JP6067186B2 - チューブ用積層体及びチューブ容器 - Google Patents

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Description

本発明は、チューブ容器を形成するための積層体等に関する。
従来、チューブ容器の視認性又は外観を向上させるために、チューブの胴部に基材及びインキ層を組み込むことが知られている。一般に、寸法安定性及び印刷の容易さを考慮して、基材としてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが使用される。また、PETフィルム上に形成されたインキ層と、インキ層よりも表側の層とは、接着剤を介して貼り合わされる。
さらに、チューブの胴部の表側には、例えば、帯電防止性、艶消し性、耐光性、光吸収性、耐ブロッキング性等の機能性が求められることがある。
具体的には、特許文献1では、表側から裏側に向かって、帯電防止剤を含む低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム/ポリエチレン(PE)接着剤層/LDPEフィルム/PE接着剤層/酸化アルミニウム蒸着PETフィルム//インキ層−PETフィルム/乳白LDPEフィルム/線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層、という層構成を有するチューブ用積層体が、提案されている。なお、記号「/」は、押出しラミネートを表し、記号「//」は、ドライラミネート接着剤を表す。
特許文献1では、酸化アルミニウム蒸着PETフィルムと、インキ層を設けたPETフィルムとを、二液型ポリエステル系接着剤を介してドライラミネートする(特許文献1の段落[0025]及び[0031])。また、チューブ用積層体の最外層は、帯電防止剤が混練されたLDPEフィルムで形成されている(特許文献1の段落[0015]及び[0017])。したがって、本願の図1に示されるように、特許文献1に記載のチューブ用積層体(1)は、表側から裏側に向かって、PETフィルム//インキ層/PETフィルム、という層構成を含み、かつ表側に帯電防止性が付与されている。
また、特許文献2では、本願の図2(a)に示されるような層構成を有する押出し積層体(9)、及び本願の図2(b)に示されるような層構成を有するドライラミネート体(10)が記述されている。また、押出し積層される接着剤層としてPE溶融樹脂層が使用されており、かつドライラミネート用接着剤としてウレタン系接着剤が使用されている。
特許文献2では、PETフィルムが表層であり、かつPETフィルムの印刷面とシーラントフィルムとをラミネート接着剤を介して積層するので、得られた押出し積層体は、表層/接着剤層/インキ層/シーラント層、という層構成を有し、一方、得られたドライラミネート体は、表層//インキ層/シーラント層、という層構成を有する。
さらに、特許文献2には、表層とインキ層との間のラミネート強度が、1.0N/15mm以上であれば実用レベルに達すると記述されている。
特開2001−38861号公報 特開2012−136582号公報
特許文献1に記載のチューブ用積層体には、チューブの肩部成形時に応力が加わると、インキ層が凝集剥離して、表側のPETフィルムが捲れてしまうという問題があった。また、このチューブ用積層体は、酸化アルミニウム蒸着PETフィルムと、インキ層を設けたPETフィルムとのドライラミネートを常に必要とするので、ハンドリング性及び経済性については未だに検討の余地がある。
特許文献1に記載のチューブ用積層体は、表側に帯電防止性を付与するために、帯電防止剤が混練された追加のフィルムを必要とするので、コストも掛かると予想される。
特許文献2には、チューブ容器の用途が記述されていない。仮に特許文献2に記載の包装材料を用いてチューブ容器を形成しても、表層とインキ層との間のラミネート強度が1.0N/15mmであると、チューブの肩部成形時に発生する応力に耐えられないので、表層が剥離すると予想される。
特許文献2では、押出し積層体又はドライラミネート体の表側の機能性についても具体的に検討されていない。
したがって、本発明は、上記の課題の少なくとも1つを解決するチューブ用積層体、及びそれを用いたチューブ容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を考慮して鋭意検討した結果、下記の発明を完成させた。
[1] 機能性塗布層、表層、接着剤層、インキ層及び基材積層体が、表側から裏側に向かってこの順に積層されているチューブ用積層体。
[2] 前記機能性塗布層は、機能性材料を含むニスを、前記表層に塗布することにより形成される、[1]に記載のチューブ用積層体。
[3] 前記表層のシール部の少なくとも一部が、前記機能性材料を含むニスでコーティングされていない、[2]に記載のチューブ用積層体。
[4] 前記機能性材料は、帯電防止剤及び/又はマット化剤である、[2]又は[3]に記載のチューブ用積層体。
[5] 前記表層は、低密度ポリエチレン及び/又は線状低密度ポリエチレンを含む、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[6] 前記表層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[7] 前記接着剤層は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの2液型接着剤で形成されており、前記インキ層は、UVインキで形成されており、かつ前記基材積層体の前記インキ層と接する面は、ポリオレフィンで形成されている、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[8] 前記エステル部分を有するポリオールは、ポリエステルポリオールである、[7]に記載のチューブ用積層体。
[9] 前記UVインキは、ポリイソシアネートを含む、[7]に記載のチューブ用積層体。
[10] 前記UVインキは、UVフレキソインキである、[7]に記載のチューブ用積層体。
[11] 前記基材積層体は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを含む、[1]〜[10]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[12] 前記表層と前記インキ層との間の初期ラミネート強度が、3.0N/15mm以上である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[13] 前記インキ層は、前記基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されている、[1]〜[12]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[14] 前記インキ層は、前記基材積層体の表面の全てに配置されている、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[15] 前記表層は、ポリオレフィンを含み、前記接着剤層は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの2液型接着剤で形成されており、前記基材積層体の前記UVインキ層と接する面は、ポリオレフィンで形成されており、かつ前記UVインキ層は、前記基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されている、[1]〜[14]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[16] [1]〜[15]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体で形成された胴部を有するチューブ容器。
本発明によれば、機能性塗布層、表層及び接着剤層が、表側から裏側に向かってこの順に積層されていることによって、機能性塗布層から機能成分の接着剤層への移行による機能喪失又はラミネート強度の低下を防ぐことができ、かつチューブ用積層体の表側に機能性を与えることができる。
図1は、特許文献1に記載のチューブ用積層体の模式断面図である。 図2(a)は、特許文献2に記載の押出し積層体の模式断面図であり、かつ図2(b)は、特許文献2に記載のドライラミネート体の模式断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係るチューブ用積層体の模式断面図である。
<チューブ用積層体の構成要素>
チューブ用積層体は、機能性塗布層、表層、接着剤層、インキ層、及び基材積層体が、表側から裏側に向かってこの順に積層されている積層体である。
チューブ用積層体は、チューブを形成したときに外を向く表側と、チューブを形成したときに内を向くか、又は内容物側を向く裏側とを有する。機能性塗布層の露出部が、表側を形成することができる。基材積層体の露出部が、裏側を形成することができる。
図3に、本発明の実施形態に係るチューブ用積層体の模式的な断面の一例を示す。図3に示されるように、機能性塗布層(15)、表層(16)、接着剤層(4)、インキ層(5)及び基材積層体(17)が、チューブ用積層体(14)の表側(2)から裏側(3)に向かって、この順に積層されている。表層(16)は、チューブ用積層体(14)で胴部を形成するときにチューブ用積層体(14)の裏側(3)とシールされることができるシール部(16a)を有してよい。基材積層体(17)は、ポリオレフィン面(17a)と、ポリオレフィン面以外の部分(17b)とを含んでよい。
以下、チューブ用積層体の構成要素である「機能性塗布層」、「表層」、「接着剤層」、「インキ層」及び「基材積層体」について、それぞれ説明する。
<機能性塗布層>
機能性塗布層は、チューブ用積層体の表側に機能性を与えるための層であり、かつ機能性材料の塗布により形成される。
図3に示されるように、機能性塗布層(15)は、チューブ用積層体(14)の表側(2)を形成する。
チューブ用積層体の表側に与えられる機能性としては、例えば、帯電防止性、艶消し性、耐光性、光吸収性、耐摩耗性、滑性、耐ブロッキング性等が挙げられる。これらの中でも、帯電防止性及び/又は艶消し性が好ましい。例えば、帯電防止性を与えると、梱包、輸送又は陳列の際に、静電気によりチューブ容器に吸い寄せられる埃が抑制され、チューブ容器の美観を確保することができる。また、艶消し性を与えると、チューブ容器は、マット感等の高級感のある外観を有することができる。さらに、帯電防止性及び艶消し性を与えると、チューブ容器において美観とマット感を両立することができる。
機能性塗布層は、機能性材料を含むニスの塗布により形成されることが好ましい。機能性材料は、ニスに分散されることがより好ましい。包装材料又はチューブ容器の分野で知られているニスを使用してよい。
例えば、ニスは、OP(over printing)ニスでよい。ニスは、油性又は紫外線硬化性でよいが、紫外線硬化性であることが好ましい。
機能性材料を含むニスの塗布は、例えば、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷等の任意の印刷方式により行なわれることができる。
機能性材料としては、例えば、帯電防止剤、マット化剤、滑剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。これらの中でも、帯電防止剤及び/又はマット化剤が好ましい。
帯電防止剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤;アミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール、多価アルコール等の非イオン性界面活性剤;カーボンブラック、金属粉等の導電性微粉末;ポリエーテル−ポリオレフィンブロックコポリマー、ポリチオフェン等の高分子型帯電防止剤;ベタイン等が挙げられる。
マット化剤としては、例えば、尿素樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で形成される樹脂ビーズ;微粉末シリカ;ゼオライト等が挙げられる。
<表層>
表層は、チューブ用積層体からチューブを形成したときに表側を向く層である。表層は、機能性塗布層と接着剤層の間に配置される。
図3に示されるように、表層(16)は、機能性塗布層(15)よりもチューブ用積層体(14)の裏側(3)に近付いている。
表層は、単層、又は複数の層が積層されている積層体でよく、また複数の同じ種類の層を含んでよい。表層は、少なくとも1つのフィルムと、随意に、印刷層、箔押し層、アンカーコート剤層、接着剤層、バリア層、シーラント層及びこれらの組み合わせとを含んでよい。印刷層、箔押し層、アンカーコート剤層、接着剤層、バリア層及びシーラント層は、これらの層が積層される層又はフィルムの少なくとも一部分にそれぞれ配置されることができる。
表層は、チューブ用積層体の腰を向上させるために、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを含むことが好ましい。
また、表層は、低温シール性(シール強度)の観点から、ポリオレフィンを含むことが好ましく、ポリエチレンフィルムを含むことがより好ましい。ポリエチレンフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、中密度ポリエチレン(MDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等が挙げられる。
図3に示されるように、チューブ用積層体(14)で胴部を形成するときに、チューブ用積層体(14)の表側(2)の少なくとも一部分と裏側(3)の少なくとも一部分とをシールし易くするために、表層(16)のシール部(16a)の少なくとも一部が、機能性材料を含むニスでコーティングされていなく、それによってシール部(16a)の少なくとも一部が露出されていることが好ましい。
表層とインキ層を接着する接着剤層に対する機能性塗布層の影響について以下に説明する。
〔接着剤層に対する機能性塗布層の影響〕
表層とインキ層の間におけるラミネート強度を向上させるためには、表層とインキ層を接着する接着剤層に対する機能性塗布層の影響を抑えて、接着剤層の接着力を確保することが好ましい。
接着剤層に対する機能性塗布層の影響を抑える手段としては、例えば、機能性塗布層から接着剤層への機能性材料の過剰なマイグレーションを抑制するための、「表層の設計」、「機能性材料の選定」等が挙げられる。
表層の設計としては、表層の厚さの調整、表層の多層化等が好ましい。
具体的には、機能性塗布層から接着剤層への機能性材料の過剰なマイグレーションを抑制するために、表層にバリア層を組み込むことが好ましい。バリア層を組み込むことにより、機能性塗布層と接着剤層の間に、マイグレーションを阻害する層が設けられる。
バリア層としては、シール強度を担保する意味で、表層樹脂と同じ種類に属し、かつ、より高密度のものを選定する事が簡便で好ましい。例えば、比較的密度の高いHDPE等を共押出ラミネートしたフィルムを表層に組み込むことができる。
また、バリア層を組み込むのではなく、表層樹脂中に、表層樹脂より高密度の樹脂を分散させたり、表層樹脂自体をより高密度の樹脂で形成したりする事によって、機能性塗布層から接着剤層への機能性材料の過剰なマイグレーションを抑制することが可能である。
機能性材料含有ニスの塗布量は、約0.1g/m以上又は、約0.3g/m以上であることが好ましく、また、この塗布量は、約3g/m以下、又は約5g/m以下であることが好ましい。
機能性塗布層の機能性材料の選定については、例えば、マイグレーションする傾向の低い機能性材料の使用が挙げられる。
マイグレーションの傾向が低い機能性材料としては、高分子材料が挙げられるが、ニスとして使用できるものは殆どないため、低分子界面活性剤と分類されるものの中から比較的分子量の大きい物を選定する事が好ましい。
<接着剤層>
接着剤層は、表層とインキ層を接着するための層である。接着剤層は、包装材料又はチューブ容器の分野で知られている接着剤で形成されてよいが、2液型接着剤で形成されることが好ましい。
2液型接着剤の塗布量は、接着強度を確保してチュービング時に積層体の剥離を防ぐとともに、所定の耐内容物性を得るために、約3g/m以上であることが好ましい。一方で、2液型接着剤の塗布量は、経済性及び接着強度の上限値を考慮して、乾燥不良及び残留溶剤による異臭の発生を防ぐために、約5g/m以下であることが好ましい。
2液型接着剤は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの組み合わせであることが好ましい。このような態様では、接着剤層が表層とUVインキ層とを強力に接着することでラミネート強度が向上するため、チューブのシール部に強く発生する応力によって引き起こされる表層のラミネート浮きを防止することができる。これにより、チューブのシーム部にさえも印刷パターンを形成し、特に、基材積層体の表面の全てに連続的な印刷パターンを形成して、チューブ容器の意匠性を確保することができる。「エステル部分を有するポリオール」及び「ポリイソシアネート」について、以下に説明する。
〔エステル部分を有するポリオール〕
エステル部分を有するポリオールは、耐熱性と、強い初期タックを有し、かつ耐内容物性に優れる。なお、初期タックは、被着材と接触させた直後から結合を形成して接着力を発揮する性質であり、初期接着性とも呼ばれる。
エステル部分を有するポリオールは、エーテル部分を有するポリオールと比べて、耐内容物性に優れるので、チューブ容器に内容物を充填した後に、チューブ容器をサイドシームから破袋させないようにすることができる。
作用機構に拘束されるものではないが、ポリイソシアネートによる架橋が進行する前の2液型接着剤の接着力は、主剤の凝集エネルギーに依存するので、エーテル部分を有するポリオールよりも凝集力の大きいエステル部分を有するポリオールは、初期接着性において有利であると考えられる。
エステル部分を有するポリオールは、イソシアネートによる架橋という観点から、ポリエステルポリオールであることが好ましい。
〔ポリイソシアネート〕
ポリイソシアネートは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物であり、ポリオールと架橋してオリゴマー又はポリマーを形成する。
ポリイソシアネートとしては、例えば、意匠性を活用して高級感を出すチューブ用積層体を作製する場合には、耐光性に優れる脂肪族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル等の脂肪族ジイソシアネート;2,6−ジイソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチル、1,6−ジイソシアナト−3−イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等が挙げられる。また、脂肪族ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
耐内容物性を確保するために、芳香族ポリイソシアネートを使用することも好ましい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
<インキ層>
インキ層は、インキで形成されている層であり、かつ基材積層体よりも表側に配置されている。インキ層としては、例えば、印刷層等が挙げられる。インキ層は、基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されていてよく、特に、基材積層体の表面の全てに配置されていてよい。ここで、シール部に対応する箇所とは、積層体を筒状にシールしてチューブに形成したときに、シール部となる積層体の領域をいう。本発明の特定の態様においては、インキ層が、基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されていることで、チューブのシーム部にさえも印刷パターンを形成し、特に、基材積層体の表面の全てに連続的な印刷パターンを形成して、チューブ容器の意匠性を確保することができる。
インキは、油性インキ又はUVインキでよいが、UVインキであることが好ましい。
UVインキは、紫外線硬化型インキであり、有機溶剤等の有機揮発性化合物を概ね含まないので環境に優しく、瞬間的に硬化可能であり、かつ褪色し難い。したがって、UVインキは、生産性の向上及び生産時間の短縮に貢献し、かつ熱乾燥型インキと比較して省エネルギーである。基材積層体の被印刷面を単一のUVインキで覆うことによりUVインキ層を形成してよく、また基材積層体の被印刷面に単一のUVインキ又は複数のUVインキを印刷して、パターン、グラデーションなどを有するUVインキ層を形成してもよい。
一般に、UVインキは、光重合性ポリマー、所望によりモノマー、光重合開始剤、及び着色料を含む。着色料としては、例えば、顔料、染料等が挙げられる。
UVインキは、耐光性及び耐熱性を有することが好ましく、また様々な表面特性を有する基材に対して、例えばポリオレフィン基材に対して、印刷再現性を確保するために、UVフレキソインキであることがより好ましい。
また、基材積層体に対するUVインキの密着性と、インキの凝集力とを向上させるために、ポリイソシアネートをUVインキに添加することが好ましい。ポリイソシアネートをUVインキに添加すると、インキ層と基材積層体の間、又はインキ層と接着剤層の間に、架橋構造を形成することができるので好ましい。なお、UVインキに含まれるポリイソシアネートは、上述の通り、2液型接着剤に含まれるものと同じでもよい。
さらに、チューブ用積層体に外力が加わるときにラミネート浮きを防ぐために、表層とインキ層との間の初期ラミネート強度は、約3.0N/15mm以上であることが好ましく、約6.0N/15mm以上であることがより好ましい。なお、本明細書では、初期ラミネート強度とは、ラミネートが終了してから30分後に測定したラミネート強度をいう。
基材積層体へのインキの印刷は、例えば、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、インクジェット印刷等の任意の印刷方式により行なわれることができる。中でも、凸版印刷が好ましく、フレキソ印刷がより好ましい。
<基材積層体>
基材積層体は、インキを印刷される層である。基材積層体は、複数の層が積層されている積層体でよく、複数の同じ種類の層を含んでもよい。
基材積層体は、例えば、接着剤、樹脂、バリア材料、及びシーラントから成る群から選択される少なくとも1つを含む層を含んでよい。
基材積層体のインキとの密着性を向上させるために、基材積層体のインキ層と接する面は、ポリオレフィンで形成されていることが好ましい。このような態様では、表層とUVインキ層の間において、ラミネート強度が向上するため、チューブのシール部に強く発生する応力によって引き起こされる表層のラミネート浮きを防止することができる。これにより、チューブのシーム部にさえも印刷パターンを形成し、特に、基材積層体の表面の全てに連続的な印刷パターンを形成して、チューブ容器の意匠性を確保することができる。
基材積層体は、単数又は複数のポリオレフィンフィルムで形成されてもよい。さらに、基材積層体は、チューブ用積層体からチューブを形成したときにポリオレフィンフィルムが最内層となるように、ポリオレフィンフィルムを含むことがより好ましい。なお、ポリオレフィンフィルムは、上述の通り、表層に含まれるものと同じでもよい。
チューブ用積層体の強度を確保するために、基材積層体は、インキ層と接する面と最内層とを除く部分に、PETフィルムを含むことが好ましい。
基材積層体に含まれるバリア層としては、例えば、金属箔層、金属・無機物蒸着層等が挙げられる。
基材積層体に含まれるシーラント層は、例えば、LDPE、LLDPE等のポリオレフィンで形成されてよい。
<チューブ用積層体の製造方法>
チューブ用積層体は、以下の工程を含む方法により製造されることができる:
基材積層体にインキを印刷して、インキ層を形成する印刷工程;
基材積層体のインキ層側と、表層部材とを接着して、チューブ用積層体を得る積層工程;
機能性材料含有ニスをチューブ用積層体の表層部材側に塗布して、機能性塗布層を形成する塗布工程;及び
所望により、チューブ用積層体をエージングするエージング工程。
印刷工程を行うために、ポリオレフィン表面を有する基材積層体を用意することが好ましい。ポリオレフィン表面のシール部に対応する箇所にインキを印刷してよく、特に、ポリオレフィン表面の全てにインキを印刷してよい。印刷工程は、任意の印刷方式で行われてよいが、UVフレキソインキを用いてフレキソ印刷により行なわれることが好ましい。
積層工程は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの2液型接着剤を用いて、ドライラミネートにより行なわれることができる。
塗布工程は、機能性材料含有ニスを用いて、例えばフレキソ印刷等の凸版印刷で行なわれることができる。積層工程と塗布工程の順序は入れ替えてもよい。
エージング工程は、表層とインキ層の間のラミネート強度が実質的に変動しなくなるまで続けてよく、例えば、40℃で6日間に亘って行うことができる。
<チューブ容器>
チューブ容器は、チューブ用積層体で形成された胴部を有する容器である。
チューブ容器には、薬品、化粧品、食品等の内容物を充填することができる。内容物としては、例えば、練り歯磨き、保湿クリーム、日焼け止め、シャンプー、ヘア・コンディショナー等が挙げられる。
チューブ容器は、以下の工程を含む方法により製造されることができる:
チューブ用積層体を、基材積層体の非インキ印刷部分が裏側を向くように丸めながら、積層体の端部同士を重ね合せてシールして、胴部を得る工程;及び
胴部の開口部の周縁に、肩部及びキャップ部を有する頭部を結合させて、チューブ容器を得る工程。
本発明のチューブ用積層体は、表層とインキ層の間におけるラミネート強度を向上させて、インキ層の凝集剥離及び表層の応力による浮きを防止することができるだけでなく、チューブのシーム部にさえも印刷パターンを形成し、特に、基材積層体の表面の全てに連続的な印刷パターンを形成して、チューブ容器の意匠性を確保することもできる。したがって、表刷りにより形成されたフルプリントを胴部に備えるチューブ容器の提供を達成することができる。
実験1.機能性塗布層の検討
<チューブ用積層体の作製>
実施例1〜3について、下記表1に示される通りに、ニス、UVインキ、接着剤、表層及び基材積層体を用意した。比較例1について、下記表1に示される通りに、UVインキ、接着剤、表層及び基材積層体を用意した。
Figure 0006067186
表1中の用語の説明
FDFL:紫外線硬化型フレキソインキの商品名(東洋インキ株式会社製)
添加剤:ヘキサメチレンジイソシアネート
TM−277:エステル系主剤の商品名(東洋モートン株式会社製)
cat−RT86:脂肪族硬化剤の商品名(東洋モートン株式会社製)
L−103:LLDPEフィルムの商品名(アイセロ化学株式会社製:厚さ90μm)
UV帯電防止性ニス:株式会社T&K TOKA製「No.11 UV LTP FL OPニス(商品名)」に、帯電防止剤として四級アルキルアンモニウム塩を5質量%の添加量で添加したニス混合物
UVマットニス:株式会社T&K TOKA製「フレキソマットOPニス AD−BN(商品名)」
UV帯電防止性マットニス:株式会社T&K TOKA製「フレキソマットOPニス AD−BN(商品名)」に、帯電防止剤として四級アルキルアンモニウム塩を5質量%の添加量で添加したニス混合物
EAA:エチレン−アクリル酸コポリマー
EMAA:エチレン−メタクリル酸コポリマー
AL:アルミニウム箔層
層構成における括弧内の数字:μm単位の厚さ
基材積層体の表側にUVインキをフレキソ印刷して、インキ層を形成した。
ドライラミネート装置を用いて、以下の製造条件に従って「L−103」フィルムとインキ層とを、接着剤を介してドライラミネートして、積層体Aを得た。
(製造条件)
ライン速度:30m/分
接着剤塗布量:3.5g/m
実施例1〜3では、印刷機を用いて、表1に示されるニスを表2に示される塗布量で積層体Aの「L−103」面に塗布した。比較例1では積層体Aの「L−103」面にニスを塗布しなかった。このようにしてチューブ用積層体を得た。
実施例1で得られたチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、帯電防止性ニス層−LLDPE(90)//インキ層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
実施例2で得られたチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、UVマットニス層−LLDPE(90)//インキ層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
実施例3で得られたチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、UV帯電防止性マットニス層−LLDPE(90)//インキ層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
比較例1で得られたチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、LLDPE(90)//インキ層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
なお、上記の層構成において、ニス層−LLDPE(90)は、「L−103」フィルムの表側にニスが塗布されていることを表し、かつインキ層−LLDPE(50)は、基材積層体の表側にUVインキが印刷されていることを表す。
また、比較例2として、グラビア印刷層を有する市販のチューブ用積層体を用意した。このチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、LLDPE(80)/LDPE(25)/PET(12)−インキ層/LDPE(25)/白色LDPE/PETSiOx(12)/EMAA(25)/LLDPE(80)、という層構成を有していた。なお、PETSiOxは、ケイ素酸化物が蒸着されたPETを表し、かつPET(12)−インキ層は、PET基材の裏側にインキが印刷されていることを表す。
<チューブ用積層体の評価方法>
1.表層(ポリオレフィン)とインキ層の間の初期ラミネート強度測定
実施例1〜3及び比較例1のチューブ用積層体を作製してから30分後に、チューブ用積層体を幅15mm及び長さ150mmに切断して、試験片を得た。
試験片のそれぞれについて、東洋精機株式会社製ストログラフ(E−L用)を用いて、以下の測定条件に従って、表層とインキ層の間の初期ラミネート強度を測定した。
(測定条件)
掴み具間:50mm
引張速度:150mm/分
剥離の種類:T字剥離
2.エージング後のラミネート強度測定
実施例1〜3並びに比較例1及び2のチューブ用積層体を、40℃で6日間に亘ってエージングした。
エージング後のチューブ用積層体を幅15mm及び長さ150mmに切断して、試験片を得た。
東洋精機株式会社製ストログラフ(E−L用)を用いて、初期ラミネート強度と同じ測定条件に従って、実施例1〜3及び比較例1の試験片については、表層とインキ層の間のエージング後のラミネート強度を測定し、そして比較例2の試験片については、「PET−インキ層」の印刷面と、その下層のLDPE層との間のエージング後のラミネート強度を測定した。
3.除電性の評価
チューブ用積層体からチューブ用胴部を作製した。半減期測定法(JIS L 1094)に従って、以下のように胴部の電荷半減期を測定した。
胴部を23℃の温度及び50%の相対湿度の環境下に24時間に亘って静置した。その後、スタティックオネストメーター(シシド静電気株式会社製「S−5109」)を用いて、胴部に10kVの電圧を印加してから、胴部の帯電圧が1/2に減衰するまでの時間を測定した。
胴部の除電性を以下の基準に従って評価した:
(基準)
○:胴部の帯電圧が1/2に減衰するまでの時間が10秒未満である。
×:胴部の帯電圧が1/2に減衰するまでの時間が10秒以上である。
4.汚れ付着性試験
チューブ用積層体からチューブ用胴部を作製した。胴部を23℃の温度及び50%の相対湿度の環境下に24時間に亘って静置した。その後、胴部をトナー式ダートチャンバー試験機(有限会社 植木工作所製)の中に入れ、ファンを回転させて、5分間に亘って胴部に汚れを付着させた。その後、胴部を取り出して、胴部の汚れの水準を観察し、以下の基準に従って評価した:
(基準)
○:胴部に顕著な汚れがない。
×:胴部に顕著な汚れがある。
5.光沢度測定
JIS K 7105に従って、株式会社 村上色彩技術研究所社製「GROSS METER GM−3D」を用いて、チューブ用積層体の表側の光沢度を測定した。
6.手触り及び光沢の官能評価
チューブ用積層体の表側に手で触れるとともに、蛍光灯の下で目視観察し、以下の基準に従って評価した:
(基準)
◎:しっとりとした手触りであり、かつ、蛍光灯の映り込みがない。
○:さらっとした手触りであり、かつ、ぼんやりと蛍光灯が映り込む。
×:つるつるした手触りであり、かつ、映り込んだ蛍光灯の輪郭が分かる。
チューブ用積層体の評価結果を下記表2に示す。
Figure 0006067186
[表1及び2について]
実施例1〜3と比較例1との対比から、帯電防止剤及び/又はマット化剤含有ニスを表層の表側に塗布すると、帯電防止剤及び/又はマット化剤が接着剤層に影響することなく、表層とインキ層の間のラミネート強度を確保し、かつチューブ用積層体に帯電防止性及び/又はマット感を付与できることが分かる。
また、基材積層体のポリオレフィン(LLDPE)面にUVインキを表刷りしている実施例1〜3は、PET基材に裏刷りしているグラビア原反(比較例2)と比較して、インキ塗布面が柔軟なので、応力緩和により凝集剥離又は表層剥離を起こさず、エージング後も十分なラミネート強度を確保できることが分かる。
比較例2では、エージング後に、インキ層凝集剥離又はPET層の表層劈開が観察された。したがって、比較例2のチューブ用積層体は、肩部等の成形時に端面に外力が加わると、表層剥離を起こすと予想される。
実験2.機能性塗布層を有さないチューブ用積層体の参考的検討
<チューブ用積層体の作製>
参考例1〜4及び比較参考例1について、下記表3に示される通りに、UVインキ、接着剤及び表層を用意した。
Figure 0006067186
表3中の用語の説明
FDFL:紫外線硬化型フレキソインキの商品名(東洋インキ株式会社製)
添加剤:ヘキサメチレンジイソシアネート
TM−277:エステル系主剤の商品名(東洋モートン株式会社製)
A−310:エステル系主剤の商品名(三井化学株式会社製)
A−620:エステル系主剤の商品名(三井化学株式会社製)
A−969V:エーテル系主剤の商品名(三井化学株式会社製)
cat−RT86:脂肪族硬化剤の商品名(東洋モートン株式会社製)
cat−10L:芳香族硬化剤の商品名(東洋モートン株式会社製)
A−3:芳香族硬化剤の商品名(三井化学株式会社製)
A−65:脂肪族硬化剤の商品名(三井化学株式会社製)
A−8:芳香族硬化剤の商品名(三井化学株式会社製)
L−103:LLDPEフィルムの商品名(アイセロ化学株式会社製:厚さ90μm)
表側から裏側に向かって順に、LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成(括弧内の数字は、μm単位の厚さを表す)を有する幅200mm及び長さ800mの基材を用意した。
基材の表側にUVインキをフレキソ印刷して、印刷層を形成した。
ドライラミネート装置を用いて、以下の製造条件に従って、接着剤を介して印刷層と表層とをドライラミネートして、チューブ用積層体を得た。
(製造条件)
ライン速度:30m/分
接着剤塗布量:3.5g/m
参考例1〜4及び比較参考例1については、チューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、LLDPE(90)//印刷層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
また、比較参考例2として、グラビア印刷層を有する市販のチューブ用積層体を用意した。市販のチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、LLDPE(35)/LLDPE/LDPE(20)/PET−印刷層/LDPE(25)/白色LDPE(100)/PETSiO(12)/EMAA/LLDPE(80)、という層構成を有していた。
<チューブ用積層体の評価方法>
1.表層(ポリオレフィン)とUVインキ層の間の初期ラミネート強度測定
参考例1〜4及び比較参考例1のチューブ用積層体を作製してから30分後に、チューブ用積層体を幅15mm及び長さ150mmに切断して、試験片を得た。
試験片のそれぞれについて、東洋精機株式会社製ストログラフ(E−L用)を用いて、以下の測定条件に従って、表層とUVインキ層の間の初期ラミネート強度を測定した。
(測定条件)
掴み具間:50mm
引張速度:150mm/分
剥離の種類:T字剥離
初期ラミネート強度の測定結果を下記表2に示す。
2.エージング後のラミネート強度測定
参考例1〜4並びに参考例1及び2のチューブ用積層体を、40℃で6日間に亘ってエージングした。
エージング後のチューブ用積層体を幅15mm及び長さ150mmに切断して、試験片を得た。
東洋精機株式会社製ストログラフ(E−L用)を用いて、初期ラミネート強度と同じ測定条件に従って、参考例1〜4及び比較例1の試験片については、表層とUVインキ層の間のエージング後のラミネート強度を測定し、そして比較参考例2の試験片については、PET−印刷層の印刷面と、その下層のLDPE層との間のエージング後のラミネート強度を測定した。
エージング後のラミネート強度の測定結果を下記表4に示す。
Figure 0006067186
[初期ラミネート強度について]
表4から、ポリエステル系主剤を使用した参考例1〜4では、ラミネート直後でも、十分なラミネート強度が得られることが分かる。
一方で、エーテル系主剤を使用した比較参考例1では、初期ラミネート強度が不十分なために、原反に応力が加わるとラミネート浮きが発生した。したがって、比較参考例1のチューブ用積層体は、ハンドリング性が不十分である。
[エージング後のラミネート強度について]
表4から、基材のポリオレフィン(LLDPE)面にUVインキを表刷りしている参考例1〜4は、PET基材に裏刷りしているグラビア原反(比較参考例2)と比較して、インキ塗布面が柔軟なので、応力緩和により凝集剥離又は表層剥離を起こさず、エージング後も十分なラミネート強度を確保できることが分かる。
比較参考例2では、エージング後に、インキ層凝集剥離又はPET表層剥離が観察された。したがって、比較参考例2のチューブ用積層体は、肩部などの成形時に端面に外力が加わると、表層剥離を起こすと予想される。
1 チューブ用積層体
2 表側
3 裏側
4 接着剤層
5 インキ層
6 ポリエチレンテレフタレート層
7 帯電防止剤を含む低密度ポリエチレンフィルム
8 その他の層又は積層体
9 押出し積層体
10 ドライラミネート体
11 アンカー剤層
12 ポリエチレン層
13 ポリプロピレン層
14 チューブ用積層体
15 機能性塗布層
16 表層
16a シール部
17 基材積層体
17a ポリオレフィン面
17b ポリオレフィン面以外の部分

Claims (15)

  1. 機能性塗布層、表層、接着剤層、インキ層及び基材積層体が、表側から裏側に向かってこの順に積層しており、前記接着剤層は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの2液型接着剤を含み、前記インキ層は、UVインキを含み、かつ前記基材積層体の前記インキ層と接する面は、ポリオレフィンを含む、フルプリントを胴部に備えるチューブ容器を提供することができるチューブ用積層体。
  2. 前記機能性塗布層は、前記表層に塗布された機能性材料を含むニスである、請求項1に記載のチューブ用積層体。
  3. 前記表層のシール部の少なくとも一部上に、前記機能性塗布層が存在していない、請求項2に記載のチューブ用積層体。
  4. 前記機能性材料は、帯電防止剤及び/又はマット化剤である、請求項2又は3に記載のチューブ用積層体。
  5. 前記表層は、低密度ポリエチレン及び/又は線状低密度ポリエチレンを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  6. 前記表層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  7. 前記エステル部分を有するポリオールは、ポリエステルポリオールである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のチューブ用積層体。
  8. 前記UVインキは、ポリイソシアネートを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のチューブ用積層体。
  9. 前記UVインキは、UVフレキソインキである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のチューブ用積層体。
  10. 前記基材積層体は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  11. 前記表層と前記インキ層との間の初期ラミネート強度が、3.0N/15mm以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  12. 前記インキ層は、前記基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  13. 前記インキ層は、前記基材積層体の表面の全てに配置されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  14. 前記表層は、ポリオレフィンを含み、かつ前記UVインキ層は、前記基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のチューブ用積層体で形成された胴部を有するチューブ容器。
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