JP6038768B2 - アクチュエータ - Google Patents
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アクセルペダル装置の中には、アクセルペダルと、アクセルペダルを回動可能に支持する樹脂製のハウジングと、所定条件下でアクセルペダルを休止位置に向けて押し戻すように制御するアクティブ制御機構とを備えたものがある。アクティブ制御機構は、駆動源、戻しレバー、制御回路基板等で構成されており、ハウジングの内側に固定されている。これにより、アクセルペダル装置全体の小型化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、基板カバーを設けることによって、モータ制御基板への被水や塵埃の浸入を防止できる。また、ヒートシンクにガイド部を形成する一方、基板カバーに被ガイド部を形成することにより、ベース部材の基板カバー取付位置に基板カバーを容易に配置できる。このため、組み立て作業性を向上できる。
しかしながら、ベース部材とは別に軸受プレートを設けることによって、ベース部材よりも小型な軸受プレートは製作精度を高めやすく、ギヤ軸の軸間寸法を高精度に設定することが可能になる。また、ベース部材も、軸受プレートに支持されているギヤ軸とは別の他のギヤ軸の軸間寸法だけ高精度に設定すればよいので、軸間寸法の精度を高め易く製造コストも低減できる。
図1は、アクセルペダル装置100の斜視図である。なお、以下の説明において、前後上下等の向きは、特に記載がなければ不図示の車体の向きと同一とする。すなわち、以下の説明では、車両進行方向前方を単に前方と称し、車両進行方向後方を単に後方と称し、重力方向上側を単に上側と称し、重力方向下側を単に下側と称して説明する。
図1に示すように、アクセルペダル装置100は、車体(不図示)の運転席の足元に配置されるものであって、アクセルペダル101と、アクセルペダル101の前方に配置され、アクセルペダル101の操作状況を監視するペダル監視装置102と、アクセルペダル101の前方に配置され、ペダル監視装置102の監視結果に基づいて、アクセルペダル101の踏力に抗するようにアクセルペダル101に反力を付与するアクチュエータ1と、を備えている。
ペダル側アーム104の一端は、アクセルペダル101の踏面101aの裏側に、回動自在に連結されている。一方、ペダル側アーム104の他端は、装置BOX103に回動自在に連結されている。
装置BOX103は、ペダル側アーム104の倒れ込み量に基づいてアクセルペダル101の踏みこみ量を算出し、この算出結果を信号として車体に搭載された不図示のECU(Engine Control Unit)に出力する。ECUは、装置BOX103からの出力信号に基づいて、アクチュエータ1に制御信号を出力する。
図2は、アクチュエータ1の斜視図であって、基板カバー5を取り外した状態を示す。図3は、アクチュエータ1の縦断面図である。
図1〜図3に示すように、アクチュエータ1は、板状のベース部材2と、ベース部材2の一面2a側に取り付けられるモータ3および制御部4と、ベース部2の一面2a側に取り付けられ、モータ3および制御部4を覆う基板カバー5と、ベース部材2の他面2b側に取り付けられる減速機構6と、ベース部材2の他面2b側に取り付けられ、減速機構6を覆うギヤカバー7と、を備えている。
モータ3は、ベース部2の一面2aのうち、制御部4よりも上側に配置されており、有底筒状のヨーク8を有している。ヨーク8の内部に、不図示のステータおよびロータ11が収納されている。ヨーク8の開口部周縁には、ベース部2にヨーク8を固定するためのフランジ部9が設けられている。このフランジ部9をベース部2の一面2aに当接させた状態で、ベース部2に、フランジ部9がボルト10によって締結固定される。
また、ロータ11の回転軸12の一端(図3における左側端)には、減速機構6に噛合うピニオンギヤ13が圧入固定されている。
図4は、基板カバー5内のモータ3および制御部4の組付け状態をベース部2側からみた平面図、図5は、基板カバー5を取り外した状態のアクチュエータ1の側面図である。
図2、図4、図5に示すように、制御部4は、ベース部2の一面2aのうち、下側に配置されており、モータ3の駆動制御を行うモータ制御基板14と、モータ制御基板14が取り付けられ、このモータ制御基板14での発熱を放熱するためのヒートシンク20と、を有している。
また、モータ制御基板14には、上下方向の両端で、かつベース部材2寄りに、それぞれ位置決め用切欠き部19が形成されている。この位置決め用切欠き部19は、モータ制御基板14と、ヒートシンク20との位置決めに用いられる。
図2、図6、図7に示すように、ヒートシンク20は、モータ制御基板14の後面14b側に配置されている。ヒートシンク20は、板状に形成されたヒートシンクベース部21を有している。このヒートシンクベース部21は、ベース部材2の厚さ方向に沿うように、かつ上下方向に沿うように配置されている。ヒートシンクベース部21の上下方向両側辺には、それぞれフランジ部26a,26bが延出形成されている。
なお、以下の説明では、ヒートシンクベース部21およびフランジ部26a,26bの前面を、総称してヒートシンク20の前面20aといい、ヒートシンクベース部21およびフランジ部26a,26bの後面を、総称してヒートシンク20の後面20bという。
また、ヒートシンク20の前面20aには、外周部に略円柱状のボルト座24が3か所にほぼ等間隔に突出形成されている。このボルト座24には、雌ネジ部24aが刻設されている。そして、ボルト座24上にモータ制御基板14を載置し、モータ制御基板14側からボルト25をボルト座24に螺入することにより、ヒートシンク20にモータ制御基板14が締結固定されるようになっている。
また、フランジ部26a,26bには、位置決め突起27よりもベース部材2側に、それぞれ切欠き部28が形成されている。この切欠き部28によって、ヒートシンク20のベース部材2側端部が、後述するベース部材2の凹部85に挿入される。
この他に、ヒートシンク20の後面20bには、ヒートシンクベース部21とフランジ部26a,26bとの接続部に溝部31が形成されている。
さらに、取付ベース32よりもベース部材2側に向かってヒートシンクベース部21が延出形成されている。この延出された箇所における前面20a側に、3つのボルト座24のうちの1つが突出形成されている。
図8は、基板カバー5の斜視図である。
図2、図8に示すように、基板カバー5は、モータ3や制御部4への被水や塵埃の浸入を防止するためのものであって、一面が開口するように箱状に形成された基板カバー本体35と、基板カバー本体35の開口部35aの周縁に一体成形された外フランジ部36とにより構成されている。
モータカバー部37は、モータ3のヨーク8の形状に対応するように、略有底筒状に形成されている。そして、モータカバー部37にヨーク8が内嵌されるようになっている。
制御部カバー部38は、制御部4全体を周囲から覆うように、略四角箱状に形成されており、制御部カバー部38とモータカバー部37は、連通している。
また、外フランジ部36には、上端の幅方向略中央と、下端の角部と、上下方向の略中央で、かつ前側に、それぞれボルト座44が一体成形されている。これらボルト座44は、ベース部材2に基板カバー5をボルト45(図1参照)によって締結固定するためのものであって、それぞれボルト45を挿通可能な貫通孔44aが形成されている。
図3に示すように、減速機構6は、モータ3の回転軸12の回転速度を減速させると共に、トルクを増大させて出力するものであって、第1ギヤ部51、第2ギヤ部52および第3ギヤ部53の3つのギヤ部51,52,53を備えている。これギヤ部51,52,53は、上から第1ギヤ部51、第2ギヤ部52、第3ギヤ部53の順番で配置されている。
第1大径ギヤ56は、第1小径ギヤ55よりも大径に形成されており、モータ3の回転軸12に圧入固定されているピニオンギヤ13に噛合されている。
第2大径ギヤ59は、第2小径ギヤ58よりも大径に形成されており、第1小径ギヤ55に噛合されている。また、第2大径ギヤ59のベース部材2側の端面59aには、中央の大部分に後述の軸受プレート90の補軸受プレート92を受け入れ可能な凹部59bが形成されている。
小径軸61bの先端には、フランジ付スリーブ67を介して突出する雄ネジ部68が一体成形されている。この雄ネジ部68に、アクチュエータ側アーム70がナット71により締結固定されている。
ギヤカバー7の開口部7aの周縁には、外フランジ部7bが形成されており、この外フランジ部7bが、ボルト80によってベース部材2に締結固定されている。
図3、図5に示すように、ベース部材2の一面2aにおける上側には、モータ3を受け入れ可能な凹部82が形成されている。この凹部82にモータ3の一部が収納されるようにして、ベース部材2にモータ3がボルト84によって締結固定されている。また、凹部82の底部82aには、貫通孔83が形成されている。この貫通孔83を介して、回転軸12に圧入固定されたピニオンギヤ13が減速機構6側に突出されている。
取付ベース32の貫通孔34(図7参照)に挿通されたボルト33(図2参照)は、ベース部材2の不図示の雌ネジ部に螺入される。これにより、ベース部材2にヒートシンク20の取付ベース32が締結固定される。そして、ベース部材2に取付ベース32を締結固定した状態で、ベース部材2の凹部85にヒートシンクベース部21の端部が挿入される。
ここで、第2ギヤ軸57の他端、および第3ギヤ軸61の他端(小径軸61cの先端)は、ベース部材2に回転自在に支持されておらず、ベース部材2に取り付けられている軸受プレート90にそれぞれ回転自在に支持されている。
図3、図9に示すように、軸受プレート90は、第3ギヤ軸61の他端を回転自在に支持する略円環状の軸受プレート本体91と、軸受プレート本体91の側部に一体成形され、第2ギヤ軸57の他端を回転自在に支持する補軸受プレート92とにより構成されている。
補軸受プレート92の径方向中央には、第2ギヤ軸57の他端を回転自在に支持するための軸受孔95が形成されている。
また、第2大径ギヤ59に形成されている凹部59bに、補軸受プレート92が収納された状態になっている。さらに、軸受プレート本体91の壁部93に開口部93aが形成されているので、壁部93と第2大径ギヤ59とが干渉しないようになっている。
次に、図1、図3に基づいて、アクセルペダル装置100の動作について説明する。
図1、図3に示すように、運転者がアクセルペダル101の踏面101aを踏み込むと、アクセルペダル101は、基部101bを中心に旋回する。そして、アクセルペダル101の先端が下方に向かって移動する。これに伴って、アクセルペダル101との相対角度を変化させながら、ペダル側アーム104の一端が下方に向かって旋回移動する。装置BOX103では、ペダル側アーム104の旋回移動量に基づいて、アクセル開度が算出される。算出されたアクセル開度は、信号として車体に設けられた不図示のECUに出力される。
(1)車両がカーブを走行している場合
(2)車両の前方の所定距離内に物体(他の車両や人など)の存在が認められる場合
なお、走行状況は、上述の2通りに限られるものではなく、さまざまな走行状況を挙げることができるが、ここでは走行状況の一例として2通りだけ挙げた。
この状態で、運転者がアクセルペダル101の踏面101aを踏み込み、アクセルペダル101の先端が下方に向かって移動すると、これに伴ってアクチュエータ側アーム70の先端も、トーションスプリング73のバネ力に抗して下方に向かって旋回移動する。
次に、制御部4および基板カバー5の組付け作業について説明する。
制御部4は、ヒートシンク20にモータ制御基板14を組み付け、この後、ベース部材2にヒートシンク20を組み付けることにより、組付けを完了させる。このように、モータ制御基板14は、ヒートシンク20を介してベース部材2に固定される。
なお、ベース部材2に予めヒートシンク20を組み付けた後、このヒートシンク20にモータ制御基板14を組み付けるようにしてもよい。
また、基板カバー5を組み付ける最中において、ヒートシンク20のフランジ部26a,26bとガイド溝41,43とにより、ベース部材2に対する基板カバー5の移動が、基板カバー5の挿入方向(組付け方向)のみに規制される。このため、基板カバー5のコネクタカバー部39に、モータ制御基板14のコネクタ16が片当たりすることなく、スムーズに挿入される。
このように、ヒートシンク20に組み付けられているモータ制御基板14は、ベース部材2に制御部4および基板カバー5を組付けた状態において、ヒートシンク20のみに接触している。このため、例えば、ベース部材2や基板カバー5が、熱膨張または熱収縮することによって変形したり、外力によって変形したりした場合であっても、この変形による影響をモータ制御基板14が受けてしまうことを抑制できる。また、ヒートシンク20によって、モータ制御基板14での発熱を効率よく放熱させることができる。よって、モータ3、減速機構6およびモータ制御基板14を一体化して小型化を図りつつ、熱や外力の影響を受けにくいアクチュエータ1を提供できる。
さらに、アクチュエータ1の取り付け姿勢は、制御部4の上側にモータ3が位置した姿勢になっている。ここで、モータ3から発せられた熱は上昇する。つまり、モータ3の取付位置よりも制御部4のモータ制御基板14の取付位置を下側に設定することにより、モータ3で発生した熱がモータ制御基板14側に移動するのを防止できる。これにより、モータ制御基板14のモータ3による熱害を防止できる。
しかしながら、各ギヤ軸54,67,61のうち、第2ギヤ軸57および第3ギヤ軸61の他端をベース部材2よりも小型な軸受プレート90に回転自在に支持させることにより、第2ギヤ軸57と第3ギヤ軸61との間の寸法精度を高精度に設定することができる。これに加え、第1ギヤ軸54と第2ギヤ軸57との間の寸法精度も高め易くなる。この結果、製造コストを低減できると共に、不良品の発生率を低減できる。
例えば、上述の実施形態では、アクチュエータ1をアクセルペダル装置100に適用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな装置にアクチュエータ1を適用することができる。
さらに、3つのギヤ軸54,57,61の他端のうち、第1ギヤ軸54の他端をベース部材2に回転自在に支持させ、第2ギヤ軸57および第3ギヤ軸61の他端を、それぞれベース部材2とは別体の軸受プレート90に回転自在に支持させた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくとも1つのギヤ軸(54,57,61)の他端が、ベース部材2とは別体のもの(軸受プレート)に回転自在に支持されているように構成すればよい。
少なくとも1つのフランジ部とガイド溝とが形成されていれば、これらフランジ部およびガイド溝と、モータカバー部37とモータ3のヨーク8との嵌合構造とを併用し、ベース部材2に対する基板カバー5の位置決めを行うことが可能になる。
2…ベース部材
2a…一面
2b…他面
3…モータ
4…制御部
5…基板カバー
6…減速機構
7…ギヤカバー
12…回転軸
14…モータ制御基板
20…ヒートシンク
21…ヒートシンクベース部
26a,26b…フランジ部
41,43…ガイド溝
51…第1ギヤ部(ギヤ)
52…第2ギヤ部(ギヤ)
53…第3ギヤ部(ギヤ)
54…第1ギヤ軸(ギヤ軸)
57…第2ギヤ軸(ギヤ軸)
61…第3ギヤ軸(ギヤ軸)
90…軸受プレート
91…軸受プレート本体
92…補軸受プレート
100…アクセルペダル装置
L1…離間距離
Claims (5)
- モータと、
前記モータの回転軸の回転数を減速させて出力する減速機構と、
前記モータおよび前記減速機構が取り付けられるベース部材と、
前記モータの駆動制御を行うモータ制御基板と、
前記モータ制御基板での発熱を放熱するためのヒートシンクと、
前記ベース部材に取り付けられ、少なくとも前記ヒートシンクおよび前記モータ制御基板を覆う基板カバーと、を備え、
前記ベース部材に前記ヒートシンクを取り付け、
前記ヒートシンクに前記モータ制御基板を取り付け、
前記ヒートシンクにガイド部を形成する一方、前記基板カバーに、前記ガイド部に係合する被ガイド部を形成し、
前記ガイド部と前記被ガイド部とが係合することによって、前記基板カバーが、前記ベース部材の基板カバー取付位置に案内されることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記ヒートシンクは、
前記ベース部材の厚さ方向に沿って立設され前記モータ制御基板が取り付けられるヒートシンクベース部と、
前記ヒートシンクベース部における前記厚さ方向と直交する幅方向両側のうち、少なくとも一方から延出するフランジ部と、を備え、
前記フランジ部を前記ガイド部として構成し、
前記基板カバーは、前記フランジ部が挿入されるガイド溝を備え、前記ガイド溝を前記被ガイド部として構成したことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記ベース部材には、前記モータが取り付けられている箇所よりも重力方向下側に前記ヒートシンクおよび前記モータ制御基板が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアクチュエータ。
- 前記ベース部材に取り付けられ、前記減速機構を覆うギヤカバーを備え、
前記減速機構は、
複数のギヤと、
前記複数のギヤを支持する複数のギヤ軸と、により構成され、
前記ベース部材の前記モータが配置されている面とは反対側の面に配置され、
前記複数のギヤ軸の一端は、前記ギヤカバーに回転自在に支持され、
前記複数のギヤ軸の他端のうち、少なくとも1つの前記ギヤ軸の他端は、前記ギヤカバーおよび前記ベース部材の何れかに設けられた軸受プレートに支持され、残りの前記ギヤ軸の他端は、前記ベース部材に回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のアクチュエータ。 - 前記軸受プレートは、
前記ベース部材と当接した状態で取り付けられる軸受プレート本体と、
前記軸受プレート本体の側面に設けられ、かつ前記ベース部材から離間した位置に設けられる補軸受プレートと、により構成されており、
前記軸受プレート本体と、前記補軸受プレートとのそれぞれに、前記ギヤ軸の他端が回転自在に支持されており、
前記ベース部材と前記補軸受プレートとの離間距離は、前記複数のギヤの少なくとも1つが、前記ベース部材と前記補軸受プレートとの間に介在可能な距離に設定されていることを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ。
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