JP6067193B2 - チューブ用積層体及びチューブ容器 - Google Patents

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Description

本発明は、チューブ容器を形成するための積層体等に関する。
従来、チューブ容器の視認性又は外観を向上させるために、チューブの胴部に基材及びインキ層を組み込むことが知られている。一般に、寸法安定性及び印刷の容易さを考慮して、基材としてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが使用される。また、PETフィルム上に形成されたインキ層と、インキ層よりも表側の層とは、接着剤を介して貼り合わされる。
さらに、チューブの胴部の表側には、例えば、帯電防止性、艶消し性、耐光性、光吸収性、耐ブロッキング性等の機能性が求められることがある。
具体的には、特許文献1では、表側から裏側に向かって、帯電防止剤を含む低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム/ポリエチレン(PE)接着層/LDPEフィルム/PE接着層/酸化アルミニウム蒸着PETフィルム//インキ層−PETフィルム//乳白LDPEフィルム/線状低密度ポリエチレン(LLDPE)層、という層構成を有するチューブ用積層体が、提案されている。なお、記号「/」は、押出ラミネートを表し、記号「//」は、ドライラミネート接着剤を表す。
特許文献1では、酸化アルミニウム蒸着PETフィルムと、インキ層を設けたPETフィルムとを、二液型ポリエステル系接着剤を介してドライラミネートする(特許文献1の段落[0025]及び[0031])。また、チューブ用積層体の最外層は、帯電防止剤が混練されたLDPEフィルムで形成されている(特許文献1の段落[0015]及び[0017])。したがって、本願の図1に示されるように、特許文献1に記載のチューブ用積層体(1)は、表側から裏側に向かって、PETフィルム//インキ層/PETフィルム、という層構成を含み、かつ表側に帯電防止性が付与されている。
また、特許文献2では、本願の図2(a)に示されるような層構成を有する押出積層体(9)、及び本願の図2(b)に示されるような層構成を有するドライラミネート体(10)が記述されている。また、押出積層される接着剤層としてPE溶融樹脂層が使用されており、かつドライラミネート用接着剤としてウレタン系接着剤が使用されている。
特許文献2では、PETフィルムが表層であり、かつPETフィルムの印刷面とシーラントフィルムとをラミネート接着剤を介して積層するので、得られた押出積層体は、表層/接着剤層/インキ層/シーラント層、という層構成を有し、一方、得られたドライラミネート体は、表層//インキ層/シーラント層、という層構成を有する。
さらに、特許文献2には、表層とインキ層との間のラミネート強度が、1.0N/15mm以上であれば実用レベルに達すると記述されている。
特開2001−38861号公報 特開2012−136582号公報
特許文献1に記載のチューブ用積層体には、チューブの肩部成形時に応力が加わると、インキ層が凝集剥離して、表側のPETフィルムが捲れてしまうという問題があった。また、このチューブ用積層体は、酸化アルミニウム蒸着PETフィルムと、インキ層を設けたPETフィルムとのドライラミネートを常に必要とするので、ハンドリング性及び経済性については未だに検討の余地がある。
特許文献2には、チューブ容器の用途が記述されていない。仮に特許文献2に記載の包装材料を用いてチューブ容器を形成しても、表層とインキ層との間のラミネート強度が1.0N/15mmであると、チューブの肩部成形時に発生する応力に耐えられないので、表層が剥離すると予想される。
特許文献2では、押出積層体又はドライラミネート体の表側の機能性についても具体的に検討されていない。
したがって、本発明は、上記の課題の少なくとも1つを解決するチューブ用積層体、及びそれを用いたチューブ容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を考慮して鋭意検討した結果、下記の発明を完成させた。
[1] 機能層、機能層支持層、接着剤層、インキ層及び基材積層体が、表側から裏側に向かってこの順に積層されているチューブ用積層体。
[2] 前記機能層は、機能性材料を含む押出樹脂で形成される、[1]に記載のチューブ用積層体。
[3] 前記機能層は、機能性材料を含まない押出樹脂又は機能性材料を含む押出樹脂を機能性付与処理に供することにより形成される、[1]に記載のチューブ用積層体。
[4] 前記機能性付与処理は、粗化である、[3]に記載のチューブ用積層体。
[5] 前記機能性材料は、帯電防止剤及び/又はマット化剤である、[2]〜[4]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[6] 前記接着剤層は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの2液型接着剤で形成されており、前記インキ層は、UVインキで形成されており、かつ前記基材積層体の前記インキ層と接する面は、ポリオレフィンで形成されている、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[7] 前記機能層支持層と前記インキ層との間の初期ラミネート強度が、3.0N/15mm以上である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[8] 前記インキ層は、前記基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されている、[1]〜[7]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[9] 前記インキ層は、前記基材積層体の表面の全てに配置されている、[1]〜[8]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[10]
前記機能層は、ポリオレフィンを含み、前記接着剤層は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの2液型接着剤で形成されており、前記基材積層体の前記インキ層と接する面は、ポリオレフィンで形成されており、前記インキ層は、UVインキで形成されており、かつ前記基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されている、[1]〜[9]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
[11] [1]〜[10]のいずれか1項に記載のチューブ用積層体で形成された胴部を有するチューブ容器。
本発明によれば、機能層、機能層支持層及び接着剤層が、表側から裏側に向かってこの順に積層されていることによって、機能層から接着剤層への機能性材料のマイグレーションによる機能性の喪失又はラミネート強度の低下を防ぐことができ、かつチューブ用積層体の表側に機能性を与えることができる。
図1は、特許文献1に記載のチューブ用積層体の模式断面図である。 図2(a)は、特許文献2に記載の押出積層体の模式断面図であり、かつ図2(b)は、特許文献2に記載のドライラミネート体の模式断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係るチューブ用積層体の模式断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係るチューブ用積層体を形成するための押出ラインの概略図である。
<チューブ用積層体の構成要素>
チューブ用積層体は、機能層、機能層支持層、接着剤層、インキ層、及び基材積層体が、表側から裏側に向かってこの順に積層されている積層体である。
チューブ用積層体は、チューブを形成したときに外を向く表側と、チューブを形成したときに内側を向くか、又は内容物側を向く裏側とを有する。機能層の露出部が、表側を形成することができる。基材積層体の露出部が、裏側を形成することができる。
図3に、本発明の実施形態に係るチューブ用積層体の模式的な断面の一例を示す。図3に示されるように、機能層(15)、機能層支持層(16)、接着剤層(4)、インキ層(5)及び基材積層体(17)が、チューブ用積層体(14)の表側(2)から裏側(3)に向かって、この順に積層されている。基材積層体(17)は、ポリオレフィン面(17a)と、ポリオレフィン面以外の部分(17b)とを含んでよい。
以下、チューブ用積層体の構成要素である「機能層」、「機能層支持層」、「接着剤層」、「インキ層」及び「基材積層体」について、それぞれ説明する。
<機能層>
機能層は、チューブ用積層体の表側に機能性を与えるための層であり、かつ機能性材料を含む樹脂を押出すことにより形成されるか、又は機能性材料を含まない押出樹脂若しくは機能性材料を含む押出樹脂を機能性付与処理に供すことにより形成される。機能層は、表層として用いられてもよい。
図3に示されるように、機能層(15)は、チューブ用積層体(14)の表側(2)を形成する。
チューブ用積層体の表側に与えられる機能性としては、例えば、帯電防止性、艶消し性、耐光性、耐摩耗性、滑性、耐ブロッキング性等が挙げられる。これらの中でも、帯電防止性及び/又は艶消し性が好ましい。例えば、帯電防止性を与えると、梱包、輸送又は陳列の際に、静電気が抑制され、チューブ容器に吸い寄せられる埃が少なくなり、チューブ容器の美観を確保することができる。また、艶消し性を与えると、チューブ容器は、マット感等の高級感のある外観を有することができる。さらに、帯電防止性及び艶消し性を与えると、チューブ容器において美観とマット感を両立することができる。
例えば、機能層を形成するために、機能性材料を予め含有させた樹脂を機能層支持層に押し出すか、又は機能性材料を含まない樹脂を機能層支持層に押し出してから、機能性付与処理により押出樹脂層に機能性を付与してもよい。また、機能性材料を予め含有させた樹脂を機能層支持層に押し出して機能層を形成してから、機能層を機能性付与処理にさらに供することによって、機能層の機能性を向上させるか、又は機能層に別の機能性を付与してよい。
機能層における押出樹脂は、チューブを形成するためのヒートシール性、機能性材料の分散性、機能性材料の過剰なブリードアウトの抑制等に応じて選択されることができる。押出樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;及びエチレン−酢酸ビニルコポリマーが挙げられる。
機能性材料としては、例えば、帯電防止剤、マット化剤、滑剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。これらの中でも、帯電防止剤及び/又はマット化剤が好ましい。
帯電防止剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤;アミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール、多価アルコール等の非イオン性界面活性剤;カーボンブラック、金属粉等の導電性微粉末;ポリエーテル−ポリオレフィンブロックコポリマー、ポリチオフェン、アイオノマー等の高分子型帯電防止剤;ベタイン等が挙げられる。低分子型帯電防止剤は、マイグレーションし易く速効性を有するが、オーバーブリードし易く裏移り又は接着不良を生じたり、ドライラミネート時に接着剤に吸引されて性能不良を生じたりする可能性がある。そのため、低分子型帯電防止剤の速効性だけでなく、接着不良又は性能不良の可能性も考慮して、低分子型帯電防止剤の材料を選定し、かつ低分子型帯電防止剤の加工条件又は保管条件を決定することが好ましい。
機能性付与処理としては、例えば、粗化等が挙げられる。粗化するための処理としては、エンボス加工等が挙げられる。
図4に、冷却ロールを粗化装置に置き換えた押出ラインの概略図を示す。粗化装置(23)により押出樹脂(22)を粗化して、押出樹脂(22)に艶消し性を付与することができる。粗化装置(23)は、例えば、マットロール、セミマットロール等でよい。
<機能層支持層>
機能層支持層は、機能層と接着剤層の間に配置される。
図3に示されるように、機能層支持層(16)は、機能層(15)よりもチューブ用積層体(14)の裏側(3)に近付いている。
機能層支持層は、単層、又は複数の層が積層されている積層体でよく、また複数の同じ種類の層を含んでよい。機能層支持層は、少なくとも1つのフィルムと、随意に、印刷層、箔押し層、アンカーコート剤層、接着剤層、バリア層、シーラント層及びこれらの組み合わせとを含んでよい。
機能層支持層は、チューブ用積層体の腰を向上させるために、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等を含むことも好ましい。
機能層支持層とインキ層を接着する接着剤層に対する機能層の影響について以下に説明する。
〔接着剤層に対する機能層の影響〕
機能層支持層とインキ層の間におけるラミネート強度を向上させるためには、機能層支持層とインキ層を接着する接着剤層に対する機能層の影響を抑えて、接着剤層の接着力を確保することが好ましい。
接着剤層に対する機能層の影響を抑える手段としては、例えば、機能性材料を使用せずに押出樹脂に粗化処理等の物理加工を施して機能性を付与する手段か、又は機能層を接着剤層から遠ざけて配置する手段か、又は押出樹脂に混ぜる機能性材料を選定する手段等が挙げられる。
機能性材料を使用せずに押出樹脂に粗化処理等の物理加工を施して機能性を付与する手段の場合、機能層支持層の上に設ける機能性材料に、機能層支持層とインキ層を接着する接着剤層に対して接着強度を低下させる材料を用いないので、機能層支持層とインキ層を接着する接着剤層に対する機能層の影響はない。
具体的には、図4に示されるように、機能性付与装置として粗化装置を用いることにより、機能性材料を使用しなくても、機能層支持層に機能層を形成することができる。
機能層を接着剤層から遠ざけて配置する手段としては、機能層支持層の厚さの調整、機能層支持層の多層化等が挙げられる。このような手段によって、機能層と接着剤層とを接触しないようにすることができる。
さらに、機能性材料の接着剤層へのマイグレーションを抑制するために、機能層支持層にバリア層を組み込んで、機能層と接着剤層の間にバリア層を設けることも好ましい。例えば、比較的密度の高いHDPE等を共押出ラミネートしたフィルムを機能層支持層に組み込むことができる。
押出樹脂に混ぜる機能性材料を選定する手段としては、例えば、マイグレーションしない機能性材料の使用が挙げられる。マイグレーションする傾向の低い機能性材料は、機能性を有する高分子材料であることが好ましい。
例えば、マイグレーションしない帯電防止剤としては、高分子型帯電防止剤が好ましく、アイオノマーがより好ましい。アイオノマーは、その分子鎖中に存在するイオン基のイオン電導により基材の表面電荷を緩和する誘電緩和現象を起こすので、低分子量型帯電防止剤と比べて、マイグレーションせず、安定した帯電防止機能を発現する。
アイオノマーの高分子部分としては、オレフィンとアクリル酸又はメタクリル酸とのコポリマー等が好ましく、かつアイオノマーの陽イオン種としては、亜鉛イオン、カリウムイオン等が好ましい。
<接着剤層>
接着剤層は、機能層支持層とインキ層を接着するための層である。接着剤層は、包装材料又はチューブ容器の分野で知られている接着剤で形成されてよいが、2液型接着剤で形成されることが好ましい。
2液型接着剤の塗布量は、接着強度を確保してチュービング時に積層体の剥離を防ぐとともに、所定の耐内容物性を得るために、約3g/m以上であることが好ましい。一方で、2液型接着剤の塗布量は、経済性及び接着強度の上限値を考慮して、乾燥不良及び残留溶剤による異臭の発生を防ぐために、約5g/m以下であることが好ましい。
2液型接着剤は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの組み合わせであることが好ましい。このような態様では、接着剤層が表層とUVインキ層とを強力に接着することでラミネート強度が向上するため、チューブのシール部に強く発生する応力によって引き起こされる表層のラミネート浮きを防止することができる。これにより、チューブのシーム部にさえも印刷パターンを形成し、特に、基材積層体の表面の全てに連続的な印刷パターンを形成して、チューブ容器の意匠性を確保することができる。「エステル部分を有するポリオール」及び「ポリイソシアネート」について、以下に説明する。
〔エステル部分を有するポリオール〕
エステル部分を有するポリオールは、耐熱性と、強い初期タックを有し、かつ耐内容物性に優れる。なお、初期タックは、被着材と接触させた直後から結合を形成して接着力を発揮する性質であり、初期接着性とも呼ばれる。
エステル部分を有するポリオールは、エーテル部分を有するポリオールと比べて、耐内容物性に優れるので、チューブ容器に内容物を充填した後に、チューブ容器をサイドシームから破袋させないようにすることができる。
作用機構に拘束されるものではないが、ポリイソシアネートによる架橋が進行する前の2液型接着剤の接着力は、主剤の凝集エネルギーに依存するので、エーテル部分を有するポリオールよりも凝集力の大きいエステル部分を有するポリオールは、初期接着性において有利であると考えられる。
エステル部分を有するポリオールは、イソシアネートによる架橋という観点から、ポリエステルポリオールであることが好ましい。
〔ポリイソシアネート〕
ポリイソシアネートは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物であり、ポリオールと架橋してオリゴマー又はポリマーを形成する。
ポリイソシアネートとしては、例えば、意匠性を活用して高級感を出すチューブ用積層体を作製する場合には、耐光性に優れる脂肪族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル等の脂肪族ジイソシアネート;2,6−ジイソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチル、1,6−ジイソシアナト−3−イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等が挙げられる。また、脂肪族ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
耐内容物性を確保するために、芳香族ポリイソシアネートを使用することも好ましい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
<インキ層>
インキ層は、インキで形成されている層であり、かつ基材積層体よりも表側に配置されている。インキ層としては、例えば、印刷層等が挙げられる。インキ層は、基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されていてよく、特に、基材積層体の表面の全てに配置されていてよい。ここで、シール部に対応する箇所とは、積層体を筒状にシールしてチューブに形成したときに、シール部となる積層体の領域をいう。本発明の特定の態様においては、インキ層が、基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されていることで、チューブのシーム部にさえも印刷パターンを形成し、特に、基材積層体の表面の全てに連続的な印刷パターンを形成して、チューブ容器の意匠性を確保することができる。
基材積層体の被印刷面を単一のインキで覆うことによりインキ層を形成してよく、また基材積層体の被印刷面に単一のインキ又は複数のインキを印刷して、パターン、グラデーションなどを有するインキ層を形成してもよい。
インキは、油性インキ又はUVインキでよいが、UVインキであることが好ましい。
UVインキは、紫外線硬化型インキであり、一般に、有機溶剤等の有機揮発性化合物を含まないので環境に優しく、瞬間的に硬化可能であり、かつ褪色し難い。したがって、UVインキは、生産性の向上及び生産時間の短縮に貢献し、かつ熱乾燥型インキと比較して省エネルギーである。
一般に、UVインキは、光重合性ポリマー、所望によりモノマー、光重合開始剤、及び着色料を含む。着色料としては、例えば、顔料、染料等が挙げられる。
UVインキは、耐光性及び耐熱性を有することが好ましく、また様々な表面特性を有する基材に対して、例えばポリオレフィン基材に対して、印刷再現性を確保するために、UVフレキソインキであることがより好ましい。
基材積層体に対するUVインキの密着性、及びインキの凝集力を向上させるために、ポリイソシアネートをUVインキに添加することも好ましい。ポリイソシアネートをUVインキに添加すると、インキ層と基材積層体の間、又はインキ層と接着剤層の間に、架橋構造を形成することができるので好ましい。なお、UVインキに含まれるポリイソシアネートは、上述の通り、2液型接着剤に含まれるものと同じでもよい。
さらに、チューブ用積層体に外力が加わるときにラミネート浮きを防ぐために、機能層支持層とインキ層との間の初期ラミネート強度は、約3.0N/15mm以上であることが好ましく、約6.0N/15mm以上であることがより好ましい。なお、本明細書では、初期ラミネート強度とは、ラミネートが終了してから30分後に測定したラミネート強度をいう。
基材積層体へのインキの印刷は、例えば、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、インクジェット印刷等の任意の印刷方式により行なわれることができる。中でも、凸版印刷が好ましく、フレキソ印刷がより好ましい。
<基材積層体>
基材積層体は、インキを印刷される層である。基材積層体は、複数の層が積層されている積層体でよく、複数の同じ種類の層を含んでもよい。
例えば、基材積層体は、少なくとも1つのフィルムと、随意に、接着剤層、樹脂層、バリア層、シーラント層及びこれらの組み合わせとを含んでよい。
基材積層体のインキとの密着性を向上させるために、基材積層体のインキ層と接する面は、ポリオレフィンで形成されていることが好ましい。このような態様では、表層とUVインキ層の間において、ラミネート強度が向上するため、チューブのシール部に強く発生する応力によって引き起こされる表層のラミネート浮きを防止することができる。これにより、チューブのシーム部にさえも印刷パターンを形成し、特に、基材積層体の表面の全てに連続的な印刷パターンを形成して、チューブ容器の意匠性を確保することができる。
基材積層体は、単数又は複数のポリオレフィンフィルムで形成されてもよい。さらに、基材積層体は、チューブ用積層体からチューブを形成したときにポリオレフィンフィルムが最内層となるように、ポリオレフィンフィルムを含むことがより好ましい。なお、ポリオレフィンフィルムは、上述の通り、機能層支持層に含まれるものと同じでもよい。
チューブ用積層体の強度を確保するために、基材積層体は、インキ層と接する面と最内層とを除く部分に、PETフィルムを含むことが好ましい。
基材積層体に含まれるバリア層としては、例えば、金属箔層、金属・無機物蒸着層等が挙げられる。
基材積層体に含まれるシーラント層は、例えば、LDPE、LLDPE等のポリオレフィンで形成されてよい。
<チューブ用積層体の製造方法>
チューブ用積層体は、以下の工程を含む方法により製造されることができる:
機能性材料を含む樹脂を機能層支持層に押し出して、機能層を形成する押出工程;
基材積層体にインキを印刷して、インキ層を形成する印刷工程;
基材積層体のインキ層側と、機能層支持層の機能層が形成されていない側とを接着して、チューブ用積層体を得る積層工程;及び
所望により、チューブ用積層体をエージングするエージング工程。
チューブ用積層体は、以下の工程を含む方法により製造されることもできる:
機能性材料を含まない樹脂を機能層支持層に押し出して、押出樹脂層を形成するか、又は機能性材料を含む樹脂を機能層支持層に押し出して、機能層を形成する押出工程;
押出樹脂層又は機能層の表面を機能性付与処理に供する機能性付与工程;
基材積層体にインキを印刷して、インキ層を形成する印刷工程;
基材積層体のインキ層側と、機能層支持層の機能層が形成されていない側とを接着して、チューブ用積層体を得る積層工程;及び
所望により、チューブ用積層体をエージングするエージング工程。
基材積層体のインキとの密着強度を向上させるために、ポリオレフィン表面を有する基材積層体を用意することが好ましい。ポリオレフィン表面のシール部に対応する箇所にインキを印刷してよく、特に、ポリオレフィン表面の全てにインキを印刷してよい。印刷工程は、任意の印刷方式で行われてよいが、UVフレキソインキを用いてフレキソ印刷により行なわれることが好ましい。
押出工程は、押出装置を用いて行なわれることができる。機能層支持層と押出樹脂又は機能性押出樹脂との接着性を向上させるために、押出工程前に、機能層支持層をコロナ処理に供し、かつ/又は機能層支持層にアンカーコート剤を塗布することが好ましい。
押出装置は、単一の押出機、及びTダイを有するシングル押出装置でよい。また、押出工程において、共押出装置を用いて、複数の樹脂を機能層支持層に押し出してもよい。
機能性付与工程は、例えば、エンボス装置等の粗化装置により行なわれることができる。
具体的には、押出工程及び機能性付与工程は、図4に示される押出ラインにより行なわれることができる。所望により、押出工程と機能性付与工程の順序を入れ替えてよい。また、機能性付与工程は、押出工程と別に行われるか、又は押出工程のインライン工程として行われてよい。
積層工程は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの2液型接着剤を用いて、ドライラミネートにより行なわれることができる。
エージング工程は、機能層支持層とインキ層の間のラミネート強度が実質的に変動しなくなるまで続けてよく、例えば、40℃で6日間に亘って行うことができる。
本発明のチューブ用積層体は、機能層支持層とインキ層の間におけるラミネート強度を向上させて、インキ層の凝集剥離を防止することができるだけでなく、チューブのシーム部にさえも印刷パターンを形成し、特に、基材積層体の表面の全てに連続的な印刷パターンを形成して、チューブ容器の意匠性を確保することもできる。したがって、フルプリントを胴部に備えるチューブ容器の提供を達成することができる。
<チューブ容器>
チューブ容器は、チューブ用積層体で形成された胴部を有する容器である。
チューブ容器には、薬品、化粧品、食品等の内容物を充填することができる。内容物としては、例えば、練り歯磨き、保湿クリーム、日焼け止め、シャンプー、ヘア・コンディショナー等が挙げられる。
チューブ容器は、以下の工程を含む方法により製造されることができる:
チューブ用積層体を、基材積層体の非インキ印刷部分が裏側を向くように丸めながら、積層体の端部同士を重ね合せてシールして、胴部を得る工程;及び
胴部の開口部の周縁に、肩部及びキャップ部を有する頭部を結合させて、チューブ容器を得る工程。
<チューブ用積層体の作製>
実施例1〜3及び比較例1について、下記表1に示される材料を用意した。
Figure 0006067193
表1中の用語の説明
押出LLDPE:「SP1071C」(厚さ:60μm)、株式会社プライムポリマー
帯電防止剤(アイオノマー)含有押出LDPE:80重量部のLDPEと20重量部の「エンティラ(登録商標)MK440(三井・デュポンポリケミカル株式会社)」とのドライブレンド
AC剤:アンカーコート剤(塗布量:0.5g/m
PETフィルム:「E5200」(厚さ:12μm)、東洋紡株式会社
L−103:LLDPEフィルムの商品名(厚さ:90μm、株式会社アイセロ)
TM−277:エステル系主剤の商品名(東洋モートン株式会社)
cat−RT86:脂肪族硬化剤の商品名(東洋モートン株式会社)
FDFL:紫外線硬化型フレキソインキの商品名(東洋インキ株式会社)
添加剤:ヘキサメチレンジイソシアネート
EAA:エチレン−アクリル酸コポリマー
EMAA:エチレン−メタクリル酸コポリマー
AL:アルミニウム箔層
層構成における括弧内の数字:μm単位の厚さ
クーリングロール:押出樹脂層または機能性押出樹脂層の表面にセミマット加工を施す場合にはセミマットロール(Ra:1.7μm、Rmax:12.5μm、Rz:17.0μm)を用い、セミマット加工を施さない場合には、ミラーロール(Ra:0.25μm、Rmax:2.63μm、Rz:1.78μm)を用いた。
基材積層体の表側にUVインキをフレキソ印刷して、インキ層を形成した。
実施例1〜3では、PETフィルムにAC剤を塗工した。比較例1では、PETフィルムの代わりにLLDPEフィルムを用いた。
実施例1及び3では、押出ラミネート機を用いて、PETフィルムのAC剤塗工面に機能性押出樹脂を押し出して、70μmの厚さを有する機能層を形成した。実施例2では、押出ラミネート機を用いて、PETフィルムのAC剤塗工面に押出樹脂を押し出して、60μmの厚さを有する押出樹脂層を形成した。比較例1では、LLDPEフィルム上に樹脂を押し出さなかった。
実施例2では、押出樹脂層にセミマット加工を施して、機能層を形成した。実施例3では、機能層にさらにセミマット加工を施した。
ドライラミネート装置を用いて、以下の製造条件に従って、実施例1〜3ではPETフィルムの機能層を形成していない側と基材積層体のインキ層側とを、比較例1ではLLDPEフィルムと基材積層体のインキ層側とを、接着剤を介してドライラミネートして、チューブ用積層体を得た。
(製造条件)
ライン速度:30m/分
接着剤塗布量:3.5g/m
実施例1で得られたチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、帯電防止剤含有押出LDPE(70)/AC剤/PET(12)//インキ層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
実施例2で得られたチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、セミマット加工−押出LLDPE(60)/AC剤/PET(12)//インキ層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
実施例3で得られたチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、セミマット加工−帯電防止剤含有押出LDPE(70)/AC剤/PET(12)//インキ層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
比較例1で得られたチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、LLDPE(90)//インキ層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)」という層構成を有していた。
なお、上記の層構成において、実施例2のセミマット加工−押出LLDPE(60)は、セミマット加工により押出樹脂層の表側にマット感が付与されていることを表し、実施例3のセミマット加工−帯電防止剤含有押出LDPE(70)は、セミマット加工により帯電防止性押出樹脂層の表側にマット感が付与されていることを表し、実施例1〜3及び比較例1のインキ層−LLDPE(50)は、基材積層体の表側にUVインキが印刷されていることを表す。
また、比較例2として、グラビア印刷層を有する市販のチューブ用積層体を用意した。このチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、LLDPE(35)/LLDPE/LDPE(20)/PET−インキ層/LDPE(25)/白色LDPE(100)/PETSiO(12)/EMAA/LLDPE(80)、という層構成を有していた。なお、PET−インキ層は、PET基材の裏側にインキが印刷されていることを表す。
実験1.機能層及び機能層支持層の検討
<チューブ用積層体の評価方法>
1.機能層支持層とインキ層の間の初期ラミネート強度測定
実施例1〜3及び比較例1のチューブ用積層体を作製してから30分後に、チューブ用積層体を幅15mm及び長さ150mmに切断して、試験片を得た。
試験片のそれぞれについて、東洋精機株式会社製ストログラフ(E−L用)を用いて、以下の測定条件に従って、機能層支持層とインキ層の間の初期ラミネート強度を測定した。
(測定条件)
掴み具間:50mm
引張速度:150mm/分
剥離の種類:T字剥離
2.エージング後のラミネート強度測定
実施例1〜3並びに比較例1及び2のチューブ用積層体を、40℃で6日間に亘ってエージングした。エージング後のチューブ用積層体を幅15mm及び長さ150mmに切断して、試験片を得た。
東洋精機株式会社製ストログラフ(E−L用)を用いて、初期ラミネート強度と同じ測定条件に従って、実施例1〜3及び比較例1の試験片については、機能層支持層とインキ層の間のエージング後のラミネート強度を測定し、そして比較例2の試験片については、「PET−インキ層」の印刷面と、その下層のLDPE層との間のエージング後のラミネート強度を測定した。
3.除電性の評価
チューブ用積層体からチューブ用胴部を作製した。半減期測定法(JIS L 1094)に従って、以下のように胴部の電荷半減期を測定した。
胴部を23℃の温度及び50%の相対湿度の環境下に24時間に亘って静置した。その後、スタティックオネストメーター(シシド静電気株式会社製「S−5109」)を用いて、胴部に10kVの電圧を印加してから、胴部の帯電圧が1/2に減衰するまでの時間を測定した。
胴部の除電性を以下の基準に従って評価した:
(基準)
○:胴部の帯電圧が1/2に減衰するまでの時間が10秒未満である。
×:胴部の帯電圧が1/2に減衰するまでの時間が10秒以上である。
4.汚れ付着性試験
チューブ用積層体からチューブ用胴部を作製した。胴部を23℃の温度及び50%の相対湿度の環境下に24時間に亘って静置した。その後、胴部をトナー式ダートチャンバー試験機の中に入れ、ファンを回転させて、5分間に亘って胴部に汚れを付着させた。その後、胴部を取り出して、胴部の汚れの水準を観察し、以下の基準に従って評価した:
(基準)
○:胴部に顕著な汚れがない。
×:胴部に顕著な汚れがある。
5.光沢度測定
JIS K 7105に従って、株式会社 村上色彩技術研究所社製「GROSS METER GM−3D」を用いて、チューブ用積層体の表側の光沢度を測定した。
6.手触り及び光沢の官能評価
チューブ用積層体の表側に手で触れるとともに、蛍光灯の下で目視観察し、以下の基準に従って評価した:
(基準)
◎:しっとりとした手触りであり、かつ、蛍光灯の映り込みがない。
○:さらっとした手触りであり、かつ、ぼんやりと蛍光灯が映り込む。
×:つるつるした手触りであり、かつ、映り込んだ蛍光灯の輪郭が分かる。
チューブ用積層体の評価結果を下記表2に示す。
Figure 0006067193
[表1及び2について]
実施例1〜3と比較例1との対比から、機能層を機能層支持層の表側に配置すると、機能性材料が接着剤層に影響することなく、機能層支持層とインキ層の間のラミネート強度を確保し、かつチューブ用積層体に帯電防止性及び/又はマット感を付与できることが分かる。
また、基材積層体のポリオレフィン(LLDPE)面にUVインキを表刷りしている実施例1〜3は、PET基材に裏刷りしているグラビア原反(比較例2)と比較して、インキ塗布面が柔軟なので、応力緩和により凝集剥離又は表層剥離を起こさず、エージング後も十分なラミネート強度を確保できることが分かる。
比較例2では、エージング後に、インキ層の凝集剥離又はPET層の表層劈開が観察された。したがって、比較例2のチューブ用積層体は、肩部等の成形時に端面に外力が加わると、表層剥離を起こすと予想される。
実験2.機能層及び機能層支持層の代わりにポリオレフィンフィルムを表層として有するチューブ用積層体の参考的検討
<チューブ用積層体の作製>
参考例1〜4及び比較参考例1について、下記表3に示される通りに、UVインキ、接着剤及び表層を用意した。
Figure 0006067193
表3中の用語の説明
FDFL:紫外線硬化型フレキソインキの商品名(東洋インキ株式会社製)
添加剤:ヘキサメチレンジイソシアネート
TM−277:エステル系主剤の商品名(東洋モートン株式会社製)
A−310:エステル系主剤の商品名(三井化学株式会社製)
A−620:エステル系主剤の商品名(三井化学株式会社製)
A−969V:エーテル系主剤の商品名(三井化学株式会社製)
cat−RT86:脂肪族硬化剤の商品名(東洋モートン株式会社製)
cat−10L:芳香族硬化剤の商品名(東洋モートン株式会社製)
A−3:芳香族硬化剤の商品名(三井化学株式会社製)
A−65:脂肪族硬化剤の商品名(三井化学株式会社製)
A−8:芳香族硬化剤の商品名(三井化学株式会社製)
L−103:LLDPEフィルムの商品名(アイセロ化学株式会社製:厚さ90μm)
表側から裏側に向かって順に、LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成(括弧内の数字は、μm単位の厚さを表す)を有する幅200mm及び長さ800mの基材を用意した。
基材の表側にUVインキをフレキソ印刷して、印刷層を形成した。
ドライラミネート装置を用いて、以下の製造条件に従って、接着剤を介して印刷層と表層とをドライラミネートして、チューブ用積層体を得た。
(製造条件)
ライン速度:30m/分
接着剤塗布量:3.5g/m
参考例1〜4及び比較参考例1については、チューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、LLDPE(90)//印刷層−LLDPE(50)/LDPE(80)/EAA(20)/AL(12)/EMAA(30)/PET(12)//LLDPE(100)、という層構成を有していた。
また、比較参考例2として、グラビア印刷層を有する市販のチューブ用積層体を用意した。市販のチューブ用積層体は、表側から裏側に向かって順に、LLDPE(35)/LLDPE/LDPE(20)/PET−印刷層/LDPE(25)/白色LDPE(100)/PETSiO(12)/EMAA/LLDPE(80)、という層構成を有していた。
<チューブ用積層体の評価方法>
1.表層(ポリオレフィン)とUVインキ層の間の初期ラミネート強度測定
参考例1〜4及び比較参考例1のチューブ用積層体を作製してから30分後に、チューブ用積層体を幅15mm及び長さ150mmに切断して、試験片を得た。
試験片のそれぞれについて、東洋精機株式会社製ストログラフ(E−L用)を用いて、以下の測定条件に従って、表層とUVインキ層の間の初期ラミネート強度を測定した。
(測定条件)
掴み具間:50mm
引張速度:150mm/分
剥離の種類:T字剥離
初期ラミネート強度の測定結果を下記表2に示す。
2.エージング後のラミネート強度測定
参考例1〜4並びに参考例1及び2のチューブ用積層体を、40℃で6日間に亘ってエージングした。
エージング後のチューブ用積層体を幅15mm及び長さ150mmに切断して、試験片を得た。
東洋精機株式会社製ストログラフ(E−L用)を用いて、初期ラミネート強度と同じ測定条件に従って、参考例1〜4及び比較例1の試験片については、表層とUVインキ層の間のエージング後のラミネート強度を測定し、そして比較参考例2の試験片については、PET−印刷層の印刷面と、その下層のLDPE層との間のエージング後のラミネート強度を測定した。
エージング後のラミネート強度の測定結果を下記表4に示す。
Figure 0006067193
[初期ラミネート強度について]
表4から、ポリエステル系主剤を使用した参考例1〜4では、ラミネート直後でも、十分なラミネート強度が得られることが分かる。
一方で、エーテル系主剤を使用した比較参考例1では、初期ラミネート強度が不十分なために、原反に応力が加わるとラミネート浮きが発生した。したがって、比較参考例1のチューブ用積層体は、ハンドリング性が不十分である。
[エージング後のラミネート強度について]
表4から、基材のポリオレフィン(LLDPE)面にUVインキを表刷りしている参考例1〜4は、PET基材に裏刷りしているグラビア原反(比較参考例2)と比較して、インキ塗布面が柔軟なので、応力緩和により凝集剥離又は表層剥離を起こさず、エージング後も十分なラミネート強度を確保できることが分かる。
比較参考例2では、エージング後に、インキ層凝集剥離又はPET表層剥離が観察された。したがって、比較参考例2のチューブ用積層体は、肩部などの成形時に端面に外力が加わると、表層剥離を起こすと予想される。
1 チューブ用積層体
2 表側
3 裏側
4 接着剤層
5 インキ層
6 ポリエチレンテレフタレート層
7 帯電防止剤を含む低密度ポリエチレンフィルム
8 その他の層又は積層体
9 押出し積層体
10 ドライラミネート体
11 アンカー剤層
12 ポリエチレン層
13 ポリプロピレン層
14 チューブ用積層体
15 機能層
16 機能層支持層
17 基材積層体
17a ポリオレフィン面
17b ポリオレフィン面以外の部分
18 押出ライン
19 ダイ
20 加圧ロール
21 機能層支持層基材
22 押出樹脂
23 粗化装置
x 流れ方向

Claims (9)

  1. 機能層、機能層支持層、接着剤層、インキ層及び基材積層体が、表側から裏側に向かってこの順に積層しており、前記接着剤層は、エステル部分を有するポリオールとポリイソシアネートとの2液型接着剤を含み、前記インキ層は、UVインキを含み、前記基材積層体の前記インキ層と接する面は、ポリオレフィンを含む、かつフルプリントを胴部に備えるチューブ容器を提供することができるチューブ用積層体。
  2. 前記機能層は、機能性材料を含む押出樹脂を含む、請求項1に記載のチューブ用積層体。
  3. 前記機能層は、粗化されている機能性材料を含まない押出樹脂又は機能性材料を含む、請求項1に記載のチューブ用積層体。
  4. 前記機能性材料は、帯電防止剤及び/又はマット化剤である、請求項2又は3に記載のチューブ用積層体。
  5. 前記機能層支持層と前記インキ層との間の初期ラミネート強度が、3.0N/15mm以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  6. 前記インキ層は、前記基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されている、請求項1〜のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  7. 前記インキ層は、前記基材積層体の表面の全てに配置されている、請求項1〜のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  8. 前記機能層は、ポリオレフィンを含み、前記インキ層は、前記基材積層体の表面のシール部に対応する箇所に配置されている、請求項1〜のいずれか1項に記載のチューブ用積層体。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のチューブ用積層体で形成された胴部を有するチューブ容器。
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