JP6058983B2 - ノンテンパリング型チョコレート - Google Patents

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本発明は、ノンテンパリング型チョコレートに関するものである。
チョコレートは、チョコレートのみからなる商品以外に、チョコレートと他の食品とを組み合わせた商品にも使用されている。チョコレートと他の食品とを組み合わせた商品において、チョコレートと菓子やパンとを組み合わせた商品は人気のある商品の一つである。チョコレートと菓子やパンとを組み合わせる方法としては、菓子やパンをチョコレートで被覆(コーティング)する方法が知られている。菓子やパンの被覆用チョコレートとしては、安価で口溶けが良いことから、ラウリン系油脂をベース油としたチョコレートが広く使用されている(例えば、特許文献1〜3)。
チョコレートに含まれる油脂のベース油として使用されるラウリン系油脂はラウリン酸型ハードバターとも呼ばれる。ラウリン酸型ハードバターはノンテンパリング型ハードバターに分類される。ノンテンパリング型ハードバターをベース油としたチョコレートはノンテンパリング型チョコレートに分類される。ノンテンパリング型チョコレートは、煩雑なテンパリング処理が不要で作業性が良いことから、製菓・製パン用のチョコレートとして広く使用されている。
しかしながら、ノンテンパリング型チョコレートは、ココアバターとの相溶性が悪いため、ココアバターを多く含むカカオマスやココアバターを多量に配合すると、チョコレートにブルームが発生する。従って、ノンテンパリング型チョコレートには、通常、カカオマスやココアバターを多量に配合することができなかった。チョコレート中のココアバターは、チョコレートの風味を豊かにするため、カカオマスやココアバターを多量に配合することができないノンテンパリング型チョコレートは、風味の面で劣るという欠点があった。
よって、従来のラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートは、安価で口溶け及び製造時の作業性が良いという反面、ココアバターの量が少ないために風味の面で劣るものであった。しかしながら、近年の消費者の嗜好性の向上から、ラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートにおいても、ココアバターをより多く配合した風味の良いものが求められるようになった。
以上のような背景から、ココアバター含量が高くても、ブルームが発生しにくい、ラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートの開発が求められていた。
特開平7−247496号公報 特開平10−108624号公報 特開2009−17821号公報
本発明の目的は、ココアバター含量が高くても、ブルームが発生しにくい、ラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、チョコレートに含まれる油脂に特定の油脂を配合すると、ココアバター含量が高くても、ブルームが発生しにくい、ラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、チョコレートに含まれる油脂が下記(a)から(c)の条件を満たすノンテンパリング型チョコレートである。
(a)ココアバターの含量が15〜45質量%
(b)ラウリン系油脂の含量が45〜75質量%
(c)炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂の含量が2.1〜12質量%
本発明の第2の発明は、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を0.01〜2質量%含有する第1の発明に記載のノンテンパリング型チョコレートである。
本発明の第3の発明は、チョコレートに含まれる油脂の固体脂含量が10℃で65〜85%、20℃で25〜45%、30℃で2〜15%である第1の発明又は第2の発明に記載のノンテンパリング型チョコレートである。
本発明の第4の発明は、前記ノンテンパリング型チョコレートが被覆に用いられる第1の発明〜第3の発明のいずれか1つの発明に記載のノンテンパリング型チョコレートである。
本発明の第5の発明は、第1の発明〜第4の発明のいずれか1つの発明に記載のノンテンパリング型チョコレートと、菓子又はパンとを組み合わせた複合食品である。
本発明の第6の発明は、ノンテンパリング型チョコレートが菓子又はパンに被覆されている第5の発明に記載の複合食品である。
本発明の第7の発明は、冷蔵温度域で保存する第5の発明又は第6の発明に記載の複合食品である。
本発明の第8の発明は、前記菓子がシュー菓子である第5の発明〜第7の発明のいずれか1つの発明に記載の複合食品である。
本発明によると、ココアバター含量が高くても、ブルームが発生しにくい、ラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートを提供することができる。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、チョコレートに含まれる油脂が下記(a)から(c)の条件を満たすものである。
(a)ココアバターの含量が5〜55質量%
(b)ラウリン系油脂の含量が35〜90質量%
(c)炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂の含量が1〜12質量%
本発明においてチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規上の規定により限定されるものではなく、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、成形工程、冷却工程等の全部乃至一部)を経て製造されたもののことである。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート、カラーチョコレートも含むものである。
また、本発明においてノンテンパリング型チョコレートとは、テンパリング処理を行わずに製造したチョコレートのことである。
本発明においてチョコレートに含まれる油脂とは、チョコレート中の全油脂分のことであり、配合される油脂の他に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等)中の油脂(ココアバター、乳脂等)も含むものである。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のココアバターの含量(条件(a))が5〜55質量%であり、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜45質量%である。ココアバター含量が前記範囲にあると、チョコレートが風味の豊かなものとなる。通常、ラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートは、油脂中のココアバター含量が5質量%以上になると、ブルームが発生しやすくなる。しかしながら、本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、油脂中のココアバター含量が5質量%以上であっても、ブルームが発生しにくいものである。
なお、本発明においてココアバターは、カカオマス、ココアパウダー等の含油原料由来のココアバターも含むものである。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のラウリン系油脂の含量(条件(b))が35〜90質量%であり、好ましくは40〜80質量%であり、より好ましくは45〜75質量%である。ラウリン系油脂含量が前記範囲にあると、チョコレートがラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートとなる。
なお、本発明においてラウリン系油脂とは、構成脂肪酸中のラウリン酸含量が30質量%以上の油脂のことである。ラウリン系油脂の構成脂肪酸中のラウリン酸含量は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは40〜60質量%である。ラウリン系油脂の具体例としては、パーム核油、ヤシ油やこれらの加工油脂(分別油、硬化油(水素添加油)、エステル交換油)等が挙げられる。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中の炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂の含量(条件(c))が1〜12質量%であり、好ましくは2〜10質量%であり、より好ましくは2〜8質量%である。炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂含量が前記範囲にあると、チョコレートはブルームが発生しにくいものとなる。
炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂は、飽和脂肪酸含量が好ましくは95質量%以上であり、より好ましくは98質量%以上である。また、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂は、炭素数16〜18の飽和脂肪酸が好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは98質量%以上である。炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂の具体例としては、パーム油、大豆油、菜種油、ハイエルシン菜種油やこれらの加工油脂(分別油、エステル交換油)等の植物油を完全水添することで得られる植物油の極度硬化油が挙げられ、好ましくはパーム油の極度硬化油、大豆油の極度硬化油、菜種油の極度硬化油である。
なお、油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて行うことができる。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、チョコレートに含まれる油脂の固体脂含量(以下、SFCとする)が好ましくは10℃で60〜90%、20℃で10〜50%、30℃で0〜25%であり、より好ましくは10℃で62〜88%、20℃で15〜48%、30℃で2〜20%であり、更に好ましくは10℃で65〜85%、20℃で23〜45%、30℃で2〜15%である。SFCが前記範囲にあると、チョコレートと組み合わせた複合食品を包装袋に入れた場合、チョコレートの包装袋へのベタ付きがより少ないものとなる。
なお、油脂のSFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定することができる。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートには、ココアバター、ラウリン系油脂、飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂以外にも、通常チョコレートに使用される油脂を配合することもできる。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、油脂含量が好ましくは30〜70質量%、より好ましくは35〜65質量%、更に好ましくは40〜60質量%である。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、好ましくは乳化剤を含有する。乳化剤の具体例は、レシチン、リゾレシチン、酵素分解レシチン等のレシチン類、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらの乳化剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上、より好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する。本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤を、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.15〜1.5質量%であり、更に好ましくは0.35〜1質量%含有する。ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤を前記した範囲で含有すると、チョコレートはブルームが発生しにくいものとなる。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、油脂、乳化剤以外にも、チョコレートに一般的に配合される原料を使用することができる。例えば、ショ糖(砂糖、粉糖)、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、液糖、酵素転化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖ポリデキストロース、オリゴ糖、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、イソマルツロース、ラフィノース、デキストリンなどの糖類、全脂粉乳、脱脂粉乳等の乳製品、カカオマス、ココアパウダー等のカカオ成分、大豆粉、大豆蛋白、果実加工品、野菜加工品、抹茶粉末、コーヒー粉末等の各種粉末、ガム類、澱粉類、酸化防止剤、着色料、香料等を挙げることができる。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、カカオマス含量が好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜45質量%であり、更に好ましくは20〜40質量%である。カカオマス含量が前記範囲にあると、チョコレートが風味の豊かなものとなる。通常、ラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートは、カカオマス含量が10質量%以上になると、ブルームが発生しやすくなる。しかしながら、本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、カカオマス含量が10質量%以上となっても、ブルームが発生しにくいものである。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、テンパリング処理を行わずに製造することを特徴としており、それ以外は従来公知の方法により製造することができる。本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、例えば、油脂、カカオ成分、糖類、乳化剤等の原料をとして、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)、成形工程、冷却工程等を経て製造することができる。
通常、ノンテンパリング型チョコレートは、菓子、パン等に被覆(コーティング)した時にブルームが発生しやすい。このため、本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、被覆用チョコレートに適している。
本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、ラウリン系油脂をベース油としたものであるが、ココアバター含量が高くても、ブルームが発生しにくいものである。本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、特に冷蔵温度域(好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃、更に好ましくは5〜10℃)での保存において、ブルームを発生しにくいものである。更に、本発明の実施の形態に係るノンテンパリング型チョコレートは、イレギュラーで冷蔵温度域を外れた20℃くらいの温度で多少放置されても、ブルームを発生しにくいものである。
本発明の実施の形態に係る複合食品は、本発明の実施の形態に係るノンテパリング型チョコレートと、菓子又はパンとを組み合わせたことを特徴としている。ノンテパリング型チョコレートと、菓子やパンとを組み合わせる方法としては、接着、被覆、挟む、注入、埋没、トッピング等が挙げられるが、好ましくは被覆である。
本発明の実施の形態に係る複合食品は、本発明の実施の形態に係るノンテパリング型チョコレートを用いること以外は、従来公知の方法により製造することができる。
本発明の実施の形態に係る複合食品において、本発明の実施の形態に係るノンテパリング型チョコレートと組み合わせる菓子やパンの具体例としては、シュー菓子(エクレア、シュークリーム等)、パイ、ワッフル等の洋生菓子、スポンジケーキ類(ショートケーキ、ロールケーキ、デコレーションケーキ、トルテ、シフォンケーキ等)、バターケーキ類(パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等)、ビスケット、クッキー、クラッカー、プレッツェル、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン、ラスク等の焼菓子、菓子パン、フランスパン、シュトーレン、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、クロワッサン等のパン類が挙げられるが、好ましくはシュー菓子である。
本発明の実施の形態に係る複合食品は、好ましくは冷蔵温度域(好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃、更に好ましくは5〜10℃)で保存(流通(輸送)、保管)する。本発明の実施の形態に係る複合食品は、冷蔵温度域での保存において、チョコレートがブルームを発生しにくいものである。本発明の実施の形態に係る複合食品は、冷蔵温度域で保存することが好ましいが、イレギュラーで冷蔵温度域を外れた20℃くらいの温度で多少放置されても、チョコレートがブルームを発生しにくいものである。
本発明の実施の形態に係る複合食品は、チョコレートがラウリン系油脂をベース油としたものであるが、ココアバター含量が高くても、チョコレートがブルームを発生しにくいものである。本発明の実施の形態に係る複合食品は、特に冷蔵温度域での保存において、チョコレートがブルームを発生しにくいものである。更に、本発明の実施の形態に係る複合食品は、イレギュラーで冷蔵温度域を外れた20℃くらいの温度で多少放置されても、チョコレートがブルームを発生しにくいものである。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔分析方法〕
油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて行った。
油脂のSFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定した。
油脂は以下のものを使用した。
パーム核油の硬化油(ラウリン酸含量47.9質量%、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量21.6質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量21.4質量%)
ヤシ油(ラウリン酸含量47.4質量%、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量12.3質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量12.2質量%)
大豆油の極度硬化油(ラウリン酸含量0質量%、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量99.8質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量98.7質量%)
パーム油の極度硬化油(ラウリン酸含量0.2質量%、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量98.3質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量97.6質量%)
ハイエルシン菜種油の極度硬化油(ラウリン酸含量0質量%、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量99.9質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量41.5質量%)
パーム油の硬化油(ラウリン酸含量0.3質量%、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量59.5質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量58.9質量%)
乳化剤は以下のものを使用した。
ポリグリセリン脂肪酸エステル1(商品名:SYグリスターGP−170、阪本薬品工業株式会社製)
ポリグリセリン脂肪酸エステル2(商品名:SYグリスターHB−750、阪本薬品工業株式会社製)
ソルビタン脂肪酸エステル(商品名:ポエムB−150、理研ビタミン株式会社製)
ショ糖脂肪酸エステル1(商品名:リョートーシュガーエステルS−170、三菱化学フーズ株式会社製)
ショ糖脂肪酸エステル2(商品名:リョートーシュガーエステルPOS−135、三菱化学フーズ株式会社製)
〔チョコレートの製造及び評価1〕
表1〜4の配合で常法(混合、微粒化、精練、冷却)により、テンパリング処理を行わずにチョコレート(ノンテンパリング型チョコレート)を製造した(配合の単位は質量部、含量の単位は質量%、SFCの単位は%である。)。得られたチョコレートを融解させ、市販のシュークリームにコーティングし、5℃の冷蔵庫で3分間冷却することで、チョコレートコーティングシュークリームを得た。
チョコレートコーティングシュークリームを食した時のチョコレートの風味を以下の基準に従い評価した。チョコレートコーティングシュークリームをそのまま10℃で7日間、20℃で3日間保存し、目視にてブルームの発生を以下の基準に従い評価した。風味は3点以上である場合を良いと判断した。ブルームの発生は3点以上である場合を良いと判断した。評価結果を表1〜4に示す。
<風味の評価基準>
4点:非常に良い
3点:良い
2点:普通
1点:悪い
<ブルームの評価基準>
6点:出ていない
5点:部分的に僅かに出ている
4点:部分的に少し出ている
3点:全体的に少し出ている
2点:全体的にかなり出ている
1点:全体的に激しく出ている
Figure 0006058983
Figure 0006058983
Figure 0006058983
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表1〜4から分かるように、実施例のチョコレートは、ココアバター含量が高いラウリン系油脂をベース油としたノンテンパリング型チョコレートであるにもかかわらず、10℃ではブルームが発生せず、ブルームがより発生やすい20℃でもブルームの発生が抑制されていた。
一方、表1、3から分かるように、比較例のチョコレートは、ブルームがより発生やすい20℃でブルームがかなり発生した。
〔チョコレートの評価2〕
実施例6、7のチョコレートコーティングシュークリームを透明フィルムの包装袋に入れ、10℃で7日間保存し、目視にて包装袋の汚れを評価した。
実施例6は包装袋に汚れはなかったが、実施例7は包装袋に汚れが認められた。

Claims (8)

  1. チョコレートに含まれる油脂が下記(a)から(c)の条件を満たすノンテンパリング型チョコレート。
    (a)ココアバターの含量が15〜45質量%
    (b)ラウリン系油脂の含量が45〜75質量%
    (c)炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が90質量%以上である油脂の含量が2.1〜12質量%
  2. ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を0.01〜2質量%含有する請求項1に記載のノンテンパリング型チョコレート。
  3. チョコレートに含まれる油脂の固体脂含量が10℃で65〜85%、20℃で23〜45%、30℃で2〜15%である請求項1又は請求項2に記載のノンテンパリング型チョコレート。
  4. 前記ノンテンパリング型チョコレートが被覆に用いられる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のノンテンパリング型チョコレート。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のノンテンパリング型チョコレートと、菓子又はパンとを組み合わせた複合食品。
  6. ノンテンパリング型チョコレートが菓子又はパンに被覆されている請求項5に記載の複合食品。
  7. 冷蔵温度域で保存する請求項5又は請求項6に記載の複合食品。
  8. 前記菓子がシュー菓子である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の複合食品。
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