JP6045023B2 - サクション機構を備えた給紙装置、および、その給紙制御方法 - Google Patents

サクション機構を備えた給紙装置、および、その給紙制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷および溝切りなどの加工を行う加工装置に段ボールシートを1枚ずつ供給するために、積層された複数の段ボールシートをサクション機構により吸引しながら、最下層の段ボールシートを複数の給紙ロールにより送り出す給紙装置に関する。詳細には、本発明は、最下層の段ボールシートの後端が、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側に配置された給紙ロール含む一部の上流側給紙ロールの配置領域を通過するときに、その配置領域において作用するサクション機構の吸引力を規制する給紙装置に関する。
従来、段ボールシートをサクション機構により吸引しながら、最下層のシートを複数の給紙ロールにより送り出す給紙装置が、ロータリーフィーダとして知られている。この種の給紙装置は、最下層の段ボールシートの前端がフロントゲートを通過して所定距離搬送されたときに、その最下層の段ボールシートとその上方に積層された段ボールシートとを給紙ロールから引き離すグレイトと称する昇降部材を備える。昇降部材は、給紙ロールに対して昇降可能に構成され、その昇降動作を給紙ロールの給紙動作と同期して行う。
昇降部材を備えた給紙装置の一例として、特許文献1に記載された給紙装置が提案されている。特許文献1に記載の給紙装置において、4つの給紙ロールが、給紙方向に配置される。最下層の段ボールシートの後端が、給紙方向において上流側に配置された2つの給紙ロールと接触しなくなったときに、その2つの給紙ロールの回転が、順次または同時に停止する。給紙ロールの回転が停止することにより、最下層から2番目の段ボールシートがサクション機構により吸引されて上流側の2つの給紙ロールに接触したとしても、2番目の段ボールシートが給紙ロールとの摩擦により傷つくことを防止することができる。
特開2009−120400号公報
特許文献1に記載の給紙装置は、最下層から2番目の段ボールシートが給紙ロールとの摩擦により傷つくことを防止することができる点で、有効である。しかし、特許文献1に記載の給紙装置は、以下の問題を依然として有している。すなわち、最下層の段ボールシートの後端が、給紙方向において上流側に配置された2つの給紙ロールと接触しなくなったとき、2番目の段ボールシートは、サクション機構により下方に吸引され、給紙装置の給紙テーブルとの間で、最下層の段ボールシートを挟み込む。この挟み込む力は、サクション機構の吸引力に起因して作用し、最下層の段ボールシートの上面と2番目の段ボールシートの下面との間で摩擦抵抗を生じさせる。この摩擦抵抗により、最下層の段ボールシートを精度よく給紙することができないという問題がある。
上記摩擦抵抗を小さくするために、サクション機構の吸引力を小さくすることが考えられる。吸引力を小さくすると、給紙方向において下流側に配置された2つの給紙ロールと最下層の段ボールシートの下面との間の接触抵抗が小さくなり、2つの給紙ロールが最下層の段ボールシートの下面に付与する搬送力も小さくなる。この搬送力が小さくなることにより、最下層の段ボールシートを精度よく給紙することができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールの配置領域に作用するサクション機構の吸引力を規制することにより、段ボールシートを精度よく給紙することができる給紙装置を提供することを目的とする。
第1乃至第5の発明態様およびその具体的態様)
上記目的を達成するために、請求項1に記載の第1の発明態様は、積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、給紙方向に配置され、段ボールシートの下面に接触する複数の給紙ロールであって、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールと、その一部の上流側給紙ロール以外の残りの給紙ロールとを有する複数の給紙ロールと、複数の給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールに接触させ、上昇したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールから引き離す昇降部材と、複数の給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、一部の上流側給紙ロールが配置された領域において段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力が、残りの給紙ロールが配置された領域において段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力より小さくなるように、吸引力を規制する吸引規制手段と、オーダが変更されるときに、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、吸引規制手段の作動および不作動を制御する制御部と、を備える。
第1の発明態様では、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域は、最も上流側の給紙ロールのみが配置された領域でも、複数の給紙ロールのうちで上流側に存在する半数または半数に近い数の給紙ロールが配置された領域でもよい。たとえば、5つの給紙ロールが配置されている場合、一部の上流側給紙ロールとして、最も上流側の給紙ロール、上流側の2つの給紙ロール、または、上流側の3つの給紙ロールが該当する。
第1の発明態様では、吸引規制手段は、一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、サクション機構の吸引力が段ボールシートに作用することを停止させる構成でも、段ボールシートに作用する吸引力を減少させる構成でもよい。また、吸引規制手段は、サクション機構自体の作動を規制する構成でも、サクション機構を常時作動させた状態で、段ボールシートに作用する吸引力を遮蔽部材により規制する構成でもよい。
第1の発明態様では、吸引規制手段が作動している間に、一部の上流側給紙ロールは、回転駆動される構成でも、その回転駆動力が付与されない構成でもよい。
第1の発明態様では、昇降部材は、複数の給紙ロールの回転と同期して個別の駆動モータにより駆動される構成でも、複数の給紙ロールと共通の1つの駆動モータにより駆動される構成でもよい。
第1の発明態様では、段ボールシートの長さは、生産管理装置から指令される構成でも、作業者が操作パネルから入力して設定される構成でも、または検出手段により検出される構成でもよい。
第1の発明態様では、制御部は、段ボールシートの長さとともに、給紙精度に関係する他の要因に応じて、吸引規制手段の作動および不作動を制御する構成でもよい。たとえば、段ボールシートの先端から罫線の形成位置までの距離などが、他の要因として考えられる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の第2の発明態様は、積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、給紙方向に配置され、段ボールシートの下面に接触する複数の給紙ロールと、複数の給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールに接触させ、上昇したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールから引き離す昇降部材と、複数の給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力を規制する吸引規制手段と、オーダが変更されるときに、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、吸引規制手段の作動および不作動を制御する制御部と、1枚の段ボールシートを送り出す給紙期間において、昇降部材を下降させる下降タイミング、および昇降部材を上昇させる上昇タイミングを調整する調整機構と、を備え、制御部は、吸引規制手段を作動させるときに、一部の上流側給紙ロールが配置された領域の給紙方向における距離に応じて、上昇タイミングが遅れるように調整機構を制御する。
第2の発明態様では、制御部は、一部の上流側給紙ロールが配置された領域の給紙方向における距離が長くなれば、上昇タイミングの遅れ時間も長くなるように、調整機構を制御する構成であればよい。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の第3の発明態様は、積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、給紙方向に配置され、段ボールシートの下面に接触する複数の給紙ロールと、複数の給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールに接触させ、上昇したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールから引き離す昇降部材と、複数の給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力を規制する吸引規制手段と、オーダが変更されるときに、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、吸引規制手段の作動および不作動を制御する制御部と、を備え、制御部は、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるときに、吸引規制手段を作動させ、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるときに、吸引規制手段を不作動にする。
第3の発明態様では、予め定められたシート長さは、給紙方向における給紙装置の機械的寸法、および段ボールシートの先端から罫線の形成位置までの距離などの要因により変更され、給紙ロールとの摩擦による段ボールシートの損傷、および段ボールシートの給紙精度を考慮して、実験結果を通して予め定められる。
請求項4に記載の具体的態様では、給紙方向において複数の給紙ロールより下流側に配置され、段ボールシートを挟持して下流側の加工装置に向かって送り出す一対のフィードロールを備え、予め定められたシート長さが、最も上流側の給紙ロールの回転中心と、一対のフィードロールの回転中心との間の給紙方向における距離に基いて定められる。
具体的態様では、予め定められたシート長さは、最も上流側の給紙ロールの回転中心と、一対のフィードロールの回転中心との間の給紙方向における距離を主要な要因の1つとして、定められるが、この距離以外の要因を考慮して定められてもよい。
具体的態様では、給紙装置が、複数の対のフィードロールを給紙方向に備える場合には、予め定められたシート長さは、最も上流側の給紙ロールの回転中心と、複数の給紙ロールに最も近い位置に配置された一対のフィードロールの回転中心との間の給紙方向における距離に基いて定められる。
請求項5に記載の具体的態様では、複数の給紙ロールに回転駆動力を付与する回転駆動部と、複数の給紙ロールのうち、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを停止させる停止手段と、を備え、停止手段が、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるときに、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを停止させ、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるときに、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを許容する。
具体的態様では、複数の給紙ロールが、1つの駆動モータから動力伝達遮断機構を介して回転駆動力が付与される構成でも、複数の駆動モータからそれぞれ回転駆動力が付与される構成でもよい。停止手段は、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを停止させるために、動力伝達遮断機構を遮断状態に作動させる構成でも、複数の駆動モータの一部を停止させる構成でもよい。
請求項6に記載の具体的態様では、停止手段が、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを停止させる遮断位置と、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを許容する連結位置との間で切換可能に構成されるクラッチ機構を含む。
請求項7に記載の具体的態様では、吸引規制手段が、一部の上流側給紙ロールのうち、少なくとも最も上流側の給紙ロールを覆うカバー部材を含み、カバー部材が、上昇した昇降部材より上方の位置において少なくとも最も上流側の給紙ロールを覆う作動位置と、一部の上流側給紙ロールから退避した不作動位置との間で移動可能に構成される。
具体的態様では、吸引規制手段が作動位置に位置するときに、カバー部材は、最も上流側の給紙ロールのみを覆う構成でも、一部の上流側給紙ロールの全てを覆う構成でもよい。
請求項8に記載の具体的態様では、サクション機構が、複数の給紙ロールを収容する吸引室と、吸引室内の空気を吸引するために吸引室に形成される吸引口とを含み、吸引規制手段が、吸引口から隔離される第1空間と、吸引口に連通する第2空間とに吸引室を分離する分離壁を含み、一部の上流側給紙ロールのうち、少なくとも最も上流側の給紙ロールが第1空間に配置され、分離壁が、第1空間と、その第1空間以外の吸引室の内部の他の空間である第2空間とを分離する作動位置と、第1空間および第2空間を連通させる不作動位置との間で移動可能に構成される。
具体的態様では、最も上流側の給紙ロールのみが第1空間に配置される構成でも、一部の上流側給紙ロールの全てが第1空間に配置される構成でもよい。
上記目的を達成するために、請求項9に記載の第4の発明態様は、積層された複数の段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、給紙方向に配置された複数の給紙ロールであって、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールと、その一部の上流側給紙ロール以外の残りの給紙ロールとを有する複数の給紙ロールとを備え、積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを吸引しながら、複数の給紙ロールにより下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、段ボールシートに対するサクション機構の吸引力の作用、および、その吸引力の規制を制御し、段ボールシートに対するサクション機構の吸引力を規制するときに、一部の上流側給紙ロールが配置された領域において段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力が、残りの給紙ロールが配置された領域において段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力より小さくなるように、吸引力を規制する給紙制御方法である。
第4の発明態様では、一部の上流側給紙ロールが配置された領域は、第1の発明態様と同様に解釈される。また、第4の発明態様では、段ボールシートに対するサクション機構の吸引力を規制する状態は、サクション機構の吸引力が段ボールシートに作用することを停止させる状態でも、段ボールシートに作用する吸引力を減少させる状態でもよい。
上記目的を達成するために、請求項10に記載の第5の発明態様は、積層された複数の段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、給紙方向に配置された複数の給紙ロールとを備え、積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを吸引しながら、複数の給紙ロールにより下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、段ボールシートに対するサクション機構の吸引力の作用、および、その吸引力の規制を制御する給紙制御方法であって、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるとき、複数の給紙ロールが配置された全ての領域において、サクション機構の吸引力を段ボールシートに作用させるステップと、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるとき、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力を規制するステップと、を備える給紙制御方法である
第5の発明態様では、予め定められたシート長さは、第3の発明態様およびその具体的態様と同様に解釈される。
請求項1に記載の第1の発明態様または請求項9に記載の第4の発明態様では、一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートに対するサクション機構の吸引力の作用、および、その吸引力の規制が、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、制御される。この結果、給紙方向における段ボールシートの長さに関係なく、段ボールシートを精度よく給紙することができる。
請求項2に記載の第2の発明態様では、給紙期間において、吸引規制手段を作動させるときに、一部の上流側給紙ロールが配置された領域の給紙方向における距離に応じて、上昇タイミングが遅れるように調整機構が制御される。この結果、サクション機構の吸引力を規制することにより、最下層から2番目の段ボールシートの損傷を防止するとともに、最下層の段ボールシートを精度よく給紙することができる。
請求項3に記載の第3の発明態様では、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるときに、吸引力が規制され、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるときに、吸引力が作用する。この結果、段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下である場合にも、最下層から2番目の段ボールシートの損傷を防止するとともに、最下層の段ボールシートを精度よく給紙することができる。
請求項4に記載の具体的態様では、予め定められたシート長さが、最も上流側の給紙ロールの回転中心と、一対のフィードロールの回転中心との間の給紙方向における距離に基いて定められる。予め定められたシート長さは、段ボールシートの先端が一対のフィードロールのニップ位置に位置するとともに、その後端が最も上流側の給紙ロールに接触することが可能なシート長さである。この結果、段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下である場合には、吸引規制手段の作動により吸引力が規制されることから、最下層から2番目の段ボールシートの損傷を確実に防止するとともに、最下層の段ボールシートを精度よく給紙することができる。
請求項5に記載の具体的態様では、段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるときに、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することが停止され、段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるときに、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することが許容される。この結果、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することが停止されることから、一部の上流側給紙ロールの回転が、給紙ロールに近接して配置される部材、または段ボールシートと干渉することを確実に防止することができる。
請求項6に記載の具体的態様では、停止手段のクラッチ機構が、遮断位置において、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを停止させ、連結位置において、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを許容する。この結果、クラッチ機構の遮断位置において、一部の上流側給紙ロールは回転自在になることから、一部の上流側給紙ロールが、給紙ロールに近接して配置される部材の移動に抵抗を及ぼしたり、または段ボールシートを損傷させたりすることを確実に防止することができる。
請求項7に記載の具体的態様では、吸引規制手段のカバー部材が、作動位置において、上昇した昇降部材より上方の位置において少なくとも最も上流側の給紙ロールを覆い、不作動位置において、一部の上流側給紙ロールから退避する。この結果、カバー部材が少なくとも最も上流側の給紙ロールを覆うことから、最下層から2番目の段ボールシートの損傷を確実に防止するとともに、最下層の段ボールシートを精度よく給紙することができる。
請求項8に記載の具体的態様では、一部の上流側給紙ロールのうち、少なくとも最も上流側の給紙ロールが第1空間に配置される。吸引規制手段の分離壁が、作動位置において、第1空間と、その第1空間以外の吸引室の内部の他の空間である第2空間とを分離し、不作動位置において、第1空間および第2空間を連通させる。この結果、分離壁により第1空間と第2空間とが分離されることから、最下層から2番目の段ボールシートの損傷を確実に防止するとともに、最下層の段ボールシートを精度よく給紙することができる。
請求項10に記載の第5の発明態様では、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるとき、複数の給紙ロールが配置された全ての領域において、サクション機構の吸引力が段ボールシートに作用する。また、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるとき、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力が規制される。この結果、段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下である場合にも、最下層から2番目の段ボールシートの損傷を防止するとともに、最下層の段ボールシートを精度よく給紙することができる。
本発明の第1の実施形態に係る段ボールシート製函機1の一部を示す正面図である。 段ボールシート製函機1の給紙機構4を拡大して示す正面図である。 給紙機構4の内部を上方から見た平面図である。 カップリング機構34の内部を右方から見た側面図である。 カム調整機構22の内部を右方から見た部分断面図である。 給紙ユニット2の電気的構成を主に示すブロック図である。 給紙制御処理を示すフローチャートである。 比較的長い段ボールシートSHの給紙状態を示す図面である。 比較的短い段ボールシートSHの給紙状態を示す図面である。 S9の処理に代えて、S6の処理が実行され、グレイト19の上昇タイミングが遅れていないと仮定した場合における比較的短い段ボールシートSHの給紙状態を示す図面である。 給紙ロール13A〜13Dの周速度、グレイト19の昇降距離、および、段ボールシートSHの給紙距離と、駆動軸23の回転角度との関係を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る段ボールシート製函機1の給紙機構4を拡大して示す正面図である。
[第1の実施形態]
本発明の給紙装置を段ボールシート製函機に適用した第1の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。段ボールシート製函機は、給紙装置から給紙される段ボールシートに、印刷、縦罫線、溝切りおよび打ち抜きなどの複数の加工を順次施す機械であり、特開2003−1727号公報などにより公知である。段ボールシート製函機の全体的構成は公知であるので、本発明の給紙装置に特に関連する給紙ユニット、および、その下流側に配置された印刷ユニットについて説明し、クリーザユニット、スロッタユニットおよびダイカッタユニットについて、その説明を省略する。なお、図面において矢印で示す方向に従って、上下方向、左右方向および前後方向が定められる。
《段ボールシート製函機1の部分的構成》
図1は、本実施形態の段ボールシート製函機1の給紙ユニット2および印刷ユニット3の構成を示す正面図である。図1において、給紙ユニット2は、給紙機構4と、第1のフィードロール5A、5Bと、第2のフィードロール6A、6Bと、吸引規制機構7とを主に備える。印刷ユニット3は、印刷シリンダ8と、プレスロール9とを主に備える。段ボールシート製函機1は、各ユニットを同期して駆動するために主駆動モータMTを備える。
〈給紙ユニット2の構成〉
給紙ユニット2は、給紙機構4から1枚ずつ給紙される段ボールシートSHを、第1のフィードロール5A、5Bおよび第2のフィードロール6A、6Bにより順次挟持しながら搬送し、印刷ユニット3に送り出す。第1のフィードロール5A、5Bは、段ボールシートSHの給紙方向DFにおいて、給紙機構4の下流に配置される。第2のフィードロール6A、6Bは、給紙方向DFにおいて、第1のフィードロール5A、5Bの下流に配置される。第1および第2のフィードロールの各フィードロールは、同じ直径のロールであり、主駆動モータMTに連結されて駆動される。
(給紙機構4の詳細な構成)
図1〜図3を参照して給紙機構4の構成を説明する。図2は、サクション機構14を省略した状態で給紙機構4を拡大して示す正面図である。図2において、給紙機構4は、給紙テーブル10の上方に、フロントゲート11と、バックガイド12とを備える。フロントゲート11は、給紙方向DFにおいて一定の位置に配置される。フロントゲート11は、積層される多数の段ボールシートの前端、すなわち図2において段ボールシートの左側の端部と当接し、段ボールシートの前端の位置を揃える。バックガイド12は、給紙方向DFにおける段ボールシートの長さに応じて、フロントゲート11に対して左右方向に移動可能に配置される。バックガイド12は、段ボールシートの後端、すなわち図2において段ボールシートの右側の端部と当接し、段ボールシートの後端の位置を揃える。
図1および図2において、給紙機構4は、給紙テーブル10の下方に、4列の給紙ロール13A〜13Dと、サクション機構14と、昇降機構15とを備える。給紙ロール13A〜13Dは、給紙方向DFに間隔を空けて配置される。
サクション機構14は、積層された段ボールシートを下方に吸引する。サクション機構14は、吸引室16と、ダクト17と、ブロアモータ18とを備える。吸引室16は、給紙テーブル10の下方に配置された多数の給紙ロールの全てを収容する大きさに形成される。ダクト17は、吸引室16の底部に形成された吸引口16Aとブロアモータ18とを連結する。ブロアモータ18は、誘導モータから構成され、駆動信号の周波数に応じた速度で回転する。ブロアモータ18の回転速度が高速になるほど、大きな負圧が吸引室16内に発生する。大きな負圧により、積層される段ボールシートは、大きな吸引力で給紙ロール13A〜13Dに向かって吸引される。
図2において、昇降機構15は、グレイト19と、連結機構20と、駆動機構21と、図5に示すカム調整機構22とを備える。グレイト19は、受け板19Aと、一対の支持脚19B、19Cとを有する。受け板19Aは、給紙方向DFにおいて、給紙ロール13A〜13Dの配置領域R1と同じ領域に配置され、下方から段ボールシートSHに接触することが可能である。一対の支持脚19B、19Cの下端部は、連結機構20の一対のロックアーム20A、20Bにそれぞれ連結される。連結機構20は、ロックアーム20Aの回動軸に固定された連結アーム20Cを有する。
駆動機構21は、駆動軸23と、第1のカム24Aと、第2のカム24BBと、揺動体25とを備える。駆動軸23は、公知の動力伝達機構を介して主駆動モータMTに連結される。第1のカム24Aは、グレイト19の下降タイミングを制御するカムであり、駆動軸23に固定される。第2のカム24BBは、グレイト19の上昇タイミングを制御するカムであり、第1のカム24Aに対して回転位相が調整されるように駆動軸23上で回動可能に取り付けられる。揺動体25は、給紙機構4のフレームに固定された揺動軸26を中心に揺動可能に取り付けられる。揺動体25は、アーム27を有する。カムフォロア28が、アーム27の先端に回動可能に支持され、連結アーム20Cの下端部が、アーム27の先端に連結される。カムフォロア28が第2のカム24BAの高いカム面に係合するとき、グレイト19は給紙ロール13A〜13Dより上方に上昇し、段ボールシートSHを給紙ロール13A〜13Dから引き離す。カムフォロア28が第1のカム24Aの低いカム面に係合するとき、グレイト19は給紙ロール13A〜13Dの上面より下方に下降し、段ボールシートSHを給紙ロール13A〜13Dに接触させる。なお、昇降機構15中の連結機構20および駆動機構21の基本的な構成は、米国特許第5184811号明細書および図面などにより公知である。
駆動歯車29が、駆動軸23に固定され、減速機構を介して主駆動モータMTに連結される。駆動軸23は、給紙機構4が1枚の段ボールシートSHを給紙する間に、図2に示す矢印方向CDに、1回だけ回転する。第1および第2のカム24BA、24Bは、駆動軸23の回転に伴い、給紙機構4が1枚の段ボールシートSHを給紙する間に、1回だけ回転する。
図3は、給紙テーブル10を取り除いた状態で給紙機構4の内部を上方から見た平面図である。図3において、多数の給紙ロールが、給紙方向DFと直交する方向に延びる4本の回転軸30A〜30Dの各回転軸に固定される。回転軸30A〜30Dの中の隣り合う2つの回転軸の回転中心の間隔である軸間距離は全て同じに設定される。回転軸30A〜30Dは、伝達ユニット31を介して駆動歯車29に連結される。伝達ユニット31は、増速機構32と、連結部材33A〜33Cと、カップリング機構34とを主に備える。増速機構32は、駆動歯車29の回転を増速して4本の出力軸35A〜35Dに伝達する。連結部材33A〜33Cは、出力軸35A〜35Cを回転軸30A〜30Cとそれぞれ連結する。カップリング機構34は、出力軸35Dの回転を回転軸30Dに伝達し、または、その回転の伝達を遮断する。増速機構32は、ゼネバ歯車および遊星歯車を備える。増速機構32の構成は、米国特許第5184811号明細書および図面などにより公知である。この増速機構により、給紙ロール13A〜13Dの周速度は、図11に示すように、1枚の段ボールシートの給紙動作を行う間に、回転停止状態から、第1のフィードロール5A、5Bの所定の周速度まで増速し、その所定の周速度を維持し、その後に、所定の周速度から回転停止状態まで減速する。グレイト19が給紙ロール13A〜13Dの上面より下方に下降した時点である給紙動作の開始時点TSでは、給紙ロール13A〜13Dの周速度は、ほぼ回転停止状態にある。
(カップリング機構34の詳細な構成)
図3および図4を参照してカップリング機構34の構成を説明する。図4は、カップリング機構34の内部を右方から見た側面図である。図4において、カップリング機構34は、一対のクラッチ部材36、37と、スプライン軸体38と、作動機構39とを備える。クラッチ部材36は、出力軸35Dに固定され、クラッチ爪36Aを有する。クラッチ部材37は、クラッチ爪36Aと係合可能なクラッチ爪37Aと、連結凹部37Bとを有する。スプライン軸体38は、連結部材を介して回転軸30Dに連結され、スプライン軸部38Aを有する。クラッチ部材37は、スプライン軸部38Aと噛み合うスプラインナット部を有する。クラッチ部材37は、スプライン軸部38Aとスプラインナット部との噛合いにより、図4においてスプライン軸体38上を前後方向に摺動可能であり、スプライン軸体38とともに回転可能である。
作動機構39は、エアシリンダ40と、連結部材41とを備える。エアシリンダ40は、給紙機構4のフレームに固定され、作動棹40Aを有する。連結部材41は、作動棹40Aの先端に固定され、二股状の連結片41Aを有する。二股状の連結片41Aは、クラッチ部材37の連結凹部37Bと嵌合する。図4は、作動棹40Aが前方に突出して両クラッチ爪36A、37Aが係合し、出力軸35Dと回転軸30Dとが連結した状態を示す。作動棹40Aが後方に引っ込んだ場合には、クラッチ爪37Aはクラッチ爪36Aから離間して、出力軸35Dと回転軸30Dとの連結が遮断される。
(カム調整機構22の詳細な構成)
図5を参照してカム調整機構22の構成を説明する。図5は、カム調整機構22の内部を右方から見た部分断面図である。図5において、カム調整機構22は、第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相を調整するための機構であり、波動歯車機構42と、サーボモータ43とを主に備える。サーボモータ43は、給紙機構4のフレームに固定される。
波動歯車機構42は、第1および第2のサーキュラスプライン44、45と、フレクスプライン46と、ウェーブジェネレータ47とを備える。ウェーブジェネレータ47は、調整入力軸48に固定される。調整入力軸48は、給紙機構4のフレームに回転可能に取り付けられ、歯車49、50を介してサーボモータ43の出力軸に連結される。第1のサーキュラスプライン44は、第1の回転連結体51を介して歯車52に連結される。第1の回転連結体51は、調整入力軸48上に回転可能に取り付けられる。歯車53は、駆動軸23に固定され、歯車52と噛み合う。第2のサーキュラスプライン45は、第2の回転連結体54を介して歯車55に連結される。第2の回転連結体54は、給紙機構4のフレームに固定された支持軸56上に回転可能に取り付けられる。歯車57は、第2のカム24Bに固定され、歯車55と噛み合う。第1のサーキュラスプライン44は、フレクスプライン46と同じ歯数を有するが、第2のサーキュラスプライン45は、フレクスプライン46と異なる歯数を有する。この結果、第1のサーキュラスプライン44は、フレクスプライン46と相対的な回転を行わないが、第2のサーキュラスプライン45は、フレクスプライン46と相対的な回転を行う。駆動軸23が停止した状態において、サーボモータ43の回転によりウェーブジェネレータ47が回転するとき、第2のサーキュラスプライン45は、第1のサーキュラスプライン44に対して相対的に回転することから、第2のカム24Bは、サーボモータ43の回転量に応じて回転し、駆動軸23に固定された第1のカム24Aに対して回転位相を変化させる。波動歯車機構42の基本的な構成は、特許第2718540号公報などにより公知である。
(吸引規制機構7の詳細な構成)
図2および図3を参照して吸引規制機構7の構成を説明する。吸引規制機構7は、段ボールシートに作用するサクション機構14の吸引力を規制する機構であり、カバー部材58と、案内機構59と、エアシリンダ60とを主に備える。図2において、カバー部材58は、バックガイド12の下方端と給紙テーブル10の上面との間の空間に配置されるとともに、給紙テーブル10の上面および給紙ロール13Dの上面に近接して位置する。カバー部材58は、給紙テーブル10の上面に沿って、図2に示すように左右方向に延びるとともに、図3に示すように前後方向に延びる。カバー部材58は、その右端に屈曲部58Aを有する。案内機構59は、給紙テーブル10の上面に沿ってカバー部材58を左右方向に案内する機構であり、吸引室16の右側の壁に配置される。
図3において、案内機構59は、移動体61と、一対の案内軸62、63とを主に備える。両案内軸62、63は、吸引室16の右側の壁に固定され、その壁から左右方向に延びる。移動体61は、両案内軸62、63に案内されて左右方向に移動可能に配置される。図2において、移動体61は、その左端に屈曲部61Aを有する。移動体61の屈曲部61Aは、カバー部材58の屈曲部58Aに固定される。
エアシリンダ60は、吸引室16の右側の壁に配置され、作動棹60Aを有する。作動棹60Aの先端は、移動体61の屈曲部61Aに連結される。この結果、図2に示すように作動棹60Aが突出したとき、カバー部材58は図2に実線で示すように給紙ロール13A〜13Dの配置領域R1の一部の領域R2を覆う作動位置に位置し、作動棹60Aが引っ込んだとき、カバー部材58は図2に二点鎖線で示すように給紙ロール13A〜13Dの配置領域R1から退避した不作動位置に位置する。
図2において、カバー部材58が作動位置に位置するとき、本実施形態では、カバー部材58は、給紙ロール13A〜13Dの中で給紙方向DFにおいて最も上流側に配置された給紙ロール13Dの配置領域を覆う。給紙ロール13Dの配置領域について具体的に説明する。図2において、領域R1は、給紙方向DFにおける給紙ロール13A〜13Dの配置領域を示し、給紙ロール13Aの左端から給紙ロール13Dの右端までの範囲の領域である。領域R2は、給紙ロール13A〜13Dの配置領域の中でカバー部材58が覆う領域を示す。位置PCは、給紙ロール13Cの回転軸30Cの回転中心を通る上下方向の延長線上の位置を示し、位置PDは、給紙ロール13Dの回転軸30Dの回転中心を通る上下方向の延長線上の位置を示す。また、位置PCおよび位置PDは、給紙ロール13C、13Dが段ボールシートSHの下面と接触する接触点を通る上下方向の延長線上の位置を示すとも考えられる。本実施形態では、領域R2の左端は、位置PCと位置PDとの間の中央位置に位置する。領域R2は、その中央位置から給紙ロール13Dの右端までの範囲の領域であり、給紙ロール13Dの配置領域に相当する。本実施形態では、領域R2は、隣り合う給紙ロールの回転軸の軸間距離と同じに設定される。
〈印刷ユニット3の構成〉
印刷ユニット3は、第2のフィードロール6A、6Bから送り出される段ボールシートSHの所定位置に印刷を施す。その印刷動作の間、印刷シリンダ8およびプレスロール9は、段ボールシートを挟んで搬送する。印刷シリンダ8およびプレスロール9の周速度は、第1および2のフィードロール5A、5B、6A、6Bの周速度と同じ速度となるように、印刷シリンダ8およびプレスロール9は減速機構を介して主駆動モータMTに連結される。印刷シリンダ8は、給紙機構4が1枚の段ボールシートSHを給紙する間に、1回だけ回転する。
〈各種の検出器の構成〉
原点検出器HDが、積層される段ボールシートの最下層の段ボールシートの給紙動作が開始される時点を検出するために設けられる。原点検出器HDは、検出コイルおよび発振回路を備える公知の近接センサから構成される。原点検出器HDの検出コイルが発生する高周波磁界中に、駆動歯車29の側面に取り付けられた金属片64が接近したときに、原点検出器HDは、金属片64に誘導される電流により発振回路の発振を停止して検出信号を発生する。
パルス発生器PG1が、給紙方向DFにおける段ボールシートSHの搬送量を測定するために、主駆動モータMTの出力軸に取り付けられる。パルス発生器PG1は、主駆動モータMTの出力軸の回転量に応じた数のパルスを発生する。
パルス発生器PG2が、サーボモータ43の回転量および回転方向を測定するために、サーボモータ43の出力軸に連結される。パルス発生器PG2は、サーボモータ43の出力軸の回転量および回転方向に応じた数および位相のパルスを発生する。
《電気的構成》
図6を参照して第1の実施形態における給紙ユニット2の電気的構成を主に説明する。図6は、給紙ユニット2の電気的構成を示すブロック図である。図6において、管理装置100は、連続する複数のオーダを順次実行するために段ボールシート製函機1の全体動作を管理する。給紙制御装置110は、給紙ユニット2の給紙動作を制御するために設けられる。給紙制御装置110は、各オーダを実行するために定められたシート長さおよび搬送速度などの情報を含む指令を管理装置100から受け取り、その指令に従って制御動作を行うと共に、現在の制御状態を管理装置100に通知する。給紙制御装置110と同様に、他の加工制御装置120も、印刷ユニット3などの他の加工ユニットの加工動作を制御するために設けられ、管理装置100からの指令に従って制御動作を行うと共に、現在の制御状態を管理装置100に通知する。モータ制御装置130は、主駆動モータMTの回転およびその停止を制御すると共に、管理装置100からの指令に従って主駆動モータMTの回転速度を制御する。また、モータ制御装置130は、主駆動モータMTの回転に伴ってパルス発生器PG1から発生されるパルスの数を計数し、その計数したパルス数を管理装置100に通知する。
プログラムメモリ140は、給紙制御プログラムなどの制御プログラムと、各種の設定値とを固定記憶する。給紙制御プログラムは、図7に示す給紙制御処理を実行するプログラムである。各種の設定値は、給紙方向DFにおけるシート長さに関する閾値LS、およびブロアモータ18の駆動信号の周波数の初期設定値などである。作業メモリ141は、管理装置100から供給される指令および情報を一時記憶するとともに、給紙制御プログラムの実行により演算処理される処理結果を一時記憶する。閾値LSは、図2に示す位置PFと位置PDとの間の距離LPに相当する値である。位置PFは、第1のフィードロール5A、5Bの回転軸の回転中心を通る上下方向の延長線上の位置を示す。段ボールシートSHの後端(図2における右端)が位置PDに位置するときに、その段ボールシートSHの先端(図2における左端)が位置PFに位置する場合に、その段ボールシートSHの給紙方向DFのシート長さが、距離LPに相当する。本実施形態では、距離LPは400mmである。
操作パネル142が給紙制御装置110に接続される。操作パネル142は、作業者が操作する各種のボタンを備え、各種の操作情報を給紙制御装置110に供給する。各種のボタンは、給紙ボタン143などである。給紙ボタン143は、作業者が給紙動作の開始を指示するボタンである。原点検出器HDが、給紙制御装置110に接続され、検出信号を給紙制御装置110に供給する。
吸引制御装置146、カム調整制御装置147、カップリング制御装置148、およびカバー制御装置149が、給紙制御装置110にそれぞれ接続され、給紙制御装置110から制御指令を受け取る。吸引制御装置146は、給紙制御装置110から速度制御指令を受け取り、その速度制御指令に従ってブロアモータ18の駆動信号の周波数を制御する。カム調整制御装置147は、第2のカム24Bの回転位相を指令する制御指令を給紙制御装置110から受け取ってサーボモータ43を回転させ、サーボモータ43の回転に伴って、パルス発生器PG2から発生されるパルスの数を計数し、また、そのパルスの位相を検出し、サーボモータ43の回転量および回転方向を制御する。カップリング制御装置148は、給紙ロール13Dへの回転力の伝達および遮断を指令する制御指令を給紙制御装置110から受け取って、エアシリンダ40の作動を制御する。カバー制御装置149は、カバー部材58の作動位置または不作動位置への移動を指令する制御指令を給紙制御装置110から受け取って、エアシリンダ60の作動を制御する。
《第1の実施形態の動作および作用》
第1の実施形態に係る段ボールシート製函機1の給紙ユニット2の動作および作用について、図7を参照して説明する。段ボールシート製函機1の電源が投入されると、管理装置100は、これから実行予定のオーダに従って段ボールシートの搬送速度を指令する速度制御指令をモータ制御装置130に供給する。この時点では、モータ制御装置130は、主駆動モータMTを起動しない。
給紙制御装置110は、管理装置100から供給された実行予定のオーダに関する制御指令、およびシート長さなどの情報を作業メモリ141に一時記憶する。また、段ボールシート製函機1の電源が投入されると、給紙制御装置110は、プログラムメモリ140から給紙制御プログラムを読み出して実行する。
〈給紙制御処理〉
給紙制御プログラムが実行されると、図7に示す給紙制御処理が実行される。図7に示す各処理は、給紙制御装置110が実行する処理である。
S1において、新たなオーダが開始されるか否かが判断される。具体的には、給紙制御装置110は、管理装置100から新たなオーダの開始指令を受け取ったか否かを判断する。新たなオーダが開始されると判断したとき(S1:YES)、S2の処理が実行される。新たなオーダが開始されると判断しないとき(S1:NO)、S1の判断処理が繰り返し実行される。
S2において、新たなオーダにおいて加工される段ボールシートの給紙方向のシート長さが作業メモリ141に一時記憶される。具体的には、給紙制御装置110は、新たなオーダを実行するために必要な情報を管理装置100から受け取り、その受け取った情報に含まれるシート長さを作業メモリ141に一時記憶させる。
S3において、作業メモリ141に記憶されたシート長さが閾値LS以下であるか否かが判断される。シート長さが閾値LSを超えるとき(S3:NO)、S4の処理が実行される。シート長さが閾値LS以下であるとき(S3:YES)、S7の処理が実行される。
S4〜S6の処理は、シート長さが閾値LSを超える通常長さの段ボールシートまたは比較的長い段ボールシートを給紙するために実行される。まず、S4において、クラッチ部材36、37を連結させる連結動作が実行されるようにエアシリンダ40が作動する。具体的には、給紙制御装置110は、連結動作を指令する制御指令をカップリング制御装置148に供給する。カップリング制御装置148は、制御指令に従って、エアシリンダ40の作動棹40Aが突出するようにエアシリンダ40を作動させる。この結果、クラッチ部材36、37は噛み合い、給紙ロール13Dの回転軸30Dは、増速機構32の出力軸35Dと連結する。
S5において、カバー部材58が4つの給紙ロール13A〜13Dの配置領域R1から退避する退避動作が実行されるようにエアシリンダ60が作動する。具体的には、給紙制御装置110は、退避動作を指令する制御指令をカバー制御装置149に供給する。カバー制御装置149は、制御指令に従って、エアシリンダ60の作動棹60Aが引っ込むようにエアシリンダ60を作動させる。このエアシリンダ60の作動により、図8に示すようにカバー部材58が給紙ロール13A〜13Dの配置領域R1から退避する。この結果、給紙ロール13A〜13Dの全てが、段ボールシートに接触して搬送力を付与することができる状態になる。
S6において、シート長さに従って第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相が調整される。具体的には、給紙制御装置110は、シート長さが閾値LSを超えるとき、新たなオーダにおいて加工される段ボールシートのシート長さに対応する第2のカム24Bの回転位相を指令する制御指令をカム調整制御装置147に供給する。カム調整制御装置147は、制御指令に従って、サーボモータ43の回転方向および回転量を制御する。この結果、サーボモータ43の回転により、第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相が調整され、グレイト19の上昇タイミングが設定される。図8は、グレイト19が給紙テーブル10から上昇した直後の時点において、給紙されている最下層の段ボールシートSHの位置を示す。
S7〜S9の処理は、シート長さが閾値LS以下である比較的短い段ボールシートを給紙するために実行される。まず、S7において、クラッチ部材36、37の連結を遮断する遮断動作が実行されるようにエアシリンダ40が作動する。具体的には、給紙制御装置110は、遮断動作を指令する制御指令をカップリング制御装置148に供給する。カップリング制御装置148は、制御指令に従って、エアシリンダ40の作動棹40Aが引っ込むようにエアシリンダ40を作動させる。このエアシリンダ40の作動により、クラッチ部材37は、クラッチ部材36から離間し、給紙ロール13Dの回転軸30Dと増速機構32の出力軸35Dとの連結が遮断される。この結果、給紙ローラ13Dは、出力軸30Dからの回転力が伝達されることなく、自由に回転できる状態になる。
S8において、カバー部材58が給紙ロール13Dの配置領域R2を覆う覆い動作が実行されるようにエアシリンダ60が作動する。具体的には、給紙制御装置110は、覆い動作を指令する制御指令をカバー制御装置149に供給する。カバー制御装置149は、制御指令に従って、エアシリンダ60の作動棹60Aが突出するようにエアシリンダ60を作動させる。このエアシリンダ60の作動により、図9に示すようにカバー部材58が給紙ロール13Dの配置領域R2を覆う。この結果、給紙ロール13A〜13Cは、段ボールシートに接触して搬送力を付与することができる状態であるが、給紙ロール13Dは、段ボールシートに接触することができない状態になる。
S9において、シート長さと覆い長さとに従って第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相が調整される。覆い長さは、図9に示す給紙ロール13Dの配置領域R2の給紙方向DFの長さであり、本実施形態では、隣り合う2つの給紙ロールの回転軸の回転中心の間隔である軸間距離に相当する。具体的には、給紙制御装置110は、シート長さが閾値LS以下であるとき、新たなオーダにおいて加工される段ボールシートのシート長さおよび覆い長さに対応する第2のカム24Bの回転位相を指令する制御指令をカム調整制御装置147に供給する。カム調整制御装置147は、制御指令に従って、サーボモータ43の回転方向および回転量を制御する。この結果、サーボモータ43の回転により、第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相が調整され、グレイト19の上昇タイミングが設定される。図9は、グレイト19が給紙テーブル10から上昇した直後の時点において、給紙されている最下層の段ボールシートSHの位置を示す。
S10において、給紙ボタン143が操作されたか否かが判断される。給紙ボタン143が操作されたと判断されたとき(S10:YES)、S11の処理が実行される。給紙ボタン143が操作されたと判断されないとき(S10:NO)、S10の判断処理が繰り返し実行される。一般に、作業者は、オーダを実行するために、給紙機構4のフロントゲート11とバックガイド12とにより規定される収容空間に多数の段ボールシートを積載した後に、給紙動作を開始するために給紙ボタン143を操作する。
S11において、主駆動モータMTおよびブロアモータ18が駆動される。具体的には、給紙制御装置110は、主駆動モータMTの駆動を要求する要求指令を管理装置100に供給する。また、給紙制御装置110は、ブロアモータ18の駆動信号の周波数の初期設定値をプログラムメモリ140から読み出し、その初期設定値を吸引制御装置146に供給する。吸引制御装置146は、初期設定値の周波数に従って、ブロアモータ18の回転速度を制御する。このブロアモータ18の回転により、初期設定値の周波数に応じた負圧が、吸引室16に発生する。
管理装置100は、給紙制御装置110からの要求指令に従って、モータ制御装置130に主駆動モータMTの駆動を指令する。モータ制御装置130は、駆動指令に従って主駆動モータMTを起動し、管理装置100から供給された速度制御指令に従って主駆動モータMTの回転速度を制御する。主駆動モータMTが回転すると、駆動歯車29が図2に示す矢印方向CDに回転する。駆動歯車29の回転に伴い、両カム24A、24Bが回転するとともに、給紙ロール13A〜13Dが回転する。また、主駆動モータMTが回転すると、第1のフィードロール5A、5B、および第2のフィードロール6A、6Bも回転し、各フィードロールの周速度は、オーダに従う段ボールシートの搬送速度に相当する速度になる。更に、主駆動モータMTの回転により、印刷ユニット3の印刷シリンダ8およびプレスロール9が回転し、他の加工ユニットの加工シリンダも回転する。
両カム24A、24Bが回転すると、揺動体25は、カムフォロア28と両カム24A、24Bのカム面との係合に従って揺動する。この揺動に伴い、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dに対して昇降動作を行い、段ボールシートの給紙動作が開始される。シート長さが閾値LSを超える比較的長い段ボールシートである場合、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dの上面より下方に下降すると、最下層の段ボールシートSHは、吸引室16の負圧により給紙ロール13A〜13Dに吸引され、4つの給紙ロール13A〜13Dから給紙方向DFの搬送力を受ける。シート長さが閾値LS以下の比較的短い段ボールシートである場合、グレイト19が給紙ロール13A〜13Dの上面より下方に下降すると、最下層の段ボールシートSHは、吸引室16の負圧により給紙ロール13A〜13Cに吸引され、3つの給紙ロール13A〜13Cから給紙方向DFの搬送力を受ける。しかし、給紙ロール13Dはカバー部材58により覆われるために、給紙ロール13Dの配置領域R2において、吸引室16の負圧による吸引力は段ボールシートSHにほとんど働かないか、または、極めて弱い。
S12において、オーダを実行するための給紙処理が実行される。具体的には、給紙制御装置110は、原点検出器HDから供給される原点検出信号を基に、現在のオーダの実行中に給紙される段ボールシートのシート枚数を計数する。また、段ボールシートの端部を検出する公知の検出器により、給紙制御装置110は、段ボールシートSHの給紙状況を監視する。
S13において、オーダが終了したか否かが判断される。具体的には、給紙制御装置110は、S12において計数されたシート枚数がオーダに関して定められたシート枚数に達したか否かを判断する。オーダが終了したと判断されるとき(S13:YES)、S14の処理が実行される。オーダが終了したと判断されないとき(S13:NO)、処理はS12の処理に戻って実行される。
S14において、主駆動モータMTおよびブロアモータ18の停止制御が実行される。具体的には、給紙制御装置110は、停止指令を吸引制御装置146に供給してブロアモータ18を停止させる。また、給紙制御装置110は、主駆動モータMTの停止要求を管理装置100に供給する。管理装置100は、現在のオーダの最後の段ボールシートが段ボールシート製函機1において最も後段に配置されたダイカッタユニットを通過したことを検出した後に、原点検出器HDからの原点検出信号を給紙制御装置110から受け取ったときに、停止指令をモータ制御装置130に供給して主駆動モータMTを停止させる。
S14の処理が終了すると、処理はS11の処理に戻り、S1〜S14の処理が新たなオーダについて同様に実行される。
〈比較的長い段ボールシートの給紙動作〉
本実施形態では、閾値LSは、シート長さ400mmに相当する値であり、図8に示す比較的長い段ボールシートSHのシート長さは、閾値LSより十分に長い740mmである。このように比較的長い段ボールシートを給紙する場合、カバー部材58は給紙ロール13A〜13Dの配置領域R1から退避し、段ボールシートSHは4つの給紙ロール13A〜13Dから大きな搬送力を受ける。最下層の段ボールシートSHの後端(図8における右端)が給紙ロール13Bの回転軸30Bの回転中心を通る上下方向の延長線上の位置PBに達したとき、グレイト19は給紙テーブル10の上面より上昇する。このグレイト19の上昇タイミングは、S6の処理により調整されたタイミングである。グレイト19の上昇により、4つの給紙ロール13A〜13Dからの搬送力が最下層の段ボールシートSHに付与されなくなる。この時点では、最下層の段ボールシートSHは、第1のフィードロール5A、5B、および第2のフィードロール6A、6Bにより、それぞれ挟持されて大きな搬送力を受けている。
最下層の段ボールシートSHの後端が、給紙ロール13Dを通過してから位置PBに達するまでの間、最下層から2番目の段ボールシートは、吸引室16の負圧により給紙ロール13C、13Dに吸引され、回転している給紙ロール13C、13Dと摩擦接触する。しかし、この摩擦接触は短時間であるので、2番目の段ボールシートの下面を損傷させることはない。また、下から2番目の段ボールシートが吸引されることにより、最下層の段ボールシートSHは、給紙テーブル10の上面と2番目の段ボールシートの下面との間に挟まれて摩擦抵抗を受けるが、両フィードロール5A、5B、6A、6Bから大きな搬送力を受けていることから、最下層の段ボールシートSHの給紙動作が摩擦抵抗により影響されることはほとんどない。
〈比較的短い段ボールシートの給紙動作〉
図9に示す比較的短い段ボールシートSHのシート長さは、閾値LSと同じ長さであり、400mmである。このように比較的短い段ボールシートを給紙する場合、カバー部材58は給紙ロール13Dの配置領域R2を覆い、段ボールシートSHは3つの給紙ロール13A〜13Cから搬送力を受ける。最下層の段ボールシートSHの後端(図9における右端)が給紙ロール13Aの回転軸30Aの回転中心を通る上下方向の延長線上の位置PAに達したとき、グレイト19は給紙テーブル10の上面より上昇する。このグレイト19の上昇タイミングは、S9の処理により調整されたタイミングである。グレイト19の上昇により、3つの給紙ロール13A〜13Cからの搬送力が最下層の段ボールシートSHに付与されなくなる。この時点では、最下層の段ボールシートSHは、第1のフィードロール5A、5Bにより挟持されて搬送力を受けている。
カバー部材58が給紙ロール13Dの配置領域R2を覆うことから、この配置領域R2において、段ボールシートを吸引する吸引力は極めて小さくなる。最下層の段ボールシートSHの後端が、給紙ロール13Cを通過してから位置PAに達するまでの間、下から2番目の段ボールシートは、吸引室16の負圧により給紙ロール13B、13Cに吸引され、回転している給紙ロール13B、13Cと摩擦接触する。しかし、この摩擦接触は短時間であるので、下から2番目の段ボールシートの下面を損傷させることはない。また、下から2番目の段ボールシートが吸引されることにより、最下層の段ボールシートSHは、給紙テーブル10の上面と下から2番目の段ボールシートの下面との間に挟まれて摩擦抵抗を受けるが、給紙ロール13Dの配置領域R2では吸引力は極めて小さく、第1のフィードロール5A、5Bから大きな搬送力を受けていることから、最下層の段ボールシートSHの給紙動作が摩擦抵抗により影響されることはほとんどない。
S9の処理により、グレイト19の上昇タイミングが調整されて遅くなることから、3つの給紙ロール13A〜13Cが最下層の段ボールシートSHに搬送力を付与している時間が長くなり、最下層の段ボールシートの先端が第1のフィードロール5A、5Bにより確実に挟持されるまで、3つの給紙ロール13A〜13Cによる搬送力を最下層の段ボールシートに付与し続けることができる。
S9の処理により、グレイト19の上昇タイミングが遅くなる動作について、図9〜図11を参照して詳細に説明する。図10は、シート長さが400mmである比較的短い段ボールシートSHを給紙する場合であって、S9の処理に代えて、S6の処理が実行され、グレイト19の上昇タイミングが遅れていないと仮定した場合における比較的短い段ボールシートSHの給紙状態を示す。図11は、給紙ロール13A〜13Dの周速度、給紙テーブルに対するグレイト19の昇降距離、および、給紙ロール13A〜13Dによる段ボールシートSHの給紙距離と、駆動軸23の回転角度との関係を示すタイミングチャートである。図11において、駆動軸23の回転角度0°〜360°の期間が、給紙周期であり、時点TSは、各給紙周期においてグレイト19が給紙テーブル10より下降して給紙動作が開始される時点である。距離DSは、グレイト19が給紙テーブル10より上昇して段ボールシートが給紙される最小給紙距離であり、給紙可能な段ボールシートの最小シート長さに基いて決定される。距離DLは、最大給紙距離であり、最小シート長さと、第1および第2のカム24A、24Bの周長とに基いて決定される。
図10において、最下層の段ボールシートSHの後端(図10における右端)が給紙ロール13Bの回転軸30Bの回転中心を通る上下方向の延長線上の位置PBに達したとき、グレイト19は給紙テーブル10の上面より上昇する。このグレイト19の上昇タイミングは、S6の処理により調整されたと仮定した場合のタイミングである。一般に、グレイトの上昇タイミングは、段ボールシートの後端が最も上流側の給紙ロールである給紙ロール13Dを通過する直前の時点となるように調整される。しかし、本実施形態では、シート長さが400mm以下の短い段ボールシートにも搬送力を長い時間付与するために、段ボールシートの後端が給紙ロール13Dを通過して位置PBに達したときに、グレイト19が上昇するように第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相が調整される。第2のカムの回転位相は、シート長さが長くなるほど搬送力が付与される時間が長くなるように調整される。この搬送力が付与される時間が長くなることにより、図11に示すように給紙距離が、グレイト19の上昇タイミングが遅れることに伴い大きくなる。
たとえば、閾値LSに相当するシート長さ400mm以下の比較的短い段ボールシートを給紙するために、グレイト19の上昇タイミングがS6の処理により調整されたと仮定した場合、グレイト19は時点T1にて給紙テーブル10から上昇し、この比較的短い段ボールシートの給紙距離は図11に示す距離DX1となる。これに対して、グレイト19の上昇タイミングがS9の処理により調整された場合、グレイト19は時点T1から遅れた時点T2にて給紙テーブル10から上昇し、この比較的短い段ボールシートの給紙距離は図11に示す距離DX1より大きい距離DX2となる。時点T2が時点T1から遅れる時間は、給紙ロール13Dの配置領域R2の給紙方向DFの長さである覆い長さと、給紙速度とに基いて定まる。
《第1の実施形態の効果》
本実施形態では、閾値LS以下の比較的短い段ボールシートSHを給紙するときに、カバー部材58が給紙ロール13Dの配置領域R2を覆うことから、この配置領域R2における吸引力は極めて小さくなる。最下層の段ボールシートSHは、最下層から2番目の段ボールシートの下面と給紙テーブル10の上面との間に挟まれて給紙されている間、摩擦抵抗を受ける。この摩擦抵抗は、2番目の段ボールシートに作用する吸引力に応じて変化することから、配置領域R2における吸引力が極めて小さくなることにより、摩擦抵抗も小さくなる。一方、サクション機構14の吸引力を小さくすることがないので、最下層の段ボールシートSHは、3つの給紙ロール13A〜13Cの配置領域において吸引されて比較的大きな搬送力を受けることができる。この結果、摩擦抵抗を小さくしつつ、搬送力の大きさを維持するので、最下層の段ボールシートSHを精度よく給紙することができる。
本実施形態では、閾値LS以下の比較的短い段ボールシートSHを給紙するときに、S9の処理により、グレイト19の上昇タイミングが遅くなるように第2のカム24Bの回転位相が第1のカム24Aに対して調整される。最下層の段ボールシートSHは、上昇タイミングが遅れた分だけ長い時間、3つの給紙ロール13A〜13Cから搬送力を受ける。この結果、最下層の段ボールシートSHを一層精度良く給紙することができる。
本実施形態では、カバー部材58が給紙ロール13Dの配置領域R2を覆うときに、給紙ロール13Dの回転軸30Dと増速機構32の出力軸35Dとの連結が遮断され、給紙ロール13Dは自由に回転できる状態になる。カバー部材58が給紙ロール13Dと接触する状態で配置されたとしても、給紙ロール13Dには回転力が付与されていないことから、給紙ロール13Dがカバー部材58との接触により摩耗することを防ぐことができる。また、カバー部材58も摩耗することを防ぐことができることから、カバー部材58の厚さを薄くして、給紙テーブル10の上面からの突出を極力避けることができ、しかも給紙テーブル10の上面とバックガイド12の下端との狭い空間にカバー部材58を配置することを容易にすることができる。
本実施形態では、閾値LSが位置PFと位置PDとの間の距離LPに相当する値に設定される。この結果、シート長さが距離LPを僅かに超える通常の段ボールシートである場合にも、4つの給紙ロール13A〜13Dにより大きな搬送力を付与して給紙することができる。一方、シート長さが距離LPよりかなり短い段ボールシートである場合には、段ボールシートの後端が給紙ロール13Dの配置領域R2を通過した後、その段ボールシートの先端が第1のフィードロール5A、5Bにより挟持されるまで、3つの給紙ロール13A〜13Cにより搬送力を付与して給紙することができる。また、給紙ロール13Dの配置領域R2において吸引力を規制することにより、最下層から2番目の段ボールシートに作用する吸引力を弱め、最下層の段ボールシートSHに働く摩擦抵抗を小さくすることができる。
[第2の実施形態]
本発明の給紙装置を段ボールシート製函機に適用した第2の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。第1の実施形態の吸引規制機構7は、カバー部材58を備える構成であるのに対し、第2の実施形態の吸引規制機構70は、遮蔽壁71を備える構成である。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の部分には同一の記号を付して示し、その説明を省略する。
(吸引規制機構70の詳細な構成)
図12を参照して第2の実施形態の吸引規制機構70構成を説明する。図12は、第2の実施形態における給紙機構4を拡大して示す正面図である。図12において、吸引規制機構70は、遮蔽壁71と、支持機構72と、エアシリンダ73とを主に備える。
支持機構72は、吸引室16の内部底面に回動可能に取り付けられる支持軸74と、揺動レバー75とを備える。支持軸74は、給紙ロール13Dの下方において吸引口16Aに近接した位置に配置される。支持軸74の軸線は、前後方向に延びる。遮蔽壁71は、給紙ロール13Dの回転軸30Dに沿って前後方向に延び、支持軸74に固定される。支持軸74の一端は、吸引室16の外部に突出し、揺動レバー75は、支持軸74の一端に固定される。エアシリンダ73は、給紙機構4のフレームに取り付けられ、作動棹73Aを有する。作動棹73Aの先端は、揺動レバー75に連結される。弾性体76が、遮蔽壁71の先端に固定される。
エアシリンダ73の作動棹73Aが突出すると、図12に実線で示すように遮蔽壁71は吸引室16の内部底面から起立した起立位置に回動する。エアシリンダ73の作動棹73Aが引っ込むと、図12に二点鎖線で示すように遮蔽壁71は吸引室16の内部底面上に倒れ伏した倒伏位置に回動する。遮蔽壁71が起立位置に位置するとき、遮蔽壁71の先端は給紙ローラ13Dの外周面の近傍に位置し、弾性体76は給紙ローラ13Dの外周面に接触する。この結果、起立位置にある遮蔽壁71は、吸引室16の内部において給紙ローラ13Dの下方に存在する空間が吸引口16Aに連通することを遮断し、その空間内での吸引力を弱くする。反対に、遮蔽壁71が倒伏位置に位置するとき、給紙ローラ13Dの下方に存在する空間が吸引口16Aに連通し、その空間内での吸引力は、他の給紙ローラ13A〜13Cの下方に存在する空間内での吸引力と同じになり、強くなる。
図12において、遮蔽壁71が起立位置に位置するとき、本実施形態では、遮蔽壁71は、給紙ロール13A〜13Dの中で給紙方向DFにおいて最も上流側に配置された給紙ロール13Dの配置領域を、紙ロール13A〜13Cの配置領域から遮断する。給紙ロール13Dの配置領域について具体的に説明する。図12において、領域R1は、給紙方向DFにおける給紙ロール13A〜13Dの配置領域である給紙ロール13A〜13Cの下方に存在する空間の範囲を示し、給紙ロール13Aの左端から給紙ロール13Dの右端までの範囲の領域である。領域R3は、給紙ロール13A〜13Dの配置領域R1の中で、給紙ロール13Dの下方に存在する空間の範囲を示す。位置PCは、給紙ロール13Cの回転軸30Cの回転中心を通る上下方向の延長線上の位置を示し、位置PDは、給紙ロール13Dの回転軸30Dの回転中心を通る上下方向の延長線上の位置を示す。また、位置PCおよび位置PDは、給紙ロール13C、13Dが段ボールシートSHの下面と接触する接触点を通る上下方向の延長線上の位置を示すとも考えられる。本実施形態では、起立位置にある遮蔽壁71は、位置PCおよび位置PDの間で上方に延びる。領域R3の左端は、起立位置にある遮蔽壁71の延長線上に位置する。領域R3は、その延長線上の位置から給紙ロール13Dの右端までの範囲の領域であり、給紙ロール13Dの配置領域に相当する。
第2の実施形態の電気的構成は、図6に示す第1の実施形態のカバー制御装置149に代わって、エアシリンダ73の作動を制御する遮蔽制御装置を備える点を除けば、第1の実施形態の電気的構成と同様であるので、その説明を省略する。
《第2の実施形態の動作および作用》
第2の実施形態に係る段ボールシート製函機1の給紙ユニット2の動作および作用について、説明する。第2の実施形態における給紙制御処理は、図7に示すS5、S8およびS9の処理以外は、第1の実施形態における給紙制御処理と同様であるので、異なる処理についてのみ説明する。
図7に示すS3において、シート長さが閾値LS以下であると判断されないとき(S3:NO)、図7に示すS5に代わって、遮蔽壁71が吸引室16の内部底面上に倒れ伏した倒伏位置に回動する倒伏動作が実行されるようにエアシリンダ73が作動する。具体的には、給紙制御装置110は、倒伏動作を指令する制御指令を遮蔽制御装置に供給する。遮蔽制御装置は、制御指令に従って、エアシリンダ73の作動棹73Aが突出するようにエアシリンダ73を作動させる。このエアシリンダ73の作動により、図12に二点鎖線で示すように遮蔽壁71が吸引室16の内部底面上に倒れ伏す。この結果、段ボールシートSHは4つの給紙ロール13A〜13Dの配置領域R1において吸引され、給紙ロール13A〜13Dの全てが、段ボールシートに接触して搬送力を付与することができる状態になる。
一方、図7に示すS3において、シート長さが閾値LS以下であると判断されたとき(S3:YES)、図7に示すS8に代わって、遮蔽壁71が吸引室16の内部底面上から起立した起立位置に回動する起立動作が実行されるようにエアシリンダ73が作動する。具体的には、給紙制御装置110は、起立動作を指令する制御指令を遮蔽制御装置に供給する。遮蔽制御装置は、制御指令に従って、エアシリンダ73の作動棹73Aが引っ込むようにエアシリンダ73を作動させる。このエアシリンダ73の作動により、図12に実線で示すように遮蔽壁71が吸引室16の内部底面から起立する。この遮蔽壁71の起立により、段ボールシートSHは3つの給紙ロール13A〜13Cの配置領域において吸引されるが、給紙ロール13Dの配置領域R3において吸引力が極めて弱くなる。この結果、3つの給紙ロール13A〜13Cが吸引力により段ボールシートSHに接触して搬送力を付与することができる状態になる。
次に、図7に示すS9に代わって、シート長さと遮蔽長さとに従って第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相が調整される。遮蔽長さは、図12に示す給紙ロール13Dの配置領域R3の給紙方向DFの長さである。具体的には、給紙制御装置110は、シート長さが閾値LS以下であるとき、新たなオーダにおいて加工される段ボールシートのシート長さおよび遮蔽長さに対応する第2のカム24Bの回転位相を指令する制御指令をカム調整制御装置147に供給する。カム調整制御装置147は、制御指令に従って、サーボモータ43の回転方向および回転量を制御する。この結果、サーボモータ43の回転により、第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相が調整され、グレイト19の上昇タイミングが設定される。
《第2の実施形態の効果》
本実施形態では、給紙ロール13Dの配置領域R3における吸引力を規制するために遮蔽壁71が、比較的大きな空間を有する吸引室16の内部に配置されることから、第1の実施形態において給紙テーブル10の上面とバックガイド12の下端との比較的狭い空間にカバー部材58を配置する構成に比べ、遮蔽壁71を給紙機構4に組み付けることが容易になる。
本実施形態では、S7の処理により、給紙ロール13Dの回転軸30Dと増速機構32の出力軸35Dとの連結が遮断されることから、最下層から2番目の段ボールシートの下面が給紙ロール13Dとの摩擦により損傷することを防ぐことができる。
[本発明と実施形態との構成の対応関係]
給紙ロール13A〜13D、サクション機構14および給紙ユニット2が、本発明の給紙ロール、サクション機構および給紙装置の一例である。印刷ユニット3が、本発明の下流側の加工装置の一例である。第1のフィードロール5A、5Bが、本発明の一対のフィードロールの一例である。吸引室16および吸引口16Aが、本発明の吸引室および吸引口の一例である。グレイト19が、本発明の昇降部材の一例である。カム調整機構22が、本発明の調整機構の一例である。主駆動モータMTが、本発明の回転駆動部の一例である。カップリング機構34およびカップリング制御装置148が、本発明の停止手段の一例である。一対のクラッチ部材36、37が、本発明のクラッチ機構の一例である。吸引規制機構7および吸引規制機構70が、本発明の吸引規制手段の一例である。カバー部材58が、本発明のカバー部材の一例であり、遮蔽壁71および弾性体76が、本発明の分離壁の一例である。S3、S5およびS8の処理を実行する給紙制御装置110が、本発明の制御部の一例である。領域R1が、本発明の複数の給紙ロールが配置された領域の一例であり、領域R2および領域R3が、本発明の一部の上流側給紙ロールが配置された領域の一例である。給紙ロール13Dの下方に存在する空間、および給紙ロール13A〜13Cの下方に存在する空間が、本発明の第1空間、および第2空間の一例である。S5の処理は、本発明の「吸引力を作用させるステップ」の一例であり、S8の処理は、本発明の「吸引力を規制するステップ」の一例である。
[変形例]
本発明の実施形態について以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者であれば種々の変形を加えることができる。
(1)両実施形態では、給紙ユニット2は、4つの給紙ロール13A〜13Dを備え、カバー部材58は、給紙ロール13Dの配置領域である領域R2を覆い、または遮蔽壁17および弾性体76は、給紙ロール13Dの配置領域である領域R3を遮蔽する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、給紙ユニットは、3つの給紙ロール、または5つ以上給紙ロールを備える構成でもよい。5つ以上の給紙ロールを備える場合には、上流側の2つ以上の給紙ロールの配置領域が、カバー部材により覆われる構成でも、遮蔽壁などにより遮蔽される構成でもよい。
(2)両実施形態では、サクション機構14が、4つの給紙ロール13A〜13Dを収容する1つの吸引室16と、1つのブロアモータ18とを備える構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、サクション機構が、3つの給紙ロールを収容する第1の吸引室および1つの給紙ロールを収容する第2の吸引室と、第1および第2の吸引室にそれぞれ負圧を生じさせる第1および第2のブロアモータとを備える構成でもよい。この変形例の構成においては、吸引規制手段は、カバー部材および遮蔽壁を設けることなく、第2のブロアモータによる吸引力を減少させる構成でもよい。
(3)両実施形態では、主駆動モータMTが、4つの給紙ロール13A〜13Dと、グレイト19を昇降させる駆動機構21と、第1および第2のフィードロール5A、5B、6A、6Bとを駆動する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、4つの駆動モータが4つの給紙ロールを同期してそれぞれ駆動する構成でもよい。この変形例の構成では、停止手段は、カップリング機構34に代えて、最も上流側の給紙ロールを駆動する駆動モータを停止させるモーダ制御部である構成でも、その駆動モータと最も上流側の給紙ロールとの間に、カップリング機構34と同様な手段を備える構成でもよい。
(4)両実施形態では、シート長さの閾値LSが、図2に示す距離LPに相当する値に設定されるが、閾値LSの設定方法は、両実施形態における設定方法に限定されない。通常、コルゲートマシンのスコアラにより、横罫線が段ボールシートの両端部から所定間隔だけ隔てて施される。図2および図12に示す段ボールシートSHにおいても、横罫線が、段ボールシートSHの先端および後端(両図における左端および右端)から所定の横罫線間隔だけ隔てて、給紙方向DFと直交する方向(両図における前後方向)に施される。段ボールシートの先端において横罫線が施された部分が、第1のフィードロール5A、5Bのニップ箇所を通過するときに、横罫線が施された部分と両フィードロール5A、5Bとの接触状態が不安定となり、段ボールシートの給紙動作が乱れることがある。この給紙動作の乱れを考慮して、シート長さの閾値は、図2に示す距離LPに、所定の横罫線間隔を足した値に設定することもできる。この場合、所定の横罫線間隔は、オーダ毎に異なることから、所定の横罫線間隔に対応するシート長さの閾値がそれぞれ算出されて設定される。この変形例では、段ボールシートのシート長さが、距離LPに、所定の横罫線間隔を足した閾値以下であるとき、S9の処理により、グレイト19の上昇タイミングが遅くなることから、横罫線が施された部分が両フィードロール5A、5Bのニップ箇所を通過するまで、3つの給紙ロール13A〜13Cが段ボールシートSHに搬送力を付与することができ、より精度良く段ボールシートを給紙することができる。
(5)両実施形態では、最も上流側に位置する1つの給紙ロール13Dの配置領域に相当する領域R2、または領域R3が、カバー部材58に覆われる構成、または、遮蔽壁71などにより遮蔽される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、上流側に位置する複数の給紙ロールの配置領域においてサクション機構の吸引力を規制する場合、給紙方向における段ボールシートの長さが長くなるほど、カバー部材により覆われる給紙ロールの数が少なくなるなどの方法により、吸引力が規制される給紙ロールの配置領域が小さくなる。そして、段ボールシートの長さが所定の長さを超えるときには、カバー部材が給紙ロールの配置領域から退避するなどの方法により、吸引力が規制される給紙ロールの配置領域がなくなるように構成してもよい。
(6)両実施形態では、カップリング機構34が、給紙ロール13Dの回転軸30Dと増速機構32の出力軸35Dとの連結およびその遮断を行う構成であるが、サクション機構14の吸引力を規制するときに、給紙ロール13Dから回転力がカバー部材58または最下層の段ボールシートに伝わることを防ぐことができる構成であれば、いかなる構成でもよい。たとえば、サクション機構14の吸引力を規制するときに、給紙ロール13Dを連続的に回転させながら、給紙ロール13Dのみを給紙テーブル10の上面から下降させる構成を採用してもよい。
(7)両実施形態では、カム調整機構22は、波動歯車機構24と、サーボモータ43とを備える構成であるが、第1および第2のカム24BA、24Bの回転位相を調整することができる構成であれば、いかなる構成でもよい。たとえば、サーボモータ43およびカム調整制御装置147を設けることなく、作業者の手動操作により、図5に示す歯車50を回転させることで、第1および第2のカム24BA、24Bの回転位相を調整する構成でもよい。
(8)第1の実施形態では、S9の処理において、グレイト19の上昇タイミングは、シート長さと覆い長さとに従って、第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相を調整することにより決定される。覆い長さは、カバー部材58が1つの給紙ローラ13Dを覆う領域R2の給紙方向DFの長さであり、実施形態では、隣接する2つの給紙ローラの軸間距離である。カバー部材が複数の給紙ローラを覆う場合には、覆い長さは、軸間距離と、覆われる給紙ローラの数とを掛けた長さになる。覆い長さは、軸間距離に限定されず、カバー部材が覆う領域の給紙方向の実際の長さであってもよい。また、第2の実施形態では、シート長さと遮蔽長さとに従って第1のカム24Aに対する第2のカム24Bの回転位相が調整される。遮蔽長さは、図12に示す給紙ロール13Dの配置領域R3の給紙方向DFの長さである。しかし、遮蔽長さは、覆い長さと同様に、軸間距離であっても、配置領域R3の給紙方向の実際の長さであってもよい。
2 給紙ユニット
3 印刷ユニット
5A、5B、 フィードロール
7、70 吸引規制機構
13A〜13D 給紙ロール
14 サクション機構
16 吸引室
16A 吸引口
19 グレイト
22 カム調整機構
34 カップリング機構
36、37 クラッチ部材
58 カバー部材
71 遮蔽壁
76 弾性体
110 給紙制御装置
DF 給紙方向
SH 段ボールシート
MT 主駆動モータ
R1、R2、R3 領域
以上

Claims (10)

  1. 積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、
    給紙方向に配置され、段ボールシートの下面に接触する複数の給紙ロールであって、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールと、その一部の上流側給紙ロール以外の残りの給紙ロールとを有する複数の給紙ロールと、
    複数の給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールに接触させ、上昇したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールから引き離す昇降部材と、
    複数の給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、
    一部の上流側給紙ロールが配置された領域において段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力が、残りの給紙ロールが配置された領域において段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力より小さくなるように、吸引力を規制する吸引規制手段と、
    オーダが変更されるときに、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、吸引規制手段の作動および不作動を制御する制御部と、を備える給紙装置。
  2. 積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、
    給紙方向に配置され、段ボールシートの下面に接触する複数の給紙ロールと、
    複数の給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールに接触させ、上昇したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールから引き離す昇降部材と、
    複数の給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、
    複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力を規制する吸引規制手段と、
    オーダが変更されるときに、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、吸引規制手段の作動および不作動を制御する制御部と、
    1枚の段ボールシートを送り出す給紙期間において、昇降部材を下降させる下降タイミング、および昇降部材を上昇させる上昇タイミングを調整する調整機構と、を備え、
    制御部は、吸引規制手段を作動させるときに、一部の上流側給紙ロールが配置された領域の給紙方向における距離に応じて、上昇タイミングが遅れるように調整機構を制御する給紙装置。
  3. 積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、
    給紙方向に配置され、段ボールシートの下面に接触する複数の給紙ロールと、
    複数の給紙ロールに対して昇降可能に構成され、下降したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールに接触させ、上昇したときに、段ボールシートを複数の給紙ロールから引き離す昇降部材と、
    複数の給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、
    複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力を規制する吸引規制手段と、
    オーダが変更されるときに、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、吸引規制手段の作動および不作動を制御する制御部と、を備え、
    制御部は、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるときに、吸引規制手段を作動させ、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるときに、吸引規制手段を不作動にする給紙装置。
  4. 給紙方向において複数の給紙ロールより下流側に配置され、段ボールシートを挟持して下流側の加工装置に向かって送り出す一対のフィードロールを備え、
    予め定められたシート長さは、最も上流側の給紙ロールの回転中心と、一対のフィードロールの回転中心との間の給紙方向における距離に基いて定められる請求項3に記載の給紙装置。
  5. 複数の給紙ロールに回転駆動力を付与する回転駆動部と、
    複数の給紙ロールのうち、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを停止させる停止手段と、を備え、
    停止手段は、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるときに、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを停止させ、給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるときに、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを許容する請求項1〜4のいずれかに記載の給紙装置。
  6. 停止手段は、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを停止させる遮断位置と、一部の上流側給紙ロールに回転駆動力を付与することを許容する連結位置との間で切換可能に構成されるクラッチ機構を含む請求項5に記載の給紙装置。
  7. 吸引規制手段は、一部の上流側給紙ロールのうち、少なくとも最も上流側の給紙ロールを覆うカバー部材を含み、
    カバー部材は、上昇した昇降部材より上方の位置において少なくとも最も上流側の給紙ロールを覆う作動位置と、一部の上流側給紙ロールから退避した不作動位置との間で移動可能に構成される請求項1〜6のいずれかに記載の給紙装置。
  8. サクション機構は、複数の給紙ロールを収容する吸引室と、吸引室内の空気を吸引するために吸引室に形成される吸引口とを含み、
    吸引規制手段は、吸引口から隔離される第1空間と、吸引口に連通する第2空間とに吸引室を分離する分離壁を含み、
    一部の上流側給紙ロールのうち、少なくとも最も上流側の給紙ロールが第1空間に配置され、
    分離壁は、第1空間と、その第1空間以外の吸引室の内部の他の空間である第2空間とを分離する作動位置と、第1空間および第2空間を連通させる不作動位置との間で移動可能に構成される請求項1〜6のいずれかに記載の給紙装置。
  9. 積層された複数の段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、給紙方向に配置された複数の給紙ロールであって、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールと、その一部の上流側給紙ロール以外の残りの給紙ロールとを有する複数の給紙ロールとを備え、積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを吸引しながら、複数の給紙ロールにより下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、
    一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、段ボールシートに対するサクション機構の吸引力の作用、および、その吸引力の規制を制御し、
    段ボールシートに対するサクション機構の吸引力を規制するときに、一部の上流側給紙ロールが配置された領域において段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力が、残りの給紙ロールが配置された領域において段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力より小さくなるように、吸引力を規制する給紙制御方法。
  10. 積層された複数の段ボールシートを下方に吸引するサクション機構と、給紙方向に配置された複数の給紙ロールとを備え、積層された複数の段ボールシートのうちの最下層の段ボールシートを吸引しながら、複数の給紙ロールにより下流側の加工装置に向かって給紙方向に送り出す給紙装置において、
    複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、給紙方向における段ボールシートの長さに応じて、段ボールシートに対するサクション機構の吸引力の作用、および、その吸引力の規制を制御する給紙制御方法であって、
    給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さを超えるとき、複数の給紙ロールが配置された全ての領域において、サクション機構の吸引力を段ボールシートに作用させるステップと、
    給紙方向における段ボールシートの長さが予め定められたシート長さ以下であるとき、複数の給紙ロールのうちで、給紙方向において最も上流側の給紙ロールを含む一部の上流側給紙ロールが配置された領域において、段ボールシートに作用するサクション機構の吸引力を規制するステップと、を備える給紙制御方法。
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