JP6054762B2 - 電磁弁 - Google Patents
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Description
まず、本発明に係る電磁弁が適用される油圧式バルブタイミング制御装置について説明すれば、このバルブタイミング制御装置1は、図1に示すように、図外のエンジンの例えば吸気側のカムシャフト2に設けられ、油圧を利用して図外のクランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相を連続的に変化させる位相変換機構3と、該位相変換機構3に油圧を給排する油圧給排手段4と、該油圧給排手段の作動を制御する制御手段である電子コントロールユニット(ECU)5と、を備えている。
前記ソレノイド構成部11は、磁性体により略円筒状に形成されたヨーク12と、該ヨーク12の内周側に収容配置されたコイル13と、その一端部に有する各フランジ部14b,15bを介してヨーク12の各端部に固定されると共にその他端側の各筒状部14a,15aがコイル13の内周側に収容され当該内周側にて互いに対峙するよう配置された磁性体からなる第1固定鉄心14及び第2固定鉄心15と、該第2固定鉄心15の内周側に摺動自在に収容配置された磁性体からなる可動鉄心であるアマチュア16と、前記第1固定鉄心14の内周側に収容された部材であって一端面が後記のスプール23の他端面に当接すると共に当該部材の他端面が前記アマチュア16の一端面に当接するように設けられた非磁性体からなるロッド17と、を備えている。
前記バルブ構成部21は、その略全体が図外のシリンダヘッドに嵌挿され、前記各通路L1〜L4に接続される後記の各ポートP1〜P4を有するバルブボディ22と、該バルブボディ22内に摺動自在に収容配置され当該バルブボディ22内の軸方向位置によって前記各ポートP1〜P4の連通状態を切り替えるスプール23と、を備えている。
以下、本実施形態に係る電磁弁EVの作用について、図2,図8及び図9に基づいて説明する。
まず、前記電磁弁EVは、例えば機関始動時ないしアイドル運転時など電子コントロールユニット5からコイル13に制御電流が通電されない状態では、スプール23にはリターンスプリング26の付勢力のみが作用するため、当該スプール23は、図2に示すように、ロッド17を介してアマチュア16を押しのけて、X軸負方向側へと最大偏倚した、最も後退した状態となる。このような状態にあっては、前記両ポートP1,P2に対し前記両ランド部31,32がX軸負方向側に偏倚した状態となり、遅角ポートP1が導入室27を介して導入ポートP3と連通する一方、進角ポートP2が排出孔23dを介して排出ポートP4と連通することとなる。これによって、位相変換機構3においては、遅角室Prに作動油が供給されると共に、進角室Paの作動油が排出されることとなり、カムシャフト2の相対回転位相が最遅角側に制御され、機関の良好な始動性や、アイドル運転時の機関の安定性及び燃費向上などに供される。
続いて、例えば通常運転に移行して所定の運転状態で保持されることになると、スプール23を中間位置で保持するような所定の制御電流がコイル13に通電され、該コイル13の周囲に磁界が発生し、このコイル23の周囲に設けられたヨーク12及び第1,第2固定鉄心14、15に形成された磁束に基づいてアマチュア16が第1固定鉄心14側へと吸引されることとなる。すなわち、アマチュア16がロッド17を介してスプール23を押しのけるようにリターンスプリング26の付勢力に抗してX軸正方向側へ進出移動することで、スプール23が図8に示すような中間位置へ進出した状態となる。かかる状態では、遅角ポートP1が第1ランド部31により閉塞されると共に、進角ポートP2が第2ランド部32により閉塞されることとなる。これによって、位相変換機構3においては、遅角室Pr及び進角室Paの両室内の油圧が保持され、例えばポンプ8等の無駄なエネルギ消費の削減に供される。
さらに、例えば高回転運転状態へと移行した場合などは、最大の制御電流がコイル13に通電され、前記吸引力が最大となることから、図9に示すように、アマチュア16,ロッド17及びスプール23がリターンスプリング26の付勢力に抗してX軸正方向側へさらに進出することにより、X軸正方向側へと最大偏倚した、最も進出した状態となる。かかる状態では、前記両ポートP1,P2に対し前記両ランド部31,32がX軸正方向側へ偏倚した状態となって、遅角ポートP1がドレン室25,連通孔23e及び排出孔23c,排出通路23bを介し排出ポートP4と連通する一方、進角ポートP2が導入室27を介して導入ポートP3と連通することとなる。これによって、位相変換機構3においては、遅角室Prの作動油が排出されると共に、進角室Paに作動油が供給されることとなり、カムシャフト2の相対回転位相が最進角側に制御され、機関の高出力化に供される。
11…ソレノイド構成部
21…バルブ構成部
22…バルブボディ
22b…第1スプリング係止部
23…スプール
23b…排出通路
23c,23d…排出孔
23e…連通孔
24…スプール収容室
30…第1小径部
31…第1ランド部
31a,32a…隔壁部
32…第2ランド部
33…第2小径部
P1…遅角ポート
P2…進角ポート
P3…導入ポート
P4…排出ポート
Claims (3)
- 油圧源に連通する供給通路と、第1通路と、第2通路とに夫々連通する複数の環状溝を内周に有すると共に、軸方向一端にドレン通路に連通する開口部を有する円筒状のバルブボディと、
該バルブボディ内に軸方向に摺動自在に設けられ、一対の大径部と、該大径部の間に設けられた小径部と、前記開口部に連通する軸方向穴と、夫々の前記大径部に設けられ、外周側から該軸方向穴に貫通する貫通穴とを有するスプールと、
前記バルブボディの他端に固定され、通電することにより、アマチュアを吸引して、前記スプールを軸方向に移動させる電磁ソレノイドと、
前記アマチュアの吸引方向と逆方向に付勢力を生じさせるコイルスプリングと、
を備え、
前記スプールが前記バルブボディ内を摺動することによって、前記供給通路と、前記第1通路及び前記第2通路の連通状態を制御すると共に、前記第1通路及び前記第2通路と前記ドレン通路との連通状態を制御する電磁弁であって、
前記貫通穴は、前記大径部の周方向に複数設けられると共に、周方向に延びるスリット状に形成され、
前記大径部の前記貫通穴間の外周側の幅長は、前記軸方向穴に面する内周側の幅長よりも大きいことを特徴とする電磁弁。 - 油圧源に連通する供給通路と、第1通路と、第2通路とに夫々連通する複数の環状溝を内周に有すると共に、軸方向一端にドレン通路に連通する開口部を有する円筒状のバルブボディと、
該バルブボディ内に軸方向に摺動自在に設けられ、一対の大径部と、該大径部の間に設けられた小径部と、前記開口部に連通する軸方向穴と、夫々の前記大径部に設けられ、外周側から該軸方向穴に貫通する貫通穴とを有するスプールと、
前記バルブボディの他端に固定され、通電することにより、アマチュアを吸引して、前記スプールを軸方向に移動させる電磁ソレノイドと、
前記アマチュアの吸引方向と逆方向に付勢力を生じさせるコイルスプリングと、
を備え、
前記スプールが前記バルブボディ内を摺動することによって、前記供給通路と、前記第1通路及び前記第2通路の連通状態を制御すると共に、前記第1通路及び前記第2通路と前記ドレン通路と連通状態を制御する電磁弁であって、
前記貫通穴は、前記大径部の周方向に複数設けられると共に、前記スプールの軸線に直交する断面において円弧状に切り欠かれていることを特徴とする電磁弁。 - 通路に連通する環状溝を内周に有すると共に、軸方向一端にも通路が連通する開口部を有する筒状のバルブボディと、
該バルブボディ内に軸方向に摺動自在に設けられ、前記開口部に連通する軸方向穴と、外周側から該軸方向穴に貫通する貫通穴とを有するスプールと、
前記バルブボディの他端に固定され、通電することにより、アマチュアを吸引して、前記スプールを軸方向に移動させる電磁ソレノイドと、
前記アマチュアの吸引方向と逆方向に付勢力を生じさせる付勢部材と、
を備え、
前記スプールが前記バルブボディ内を摺動することによって、通路の連通状態を制御する電磁弁であって、
前記貫通穴は、前記スプールの周方向に複数設けられると共に、外周側の周方向幅が内周側の周方向幅より大きくなる部分を有していることを特徴とする電磁弁。
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