JP6054012B2 - 硬化性樹脂組成物およびそれを用いたプリント配線板と反射板 - Google Patents

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本発明は硬化性樹脂組成物およびそれを用いたプリント配線と反射板に関し、特にプリント配線板の永久マスクとしての使用に適し、高反射率のソルダーレジストを形成することができる硬化性樹脂組成物、および回路形成されたプリント配線板表面に、この硬化性樹脂組成物を用いてソルダーレジストパターンを形成してなるプリント配線板と基材にこの硬化性樹脂組成物を用いて反射パターンを形成してなる反射板に関する。
プリント配線板は、一般的に積層板に張り合わせた銅箔の不要な部分をエッチングにより除去して回路配線を形成したものであり、電子部品がはんだ付けにより所定の場所に配置されている。このようなプリント配線板には、電子部品をはんだ付けする際の回路の保護膜として、基材に塗布して硬化させて形成するソルダーレジストが使用されている。 このソルダーレジストは、はんだ付けの際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて、酸素や湿分による劣化を防止する。さらに、回路基板の永久保護膜としても機能する。そのため、密着性、電気絶縁性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの諸特性が要求される。
また、プリント配線板は、高密度化実現のため微細化(ファイン化)、多層化およびワンボード化の一途をたどっており、実装方式も、表面実装技術(SMT)へと推移している。そのため、ソルダーレジストも、ファイン化、高解像性、高精度、高信頼性の要求が高まっている。
このようなソルダーレジストのパターンを形成する技術として、微細なパターンを正確に形成できるフォトリソグラフィー法が用いられており、特に環境面の配慮等から、アルカリ現像型のフォトリソグラフィー法が主流となっている(特許文献1、2参照)。
一方で、近年、携帯端末、パソコン、テレビ等の液晶ディスプレイのバックライト、また照明器具の光源など、低電力で発光する発光ダイオード(LED)を、ソルダーレジストを有するプリント配線板に直接実装する用途が増えてきている。
これに対し従来、LEDの光を効率よく利用するために、高反射率のソルダーレジストが種々提案されている。例えば、特定の酸化チタンを用いることにより、劣化特性を向上させたソルダーレジストが提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献3に記載の樹脂組成物は、劣化特性の改善を目的としたものであり、さらなる反射率の向上には限界があった。
なお、このような反射特性を改善した塗膜パターンは、ディスプレー用途などの反射板用途としても期待される。
特公平1−54390号 特公平7−17737号 特開2007−322546号
本発明の目的は、硬化物の反射率をさらに向上し得る硬化性樹脂組成物と、それを用いたソルダーレジストを有するプリント配線板と反射板を提供することにある。
発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、アルミナで表面処理された酸化チタンと、硫酸バリウムおよびタルクから選ばれるいずれか少なくとも1種とを併用することによって、更なる反射率を向上させることができることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物は、1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂と、光重合開始剤と、光重合性モノマーと、アルミナおよびジルコニアで表面処理された酸化チタンと、硫酸バリウムおよびタルクから選ばれるいずれか少なくとも1種と、有機溶剤とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、硬化物の反射率をさらに向上し得る硬化性樹脂組成物を提供することができ、その結果、本発明の硬化性樹脂組成物は、高反射率のソルダーレジストや反射板の用途に有用である。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物の各構成成分について具体的に説明する。
1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂としては、1分子内に光硬化性のためのエチレン性不飽和基と弱アルカリ水溶液による現像を可能にするカルボキシル基を有する樹脂であれば使用可能であり、特定のものに限定されるものではない。このような1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂は、以下に列挙する樹脂(オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよい)を好適に使用することができる。すなわち、
(1)カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合樹脂に、1分子中にオキシラン環とエチレン性不飽和基を有する化合物との反応により得られる感光性のカルボキシル基含有樹脂、
(2)1分子中にそれぞれ1個のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した第2級の水酸基に飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる感光性のカルボキシル基含有樹脂、
(3)水酸基含有ポリマーに、飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させた後、生成したカルボン酸に、1分子中にそれぞれ1個のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られる感光性の水酸基およびカルボキシル基含有樹脂
である。
これらの中でも、前記(1)に記載の感光性のカルボキシル基含有樹脂である、(a)カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合樹脂と、(b)1分子中にオキシラン環とエチレン性不飽和基を有する化合物との反応により得られるカルボキシル基を有する共重合系樹脂が好ましい。
この場合、特に1分子中にオキシラン環とエチレン性不飽和基を有する化合物(b)として、脂肪族重合性モノマーから生成される化合物を用いれば、樹脂の芳香環から起因する光による劣化も抑えられるので好ましい。
(a)のカルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルと、1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物とを共重合させて得られる。共重合樹脂(a)を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のグリコール変性(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタアクリレートを総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
また、1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、不飽和基とカルボン酸の間が鎖延長された変性不飽和モノカルボン酸、例えばβ−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性等によりエステル結合を有する不飽和モノカルボン酸、エーテル結合を有する変性不飽和モノカルボン酸、さらにはマレイン酸等のカルボキシル基を分子中に2個以上含むものなどが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
(b)の1分子中にオキシラン環とエチレン性不飽和基を有する化合物としては、特に脂肪族モノマーから生成される化合物を用いることが好ましく、具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアミノアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら(b)1分子中にオキシラン環とエチレン性不飽和基を有する化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂は、その酸価が50〜200mgKOH/gの範囲にあることが必要である。酸価が50mgKOH/g未満の場合には、弱アルカリ水溶液での未露光部分の除去が難しい。200mgKOH/gを超えると、硬化被膜の耐水性、電気特性が劣るなどの問題がある。また、このカルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、5,000〜100,000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量が5000未満であると指触乾燥性が著しく劣る傾向がある。また、重量平均分子量が100,000を超えると現像性、貯蔵安定性が著しく悪化する問題を生じるために好ましくない。
本発明に用いられる光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類; アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1 ,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−1−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類; 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−(ジメチルアミノ)−2−{(4−メチルフェニル)メチル}−1−{4−(4-モルフォルニル)フェニル}−1−ブタノン等のアミノアセトフェノン類; 2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類; アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4,4 ’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドや、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール系化合物;2,4−ビス( トリクロロメチル)−6−(p−メトキシ−フェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン等のハロメチル−s−トリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−[−4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)9H−カルバゾ−ル−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)等が挙げられるが、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤とモノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を併用することが望ましい。ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。中でもビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア819)が入手しやすく実用的である。
モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。中でも2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン社製、商品名;ダロキュアTPO)が入手しやすく実用的である。
上記ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と前記モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を併用することにより、酸化チタンを配合した高反射率の塗膜でも必要な光を吸収でき、高精細なパターン形成ができるようになるが、その配合比率を変えることにより微調整が可能となる。パターンの断面形状で基材面側の深部の硬化性が不足してアンダーカットが出やすいときには、上記ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の比率を大きくし、表面硬化性が不足して現像後に表面状態が悪いときには前記モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の比率を大きくする。光重合開始剤(B)の配合量は、1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂(A)100質量部に対して好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜25質量部である。配合量が1質量部未満の場合、光硬化性が低下し、露光・現像後のパターン形成が困難になるので好ましくない。一方、30質量部を超えた場合、光重合開始剤由来の塗膜の色つきが大きくなり、またコスト高の原因となるので好ましくない。
本発明に用いられる光重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノ又はジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物の多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート及び、これらのフェノール類のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類;グルセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルのアクリレート類;メラミンアクリレート;及び/又は上記アクリレート類に対応するメタクリレート類等を挙げることができる。
これらの光重合性モノマーの配合量は、1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜80質量部である。配合量が100質量部を超えると、硬化塗膜がソルダーレジストとしての物性が低下して好ましくない。一方、10質量部未満であると充分な光硬化性がなく、高精細なパターンが得られない。
アルミナで表面処理された酸化チタンは、アナターゼ型もルチル型も用いることができるが、ルチル型が好ましい。アナターゼ型酸化チタンは、ルチル型と比較して紫外線領域の短波長側での反射率が高いため、反射率としては望ましいが、光触媒活性を有するために、組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対し、ルチル型酸化チタンは、白色度はアナターゼ型と比較して紫外線領域の短波長側での反射率が劣るものの、光活性を殆ど有さないために、樹脂の劣化を抑えることができ、安定した硬化物を得ることができる。また、ルチル型酸化チタンの中でも塩素法で製造したものが、樹脂の劣化をさらに抑えるので特に好ましい。
アルミナで表面処理されたルチル型酸化チタンとしては、タイペークR−820、タイペークR−830、タイペークR−930、タイペークR−550、タイペークR−630、タイペークR−680、タイペークR−670、タイペークR−680、タイペークR−670、タイペークR−780、タイペークR−850、タイペークCR−50、タイペークCR−57、タイペークCR−80、タイペークCR−90、タイペークCR−93、タイペークCR−95、タイペークCR−97、タイペークCR−60、タイペークCR−63、タイペークCR−67、タイペークCR−58、タイペークCR−85、タイペークUT771(石原産業株式会社製)、タイピュアR−100、タイピュアR−101、タイピュアR−102、タイピュアR−103、タイピュアR−104、タイピュアR−105、タイピュアR−108、タイピュアR−900、タイピュアR−902、タイピュアR−960、タイピュアR−706、タイピュアR−931(デュポン株式会社製)、TITON R−25、TITON R−21、TITON R−32、TITON R−7E、TITON R−5N、TITON R−61N、TITON R−62N、TITON R−42、TITON R−45M、TITON R−44、TITON R−49S、TITON GTR−100、TITON GTR−300(堺化学工業株式会社製)、TITANIX JR−300、TITANIX JR−403、TITANIX JR−405、TITANIX JR−600A、TITANIX JR−600E、TITANIX JR−602、TITANIX JR−602S、TITANIX JR−603、TITANIX JR−805(テイカ株式会社製)
等を使用することができる。
なお、アナターゼ型酸化チタンとしては、タイペークA−220(石原産業株式会社製)、TITANIX JA−4(テイカ株式会社製)などが挙げられる。
アルミナで表面処理された酸化チタンは、アルミナで表面処理した上にさらに別の表面処理をすることもできる。本発明では、特にジルコニアでさらに表面処理することで、反射率を一層向上させることができる。
上記酸化チタンの中で、アルミナで表面処理した上にジルコニアで表面処理した酸化チタンとしては、タイペークCR−57、タイペークCR−97、タイペークCR−67(石原産業株式会社製)、R−61N、GTR−100、GTR−300(堺化学工業株式会社製)、TITANIX JR−603(テイカ株式会社製)が挙げられる。
このような酸化チタンの配合量は、組成物中の有機溶剤を除いた不揮発分の質量の好ましくは30〜80質量部、より好ましくは30〜70質量部である。配合量が80質量部を超えると、光硬化性が低下し、硬化深度が低くなり好ましくない。一方、30質量部未満であると、隠ぺい力が小さく、高反射率の塗膜を得ることができない。
本発明で使用される硫酸バリウムおよびタルクから選ばれるいずれか少なくとも1種
は、アルミナで表面処理された酸化チタンとの併用で反射率の向上に寄与するものである。
このような硫酸バリウムとしては、沈降性硫酸バリウム ♯100、沈降性硫酸バリウム ♯300、沈降性硫酸バリウム SS−50、BARIACE B−30、BARIACE B−31、BARIACE B−32、BARIACE B−33、BARIACE B−34、BARIFINE BF−1、BARIFINE BF−10、BARIFINE BF−20、BARIFINE BF−40(堺化学工業株式会社製)、W−1、W−6、W−10、C−300(竹原化学工業株式会社製)などが挙げられる。
タルクとしては、LMS−100、LMS−200、LMS−300、LMS−3500、LMS−400、LMP−100、PKP−53、PKP−80、PKP−81(富士タルク工業株式会社製)、D−600、D−800、D−1000、P−2、P−3、P−4、P−6、P−8、SG−95(日本タルク株式会社製)等が挙げられる。これらは単独あるいは複数組み合わして使用できる。
本発明で使用される有機溶剤は、硬化性樹脂組成物を塗布しやすい状態にし、塗布後乾燥させて造膜させるために用いられる。このような有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロプレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等を挙げることができる。
前記有機溶剤は、単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂100質量部に対して、20〜300質量部が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、プリント配線板のソルダーレジスト用途のように耐熱性が必要な場合には、エポキシ化合物を配合して熱硬化を併用することで耐熱性を得ることができる。
このようなエポキシ化合物としては、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば日産化学(株)製のTEPIC−H(S−トリアジン環骨格面に対し3個のエポキシ基が同一方向に結合した構造をもつβ体)や、TEPIC(β体と、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポキシ基が他の2個のエポキシ基と異なる方向に結合した構造をもつα体との混合物)等)などの複素環式エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂などの希釈剤に難溶性のエポキシ樹脂や、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂などの希釈剤に可溶性のエポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなエポキシ化合物の配合量は、1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは5〜60質量部である。エポキシ化合物の配合量が70質量部を超えると、現像液での未露光部分の溶解性が低下し、現像残りが発生しやすくなり、実用上使用することが難しい。一方、5質量部未満であると、1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂のカルボキシル基が未反応の状態で残存するため、ソルダーレジストとして使用する場合は硬化塗膜の耐熱性が充分に得られ難くなる傾向がある。
1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂のカルボキシル基と、エポキシ化合物のエポキシ基とは、開環重合により反応するが、有機溶剤や組成物中の他の物質に易溶性のエポキシ樹脂を用いた場合、乾燥時の熱により架橋が進みやすい。そのため、架橋反応を抑制して乾燥時間を長くとりたい場合には、難溶性のエポキシ樹脂を単独で、または易溶性のエポキシ樹脂と共に用いることが望ましい。
本発明では、塗膜にかかる熱が原因の劣化による変色を少なくする目的で、酸化防止剤を配合することができる。前記酸化防止剤としては、特に限定されるものではないが、好ましくはヒンダードフェノール系化合物である。ヒンダードフェノール系化合物としては、例えばノクラック200、ノクラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−7、ノクラックDAH(以上いずれも大内新興化学工業(株)製);MARK AO−30、MARK AO−40、MARK AO−50、MARK AO−60、MARK AO616、MARK AO−635、MARK AO−658、MARK AO−15、MARK AO−18、MARK 328、MARK AO−37(以上いずれもアデカアーガス化学(株)製);イルガノックス245、イルガノックス259、イルガノックス565、イルガノックス1010、イルガノックス1035、イルガノックス1076、イルガノックス1081、イルガノックス1098、イルガノックス1222、イルガノックス1330、イルガノックス1425WL(以上いずれもチバ・ジャパン社製)などが挙げられる。
前記酸化防止剤の配合量は、1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂100質量部に対して好ましくは25質量部以下、より好ましくは0.4〜15質量部である。0.4質量部以下では塗膜にかかる熱が原因の劣化による変色防止効果が少なく、25質量部以上では現像性の低下をおこし、パターニングに不具合が出る。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物においては、ヒンダードアミン系光安定剤を含有させることにより、光劣化を減少させることができる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、チヌビン622LD、チヌビン144;CHIMASSORB 944LD、CHIMASSORB 119FL(以上いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカル社製);MARK LA−57、LA−62、LA−67、LA−63、LA−68(以上いずれもアデカア−ガス化学(株)製);サノールLS−770、LS−765、LS−292、LS−2626、LS−1114、LS−744(以上いずれも三共ライフテック(株)製)などが挙げられる。
上記光安定剤は、1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部添加することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物においては、分散剤を含有させることにより酸化チタンの分散性、沈降性を改善することができる。例えば、ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−185、DISPERBYK−184、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2150、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、ディスパロン2150、ディスパロン1210、ディスパロンKS−860、ディスパロンKS−873N、ディスパロン7004、ディスパロン1830、ディスパロン1860、ディスパロン1850、ディスパロンDA−400N、ディスパロンPW−36、ディスパロンDA−703−50(楠本化成株式会社製)、フローレンG−450、フローレンG−600、フローレンG−820、フローレンG−700、フローレンDOPA−44、フローレンDOPA−17(共栄社化学株式会社製)が挙げられる。
分散剤の配合量は、酸化チタン100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部が好ましい。
さらに、必要に応じて、硬化促進剤、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、難燃助剤等が使用できる。
以下に硬化性樹脂組成物の使用の一例として、ソルダーレジストに使用する場合のプリント配線板の製造について説明する。
まず、本発明の硬化性樹脂組成物を、必要に応じて希釈して塗布方法に適した粘度に調整する。
次に、粘度調整した組成物を、回路形成されたプリント配線板に、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布し、例えば70〜90℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させることにより、タックフリーの塗膜を形成する。
その後、フォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部をアルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成し、100〜200℃で熱硬化することにより、ソルダーレジストパターンを形成してなる本発明のプリント配線板を製造することができる。
また、露光するための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプなどを用いることができる。その他、レーザー光線なども活性光線として利用できる。
現像液であるアルカリ水溶液としては、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリ水溶液を使用することも可能である。他のアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液を挙げることができる。
このような本発明に係るプリント配線板と反射板は、本発明の反射率の高い酸化チタンを含有する硬化性樹脂組成物を用いて作製され、高反射率で高精細なパターンを有するものである。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではないことはもとよりである。
樹脂溶液1の合成:
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた2リットルセパラブルフラスコに、溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル900g、および重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品名;パーブチルO)21.4gを加えて90℃に加熱した。加熱後、ここに、メタクリル酸309.9g、メタクリル酸メチル116.4g、およびラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名;プラクセルFM1)109.8gを、重合開始剤であるビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日本油脂(株)製、商品名;パーロイルTCP、)21.4gと共に3時間かけて滴下して加え、さらに6時間熟成することにより、カルボキシル基含有共重合樹脂を得た。なお、反応は、窒素雰囲気下で行った。
次に、得られたカルボキシル基含有共重合樹脂に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(ダイセル化学(株)製、商品名;サイクロマーA200)363.9g、開環触媒としてジメチルベンジルアミン3.6g、重合抑制剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.80gを加え、100℃に加熱し、攪拌することによりエポキシの開環付加反応を行った。16時間後、固形分の酸価が108.9mgKOH/g、重量平均分子量が25,000の、芳香環を有さないカルボキシル基含有樹脂を53.8質量%(不揮発分)含む溶液を得た。以下、この反応溶液を樹脂溶液1と呼ぶ。
実施例1、参考例1〜7及び比較例1〜8の配合:
表1に従って各成分を配合、攪拌して3本ロールにて分散させて、それぞれ硬化性樹脂組成物を作製した。表中の数字は、質量部を示す。
Figure 0006054012
光重合開始剤1:ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド イルガキュア819(チバ・ジャパン社製)
光重合開始剤2:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
光重合性モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
酸化チタン1(アルミナで表面処理 ルチル型):
TITANIX JR−600E(テイカ社製)
酸化チタン2(アルミナ+ジルコニアで表面処理 ルチル型):
TITANIX JR−603(テイカ社製)
酸化チタン3(表面処理なし ルチル型):TITANIX JR(テイカ社製)
硫酸バリウム: 沈降性硫酸バリウム ♯100(堺化学工業製)
タルク:LMS−200(富士タルク工業製)
シリカ:FB−3SDC(電気化学工業製)
有機溶剤:カルビトールアセテート
エポキシ化合物(ビフェニル型):YX−4000(ジャパンエポキシレジン製)
硬化剤:ジシアンジアミド
消泡剤(シリコーンオイル):KS−66(信越シリコーン製)
実施例1、参考例1〜7及び比較例1〜8で得られた各硬化性樹脂組成物について、以下のようなソルダーレジストの諸性質を試験し、評価した。
実施例1、参考例1〜7、比較例1〜8の硬化性樹脂組成物を、100mm×150mmの大きさで1.6mmの厚さのFR−4銅張り積層板にスクリーン印刷法にて、膜厚40μmとなるように100メッシュポリエステル(バイアス製)の版を使用してベタ(基板全面)でパターンを印刷し、80℃で30分間に渡って熱風循環式乾燥炉にて乾燥させた。プリント配線板用露光機HMW−680GW(オーク製作所製)を用いて、30mm角のネガパターンを残すように、700mJ/cmの積算光量で紫外線露光した。その後、30℃で1%の炭酸ナトリウム水溶液を現像液として、プリント配線板用現像機にて60秒間現像し、続いて150℃で60分間、熱風循環式乾燥炉で熱硬化を行い、特性試験用の試験片を作製した。
得られた試験片を色彩色差計CR−400(ミノルタ製)でXYZ表色法のY値を測定し、その値を反射率とした。その結果を表2に示す。
表2に示す結果から明らかなように、アルミナで処理された酸化チタンと硫酸バリウムまたはタルクを併用した参考例1〜4によれば、比較例1と比較して、いずれもかなりの反射率の向上が見られた。酸化チタン量を変更した参考例5〜7、アルミナとさらにジルコニアで処理された酸化チタンを使用した実施例についても、同様の効果が見られ、特にジルコニアでの処理でさらに反射率の向上が確認できた。なお、比較例では反射率の向上に大きな効果は見られない。
(2)はんだ耐熱性
前記(1)と同様に作製した各試験片に、ロジン系フラックスを塗布して260℃のはんだ槽で10秒間フローさせた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで洗浄し、乾燥させた後に、セロハン粘着テープによるピールテストを行い、塗膜の剥がれについて評価した。その結果を表2に示す。
(3)耐溶剤性
前記(1)と同様に作製した各試験片を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに30分間浸漬し、乾燥させた後に、セロハン粘着テープによるピールテストを行い、塗膜の剥がれと変色について評価した。その結果を表2に示す。
(4)鉛筆硬度試験
前記(1)と同様に作製した各試験片に、芯の先が平らになるように研がれたBから9Hの鉛筆を、約45°の角度で押し付けて、塗膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。その結果を表2に示す。
(5)絶縁抵抗試験
FR−4銅張り積層板の代わりにIPC B−25テストパターンのクシ型電極Bクーポンを用いること以外は、前記(1)と同様の条件で試験片を作製した。この試験片に、DC500Vのバイアスを印加し、絶縁抵抗値を測定した。その結果を表2に示す。
前記(3)はんだ耐熱性、前記(4)耐溶剤性、前記(5)鉛筆硬度試験の評価基準は以下の通りである。
○・・・塗膜の剥がれや変色なし
×・・・塗膜の剥がれや変色あり
表2に示す結果から明らかなように、本発明の硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジストに要求される良好な耐熱性、耐溶剤性、密着性および電気絶縁性を有することがわかった。
Figure 0006054012
以上詳述した通り、本発明の硬化性樹脂組成物は、酸化チタンを多量に配合して反射率の向上が限界である場合でも、更なる反射率の向上ができることが分かった。また、本発明の硬化性樹脂組成物を用いて形成されたソルダーレジストは、光や熱による変色が少なく、高反射率に優れるものであった。

Claims (5)

  1. 1分子内にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む樹脂と、光重合開始剤と、光重合性モノマーと、アルミナで表面処理した上にさらにジルコニアで表面処理した酸化チタンと、硫酸バリウムおよびタルクから選ばれるいずれか少なくとも1種と、有機溶剤とを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記アルミナで表面処理した上にさらにジルコニアで表面処理した酸化チタンの配合量が、組成物中の有機溶剤を除いた不揮発分100質量部に対して30〜80質量部であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. さらにエポキシ化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 回路形成された基材上に請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を用いて形成したソルダーレジストを有するプリント配線板。
  5. 基材上に請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物を有する反射板。
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