JP2015130820A - 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物 - Google Patents

電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2015130820A
JP2015130820A JP2014003641A JP2014003641A JP2015130820A JP 2015130820 A JP2015130820 A JP 2015130820A JP 2014003641 A JP2014003641 A JP 2014003641A JP 2014003641 A JP2014003641 A JP 2014003641A JP 2015130820 A JP2015130820 A JP 2015130820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fried
composition
food
powder
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014003641A
Other languages
English (en)
Inventor
陽子 松井
Yoko Matsui
陽子 松井
金森 啓至
Keiji Kanamori
啓至 金森
円 菱沼
Madoka Hishinuma
円 菱沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Showa Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Sangyo Co Ltd filed Critical Showa Sangyo Co Ltd
Priority to JP2014003641A priority Critical patent/JP2015130820A/ja
Publication of JP2015130820A publication Critical patent/JP2015130820A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grain Derivatives (AREA)

Abstract

【課題】 電子レンジ調理後のから揚げ様食品のシート付着防止効果がより高い、から揚げ様衣用組成物、並びに当該組成物を用いるから揚げ様食品の製造方法及びシート付着防止方法を提供すること。【解決手段】 (a)コーングリッツ、セモリナ及びパスタ粉砕物から選ばれる1種以上の粗粒物10〜60質量%、(b)大豆加工粉末5〜50質量%、(c)醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分27〜60質量%、並びに(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を含有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物、並びに当該組成物を用いるから揚げ様食品の製造方法及びシート付着防止方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物、これを用いるから揚げ様食品の製造方法及びシートへの付着防止方法に関する。
近年、調理の簡便さや肥満予防の観点から、油ちょうしないから揚げ様食品を好む傾向にある。また、家庭用電子レンジ調理器具の調理時のマイクロ波出力も高まる傾向にあり、また火を使わない傾向にあるため、家庭用電子レンジ調理器具にて畜肉や魚介類等の生食材を喫食可能な状態に調理することが多くなってきている。このように、電子レンジ調理は油ちょうや加熱焼成を必要とせずに誰でも容易かつ簡単に調理が行えるため、電子レンジ調理にて得られるから揚げ様食品が消費者に好まれる。すなわち、食感や風味のよいから揚げ様食品を得るための電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物が消費者に望まれている。
しかしながら、電子レンジ調理は、内部の分子をマイクロ波にて加熱するので、油ちょうや焼成調理のような外部からの加熱とは加熱メカニズムが異なる。このため、電子レンジ調理特有の問題が種々存在するため、これを解決するための電子レンジ調理特有の調理方法や電子レンジ調理用組成物が提案されている。
例えば、良好なドライな食感と香ばしい風味を有するから揚げ様食品を得ることができる、電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物(特許文献1参照)が提案され、当該組成物は、コーングリッツ、セモリナ及びパスタ粉砕物から選ばれる1種以上の粗粒物10〜60質量%、大豆加工粉末5〜50質量%及び醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分27〜60質量%を含有するものと記載されている(特許文献1の請求項1参照)。
特許第5054839号公報
また、一般的に、電子レンジ調理において、食材から汁が生じるので、これを吸収させるためにシートを利用することがある。しかし、電子レンジ調理後の食品に、このシートが強く付着していることが多いため、このシートから電子レンジ調理後の食品を剥がした際にシート小片の食品への付着が生じる場合がある。
そこで、本発明は、電子レンジ調理後のから揚げ様食品のシート付着防止効果がより高い、から揚げ様衣用組成物、並びに当該組成物を用いるから揚げ様食品の製造方法及びシート付着防止方法を提供するものである。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、(a)特定の穀粉及び/又はそれ由来の粗粒物、(b)大豆加工粉末、(c)粉末状調味料成分、並びに(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を含有する組成物を使用することによって、当該(a)〜(c)をそれぞれ特定量含む組成物を用いた場合よりも、電子レンジ調理後のから揚げ様食品のシートへの付着防止効果をさらに高めたから揚げ様食品が得られることを見出した。
このようにして、本発明者は、前記(a)〜(d)の4種を併用し、これら(a)〜(d)を含む電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を用いれば、電子レンジ調理後、調理後の食品にシートが強く付着することがさらに少なくなり、より簡単にシートから剥がすことができるから揚げ様食品を得ることができた。
斯様にして、本発明者は、本発明の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を完成させ、電子レンジ調理後のから揚げ様食品のシート付着防止効果がより高いという効果を有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を新たに提供することができた。
すなわち、本発明は、(a)コーングリッツ、セモリナ及びパスタ粉砕物から選ばれる1種以上の粗粒物10〜60質量%、(b)大豆加工粉末5〜50質量%、(c)醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分27〜60質量%、並びに(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を含有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記から揚げ様衣用組成物を食材に付着させ、前記から揚げ様衣用組成物を付着させた食材に、シートを接触させて電子レンジ調理する、から揚げ様食品の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記から揚げ様衣用組成物を食材に付着させ、シートを接触させて電子レンジ調理してから揚げ様食品を得る際に、前記から揚げ様衣用組成物を用いることを特徴とする、シート付着防止方法を提供するものである。
また、本発明は、前記から揚げ様衣用組成物を、食材に付着させ、これをシートに接触させて電子レンジ調理することを特徴とする、から揚げ様食品の調理方法を提供するものである。
本発明によれば、電子レンジ調理後のから揚げ様食品のシート付着防止効果がより高い、から揚げ様衣用組成物、並びに当該組成物を用いるから揚げ様食品の製造方法及びシート付着防止方法を提供することができる。
本開示の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物は、(a)特定の穀粉及び/又はそれ由来の粗粒物、(b)大豆加工粉末、(c)粉末状調味料成分、並びに(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を含有するものである。
本発明者は、特許文献1に記載の、(a)特定の穀粉及び/又はそれ由来の粗粒物、(b)大豆加工粉末及び(c)醸造調味粉末を含む粉末状調味料を含有し、それぞれを特定量含有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物には、電子レンジ調理後の食品へのシート付着防止効果があることも見出し、これも特許文献1に提案している。
さらに、本発明者は、後記〔実施例〕に示すような電子レンジ調理後の食品へのシート付着防止効果を確認するための評価モデルを作成した。そして、本発明者は、特許文献1に記載の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を用いた場合を基準として、より優れたシート付着防止効果を有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物の提供を試みた。
ここで、特許文献1には、比較例1として、前記(a)特定の粗粒物に代えて微粉化した発酵パン粉(フライスター7(発酵パン粉):フライスター(株)社製:粒度は1000μm以下にしたもの)を配合した組成物、また比較例2として、前記(a)特定の粗粒物に代えて微粉化したクラッカー粉(イーストを使用せずベーキングパウダーを使用したクラッカー粉:富士パン(株)社製:粒度は1000μm以下にしたもの)を配合した組成物が挙げられている。
このような微粉パン粉又は微粉クラッカー粉を配合した組成物を用いた場合、レンジ調理後のから揚げ様食品へのシートの付着率が高くかつ剥がれにくく、あまり好ましくない状態、すなわち、シート付着防止効果が得られなかったことが、特許文献1には記載されている。
しかしながら、本発明者は、シート付着防止効果が得られなかった(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を、前記(a)〜(c)と混合して、これらを含有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を製造し、当該組成物を食材にまぶし、電子レンジ調理を行なった。その結果、前記(a)〜(d)含有の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物は、配合した微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉によってシート付着防止効果が低下するのではなく、全く意外にも、前記(a)〜(c)含有組成物を基準としたときに、これよりもさらに高いシート付着防止効果が得られた。
さらに、本開示の組成物を用いれば、電子レンジ調理後にから揚げ様食品にシート片等が付着することがないので、外観のよいから揚げ様食品を得ることができる。また、電子レンジ調理中に生じる肉汁等をシートを利用して適切に除去できるため、シートを利用しないときと比べてより良好な食感及び風味を有するから揚げ様食品を得ることができる。
しかも、シート付着防止効果が向上した本開示の組成物を用いれば、特許文献1で推奨する標準的な電子レンジの調理方法を行わずに喫食可能なように電子レンジ調理を行った場合でも、から揚げ様食品のシートへの付着防止効果が高く、シートから簡単に剥がしやすいと考える。
また、本開示の組成物は、特許文献1に記載の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物と比較しさらに良好な香ばしい風味と、特許文献1に記載の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物と同等程度以上の良好なドライな食感とを有するから揚げ様食品を製造することができる。
以上のことからしても、本技術において、前記(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を選択し使用することは当業者にとって予測し得ないことである。
本開示に用いる(a)粗粒物は、コーングリッツ、セモリナ及びパスタ粉砕物から選ばれる1種以上のものである。また、これらはローストした粗粒物であってもよく、これを用いることにより、電子レンジ加熱調理に伴う不快な風味が抑制でき、また、喫食時のから揚げ様の香ばしい風味及び硬い食感(フライのさくみに擬似する食感)を付与することができる。
前記コーングリッツは、とうもろこしの胚乳部を挽き割りした粗粒物である。
前記セモリナは、一般的にパスタの原料として使用されているデュラム種小麦を挽いて粗挽きとした粗粒物である。
前記パスタ粉砕物とは、デュラムセモリナやファリーナ、その他の強力粉等を主原料として得られた乾燥パスタを粉砕して得られた粗粒物である。
ここで、前記粗粒物は、硬質で粒度の粗いものが好適である。これを食材に均一にまぶし易いよう、全ての粒子径が1000μm以下であることが好ましく、100μm以下の微粉量は15%以下であるとするのが、好ましい。
この粗粒物の粒度(微粉量)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(HEROS&RODOS、Sympatec社製)にて算出することが可能である。
前記(a)のこれらは、特許文献1に記載のものを用いればよい。また、これらは公知の手法を用いれば得ることができ、市販品を用いてもよい。また、前記(a)のこれらからから選択される1種又は2種以上を使用してもよい。
本開示に用いる(b)大豆加工粉末は、特に限定されず、例えば、全粒大豆粉末、全脂大豆粉末、脱脂大豆粉末、豆乳(例えば全脂豆乳、脱脂豆乳等)粉末、濃縮大豆蛋白粉末及び分離大豆蛋白粉末等が挙げられる。前記大豆加工粉末は、大豆を処理し又は未処理のそのままで、粉末状にしたものである。
このうち、例えば、粉末状全粒大豆、粉末状脱脂大豆、粉末状濃縮大豆蛋白及び粉末状分離大豆蛋白が好ましい。当該大豆加工粉末中の蛋白含量は35〜90質量%とするのが好ましい。このうち、粉末状脱脂大豆がドライな食感を得るうえで好ましい。
これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、この蛋白質含有量の測定は、一般的な測定法、例えばケルダールによる蛋白質定量法等に準じて行えばよい。
前記(b)のこれらは、特許文献1に記載のものを用いればよい。また、これらは公知の手法を用いれば得ることができ、市販品を用いてもよい。また、前記(b)のこれらからから選択される1種又は2種以上を使用してもよい。
本開示に用いる(c)粉末状調味料成分は、少なくとも醸造調味粉末を含むものである。
ここで、「醸造調味粉末」とは、例えば、小麦、大豆及び米から選ばれる1種以上の穀物を麹菌や乳酸菌、酵母菌等の微生物を利用して製造されたもの等が挙げられ、一般的に市販されているものであればよい。より具体的には、醤油粉末、味噌粉末、食酢粉末及びみりん粉末等が挙げられる。このうち、優れた食感及び風味を付与すると共に外観の色調も良好とするので、醤油粉末及び味噌粉末が好ましい。
これらはローストタイプの粉末状調味料成分であってもよい。これを用いることにより、電子レンジ加熱調理に伴う不快な風味が抑制でき、から揚げ様食品の焦げ色等の色調が調整できる。また、最終的な味付けに合わせて、最適な風味を有する醸造調味粉末を適宜選択すれば良い。また、ローストタイプの粉末状調味料成分として、例えば、ローストタイプ醤油粉末、ローストタイプ味噌粉末等のローストタイプ醸造調味粉末が挙げられる。
なお、醸造調味料等を粉末状にする手段としては、公知の手法を用いればよい。
前記(c)のこれらは、特許文献1に記載のものを用いればよい。また、これらは公知の手法を用いれば得ることができ、市販品を用いてもよい。また、前記(c)のこれらからから選択される1種又は2種以上を使用してもよい。
また、粉末状調味料成分には、前記醸造調味粉末以外の粉末として、食塩、糖類、核酸系調味料、酵母エキス等から選ばれる1種又は2種以上のものを含有するのが、風味の観点で望ましい。なお、以下の調味料成分の例示の1種又は2種以上のものを、上記醸造調味粉末に組み合わせて用いることができる。
前記糖類としては、例えば、砂糖、ブドウ糖、水飴等が挙げられる。
前記核酸系調味料は、イノシン酸やグアニル酸等が挙げられる。
本開示に用いる(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉は、食材に均一にまぶし易いよう、パン粉及び/又はクラッカー粉を粉砕機等により微粉化したものを使用すればよく、パン及び/又はクラッカーから微粉化して得ることも可能である。また、前記微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉は、前記(a)〜(c)と共に使用することによって、電子レンジ調理前の食材の表面に均一的にまぶしやすく食材の下ごしらえが容易となる。さらに、前記(d)と(a)〜(c)とを併用することによって、電子レンジ調理後の食品に対してより高いシート付着防止効果を奏する。また、これら(a)〜(d)を併用することで、電子レンジ調理後の食品に対して、より良好な香ばしい風味を付与することができる。
また、前記(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を用いれば、前記(a)特定の粗粒物10〜60質量%、前記(b)大豆加工粉末5〜50質量%、及び前記(c)醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分27〜60質量%という、それぞれ特定量含有の組成物のときでも、本技術の効果を奏し得るので好適である。
前記微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉は、一般的な乾燥パン粉又はクラッカー粉の水分含有量のものであればよく、微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の水分含量は好ましくは4〜18%、より好ましくは4〜12%である。低水分含有量にすることにより、食材の下ごしらえのときに本開示の組成物を食材表面に付着させやすく、さらに電子レンジ調理後の食品への高いシート付着防止効果も奏しやすい。
水分含有量は、「衛生試験法・注解2010」(2010年2月20日;日本薬学会編)の「2.1食品成分試験法」(p179-180)に記載の「常圧加熱乾燥法」に準じて測定することが可能である。
前記微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉は、全ての粒子径が1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは1000〜200μmの微粉量が50%以上であり、さらに好ましくは100μm以下の微粉量は15%以下である。微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の粒度(微粉量)を調整することで、食材の下ごしらえのときに本開示の組成物を食材表面に付着させやすく、さらに電子レンジ調理後の食品への高いシート付着防止効果も奏しやすい。
微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の粒度(微粉量)は、前述のレーザー回折式粒度分布測定装置にて算出することが可能である。
前記パン又はクラッカーの製造は、特に限定されず、通常の製造方法にて得ることができ、発酵法及び発酵法以外の方法にて得ることができ、また市販品を用いてもよい。例えば、前記パン又はクラッカーは、小麦粉を主原料(好適には原料穀粉中に70〜100質量%)として生地にし、これを発酵又は非発酵で焼成又は膨化させて得ることができる。
前記パンは、通常の発酵パンの製法を用いればよく、例えば直捏法、中種法等が挙げられる。また、クラッカーは、発酵法以外の方法(例えば発酵を行わずに焼成して焼成物を得る方法、並びに、膨張剤を添加して膨化物を得る方法、及び押出膨化にて膨化物を得る方法等)を用いればよい。具体的には、クラッカーは、膨張剤(例えばベーキングパウダー等)にて得ることが可能である。また、適宜、着色料等を配合してカラーパンや着色したクラッカーにしてもよい。
なお、本技術では、発酵させたものを「パン粉」という。
前記パン及び/又はクラッカーを粉砕してパン粉及び/又はクラッカー粉にし、これを微粉化して前記微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉にしてもよい。又は、市販品のパン粉及び/又はクラッカー粉を微粉化して前記微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉にしてもよい。
なお、微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の粒子径を調整する際には、所定のメッシュの篩を用いて行うことが可能であり、その粒子径の確認は前述のレーザー回折式粒度分布測定装置で行うことが可能である。
また、上述した成分以外に、本技術の効果を損ねない範囲で、任意成分として、卵粉末、グルテン粉末、カゼイン粉末、乳蛋白粉末等の大豆加工粉末以外の蛋白質粉末;ペッパー、ガーリック、オニオン、ジンジャー、ターメリック、マスタード、カレー粉等の単独又は混合の香辛料;小麦粉、コーンフラワー、米粉、そば粉等の前記粗粒物以外の穀粉;コーンスターチ、バレイショ、タピオカ等の澱粉やこの化工澱粉粉末(澱粉類粉末);キサンタン、プルラン等の増粘剤;pH調整剤;色素;炭酸カルシウム等の無機系塩類;膨張剤等の粉末を、本開示のから揚げ様衣用組成物に含有させてもよい。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
このうち、卵粉末をさらに含有させるのが、良好な食感及び風味のから揚げ様食品を得る点で、好ましい。この卵粉末としては、全卵粉末、卵白粉末等が挙げられ、卵白粉末が好ましい。卵粉末のような加熱ゲル化成分を使用する場合、電子レンジ調理後の食品にシートが付着しやすくなるが、本開示の組成物ではシート付着防止効果が高いため、このような成分を含有させてもシートが付着しにくいから揚げ様食品を得ることができる。また、から揚げ様食品の風味の観点で、香辛料を含有させてもよい。
本開示に用いる前記(a)特定の粗粒物、前記(b)大豆加工粉末、前記(c)粉末状調味料成分、並びに前記(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉は、以下のような特定の含有量とするのが好適である。このような特定の含有量としたから揚げ様衣用組成物を用いることによって、電子レンジ調理後、良好な食感と風味を有するから揚げ様食品を得ることができる。しかしながら、この範囲外とすると、前記粗粒物、前記大豆加工粉末、前記醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分、並びに微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉のこれらを併用しても、電子レンジ調理後のから揚げ様食品の食感及び風味が好ましくない。
本開示に用いる前記(a)粗粒物の含有量は、から揚げ様衣用組成物中、好ましくは10〜60質量%であり、より好ましくは15〜50質量%、さらに好ましくは15〜38質量%、よりさらに好ましくは20〜35質量%とするのが好適である。
前記粗粒物が10〜60質量%であれば、食感及び風味がよいので、好ましく、しかも、後述するシート(液体を吸収するシート)に付着しにくくなるので、このシートを用いることが容易となり、しかもさらにから揚げ様食品の食感及び風味が向上する。
本開示に用いる前記(b)大豆加工粉末の含有量は、から揚げ様衣用組成物中、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%、よりさらに好ましくは5〜15質量%とするのが好適である。
前記大豆加工粉末が5〜50質量%であれば、大豆特有の風味が少なく、しかも、後述するシートに付着しにくくなることから、この電子レンジ調理時に生じる余分な水分を取り除くためのシートを用いることが容易となるので、さらにから揚げ様食品の食感及び風味、特にドライな食感が好適となる。
また、前記大豆加工粉末は、前記(a)粗粒物100質量部に対し、好ましくは8〜500質量部、より好ましくは10〜100質量部、さらに好ましくは10〜50質量部とするのが、風味が良好になるので有利である。
本開示に用いる前記(c)粉末状調味料成分の含有量は、から揚げ様衣用組成物中、好ましくは9〜60質量%であり、より好ましくは18〜54質量%、さらに好ましくは27〜50質量%、よりさらに好ましくは27〜45質量%、より好ましくは30〜45質量%とするのが好適である。
前記粉末状調味料成分が9〜60質量%であれば、風味及び衣のドライな食感が再現でき、しかも、後述するシートに付着しにくくなることから、このシートを用いることが容易となり、しかもさらにから揚げ様食品の食感及び風味が向上する。さらに、畜肉類及び魚介類のような食材の場合、から揚げ様衣用組成物中、前記粉末状調味料成分の含有量を27質量%以上とすると、非常に風味良好で衣はドライな食感とすることが可能である。
前記粉末状調味料成分(全量)中の前記醸造調味粉末の含有率は、粉末状調味料成分の全量を100質量%とした場合に、好ましくは1〜75質量%、より好ましくは3〜75質量%、さらに好ましくは10〜75質量%、さらにより好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜70質量%とするのが、風味が良好になるので有利である。
このとき、醸造調味粉末とこれ以外の成分とで、粉末状調味料成分の全量が100質量%となるように適宜配合すればよい。
例えば、前記粉末状調味料成分(全量)中の醸造調味粉末以外の各成分の含有率としては、食塩の含有率を、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは10〜45質量%、さらに好ましくは10〜25質量%、よりさらに好ましくは12〜22質量%;糖類の含有率を、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは10〜55質量%、さらに好ましくは10〜45質量%、よりさらに好ましくは22〜40質量%とするのが、食感及び風味が良好になるので望ましい。
また、から揚げ様食品の外観の色調を薄く調整する場合には、食塩及び糖質の含有量を高めればよく、このような場合、粉末状調味料成分(全量)中、醸造調味粉末の含有率を、好ましくは1〜5質量%、より好ましくは2〜4質量%;食塩の含有量を、好ましくは35〜55質量%、より好ましくは40〜50質量%;糖類の含有量を、好ましくは45〜60質量%、より好ましくは45〜55質量%とするのが好適である。
なお、本開示に用いる前記醸造調味粉末の含有量は、から揚げ様衣用組成物中、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは3〜30質量%、さらに好ましくは5〜30質量%、よりさらに好ましくは10〜25質量%、特に好ましくは14〜25質量%とするのが、風味が良好になるので、好適である。
本開示に用いる前記(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の含有量は、から揚げ様衣用組成物中、好ましくは、2〜30質量%である。微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉が2〜30質量%であれば、後述するシートに付着しにくくなることから、この電子レンジ調理時に生じる余分な水分を取り除くためのシートを用いることが容易となるので好適である。さらに、当該2〜30質量%であれば、から揚げ様食品の食感及び風味も良好となり、好適である。
前記(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の含有量は、から揚げ様衣用組成物中、より好ましくは2〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質量%とするのが好適である。微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の含有量の上限値を、より25質量%以下、さらに20質量%以下にした方が、優れたシート付着防止効果を有しつつ、かつ、から揚げ様食品の表面のドライ感がより好適となり、から揚げ様食品がドライな食感と香ばしい風味となるので好ましい。
また、前記(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉と前記(a)粗粒物との配合割合(質量部)は、好ましくは2〜30:38〜10である。より好ましくは前記(d):前記(a)=5〜25:35〜15であり、さらに好ましくは5〜20:35〜20であり、これにより、から揚げ様食品の香ばしい風味が良好となる。
また、本開示に用いる卵粉末の含有量は、から揚げ様衣用組成物中、1〜20質量%とするのが好適であり、より好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは5〜20質量%とするのが、衣のドライな食感が良好になるので、好適である。
また、香辛料の含有量は、から揚げ様衣用組成物中、好ましくは0.1〜8質量%程度、より好ましくは0.1〜4質量%であればよい。
また、前記粗粒物以外の穀粉及び澱粉類の含有量は、衣のドライ感な食感を良好にするため、から揚げ様衣用組成物中、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下とするのが、好適である。
また、適宜、上述の任意成分を配合して衣用組成物が100質量%となるように調整してもよい。
本開示の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物は、例えば、上述の粗粒状や粉末状(顆粒状)の各成分をそれぞれ特定量混合すること;粗粒物、大豆加工粉末及び粉末状調味料成分を水に懸濁後乾燥させ、さらに微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を混合すること;粗粒物及び大豆加工粉末に液状の醸造調味料を混合して乾燥後その他の粉末状調味料成分と微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉とを混合すること;等により得ることができるが、粗粒状や粉末状の各成分をそれぞれ特定量混合攪拌して得るのが好適である。
本開示の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を用いるから揚げ様食品の製造方法(調理方法)について、以下に説明する。
本開示の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を食材に付着させて電子レンジ調理することにより、から揚げ様食品を得ることができる。
ここで、「食材」とは、特に限定されず、例えば鶏肉、豚肉、牛肉等の畜肉類;アジ、サンマ、イカ、タコ、ホタテ等の魚介類;ピーマン、タマネギ等の野菜類等が挙げられる。このうち、電子レンジ調理の際に肉汁が生じやすく、臭いのある畜肉類や魚介類を対象とする場合、本開示の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物を用いれば、良好な食感及び風味を得ることができる。
また、「付着させる」とは、例えば食材にそのまま又はバッター液等の液体を付けた食材の全表面に、本開示のから揚げ様衣用組成物をまぶし粉としてまぶすこと等が挙げられ、食材にそのまま本開示のから揚げ様衣用組成物をまぶすのが、ドライな食感及び風味が良好になるので好適である。ここで、バッター液とは、薄力粉や中力粉等の小麦粉又は市販の衣用組成物をバッター液としたもの等が挙げられる。
このとき、本開示のから揚げ様衣用組成物の付着量は、食材の表面に十分に付着させることができればよい。
電子レンジ調理は、食材を喫食可能な状態にまで加熱できるように出力及び時間を調整すればよい。
例えば、本開示のから揚げ様衣用組成物を付着させた食材(例えば前記から揚げ様衣用組成物を付着させた鶏もも肉〔1個当り27±2gを8個程度〕)を調理する際には、500〜600Wで3〜4分間程度とするのが、得られた食品の食感及び風味が良好なので、好適である(例えば、特許文献1参照)。
また、本開示において、電子レンジ調理の際に、シート(好適には、紙製、不織布及び織布から選ばれる1種以上のもの(例えば紙製等のシート状のもの))を、前記から揚げ様衣用組成物を付着させた食材(以下、「前記付着させた食材」という)に接触させるように配置するのが、好適である。
そして、紙製等のシートを接触させて電子レンジ調理した後、電子レンジ調理済みの食品をこの紙製等のシートから外す或いはこのシートを取り除く等により、から揚げ様食品を回収する。
紙製等のシートは、食品の加工・調理に使用できるものであり、肉汁等の液体をある程度吸収するものであればよく、例えば吸水性及び/又は吸油性のあるものであればよい。
「紙製」としては、タオル用紙(例えばクッキングペーパー、クッキングシート、クッキングタオル等)、印刷用紙、加工用紙、ティッシュペーパー等が挙げられる。
「不織布」や「織布」としては、セルロース(例えばパルプ、コットン、紙製等)繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維等のものが挙げられる。
「接触」とは、前記付着させた食材の下に敷く;前記付着させた食材をサンドイッチ状に挟む等が挙げられる。
また、食品用ラップフィルムで前記付着させた食材を覆わずに電子レンジ調理するのが、食感及び風味の観点で好ましい。
推奨する標準的な電子レンジ調理方法として、袋に入れた食材(1個当り30±2gで、6片で総計約180g)に、から揚げ様衣用組成物を大さじ2杯添加し、から揚げ様衣用組成物がまんべんなくつくように上下に8回程度よく振る。このあと、耐熱皿に載せたシートの上に、付着した食材を食材同士が接触しないように耐熱皿の縁に沿って円形にほぼ均等な距離に並べる。表面が湿らない間に電子レンジ調理を開始する。このとき、並べた耐熱皿を電子レンジ庫内に入れ、600Wで約4分間にて又は500Wで約5分間にて、電子レンジ調理を行う。調理後、得られたから揚げ様食品は熱いうちに他の皿に盛り付ける。
本開示の組成物であれば、上述した推奨する標準的な電子レンジ調理方法より多少外れていても、得られたから揚げ様食品へのシートの付着を抑制できる。多少外れている場合として、例えば、食材の重さが偏在(例えば1片の重さが30gのものと20gのものが混在)しても可能である。また、本開示の組成物と食材との振り混ぜ回数が30回程度と多くなっても可能である。また、出力を高出力(例えば1000Wまで)にしたり、同じ出力でその調理時間(例えば6分間まで)を長くしたりすることも可能である。
電子レンジ調理の際にシートを用いると、このシートが電子レンジ調理後の食品に付着してしまうことがある。このような場合、これを電子レンジ調理後の食品から剥がすのは非常に手間がかかる場合がある。
一例として、食品からシートを剥がす際にシートが小片化し、この小片化したものを食材から除去するのが困難である。このような紙製等のシートの食品への付着は、電子レンジ調理の簡便さを損なう上に、場合によっては紙製等のシートを食することとなるので食感や風味が却って損なわれることとなる。
しかしながら、本開示のから揚げ様衣用組成物は、電子レンジ調理後のから揚げ様食品へのシート(例えば、紙製等)の付着防止効果をより高めたものであるので、このような手間が少なくなる。また、この高いシート付着防止効果により、から揚げ様食品の取り出しが容易となる。すなわち、ミックス粉(から揚げ様衣用組成物)を食材に付着させ、上述のシートを接触させて電子レンジ調理してから揚げ様食品を得る際に、本開示のから揚げ様衣用組成物を用いることで、から揚げ様食品へのシート付着防止効果をより高めることができる。
そして、紙製等のシートは、電子レンジ調理の際に食材からでる汁を吸収することができるので、本開示のから揚げ様衣用組成物を用いればその利点を有効に活かすことが可能となる。よって、電子レンジ調理の際にシートを用いることで、電子レンジ調理後の食品の食感及び風味を良好とすることができる。すなわち、本開示のから揚げ様衣用組成物は、シートを用いた電子レンジ調理にて、良好な食感及び風味のから揚げ様食品を得る際に、非常に有利である。
さらに本開示の組成物には高いシート付着防止効果があるため、推奨する標準的な電子レンジ調理方法より多少外れていても、本開示の組成物であれば、シート付着防止効果を有する特許文献1の組成物と比較した場合、電子レンジ調理後の食品へのシートの付着を抑制できる。
本技術は、以下の〔1〕〜〔12〕を採用することも可能である。
〔1〕以下の(a)〜(d)を含有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物。
(a)コーングリッツ、セモリナ及びパスタ粉砕物から選ばれる1種以上の粗粒物 10〜60質量%、
(b)大豆加工粉末5〜50質量%、
(c)醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分27〜60質量%、並びに
(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉。
〔2〕 さらに、卵粉末1〜20質量%を含有する前記〔1〕記載のから揚げ様衣用組成物。
〔3〕 前記大豆加工粉末が、粉末状全粒大豆、粉末状脱脂大豆、粉末状濃縮大豆蛋白及び粉末状分離大豆蛋白から選ばれる1種以上のものである前記〔1〕又は〔2〕記載のから揚げ様衣用組成物。
〔4〕 前記醸造調味粉末の含有率が、粉末状調味料成分全量中、1〜75質量%である前記〔1〕〜〔3〕の何れか1つ記載のから揚げ様衣用組成物。
〔5〕 前記微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の含有量が、2〜25質量%である前記〔1〕〜〔4〕の何れか1つ記載のから揚げ様衣用組成物。
〔6〕 前記微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉と前記粗粒物との配合割合が、2〜30:38〜10である前記〔1〕〜〔5〕の何れか1つ記載のから揚げ様衣用組成物。
〔7〕 前記粗粒物の含有量が、15〜38質量%である前記〔1〕〜〔6〕の何れか1つ記載のから揚げ様衣用組成物。
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕の何れか1つ記載のから揚げ様衣用組成物を、食材に付着させて電子レンジ調理する、から揚げ様食品の製造方法。
〔9〕 前記から揚げ様衣用組成物を付着させた食材に、シート(好適には吸水性及び/又は吸油性シート)を接触させて電子レンジ調理し、電子レンジ調理後のから揚げ様食品を回収する、前記〔8〕記載のから揚げ様食品の製造方法。
〔10〕 前記から揚げ様衣用組成物を食材に付着させ、シート(好適には吸水性及び/又は吸油性シート)を接触させて電子レンジ調理してから揚げ様食品を得る際に、前記〔1〕〜〔7〕の何れか1つ記載のから揚げ様衣用組成物を用いることを特徴とする、シート付着防止方法。
〔11〕 前記〔1〕〜〔7〕の何れか1つ記載のから揚げ様衣用組成物を、食材に付着させ、これをシート(好適には吸水性及び/又は吸油性シート)に接触させて電子レンジ調理することを特徴とする、から揚げ様食品の調理方法。
〔12〕 前記から揚げ様衣用組成物を食材に付着させ、シート(好適には吸水性及び/又は吸油性シート)を接触させて電子レンジ調理してから揚げ様食品を得る際に、(a)コーングリッツ、セモリナ及びパスタ粉砕物から選ばれる1種以上の粗粒物 10〜60質量%、(b)大豆加工粉末5〜50質量%、(c)醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分27〜60質量%を含有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物に、さらに微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉を配合することを特徴とするシート付着防止方法。
以下に具体的な実施例及び参考例を説明するが、本発明(本開示)はこれに限定される
ものではない。
本発明者は、より高いシート付着防止効果を有する組成物を得るための本評価モデルを作成するときに、以下のようなことを考えた。
一般家庭においてカットした食材又は市販のカット食材では、電子レンジ調理のレシピに適した大きさでないことがある。また、家庭ごとに使用される電子レンジ調理器具の出力が異なったり、電子レンジ調理時の加熱時間にばらつきがあったりする。食材の大きさ、及び電子レンジの出力又は調理時間が、適度でないと、加熱が過剰になる過加熱が生じて食材から生じた汁とから揚げ様衣用組成物が混ざり合った衣がシート上で焦げ付くので、電子レンジ調理後の食品にシートが付着する原因となる。
また、食材の下ごしらえとして、粉末状の組成物と食材を長時間まぶしたり、又は粉末状の組成物を食材にまぶした後、電子レンジ調理をするまでに長時間放置してしまうと、その間に食材から生じた汁とから揚げ様衣用組成物が混ざり合って表面にベタつきが生じる。油ちょうや焼成であれば、そのベタつきの原因の水分は食材表面からなくなるが、電子レンジではそこから汁が流れ出やすくなりシートに吸収され、電子レンジ調理後の食品にシートが付着する原因となる。
このように、調理者の調理態様の違いから、電子レンジ調理後のから揚げ様食品にシートが強く付着し、このから揚げ様食品をシートから簡単に剥がすことができなくなる場合がある。一方で、推奨する標準的な電子レンジ調理方法を厳格に行うことは面倒である。
そこで、本発明者は、食材の一部を推奨する標準的な肉の大きさよりもやや小さめにし、食材と組成物との接触時間を長めにして表面をべたつかせ、さらに電子レンジ調理時間を長めにしている。これによって、電子レンジ調理時に食材の表面がゲル状となりやすく、かつ電子レンジの調理条件が過加熱になりやすいような本評価モデルを作成した。この条件では、食材とシートとが非常に固着し易い、すなわち、電子レンジ調理後の食品へのシートの付着が非常に強い状態となるため、本評価モデルは非常に厳しい条件での評価モデルと言える。
そのようなことからすると、本開示の組成物は、後述するように厳しい本評価モデルにおいても高いシート付着防止効果が認められたことから、推奨する標準的な電子レンジ調理方法から多少外れていても、から揚げ様食品をシートから簡単に剥がすことができると考える。また、本開示の組成物を用いれば、電子レンジ調理方法を厳格に行わなくてもよいので、調理者の電子レンジ調理の作業性を向上させることもできると考える。
<実施例1〜13及び参考例1〜2>
表1に示す配合のから揚げ様衣用組成物(実施例1〜9及び参考例1)25gと、鶏もも肉8切れ((推奨する標準的なカット肉(30±2g)4個と、小さめのカット肉(20±2g)4個)の混在)とをビニル袋内に入れ、ビニル袋を多めに(30回程度)振ることによって、衣用組成物を食材にまぶした。シートを敷いた皿の上に、このから揚げ様衣用組成物をまぶした食材を載せ、ラップをせずに、電子レンジ(出力600W)で6分30秒間(8個)と長めに調理し、から揚げ様食品を得た。得られたから揚げ様食品について、官能評価(食感、風味)試験をパネル6名にて行った。またシート付着防止効果の評価は、上記の調理試験を10回繰り返し行い、調理後のから揚げ様食品とシートとの付着状況(シート付着率及び剥がれ易さ)を確認することで行った。その結果を表1に示す。
なお、表1に示すから揚げ様衣用組成物は、(a)〜(e)の各成分を調整後、これらを表1に示す実施例1〜9及び参考例1のそれぞれの配合量とするように混合して調製した。
<粗粒物>
コーングリッツ((株)サニーメイズ製)
デュラムセモリナ(昭和産業(株)製)
パスタ粉砕品(乾燥パスタを粉砕したもの)
これらの粒度測定結果は、100μm以下の微粉量が15%以下で全ての粒子が100
0μm以下のものであった。
粒度測定は、前述のレーザー回折式粒度分布測定装置により行った。
<大豆加工粉末>
粉末状脱脂大豆(蛋白含量55質量%:昭和産業(株)製)
蛋白含量の測定は、ケルダール分析法で行った。
<製造例1の微粉パン粉>
目的とする微粉パン粉は、市販のパン粉(フライスター7:フライスター(株)社製/水分含有量:8%)を購入し、これを粉砕機で粉砕し、30メッシュの篩にて振り分けし、その粒度を測定して、目的粒度の範囲内となるものを得た。
粒度測定結果は、100μm以下の微粉量が15%以下で全ての粒子が1000μm以下のものであった。
粒度測定は、前述のレーザー回折式粒度分布測定装置により行った。
<製造例2の微粉クラッカー粉>
目的とする微粉クラッカー粉は、市販のクラッカー粉(富士パン粉工業(株)製/水分含有量:8%)を購入し、これを粉砕機で粉砕し、30メッシュの篩にて振り分けし、その粒度を測定して、目的粒度の範囲内となるものを得た。
粒度測定結果は、100μm以下の微粉量が15%以下で全ての粒子が1000μm以下のものであった。
粒度測定は、前述のレーザー回折式粒度分布測定装置により行った。
<卵粉末>
卵白粉末(太陽化学(株)製)
<粉末状調味料成分:醤油粉末(ロースト醤油粉末)>
醤油粉末(仙波糖化工業(株)製)をアルミカップに載せてオーブンにて150℃で3分間加熱し、ロースト醤油粉末にした。
<シート>
キッチン用のタオル用紙(日本製紙クレシア(株)製、クリネックスペーパータオルハイ
パードライ)
シート付着防止効果、食感、風味の評価は、いずれも、参考例1の評価を4点として相対評価を行った。
<シート付着防止効果:シート付着率及び剥がれ易さ>
7点:全く付着しない
6点:参考例1よりも、シート付着率が低く、容易に剥がれる(シート付着率5%未満)
5点:参考例1よりも、ややシート付着率が低く、容易に剥がれる(シート付着率5〜10%)
4点:参考例1と同程度のシート付着率、剥がれ易さである(シート付着率10〜20%)
3点:参考例1よりも、ややシート付着率が高く、剥がれにくい(シート付着率20〜30%)
2点:参考例1よりも、シート付着率が高く、剥がれない(シート付着率30〜40%)
1点:参考例1よりも、シート付着率がかなり高く、剥がれない(シート付着率40%超)
なお、シート付着率(%)は、(シート付着ありと判断した個数/総数)×100で算出した。
<官能評価:食感>
7点:参考例1よりも、ドライで歯切れがよい
6点:参考例1よりも、ややドライ感がある かつ 歯切れが良い
5点:参考例1よりも、ややドライ感がある または やや歯切れが良い
4点:参考例1と同等のドライ感と歯切れの良さ
3点:参考例1よりも、やや粉っぽい または部分的にべたつきあり
2点:参考例1よりも、粉っぽい または べたつく
1点:参考例1よりも、非常に粉っぽい また非常にべたつく
<官能評価:風味>
7点:参考例1よりも非常に好ましい
6点:参考例1よりも、好ましい
5点:参考例1よりも、香ばしい風味が感じられ、配合物由来や食材の、異味・異臭がなく、やや好ましい
4点:参考例1と同等の風味
3点:参考例1よりも配合物由来の独特の風味を感じる
2点:参考例1よりも、若干の異味・異臭を感じる(配合物由来など)
1点:参考例1よりも、異味・異臭を感じる
Figure 2015130820
表1に示すように、特許文献1に記載の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物(参考例1)に、微粉パン粉又は微粉クラッカー粉を配合することによって、参考例1を基準としたときに、これよりもシート付着防止効果が向上した。また、微粉パン粉又は微粉クラッカー粉を配合すると、得られたから揚げ様食品の風味は、参考例1のから揚げ様食品のものと比較しより向上した。さらに、得られたから揚げ様食品の食感は、参考例1のから揚げ様食品と比較し概ね同等程度又はそれ以上であった。
本技術において、配合した微粉化パン粉及び微粉化クラッカー粉は、特許文献1に記載の比較例1及び2に使用していたものであり、これら組成物は電子レンジ調理後の食品へのシートの付着率が非常に高く(付着数 6〜8/8)、剥がすのにも手間が必要であったことからすると、これらをさらに配合することで、シート付着防止効果が高くなったことは全くの意外であった。
また、市販のパン粉を参考例1に配合し、実施例1と同様に行ったが、パン粉が付着せず、シート付着防止効果は向上しなかった(参考例2)。
また、実施例1の「ロースト醤油粉末」に代えて、ロースト前の「醤油粉末」を用いた場合(実施例10)及び「味噌粉末」の場合(実施例11);実施例1の「粉末状脱脂大豆」に代えて「粉末状全粒大豆」を用いた場合(実施例12);でも、シート付着防止効果を確認したが、実施例1とほぼ同様の良好な結果が得られた。また、実施例1の「微粉パン粉」に代えて、微粉パン粉及び微粉クラッカー粉(1:1)を用いた場合でも、シート付着防止効果を確認したが、実施例1とほぼ同様の良好な結果が得られた(実施例13)。実施例10〜13で得られたから揚げ様食品の何れも食感及び風味も良好であった。
以上のように、前記(a)特定の粗粒物、前記(b)大豆加工粉末、前記(c)醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分、並びに前記(d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉含有の組成物は、電子レンジ調理後に高いシート付着防止効果を有するものである。この組成物を電子レンジ調理に用いることで、シートの付着が少ない又はほとんどないから揚げ様食品が簡単に得ることができ、このから揚げ様食品は良好な食感及び風味を有する。このことから、前記(a)〜(d)含有の組成物は、電子レンジ調理に特化したから揚げ様衣用組成物と言える。
また、本開示の電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物中の微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の含有量が2〜30質量%のときにシート付着防止効果が高く、かつ喫食時の食感及び風味も良好であった。さらに、微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉の含有量が5〜20質量%のときに、よりシート付着防止効果が高く、かつ喫食時の食感及び風味が共により良好であった。

Claims (7)

  1. (a)コーングリッツ、セモリナ及びパスタ粉砕物から選ばれる1種以上の粗粒物10〜60質量%、
    (b)大豆加工粉末5〜50質量%、
    (c)醸造調味粉末を含む粉末状調味料成分27〜60質量%、並びに
    (d)微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉
    を含有する電子レンジ調理用のから揚げ様衣用組成物。
  2. さらに、卵粉末1〜20質量%を含有する請求項1記載のから揚げ様衣用組成物。
  3. 前記微粉パン粉及び/又は微粉クラッカー粉が、2〜25質量%である請求項1又は2記載のから揚げ様衣用組成物。
  4. 前記醸造調味粉末の含有率が、粉末状調味料成分全量中、1〜75質量%である請求項1〜3の何れか1項記載のから揚げ様衣用組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載のから揚げ様衣用組成物を食材に付着させ、
    前記から揚げ様衣用組成物を付着させた食材に、シートを接触させて電子レンジ調理する、から揚げ様食品の製造方法。
  6. から揚げ様衣用組成物を食材に付着させ、シートを接触させて電子レンジ調理してから揚げ様食品を得る際に、請求項1〜4の何れか1項記載のから揚げ様衣用組成物を用いることを特徴とする、シート付着防止方法。
  7. 請求項1〜4の何れか1項記載のから揚げ様衣用組成物を、食材に付着させ、これをシートに接触させて電子レンジ調理することを特徴とする、から揚げ様食品の調理方法。

JP2014003641A 2014-01-10 2014-01-10 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物 Pending JP2015130820A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014003641A JP2015130820A (ja) 2014-01-10 2014-01-10 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014003641A JP2015130820A (ja) 2014-01-10 2014-01-10 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015130820A true JP2015130820A (ja) 2015-07-23

Family

ID=53898640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014003641A Pending JP2015130820A (ja) 2014-01-10 2014-01-10 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015130820A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020174610A (ja) 冷凍餃子及びその製造方法
JP2589483B2 (ja) 唐揚げ用ミツクス粉
JP5054839B2 (ja) 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物
JP6533398B2 (ja) ノンフライ加熱調理用食品の製造方法及びノンフライ加熱調理用ミックス並びにノンフライ加熱調理用食品
JPS58129942A (ja) フライ様食品の製造法
JP3938703B2 (ja) ノンフライ唐揚げ用ミックス
JP5755468B2 (ja) から揚げの製造方法
JP6306361B2 (ja) イカフライ様食品用パン粉含有ミックス粉
JP5403627B2 (ja) 衣ミックス粉およびそれを用いた唐揚げ様食品または唐揚げの製造方法
JP5990457B2 (ja) 電子レンジ調理用パン粉
TW202126183A (zh) 組成物
JP2015130820A (ja) 電子レンジ調理用から揚げ様衣用組成物
JP5116115B2 (ja) 焼成用衣ミックス及びこれを使用した焼成食品
JPH0424030B2 (ja)
JP6804011B1 (ja) 包餡食品及び餡の製造方法
JP6053622B2 (ja) ノンフライ調理用衣ミックス
JP6325277B2 (ja) 鶏唐揚げ又は鶏唐揚げ様食品の製造方法及びとり肉の臭み低減剤
JP5896695B2 (ja) 電子レンジ調理用コーティングミックス粉
JPH0928339A (ja) 唐揚げ粉ミックス
JP5512571B2 (ja) エビフライ様食品用ミックス粉
JP2012139196A (ja) 電子レンジで調理するまぶしタイプのノンフライから揚げ様食品用ミックス粉
JPH11103809A (ja) 高機能の性質を有する乾燥おから粉末の製造方法及びその食品の製造方法並びにそれを含む食品素材
JPS5889152A (ja) ベ−キング用被覆調味料組成物
JP2021036780A (ja) 包餡麺帯食品及びその製造方法
JP2022107247A (ja) 新規食品製造用ミックス、及び新規食品の製造方法