JP6052340B2 - 含フッ素化合物含有組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、含フッ素化合物含有組成物の製造方法に関する。
一般式:CnFmXl(式中、m+l≦2n及びn≧2であり、Xはそれぞれ独立して、F、Br、Cl、I又はHを表す。)等で表される含フッ素オレフィンは、各種機能性材料、溶媒、冷媒、発泡剤等の用途や、機能性重合体のモノマーやそれらの原料などとして有用な化合物であり、例えば、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の改質用モノマーとして用いられている。
従来の含フッ素オレフィンの製造は、種々の炭化水素類や含ハロゲン炭化水素類を原料として、フッ素化、ハロゲン化、脱フッ素、脱フッ化水素、脱ハロゲン,脱ハロゲン化水素等、種々な反応工程を適宜組み合わせて実施されている。
例えば、近年、地球温暖化係数の低い冷媒化合物として有望視されている2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)は、含塩素化合物のフッ素化、脱ハロゲン、脱ハロゲン化水素等の反応工程を適宜組み合わせることにより製造できることが報告されている(特許文献1)。また、特許文献2及び3には、ヘキサフルオロプロペン(HFP)を原料化合物として、水素化と脱フッ化水素を繰り返し、HFO-1234yfを製造する方法が開示されている。さらに、特許文献4には、HFC-254eb及びHFC-254fbの接触脱水素化によりHFO-1234yfを製造する方法が開示されている。
例えば、HFPを原料化合物としてHFO-1234yfを製造する場合、以下のような反応工程を用いることができる。
CF3CF=CF2(HFP)+ H2 → CF3CFHCF2H (HFC-236ea) (1)
CF3CFHCF2H → CF3CF=CFH (HFO-1225ye(E/Z)) + HF (2)
CF3CF=CFH + H2 → CF3CFHCFH2(HFC-245eb) (3)
CF3CFHCFH2 → CF3CF=CH2(HFO-1234yf) + HF (4)
特開2015-44843号公報 特開2012-77086号公報 特表2011-520856号公報 特表2013-529640号公報
上記の製造方法では、反応工程の途中で、目的の含フッ素オレフィンの原料として利用できる中間体が生成するため、これらを反応工程に供給し目的物を得ることが望ましい。しかし、有用な中間体が不要な副生成物との混合物として得られる場合であって、これらの沸点差が小さい混合物を形成する場合、及び、共沸混合物又は擬共沸混合物を形成する場合等がある。このような場合、有用な中間体と不要な副生成物とを分離するにために、非常に多くの段数の精留塔が必要となったり、抽出蒸留が必要となる。
例えば、上記したHFPを原料化合物としてHFO-1234yfを製造する場合、HFO-1234yfを得る反応工程(4)において、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)等が副生成する。これらの副生成物の中で、HFC-245cbはHFO-1234yfの原料となるため、その他の副生成物から分離し脱フッ化水素するプロセスが効率的であると考えられるが、HFO-1234zeとHFC-245cbは沸点が近いため各々を分離するには非常に多くの段数の精留塔が必要となったり,抽出蒸留が必要となり設備コスト及び/又は稼働コストの増大の要因となる。
本発明の目的は、多くの段数の精留塔あるいは抽出蒸留等を必要としない、方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも1種のフルオロオレフィン及び少なくとも1種フルオロカーボンの混合物であって、それらの沸点が近接する混合物、それらの共沸混合物及びそれらの擬共沸化合物からなる群より選択される少なくとも1種の混合物を含む組成物の少なくとも一部を脱フッ化水素工程へ供給することにより、多くの段数の精留塔あるいは抽出蒸留等を必要とせず、効率的に目的とする含フッ素化合物を製造できることを見出した。本発明は、上記の知見に基づいてさらなる検討を重ねて完成させたものである。すなわち、本発明は、以下の含フッ素化合物含有組成物の製造方法に関する。
項1.含フッ素化合物の製造方法であって、
式(1):
[化1]
CnFmXl (1)
[式中、n、m及びlは1以上の整数であって、m+l=2n、n≧2であり、Xはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン、及び前記フルオロオレフィンとの沸点の差が9℃より小さいか、又は、前記フルオロオレフィンと共沸混合物もしくは擬共沸混合物を形成する、以下の式(2):
[化2]
CpFqYrHs (2)
[式中、p、q、r及びsは1以上の整数であって、q+r+s=2p+2であり、Yはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表し、少なくとも1個はハロゲン原子を表す。]
で表される少なくとも1種のヒドロフルオロカーボンを含む混合物を含有する含フッ素化合物含有組成物Aの少なくとも一部を脱ハロゲン化水素工程へ供給する工程Dを含む製造方法。
項2.前記式(1)で表されるフルオロオレフィンが、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)、1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、1,1,1-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、フルオロエチレン(HFO-1141)、テトラフルオロエチレン(HFO-1114)及び1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン化フルオロオレフィンであり、
前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンが、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、1,1,2,2-ヘキサフルオロエタン(HFC-134)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,1,2-ヘキサフルオロエタン(HFC-134a)、フルオロエタン(HFC-161)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)からなる群より選択される少なくとも1種の飽和ハロゲン化フルオロカーボンである、
項1に記載の製造方法。
項3.前記工程Dにおいて、前記式(2)で表される少なくとも1種のヒドロフルオロカーボンを、前記式(1)で表されるフルオロオレフィンとの沸点差が9℃以上である、式(3):
[化3]
CpFqZt[式中、p、q、及びtは1以上の整数であって、p≧2、q+t=2pであり、Zはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンに変換し、前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む混合物を含有する含フッ素化合物含有組成物Bを得る、項1又は2に記載の製造方法。
項4.前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む混合物を含有する含フッ素化合物含有組成物Bの少なくとも一部を、前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンの富んだ留分と,前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンの量が低下した留分に分ける分離工程をさらに含む、項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項5.前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンが、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、フルオロエチレン(HFO-1141)、テトラフルオロエチレン(HFO-1114)、1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群より選択される少なくとも1種の飽和ハロゲン化フルオロカーボンである、項3に記載の製造方法。
項6.水素化工程及びフッ素化工程のいずれか又は両方をさらに含む、項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
項7.前記分離工程が、蒸留、抽出蒸留、液液分離及び膜分離からなる群より選択される少なくとも1種の分離工程を含む、項4〜6のいずれかに記載の方法。
項8.前記含フッ素化合物が式(4):
[化4]
CF3CX=CYZ (4)
[式中、X、Y及びZはそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。]
で表される含フッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素化合物であり、項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
項9.前記式(4)で表される含フッ素化合物が、1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素化合物である、項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
項10.原料化合物が、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)及び3-クロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235cb)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
項11.前記式(4)で表される含フッ素化合物が1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素化合物であり、
原料化合物がヘキサフルオロプロペン(HFP)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)及び3-クロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235cb)からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素化合物であり、
前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンが1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)であり、
前記式(2)で表される少なくとも1種のヒドロフルオロカーボンが1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)であり、
前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンが2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である、
項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
項12.前記水素化工程の少なくとも一つが気相反応である項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
項13.前記水素化工程の少なくとも一つが液相反応である項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
項14.前記フッ素化工程の少なくとも一つが気相反応である項6〜13のいずれかに記載の製造方法。
項15.前記フッ素化工程の少なくとも一つが液相反応である項6〜13のいずれかに記載の製造方法。
項16.2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)の製造方法であって、
1)少なくとも1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)をを第一の水素化工程に供給し、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245eb)を含む生成混合物を得る工程、
2)前記生成混合物1を第一の脱ハロゲン化水素工程に供給し、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)を含む生成混合物2を得る工程、
3)生成混合物2を分離工程に供給し、HFO-1234yfを含む混合物とHFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物とに分離する工程、及び、
4)前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物を、前記第一の脱ハロゲン化水素工程及び前記第一の脱ハロゲン化水素工程以外の脱ハロゲン化水素工程のいずれか又は両方に供給し、前記HFC-245cbを脱ハロゲン化水素してHFO-1234yfに変換する工程、
を含む製造方法。
項17.前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物を、前記第一の脱ハロゲン化水素工程以外の脱ハロゲン化水素工程に供給する、請求項16に記載の製造方法。
項18.前記第一の脱ハロゲン化水素工程以外の脱ハロゲン化水素工程の反応温度が、前記第一の脱ハロゲン化水素工程の反応温度より高い、項16又は17に記載の製造方法。
項19.前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物の脱ハロゲン化水素により得られた混合物からHFO-1234yfを回収する分離工程を含む、項16〜18のいずれかに記載の製造方法。
項20.2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)の製造方法であって、
1)少なくともヘキサフルオロプロペン(HFP)をを第一の水素化工程に供給し、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)を含む生成混合物1を得る工程、
2)前記生成混合物1を第一の脱ハロゲン化水素工程に供給し、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)を含む生成混合物2を得る工程、
3)前記生成混合物2を第二の水素化工程に供給し、HFC-245ebを含む生成混合物3を得る工程、
4)前記生成混合物3を第二の脱ハロゲン化水素工程に供給し、HFO-1234ze、HFC-245cb及びHFO-1234yfを含む生成混合物4を得る工程、及び、
5)前記生成混合物4を分離工程に供給し、HFO-1234yfを含む混合物とHFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物とに分離し、前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物を、前記第一の脱ハロゲン化水素工程及び前記第二の脱フッ化水素工程及び、前記第一の脱ハロゲン化水素工程、前記第二の脱ハロゲン化水素工程、及び、前記第一及び第二のハロゲン化水素工程のいずれでもない脱ハロゲン化水素工程の少なくともいずれかの工程に供給し、HFC-245cbを脱ハロゲン化水素してHFO-1234yfに変換する工程、
を含む製造方法。
項21.前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物を、第一の脱ハロゲン化水素工程に供給する、請求項20に記載の製造方法。
項22.前記生成混合物2がHFO-1234zeをさらに含み、該生成混合物2を前記第二の水素化工程に供給し、HFO-1234zeをHFC-254fbに変換する、項20又は21に記載の製造方法。
項23.前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物が供される脱ハロゲン化水素工程の少なくとも一つの脱ハロゲン化水素工程の反応温度が、前記第二の脱ハロゲン化水素工程の反応温度より高い、項20〜22のいずれかに記載の製造方法。
項24.前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物の脱ハロゲン化水素により得られた混合物からHFO-1234yfを回収する分離工程を含む、項20〜23のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、沸点が近接するか、又は、共沸組成物及びそれらの擬共沸組成物を形成する、少なくとも1種のフルオロオレフィン及び少なくとも1種のフルオロカーボンを含む混合物からなる群より選択される少なくとも1種の混合物を含有する組成物から、効率的に前記フルオロオレフィンの少なくとも一種を回収することによって、より低い設備コスト及び/又は稼働コストで目的とする含フッ素化合物を製造する方法が提供され得る。
以下、本発明について、詳細に説明する。
なお、各種フッ素化合物の名称は、以下の表による定義に基づいて記載する。
Figure 0006052340
本明細書中、表1に記載した含フッ素化合物であって、異性体が存在する場合は、特に断りのないかぎり、(E)体及び(Z)体のいずれか又は両方を意味する。
含フッ素化合物の製造方法
本発明の含フッ素化合物の製造方法は、
式(1):
[化1]
CnFmXl (1)
[式中、n、m及びlは1以上の整数であって、m+l=2n、n≧2であり、Xはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表し、少なくとも1個はハロゲン原子を表す。]
で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン、及び前記フルオロオレフィンとの沸点の差が9℃より小さいか、又は、前記フルオロオレフィンと共沸混合物もしくは擬共沸混合物を形成する、以下の式(2):
[化2]
CpFqYrHs (2)
[式中、p、q、r及びsは1以上の整数であって、q+r+s=2p+2であり、Yはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
で表される少なくとも1種のヒドロフルオロカーボンを含む混合物を含有する含フッ素化合物組含有成物Aの少なくとも一部を脱ハロゲン化水素工程へ供給する工程Dを含む。
前記脱ハロゲン化水素工程は、気相及び液相のいずれでも行うことができる。
また、前記脱ハロゲン化水素工程では、反応器に窒素、ヘリウム、アルゴン等の脱ハロゲン化水素される化合物や触媒に対して不活性なガスをさらに供給してもよい。ただし、脱ハロゲン化水素される化合物に不活性ガスを混合させると、目的物と不活性ガスとを精留又は抽出蒸留等によって分離回収する必要が生じる。この場合、不活性ガスである窒素は非凝縮性のガスであるため、窒素と目的物とを含む有機成分が同伴して回収されることになる。そのため、目的物の回収率が低下するおそれもある。このような観点から、含フッ素化合物含有組成物Aを反応器に供給するにあたり、含フッ素化合物含有組成物A及び不活性ガスの全量に対する不活性ガスの含有量は、好ましくは50 mol%未満、より好ましくは10 mol%未満、特に好ましくは2 mol%未満であり、最も好ましくは不活性ガスを含フッ素化合物含有組成物Aと共存させないことである。
本発明の一実施形態においては、前記工程Dにより、前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンを、前記式(1)で表されるフルオロオレフィンとの沸点差が9℃以上である、式(3)CpFqZt[式中、p、q、及びtは1以上の整数であって、p≧2、q+t=2pであり、Zはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンに変換し、互いに沸点が9℃以上異なる、前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンの混合物を含有する、精製が容易な含フッ素化合物含有組成物Bを得ることができる。
また、本発明の別の実施形態においては、前記工程Dにより、前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンを、前記式(1)で表されるフルオロオレフィンとは共沸混合物又は擬共沸混合物を形成しない、前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンに変換し、前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンの混合物を含有する、精製が容易な含フッ素化合物含有組成物Bを得ることができる。
かかる含フッ素化合物含有組成物Bは、互いに沸点が9℃以上異なるフルオロオレフィンの混合物、共沸混合物でないフルオロオレフィンの混合物及び擬共沸混合物でないフルオロオレフィンの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の混合物を含む組成物であるため、含フッ素化合物含有組成物Bに含まれる少なくとも1種のフルオロオレフィンの一部又は全部を容易に分離することができる。
前記含フッ素化合物含有組成物Bに含まれる少なくとも1種のフルオロオレフィンの一部又は全部を分離する工程としては、特に限定されず、例えば、精留、抽出蒸留、液液分離、膜分離等からなる群より選択される少なくとも1種の分離工程が挙げられる。
本発明の含フッ素化合物の製造方法は、水素化工程及びフッ素化工程のいずれか又は両方をさらに含むことができる。
前記脱ハロゲン化水素工程には、一般的な脱ハロゲン化水素反応に用いられる触媒を使用することができる。例えば、遷移金属元素、第14族元素及び第15族元素等のハロゲン化物及び酸化物等を用いることができる。このような触媒は、金属元素と脱離するフッ素原子との親和性が高いために、脱フッ化水素反応を促進させる効果を有するものと考えられる。遷移金属元素の具体例としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Ta等が挙げられる。第14族元素の具体例としては、Sn、Pb等が挙げられる。第15族元素の具体例としては、As、Sb、Bi等が挙げられる。これらの元素のハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物等が挙げられる。これらのうち、SbCl5、SbCl3、SbF5、TaCl5、SnCl4、NbCl5、FeCl3、CrCl3、CrF3、TiCl4、MoCl5、Cr2O3、CoCl2、NiCl2等を好適に用いることができる。これらの触媒は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
これらの触媒は、担体に担持されていてもよい。担体としては、特に限定的ではなく、例えば、ゼオライトに代表される多孔性アルミナシリケート、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、活性炭、酸化チタン、酸化ジルコニア、酸化亜鉛、フッ化アルミニウム等が挙げられ、これらのうち一種または二種以上を混合し又は構造上複合化したものも用いることができる。担体に担持された触媒の具体例としては、Cr2O3/Al2O3、Cr2O3/AlF3、Cr2O3/C、CoCl2/Cr2O3/Al2O3、NiCl2/Cr2O3/Al2O3、CoCl2/AlF3、NiCl2/AlF3等が挙げられる。
これらの触媒のうち、酸化クロム、フッ素化された酸化クロム等が好ましい。このような酸化クロム触媒及びフッ素化された酸化クロムとしては、結晶質酸化クロム、アモルファス酸化クロム等を用いることができ、より具体的には、例えば、酸化クロム及びフッ素化された酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒であって、組成式:CrOm(1.5<m<3)で表される酸化クロム及び該酸化クロムをフッ素化して得られるフッ素化酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒を好適に用いることができる。
前記脱ハロゲン化水素工程における反応圧力は、特に限定されず、減圧下、常圧下又は加圧下で行うことができるが、常圧下での反応が好ましい。
前記脱ハロゲン化水素工程における反応温度は、常圧下の場合は200〜600℃とすることができ、250〜450℃が好ましい。
前記脱ハロゲン化水素工程における接触時間は、通常、触媒充填量W(g)と、前記脱ハロゲン化水素工程の反応器に供給するガスの全流量Fo(0℃、1atmでの流量:cc/sec)との比率:W/Foで表される接触時間を0.1〜300 g・sec/cc程度の範囲とすればよく、0.5〜60 g・sec/ccが好ましい。
触媒を用いない前記脱ハロゲン化水素工程における接触時間は、通常、気相での反応空間V(cc)と反応器に供給するガスの全流量Fo(0℃、0.1MPaでの流量:cc/sec)との比率:V/Foで表される滞留時間を1〜500 sec程度の範囲とすればよい。
また、前記脱ハロゲン化水素工程においては、酸素ガスを同伴させて反応に供することができる。この場合、酸素ガスの流量(mol/min)は、含フッ素化合物含有組成物Aの流量(mol/min)に対して0.1%以上30%以下が例示でき、0.5%以上15%以下が好ましく、1%以上10%以下がより好ましい。これにより、触媒活性の低下が抑制されやすくなり、長期間継続して高い選択率で目的とする含フッ素化合物含有組成物Bを得ることができる。
前記水素化工程では、還元触媒の存在下又は不存在下、反応器中に含フッ素化合物含有組成物Aと水素とを供給することができる。還元触媒としては、特に限定されず、一般的な還元触媒を使用することができ、実施形態に合わせて適宜選択することができる。これらのうち、Pd、Pt、Rh、Ru、Rc等の金属を活性炭、アルミナ等の金属酸化物又は金属フッ化物に担持したものが好ましい。
前記水素化工程における反応圧力は、特に限定されず、減圧下、常圧下又は加圧下で行うことができる。常圧下又は加圧下で行うことが好ましい。
前記水素化工程における反応温度は、特に限定されず、通常30〜400℃で行うことができる。このうち、30〜300℃が好ましく、30〜180℃がより好ましい。
触媒を用いた前記水素化工程における接触時間は、通常、触媒充填量W(g)と、前記水素化工程の反応器に供給するガスの全流量Fo(0℃、1atmでの流量:cc/sec)との比率:W/Foで表される接触時間を0.5〜 30 g・sec/cc程度の範囲とすればよく、0.5〜 15 g・sec/ccが好ましい。接触時間は、目的とする含フッ素化合物の選択率及び原料化合物の転化率に影響を与えるので、目的に応じて適宜選択され得る。
触媒を用いない前記水素化工程における接触時間は、通常、気相での反応空間V(cc)と反応器に供給するガスの全流量Fo(0℃、0.1MPaでの流量:cc/sec)との比率:V/Foで表される滞留時間を1〜500 sec程度の範囲とすればよい。
前記水素化工程の反応器に供給する水素と含フッ素化合物含有組成物Aとは、通常、理論等量以上の比で混合して反応器に供給される。よって、水素/含フッ素化合物含有組成物Aの供給モル比は通常1〜6とすることができ、1〜3が好ましい。
前記フッ素化工程は、フッ素化触媒の存在下又は不存在下で実施することができる。フッ素化触媒としては、フッ化水素によるフッ素化反応に対して活性のある公知の触媒を用いることができる。例えば、酸化クロム、酸化フッ化クロム、フッ化アルミニウム、酸化フッ化アルミニウムなどの金属酸化物、金属酸化フッ化物を用いることができ、その他に、MgF2、TaF5、SbF5などの金属フッ化物も使用できる。
これらの触媒のうち、例えば、酸化クロムとしては、特に限定的ではないが、例えば、組成式:CrOmで表され、該組成式中、1.5<m<3であるものを用いることが好ましく、2<m<2.75であるものがより好ましく、2<m<2.3であるものが更に好ましい。酸化クロム触媒の形状は粉末状、ペレット状など反応に適していればいかなる形状のものも使用できる。なかでもペレット状のものが好ましい。
前記フッ素化工程における反応圧力は、特に限定されず、減圧下、常圧下又は加圧下で行うことができるが、常圧下又は加圧下での反応が好ましい。
前記フッ素化工程における反応温度は、常圧下の場合は200〜600℃とすることができ、250〜450℃が好ましく、300〜400℃がより好ましい。
前記フッ素化工程における接触時間は、通常、触媒充填量W(g)と、前記水素化工程の反応器に供給するガスの全流量Fo(0℃、1atmでの流量:cc/sec)との比率:W/Foで表される接触時間を0.5〜70 g・sec/cc程度の範囲とすればよく、1〜50 g・sec/ccが好ましい。
触媒を用いない前記フッ素化工程における接触時間は、通常、気相での反応空間V(cc)と反応器に供給するガスの全流量Fo(0℃、0.1MPaでの流量:cc/sec)との比率:V/Foで表される滞留時間を1〜500 sec程度の範囲とすればよい。
本実施形態において生成しうる副生成物であって、低沸および高沸の副生成物は、例えば、蒸留により適宜除去され得る。また、工程中で生成するフッ化水素は水洗及び/又は蒸留により適宜分離除去され得る。未反応の原料化合物及び中間体等は再度前記水素化工程、脱フッ素化工程及びフッ化水素化工程からなる群より選択される少なくとも1つの工程に供給することができる。
脱ハロゲン化水素工程に供給する組成物
本発明の製造方法において、前記脱ハロゲン化水素工程には、以下の式(1):
[化3]
CnFmXl (1)
[式中、n、m及びlは1以上の整数であって、m+l=2n、n≧2であり、Xはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン、及び以下の式(2):
[化4]
CpFqYrHs (2)
[式中、p、q、r及びsは1以上の整数であって、q+r+s=2p+2であり、Yはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
で表される少なくとも1種のヒドロフルオロカーボンであって、これらの沸点差が9℃より小さいか、又はこれらが共沸混合物もしくは擬共沸混合物を形成するフルオロオレフィン及びヒドロフルオロカーボンを含む混合物を含有する含フッ素化合物含有組成物Aの少なくとも一部を供給することができる。
前記沸点の差としては、9℃より小さいことが好ましく、7℃より小さいことが好ましく、5℃より小さいことがさらに好ましい。
前記式(1)で表されるフルオロオレフィン及び前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボン中のハロゲン原子は、Fであることが好ましい。
前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンは飽和結合のみを有するため、脱ハロゲン化水素工程では、該飽和結合を形成する炭素に結合した水素及びハロゲン原子が優先的に脱離して不飽和結合が形成される。
一方、ハロゲン原子が水素原子に置き換わる反応の起こりやすさは、F<Cl<Br<Iである。そのため、本発明の実施形態において、特に水素化工程を含む場合、前記式(1)で表されるフルオロオレフィン及び前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボン中のハロゲン原子中のハロゲン原子がFのみである場合は、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。但し、これはこれらの化合物中にI、Br及びClが含まれる場合を排除するものではなく、これらのハロゲン原子を含む場合には、水素化工程の反応温度を200℃以下、より好ましくは100℃以下とするなど、反応条件を適宜工夫することができる。但し、水素化工程の反応温度はこれらに限定されるものではない。
前記式(1)で表されるフルオロオレフィンとしては、特に限定されず、例えば、1225ye、1234ze、1225zc、1243zf、HFO-1132、1234yf、HFP、HFO-1123、HFO-1141、HFO-1114、1132a等が挙げられる。
前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンとしては、特に限定されず、例えば、245cb、236fa、227ea、HFC-134、HFC-152a、134a、HFC-161、143a、HFC-125等が挙げられる。
前記式(1)で表されるフルオロオレフィンと前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンの組合せとしては、これらの沸点の差が9℃より小さいことにより、本発明の効果がより顕著に奏される。
すなわち、前記式(1)で表されるフルオロオレフィンと前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンの沸点の差が例えば9℃より小さい程に近接している場合、これらを分離するには通常、多くの段数の精留塔あるいは抽出蒸留など煩雑な分離方法が必要となるが、これらの化合物を併せて脱ハロゲン化水素工程に供給することにより、前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンのみが脱ハロゲン化水素され、沸点が近接しない化合物の混合物が得られる。このような混合物から、沸点の差に基づいて、必要な化合物を分離回収することは上記のような煩雑な分離方法や設備等を必要としないことから、設備コスト及び稼働コストの観点から有利な方法で目的とする化合物を得ることが可能となる。
前記式(1)で表されるフルオロオレフィンと前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンの組合せとしては、互いに沸点の差が9℃より小さい混合物か、又はこれらが共沸混合物もしくは擬共沸混合物を形成することが好ましく、より具体的には、例えば、以下の表2に記載した組合せが好ましい。
Figure 0006052340
前記含フッ素化合物含有組成物Aは上記の組合せからなる混合物のみからなっていてもよく、その他の化合物が含まれていてもよいが、目的とする含フッ素化合物の原料化合物及び/又はその中間体が含まれていることが好ましい。
含フッ素化合物含有組成物Aに含まれる、前記式(1)で表されるフルオロオレフィン及び前記式(2)で表されるフルオロカーボンのそれぞれの濃度は特に限定されず、含フッ素化合物含有組成物Aに含まれる、前記式(1)で表されるフルオロオレフィン及び前記式(2)で表されるフルオロカーボンからなる群より選択される少なくとも1種の濃度が、モル分率として、含フッ素化合物含有組成物Aに対して0.1 mol%程度以上であることが好ましく、1 mol%以上であることがより好ましく、5 mol%以上であることがさらに好ましい。
含フッ素化合物含有組成物Aに含まれる、前記式(1)で表されるフルオロオレフィンと前記式(2)で表されるフルオロカーボンとのモル比(前記式(1)で表されるフルオロオレフィン:前記式(2)で表されるフルオロカーボン)は特に限定的ではなく、0.1:99.9〜99.1:0.1の範囲が好ましく、5:95〜95:5の範囲がさらに好ましい。さらに本発明の効果を顕著に発揮するには、10:90〜90:10の範囲が好ましく、30:70〜70:30の範囲がさらに好ましい。
工程Dにより得られる組成物
工程Dにより、前記式(1)で表される少なくとも一種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む混合物を含有する含フッ素化合物含有組成物Bを得ることができる。
前記式(3)で表されるフルオロオレフィンとしては、前記式(1)で表される少なくとも一種のフルオロオレフィンとの沸点の差が9℃以上であるか、又は、前記式(1)で表される少なくとも一種のフルオロオレフィンと共沸混合物もしくは擬共沸混合物を形成しないものであればよい。より具体的には、前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンの脱ハロゲン化水素によって得られるフルオロオレフィンであれば特に限定されず、例えば、1225zc、HFP、HFO-1123、HFO-1141、HFO-1114、1132a、1234yf等が挙げられる。このうち、1234yfが好ましい。
前記式(1)で表されるフルオロオレフィンと前記式(3)で表されるフルオロオレフィンとの組合せとしては、より具体的には、例えば、以下の表3に記載した組合せが好ましい。
Figure 0006052340
前記含フッ素化合物含有組成物Bは上記の組合せからなる混合物のみからなっていてもよく、その他の化合物が含まれていてもよいが、目的とする含フッ素化合物の原料化合物及び/又はその中間体が含まれていることが好ましい。
本発明の一実施形態においては、前記工程Dにより、前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンを、脱ハロゲン化水素し、式(3)CpFqZt[式中、p、q、及びtは1以上の整数であって、p≧2、q+t=2pであり、Zはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンに変換する。
これにより、互いに沸点が9℃以上異なる、前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンの混合物を含有する、精製が容易な含フッ素化合物含有組成物Bを得ることができる。
また、本発明の別の実施形態においては、前記工程Dにより、共沸混合物又は擬共沸混合物を形成しない、前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンの混合物を含有する、精製が容易な含フッ素化合物含有組成物Bを得ることができる。
工程Dを含む含フッ素化合物の製造方法1
本発明の含フッ素化合物の製造方法の一実施形態としては、1225yeから、1234yfを製造する方法がある。1225yeを原料とした1234yfの製造工程の概要は、以下の通りとすることができる。
[化5]
+H2 -HF
1225ye → 245eb → 1234yf
すなわち、少なくとも1225yeを第一の水素化工程に供給して、少なくとも245ebを含む生成混合物1を得、前記少なくとも245ebを含む生成混合物1を第一の脱ハロゲン化水素工程に供給して少なくとも1234yfを含む生成混合物2を得ることができる。
このとき、前記少なくとも1234yfを含む生成混合物2には、1234yfと共に、副生成物として、前記式(1)で表される1234ze及び前記式(2)で表される245cbが含まれ得る。
副生成した245cbは、脱ハロゲン化水素することにより、1234yfとすることができるが、1234zeではできない。従って、さらなる副生成を抑えるためには、通常、245cbのみを回収して脱ハロゲン化水素工程に供給することが望ましい。
しかしながら、1234ze(E)及び245cbの沸点はそれぞれ-19℃及び-18℃と非常に近接しているため、これらの副生成物の混合物を含む前記含フッ素化合物含有組成物Aから、245cbのみを抽出して脱ハロゲン化水素することが困難である。
本発明の製造方法では、これらの副生成物の混合物を含む前記含フッ素化合物含有組成物Aを脱ハロゲン化水素工程に供給する工程Dを含むことにより、245cbを前記式(3)で表される1234yfに変換し、1234ze及び1234yfを含む混合物を含有する、前記含フッ素化合物含有組成物Bを得ることができる。
このとき、前記少なくとも1234yfを含む生成混合物2であって、1234yfと共に、副生成物として1234ze及び245cbを含む生成混合物2から、1234yfを回収する分離工程に供給することにより、前記含フッ素化合物含有組成物Aを得ることができる。分離工程は、これらの化合物の沸点差を利用して、公知の技術を用いて行うことができる。
上記の通り、1234ze及び245cb混合物を含む前記含フッ素化合物含有組成物Aから245cbのみを抽出して脱ハロゲン化水素し、1234yfとすることは困難であるが、1234yfの沸点は-28℃であるため、1234zeとの沸点の差が十分に広いことから、分離工程において、前記含フッ素化合物含有組成物Bから、沸点差を利用して1234yfのみを回収することが容易となる。1234yfを前記含フッ素化合物含有組成物Bから分離して回収するための分離工程は、これらの化合物の沸点差を利用して、公知の技術を用いて行うことができる。
また、前記含フッ素化合物含有組成物Bが1234zeを含むことにより、脱ハロゲン化水素工程において新たに副生成し得る1234zeの発生を、抑えることができるという効果も得られる。これは化学平衡の原理に基づいて推察される。
前記工程Dとしては、前記含フッ素化合物含有組成物Bを、前記第一の脱ハロゲン化水素工程に供給してもよく、前記第一の脱ハロゲン化水素工程以外の脱ハロゲン化水素工程に供給してもよい。含フッ素化合物の製造方法全体としての設備コスト、稼働コストの低減のためには、前記含フッ素化合物含有組成物Bを循環して、少なくとも245ebを含む生成混合物1と共に、前記第一の脱ハロゲン化水素工程に供給することが好ましい。
前記含フッ素化合物含有組成物Bを、前記第一の脱ハロゲン化水素工程以外の脱ハロゲン化水素工程に供給する場合は、該脱ハロゲン化水素工程の反応温度は、前記第一の脱ハロゲン化水素工程の反応温度よりも高いことが好ましい。
工程Dを含む含フッ素化合物の製造方法2
本発明の含フッ素化合物の製造方法の一実施形態としては、HFPから1234yfを製造する方法がある。HFPを原料とした1234yfの製造工程の概要は、以下の通りとすることができる。
[化6]
+H2 -HF +H2 -HF
HFP → 236ea → 1225ye → 245eb → 1234yf
すなわち、少なくともHFPを第一の水素化工程に供給して、少なくとも236eaを含む生成混合物1を得、前記生成混合物1を第一の脱ハロゲン化水素工程に供給して、少なくとも1225yeを含む生成混合物2を得、前記生成混合物2を第二の水素化工程に供給して、少なくとも245ebを含む生成混合物3を得、前記生成混合物3を第二の脱ハロゲン化水素工程に供給して、少なくとも1234yfを含む生成混合物4を得ることができる。
このとき、生成混合物4には、1234yfと共に、副生成物として、前記式(1)で表される1234ze及び前記式(2)で表される245cbが含まれ得る。
本発明の製造方法では、これらの副生成物の混合物を含む前記含フッ素化合物含有組成物Aを脱ハロゲン化水素工程に供給する工程Dを含むことにより、245cbを前記式(3)で表される1234yfに変換し、1234ze及び1234yfを含む混合物を含有する、前記含フッ素化合物含有組成物Bを得ることができる。
このとき、前記少なくとも1234yfを含む生成混合物であって、1234yfと共に、副生成物として1234ze及び245cbを含む生成混合物から、1234yfのみを回収する分離工程に供給することにより、前記含フッ素化合物含有組成物Aを得ることができる。分離工程は、これらの化合物の沸点差を利用して、公知の技術を用いて行うことができる。
このとき、上記と同様にして、前記含フッ素化合物含有組成物Bから、沸点差を利用して1234yfのみを抽出回収することが容易となる。1234yfを前記含フッ素化合物含有組成物Bから分離して回収するための分離工程は、これらの化合物の沸点差を利用して、公知の技術を用いて行うことができる。
前記工程Dとしては、前記含フッ素化合物含有組成物Bを、前記脱ハロゲン化水素化工程1及び2のいずれか又は両方に供給してもよく、前記脱ハロゲン化水素工程1及び2以外の水素化工程に供給してもよい。含フッ素化合物の製造方法全体としての設備コスト、稼働コストの低減のためには、前記含フッ素化合物含有組成物Bを循環して、前記生成混合物1又は前記生成混合物2と共に、前記第一及び第二の脱ハロゲン化水素工程のいずれか又は両方に供給することが好ましい。
また、上記と同様に、前記含フッ素化合物含有組成物Bが1234zeを含むことにより、脱ハロゲン化水素工程において新たに副生成し得る1234zeの発生を、抑えることができるという効果も得られる。
本発明の製造方法は、前記生成混合物2であって、1234zeをさらに含む前記生成混合物2を前記第二の水素化工程に供給し、1234zeを254fbに変換する工程をさらに含むことができる。
前記含フッ素化合物含有組成物Bを供給する少なくとも1つの脱ハロゲン化水素工程の反応温度は、前記第二の脱ハロゲン化水素工程の反応温度よりも高いことが好ましい。
上記の方法により、副生成物であって目的生成物の中間体として有用な副生成物を沸点の大きな差に基づいて効率的に回収することが可能となる。また、これにより、前記副生成物を分離するための設備コスト及び稼働コストを抑えることができ、経済的に有利な含フッ素化合物の製造方法が提供される。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
触媒としてCrOm(2≦m<3)を主成分とする酸化クロムを含む反応器に、窒素で希釈した無水フッ化水素を流通させ、反応器の温度を200℃から380℃として酸化クロムをフッ素化処理した。反応器を加熱し、所定の温度とした後、1234zeと245cbとのモル比(1234ze:245cb)が1:1の混合ガス及び酸素を反応器に供給し、窒素の供給を停止した。酸素は、反応器入口の245cbに対し5 mol%となるよう、反応器入口から導入した。反応圧力を0.0 MPaG、反応温度を200〜380℃とし、接触時間(W/F0)を5 g・sec/ccとした。反応器出口成分の組成をガスクロマトグラフで分析した。分析結果を表4に示す。
Figure 0006052340
実施例2
触媒としてCrOm(2≦m<3)を主成分とする酸化クロムを含む反応器に、窒素で希釈した無水フッ化水素を流通させ、反応器の温度を200℃から380℃として酸化クロムをフッ素化処理した。反応器を加熱し、所定の温度とした後、1234ze、236ea及び245cbのモル比(1234ze:236ea:245cb)が2:1:1の混合ガス及び酸素を反応器に供給し、窒素の供給を停止した。酸素は、反応器入口の245cb及び236eaの合計に対し5 mol%となるよう、反応器入口から導入した。反応圧力を0.0 MPaG、反応温度を200〜380℃とし、接触時間(W/F0)を5 g・sec/ccとした。反応器出口成分の組成をガスクロマトグラフで分析した。分析結果を表5に示す。
Figure 0006052340
比較例1
1234ze(E)と245cbとのモル比(1234ze(E):245cb)がを約4:1の混合ガスを、精留塔を用い加圧下で精留し分離を試みた。塔頂より回収したガス組成の分析結果を表6に示す。
Figure 0006052340
フラクションNo.1では、1234ze(E)及びHFC-245cbを含む混合ガスの精留により、純度99%以上で、1234ze(E)よりも低沸の留分が塔頂より得られてた。前記低沸留分の抜き出しが進み、精留塔内の低沸分の量が減ってくると、高沸分の濃度が高くなり、塔頂から次に低沸点の留分である1234ze(E)の留出が始まった。フラクションNo.2は留分中の1234ze(E)が1 mol%を超え、1234ze(E)の留出が多くなってきた時点でのフラクションであるが、その際、次の高沸点分である245cbがすでに混入しており、そのモル比(1234ze(E):HFC-245cb)は約4:1であった。
すなわち、1234ze(E)の留出が始まった時点ですでに相当量のHFC-245cbが混入しており、これらを分離することは難しいことがわかる。

Claims (24)

  1. 含フッ素化合物の製造方法であって、
    式(1):
    [化1]
    CnFmXl (1)
    [式中、n、m及びlは1以上の整数であって、m+l=2n、n≧2であり、Xはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
    で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン、及び前記フルオロオレフィンとの沸点の差が9℃より小さいか、又は、前記フルオロオレフィンと共沸混合物もしくは擬共沸混合物を形成する、以下の式(2):
    [化2]
    CpFqYrHs (2)
    [式中、p、q、r及びsは1以上の整数であって、q+r+s=2p+2であり、Yはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表し、少なくとも1個はハロゲン原子を表す。]
    で表される少なくとも1種のヒドロフルオロカーボンを含む混合物を含有する含フッ素化合物含有組成物Aの少なくとも一部を脱ハロゲン化水素工程へ供給する工程Dを含む製造方法。
  2. 前記式(1)で表されるフルオロオレフィンが、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)、1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、1,1,1-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、フルオロエチレン(HFO-1141)、テトラフルオロエチレン(HFO-1114)及び1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン化フルオロオレフィンであり、
    前記式(2)で表されるヒドロフルオロカーボンが、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、1,1,2,2-ヘキサフルオロエタン(HFC-134)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,1,2-ヘキサフルオロエタン(HFC-134a)、フルオロエタン(HFC-161)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)からなる群より選択される少なくとも1種の飽和ハロゲン化フルオロカーボンである、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程Dにおいて、前記式(2)で表される少なくとも1種のヒドロフルオロカーボンを、前記式(1)で表されるフルオロオレフィンとの沸点差が9℃以上である、式(3):
    [化3]
    CpFqZt[式中、p、q、及びtは1以上の整数であって、p≧2、q+t=2pであり、Zはそれぞれ独立して、ハロゲン原子及び水素原子からなる群より選択される1種の原子を表す。]
    で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンに変換し、前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む混合物を含有する含フッ素化合物含有組成物Bを得る、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィン及び前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む混合物を含有する含フッ素化合物含有組成物Bの少なくとも一部を、前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンの富んだ留分と,前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンの量が低下した留分に分ける分離工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンが、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、フルオロエチレン(HFO-1141)、テトラフルオロエチレン(HFO-1114)、1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群より選択される少なくとも1種の飽和ハロゲン化フルオロカーボンである、請求項3に記載の製造方法。
  6. 水素化工程及びフッ素化工程のいずれか又は両方をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記分離工程が、蒸留、抽出蒸留、液液分離及び膜分離からなる群より選択される少なくとも1種の分離工程を含む、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記含フッ素化合物が式(4):
    [化4]
    CF3CX=CYZ (4)
    [式中、X、Y及びZはそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。]
    で表される含フッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素化合物であり、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記式(4)で表される含フッ素化合物が、1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素化合物である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 原料化合物が、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)及び3-クロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235cb)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記式(4)で表される含フッ素化合物が1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素化合物であり、
    原料化合物がヘキサフルオロプロペン(HFP)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)及び3-クロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235cb)からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素化合物であり、
    前記式(1)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンが1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)であり、
    前記式(2)で表される少なくとも1種のヒドロフルオロカーボンが1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)であり、
    前記式(3)で表される少なくとも1種のフルオロオレフィンが2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である、
    請求項8に記載の製造方法。
  12. 前記水素化工程の少なくとも一つが気相反応である請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記水素化工程の少なくとも一つが液相反応である請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記フッ素化工程の少なくとも一つが気相反応である請求項6〜13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記フッ素化工程の少なくとも一つが液相反応である請求項6〜13のいずれかに記載の製造方法。
  16. 2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)の製造方法であって、
    1)少なくとも1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)を第一の水素化工程に供給し、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245eb)を含む生成混合物を得る工程、
    2)前記生成混合物1を第一の脱ハロゲン化水素工程に供給し、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)を含む生成混合物2を得る工程、
    3)生成混合物2を分離工程に供給し、HFO-1234yfを含む混合物とHFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物とに分離する工程、及び、
    4)前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物を、前記第一の脱ハロゲン化水素工程及び前記第一の脱ハロゲン化水素工程以外の脱ハロゲン化水素工程のいずれか又は両方に供給し、前記HFC-245cbを脱ハロゲン化水素してHFO-1234yfに変換する工程、
    を含む製造方法。
  17. 前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物を、前記第一の脱ハロゲン化水素工程以外の脱ハロゲン化水素工程に供給する、請求項16に記載の製造方法。
  18. 前記第一の脱ハロゲン化水素工程以外の脱ハロゲン化水素工程の反応温度が、前記第一の脱ハロゲン化水素工程の反応温度より高い、請求項16又は17に記載の製造方法。
  19. 前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物の脱ハロゲン化水素により得られた混合物からHFO-1234yfを回収する分離工程を含む、請求項16〜18のいずれかに記載の製造方法。
  20. 2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)の製造方法であって、
    1)少なくともヘキサフルオロプロペン(HFP)第一の水素化工程に供給し、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)を含む生成混合物1を得る工程、
    2)前記生成混合物1を第一の脱ハロゲン化水素工程に供給し、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)を含む生成混合物2を得る工程、
    3)前記生成混合物2を第二の水素化工程に供給し、HFC-245ebを含む生成混合物3を得る工程、
    4)前記生成混合物3を第二の脱ハロゲン化水素工程に供給し、HFO-1234ze、HFC-245cb及びHFO-1234yfを含む生成混合物4を得る工程、及び、
    5)前記生成混合物4を分離工程に供給し、HFO-1234yfを含む混合物とHFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物とに分離し、前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物を、
    前記第一の脱ハロゲン化水素工程
    前記第二の脱ハロゲン化水素工程、並びに
    前記第一の脱ハロゲン化水素工程及び前記第二の脱ハロゲン化水素工程のいずれでもない脱ハロゲン化水素工程
    の少なくともいずれかの工程に供給し、HFC-245cbを脱ハロゲン化水素してHFO-1234yfに変換する工程、
    を含む製造方法。
  21. 前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物を、第一の脱ハロゲン化水素工程に供給する、請求項20に記載の製造方法。
  22. 前記生成混合物2がHFO-1234zeをさらに含み、該生成混合物2を前記第二の水素化工程に供給し、HFO-1234zeをHFC-254fbに変換する、請求項20又は21に記載の製造方法。
  23. 前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物が供される脱ハロゲン化水素工程は、
    前記第二の脱ハロゲン化水素工程と、
    前記第一の脱ハロゲン化水素工程、並びに、前記第一の脱ハロゲン化水素工程及び前記第二の脱ハロゲン化水素工程のいずれでもない脱ハロゲン化水素工程のうちの少なくともいずれか一方の工程と、
    を含み、
    前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物が供される脱ハロゲン化水素工程の少なくとも一つの脱ハロゲン化水素工程の反応温度が、前記第二の脱ハロゲン化水素工程の反応温度より高い、請求項20〜22のいずれかに記載の製造方法。
  24. 前記HFO-1234ze及びHFC-245cbを含む混合物の脱ハロゲン化水素により得られた混合物からHFO-1234yfを回収する分離工程を含む、請求項20〜23のいずれかに記載の製造方法。
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