JP6040911B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
リテーナは、ハウジング内に設けられたランスと共に端子を二重に係止する構成とされており、リテーナの挿入方向手前側に設けられた操作部を操作することにより端子が抜き差し可能な仮係止位置と、端子をランスと共に二重に係止する本係止位置との間を変位可能とされている。また、リテーナは、リテーナの挿入方向奥側に設けられた弾性変位可能な係止部がハウジングに設けられた被係止部と係止することでリテーナが仮係止位置または本係止位置に保持されるようになっている。
また、係止部と補強部とがリテーナの挿入方向に一直線上に並ぶことになるから、補強部が逃がし部の中央部分に設けられる場合に比べて、操作部に与えられる力をより確実に係止部に伝えることができる。
前記補強部は、前記逃がし部の前記操作部側の端部と前記逃がし部の前記係止部側の端部とを前記リテーナの挿入方向に連結している構成としてもよい。
このような構成によると、逃がし部が変形することを防ぎつつ、操作部に与えられる力を、補強部を通して係止部にしっかりと伝えることができるから、仮係止位置と本係止位置との間でリテーナを正しく変位させることができる。
このような構成によると、ゴムリングを抜け止めするフロントホルダに第二ランスが一体に形成されているから、コネクタの構成部品が増加することを防ぐことができる。
このような構成によると、第二ランスが設けられた前側端子収容部と逃がし部とが当接することで、フロントホルダに別途抜け止め部を設けることなく、ハウジングからリテーナが脱落することを防ぐことができ、フロントホルダが複雑になることを防ぐことができる。
本発明の一実施形態について図1乃至図14を参照して説明する。
本実施形態は、複数種類の端子20を収容してなるハイブリッド型のコネクタ10を例示しており、図1および図4に示すように、小型の小端子(「第一端子」に相当する)20Sと中型の中端子(「第二端子」に相当する)20Mと図示しない大型の大端子との複数種類の端子20と、これらの端子20が収容される左右方向に横長なハウジング30と、ハウジング30の側面から挿抜可能に設けられたリテーナ60とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1の上下方向を基準とする。また、前後方向とは図4を基準として、図示左側を前側、図示右側を後側として説明する。
ハウジング30は、図3乃至図6に示すように、各端子20を収容する複数のキャビティ34が設けられた端子収容部31と、端子収容部31の外面を全周に亘って囲むように形成されたフード部32と、端子収容部31に前方から装着される別体のフロントホルダ50とを備えて構成されており、端子収容部31とフード部32との間に相手側コネクタの相手側フード部(図示せず)が嵌合されるようになっている。
また、フード部32には、一側方(図2の図示手前側)に開口するリテーナ挿入孔36が設けられており、このリテーナ挿入孔36からリテーナ60が挿抜可能とされている。
リテーナ収容孔43は、リテーナ挿入孔36が設けられた一側(図5および図6の図示右側)の側方タワー部41から中央タワー部42を通ってリテーナ挿入孔36が設けられていない他側(図5および図6の図示左側)の側方タワー部41にまで亘って左右方向に延びて設けられている。また、リテーナ収容孔43は、シールタワー部37の前端面がリテーナ収容孔43の後側内面となるように中央タワー部42および側方タワー部41の根元に設けられており、リテーナ60の後面とシールタワー部37の前端面とを摺動させつつ、リテーナ60が端子20の収容方向と交差するように一側から他側に向かってリテーナ収容孔43に収容される構成となっている。
そして、操作部63が押圧されて係止片65が弾性変位することにより本係止爪67が被係止部44を乗り越え、本係止爪67と被係止部44とが左右方向に係止することでリテーナ60が本係止位置に保持される。
また、操作部63が引っ張られて係止片65が弾性変位することにより本係止爪67が被係止部44を乗り越え、仮係止爪66と被係止部44とが左右方向に係止することでリテーナ60が仮係止位置に保持されるようになっている。
この逃がし部68は、図4に示すように、リテーナ本体61の前端面からリテーナ本体61の板厚方向である後方に向かって切り欠かれると共に、リテーナ本体61の上端面から下方に向かって切り欠かれた形態とされている。したがって、逃がし部68は、図11に示すように、リテーナ本体61の上端に開口する正面視略U字状に形成されている。
すなわち、リテーナ本体61において係止片65と操作部63との間に逃がし部68が設けられることで、操作部63を操作してリテーナ60を移動させる際に、逃がし部68が左右方向に潰れるようにリテーナ本体61の変形が懸念される。ところが、本実施形態によると、逃がし部68の上端開口を補強部69によって左右方向(リテーナの挿入方向)に連結して逃がし部68が潰れることを防いでいるから、仮係止位置と本係止位置との間においてリテーナ本体61を正しく左右方向に移動させることができる。
つまり、端子収容部31内に大中小の各端子20を混在させて収容しつつ、各端子20の接続部21の後端部をリテーナ本体61の端子係止部64によって係止できるようになっている。
フロントホルダ50は、図1、図3乃至図6、図8に示すように、端子収容部31を全周に亘って取り囲む囲部51と、中央タワー部42の前端面に組み付けられる前壁部52と、端子収容部31の配置空間Sに配される前側端子収容部55とを備えて構成されている。
また、上側の対向壁54には、図8および図14に示すように、幅狭部45の上面における左右方向両側に設けられた被ロック部49と係止するロック部53が設けられ、下側の対向壁54には、幅広部46の下面における左右方向両側に設けられた被ロック部49と係止するロック部53が設けられている。
つまり、図9および図10に示すように、一側の前側端子収容部55の後端部がリテーナ本体61の逃がし部68内に前方から嵌まり込んでいるから、操作部63を操作してリテーナ60を本係止位置から仮係止位置に勢いよく変位させる場合においても、前側端子収容部55の後端部が逃がし部68の内面とリテーナ60の抜け方向である左右方向に当接し、リテーナ60が勢い余ってハウジング30から外れてしまうことを防止することができるようになっている。
中ランス56は、中キャビティ34Mの後端上面から下方に真っ直ぐ突出した後、その下端部から前方に延びて、前端部が斜め下に向かって延出された形態をなしている。つまり、中ランス56は、付け根部分から斜め前下方に向かって延びるランスに比べて、前後方向の長さを短くしつつ、上下方向への弾性変位量を確保した構成となっている。そして、フロントホルダ50が端子収容部31に装着されると、一側の前側端子収容部55が逃がし部68内に嵌まり込み、前側端子収容部55内に設けられた中ランス56がリテーナ本体61の通過経路上に配置されるようになっている。また、中ランス56は、中キャビティ34M内に中端子20Mが挿入されると、中端子20Mの接続部21に設けられたランスホール21Bに嵌まり込み、中端子20Mを後方に抜け止めするようになっている。
変形防止リブ57は、ロック部53と上下に並ぶようにロック部53の下方に配されており、前壁部52からロック部53よりも後方まで真っ直ぐ延びた形態とされている。
一方、幅狭部45の変形防止凹部47は、図3、図7および図8に示すように、左右方向に凹んだ形態で幅狭部45の前端からリテーナ収容孔43まで真っ直ぐ延びた形態とされており、幅狭部45内の小キャビティ34Sと上下方向に並ばず、かつ被ロック部49と上下に並ぶように被ロック部49の下方に配されている。つまり、ロック部53および被ロック部49と変形防止リブ57と変形防止凹部47とは、上下方向に並んだ状態となっている。
詳細には、ロック部53が被ロック部49に乗り上げると、ロック部53と変形防止リブ57とが被ロック部49を上下方向から挟んだ状態となり、被ロック部49が設けられた幅狭部45の上端部は、変形防止リブ57により下方から支持された状態となる。
つまり、端子収容部31内に、キャビティ34や嵌合凹部42Aが設けられ、対向壁54にスリット54Aが設けられていると、ロック部53が被ロック部49に乗り上げた際に、端子収容部31がキャビティ34や嵌合凹部42A内に過度に内倒れしたり、対向壁54が外側に過度に開いたりして、端子収容部や対向壁が塑性変形することが懸念される。
しかしながら、本実施形態によると、ロック部53が被ロック部49に乗り上げた際に、ロック部53と変形防止リブ57とが被ロック部49を上下方向から挟んだ状態となり、上側の対向壁54が変形防止リブ57から離れるように過度撓みすることを防ぐことができる。また、被ロック部49が設けられた幅狭部45の上端部は、変形防止リブ57により下方から支持された状態となり、被ロック部49が設けられた幅狭部45の上端部が下方に過度撓みすることを防ぐことができる。これにより、対向壁54や幅狭部45が過度撓みして塑性変形することを抑制することができ、ロック部53と被ロック部49との係止代が減少することを抑制することができるようになっている。
まず、端子収容部31のシールタワー部37の外周面にゴムリングG2を外嵌させる。
次に、ハウジング30のリテーナ挿入孔36を通して中央タワー部42および側方タワー部41のリテーナ収容孔43にリテーナ60を挿入する。そして、リテーナ収容孔43内の被係止部44とリテーナ60における係止片65の仮係止爪66とを左右方向に係止させる。これにより、図10に示すように、リテーナ60が仮係止位置に保持される。
すなわち、ロック部53が被ロック部49に乗り上がり始めた時点から、ロック部53と変形防止リブ57とが被ロック部49を上下方向から挟んだ状態となることで、囲部51における上側の対向壁54が変形防止リブ57から離れるように過度撓みすることを防ぐことができる。また、被ロック部49が設けられた幅狭部45の上端部が変形防止リブ57により下方から支持された状態となることで、被ロック部49が設けられた幅狭部45の上端部が下方に過度撓みすることが抑制される。これにより、対向壁54や幅狭部45が過度撓みして塑性変形することを抑制することができ、ロック部53と被ロック部49との係止代が減少することを抑制することができる。
これにより、シールタワー部37と中央タワー部42と前壁部52とにより小キャビティ34Sが構成され、シールタワー部37と前側端子収容部55とにより中キャビティ34Mが構成される。
各キャビティ34が構成されたところで、各キャビティ34に後方から対応する各端子20を挿入し、各端子20がそれぞれの対応するランス38、40、56によって係止される。
ここで、リテーナ60を仮係止位置から本係止位置に移動させるには、リテーナ本体61の操作部63を押圧し、操作部63を押圧した力が係止片65にしっかりと伝えられることで係止片65の本係止爪67がリテーナ収容孔43の被係止部44を乗り越え、図9に示すように、被係止部44と本係止爪67とが左右方向に係止する。
また、補強部69は、図11に示すように、リテーナ本体61の上端面と面一となるように設けられており、係止片65と補強部69とがリテーナ60の挿入方向に一直線上に並ぶから、例えば、補強部が逃がし部の上下方向略中央部などに設けられる場合に比べて、操作部63に与えられる力をより確実に係止片65に伝えることができる。
最後に、フード部32内にスライドレバー35を収容し、コネクタ10の組み付け作業が完了する。
また、中ランス56が設けられた前側端子収容部55が、ゴムリングG2を抜け止めするフロントホルダ50に一体に設けられているから、コネクタ10の構成部品が増加することを防ぐことができる。
さらに、補強部69は、リテーナ60の挿入方向に係止片65と一直線上に並んでいるから、例えば、補強部が逃がし部の上下方向略中央部などに設けられる場合に比べて、操作部63に与えられる力をより確実に係止片65に伝えることができるようになっている。
また、操作部63を操作して、リテーナ60を本係止位置から仮係止位置へ移動させる場合にも、リテーナ60の引き抜く力を操作部63から係止片65にしっかりと伝えることができる。
ところが、本実施形態によると、リテーナ60を本係止位置から仮係止位置へ移動させる際に、リテーナ60が仮係止位置に至ると、前側端子収容部55と逃がし部68の内面とが左右方向(端子20の収容方向と交差する方向)に当接する。これにより、リテーナ60がリテーナ収容孔43およびリテーナ挿入孔36から引き抜かれて、ハウジング30から脱落することを防ぐことができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、スライド可能なスライドレバー35を備えたコネクタ10に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、回動型のレバーを備えていてもよく、レバーを備えていなくともよい。
(2)上記実施形態では、補強部69をリテーナ本体61の上端面と面一となるように構成したが、参考例として、例えば、リテーナ本体の上端面よりも下方に補強部を設けてもよい。
(3)上記実施形態では、大中小の3種類の端子20が混在する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、大きさの異なる2種類の端子や4種類以上の端子が混在する構成にしてもよい。
20:端子
20M:中端子(第二端子)
20S:小端子(第一端子)
30:ハウジング
31:端子収容部
40:小ランス(第一ランス)
44:被係止部
50:フロントホルダ
55:前側端子収容部
56:中ランス(第二ランス)
60:リテーナ
63:操作部
65:係止片(係止部)
68:逃がし部
69:補強部
G2:ゴムリング
Claims (4)
- 大きさの異なる複数種類の端子を後方から収容する端子収容部を有するハウジングと、前記ハウジングの側面から前記端子の収容方向と交差する方向に挿入して、前記端子を後方に抜け止めするリテーナとを備えたコネクタであって、
前記リテーナは、同リテーナの挿入方向手前側に設けられた操作部を操作することで前記端子を挿抜可能な仮係止位置と、前記端子を抜け止めする本係止位置との間を変位可能に設けられ、同リテーナの挿入方向奥側に設けられた係止部が前記ハウジングに設けられた被係止部と係止することで、同リテーナが前記仮係止位置と前記本係止位置とに保持されるようになっており、
前記複数種類の端子のうち小型の第一端子は、前記端子収容部に設けられた第一ランスに係止され、前記複数種類の端子のうち、前記第一端子よりも大きい第二端子は、前記リテーナにおいて前記操作部と前記係止部との間を切り欠いた逃がし部内に嵌まり込んで前記端子収容部に組み付けられる第二ランスに係止されるようになっており、
前記逃がし部には、前記リテーナを操作する際に、前記逃がし部が変形することを防ぐ補強部が設けられており、
前記係止部および前記逃がし部は、前記リテーナの外周面に設けられており、
前記補強部は、前記リテーナの外周面と面一状になるように前記リテーナの挿入方向に真っ直ぐ延びて形成されているコネクタ。 - 前記補強部は、前記逃がし部の前記操作部側の端部と前記逃がし部の前記係止部側の端部とを前記リテーナの挿入方向に連結している請求項1記載のコネクタ。
- 前記端子収容部には、同端子収容部に外嵌されるゴムリングを抜け止めするフロントホルダが装着されるようになっており、
前記第二ランスは、前記フロントホルダに一体に形成されている請求項1または請求項2に記載のコネクタ。 - 前記フロントホルダは、前記第二端子の前部を収容する前側端子収容部を備えており、
前記第二ランスは、前記前側端子収容部内に設けられた状態で、前記逃がし部内に嵌まり込むようになっており、
前記リテーナは、本係止位置から仮係止位置に至った際に、前記逃がし部と前記前側端子収容部とが前記端子の収容方向と交差する方向に当接することで、前記リテーナを前記ハウジングから抜け止めする請求項3記載のコネクタ。
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