けられたブレーキ用固定部82,83が前後に一対ずつ備えられている。このブレーキ用固定部82,83がクッションサイドフレーム3に固定されている。
また、凹部10内には、作動伝達部材8の後方に形成され、当該作動伝達部材8の取付位置とは段差が異なる第二段差部12が設けられている。第二段差部12の方が作動伝達部材8の取付位置よりも外側となっている。この第二段差部12に第二後部回転軸713が取り付けられている。そして、凹部10の後方には、クッションサイドフレーム3の後端部に配置される連結部材9が取り付けられている。つまり、内側から順に、作動伝達部材8、第二後部回転軸713、後方の連結部材9、ブラケット用固定部31,32が配置されている。これらが異なる垂直面上に配置されるように段差(段差11,12、突出部33,34,35)が形成されている。
また、ブラケット41の下端部43は後方の連結部材9に対向することになるが、当該下端部43が上方に向けて凸となる湾曲した形状となっているために、後方の連結部材9を避けることとなる。
図13に示すように、凹部10には、作動伝達部材8のピニオンギアをより一層内側に配置するためのピニオンギア用凹部14が形成されている。ピニオンギア用凹部14は、凹部10よりもより内側に凹んでいる。そしてピニオンギア用凹部14における後部には、ピニオンギアと、後部リンク部材71のギア部715とを係合させるためのスリット15が上下方向に沿って形成されている。
また、図13及び図14に示すように、凹部10には、クッションサイドフレーム3が下降して第一後部回転軸711が近接した際に、当該第一後部回転軸711との接触を避けるように形成された回転軸用凹部16が設けられている。この回転軸用凹部16は、図13に示すように内側から見ると凹部10をなす段差部11が当該凹部10の中心に向けて窪んでいる。他方、図14に示すように外側から見ると凹部10をなす段差部11が当該凹部10の中心に向けて突出している。
また、一対のガイドレール6の幅方向における外側であって、かつクッションサイドフレーム3の前端部に配置された補強部材60に対して、クッションサイドフレーム3の前側に取り付く表皮56が固定されているので、当該表皮56がガイドレール6から離れることになり、表皮56とガイドレール6との干渉を抑制することができる。
また、クッションサイドフレーム3とトリムワイヤ50との上下方向の間隔が最も広い位置に補強部材60が配置されているので、前記間隔内に表皮56が入り込んでガイドレール6に干渉してしまう可能性が最も高い位置に補強部材60が配置されることになる。そして、スライド時においては、補強部材60が表皮56をガイドレール6から離間させるため、表皮56とガイドレール6との干渉を防止することができる。
また、補強部材60の屈曲部68が外側に向けて凸となっているので、表皮56とガイドレール6との距離を大きく取ることができ、両者の干渉をより確実に防止することができる。また、第二トリムコード90における屈曲部68に対応する部分には切欠94が設けられているので、切欠94によって屈曲部68が露出することになる。つまり、屈曲部68に対して第二トリムコード90を係合させなくてもよく、屈曲部68に対して係止部92全体を係合させる形状よりも第二トリムコード90を簡素化することができる。そして、屈曲部68に対して係止部92全体を係合させる形状の場合、第二トリムコード90に屈曲部68に対応して屈曲する部分が存在することになるが、その屈曲する部分には係合中に応力が集中するおそれがある。応力が集中するとその部分が補強部材60から脱落する可能性も高い。しかしながら、前記切欠94が設けられていると、応力集中が緩和されて第二トリムコード90の安定性を向上させることができる。
例えば、上記実施形態では、一対のクッションサイドフレーム3のうち、一方のクッションサイドフレーム3にのみトリムワイヤ50が設けられている場合を例示したが、両方のクッションサイドフレーム3にトリムワイヤ50が設けられていてもよい。
2 シートバックフレーム
3 クッションサイドフレーム
4 リクライニング機構
5 支持フレーム
6 ガイドレール
7 昇降機構
8 作動伝達部材
9 連結部材
10 凹部
11 段差部
11a 前側部分
12 第二段差部
13 ビード
16 回転軸用凹部
17 支持ワイヤ
31,32 ブラケット用固定部
33,34,35 突出部
36 後側上端部
37 くびれ部
38 補強凹部
39 フランジ
41 ブラケット
43 下端部
44 段差部
50 トリムワイヤ(表皮取付部材)
51 前側ワイヤ部
52 後側ワイヤ部
53 水平ワイヤ部
54 逃げ部
55 クッションパッド
56 表皮
60 補強部材(回転規制部材)
64 トリムコード(表皮固定部材)
65 係合部
66 固定本体部
67 切欠
71 後部リンク部材(後方のリンク部材)
72 前部リンク部材(前方のリンク部材)
73 パイプ部材
81 回転軸
82,83 ブレーキ用固定部
90 第二トリムコード(第二表皮固定部材)
91 本体部
92 係止部
93 爪部
94 切欠
174,175 取付部
711 第一後部回転軸
713 第二後部回転軸
721 第一前部回転軸
722 第二前部回転軸
L 線
Claims (5)
- シートバックフレームと、
前記シートバックフレームの下部の左右にそれぞれ配置された左右のクッションサイドフレームと、
前記左右のクッションサイドフレームに取り付けられたクッションパッドの表面を覆う表皮を固定するため、前記クッションサイドフレームから下方に延在し、なおかつ前後方向にも延在する表皮取付部材と、
前記表皮を前記表皮取付部材に固定するための表皮固定部材と、
前記左右のクッションサイドフレームを前後方向に案内するための左右のガイドレールと、を備え、
前記表皮固定部材は、
前記表皮取付部材に係合する係合部と、
前記係合部に一体的に形成され、なおかつ前後方向に延在する固定本体部と、を備え、
前記クッションサイドフレームは、前記係合部を中心とした前記表皮固定部材の回転を規制する回転規制部材を有し、
当該回転規制部材は、
前記クッションサイドフレーム及び前記表皮取付部材間に架け渡され、前記表皮固定部材の前記固定本体部に側方から当接する補強部材であり、
前記左右のガイドレールの幅方向における外側であって、かつ前記クッションサイドフレームの前端部に配置されており、
前記クッションサイドフレームの前側に取り付く前記表皮が前記回転規制部材に固定されていることを特徴とするシート装置。 - 請求項1記載のシート装置において、
前記クッションサイドフレームと前記表皮取付部材との上下方向の間隔が最も広い位置に前記回転規制部材が配置されていることを特徴とするシート装置。 - 請求項1又は2記載のシート装置において、
前記回転規制部材に前記表皮を固定するための第二表皮固定部材をさらに備え、
前記回転規制部材の中央には屈曲部が設けられていて、
前記第二表皮固定部材は前記屈曲部に対応して屈曲していることを特徴とするシート装置。 - 請求項3記載のシート装置において、
前記屈曲部は、外側に向けて凸となるように形成されていて、
前記第二表皮固定部材における前記屈曲部に対応する部分には切欠が設けられていることを特徴とするシート装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシート装置において、
前記左右のガイドレールによってスライド自在に支持され、かつ前記左右のクッションサイドフレームをそれぞれ支持する左右の支持フレームと、
前記左右のクッションサイドフレームを前記左右の支持フレームに対して昇降させるため、一端部が前記クッションサイドフレームの内側に回転自在に取り付けられ、他端部が前記支持フレームの外側に回転自在に取り付けられたリンク部材とを備え、
前記回転規制部材は、前記リンク部材の他端部側の回転軸を避けた位置に配置されていることを特徴とするシート装置。
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