JP6052761B2 - 水溶性又は水分散性高分子を利用した構造物からの放射性物質除染溶液及び該放射性物質除染溶液を用いた放射性物質除染方法 - Google Patents

水溶性又は水分散性高分子を利用した構造物からの放射性物質除染溶液及び該放射性物質除染溶液を用いた放射性物質除染方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射性物質が付着した構造物、例えば、家屋の屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等の表面から該放射性物質を除染するための放射性物質除染溶液及び該放射性物質除染溶液を用いた放射性物質除染方法に係わり、特に、原子力発電関連施設及びその周辺の家屋、施設又は道路等で発生する放射性物質付着体の除染を実施するものである。
従来から、原子力発電関連施設及び該施設で取り扱う構造物や物品は、放射性物質の付着を低減するように配慮されている。例えば、特許文献1には、放射性物質除染のために従来から使用されている洗浄水の使用を省略することを目的として、放射性物質付着表面にゼオライト粒子を吹き付けて放射性物質を研削し、該研削した放射性物質をゼオライト粒子に付着させるとともに該ゼオライト粒子を回収する除染方法が開示されている。
また、原子力発電関連施設内だけではなく、何らかの原因で放射性物質が原子力発電関連施設から外部へ漏れたり飛散したりする事態が発生する場合は、周辺の家屋、施設及び道路等の構造物に放射性物質が付着して、人体に対して甚大な悪影響を与えることが予想される。このような最悪の場合に備えて、前記の構造物の表面に付着する放射性物質量を人体に影響が出ないレベルまで低減できるように、迅速、且つ効率的で効果的な放射性物質付着体の除染方法が従来から求められている。従来の除染方法としては、(i)大型機械を用いて表面を削る方法、(ii)高圧洗浄機を用いて水洗する方法、(iii)高分子ゲルを表面に付着させて汚染を該高分子ゲルに付着させて除染する方法、等が知られている。
さらに、上記のような放射性物質の除染方法ではないものの、特許文献2及び3には、有害物質の飛散や流出の防止及び悪臭や有害ガスの拡散を抑制するために被覆層の形成方法が開示されている。ここで、被覆層は、水溶性又は水分散性の高分子、クレー又は石膏、界面活性剤及び水を含有する組成物から構成されることが記載されている。
特開平5−87983号公報 特開平4−500697号公報 特開2003−117515号公報
上記特許文献1に記載の発明は、原子力発電施設内で簡単に移動して取り扱うことができる程度の形状を有する構造物や物品の除染に限られており、該原子力発電施設の周辺に存在する家屋、施設及び道路等の構造物に対する除染には適用することができない。
従来の放射性物質除染方法として挙げた上記の(i)の方法は、機械が大型であり、通常の住宅の犬走り等の幅の狭い区域で除染を行うことが難しいだけでなく、機械の重量が大きいため垂直に近い壁の除染は不可能である。加えて、粉塵による二次汚染を抑制するための新たな措置が必要となる。また、上記の(ii)の方法では、上記の特許文献1でも問題点として指摘されているように、洗浄に使用される水が汚染を拡大することが懸念される。上記の(iii)の方法では、例えば、CBI社のDecongelという商品名の市販品を使用することができるが、高分子ゲルは通常、有機溶媒が含まれるため、汚染地域のすべての住宅について表面処理する場合には、有機溶媒による環境汚染を考慮しなければならない。また、高分子ゲルは機械的な強度が小さいために、塗布乾燥後の構造物表面から該高分子ゲルを完全に取り除くことが難しく、確実な除染を行うことができない。さらに、高分子ゲルを単独で使用する場合は、原子力発電施設周辺の汚染源となるセシウム等の放射性物質に対する選択性が考慮されておらず、除染後の高分子ゲルの処理方法によっては汚染が拡大する可能性も残されている。
上記特許文献2及び3に記載の発明は、被覆層としての使用が記載又は示唆されているだけで、放射性物質の除染方法としての適用は全く認識されていない。上記特許文献2に記載の被覆層は、水溶性又は水分散性のポリマーの含有量が低く、逆にクレーの含有量が高い組成物から構成されている。そのため、放射性物質が付着した構造物の表面に塗布乾燥した後に前記の被覆層を剥離除去することは機械的強度の点から困難であり、効率的で効果的な除染を行うことができない。同様に、上記特許文献3に記載の被覆層についても、放射性物質が付着した構造物の表面から剥離除去する用途に対しては機械的強度の点から不適である。さらに、この被覆層を構成する組成物は、セシウム等の放射性物質に対して何ら選択性を有しない成分である石膏や紙等を含む構成であり、放射性物質除染溶液として適用できるものなのか否かが不明である。
本発明は、係る問題を解決するためになされたものであり、放射性物質が付着した構造物の表面から該放射性物質の量を人体に影響が出ないレベルまで、迅速、且つ効率的で効果的に低減するために利用できる放射性物質除染溶液及び該放射性物質除染溶液を用いた放射性物質除染方法を提供することを目的とする。
本発明者は、屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等の構造物の表面に付着した放射性物質の除染に適した除染溶液の組成物について、放射性物質に対して選択的な吸着能を有する成分を含有するとともに、前記構造物の表面に塗布乾燥した後に行う剥離除去の工程を容易に、且つ確実に行うことができる高分子フィルムを形成できるような構成を採用することによって課題を解決できることを見出して本発明に到った。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
(1)本発明は、少なくとも(a)ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル及びエチレンービニルアルコール共重合体から選ばれる少なくともいずれか1種の水溶性又は水分散性高分子、(b)ベントナイト及びゼオライトから選ばれる少なくともいずれか一つの無機系の放射性物質吸着剤、(c)水溶性可塑剤、水分散性可塑剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の化合物、及び(d)水を主成分とする水系媒体、を含有し、前記(a)〜(d)の各成分の合計量を100質量部としたときに、前記の(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の含有量はそれぞれ4〜50質量%、0.1〜20質量%、及び0.2〜6質量%であり、残余は前記の(d)成分で構成されることを特徴とする構造物からの放射性物質除染溶液を提供する。
(2)本発明は、前記の(c)成分が、界面活性剤であることを特徴とする前記(1)に記載の構造物からの放射性物質除染溶液を提供する。
(3)本発明は、前記の界面活性剤が、炭素数8〜40を有する化合物であることを特徴とする前記(2)に記載の構造物からの放射性物質除染溶液と提供する。
(4)本発明は、前記の界面活性剤が、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤であることを特徴とする前記(3)に記載の構造物からの放射性物質除染溶液を提供する。
(5)本発明は、前記の(b)無機系の放射性物質吸着剤は、ベントナイトであることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載の構造物からの放射性物質除染溶液を提供する。
(6)本発明は、前記の(a)水溶性又は水分散性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、又はポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルの混合物であることを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載の構造物からの放射性物質除染溶液を提供する。
(7)本発明は、前記(1)〜(6)の何れかに記載の構造物からの放射性物質除染溶液を用いて、該放射性物質除染溶液を家屋の屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等からなる構造物の表面に塗布又は散布する工程、前記の(d)水を主成分とする水系媒体を揮発させることによって前記の(a)、(b)及び(c)の各成分を含む高分子フィルムを前記の構造物の表面に形成する工程、及び前記の高分子フィルムを前記の構造物の表面から剥離又は除去する工程、を含む放射性物質除染方法を提供する。
(8)本発明は、前記の放射性物質除染溶液は4〜30℃における粘度が、前記の構造物の表面が水平面を有する場合又は角度がついた面を有する場合に応じて、それぞれ0.5〜50Pa・s又は25〜150Pa・sに調整されて前記の構造物の表面に塗布されることを特徴とする前記(7)に記載の放射性物質除染方法を提供する。
(9)前記(7)又は(8)に記載の放射性物質除染溶液による放射性物質の除染方法において、前記の構造物の表面に塗布した前記の放射性物質溶液に、さらに薄膜の高分子シートを圧着又は接着させた後に乾燥させ、前記の高分子シートを前記の高分子フィルムとともに、前記の構造物の表面から剥離又は除去することを特徴とする放射性物質除染方法を提供する。
(10)本発明は、前記の高分子シートが、前記の高分子フィルムに含まれる高分子材料と同じ材料を少なくとも1種以上含有して構成されることを特徴とする前記(9)に記載の放射性物質除去方法を提供する
(11)本発明は、前記の高分子フィルム又は前記の高分子フィルムと前記の高分子シートを、水を主成分とする水系媒体に浸漬溶解した後、放射性物質が前記の(b)成分に吸着するために要する時間(吸着時間)をあらかじめ求めておいて、前記の高分子フィルム及び/又は前記の高分子シートを浸漬溶解した溶液を少なくとも前記の吸着時間まで保管又は放置してから前記の(b)成分だけを放射性廃棄物として分離除去することを特徴とする前記(7)〜(10)の何れかに記載の放射性物質の除染方法を提供する。
[発明の効果]
本発明によれば、放射性物質が付着した構造物表面に塗布し、乾燥して形成した高分子フィルムを剥離除去することによって除染を行うため、該放射性物質の付着量の大幅な低減を迅速に、且つ効率的で効果的に行うことができる。特に、本発明の放射性物質除染溶液は、前記の高分子フィルム形成時に、ベントナイト等の無機系の放射性物質吸着剤が乾燥するときに、周辺の水分を吸収する効果(サンクション効果)が起こり、セシウム等の放射性物質の高分子フィルムへの吸着が促進され、また、セシウムイオン等の放射性物質は無機系の放射性物質吸着剤の層間や孔内に固定される性質を有することから、フィルム中に吸着した放射性物質は無機系の放射性物質吸着剤によって安定的に保持される。そのため、構造物表面に付着する放射性物質は、確実に、且つ安定的に除染される。
また、本発明によれば、放射性物質除染溶液に含有される水溶性可塑剤、水分散性可塑剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の化合物は、乾燥後の高分子フィルムの物性の向上、例えば、弾性を付与して柔軟性を上げることによってコンクリートやアスファルト等の構造物からの剥離除去を容易にすることができるために、除染効率の向上を図ることができる。その中で、特に、界面活性剤は、高分子フィルムの弾性付与の効果だけではなく、構造物表面に存在する水に溶けにくい物質に含有された放射性物質を溶液中に可溶化することにより、最終的に前記の高分子フィルム中に移動させる効果があるため、本発明の除染効果を大幅に高めることができる。
本発明による放射性物質除染溶液を用いた放射性物質除染方法の工程を示す図である。
本発明の放射性物質除染溶液は、少なくとも(a)水溶性又は水分散性高分子、(b)無機系の放射性物質吸着剤、(c)水溶性可塑剤、水分散性可塑剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の化合物、及び(d)水を主成分とする水系媒体を含有し、放射性物質が付着した家屋の屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等の構造物の表面に、吹き付け法、流し込み法又は刷毛塗り法等によって塗布した後、乾燥して形成される高分子フィルムを剥離除去することによって放射性物質の除染を行うために使用される。この高分子フィルムは最終的に剥離処理が行われることから、剥離処理に適した厚さとして100〜2000μmが好ましい。さらに、フィルムの強度と柔軟性との両立を図るために、厚さは500〜1000μmであることがより好ましい。
前記の(a)〜(d)の各成分は、本発明の目的を達成するために、それぞれ次のような機能を発揮する。すなわち、(a)水溶性又は水分散性高分子を(d)水を主成分とする水系媒体に溶解又は分散させる構成は、前記の構造物の表面に高分子フィルムを形成する際に、取扱いを容易にし、さらに環境への負荷を小さくするためのものである。そして、前記の高分子フィルムの剥離除去の際に、該高分子フィルムの亀裂や破断の発生を防止し、合わせて柔軟性を有するように、(c)水溶性可塑剤、水分散性可塑剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の化合物が併用して配合される。この(c)成分は前記の高分子フィルムに弾性を付与するために使用するものであり、一種の可塑剤としての機能を有する。さらに、(b)無機系の放射性物質吸着剤は、放射性物質を選択的に吸着して、除染処理中に起きやすい放射性物質の外部への漏れや飛散を抑制するために有効な成分である。また、前記の(c)成分として界面活性剤を使用する場合は、可塑化の機能だけではなく、水に溶けにくい物質に含まれる放射性物質を溶液中に可溶化して高分子フィルム中へ移動させる機能を有するために、前記の(b)成分による放射性物質の選択的吸着を促進させる。
本発明において、前記の高分子フィルムは、剥離を簡便に行うために厚さを100〜2000μmの範囲に設定するだけではなく、強度と柔軟性を両立させるために、放射性物質汚染溶液に含まれる各成分の含有量と粘度を最適化することが好ましい。したがって、(a)水溶性又は水分散性高分子、(b)無機系の放射性物質吸着剤、及び(c)水溶性可塑剤、水分散性可塑剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量は、上記の(a)、(b)、(c)及び(d)の各成分の合計量を100質量部としたときに、それぞれ4〜50質量%、0.1〜20質量%、及び0.2〜6質量%であり、残余は(d)成分となるような組成物の構成にすることが必要である。特に、本発明においては、前記の特許文献2及び3に開示されているような被覆層を形成するための組成物とは異なり、上記の(a)成分の含有量が高く、且つ、上記の(a)成分は上記の(b)の無機成分よりも含有量が多い点に特徴を有する。これは、前記の構造物の表面上に確実に高分子フィルムに形成し、さらに該高分子フィルムの剥離を行う際に亀裂や破断が起こらず、前記の構造物の表面に存在する放射性物質をできるだけ短時間で簡便に、且つ確実に除去できるようにするためである。
本発明において、(a)水溶性又は水分散性高分子としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、セルロース、デンプン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸とその塩、及び水酸基を含有するポリアクリル酸エステル等の水溶性高分子、又はエチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンービニルアルコール共重合体、スチレンーアクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニルーアクリル酸エステル共重合体等の水分散性高分子の1種又は2種以上を使用することができる。それらの中で、前記の高分子フィルムとしての薄膜形成性に優れ、十分なフィルム強度を発現できるだけでなく、取扱い性、長期保管時の環境への負荷の低減及び低価格等の点から、本発明はポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、又はポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルの混合物が好適である。
本発明の(a)成分として好適なポリビニルアルコール(PVA)は、重合度が1000〜5000が好ましく、1700〜2400がさらに好ましい。重合度が1000未満では前記の高分子フィルムの強度が弱くなり、5000を超えると水への溶解性が低下したり、水溶液の粘度が高くなって除染溶液の操作性や施工性が低下する傾向にある。さらに、PVAのケン化度は、溶液が水溶性ということから85〜99%が好ましく、87〜93%がさらに好ましい。ケン化度が85%未満である場合は水への溶解性が低下し、また、99%を超える場合は吸湿性が顕著になり、フィルムを安定した形状で形成できる水溶性の高分子を得ることが難しくなるため、好ましくない。
また、ポリ酢酸ビニルは、分子量が2000〜50000であることが好ましい。分子量が200未満では前記の高分子フィルムの強度が弱くなり、50000を超えると水への溶解性が低下したり、水溶液の粘度が高くなって除染溶液としての操作性や施工性が低下する傾向にある。
前記の(a)成分の含有量が4質量%未満であると、前記の構造物の表面に均一な薄膜の高分子フィルムを形成するための塗布と前記(d)成分の揮発の操作を何回も繰り返す必要があり、除染作業が非常に煩雑になる。さらに、除染溶液の粘度が低くなりすぎるため、塗布ムラが発生しやすく、高分子フィルムの剥離を行う際に、該高分子フィルムの亀裂や破断が起きて効率的で効果的な除染を行うことができない。また、(a)成分の含有量が50質量%を超えると、除染溶液の粘度が高くなりすぎるため、吹き付けや流し込みの作業性が劣り、操作性や施工性が大幅に低下する。さらに、前記構造物の表面に存在する細かな溝や段差に対して除染溶液が十分に浸透しなくなるために、放射性物質の除染残りが発生する。
本発明において、(b)無機系の放射性物質吸着剤としては、放射性物質を吸着する吸着能を有する無機粒子、例えば、ベントナイト、ゼオライト、雲母、バーミキュラライト、スメクタイト等が挙げられる。これらの無機粒子の平均粒径は0.01〜2μmの範囲にあるものが使用できるが、好ましくは1〜2μmである。また、これらの無機粒子の最大粒径は100μm以下、好ましくは50μm以下である。平均粒径が0.01μm未満であると、無機粒子の凝集が起こりやすく、放射性除染溶液の調整や塗布等における作業性の低下が顕著になる。また、2μmを超えると、前記の高分子フィルム中に大きな径を有する無機粒子が混在するようになるため、高分子フィルムの機械強度が大きく低下して剥離が困難になる。さらに、前記の構造物の表面に存在する細かな溝や段差に付着する放射性物質の除染が確実にできなくなり、除染残りが発生しやすい。同じ理由から、これらの無機粒子の最大粒径は、100μm以下、好ましくは50μm以下である。
本発明では、上記の無機粒子の中で、放射性物質吸着剤としての実績、取扱い性及び低コスト等の点からベントナイトが好適である。さらに、ベントナイトは、上記で述べたサンクション効果が他の無機粒子よりも優れるため、特に有用である。ベントナイトは、ベントナイト鉱山で採掘した状態のものから粗粒分を除き、最大粒径を100μm以下、好ましくは50μm以下に調整したものをそのまま使用できるため、安価に入手できる。
前記の(b)成分は、含有量が0.1質量%未満では放射性物質の吸着効果を十分に得ることができず、放射性物質の除染能力に不安が残り、除染処理中及び長期保管中に放射性物質の外部への漏れや飛散を避けることができない。また、放射性物質の吸着効果は(b)成分の含有量が20質量%を超えると飽和の傾向を示すだけであり、逆に、除染溶液そのものの粘度の急激な上昇によって吹き付けや流し込みの作業性や施工性の大幅な低下を招く。さらに、(b)成分は無機質であるために、その含有量が多くなるほど放射性物質除染溶液中での偏析が発生しやすくなるため、取扱い性が劣るだけでなく、高分子フィルムの強度低下によって剥離時の亀裂や破断が顕著になる。上記で述べたように、本発明においては(b)成分としてベントナイトが好適であるが、ベントナイトは増粘剤や止水材として使用される場合が多い。そのため、ベントナイトを本発明の目的を奏する放射性物質除染溶液として適用する場合、その含有量が多くなると、粘度の急激な上昇がみられ塗布作業性が大幅に低下する。したがって、(b)成分としてベントナイトを適用する場合、その含有量は0.1〜20質量%がより好ましく、さらに1〜2質量%が特に好ましい。
本発明において、(c)成分の1種である水溶性可塑剤又は水分散性可塑剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等のアルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等のポリオキシアルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールやそれらの誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの可塑剤の中でも、水溶性多価アルコール、例えば、2以上のヒドロキシ基を有する多価アルコール、特にポリオキシエチレン単位を有する多価アルコール及びグリセリンが好ましい。
また、(c)成分として使用する界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ナトリウム塩や脂肪酸カリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジアルキルジメチルアンモニム塩、塩化ベンザルコニウム等のアルキルベンジルメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグリコシド等のノニオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。界面活性剤は、上記の水溶性可塑剤又は水分散性可塑剤とともに併用しても良い。
本発明の(c)成分は、放射性物質除染溶液の塗布、乾燥によって形成される高分子フィルムに弾性を付与して柔軟性を向上させるために、一種の可塑剤として使用されるものであるが、本発明では界面活性剤を使用することがより好ましい。その理由は、高分子フィルムの可塑化の機能に加えて、上記の構造物表面に存在する水に溶けにくい物質に含有された放射性物質を溶液中に可溶化することにより、最終的に前記の高分子フィルム中に移動させる効果を奏して、本発明の除染効果を大幅に高めることができるためである。
本発明の(c)成分として好適な界面活性剤としては、上記に挙げられる様々な化合物の中で、可塑化効果を十分に得るために、炭素数8〜40を有する化合物が好適である。炭素数8〜40を有する化合物からなる界面活性剤は、分子中に不飽和二重結合、エーテル基又はエスエル基を有していても良い。炭素数が8未満の界面活性剤では、可塑化効果を十分に得ることが難しい。また、炭素数が40を超える界面活性剤は、本発明の放射性物質除染溶液に均一に分散溶解することが困難となり、放射性物質の前記溶液中への可溶化を十分に行うことができない。
また、(c)成分として好適な炭素数8〜40を有する化合物からなる界面活性剤の中で、本発明ではアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤を用いることがさらに好ましい。本発明の放射性物質除染溶液に含まれる(b)成分は、陽イオン又は陰イオンの元素を含有する無機粒子から構成されるため、アニオン性界面活性剤を使用する場合は、前記の(b)成分とのイオン相互作用によって、上記の高分子フィルムの強度と柔軟性が向上する。また、カチオン性界面活性剤を使用する場合は、アニオン性界面活性剤と比べると柔軟性の向上はほとんどみられないものの、(b)成分とのイオン相互作用によって強度が向上して高分子フィルムの剥離が容易になる。アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤による違いは界面活性剤に含まれるイオン種と前記の(b)成分との相互作用の違いに起因するものと考えられるが、詳細は不明である。以上の点から、本発明においては、アニオン性界面活性剤、特に、市販の石鹸として低コストで容易に入手できる炭素数8〜40、好ましくは10〜28の脂肪酸アルカリ金属(ナトリウム又はカリウム)塩が最も良く使用される。
前記の(c)成分は、含有量が0.2質量%未満であると、可塑化効果が得られず、前記構造物の表面からの高分子フィルムの剥離が困難になる。さらに、放射性物質の均一分散溶解の効果も得ることができず、放射線物質の除染効果の向上を図ることができない。また、その含有量が6質量%を超えると、低分子量成分の増量によって前記高分子フィルムの強度が低下するようになって、剥離時に破断や亀裂が起きるようになって本発明の効果を奏することができない。さらに、放射線除染溶液の粘度が高くなって、操作性や施工性を低下させる場合がある。
本発明において使用される(d)水を主成分とする水系媒体は、水が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上を占める媒体である。本発明の放射性物質除染溶液は、家屋の屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等の構造物の除染を対象としているため、取扱い性や作業性並びに周辺への環境負荷の低減を考慮すると、水を主成分とする水系媒体を使用する必要がある。水以外には、例えば、水溶性のメチルアルコール、エチルアルコール、2プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類又はアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類の溶媒を少量配合して使用してもよい。これらの溶媒は、本発明の放射性物質除染溶液に対して粘度を調整したり、必要に応じて上記の(a)〜(d)以外の成分を溶解させる必要がある場合に使用される。これらの溶媒の中で、人体に対する影響と環境負荷を少なくするためにエチルアルコールが好ましい。
本発明においては、上記の(a)〜(d)成分の他に、必要に応じて増粘剤、粘度調整剤、防腐剤、着色剤、防臭剤等を加えることができる。特に、着色剤は、本発明の放射性物質除染溶液の塗布箇所を識別できるだけでなく、塗布乾燥後に形成される高分子フィルムの剥離残りをチェックするために使用できる添加剤であり、除染作業を効率的に行う際に有用である。
次に、本発明による放射性物質除染溶液を用いた放射性物質除染方法の工程を、図1を参照しながら説明する。
(1)放射性物質除染溶液の調整:
上記で説明したような含有量に基づいて(a)〜(d)の各成分を配合するとともに、塗布又は散布する対象構造物の形状や傾きに応じて最適な粘度を有する本発明の放射物質除染溶液を調整する。必要に応じて、(a)〜(d)の各成分の他にも、増粘剤、粘度調整剤、防腐剤、着色剤又は防臭剤を配合する。
本発明の放射線除溶液は、4〜30℃における粘度が、除染する構造物の表面が水平面(平面)を有する場合に0.5〜50Pa・sであることが好ましく、3.0〜35Pa・sであることがより好ましい。施工作業は通年において4〜30℃の外部環境で行われるものであり、この粘度範囲は施工性と乾燥後に形成される高分子フィルムの剥離の簡便さのバランスから決められる。粘度が0.5Pa・s未満であると乾燥後の高分子フィルムの厚さが薄くなってしまい、コンクリート等の構造物からの剥離が困難になる傾向にある。また、粘度が50Pa・sを超える場合は、操作性や施工性が低下する。
また、除染する構造物の表面が角度のついた面を有する場合は、4〜30℃における粘度は、25〜150Pa・sであることが好ましく、除染場所が壁等の大きな角度を有する構造物の場合では40〜80Pa・sであることがより好ましい。この粘度範囲は、水平面の場合と同様に、施工性と乾燥後に形成される高分子フィルムの剥離の簡便さのバランスから決められる。粘度が25Pa・s未満であると、塗布後の液だれが起きるおそれがあり、150Pa・sを超えると、操作性や施工性が低下する。また、構造物の角度は一概に決められないが、3度の角度がおおよその目安となる。すなわち、本発明では3度以上の角度を有する構造物表面を角度がついた面として、3度未満の構造物表面は水平面(平面)としてみなす。
(2)放射性物質除染溶液の構造物表面への塗布又は散布:
上記の(1)で調整された放射性物質除染溶液は、放射性物質が付着した家屋の屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等の構造物へ室温(通年で4〜30℃の範囲)で塗布又は散布される。塗布または散布は、前記の構造物の形状や設置場所に応じて、吹き付け法、流し込み法又は刷毛塗り法等によって行われるが、広範囲の除染を行う場合にはスプレー等による吹き付け法が一般的に使用される。また、塗布又は散布において、本発明の放射性物質除染溶液をあらかじめ加温して粘度調整することができる。さらに、塗布又は散布のときに、加温できる塗布装置又はスプレー装置を用いても良い。
(3)高分子フィルム上の高分子シートのライニング(貼付け):
(2)で塗布又は散布した放射性物質除染溶液の上に、さらに薄膜の高分子シートを圧着又は接着させてライニング(貼付け)処理を行う。これは、後述の(6)の工程において高分子フィルムを剥離する際に、該高分子フィルムに亀裂や剥離を発生させないだけではなく、剥離除去作業を速めるための補強裏打ち材としての役割を持たせるために使用するものである。この高分子シートの厚さは10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。このシート厚さが10μm未満であると裏打ち材として効果が得られず、200μmを超えると取扱い性が低下するだけではなく、シートそのものの価格が高くなるので好ましくない。
(4)乾燥:
上記の(2)又は(3)の工程の後、本発明の放射線物質除染溶液を乾燥して(d)成分である水系媒体を揮散させる。乾燥は、通常は外気温度で所定時間(通常は1時間〜1週間)行われるが、必要に応じて、塗布又は散布場所に熱風を加えて乾燥を速める方法を採用しても良い。
(5)構造物表面上の高分子フィルムの形成:
本発明の放射性物質除染溶液を乾燥後、上記の(a)〜(c)成分から構成される高分子フィルム、又は上記の(3)の工程において高分子シートがライニングされた前記の高分子フィルムが上記の構造物表面上に形成される。このとき、放射性物質除染溶液の乾燥は、上記の(d)成分が完全に除去される必要はなく、高分子フィルムの剥離を容易に行うことができる程度の乾燥状態であれば良い。この工程で形成する高分子フィルムは、後で示す(6)の工程において最終的に剥離処理が行われることから、剥離処理に適した厚さとして100〜2000μmが好ましい。さらに、フィルムの強度と柔軟性との両立を図るために、厚さは500〜1000μmであることがより好ましい。
また、この高分子シートの材質として、前記の高分子フィルムに含まれる高分子材料と同じ材料を少なくとも1種以上含有して構成することによって、前記の高分子フィルムとの密着性が上がるため、裏打ち材としての効果を十分に奏することができる。本発明の放射性物質除染溶液に含まれる高分子が水溶性又は水分散性の高分子であることから、この高分子シートの材質としても同じような水溶性又は水分散性の高分子であることが好ましいが、本発明では必ずしも水溶性又は水分散性の高分子に限定されない。高分子シートの具体的な材質としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル又はポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルの混合物の何れかであることが好ましい。
なお、本発明において、上記の高分子フィルムの剥離の際に十分な強度と柔軟性を有するものであれば、上記の高分子シートのライニング工程を経由しなくても本発明の効果を奏することができるので、場合によっては本工程は省略しても良い。
(6)高分子フィルム又は高分子フィルム/高分子シートの剥離、除去:
上記の構造物の表面上の高分子フィルムは、薄膜であるために、手動で又は剥離装置を用いて容易に剥離することができる。剥離装置は、高分子フィルムの片面を固定した後、この固定面又は固定点を起点にしてゆっくりと移動させながら剥離操作を行うものを用いても良い。本発明においては、高分子フィルムが剥離に十分に耐えうるような強度と柔軟性を有するため、操作性と作業性に優れる。また、必要に応じて、高分子フィルムの剥離部分に熱風を当てながら剥離を行っても良い。
この工程では、高分子フィルムだけの場合の他にも、前記の(5)の工程でライニング処理を行った薄膜の高分子シートとともに高分子フィルムを剥離して、両者を同時に除去することができる。
(7)高分子フィルム又は高分子フィルム/高分子シートの保管・保存:
上記の(6)の工程で剥離、除去された高分子フィルム又は高分子フィルムと高分子シート(高分子フィルム/高分子シート)は放射性物質を含むため、放射性物質が外部へ飛散又は漏洩しないような処置が施された場所に集めて保管、保存される。高分子フィルム又は高分子フィルム/高分子シートはロール状又は折りたたんだ状態で保管・保存を行うことによって、保管・保存場所のスペースを小さくできる。本発明は、放射性物質に汚染された汚染物の減容化という意味においても従来の放射性物質除染方法には無い優れた特徴を有する。
本工程において高分子フィルム又は高分子フィルム/高分子シートの保管・保存の期間は、両者に含まれる放射性物質の上記の(b)放射性物質吸着剤への吸着挙動をあらかじめ把握することによって決めることができる。すなわち、放射性物質が人体への影響を出ないレベルにまで吸着される時間(吸着時間)が分かれば、少なくともその吸着時間以上で前記の高分子フィルム又は高分子フィルム/高分子シートを保存、保管の状態で放置する。さらに安全性を高めるために、前記の吸着時間よりもさらに余裕をもってより長めの保管・保存の期間を設定する方が好ましい。
(8)高分子フィルム又は高分子フィルム/高分子シートの溶媒への浸漬、溶解:
この工程は、放射性物質を含む放射性廃棄物の減容化を推進するために、次の工程(9)とともに行うものである。上記の(7)の工程において、少なくとも上記の吸着時間以上に放置された高分子フィルム又は高分子フィルム/高分子シートは、両者の材料を溶解できる溶媒へ浸漬、溶解する。この溶媒は、水又は水を主成分とする水系溶媒が主に使用される。本工程の浸漬、溶解は、保管・保存場所の近くで行っても良いし、化学工場等の特殊な処理場所で行っても良い。後者の場合は、アルコール類、エーテル類又はアセトン類等の溶媒を使用できる作業環境が整備されているため、これらの溶媒を使用することができる。それによって、本工程の処理時間を短縮化できるだけではなく、より安全な処理を行うことができる。
(9)無機系の放射性物質吸着剤の分離除去:
上記の(8)の工程で得られる高分子フィルム又は高分子フィルム/高分子シートを含有する溶液は、濾過又は遠心分離による方法等によって、無機系の放射性物質吸着剤だけが分離除去される。このようにして分離除去された無機系の放射性物質吸着剤は、さらに放射線量の低減を行うために、次の(10)の工程に移される。
本工程において、無機系の放射性物質吸着剤だけが分離除去されて得られた溶液は、溶媒を抽出して、水溶性又は水分散性の高分子をごみ廃棄物として処理する。また、この溶液を図1に示すように再利用して、新たに所定量の(b)無機系の放射性物質吸着剤を配合した後、図1に示す(1)の工程において放射性物質除染溶液として使用しても良い。この溶液の再利用は、水溶性又は水分散性の高分子をごみとして廃棄する必要がなくなるため、ごみの減量化に貢献できる。
さらに、本発明において使用する高分子シートの材質としては、必ずしも水溶性又は水分散性である必要はなく、例えば、ケン化度が85%未満であるようなPVA等を使用することができる。その場合は、本工程において、無機系の放射性物質吸着剤の他にも、高分子シートが分離除去される。分離除去された高分子シートはごみ廃棄物として処理しても良いが、ごみの減量化を図るために、図1に示すように(3)の工程において再利用することが好ましい。
(10)無機系の放射性物質吸着材の保管・保存:
上記の(9)の工程で分離除去された無機系の放射性物質吸着剤は捕集された後、放射性廃棄物として、放射性物質が外部へ飛散又は漏洩しないような処置が施された場所に集めて保管、保存される。最終的に、人体に全く影響が出ないレベルにまで放射線量の低減が確認される段階まで密閉状態で保管・保存された後、産業廃棄物として廃棄される。
以上のように、本発明の放射性物質除染方法は、放射性物質が付着した家屋の屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等の構造物から放射性物質を迅速、且つ効率的で効果的に除去するだけではなく、除去によって生じる廃棄物の減容化を図るために、図1に示す(1)〜(10)の工程を有する。
本発明を実施例によって説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ケン化度約88%、重合度約2000のPVA6.5質量%、界面活性剤として脂肪酸(オレイン酸)カリウム1.4質量%、ベントナイト1.0質量%、水を91.1質量%混合したPVA系水溶液(23℃の粘度:30Pa・s)250mlを900cm2の平面なコンクリート表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布し24時間乾燥後、PVAフィルムとなったものを剥離した。塗布前はコンクリート表面の放射線量が4.9kc/minであったのに対し、PVAフィルム剥離後は2.8kc/minであり、その除染率は42.9%であった。
[実施例2]
ケン化度約88%、重合度約2000のPVA6.5質量%、界面活性剤として脂肪酸(オレイン酸)カリウム1.4質量%、ベントナイト1.0質量%、水を91.1質量%混合したPVA系水溶液(23℃の粘度:30Pa・s)200mlを約900cm2の平面なリノリウム表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布し24時間乾燥後、PVAフィルムとなったものを剥離した。塗布前は4.3kc/minであったのに対し、PVAフィルム剥離後はリノリウム表面の放射線量が0.19kc/minであり、その除染率は95.6%の高い除染率が得られた。
[実施例3]
ケン化度約88%、重合度約2000のPVA6.5質量%、ポリ酢酸ビニル10.5質量%、界面活性剤として脂肪酸(オレイン酸)カリウム0.7質量%、ベントナイト10.0質量%、水を72.3質量%混合したPVA+ポリ酢酸ビニル系水溶液(23℃の粘度:40Pa・s)300mlを900cm2の平面なコンクリート表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布し24時間乾燥後、フィルムとなったものを剥離した。塗布前は4.6kc/minであったのに対し、フィルム剥離後はコンクリート表面の放射線量が2.0kc/minであり、その除染率は56.5%であった。
[実施例4]
分子量20000のポリ酢酸ビニル10.5質量%、界面活性剤として脂肪酸(リノール酸)ナトリウム1.4質量%、ベントナイト2.0質量%、水を86.1質量%混合したポリ酢酸ビニル系水溶液(23℃の粘度:15Pa・s)300mlを900cm2の平面なコンクリート表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布し24時間乾燥後、フィルムとなったものを剥離した。塗布前は4.6kc/minであったのに対し、フィルム剥離後はコンクリート表面の放射線量が2.1kc/minであり、その除染率は54.3%であった。
[実施例5]
分子量15000のエチレンービニルアルコール共重合体6.5質量%、界面活性剤として脂肪酸(オレイン酸)カリウム1.4質量%、ベントナイト1.0質量%、水を91.1質量%混合した水分散系のエチレンービニルアルコール共重合体溶液(23℃の粘度:8Pa・s)250mlを900cm2の平面なコンクリート表面に室温(18〜25℃)で塗布した後、30〜60℃の熱風を吹き付けてエチレンービニルアルコール共重合体溶液の均一な塗布面と形成した。さらに、この溶液を24時間乾燥後、エチレンービニルアルコール共重合体フィルムとなったものを剥離した。塗布前はコンクリート表面の放射線量が4.9kc/minであったのに対し、PVAフィルム剥離後は3.0kc/minであり、その除染率は38.8%であった。
[実施例6]
実施例2のPVA溶液において、ベントナイトの代わりにゼオライトを用いて、各成分の含有量は実施例2と同じにしてPVA系水溶液を調整した(23℃の粘度: 4Pa・s)。このPVA系水溶液250mlを900cm2の平面なリノリウム表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布し24時間乾燥後、PVAフィルムとなったものを剥離した。塗布前はリノリウム表面の放射線量が4.3kc/minであったのに対し、PVAフィルム剥離後は0.30kc/minであり、その除染率は93.0%であった。
[実施例7]
実施例2のPVA溶液において、界面活性剤としてアニオン性活性剤である脂肪酸(オレイン酸)カリウムの代わりにカチオン性界面活性剤である塩化ジステアリルジメチルアンモニウムを用いて、各成分の含有量は実施例2と同じにしてPVA系水溶液を調整した(23℃の粘度:6Pa・s)。このPVA系水溶液250mlを900cm2の平面なリノリウム表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布し24時間乾燥後、PVAフィルムとなったものを剥離した。このPVAフィルムは、実施例2のものよりもやや柔軟性に欠けるが、剥離作業において支障はほとんど無かった。塗布前はリノリウム表面の放射線量が4.3kc/minであったのに対し、PVAフィルム剥離後は0.26kc/minであり、その除染率は94.0%であった。
[実施例8]
実施例2のPVA溶液において、界面活性剤として使用する脂肪酸(オレイン酸)カリウムの代わりに水溶性の可塑剤であるグリセリンを用いて、各成分の含有量は実施例2と同じにしてPVA系水溶液を調整した(23℃の粘度:5Pa・s)。このPVA系水溶液250mlを900cm2の平面なリノリウム表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布し24時間乾燥後、PVAフィルムとなったものを剥離した。塗布前はリノリウム表面の放射線量が4.3kc/minであったのに対し、PVAフィルム剥離後は0.35kc/minであり、その除染率は91.9%であった。
[実施例9]
ケン化度約88%、重合度約2000のPVA9.5質量%、ポリ酢酸ビニル12質量%、界面活性剤として脂肪酸(オレイン酸)カリウム1.5質量%、ベントナイト12.0質量%、水を65質量%混合したPVA+ポリ酢酸ビニル系水溶液(23℃の粘度:80Pa・s)300mlを900cm2の垂直に立てた壁の表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布した。塗布液の液だれはほとんど見られなかった。この塗布液を24時間乾燥後、フィルムとなったものを剥離した。塗布前は4.6kc/minであったのに対し、フィルム剥離後はコンクリート表面の放射線量が2.1kc/minであり、その除染率は54.3%であった。
また、実施例3のPVA+酢酸ビニル系水溶液300mlを用いて、本実施例と同様に、900cm2の垂直に立てた壁の表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布したが、この場合は塗布液の液だれがやや発生した。このように、放射性物質が付着した構造物において、その表面が角度を有する場合は、平面の場合よりも除染溶液の粘度をやや高める必要がある。
[実施例10]
実施例1と同じ照射線物質除去溶液を用いて、実施例1と同じ方法で900cm2の平面なコンクリート表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布した放射性物質除染溶液の上に厚さが20μmであるPVAシートをライニング処理した。
PVAシートのライニング処理に続いて3時間放置して乾燥を行った後、このPVAシートを先に形成したPVAフィルムとともに剥離した。PVAシートとPVAフィルムとは十分に密着しており、両者の重ね合わせたものは強度が向上するために、両者を同時に、且つ、実施例1の場合よりも3倍の高速で剥離させることができた。塗布前はコンクリート表面の放射線量が4.9kc/minであったのに対し、PVAフィルム剥離後は2.4kc/minであり、その除染率は51.0%であった。本実施例の除染率は、実施例1の場合よりもやや向上することが分かった。除染率の向上は、PVAシートの圧着処理の際に、すでに形成していたPVAフィルムとコンクリート表面との密着性が上がったためと考えられるが、詳細は不明である。
[比較例1]
平面なコンクリート表面に溶液を塗布せずにデッキブラシで60回こすり、水で流した。水洗い前はコンクリート表面の放射線量が4.4kc/minであったのに対し、水洗い後は2.2kc/minであり、その除染率は50.0%であった。コンクリート表面の除染率に大きな差はないが、水洗いによる汚染範囲の拡大や飛散を考えるとこの方法は適当ではない。
[比較例2]
ケン化度約88%、重合度約2000のPVA6.5質量%、ベントナイト1.0質量%、水を91.1質量%混合したPVA系水溶液(23℃の粘度:4Pa・s)を調整した。本実施例の溶液は、実施例1の溶液とは界面活性剤を含まない点で溶液の組成が異なる。このようにして調整されたPVA系水溶液250mlを900cm2の平面なコンクリート表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布し24時間乾燥後、PVAフィルムとなったものの剥離を実施例1と同じ方法で行ったが、剥離作業の初期でPVAフィルムの破断が起きたため、剥離作業を何度も中断する結果となった。また、剥離作業終了後でコンクリート表面の観察を行った結果、剥離できなかったPVAフィルム残りがあり、十分な除染作業ができないことが分かった。
[比較例3]
実施例1で使用したPVAと同じケン化度約88%、重合度約2000のPVAを用いて、PVA3.5質量%、界面活性剤として脂肪酸(オレイン酸)カリウム0.5質量%、ベントナイト1.0質量%、水を95質量%混合したPVA系水溶液(23℃での粘度:5Pa・s)250mlを900cm2の平面なコンクリート表面に室温(18〜25℃)で塗布し24時間乾燥後、PVAフィルムを形成した。しかし、コンクリート表面に形成したPVAフィルムは、塗布ムラが見られたため、再度、同じPVA系溶液を用いてコンクリート表面への塗布を行って24時間乾燥を行った。計2回の塗布作業によって形成したPVAフィルムを剥離したが、剥離作業途中でPVAフィルムの亀裂が発生した。この亀裂部分は、PVAフィルムの厚さが薄い箇所に見られた。塗布前はコンクリート表面の放射線量が4.9kc/minであったのに対し、PVAフィルム剥離後は3.4kc/minである。その除染率は30.6%であり、実施例1と比べて除染率が低下した。
[比較例4]
実施例3のPVA+ポリ酢酸ビニル系水溶液と同じ成分を用いて、ベントナイトの含有量を21質量%とし、水の含有量を61.3質量%とした以外は実施例3と同じ方法でPVA+ポリ酢酸ビニル系水溶液(23℃の粘度:200Pa・s)を調整した。このPVA+酢酸ビニル系水溶液300mlを900cm2の平面なコンクリート表面に室温(18〜25℃)で均一に塗布しようとしたが、溶液の粘度が高いためにスプレーによる吹き付け法を採用することができず、刷毛塗りによる塗布を行った。塗布時間は吹き付け法よりも約10倍要し、また、乾燥時間は48時間以上と実施例3よりも2倍以上必要であった。乾燥後、フィルムとなったものを剥離したが、剥離作業途中でフィルムの亀裂が発生した。また、塗布前はコンクリート表面の放射線量が4.6kc/minであったのに対し、フィルム剥離後は3.5kc/minであり、その除染率は23.9%と実施例3と比べて大きく低下することが分かった。
実施例に示すように、本発明の放射性物質除染溶液は、(a)水溶性又は水分散性高分子、(b)無機系の放射性物質吸着剤、(c)水溶性可塑剤、水分散性可塑剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の化合物、及び(d)水を主成分とする水系媒体を含み、これらの各成分の含有量が最適化されているために、放射性物質が付着した構造物表面に高分子フィルムを形成した後、該高分子フィルムを簡便に剥離除去できるようになる。それによって、本発明の放射性物質除染方法は、十分な放射線物質の除染効果を得ることができる。それに対して、従来の除染方法である比較例1は洗浄に使用される水が汚染を拡大する可能性が高いため、効果的な除染方法とはいえない。また、比較例2の溶液は、前記の(c)成分を含有しないため、前記構造物の表面に形成される高分子フィルムの剥離を亀裂又は破断無しで行うことが難しく、除染方法に適用することができない。同様に、前記の(a)成分の含有量が少ない比較例3、又は前記の(b)成分の含有量が多い比較例4についても、高分子フィルムの剥離の際に問題が発生する。さらに、比較例3又は比較例4は、実施例と比べて作業性や施工性が悪くなるため、除染効率が大きく低下する。
以上のように、本発明の放射性物質除染溶液は、放射性物質が付着した家屋の屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等の構造物表面に形成する高分子フィルムを簡便に剥離除去できる構成を有するだけではなく、セシウムイオン等の放射性物質を安定的に保持できる無機系の放射性物質吸着剤を含有する。それによって、放射性物質の外部への飛散や漏れが防止され、前記構造物の除染を確実に、且つ安定的に行うことができる。したがって、このような特徴を有する放射性物質除染溶液を用いた本発明の放射性物質除染方法は、前記の構造物表面に付着する放射性物質を従来方法よりも迅速、且つ効率的で効果的に除染することができる。また、本発明の放射性物質除染方法は、除去によって生じる廃棄物の減容化に対しても有効な方法であり、有用性が極めて高い。

Claims (11)

  1. 少なくとも
    (a)ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル及びエチレンービニルアルコール共重合体から選ばれる少なくともいずれか1種の水溶性又は水分散性高分子、
    (b)ベントナイト及びゼオライトから選ばれる少なくともいずれか一つの無機系の放射性物質吸着剤、
    (c)水溶性可塑剤、水分散性可塑剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の化合物、及び
    (d)水を主成分とする水系媒体、を含有し、
    前記(a)〜(d)の各成分の合計量を100質量部としたときに、前記の(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の含有量はそれぞれ4〜50質量%、0.1〜20質量%、及び0.2〜6質量%であり、残余は前記の(d)成分で構成されることを特徴とする構造物からの放射性物質除染溶液。
  2. 前記の(c)成分が、界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の構造物からの放射性物質除染溶液。
  3. 前記の界面活性剤が、炭素数8〜40を有する化合物であることを特徴とする請求項2に記載の構造物からの放射性物質除染溶液。
  4. 前記の界面活性剤が、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項3に記載の構造物からの放射性物質除染溶液。
  5. 前記の(b)無機系の放射性物質吸着剤は、ベントナイトであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の構造物からの放射性物質除染溶液。
  6. 前記の(a)水溶性又は水分散性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル又はポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルの混合物であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の構造物からの放射性物質除染溶液。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の構造物からの放射性物質除染溶液を用いて、該放射性物質除染溶液を家屋の屋根や壁、コンクリート又はアスファルト等からなる構造物の表面に塗布又は散布する工程、前記の(d)水を主成分とする水系媒体を揮発させることによって前記の(a)、(b)及び(c)の各成分を含む高分子フィルムを前記の構造物の表面に形成する工程、及び前記の高分子フィルムを前記の構造物の表面から剥離又は除去する工程、を含む放射性物質除染方法。
  8. 前記の放射性物質除染溶液は4〜30℃における粘度が、前記の構造物の表面が水平面を有する場合又は角度がついた面を有する場合に応じて、それぞれ0.5〜50Pa・s又は25〜150Pa・sに調整されて前記の構造物の表面に塗布されることを特徴とする請求項7に記載の放射性物質除染方法。
  9. 請求項7又は8に記載の放射性物質除染溶液による放射性物質の除染方法において、前記の構造物の表面に塗布又は散布した前記の放射性物質除染溶液の上に、さらに薄膜の高分子シートを圧着又は接着させた後に乾燥させ、前記の高分子シートを前記の高分子フィルムとともに、前記の構造物の表面から剥離又は除去することを特徴とする放射性物質除染方法。
  10. 前記の高分子シートは、前記の高分子フィルムに含まれる高分子材料と同じ材料を少なくとも1種以上含有して構成されることを特徴とする請求項9に記載の放射性物質除染方法。
  11. 前記の高分子フィルム又は前記の高分子フィルムと前記の高分子シートを、水を主成分とする水系媒体に浸漬溶解した後、放射性物質が前記の(b)成分に吸着するために要する時間(吸着時間)をあらかじめ求めておいて、前記の高分子フィルム及び/又は前記の高分子シートを浸漬溶解した溶液を少なくとも前記の吸着時間まで保管又は放置してから前記の(b)成分だけを放射性廃棄物として分離除去することを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載の放射性物質除染方法。
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