以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。また、図1〜図6において、紙面上を北、紙面下を南、紙面左を西、紙面右を東として、以下、説明する。
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の一実施形態の住宅について説明する。本発明の実施の形態1の住宅100は、玄関110と、廊下120と、リビングダイニングキッチン(LDK)130と、洋室140と、クローゼット150と、洗面室160と、浴室170と、トイレ190とを備えている。
玄関110は、北西角に設けられている。この玄関110の南側には、廊下120が設けられている。この廊下120の南側には、キッチン131とダイニング132とリビング133とを有するLDK130が設けられている。廊下120の東側には、洋室140が設けられている。この洋室140の南側には、クローゼット150が設けられている。このクローゼット150の南側には、洗面室160と、この洗面室160と隣接した浴室170とを有するユニット180が設けられている。ユニット180において、洗面室160は西側に配置され、浴室170は東側に配置されている。トイレ190は、玄関110と隣接するとともに、ユニット180と分離した位置に設けられている。
洗面室160は、洗面室160へ出入りするための2つの出入口161、162を有している。なお、洗面室160は3つ以上の出入口を有していてもよい。この洗面室160は、洗面台を有しており、脱衣所として機能してもよく、洗濯機を収容してもよい。
ここで、洗面室160の出入口161、162を通過する回遊動線L1について説明する。回遊動線L1は、洗面室160の出入口161、162を結び、行き止まりのない動線のうち、迂回しない動線である。つまり、回遊動線L1は、洗面室160の出入口161、162を通過する最少長さの動線である。回遊動線L1は、略円形状であり、合理的な動線である。本実施の形態の回遊動線L1は、洗面室160の出入口161、162を結び、かつ洗面室160を構成する壁の一部を取り囲む動線である。具体的には、回遊動線L1は、洗面室160、クローゼット150、及びLDK130を通過する。なお、回遊動線L1が通過する洗面室160の出入口161、162とは、浴室170への出入口を含まない。
洗面室160と隣接して浴室170が設けられている。浴室170は、出入口171を有している。浴室170は、出入口171を介して洗面室160と出入り可能であり、出入口171と異なる壁(洗面室160と同一の壁)により洗面室160と区切られている。つまり、隣接とは、共通の壁を隔てて隣り合っており、共通の壁は出入口を含まない。
本実施の形態では、回遊動線L1は、洗面室160と浴室170との間を通過する。換言すると、回遊動線L1を挟んで、洗面室160と浴室170とが対向するように配置されている。また、浴室170の出入口171は、洗面室160側に設けられている。
クローゼット150は、回遊動線L1が通過するように設けられている。また、クローゼット150は、ユニット180を三方から取り囲む動線が通過するように設けられている。なお、本実施の形態におけるユニット180を取り囲む動線は、回遊動線ではない。
クローゼット150は、2以上の出入口を有しており、本実施の形態では、3つの出入口151、152、161を有している。クローゼット150は、2つ以上の出入口を介して通り抜けができるウォークスルークローゼットであり、人が中に入って収納物の出し入れができる程度の広さを有する収納スペースを有し、小部屋、倉庫などであってもよい。また、クローゼット150は、内部で着替えなどをするスペースとして用いてもよい。
クローゼット150の出入口161は、洗面室160の出入口161と共通である。換言すると、出入口161は、洗面室160とクローゼット150との開閉可能な仕切りである。この出入口161は、クローゼット150の最大の長さを構成する出入口151、152の間に位置している。つまり、出入口161は、クローゼット150の延在方向に位置する最も遠い出入口151、152の間に設けられている。回遊動線L1は、この出入口151、152の一方である出入口151と、その間に位置する出入口161とを結ぶように通過する。なお、クローゼット150の出入口は、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
本実施の形態では、クローゼット150は、洗面室160及び浴室170(ユニット180)と隣接し、クローゼット150の壁の一部は、洗面室160及び浴室170の壁の一部と共通である。洗面室160及び浴室170と、クローゼット150との共通の壁には、除湿機能を有する材質が用いられている。
このクローゼット150に隣接した洋室140が設けられている。この洋室140は、2つの出入口141、152を有している。出入口152はクローゼット150の出入口152と共通であり、出入口141は、廊下120の出入口と共通である。なお、洋室140の出入口は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。この洋室140は、例えば、寝室として利用される。
また、回遊動線L1に沿ってキッチン131が設けられている。言い換えると、回遊動線L1上にキッチン131が配置されている。このキッチン131は、シンク、コンロ、作業台などを含む。本実施の形態では、作業台と洗面室160とが隣接し、回遊動線L1を挟んで、流し台及びコンロと、作業台とが対向している。
キッチン131の西側にはダイニング132が設けられている。キッチン131及びダイニング132の南側には、リビング133が設けられている。このリビング133は、洗面室160を介して、洋室140と対向する位置に配置されている。本実施の形態のリビング133は、洗面室160及び浴室170(ユニット180)と対向する位置に設けられている。
LDK130は、キッチン131とダイニング132とリビング133とで構成され、本実施の形態では、互いを区切るための出入口、壁などは設けられていない。また、LDK130は、略L字形状である。
このLDK130は、3つの出入口134、151、162を有している。出入口151はクローゼット150の出入口と共通であり、出入口134は廊下120の出入口と共通であり、出入口162は洗面室160の出入口と共通である。なお、LDK130の出入口は2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。
回遊動線L1に沿って、洗面室160、クローゼット150、及びLDK130が設けられている。これらの部屋のそれぞれは、2つ以上の出入口を有している。
本実施の形態において、出入口とは、壁の開口部に設けられる開閉機能を持つ仕切りであり、例えば、開き戸、引き戸、折戸などの建具を用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態における住宅100は、2つ以上の出入口161、162を有する洗面室160と、2つ以上の出入口151、152、161を有するクローゼット150とを備え、洗面室160の出入口161、162を通過する回遊動線L1は、クローゼット150を通過する。
本実施の形態における住宅100によれば、1日に複数回の使用が想定される洗面室160に出入口161、162を2つ以上設け、この出入口161、162を結ぶ回遊動線L1が通過するクローゼット150に出入口151、152、161を2つ以上設けている。これにより、洗面室160を使用する時の動線の一部を、クローゼット150を通過する動線として利用できる。つまり、洗面室160を使用する際の回遊動線L1の過程でクローゼット150を通過することができる。このため、洗面室160からクローゼット150に移動した後、洗面室160以外に移動することが可能となる。したがって、本実施の形態の住宅100は、生活動線の効率を向上することができる。
本実施の形態の住宅100において好ましくは、洗面室160と隣接した浴室170をさらに備えている。洗面室160と浴室170とを隣接してユニット化することによりコンパクトにできるので、限られた住居空間を有効活用することができる。
本実施の形態の住宅100において好ましくは、回遊動線L1は、洗面室160と浴室170との間を通過する。これにより、洗面室160と浴室170とが向かい合うように配置されるので、生活動線の効率をより向上することができる。
本実施の形態の住宅100において好ましくは、回遊動線L1に沿って設けられたキッチン131をさらに備えている。キッチン131は使用する頻度が相対的に多いので、回遊動線L1上にキッチンが配置されていると、生活動線の効率をより向上することができる。
本実施の形態における住宅100において好ましくは、洗面室160の出入口161、162の少なくとも1つである出入口161は、クローゼット150の出入口と共通である。
これにより、出入口161のみを介して、クローゼット150と洗面室160との行き来が可能になる。つまり、2つ以上の建具を介さずに、クローゼット150と洗面室160との行き来が可能になる。このため、クローゼット150で着替えて洗面室160に行く際の動線、洗面室160で洗顔後にクローゼット150で着替える際の動線などの生活動線の効率をより向上することができる。
本実施の形態における住宅100において好ましくは、クローゼット150は、3つ以上の出入口151、152、161を有し、クローゼット150において、洗面室160の出入口と共通する出入口161は、他の出入口151、152の間に配置されている。
これにより、クローゼット150は、回遊動線L1上に位置しない出入口152を有するので、クローゼット150において回遊動線L1と異なる動線を形成することができる。このため、生活動線の効率をより向上することができる。
本実施の形態における住宅100において好ましくは、クローゼット150に隣接され、かつ出入口141、152を有する部屋(本実施の形態における洋室140)をさらに備え、部屋(洋室140)の出入口141、152の少なくとも1つである出入口152は、クローゼット150の出入口151、152、161の少なくとも1つである出入口152と共通である。
洋室140を寝室として利用する場合、起床時に、洋室140とクローゼット150との共通の出入口152を介して、クローゼット150で着替えた後に、洗顔のために洗面室160へ移動する動線、就寝前に、洗面室160で歯磨きをして、クローゼット150で着替えた後に、就寝のため洋室140へ移動する動線などの生活動線の効率をより向上することができる。
本実施の形態における住宅100において好ましくは、洗面室160を介して部屋(洋室140)と対向する位置に設けられたリビング133をさらに備えている。
これにより、1日に複数回の使用が想定される洗面室160を中心に、リビング133と洋室140とを対照位置に配置しているので、洗面室160とリビング133との生活動線、及び、洗面室160と洋室140との生活動線の効率を向上できる。さらに、洗面室160でリビング133及び洋室140を区切ることができるので、洋室140及びリビング133の方角、広さなどの設計の幅が広がるため、限られた住居空間を有効活用することができる。
(実施の形態2)
図2を参照して、本発明の実施の形態2の住宅101について説明する。本実施の形態の住宅101は、実施の形態1と同様に、玄関110と、廊下120と、LDK130と、洋室140と、クローゼット150と、洗面室160と、浴室170と、トイレ190とを備えている。
玄関110は、北側中央に設けられている。この玄関110の南側には、廊下120が設けられている。この廊下120の東側には、略矩形状のLDK130が設けられている。廊下120の南側には洗面室160が設けられている。この洗面室160の南側には浴室170が設けられている。この浴室170の南側にはクローゼット150が設けられている。このクローゼット150の南側には洋室140が設けられている。
洗面室160は1つの出入口161を有している。この出入口161は、廊下120と洗面室160とを仕切ることが可能である。なお、洗面室160の出入口は2つ以上であってもよい。
この洗面室160と隣接して、浴室170が設けられている。洗面室160と浴室170とを有するユニット180は、住宅101の略中央に位置している。
ここで、ユニット180を取り囲む回遊動線L2について説明する。回遊動線L2は、ユニット180の全周を取り囲み、行き止まりのない動線のうち、迂回しない動線である。つまり、回遊動線L2は、ユニット180の周囲の動線のうち、最少長さの動線である。
クローゼット150は、回遊動線L2が通過するように設けられている。本実施の形態のクローゼット150は、略L字形状である。
クローゼット150は、2以上の出入口151、152を有している。出入口151は、廊下120の出入口と共通であり、出入口152は、洋室140の出入口と共通である。なお、クローゼット150の出入口は3つ以上であってもよい。この場合、クローゼット150の出入口の少なくとも1つは、洗面室160の出入口161と共通であることが好ましい。
このクローゼット150に隣接して洋室140が設けられている。この洋室140は、2つの出入口141、152を有している。出入口152はクローゼット150の出入口と共通であり、出入口141はLDK130の出入口と共通である。なお、洋室140の出入口は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
この洋室140と出入口141を介してつながるようにLDK130を構成するリビング133が設けられている。このリビング133の北側には、キッチン131が設けられている。キッチン131は、回遊動線L2に沿って配置されている。このキッチン131の北側には、ダイニング132が設けられている。
LDK130は、2つの出入口134、141を有している。出入口141は洋室140の出入口と共通であり、出入口134は廊下120の出入口と共通である。なお、LDK130の出入口は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
キッチン131は、浴室170と隣接しており、ユニット180と一塊になるように配置されている。また、キッチン131は、クローゼット150とも隣接している。
本実施の形態の回遊動線L2は、廊下120、クローゼット150、洋室140、及びLDK130を通過する。つまり、回遊動線L2に沿って、廊下120、クローゼット150、洋室140、及びLDK130が設けられている。これらの部屋のそれぞれは、2つ以上の出入口を有している。具体的には、廊下120は出入口134、161を有し、クローゼット150は出入口171、152を有し、洋室140は出入口152、141を有し、LDK130は出入口141、134を有している。
以上説明したように、本実施の形態の住宅101は、洗面室160と、この洗面室160と隣接した浴室170とを有するユニット180と、2つ以上の出入口151、152を有するクローゼット150とを備え、ユニット180を取り囲む回遊動線L2はクローゼット150を通過する。
本実施の形態の住宅101によれば、水回りの洗面室160及び浴室170をユニット180とし、このユニット180を取り囲む回遊動線L2が通過するように、2つ以上の出入口151、152を有するクローゼット150を設けている。洗面室160は1日に複数回の使用が想定され、浴室170と合わせてユニット180は1日の生活に不可欠な要素である。このユニット180を使用する時の動線の一部を、クローゼット150を通過する動線として利用できる。つまり、ユニット180を使用する際の回遊動線L2の過程でクローゼット150を通過することができる。このため、ユニット180からクローゼット150に移動した後、ユニット180以外に移動することが可能となる。したがって、本実施の形態の住宅101は、生活動線の効率を向上することができる。
また、本実施の形態の住宅101において好ましくは、回遊動線L2に沿って設けられた複数の部屋(本実施の形態における廊下120、クローゼット150、洋室140、及びLDK130)をさらに備え、この複数の部屋(廊下120、クローゼット150、洋室140、及びLDK130)のそれぞれは、2つ以上の出入口を有している。
これにより、ユニット180を取り囲む回遊動線L2の中で、複数の部屋を通り抜けることができる。このため、生活動線の効率を向上できるとともに、限られた住居空間を有効活用することができる。
本実施の形態における住宅101において好ましくは、クローゼット150に隣接され、かつ出入口141、152を有する部屋(本実施の形態における洋室140)をさらに備え、この部屋(洋室140)の出入口141、152の少なくとも1つである出入口152は、クローゼット150の出入口151、152の少なくとも1つである出入口152と共通である。
洋室140を寝室として利用する場合、起床時に、出入口152を介して洋室140からクローゼット150に移動し、クローゼット150で着替えた後、洗顔のために洗面室160へ移動する動線、就寝前に、浴室170で入浴後に、洗面室160を介してクローゼット150に移動し、クローゼット150で着替えて、洋室140へ移動する動線などの生活動線の効率をより向上することができる。
本実施の形態の住宅101において好ましくは、回遊動線L2に沿って設けられたキッチン131をさらに備え、キッチン131とユニット180とは隣接している。
キッチン131は使用する頻度が相対的に多いので、回遊動線L2上にキッチン131が配置されていると、生活動線の効率をより向上することができる。それに加えて、洗面室160及び浴室170にキッチン131をユニット化できるので、水回りを集めることができる。
(実施の形態3)
図3を参照して、本発明の実施の形態3の住宅102について説明する。本実施の形態の住宅102は、実施の形態1と同様に、玄関110と、廊下120と、LDK130と、洋室140と、クローゼット150と、洗面室160と、浴室170と、トイレ190を備えている。
玄関110は、北西角に設けられている。この玄関110の奥には、廊下120が設けられている。この廊下120の南側には、略U字形状のLDK130が設けられている。廊下120の東側には、洋室140が設けられている。この洋室140の東側には、クローゼット150が設けられている。洋室140の南側には、洗面室160と、この洗面室160と隣接した浴室170とを有するユニット180が設けられている。ユニット180において、洗面室160は北側に配置され、浴室170は南側に配置されている。
洗面室160は、LDK130の出口と共通の2つの出入口161、162を有している。出入口161は、洗面室160とキッチン131とを仕切ることが可能である。出入口162は、洗面室160とリビング133とを仕切ることが可能である。なお、洗面室160は3つ以上の出入口を有していてもよい。
ここで、洗面室160の出入口161、162を通過する回遊動線L3、L4について説明する。回遊動線L3、L4は、洗面室160の出入口161、162を結び、行き止まりのない動線のうち、迂回しない動線である。つまり、回遊動線L3、L4は、洗面室160の出入口161、162を通過する最少長さの動線であり、本実施の形態では2つの回遊動線L3、L4が形成される。本実施の形態の回遊動線L3、L4のそれぞれは、洗面室160の出入口161、162を結び、かつ洗面室160を構成する壁の異なる部分を取り囲む動線である。具体的には、回遊動線L3は、洗面室160、キッチン131、クローゼット150、洋室140、廊下120及びリビング133を通過し、回遊動線L4は、洗面室160、リビング133、ダイニング132及びキッチン131を通過する。
洗面室160と隣接して、浴室170が設けられている。本実施の形態では、回遊動線L3、L4は、洗面室160と浴室170との間を通過する。洗面室160と浴室170とを有するユニット180は、住宅101の略中央に位置している。
ここで、ユニット180を取り囲む回遊動線L5について説明する。回遊動線L5は、ユニット180の全周を取り囲み、行き止まりのない動線のうち、迂回しない最短長さの動線である。本実施の形態の回遊動線L5は、廊下120、リビング133、ダイニング132、キッチン131、クローゼット150、及び洋室140を通過する。
クローゼット150は、回遊動線L3、L5が通過するように設けられている。本実施の形態のクローゼット150は、略矩形状である。
クローゼット150は、2つの出入口151、152を有している。出入口151は、LDK130の出入口と共通であり、出入口152は、洋室140と共通である。なお、クローゼット150の出入口は3つ以上であってもよい。
このクローゼット150に隣接して洋室140が設けられている。この洋室140は、2つの出入口141、152を有している。出入口152はクローゼット150の出入口152と共通であり、出入口141は廊下120の出入口と共通である。なお、洋室140の出入口は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
この洋室140と、出入口141を介してつながるように廊下120が設けられている。この廊下120と出入口134を介してつながるようにLDK130を構成するリビング133が設けられている。リビング133は、ユニット180を介して洋室140と対向する位置に配置されている。このリビング133の東側には、ダイニング132が設けられている。このダイニング132の北側には、キッチン131が設けられている。キッチン131は、浴室170と隣接しており、ユニット180と一塊になるように配置されている。
本実施の形態では、回遊動線L3、L4、L5に沿って、LDK130が設けられ、キッチン131は回遊動線L4、L5に沿って設けられている。
LDK130は、4つの出入口134、151、161、162を有している。出入口134は廊下120の出入口と共通であり、出入口151はクローゼット150の出入口と共通であり、出入口161、162は洗面室160の出入口と共通である。なお、LDK130の出入口は3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよい。
回遊動線L3に沿って、洗面室160、LDK130、クローゼット150、洋室140、及び廊下120が設けられ、これらの部屋のそれぞれは、2つ以上の出入口を有している。回遊動線L4に沿って、洗面室160、及びLDK130が設けられ、これらの部屋のそれぞれは2つ以上の出入口を有している。回遊動線L5に沿って、廊下120、LDK130、クローゼット150、及び洋室140が設けられ、これらの部屋のそれぞれは2つ以上の出入口を有している。
以上説明したように、本実施の形態の住宅102は、2つ以上の出入口161、162を有する洗面室160と、2つ以上の出入口151、152を有するクローゼット150とを備え、洗面室160の出入口161、162を通過する回遊動線L3は、クローゼット150を通過する。また、本実施の形態の住宅102は、洗面室160と、この洗面室160と隣接した浴室170とを有するユニット180と、2つ以上の出入口151、152を有するクローゼット150とを備え、ユニット180を取り囲む回遊動線L5はクローゼット150を通過する。
本実施の形態の住宅102によれば、洗面室160の出入口161、162を通過する回遊動線L3及びユニット180を取り囲む回遊動線L5がクローゼット150を通過するので、実施の形態1及び2で説明したように、生活動線の効率を向上することができる。
(変形例1)
図4を参照して、実施の形態3の変形例1における住宅102aについて説明する。変形例1の住宅102aは、基本的には図3に示す住宅102と同様の構成を備えているが、キッチンの構造において異なる。具体的には、変形例1のキッチン131aにおいては、キッチン131aの作業台が浴室170と隣接しており、シンク及びコンロと、作業台とが、図3に示すキッチン131とは反対に配置されている。
実施の形態3の変形例1の住宅によれば、キッチン131aの作業台側がユニット180と隣接しているので、家事動線の効率を向上することができる。
(変形例2)
図5を参照して、実施の形態3の変形例2における住宅102bについて説明する。変形例2の住宅102bは、基本的には図3に示す住宅102と同様の構成を備えているが、クローゼットの構造において異なる。
具体的には、変形例2のクローゼット150bは、3つの出入口151b、152、161を有しており、出入口161は洗面室160の出入口と共通である。また、クローゼット150bにおいて、洗面室160の出入口と共通する出入口161は、他の出入口151b、152の間に配置されている。
実施の形態3の変形例2の住宅102bによれば、クローゼット150bで着替えて洗面室160に行く際の動線、洗面室160の使用後にクローゼット150bで着替える際の動線などの生活動線の効率をより向上することができる。
(実施の形態4)
図6を参照して、本発明の実施の形態4の住宅103について説明する。本実施の形態の住宅103は、実施の形態1と同様に、玄関110と、廊下120と、LDK130と、洋室140と、クローゼット150と、洗面室160と、浴室170と、トイレ190とを備えている。
玄関110は、北西角に設けられている。この玄関110の南側には、廊下120が設けられている。この廊下120の南側には、略T字形状のLDK130が設けられている。廊下120の東側には、洋室140が設けられている。この洋室140の南側には、クローゼット150が設けられている。洋室140の南側で、かつLDK130とクローゼット150との間には、洗面室160と、この洗面室160と隣接した浴室170とを有するユニット180が設けられている。ユニット180において、洗面室160は南側に配置され、浴室170は北側に配置されている。
洗面室160は、2つの出入口161、162を有している。出入口161、162は、洗面室160とLDK130とを仕切ることが可能である。なお、洗面室160は3つ以上の出入口を有していてもよい。
ここで、洗面室160の出入口161、162を通過する回遊動線L6、L7について説明する。回遊動線L6、L7は、洗面室160の出入口161、162を結び、行き止まりのない動線のうち、迂回しない動線である。本実施の形態では、2つの回遊動線L6、L7が形成される。具体的には、回遊動線L6は、洗面室160、LDK130、廊下120、洋室140及びクローゼット150を通過し、回遊動線L7は、洗面室160及びLDK130を通過する。
この洗面室160と隣接する浴室170と、洗面室160との間には、回遊動線L6、L7が通過する。洗面室160と浴室170とを有するユニット180は、住宅103の略中央に位置している。
ここで、ユニット180を取り囲む回遊動線L8について説明する。回遊動線L8は、ユニット180の全周を取り囲み、行き止まりのない動線のうち、迂回しない動線である。本実施の形態の回遊動線L8は、廊下120、LDK130、クローゼット150、及び洋室140を通過する。
クローゼット150は、回遊動線L6、L8が通過するように設けられている。本実施の形態のクローゼット150は、略矩形状である。
クローゼット150は、廊下120及びクローゼット150と共通の2つの出入口151、152を有している。なお、クローゼット150の出入口は3つ以上であってもよい。
このクローゼット150に隣接して洋室140が設けられている。この洋室140は、クローゼット150及びLDK130と共通の2つの出入口141、152を有している。なお、洋室140の出入口は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
この洋室140に隣接して廊下120が設けられ、この廊下120と隣接してLDK130を構成するダイニング132が設けられている。このダイニング132の南側にはリビングが設けられ、ダイニング132の東側にはキッチン131が設けられている。リビング133は、ユニット180を介して洋室140と対向する位置に配置されている。本実施の形態では、回遊動線L6、L7、L8に沿って、LDK130が設けられ、回遊動線L7、L8に沿ってキッチン131が設けられている。
LDK130は、出入口134、151、161、162を有している。出入口134は廊下120の出入口と共通であり、出入口151はクローゼット150の出入口と共通であり、出入口161、162は洗面室160の出入口と共通である。なお、LDK130の出入口は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
キッチン131は、洗面室160と隣接しており、ユニット180と一塊になるように配置されている。
回遊動線L6に沿って、洗面室160、LDK130、廊下120、洋室140及びクローゼット150が設けられ、これらの部屋のそれぞれは、2つ以上の出入口を有している。回遊動線L7に沿って、洗面室160及びリビング133が設けられ、これらの部屋のそれぞれは、2つ以上の出入口を有している。回遊動線L8に沿って、洋室140、クローゼット150、LDK130、及び廊下120が設けられ、これらの部屋のそれぞれは、2つ以上の出入口を有している。
以上説明したように、本実施の形態の住宅103によれば、実施の形態3と同様に、洗面室160の出入口161、162を通過する回遊動線L6、L7は、クローゼット150を通過するとともに、ユニット180を取り囲む回遊動線L8はクローゼット150を通過するので、生活動線の効率を向上することができる。
ここで、上記実施の形態1〜3においては、住居として集合住宅を例に挙げて説明したが、本発明の住宅は、戸建ての住宅にも適用可能である。なお、本発明の住宅は、円の生活動線を合理的に描くものであるため、女性向けの集合住宅に好適に用いられる。
以上のように本発明の実施の形態及び変形例について説明を行なったが、各実施の形態及び変形例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。