JP6054493B1 - エレベータの非接触給電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの充電完了後にホール呼びにできるだけ早く応答して待ち時間を短縮する。【解決手段】一実施形態に係るエレベータの非接触給電システムは、給電制御部24と運転制御部22とを備える。給電制御部24は、バッテリの充電量が一定値以下に低下した場合に、乗りかご内に乗客がいない状態のときに、ホール呼びの有無に応じて各給電階の中で乗りかごを停止させる給電階を給電先として選択する。運転制御部22は、給電先として選択された給電階に乗りかごを移動させてバッテリを充電し、充電が完了した時点で乗りかごを通常運転に復帰させる。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータの運転に必要な電力を非接触で給電するエレベータの非接触給電システムに関する。
近年、非接触給電技術への関心が高まり、様々な分野で利用されるようになってきた。非接触給電技術は主に電磁誘導の原理を利用しており、一次側コイルに発生させた交流磁束を二次側コイルに印加させて起電力を発生させることで、電力を非接触で伝送する技術である。
エレベータでは、乗りかごで消費する電力を非接触で給電することでコードレス化が考えられている。この場合、乗りかごには非接触で給電された電力を蓄えておくためのバッテリが備えられる。このバッテリに蓄えられた電力を使用して乗りかご内の機器類(照明機器,ドアなど)を駆動する。
特開2011−210770号公報
上述したエレベータにおいて、乗りかごの運転中にバッテリの残量が少なくなると、最寄りの給電階で非接触給電を行い、バッテリを充電する。充電完了後、乗りかごを通常運転に復帰させてホール呼びに応答させる。しかしながら、ホール呼びの登録階から離れた場所で給電を行っていると、ホール呼びの応答に時間を要し、乗客を長く待たせてしまうことがある。
本発明が解決しようとする課題は、乗りかごにバッテリを備えたエレベータにおいて、バッテリの充電完了後にホール呼びにできるだけ早く応答して待ち時間を短縮することのできるエレベータの非接触給電システムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータの非接触給電システムは、乗りかごにバッテリを有し、給電装置が設置された複数の給電階のいずれかで上記乗りかごに非接触で給電して上記バッテリを充電する。
上記非接触給電システムは、上記バッテリの充電量が一定値以下に低下した場合に、上記乗りかご内に乗客がいない状態のときに、ホール呼びの有無に応じて上記各給電階の中で上記乗りかごを停止させる給電階を給電先として選択する給電制御手段と、この給電制御手段によって給電先として選択された給電階に上記乗りかごを移動させて上記バッテリを充電し、充電が完了した時点で上記乗りかごを通常運転に復帰させる運転制御手段とを具備し、上記給電制御手段は、ホール呼びが登録されている場合には、上記乗りかごの現在位置と上記ホール呼びの登録階との位置関係に基づいて上記各給電階の中から上記ホール呼びの応答に適した給電階を給電先として選択する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの非接触給電システムの構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるエレベータの乗場の構成を示す図である。 図3は同実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。 図4は同実施形態におけるバッテリ充電時の乗りかごの動きを説明するための図である。 図5は同実施形態におけるバッテリ充電時の乗りかごの動きを説明するための図である。 図6は第2の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。 図7は同実施形態におけるバッテリ充電時の乗りかごの動きを説明するための図である。 図8は第3の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。 図9は同実施形態におけるバッテリ充電時の乗りかごの動きを説明するための図である。 図10は第4の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。 図11は同実施形態におけるバッテリの充電量と充電完了の判断基準である閾値との関係を示す図である。 図12は第5の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。 図13は同実施形態におけるバッテリ充電時の乗りかごの動きを説明するための図である。 図14は第6の実施形態に係るエレベータの非接触給電システムの構成を示す図である。 図15は同実施形態におけるエレベータの乗場の構成を示す図である。 図16は同実施形態におけるエレベータの乗場に設けられた表示器の表示例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの非接触給電システムの構成を示す図である。なお、図1の例では、3台のエレベータが群管理された構成が示されているが、この構成に限定されるものではない。また、ここで言うエレベータとは、主として乗りかごのことであり、複数台存在する場合には「号機」という言い方もする。
号機制御装置11a,11b,11cは、各号機(A,B,C号機)の乗りかご12a,12b,12cに対応して設けられており、図示せぬ巻上機の駆動制御やドアの開閉制御などを含む号機単体での制御を行う。乗りかご12a,12b,12cは、図示せぬ巻上機の駆動により昇降路内を昇降動作する。
各階の乗場には、それぞれにホール呼び登録装置13とランタン14、チャイム15が設置されている。ホール呼び登録装置13は、乗場にて乗客がホール呼びを登録するための装置であり、行先方向(上方向/下方向)を指定するための上方向ボタンと下方向ボタンを有する。なお、最上階に設置されたホール呼び登録装置13は下方向ボタンのみを有し、最下階に設置されたホール呼び登録装置13は上方向ボタンのみを有する。
「ホール呼び」とは、各階の乗場で登録された呼びの信号のことであり、登録階と行先方向の情報を含む。これに対し、「かご呼び」とは、かご室内で登録された呼びの信号のことであり、行先階の情報を含む。
ランタン14は、上下2つに分割された点灯部を有し、上または下の点灯部の点灯により乗りかご12a,12b,12cの到着を通知する。チャイム15は、ランタン14の点灯に連動し、チャイム音の発生により乗りかご12a,12b,12cの到着を通知する。
なお、実際には、図2に示すように、各号機毎にランタン14a,14b,14cと、チャイム15a,15b,15cが設けられている。また、図2の例では、各号機毎にホール呼び登録装置13a,13b,13cが設けられているが、各階で少なくとも1つあれば良い。ホール呼び登録装置13a,13b,13c、ランタン14a,14b,14c、チャイム15a,15b,15cは、それぞれに各号機のホールドア16a,16b,16cの近傍に設置されている。
ホール呼び登録装置13によってホール呼びの登録が行われると、行先方向(上方向/下方向)と登録階(乗客が登録操作を行った階)の2つの情報を1つの組とした呼び情報が群管理制御装置20へ出力される。
群管理制御装置20は、各号機(乗りかご12a,12b,12c)の運転を群管理制御する装置である。この群管理制御装置20には、呼び管理部21、運転制御部22、通知部23、給電制御部24が備えられている。これらは、マイクロプロセッサ上のソフトウェアにて実行される処理部であり、図1のように各部間で情報の授受が可能となっている。
なお、ここでは便宜上、呼び管理部21、運転制御部22、通知部23、給電制御部24のすべてを群管理制御装置20に配置して記述したが、必ずしも同一装置に配置する必要はなく、別々の装置に配置するものであっても良い。
呼び管理部21は、ホール呼び登録装置13によって登録されたホール呼びの情報(行先方向と登録階)と、そのホール呼びが割り当てられた号機(割当号機)とを関連付けてテーブル21aに記憶する。
運転制御部22は、各号機の運行情報(かご位置、運転方向、戸開閉状態など)に基づいてホール呼びを割り当てる最適な号機を選出し、その号機を割当号機として登録階に応答させる。なお、割当て方法については、一般的に知られている方法を用いるものとする。一般的には、例えば各号機の乗りかごの位置や方向などの情報に基づいて評価値を求め、最も評価が高い評価値を有する号機を最適号機として割り当てる方法などが用いられる。
通知部23は、割当号機が登録階に到着したときに当該割当号機に対応したランタン14の上または下の点灯部を点灯すると共にチャイム15を駆動して、当該割当号機の到着を知らせる。
以上は、一般的なエレベータの群管理システムの構成である。本実施形態では、このエレベータの群管理システムに非接触給電方式が適用されている。
すなわち、昇降路内に各号機に対応した給電装置31a,31b,31cが複数箇所に設置されている。これらの給電装置31a,31b,31cは、それぞれに各号機の乗りかご12a,12b,12cに対して所要の電力を非接触で給電する。給電装置31a,31b,31cの設置位置は、例えば最下階(基準階)、中間階、最上階などである。給電装置31a,31b,31cが設置された階を「給電階」と呼ぶ。
なお、交通需要の高い階を給電階として設定することが好ましい。これは、乗りかごの停止回数が多く、そこで給電するタイミングが増えるからである。また、各号機毎に給電階を変えることでも良い。
各号機の乗りかご12a,12b,12cには、それぞれに受電装置32a,32b,32cとバッテリ33a,33b,33cが設けられている。受電装置32aは、昇降路側の給電装置31aと対向した状態で受電装置32aから非接触で給電される電力を受けてバッテリ33aに蓄える。バッテリ33aに蓄えられた電力は、かご内の各種機器(例えば照明機器やドアモータなど)に使用される。
受電装置32b,32cについても同様であり、受電装置32bは、昇降路側の給電装置31bと対向した状態で給電装置31bから非接触で給電される電力を受けてバッテリ33bに蓄える。受電装置32は、昇降路側の給電装置31cと対向した状態で受電装置32cから非接触で給電される電力を受けてバッテリ33cに蓄える。
なお、非接触給電の方式としては、例えば電磁誘導方式が用いられる。「電磁誘導方式」は、2つの隣接するコイルの一方(給電側コイル)に電流を流したときに発生する磁束を媒介として他方のコイル(受電側コイル)に送電する方式である。この他に、電流を電磁波に変換し、アンテナを介して送電する「電波方式」や、電磁界の共鳴現象を利用した「電磁界共鳴方式」などがあるが、本発明ではこれらの方式に特に限定されるものではない。
群管理制御装置20に設けられた給電制御部24は、各号機のバッテリ33a,33b,33cの充電状態を管理している。具体的には、バッテリ33a,33b,33cの電圧値を号機制御装置11a,11b,11cから取得し、それぞれの電圧値からバッテリ33a,33b,33cに現在残っている電力を充電量として検出する。
ここで、例えばA号機のバッテリ33aの充電量(残量)が一定値以下に低下した場合に、給電制御部24は、乗りかご12a内に乗客がいない状態のときに、ホール呼びの有無に応じて各給電階の中で乗りかご12aを停止させる給電階を給電先として選択する。上記一定値とは、例えば各階に停止しながら一往復できる程度の充電量であり、例えばフル充電の20%であるとする。
ホール呼びが登録されている場合には、給電制御部24は、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との位置関係に基づいて各給電階の中から当該ホール呼びの応答に適した給電階を給電先として選択する。ホール呼びが登録されていない場合には、給電制御部24は、各給電階の中で乗りかご12aの最寄りの給電階を給電先として選択する。
運転制御部22は、給電制御部24によって給電先として選択された給電階に乗りかご12aを移動させてバッテリ33aを充電し、充電が完了した時点で乗りかご12aを通常運転に復帰させる。「通常運転」とは、呼び(ホール呼び/かご呼び)に応答して各階を移動する運転のことである。
B号機,C号機についても同様である。B号機については、乗りかご12bに設けられたバッテリ33bの充電量(残量)が一定値以下に低下した場合に同様の給電制御が行われる。C号機については、乗りかご12cに設けられたバッテリ33cの充電量(残量)が一定値以下に低下した場合に同様の給電制御が行われる。
なお、図1の例では、群管理制御装置20に給電制御部24を設けたが、号機制御装置11a,11b,11cに給電制御部24を設けることでも良い。この場合、号機制御装置11a,11b,11cのそれぞれが自号機のバッテリの充電状態を管理し、充電量が一定値以下になった場合に上記同様の給電制御を行う。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
図3は第1の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。群管理制御装置20に設けられた給電制御部24は、各号機のバッテリ33a,33b,33cの充電状態を管理しており、バッテリの充電量が一定値以下の号機が検出された場合に当該号機にして給電を行う。
ただし、給電を行うタイミングは、当該号機の乗りかご内に乗客がいないときである。乗りかご内の乗客の有無は、例えばかご呼びの登録状態やかご積載荷重などから検出できる。つまり、乗りかごにかご呼びが登録されていない場合、あるいは、図示せぬ荷重センサによって積載荷重が検出されていない場合に乗りかご内が無人の状態であると判断される。
以下では、説明を簡単にするためにA号機に着目して説明するが、他の号機(B号機,C号機)についても同様である。
A号機の乗りかご12aに設けられたバッテリ33aの充電量が一定値(例えばフル充電の20%)以下に低下した状態が検出された場合において(ステップS100のYes)、給電制御部24は、まず、乗りかご12a内に乗客がいるか否かを確認する(ステップS101)。乗りかご12a内に乗客がいれば(ステップS101のNo)、給電制御部24は、各階で乗客を降ろしてから(すべてのかご呼びに応答してから)、以下の処理を実行する。
すなわち、まず、給電制御部24は、呼び管理部21のテーブル21aを参照して、A号機に割り当てられている未応答のホール呼びがあるか否かを調べる(ステップS102)。該当するホール呼びがなければ(ステップS102のNo)、給電制御部24は、各給電階の中から乗りかご12aの現在位置に最も近い給電階を給電先として選択する(ステップS103)。運転制御部22は、上記給電先として選択された給電階に乗りかご12aを移動させ、そこで給電装置31aから給電される電力をバッテリ33aに充電する(ステップS104)。バッテリ33aが所定量Tcまで充電されると(ステップS105のYes)、運転制御部22は、A号機を通常運転に復帰させ、新たなホール呼びが登録されたときに応答させる(ステップS106)。
上記所定量Tcは、例えばフル充電の80%程度である。詳しくは、乗りかご12aを最下階から最上階まで、所定回数(例えば30回)往復するために必要な電力値を予め測定しておき、その電力値を充電完了の判断基準として所定量Tcまで給電を行うものとする。なお、ホール呼びが登録されていない場合には、給電階で待機できるので、その間にフル充電を行うことでも良い。
A号機にホール呼びが割り当てられている場合には(ステップS102のYes)、給電制御部24は、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との位置関係に基づいて各給電階の中から当該ホール呼びの応答に適した給電階を給電先として選択する(ステップS107)。
詳しくは、給電制御部24は、下記の条件(1)−(3)によって給電先を選択する。
(1)乗りかごの現在位置とホール呼びの登録階との間に給電階がある場合
その給電階を給電先として選択する。ただし、乗りかごの現在位置とホール呼びの登録階との間に複数の給電階がある場合には、ホール呼びの登録階に最も近い給電階を給電先として選択する。
(2)乗りかごの現在位置とホール呼びの登録階との間に給電階がない場合
乗りかごの現在位置から反転する方向(ホール呼びの登録階とは逆の方向)にある給電階と、ホール呼びの登録階を通過した先にある給電階とを比較し、ホール呼びの応答階までの総走行距離が近い方の給電階を給電先として選択する。
(3)ホール呼びの登録階と給電階が同じ階であった場合
ホール呼びの登録階を給電先として選択する。
運転制御部22は、上記給電先として選択された給電階に乗りかご12aを移動させてバッテリ33aを充電する(ステップS108)。バッテリ33aが所定量Tcまで充電されると(ステップS109のYes)、運転制御部22は、A号機を通常運転に復帰させ、新たなホール呼びに応答させる(ステップS110)。
ここで、ホール呼びの登録階が上記給電先として選択された給電階と同じ階であった場合には(ステップS111のYes)、運転制御部22は、バッテリ33aの充電が完了した後にホール呼びの応答処理を行う(ステップS113)。
言い換えれば、バッテリ33aの充電が完了するまでの間は、ランタン14aやチャイム15aの駆動による到着通知や戸開動作などを含むホール呼びの応答処理を行わない。充電完了後、運転制御部22は、通知部23を通じてランタン14aの上または下の点灯部を点灯すると共にチャイム15aを駆動してA号機の到着を知らせる。また、運転制御部22は、図示せぬドアモータを駆動してドア(かごドアとホールドア)を開ける。
図4および図5に具体例を示す。図4(a)は条件(1)の例、同図(b)は条件(2)の例を説明するための図である。図5は条件3の例を説明するための図である。
20階建てのビルにおいて、1階,10階,20階が給電階に設置されている場合を想定する。いま、A号機の乗りかご12aに設けられたバッテリ33aの充電量が一定値以下に低下したとする。
下方向運転中において、乗りかご12aが12階ですべての乗客を降ろしてから給電階に向かう際に、A号機にホール呼びが割り当てられていなければ、最寄階である10階の給電階が給電先として選択される。
ここで、2階で上方向のホール呼びが登録され、そのホール呼びがA号機に割り当てられている場合には、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との位置関係に基づいて給電階が選択される。この場合、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との間に給電階があれば、その給電階が給電先として選択される。すなわち、図4(a)の例では、乗りかご12aの現在位置(12階)とホール呼びの登録階(2階)との間に10階の給電階が存在するので、10階の給電階が給電先として選択される。
なお、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との間に複数の給電階があれば、ホール呼びの登録階に最も近い給電階が給電先として選択される。例えば、図4(a)の例で、10階の給電階の他に、例えば5階にも給電階が設置されていたとしたならば、ホール呼びの登録階である2階に最も近い5階の給電階が選択されることになる。このように、複数のホール呼びが登録されている場合には、そのホール呼びの登録階に最も近い給電階を給電先とすることで、最寄りの給電階に寄ってからホール呼びに応答するよりも、乗りかご12aの加速度を上げて給電階に移動できるので、結果的に早くホール呼びに応答することができる。
また、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との間に給電階がなければ、乗りかごの現在位置から反転する方向(ホール呼びの登録階とは逆の方向)にある給電階とホール呼びの登録階を通過した先にある給電階のうち、ホール呼びの応答階までの走行距離が近い方の給電階が給電先として選択される。
例えば、図4(b)に示すように、下方向運転中において、乗りかご12aが4階で乗客を降ろして給電階に向かう際に、4階から下方向に走行して1階の給電階に向かう場合と4階から反転して10階の給電階に向かう場合とを比較して、最終的に2階のホール呼びに応答するまでの走行距離が近い方の給電階が給電先として選択される。図4(b)の例では、1階の給電階に向かった方が近いので1階の給電階で給電した後、2階のホール呼びに応答することになる。
このように、ホール呼びが登録されている場合には、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との位置関係によって結果的に最も早くホール呼びに応答可能な給電階が選択される。したがって、ホール呼びの登録階でエレベータを待っている乗客の待ち時間を減らすことができる。
また、ホール呼びの登録階と給電階が同じ階であった場合には、その給電階が給電先として選択される。例えば、図5に示すように、1階でホール呼びが登録され、そのホール呼びがA号機に割り当てられている場合には、1階の給電階が給電先として選択される。この場合、乗りかご12aは1階の給電階でバッテリ33aを充電しているが、その間は乗りかご12aの到着を知らせず、戸開もしない。これは、乗りかご12aが到着していることを知らせると、乗客が乗車できないことを不審に思うからである。なお、群管理システムでは、一般的に各階の乗場には表示器(インジケータ)は設置されていないため、乗車できない理由がバッテリ充電中であることを乗客に説明することができない。
このように第1の実施形態によれば、乗りかごに設けられたバッテリの充電量が一定値以下に低下した場合に、ホール呼びの有無に応じて給電階を選択することで、乗りかごを効率的に移動させてバッテリを充電することができる。
すなわち、ホール呼びが登録されていなければ、最寄りの給電階が選択される。したがって、乗りかごの直ぐ近くでバッテリを充電した後、できるだけ早く通常運転に復帰させることができる。一方、ホール呼びが登録されている場合(詳しくはホール呼びが当該号機に割り当てられている場合)には、そのホール呼びの応答に適した給電階が選択される。したがって、ホール呼びの登録階の近くでバッテリを充電した後に速やかにホール呼びに応答することができ、乗客の待ち時間を減らすことができる。
また、ホール呼びが登録されている場合に、バッテリの充電が完了するまでの間、乗りかごの到着通知や戸開動作を禁止しておくことで、乗客に乗りかごの到着を意識させないで充電を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、上記第1の実施形態の構成に加え、乗りかごが給電階に向かっている途中で新たなホール呼びが発生した場合の対応処理を備える。基本的な処理の流れは上記第1の実施形態における図3と同様であるため、ここでは処理的に異なる点について説明する。
図6は第2の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、図3のステップS107の後に実行される。
すなわち、いま、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との位置関係に基づいてホール呼びの応答に適した給電階が給電先として選択され、A号機の乗りかご12aがその給電階に向かっている移動中であるとする。このとき、別の階で新たなホール呼びが発生してA号機に割り当てられた場合には(ステップS200のYes)、給電制御部24は、まず、その新たなホール呼びの運転方向(上方向/下方向)が現在の乗りかご12aの進行方向と同じ方向であるか否かを判断する(ステップS201)。
新たなホール呼びの運転方向が乗りかご12aの進行方向と同じ方向であれば(ステップS201のYes)、給電制御部24は、新たなホール呼びの登録階に最も近い給電階と最初のホール呼びのときに選択された給電階との位置関係を確認する(ステップS202)。
ここで、最初のホール呼びのときに選択された給電階を第1の給電階、新たなホール呼びの登録階に最も近い給電階を第2の給電階とする。第2の給電階が第1の給電階よりも乗りかご12aの進行方向手前にあった場合、つまり、第2の給電階の方が早く到着できるようであれば(ステップS202のYes)、給電制御部24は、給電先を第2の給電階に切替える(ステップS203)。
以後は、図3のステップS108〜S113と同様である。ただし、乗りかご12aの給電先は第2の給電階になり、その第2の給電階でバッテリ33aが充電される。充電完了後、まず、乗りかご12aは新たなホール呼びに応答し、その後に最初のホール呼びに応答することになる。
なお、上記ステップS200、S201、S202でNoの場合には、第1の給電階が給電先となって、図3のステップS108〜S113の処理が実行される。
図7に具体例を示す。
20階建てのビルにおいて、1階,10階,20階が給電階に設置されている場合を想定する。いま、1階の上方向のホール呼びによって1階の給電階が選択され、乗りかご12aが15階から1階の給電階に向かっているものとする。
ここで、乗りかご12aが1階に向かっている途中で、9階で新たなホール呼びが登録され、A号機に割り当てられたとする。この新たなホール呼びの運転方向が乗りかご12aの進行方向と同じ下方向であった場合には、新たなホール呼びの登録階に最も近い給電階が検索される。
図7の例では、10階の給電階である。この10階の給電階(第2の給電階)は1階の給電階(第1の給電階)よりも乗りかご12aの進行方向手前に存在する。このような場合には、乗りかご12aの給電先が10階の給電階(第2の給電階)に切り替えられる。これにより、乗りかご12aは、まず、10階に止まってバッテリ33aを充電した後、9階の下方向のホール呼びに応答した後、1階の上方向のホール呼びに応答することになる。
なお、図7の例では、9階で乗車した乗客の行先階によって、その後の乗りかご12aの運行ルートが異なる。すなわち、9階で乗車した乗客の行先階が8〜2階のいずれかの階であれば、乗りかご12aは9階から下方向に移動して8〜2階のいずれかの階で乗客を降ろし、その後に1階の上方向のホール呼びに応答し、そこで方向反転する。しかし、9階で乗車した乗客の行先階が1階であれば、乗りかご12aは9階から下方向に移動して1階で乗客を降ろし、そこで方向反転して2階の上方向のホール呼びに応答する。
このように第2の実施形態によれば、乗りかごが給電階に向かっている途中で新たなホール呼びが発生した場合に、その新たなホール呼びと最初のホール呼びとの関係から給電先に適宜切り替えることで、バッテリを充電した後に各ホール呼びに効率良く応答することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、上記第1の実施形態の構成に加え、バッテリ充電中に新たなホール呼びが発生した場合の対応処理を備える。基本的な処理の流れは上記第1の実施形態における図3と同様であるため、ここでは処理的に異なる点について説明する。
図8は第3の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、図3のステップS109のバッテリ充電後に実行される。
すなわち、いま、A号機の乗りかご12aが最初のホール呼びのときに選択された給電階でバッテリ33aを充電中にあるとする。このとき、別の階で新たなホール呼びが発生してA号機に割り当てられた場合には(ステップS300のYes)、運転制御部22は、まず、その新たなホール呼びで指定された運転方向(上方向/下方向)が現在の乗りかご12aの進行方向と同じ方向であるか否かを判断する(ステップS301)。
乗りかご12aの進行方向と同じ方向であれば(ステップS301のYes)、運転制御部22は、新たなホール呼びの登録階と最初のホール呼びの登録階との位置関係を確認する(ステップS302)。
ここで、最初のホール呼びの登録階を第1の登録階、新たなホール呼びの登録階を第2の登録階とする。第2の登録階が第1の登録階よりも乗りかご12aの進行方向手前にあった場合、つまり、第2の登録階の方が早く到着できるようであれば(ステップS302のYes)、運転制御部22は、通常運転復帰時の最初の応答先を第2の登録階に切替える(ステップS303)。
以後は、図9のステップS109〜S113と同様である。ただし、通常運転復帰時の最初の応答先は第1の登録階ではなく、第2の登録階になる。つまり、バッテリ33aの充電完了後に通常運転に復帰したときに、乗りかご12aは第2の登録階に応答し、その後、第1の登録階に応答する。
なお、上記ステップS300、S301、S302でNoの場合には、最初のホール呼びの登録階である第1の登録階が最初の応答先となって、図3のステップS108〜S113の処理が実行される。
図9に具体例を示す。
20階建てのビルにおいて、1階,10階,20階が給電階に設置されている場合を想定する。いま、7階の下方向のホール呼びによって10階の給電階が選択され、乗りかご12aが10階の給電階でバッテリ33aを充電中であるとする。
ここで、バッテリ33aを充電中に8階で新たなホール呼びが登録され、A号機に割り当てられたとする。この新たなホール呼びの運転方向が乗りかご12aの進行方向と同じ下方向であった場合には、新たなホール呼びの登録階と最初のホール呼びの登録階との位置関係が確認される。
図9の例では、新たなホール呼びの登録階(第2の登録階)は8階であり、最初のホール呼びの登録階(第1の登録階)である7階よりも乗りかご12aの進行方向手前に存在する。このような場合には、運転復帰時の最初の応答先が新たなホール呼びの登録階(第2の登録階)に切り替えられる。これにより、乗りかご12aは、バッテリ33aの充電を完了して通常運転に復帰したときに、まず、8階のホール呼びに応答した後、7階のホール呼びに応答することになる。
このように第3の実施形態によれば、バッテリ充電中に新たなホール呼びが発生した場合に、その新たなホール呼びと最初のホール呼びとの関係から最初の応答先を適宜切り替えることで、バッテリを充電した後に各ホール呼びに効率良く応答することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態は、上記第1の実施形態の構成に加え、交通需要に応じて充電完了の判断基準を変更する処理を備える。基本的な処理の流れは上記第1の実施形態における図3と同様であるため、ここでは処理的に異なる点について説明する。
図10は第4の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、図3のステップS109における充電完了の判断時に実行される。
すなわち、乗りかご12aの現在位置とホール呼びの登録階との位置関係に基づいてホール呼びの応答に適した給電階が給電先として選択され、A号機の乗りかご12aがその給電先に移動してバッテリ33aを充電中にあるとする。このとき、運転制御部22は、現在の交通需要に基づいて混雑時にあるか閑散時にあるかを判断する(ステップS400)。
詳しくは、例えば朝の出勤時間帯や夜の退勤時間帯はエレベータを利用する人が多いため、交通需要が高くなる。逆に、夜間などの時間帯はエレベータを利用する人が少なくなるため、交通需要が低くなる。そこで、予め時間帯毎に交通需要を学習しておき、そのときの時間帯によって混雑時にあるか閑散時にあるかを判断するものとする。別の方法として、例えば所定時間単位(例えば1時間単位)で各階の待ち人数をカメラなどで検出し、その単位時間当たりの各階の待ち人数の平均値から交通需要を求め、混雑時にあるか閑散時にあるかを判断することでも良い。
混雑時であれば(ステップS400のYes)、運転制御部22は、充電完了の判断基準である閾値を定常時よりも下げる(ステップS401)。これは、混雑時にはできるだけ早く充電を終えて各階のホール呼びに応答する必要があるからである。
一方、閑散時であれば(ステップS400のNo)、運転制御部22は、充電完了の判断基準である閾値を定常時よりも上げる(ステップS402)。これは、閑散時には各階のホール呼びが少なく、充電に時間をかけても問題ないからである。なお、混雑時でも閑散時でもなければ、定常時の閾値が用いられる。
バッテリ33aの充電量が閾値以上になると、運転制御部22は、充電完了と判断する。以後の処理は、図3のステップS110〜S113と同様である。
図11はバッテリの充電量と充電完了の判断基準である閾値との関係を示す図である。なお、ここではA号機の乗りかご12aに設けられたバッテリ33aを例にして説明するが、他の号機でも同様である。
図中のL1〜L4は充電レベルを示している。L1>L2>L3>L4の順である。バッテリ33aの全容量分の充電をフル充電としたとき、例えばL1はフル充電の90%程度、L2はフル充電の80%程度、L3はフル充電の50%程度、L4はフル充電の20%程度である。このうち、L2が定常時の充電量であり、上述した所定量Tcに相当する。
ホール呼びがA号機に割り当てられている場合において、バッテリ33aの充電量(残量)がL4のレベル以下まで低下すると、乗りかご12aが現在位置とホール呼びの登録階との位置関係から選択された給電階に移動して給電を行い、バッテリ33aを充電する。その際、交通需要に応じて、充電完了の判断基準が変更される。
すなわち、混雑時であれば、充電完了の判断基準である閾値が定常時のL2よりも低いL3のレベルに設定される。バッテリ33aの充電量がL3のレベルまで達すると、通常運転に移行する。一方、閑散時であれば、充電完了の判断基準である閾値が定常時のL2より高いL1のレベルに設定される。バッテリ33aの充電量がL1のレベルまで達すると、通常運転に移行する。
なお、ホール呼びが登録されていない場合(A号機にホール呼びが割り当てられていない場合)には、乗りかご12aが最寄りの給電階に移動して給電を行う(図3のステップS102〜S104参照)。このときの交通需要を考慮して閾値を適宜設定し、充電完了を判断することでも良い。
このように第4の実施形態によれば、交通需要に応じて充電完了の判断基準を変更することで、混雑時には早めに通常運転に復帰させることができ、閑散時には十分な充電量を確保することができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態は、上記第1の実施形態の構成に加え、バッテリ充電時間に応じてホール呼びを割当変更する処理を備える。基本的な処理の流れは上記第1の実施形態における図3と同様であるため、ここでは処理的に異なる点について説明する。
図12は第5の実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、図3のステップS102の後に実行される。
すなわち、A号機に既にホール呼びが割り当てられている状態で、乗りかご12aに設けられたバッテリ33aが一定値以下に低下した場合において、給電制御部24は、バッテリ33aの充電時間を算出する(ステップS500)。詳しくは、給電制御部24は、現在のバッテリ33aの充電量(残量)から通常運転に必要な量(例えばフル充電の80%程度)まで充電するのに要する時間をバッテリ33aの充電能力などを考慮して求める。なお、どの程度の量まで充電するのかは、上述した充電完了の判断基準に依存され、上記第4の実施形態で説明したように交通需要に応じて適宜変更することでも良い。
ここで、バッテリ33aの充電量が極めて少ない状態にあった場合には、上記所定量Tcまで充電するのに時間がかかり、その間、ホール呼びの登録階で乗客を長く待たせることになる。そこで、バッテリ33aの充電に所定時間Th以上かかるような場合には(ステップS501のYes)、給電制御部24は、運転制御部22に対して割当変更を要求する。これにより、運転制御部22は、A号機に割り当てられているホール呼びを他の号機(B号機またはC号機)に割当変更する(ステップS502)。
なお、上記Thの時間は、バッテリ33aの充電能力などを考慮して任意に設定可能である。また、A号機に複数のホール呼びが割り当てられている場合には、これらのすべてのホール呼びを他の号機に割当変更する。
割当変更によってA号機からホール呼びが外されると、給電制御部24は、各給電階の中から乗りかご12aの現在位置に最も近い給電階を給電先として選択する(ステップS503)。以後は、図3のステップS104〜S106と同様であり、給電制御部24は、上記給電先として選択された給電階に乗りかご12aを移動させ、そこで給電装置31aから給電を受けてバッテリ33aを充電する。バッテリ33aが所定量Tcまで充電されると、運転制御部22は、A号機を通常運転に復帰させ、新たなホール呼びが登録されたときに応答させる。
図13に具体例を示す。
20階建てのビルにおいて、1階,10階,20階が給電階に設置されている場合を想定する。A号機の乗りかご12aに設けられたバッテリ33aの充電量が一定値以下に低下したとする。また、このときに2階で登録された上方向のホール呼びがA号機に割り当てられていたとする。
バッテリ33aの充電が所定時間Th以内で完了する場合にあれば、乗りかご12aは1階の給電階まで移動し、そこでバッテリ33aを充電してから2階の上方向のホール呼びに応答する。
一方、バッテリ33aの充電が所定時間Th以上かかる場合には、2階の上方向のホール呼びが例えばB号機に割当変更される。これにより、B号機の乗りかご12bが2階に移動し、当該ホール呼びに応答する。また、乗りかご12aは最寄りの給電階である10階に移動し、そこでバッテリ33aを充電する。
このように第5の実施形態によれば、バッテリ充電時間に応じてホール呼びを割当変更することで、バッテリの充電に時間を要する場合に他の号機を使って呼び応答の遅れを防ぎながら、バッテリの充電量を確保することができる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
第6の実施形態では、シングルカーのエレベータシステムに非接触給電を適用した場合について説明する。
図14は第6の実施形態に係るエレベータの非接触給電システムの構成を示す図である。第6の実施形態では、1台の乗りかごに対する構成の違いだけで、基本的な構成は上記第1の実施形態における図1と同様である。
すなわち、昇降路内に1台の乗りかご51が設けられ、図示せぬ巻上機の駆動により各階を移動する。各階の乗場には、それぞれにホール呼び登録装置52と表示器53、チャイム54が設置されている。ホール呼び登録装置52は、乗場にて乗客がホール呼びを登録するための装置であり、行先方向(上方向/下方向)を指定するための上方向ボタンと下方向ボタンを有する。表示器53は、所謂「インジケータ」と呼ばれるもので、乗りかご51の現在位置と運転方向を表示する。チャイム54は、チャイム音の発生により乗りかご51の到着を通知する。
図15に示すように、ホール呼び登録装置52、表示器53、チャイム54は、ホールドア56の近傍に設置されている。
ここで、昇降路内には、非接触給電を実現するための機器として、給電装置55が複数箇所に設置されている。給電装置55の設置位置は、例えば最下階(基準階)、中間階、最上階などである。給電装置55が設置された階を「給電階」と呼ぶ。
なお、交通需要の高い階を給電階として設定することが好ましい。これは、乗りかごの停止回数が多く、そこで給電するタイミングが増えるからである。
乗りかご51には、受電装置56とバッテリ57が設けられている。受電装置56は、昇降路側の給電装置55と対向した状態で給電装置55から非接触で給電される電力を受けてバッテリ57に蓄える。バッテリ57に蓄えられた電力は、かご内の各種機器(例えば照明機器やドアモータなど)に使用される。
また、エレベータ制御装置60は、ホール呼び登録装置52によって登録されたホール呼びに基づいて乗りかご51の運転を制御する。このエレベータ制御装置60には、呼び管理部61、運転制御部62、通知部63、給電制御部64が備えられている。これらは、マイクロプロセッサ上のソフトウェアにて実行される処理部であり、図14のように各部間で情報の授受が可能となっている。
なお、ここでは便宜上、呼び管理部61、運転制御部62、通知部63、給電制御部64のすべてをエレベータ制御装置60に配置して記述したが、必ずしも同一装置に配置する必要はなく、別々の装置に配置するものであっても良い。
呼び管理部61は、ホール呼び登録装置52によって登録されたホール呼びの情報(行先方向と登録階)をテーブル61aに記憶する。運転制御部62は、テーブル61aに記憶されたホール呼びの登録階に乗りかご51を応答させるなどの運転制御を行う。通知部63は、乗りかご51が現在移動中あるいは停止中の階床と運転方向を表示器53に表示させると共に、乗りかご51が登録階に到着したときにチャイム54を駆動する。
給電制御部64は、乗りかご51に設けられたバッテリ57の充電状態を管理している。具体的には、バッテリ57cの電圧値からバッテリ57に現在残っている電力を充電量として検出する。
ここで、バッテリ57の充電量(残量)が一定値以下に低下した場合に、給電制御部64は、乗りかご51内に乗客がいない状態のときに、ホール呼びの有無に応じて各給電階の中で乗りかご51を停止させる給電階に給電先として選択する。上記第1の実施形態と同様に、上記一定値とは、例えば各階に停止しながら一往復できる程度の充電量であり、例えばフル充電の20%であるとする。
ホール呼びが登録されている場合には、給電制御部64は、乗りかご51が現在位置とホール呼びの登録階との位置関係に基づいてホール呼びの応答に適した給電階を給電先として選択する。ホール呼びが登録されていない場合には、給電制御部64は、各給電階の中で乗りかご51の最寄りの給電階を給電先として選択する。
運転制御部62は、給電制御部64によって給電先として選択された給電階に乗りかご51を移動させてバッテリ57を充電し、充電が完了した時点で乗りかご51を通常運転に復帰させる。
このような構成において、上記第1の実施形態と同様に、乗りかご51に設けられたバッテリ57の充電量が一定値以下に低下した場合に、ホール呼びの有無に応じて給電階がされる。すなわち、ホール呼びが登録されていなければ、最寄りの給電階が選択される。したがって、乗りかご51の直ぐ近くの給電階でバッテリ57を充電した後、できるだけ早く通常運転に復帰させることができる。一方、ホール呼びが登録されていれば、そのホール呼びの応答に適した給電階が選択される。したがって、バッテリ57の充電後に当該ホール呼びに早く応答することができ、乗客の待ち時間を減らすことができる。
また、ホール呼びの登録階と給電階が同じであった場合には、バッテリ57の充電が完了するまでの間、到着通知や戸開動作を禁止しておくことで、乗客に乗りかご51の到着を意識させないで同じ階で充電を行うことができる。
また、シングルカーのエレベータシステムでは、乗りかご51の移動に伴い、各階の表示器53に乗りかご51の現在位置が逐次表示される。ところが、バッテリ57の充電のために乗りかご51が給電階に止まっているときは、表示器53の表示が更新されないため、乗客が故障していると誤解する可能性がある。
そこで、図16に示すように、表示器53に現在のかご位置を表示すると共に、例えば「充電中 しばらくお待ち下さい」といったようなメッセージを表示することが好ましい。ホール呼び登録階が給電階と同じ階のときも、乗りかご51が到着しているのに戸開しないことに乗客不審に思うため、同様のメッセージを表示することが好ましい。
なお、この第6の実施形態において、上述した第2の実施形態の「乗りかごが給電階に向かっている途中で新たなホール呼びが発生した場合の対応処理」や、第3の実施形態の「バッテリ充電中に新たなホール呼びが発生した場合の対応処理」や、上記第4の実施形態の「交通需要に応じて充電完了の判断基準を変更する処理」についても同様に適用可能である。ただし、第5の実施形態における「割当変更」については群管理システム特有の技術のため、第6の実施形態であるシングルカーのエレベータシステムには適用できない。
(応用例)
上記各実施形態では、通常の運転モードで乗りかごが移動しているときにバッテリ不足となった場合について説明したが、各種オペレーションを実行するときでも同様に適用可能である。
例えば、待機オペレーションがある。これは、乗りかごが呼び(ホール呼び/かご呼び)を持たない場合に、予め決められた待機階に移動させて、そこで待機させておくものである。群管理システムでは、各号機をそれぞれに別の階に分散待機させることが一般的である。シングルカーのエレベータシステムでは、基準階を待機階として設定しておく、乗りかごが呼び(ホール呼び/かご呼び)を持たずに停止した際に、基準階に引き戻して待機させることが一般的である。
このような待機オペレーションにおいて、例えばA階(待機階)に乗りかごを待機させる場合に、バッテリの充電量が一定値以下のときに、乗りかごの最寄り給電階ではなく、A階に最も近い給電階を給電先として選択し、そこに乗りかごを移動させてバッテリを充電する。バッテリの充電完了後、乗りかごをA階に移動させて待機させる。このように、バッテリの充電量が一定値以下のときに、待機階に近い給電階を給電先として選択することで、他の給電階で充電してから待機階に移動するよりも早めに待機することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、乗りかごにバッテリを備えたエレベータにおいて、バッテリの充電完了後にホール呼びにできるだけ早く応答して待ち時間を短縮することのできるエレベータの非接触給電システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11a,11b,11c…号機制御装置、12a,12b,12c…乗りかご、13…ホール呼び登録装置、14…ランタン、15…チャイム、20…群管理制御装置、21…呼び管理部、21a…テーブル、22…運転制御部、23…通知部、24…給電制御部、31a,31b,31c…給電装置、32a,32b,32c…受電装置、33a,33b,33c…バッテリ、51…乗りかご、52…ホール呼び登録装置、53…表示器、54…チャイム、55…給電装置、56…受電装置、57…バッテリ、60…群管理制御装置、61…呼び管理部、61a…テーブル、62…運転制御部、63…通知部、64…給電制御部。

Claims (10)

  1. 乗りかごにバッテリを有し、給電装置が設置された複数の給電階のいずれかで上記乗りかごに非接触で給電して上記バッテリを充電するエレベータの非接触給電システムにおいて、
    上記バッテリの充電量が一定値以下に低下した場合に、上記乗りかご内に乗客がいない状態のときに、ホール呼びの有無に応じて上記各給電階の中で上記乗りかごを停止させる給電階を給電先として選択する給電制御手段と、
    この給電制御手段によって給電先として選択された給電階に上記乗りかごを移動させて上記バッテリを充電し、充電が完了した時点で上記乗りかごを通常運転に復帰させる運転制御手段とを具備し
    上記給電制御手段は、
    ホール呼びが登録されている場合には、上記乗りかごの現在位置と上記ホール呼びの登録階との位置関係に基づいて上記各給電階の中から上記ホール呼びの応答に適した給電階を給電先として選択することを特徴とするエレベータの非接触給電システム。
  2. 上記給電制御手段は、
    上記乗りかごの現在位置と上記ホール呼びの登録階との間に給電階がある場合には、その給電階を給電先として選択し、上記乗りかごの現在位置と上記ホール呼びの登録階との間に複数の給電階がある場合には、上記ホール呼びの登録階に最も近い給電階を給電先として選択することを特徴とする請求項記載のエレベータの非接触給電システム。
  3. 上記給電制御手段は、
    上記乗りかごの現在位置と上記ホール呼びの登録階との間に給電階がない場合には、上記乗りかごの現在位置から反転する方向にある給電階と、上記ホール呼びの登録階を通過した先にある給電階とを比較し、上記ホール呼びの応答階までの総走行距離が近い方の給電階を給電先として選択することを特徴とする請求項記載のエレベータの非接触給電システム。
  4. 上記給電制御手段は、
    ホール呼びが登録されていない場合には、上記各給電階の中で上記乗りかごの最寄りの給電階を給電先として選択することを特徴とする請求項1記載のエレベータの非接触給電システム。
  5. 上記運転制御手段は、
    上記バッテリの充電完了後に上記乗りかごの到着通知と戸開動作を含む応答処理を行うことを特徴とする請求項記載のエレベータの非接触給電システム。
  6. 上記給電制御手段は、
    上記乗りかごが給電先として選択された給電階に向かっている途中で新たなホール呼びが発生した場合に、上記新たなホール呼びの登録階に最も近い給電階が当該給電階よりも進行方向手前にあれば、給電先を上記新たなホール呼びの登録階に最も近い給電階に切り替えることを特徴とする請求項記載のエレベータの非接触給電システム。
  7. 上記運転制御手段は、
    上記バッテリを充電中に新たなホール呼びが発生した場合に、上記新たなホール呼びの登録階が最初のホール呼びの登録階よりも進行方向手前にあれば、先に上記新たなホール呼びの登録階に応答することを特徴とする請求項記載のエレベータの非接触給電システム。
  8. 上記運転制御手段は、
    交通需要に応じて充電完了の判断基準として用いられる閾値を設定し、上記バッテリの充電量が上記閾値以上になったときに上記乗りかごを通常運転に復帰させることを特徴とする請求項記載のエレベータの非接触給電システム。
  9. 上記給電制御手段は、
    上記バッテリの充電に所定時間以上かかる場合には上記乗りかごの最寄りの給電階を給電先として選択し、
    上記運転制御手段は、
    上記ホール呼びを他の乗りかごに割当変更することを特徴とする請求項記載のエレベータの非接触給電システム。
  10. 上記バッテリを充電している間、上記ホール呼びの登録階に上記乗りかごの現在位置と共にバッテリ充電中である旨を通知する通知手段をさらに具備したことを特徴とする請求項記載のエレベータの非接触給電システム。
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