JP6043082B2 - マイクロ波加熱調理時の破裂抑制材、およびマイクロ波加熱調理時の食品破裂防止方法 - Google Patents
マイクロ波加熱調理時の破裂抑制材、およびマイクロ波加熱調理時の食品破裂防止方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6043082B2 JP6043082B2 JP2012089918A JP2012089918A JP6043082B2 JP 6043082 B2 JP6043082 B2 JP 6043082B2 JP 2012089918 A JP2012089918 A JP 2012089918A JP 2012089918 A JP2012089918 A JP 2012089918A JP 6043082 B2 JP6043082 B2 JP 6043082B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- food
- burst
- cooking
- microwave
- rupture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Grain Derivatives (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
Description
卵白粉末と、
金属塩と、
からなる、前記食品の破裂を防止する破裂抑制材を提供する。
本発明では、卵白粉末を用いることで、前記食品表面に被膜を形成することができ、また、金属塩を加えることで被膜性を向上させる。更に、金属塩のイオン化により、マイクロ波エネルギーの誘電損失が著しく向上することで、前記食品表面の被膜へのマイクロ波吸収が向上し、より強固な被膜を形成すると推定される。即ち、卵白粉末と金属塩とがマイクロ波加熱特有の機能を発揮し、それぞれの機能が相俟って、相乗的に食品表面の被膜性を向上させる。
本発明に係る破裂抑制材が適用可能な食品は、マイクロ波加熱調理に用いる食品であれば、特に限定されないが、比較的水分含量が高い食肉の破裂の防止に有効である。
この場合、食肉の種類は特に限定されないが、畜肉および/または魚肉に特に有効である。
本発明に係る破裂抑制材に用いることができる前記金属塩は特に限定されないが、本発明においては特に、ナトリウム、カルシウム、カリウム、またはマグネシウムからなる金属塩から選ばれる1種または2種以上の金属塩を選択することが好ましい。
本発明に係る破裂抑制材において、前記金属塩の配合量は特に限定されないが、前記破裂抑制材中に、前記ナトリウム、前記カルシウム、前記カリウム、または前記マグネシウムとして、前記破裂抑制材100g当り0.01〜0.40mol相当量になるように配合することが好ましい。
また、前記卵白粉末としては、前記破裂抑制材中に、1〜20質量%配合することが好ましい。
本発明に係る破裂抑制材には、ロースト風味調味料を更に添加することができる。
本発明に係る破裂抑制材に用いることができるロースト風味調味料の種類も特に限定されないが、本発明では特に、ロースト醤油粉末を用いることが好ましい。
この場合、ロースト醤油粉末の添加量も特に限定されないが、本発明では特に、前記破裂抑制材中に1〜25質量%添加することが好ましい。
前記食品をマイクロ波によって加熱調理する、マイクロ波加熱調理中の食品の破裂を防止する破裂防止方法を提供する。
本発明において「破裂」とは、マイクロ波加熱調理時に、食品の内圧が高まることにより、食品がはじけて食品の外観が損なわれる、若しくは、食品、破裂抑制材、または衣材に含まれる水分やこれらの破片が飛び散る現象をいう。
本発明に係る破裂抑制材は、マイクロ波加熱調理食品に用いられ、(1)卵白粉末と、(2)金属塩と、からなる。また、本発明に係る破裂抑制材には、必要に応じて、ロースト風味調味料などの(3)粉末状調味料などを更に添加することもできる。以下、本発明に係る破裂抑制材に用いる成分について、詳細に説明する。
本発明に係る破裂抑制材において、卵白粉末は、前記食品表面に被膜を形成するために用いる。
一方、マイクロ波加熱調理の場合、食品に含まれる水分がマイクロ波エネルギーを吸収して発熱することから、外側からのみならず食品の内部からも加熱されるという特徴がある。そのため、食品表面に被膜が形成される前に、内部加熱も進行し、食品内圧が早期に高まることから、通常の加熱調理に比べて、破裂が起こりやすい。よって、マイクロ波加熱調理においては、食品表面に素早く被膜を形成することが重要である。
本発明に係る破裂抑制材において、金属塩は、前記卵白粉末により食品表面に形成された被膜をより強固にするために用いる。より具体的には、金属塩により前記卵白粉末の凝固能力を促進させることにより、強固な被膜を形成する。そのメカニズムとしては、金属塩は、卵白のタンパク質側鎖のカルボキシル基に由来するマイナスチャージを中和し、ネットチャージを減少させるため、分子間の反発力も減少し、分子同士の接触機会が増えること、また、ネットチャージの減少に伴い、タンパク質表面の疎水性が減少することで、疎水結合が起こりやすくなるからである。
マイクロ波加熱調理時において、照射されたマイクロ波は、食品表面で一部反射し、一部が食品内部に浸透する。このとき、浸透したマイクロ波のエネルギーが熱に変換されることにより食品が加熱される。マイクロ波のエネルギーの吸収性を決定する物性には、誘電率と誘電損失の二つがあり、これらは逆数の関係にある。マイクロ波が照射された対象物(本発明では食品)にどれだけ電気が溜まるかを示すのが誘電率であり、照射されたマイクロ波エネルギーが、対象物中でどれだけ熱に変換されるかを示すのが誘電損失である。
本発明に係る破裂抑制材には、粉末状調味料を更に添加することができる。本発明に係る破裂抑制材に用いることができる粉末状調味料は、食品に適用可能であって本発明の効果を損なわなければ、あらゆる種類の粉末状調味料を1種または2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、醸造調味料;砂糖、ブドウ糖、水飴などの糖類;イノシン酸、グアニル酸などの核酸系調味料;酵母エキスなどを挙げることができる。この中でも、本発明においては、醸造調味料を少なくとも選択することが好ましい。
本発明に係る破裂抑制材には、食品に下味を付ける場合や、例えば、マイクロ波加熱調理により揚げ物様食品、焼き物様食品、煮物様食品、蒸し物様食品などを調理する場合や、或いは、例えば食肉を柔らかくするために改質材などを添加する場合などには、例えば、衣材、まぶし粉、調味液、改質材などに用いる各種材料を、必要に応じて添加することも自由である。
本発明に係るマイクロ波加熱調理中の食品破裂防止方法は、食品に、卵白粉末と、金属塩と、を配合した後に、前記食品をマイクロ波によって加熱調理することにより、マイクロ波加熱調理中の食品の破裂を防止する方法である。また、必要に応じて、卵白粉末および金属塩に加えて、ロースト風味調味料などの粉末状調味料を更に添加した後に、前記食品をマイクロ波によって加熱調理しても、マイクロ波加熱調理中の食品の破裂を有効に防止することができる。
本発明に係るマイクロ波加熱調理中の食品破裂防止方法では、小麦粉、コーンフラワー、米粉、そば粉などの穀粉;コーンスターチ、バレイショ、タピオカなどの澱粉やこれらのα化品や加工澱粉粉末(澱粉類粉末)などの通常衣材、まぶし粉、調味液などに用いることができる表皮材料を1種または2種以上、自由に選択して用いることができる。また、パン粉やクラッカーなどの小麦由来の焼成物や、コーングリッツ、セモリナやパスタ粉砕物などの粗粒物を1種または2種以上選択して、表皮材料として用いることも可能である。この中でも特に、本発明においては、コーングリッツ、セモリナやパスタ粉砕物の粗粒物のような水に溶けにくい難水溶性の粒状物質のようなものを1種または2種以上選択して用いることが好ましい。
また、マイクロ波調理においてシートを用いた場合、調理後の食品のシートへの付着を防止し、簡単に剥がれやすくすることができる。そのため、マイクロ波調理においてシートを積極的に利用することが可能となり、マイクロ波調理中に生じる例えば、肉汁等の食品から生じる水分を適切に除去できるので、更に優れた食感及び風味を付与することができる。
本発明に係るマイクロ波加熱調理中の食品破裂防止方法では、大豆加工粉末を更に用いることができる。大豆加工粉末を用いることで、マイクロ波加熱調理後、優れたドライな食感及び風味を付与することができる。
また、マイクロ波調理においてシートを用いた場合、調理後の食品のシートへの付着を防止し、簡単に剥がれやすくすることができる。そのため、マイクロ波調理においてシートを積極的に利用することが可能となり、マイクロ波調理中に生じる例えば、肉汁等の食品から生じる水分を適切に除去できるので、更に優れた食感及び風味を付与することができる。
本発明に係るマイクロ波加熱調理中の食品破裂防止方法では、上述した材料以外に、本発明の効果を損ねない範囲において、他の任意成分を1種または2種以上自由に選択して用いることができる。任意成分としては、例えば、グルテン粉末、カゼイン粉末、乳蛋白粉末等の大豆加工粉末以外の蛋白質粉末;ペッパー、ガーリック、オニオン、ジンジャー、ターメリック、マスタード、カレー粉等の単独又は混合の香辛料;キサンタン、プルラン等の増粘剤;pH調整剤;色素;膨張剤等の粉末が挙げられる。
卵白粉末:太陽化学株式会社製
炭酸カルシウム:白石カルシウム株式会社製
塩化ナトリウム:和光純薬工業株式会社製
塩化カリウム:和光純薬工業株式会社製
塩化マグネシウム:和光純薬工業株式会社製
クエン酸三ナトリウム二水和物:和光純薬工業株式会社製
ピロリン酸二水素二ナトリウム:太平化学産業株式会社製
塩化カルシウム二水和物:和光純薬工業株式会社製
ピロリン酸二水素カルシウム:太平化学産業株式会社製
炭酸カリウム:和光純薬工業株式会社製
油脂粉末:ミヨシ油脂株式会社製
ロースト醤油粉末:仙波糖化工業株式会社製
実験例1では、本発明に係る破裂抑制材に配合する成分単品で、破裂抑制効果などの効果が得られるか否かを調べた。より具体的には、卵白粉末;金属塩として塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム;粉末状調味料の一例としてロースト醤油粉末、をそれぞれ単品で用いた場合の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。
下記表1に示す各成分と、破裂を誘発させる油脂粉末とを、合計質量が100質量%になるように混合調整した。混合調整した各粉末と食品の一例として鶏もも肉(30±2g×2個)とをビニル袋内に入れ、該ビニル袋を振ることによって、平均被膜率が7〜8%となるよう各粉末の添加量を統一させ、各粉末を鶏もも肉全表面にまぶすことにより、サンプル1〜7を作製した。
なお、被膜率は、下記数式(1)を用いて算出した。
紙製シートを敷いた皿の上に、前記で作製したサンプル1〜7を載せ、ラップをせずに電子レンジ(出力600W)で2分30秒間、マイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ付き、卵臭さについて、下記に示す評価基準に基づいて、評価を行った。
マイクロ波加熱調理中の破裂音について、3回の平均値を求めた。油脂粉末のみ100質量%用いたサンプル7の破裂音16回(下記表1参照)を基準とし、基準の50%以下の破裂音である8回以下を、破裂抑制効果有りと判断し、更に7.5回以下である場合を十分な破裂抑制効果が得られていると評価した。
マイクロ波加熱調理後、得られた各マイクロ波加熱調理食品について、下記評価基準に従って、外観の評価を行った。
◎:破裂による損傷がなく、非常にきれいで良好である。
○:破裂により表面に若干の凹凸が見られるが、きれいで良好である。
△:破裂と共に、付着させた組成物にやや剥がれが見られるが、概ね良好である。
×:破裂と共に、付着させた組成物が剥がれ、調理食品自体にもパンクが見られる。
マイクロ波加熱後のレンジ庫内の様子について、下記評価基準に従って、レンジ庫内の汚れの評価を行った。
◎:底面のみに若干の粉散りが見られるが、汚れは気にならない。
○:底面、側面に若干の粉散りが見られる。
△:底面、側面、上面に粉散りが見られる。
×:底面、側面、上面、開閉扉部分に粉や肉片の飛び散りが見られる。
得られた各マイクロ波加熱調理食品について、下記評価基準に従って、焦げの評価を行った。
◎:焦げがみられず、非常に良好である。
○:部分的な焦げがみられるが、良好である。
△:焦げがみられるが、概ね良好である。
×:焦げがひどいが、キッチンペーパーへは付着しない。
××:焦げがひどく、キッチンペーパーにも付着する。
得られた各マイクロ波加熱調理食品について、下記評価基準に従って、卵臭さの評価を行った。
◎:卵の臭いがしない。
○:全く気にならない。
△:若干臭いが気になる。
×:臭いが強い。
実験例2では、発明に係る破裂抑制材に配合する卵白粉末単品を用いた場合、その配合量に対する破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。
下記表2に示す各配合量の卵白粉末を用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル8〜15を作製した。
前記で作製したサンプル8〜15について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
実験例3では、卵白粉末と各種金属塩とを併用した場合の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。
下記表3に示す配合量の卵白粉末および各種金属塩を用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル16〜24を作製した。
前記で作製したサンプル16〜24について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
実験例4では、本発明に係る破裂抑制材に配合する金属塩として、炭酸カルシウムを用いた場合の好適な配合量について検討を行った。より具体的には、炭酸カルシウムの配合量に対する破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。
下記表4に示す配合量の卵白粉末および炭酸カルシウムを用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル25〜30を作製した。
前記で作製したサンプル25〜30について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
以上を勘案すると、本発明に係る破裂抑制材に、金属塩として炭酸カルシウムを用いる場合、その配合量は、1質量%〜3質量%とすることが好適であることが分かった。
実験例5では、卵白粉末を7質量%配合した場合に、本発明に係る破裂抑制材に配合する金属塩として、塩化ナトリウムを用いた場合の好適な配合量について検討を行った。より具体的には、塩化ナトリウムの配合量に対する破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。
下記表5に示す配合量の卵白粉末および塩化ナトリウムを用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル31〜36を作製した。
前記で作製したサンプル31〜36について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
その他、風味の点などを総合的に考慮すると、卵白粉末を7質量%配合した場合、本発明に係る破裂抑制材に、金属塩として塩化ナトリウムを用いる場合、その配合量は、3質量%〜24質量%とすることが好適であることが分かった。
実験例6では、卵白粉末を3質量%配合した場合に、本発明に係る破裂抑制材に配合する金属塩として、塩化ナトリウムを用いた場合の好適な配合量について検討を行った。より具体的には、塩化ナトリウムの配合量に対する破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。
下記表6に示す配合量の卵白粉末および塩化ナトリウムを用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル37〜41を作製した。
前記で作製したサンプル37〜41について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
実験例7では、卵白粉末を7質量%配合した場合に、本発明に係る破裂抑制材に配合する金属塩として、塩化カリウムを用いた場合の好適な配合量について検討を行った。より具体的には、塩化カリウムの配合量に対する破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。
下記表7に示す配合量の卵白粉末および塩化カリウムを用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル42〜44を作製した。
前記で作製したサンプル42〜44について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
以上を勘案すると、卵白粉末を7質量%配合した場合、本発明に係る破裂抑制材に、金属塩として塩化カリウムを用いる場合、その配合量は、4質量%〜8質量%とすることが好適であることが分かった。
実験例8では、卵白粉末を7質量%配合した場合に、本発明に係る破裂抑制材に配合する金属塩として、塩化マグネシウムを用いた場合の好適な配合量について検討を行った。より具体的には、塩化マグネシウムの配合量に対する破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。
下記表8に示す配合量の卵白粉末および塩化マグネシウムを用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル45〜48を作製した。
前記で作製したサンプル45〜48について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
以上を勘案すると、卵白粉末を7質量%配合した場合、本発明に係る破裂抑制材に、金属塩として塩化マグネシウムを用いる場合、その配合量は、10質量%〜21質量%とすることが好適であることが分かった。
実験例9では、本発明に係る破裂抑制材に、ロースト風味調味料の一例としてロースト醤油粉末を用いる場合、卵白粉末の配合量7質量%、炭酸カルシウムの配合量1質量%における、ロースト醤油粉末の添加量に対するマスキング効果を調べた。
下記表9に示す配合量の卵白粉末、炭酸カルシウムおよびロースト醤油粉末を用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル49〜56を作製した。
前記で作製したサンプル49〜56について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
以上を勘案すると、卵白粉末を7質量%、炭酸カルシウムを1質量%配合した場合に、本発明に係る破裂抑制材のロースト風味調味料としてロースト醤油粉末を用いる場合、その添加量は、1質量%〜25質量%とすることが好適であることが分かった。
実験例10では、本発明に係る破裂抑制材に、ロースト風味調味料の一例としてロースト醤油粉末を用いる場合、卵白粉末の配合量7質量%、塩化ナトリウムの配合量3質量%における、ロースト醤油粉末の添加量に対するマスキング効果を調べた。
下記表10に示す配合量の卵白粉末、塩化ナトリウムおよびロースト醤油粉末を用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル57〜64を作製した。
前記で作製したサンプル57〜64について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
以上を勘案すると、卵白粉末を7質量%、塩化ナトリウムを3質量%配合した場合に、本発明に係る破裂抑制材に、ロースト風味調味料としてロースト醤油粉末を用いる場合、その添加量は、1質量%〜25質量%とすることが好適であることが分かった。
実験例11では、本発明に係る破裂抑制材に配合する卵白粉末の好適な配合量について検討を行った。より具体的には、卵白粉末の配合量に対する破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて評価を行った。なお、本実験例において、金属塩の一例としては、炭酸カルシウムを用いた。
下記表11に示す配合量の卵白粉末および炭酸カルシウムを用いて、前記実験例1と同様の方法でサンプル65〜70を作製した。
前記で作製したサンプル65〜70について、前記実験例1と同様の方法でマイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波加熱調理食品を得た。
得られたマイクロ波加熱調理食品の破裂抑制効果(破裂音、破裂による外観、レンジ庫内の汚れ)、焦げ、卵臭さについて、前記実験例1と同様の評価基準に基づいて、評価を行った。
実験例12では、本発明に係るマイクロ波加熱調理中の食品破裂防止方法を用いて、実際に、食品のマイクロ波加熱調理を行った。具体的には、サンプル71:マイクロ波調理から揚げ様食品、サンプル72:マイクロ波調理照焼き様食品、サンプル73:マイクロ波調理チキンカツ様食品を調理した。なお、本実施例12では、衣材、まぶし粉などに本発明に係る破裂抑制材を添加した後、食品に用いることで、食品に対する破裂抑制材の添加を行った。
下記表12に示すサンプル71の材料と、食品の一例として鶏もも肉(30g±2g×6個)とをビニル袋内に入れ、該ビニル袋を振ることによって鶏もも肉全表面に衣材および破裂抑制材をまぶした。この鶏もも肉を、紙製シートを敷いた皿の上に載せ、ラップをせずに電子レンジ(出力600W)で4分間、マイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波調理から揚げ様食品を得た。調理中の破裂音は少なく、レンジ庫内にも破裂による汚れは見られなかった。得られたマイクロ波調理から揚げ様食品は、破裂による外観損傷及び焦げ付きもなく、風味良好であった。
下記表12に示すサンプル72の材料と、食品の一例として鶏もも肉(80g±10g×1枚)とをビニル袋内に入れ、該ビニル袋をふることによって鶏もも肉全表面にまぶし粉および破裂抑制材をまぶした。この鶏もも肉を、薄く水を張った皿の上に載せ、ラップをして電子レンジ(出力600W)で3分30秒間、マイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波調理照焼き様食品を得た。調理中の破裂音は少なく、レンジ庫内にも破裂による汚れは見られなかった。得られたマイクロ波調理照焼き様食品は、破裂による外観損傷及び焦げ付きもなく、風味良好であった。
表12に示すサンプル73の組成物と、食品の一例として鶏もも肉(80g±10g×1枚)とをビニル袋内に入れ、該ビニル袋をふることによって鶏もも肉全表面に衣材および破裂抑制材をまぶした。この鶏もも肉を、紙製シートを敷いた皿の上に載せ、ラップをせずに電子レンジ(出力600W)で3分30秒間、マイクロ波加熱調理を行い、マイクロ波調理チキンカツ様食品を得た。調理中の破裂音は少なく、レンジ庫内にも破裂による汚れは見られなかった。得られたマイクロ波調理チキンカツ様食品は、破裂による外観損傷及び焦げ付きもなく、風味良好であった。
Claims (9)
- マイクロ波による加熱調理を行う食品に用いられ、
卵白粉末:1〜20質量%と、
炭酸カルシウムおよび/または塩化カルシウム:カルシウムとして、破裂抑制材100g当り0.01mol相当量以上と、
ロースト風味調味料:1〜25質量%と、
からなる、前記食品の破裂を防止する破裂抑制材。 - 前記食品は、食肉である請求項1記載の破裂抑制材。
- 前記食肉は、畜肉および/または魚肉である請求項2記載の破裂抑制材。
- 金属塩として、ナトリウム、カリウム、またはマグネシウムからなる金属塩から選ばれる1種または2種以上の金属塩を更に含有する請求項1から3のいずれか一項に記載の破裂抑制材。
- 金属塩として、前記破裂抑制材中に、前記ナトリウム、前記カルシウム、前記カリウム、または前記マグネシウムとして、前記破裂抑制材100g当り0.40mol相当量以下になるように配合された請求項4記載の破裂抑制材。
- 前記ロースト風味調味料は、ロースト醤油粉末である請求項1〜5のいずれか一項に記載の破裂抑制材。
- 食品に、卵白粉末:1〜20質量%と、炭酸カルシウムおよび/または塩化カルシウム:カルシウムとして、破裂抑制材100g当り0.01mol相当量以上と、ロースト風味調味料:1〜25質量%と、からなる破裂防止材を配合した後に、
前記食品をマイクロ波によって加熱調理する、マイクロ波加熱調理中の食品の破裂を防止する破裂防止方法。 - 前記破裂防止材の食品への配合は、前記卵白粉末、前記ロースト風味調味料、並びに前記炭酸カルシウムおよび/または前記塩化カルシウムをそれぞれ個別に配合する請求項7記載の破裂防止方法。
- 前記破裂防止材の食品への配合は、前記卵白粉末、前記ロースト風味調味料、並びに前記炭酸カルシウムおよび/または前記塩化カルシウムから選ばれる2種以上を混合した状態で配合する請求項7記載の破裂防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012089918A JP6043082B2 (ja) | 2012-04-11 | 2012-04-11 | マイクロ波加熱調理時の破裂抑制材、およびマイクロ波加熱調理時の食品破裂防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012089918A JP6043082B2 (ja) | 2012-04-11 | 2012-04-11 | マイクロ波加熱調理時の破裂抑制材、およびマイクロ波加熱調理時の食品破裂防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013215160A JP2013215160A (ja) | 2013-10-24 |
JP6043082B2 true JP6043082B2 (ja) | 2016-12-14 |
Family
ID=49588098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012089918A Active JP6043082B2 (ja) | 2012-04-11 | 2012-04-11 | マイクロ波加熱調理時の破裂抑制材、およびマイクロ波加熱調理時の食品破裂防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6043082B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04349867A (ja) * | 1991-05-09 | 1992-12-04 | Ajinomoto Co Inc | 大量調理用調味料 |
US5384140A (en) * | 1992-12-08 | 1995-01-24 | Dca Food Industries, Inc. | Process for preparing tender, juicy microwaveable meat |
JPH11192065A (ja) * | 1997-12-30 | 1999-07-21 | Torigoe Flour Milling Co Ltd | 発酵食品の製造法 |
JP2993637B2 (ja) * | 1998-04-03 | 1999-12-20 | 三協食品工業株式会社 | 焙焼風味を有する粉末調味料の製造方法 |
JP4689845B2 (ja) * | 2001-01-26 | 2011-05-25 | 昭和産業株式会社 | マイクロ波加熱用バッターミックスのスクリーニング方法 |
JP2005341829A (ja) * | 2004-06-01 | 2005-12-15 | Kikkoman Corp | 新粉末調味料 |
JP4381315B2 (ja) * | 2005-01-25 | 2009-12-09 | キッコーマン株式会社 | ロースト粉末調味料 |
-
2012
- 2012-04-11 JP JP2012089918A patent/JP6043082B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013215160A (ja) | 2013-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2012002559A1 (ja) | ノンフライ食品の製造方法 | |
JP6395125B2 (ja) | 衣付き食品の製造方法 | |
JP7317501B2 (ja) | 揚げ物用衣材 | |
WO2013042792A1 (ja) | 食品改質剤及びそれにより改質された油調理食品 | |
JP5054839B2 (ja) | 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物 | |
JP2011078392A (ja) | 電子レンジ加熱調理用調味料、及び電子レンジ加熱調理食品 | |
JP2012039902A (ja) | 香味油 | |
JPWO2020130018A1 (ja) | 揚げ物用打ち粉ミックス | |
JP6533398B2 (ja) | ノンフライ加熱調理用食品の製造方法及びノンフライ加熱調理用ミックス並びにノンフライ加熱調理用食品 | |
JP3687072B2 (ja) | 生肉や生水産物の電子レンジ調理方法と電子レンジ調理用調味料、及び電子レンジ調理食品 | |
JP6043082B2 (ja) | マイクロ波加熱調理時の破裂抑制材、およびマイクロ波加熱調理時の食品破裂防止方法 | |
JP5755468B2 (ja) | から揚げの製造方法 | |
JP7343965B2 (ja) | 食材の加熱調理のための下処理用組成物、及び加熱調理食品の製造方法 | |
JP5116115B2 (ja) | 焼成用衣ミックス及びこれを使用した焼成食品 | |
JP5697200B2 (ja) | 電子レンジで調理するまぶしタイプのノンフライから揚げ様食品用ミックス粉 | |
JP6325277B2 (ja) | 鶏唐揚げ又は鶏唐揚げ様食品の製造方法及びとり肉の臭み低減剤 | |
AU2003246738A1 (en) | Buffered meal component and a kit for making a meal | |
JP6053622B2 (ja) | ノンフライ調理用衣ミックス | |
JP7337309B1 (ja) | 油脂加工澱粉及びこれを含有する食肉改質剤 | |
JP7048579B2 (ja) | 穀粉類組成物の製造方法 | |
JP6948122B2 (ja) | 揚げ物用衣材 | |
WO2013100118A1 (ja) | 電子レンジ調理鶏肉の風味を改善する組成物及び電子レンジ調理鶏肉の風味改善方法 | |
JPWO2020213622A1 (ja) | 包餡食品及び餡の製造方法 | |
JP2021036780A (ja) | 包餡麺帯食品及びその製造方法 | |
JP2015130820A (ja) | 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150127 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160209 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160705 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160902 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20160912 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161108 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161111 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6043082 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |