JP6036121B2 - 車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置 - Google Patents

車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、エンジンと駆動輪との間のトルク伝達を遮断する発進クラッチを備え、エンジンの自動停止と発進クラッチの開放とを関連させて制御する装置に関するものである。
車両が走行している際に駆動力源に要求される動作状態は多様であって、発進や加速などの場合には駆動力源は大きいトルクを出力する必要があり、また減速時には動力損失を増大させて制動力を発生する必要がある。さらに、速度を維持して走行する場合には駆動力および制動力のいずれも発生する必要がない場合がある。このように、駆動力源は常時、駆動力を出力している必要はないので、内燃機関を駆動力源として搭載している車両においては、メインスイッチがオン状態であっても、内燃機関を自動停止させて燃費を向上させる制御が行われるようになってきている。
このような制御は、ストップ・アンド・スタート(S&S)制御あるいはエコラン制御などと称されることがあり、車両が停止信号に従って止まった場合に内燃機関を停止する制御や、アクセルペダルが戻されて減速している際に内燃機関を停止させる制御、ある程度以上の車速で走行している状態でアクセルペダルが戻された場合に内燃機関を停止させる制御が含まれる。このようなS&S制御による内燃機関の停止は一時的なものであって、加速要求などによって内燃機関を再始動することになり、また減速中もしくは走行中であれば車両の走行状態と内燃機関の動作状態とが異なることになるので、内燃機関を停止させる場合には内燃機関と駆動輪との間のトルクの伝達を遮断している。具体的には、内燃機関に連結されている変速機の入力側のクラッチを開放して、内燃機関と変速機との間のトルク伝達を遮断している。また、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを備えている場合には、そのロックアップクラッチを開放させている場合もある。
内燃機関は上述したように駆動トルクや制動トルクを発生するから、上記のクラッチの係合および開放の状態に応じて、動力伝達系統や駆動輪でのトルクが異なったものとなる。そのため、トルクの変化に起因してショックが生じるなどの事態を抑制し、またトルクの変化が加速遅れや制動遅れの要因にならないようにするために、従来、各種の制御が提案されている。例えば特許文献1には、内燃機関の出力側に、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、クラッチと、変速機とが直列に連結された車両を対象とし、内燃機関の運転を停止するにあたり、先ず、ロックアップクラッチを開放状態に切り替え、その後にクラッチを開放し,その状態で内燃機関の運転を停止するように構成された制御装置が記載されている。特許文献1の記載によれば、そのように制御することにより、ショックを抑制して運転者が違和感を感じることを抑えることができる、とされている。また、特許文献2には、エンジンを停止する条件が成立した場合、エンジンの出力側に設けられているクラッチを開放し、その開放制御は、クラッチの目標油圧を算出し、クラッチ油圧をその目標値に基づいて制御することにより行うように構成された装置が記載されている。さらに、特許文献3には、エンジンを自動停止させることに起因するショックを抑制することを目的とした装置であって、エンジンを自動停止する前に、摩擦係合装置の油圧を低下させてエンジンから駆動輪に伝達されるトルクを低下させるように構成された装置が記載されている。
一方、内燃機関を起動し、あるいは再始動した直後ではそのトルクの変動が大きいことが知られており、そこで特許文献4に記載された装置は、エンジンを起動した際のトルク変動によって乗り心地が悪化することを抑制するために、エンジンを停止するべくクラッチを開放する際に、点火時期の遅角制御を行い、エンジンの再始動時にクラッチを係合するにあたり、点火時期を次第に進角させるように構成されている。また、特許文献5には、エンジンの再始動に備えてピストンを適正な位置に停止させるために、エンジンの停止条件の成立後、点火時期の遅角によってエンジントルクを低下させるように構成された装置が記載されている。
特開2006−182148号公報 特開2012−91592号公報 特開2000−170894号公報 特開平11−270376号公報 特開2004−293474号公報
上述したS&S制御やアイドリングストップ制御あるいはエコラン制御などと称させる制御で駆動力源である内燃機関を停止させ、かつ再始動させる場合、内燃機関の挙動もしくは動作状態が運転者の意図しない車両の挙動の変化とならないようにするために、クラッチの伝達トルク容量を低下させた状態で内燃機関を停止させ、また内燃機関の再始動後にその伝達トルク容量を次第に増大させることになる。しかしながら、その場合、内燃機関の停止に先立つクラッチの開放に長時間を要すると、内燃機関を停止させておく時間が短くなって燃費の向上効果が損なわれる可能性が高くなる。例えば上述した特許文献1に記載されているように、ロックアップクラッチとクラッチとを順に開放させ、そのクラッチの開放を待ってエンジンを停止させるとすれば、エンジンの停止に遅れが生じることになる。このような事情は特許文献2や特許文献3に記載されている装置においても同様であって、クラッチの油圧を目標値に向けて次第に低下させ、その後にエンジンを停止させるのであれば、エンジンの停止に遅れが生じる。
また、ガソリンエンジンのように燃料と空気との混合気を点火プラグによって点火して燃焼させる内燃機関にあっては、特許文献4や特許文献5に記載されているように、その点火時期を遅角させれば、エンジントルクが低下する。したがって、S&S制御などでエンジンを停止させる際に点火時期の遅角制御を併用すれば、エンジントルクの変化を滑らかにすることができる。しかしながら、遅角制御を伴うエンジンの停止制御をクラッチの開放の後に実行するとすれば、クラッチやロックアップクラッチの開放制御に続けて更に複数の制御が継続することになるので、上述した特許文献1ないし3のそれぞれに記載されている装置と同様に、エンジンの停止に遅れが生じる可能性が高くなる。
そして、内燃機関を一時的に自動停止させる制御は、加速要求もしくは駆動要求の有無など、車両の動作状態に基づいて行われるから、車両が走行している状況もしくは道路状況によっては、停止条件が成立した後、内燃機関が停止する前に内燃機関を再始動する条件が成立することがある。このような場合、上記の各特許文献1〜5に記載されているように、クラッチの制御とエンジンの制御とを単に順序を追って実行するとすれば、内燃機関の出力の増大に遅れが生じてしまう。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、エンジンの自動停止および再始動の制御を遅れや違和感を生じることなく実行することを可能にする制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、点火時期を遅角させることによってトルクが低下するエンジンと駆動輪との間に、前記エンジンのトルクを伝達トルク容量に応じて変化させることのできる発進クラッチが設けられた車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置において、運転者の停止操作によらずに前記エンジンを自動的に停止させる条件が成立した場合に、前記発進クラッチの伝達トルク容量を低下させる低下指示手段と、前記発進クラッチの伝達トルク容量を低下させる制御の過程で前記点火時期を遅角させて前記エンジンの出力トルクを低下させた後、前記エンジンの自立回転を停止させる停止手段と、前記発進クラッチが開放したことの判断が成立する以前に前記エンジンを再始動させる条件が成立した場合に、前記発進クラッチが開放状態となるように前記発進クラッチの伝達トルク容量の低下速度を増大させる急開放指示手段と、前記エンジンを再始動させる条件が成立するとともに前記急開放指示手段が前記発進クラッチの伝達トルク容量の低下速度を増大させる場合に、前記発進クラッチの開放が完了するまで、前記エンジンを再始動させるべく回転させるスタータの起動を遅延させる制御を実行する起動遅延手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記発進クラッチは、油圧によって係合しかつ油圧に応じた伝達トルク容量となる摩擦クラッチを含み、前記低下指示手段は、前記摩擦クラッチの油圧を低下させる指示を行う手段を含み、前記摩擦クラッチの入力側の回転数と出力側の回転数との差の絶対値が予め定めた基準回転数以上でかつ前記油圧の指示値が予め定めた所定値以下の場合に前記停止手段により前記エンジンの自立回転を停止させることを許可する許可手段を更に備えていることを特徴とする車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記点火時期の遅角制御は、前記車両の車速が予め定めた車速まで低下した際に開始するように構成されていることを特徴とする車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータが前記発進クラッチと直列に配置され、前記低下指示手段は、前記ロックアップクラッチの伝達トルク容量を低下させる手段を含み、前記急開放手段は、前記ロックアップクラッチの伝達トルク容量の低下速度を増大させる手段を含むことを特徴とする車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置である。
この発明によれば、エンジンを自動停止する場合、発進クラッチの伝達トルク容量を低下させる制御の途中でエンジンの点火時期の遅角制御を行い、その遅角制御の後にエンジンの自立回転を停止させるから、エンジンの自動停止の条件が成立した後、迅速にエンジンを停止させることができ、それに伴って車両の燃費を改善することが可能になる。また、発進クラッチのいわゆる開放制御の途中でエンジンの停止制御を実行することになるので、そのエンジンを再始動する条件が、発進クラッチの開放制御中に成立することがあり、その場合、発進クラッチの伝達トルク容量を急速に低下させ、かつ再始動のためにエンジンを回転させる制御を遅延させるので、エンジンを再始動させることによるトルクが駆動輪に現れ、あるいはショックが生じるなどの事態を未然に回避もしくは抑制することができる。
この発明に係る制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る制御装置で実行される遅角制御の一例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る制御装置で実行されるエンジン停止制御の一例を説明するためのフローチャートである。 クラッチの開放制御中にエンジン再始動の要求があった場合にこの発明に係る制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る制御装置で減速S&S制御を行った場合の各回転数や指示圧などの変化を模式的に示すタイムチャートである。 従来の減速S&S制御を行った場合の各回転数や指示圧などの変化を模式的に示すタイムチャートである。 この発明で対象とする車両のパワートレーンを模式的に示すブロック図である。
この発明で対象とする車両は、エンジン(E/G)1と、トルクコンバータ2と、発進クラッチ(C1 クラッチ)3とを備えている。これを模式的に示せば図7のとおりであり、ここに示す例では、更に変速機(T/M))4を備え、その変速機4から終減速機5を介して左右の駆動輪6にトルクを伝達するように構成されている。そのエンジン1は要は燃料を燃焼して動力を出力する内燃機関であり、特に燃料と空気との混合気に火花で点火し、クランク角度に対する点火の時期を遅らせる(遅角させる)ことにより出力トルクが低下するエンジンであり、したがって一般的にはガソリンエンジンである。また、このエンジン1には、従来知られているエンジンと同様に、スタータモータ1Sが付設されており、燃料の供給や点火を一旦止めて自立回転を自動停止させた後にスタータモータ1Sによってモータリングすることによりエンジン1を再始動させることができる。
トルクコンバータ2は従来知られているものと同様の構成のものであって、エンジン1によって回転させられるポンプインペラー7と、ポンプインペラー7によって生じさせられたオイルの螺旋流を受けて回転するタービン8と、これらポンプインペラー7とタービン8との間に、ワンウェイクラッチを介して所定の固定部(それぞれ図示せず)に取り付けられて配置されたステータ9とを備えている。したがって、コンバータ領域においてはトルクの増幅作用が生じるので、発進クラッチ3に対する入力トルクがトルクコンバータ2における速度比もしくはトルク比に応じて変化することになる。
さらに、トルクコンバータ2は、その入力側の部材と出力側の部材とを機械的に直接連結するロックアップクラッチ(直結クラッチ)10を備えている。このロックアップクラッチ10は従来知られているものと同様の構成であって、油圧によって動作し、その油圧に応じて伝達トルク容量が連続的に変化する摩擦クラッチによって構成されている。
発進クラッチ3は、エンジン1と変速機4との間でトルクを伝達し、またそのトルクの伝達を遮断する係合機構であって、伝達トルク容量を連続的に変化させることができるように構成され、その例は摩擦クラッチであり、油圧によって伝達トルク容量が制御される多板クラッチが一般的である。さらに、変速機4は、変速比がステップ的に変化する有段式の自動変速機、あるいは変速比が連続的に変化する無段変速機であり、前記発進クラッチ3はこの変速機4に組み込まれていてもよい。
この発明で対象とする車両は、上述したパワートレーンを備えており、そのエンジン1を所定の実行条件の成立によって一時的に停止させ、また所定の復帰条件の成立によってエンジン1を再始動させるいわゆるエコラン制御もしくはストップ・アンド・スタート制御(S&S制御)を行うように構成されている。エコラン制御もしくはS&S制御(以下仮に、これらをまとめてS&S制御と記す)には、車両が停止していることによりエンジン1を停止させる停止S&S制御と、アクセルペダルを戻しかつブレーキペダルを踏み込んで停止に向けて減速している場合にエンジン1を自動停止させる減速S&S制御と、ある程度以上の車速で走行している際にアクセルペダルが戻されることによりエンジン1を自動停止させるフリーランS&S制御とがある。その実行条件と復帰条件とを説明すると、停止S&S制御は、車速が「0」でかつブレーキペダルが踏み込まれるブレーキ・オンで実行され、ブレーキペダルが戻されるブレーキ・オフで復帰し、エンジン1が始動させられる。減速S&S制御は、所定の車速以下の車速で走行している場合にアクセルペダルが戻されるアクセル・オフ、かつブレーキ・オンとなることにより実行され、ブレーキ・オフもしくはアクセルペダルが踏み込まれるアクセル・オンで復帰し、エンジン1が始動させられる。フリーランS&S制御は、所定の車速以上の車速で走行している状態でアクセル・オフで実行され、アクセル・オンで復帰し、エンジン1が始動させられる。
上記のエンジン1およびスタータモータ1S、ロックアップクラッチ10、発進クラッチ3、変速機4などを制御する電子制御装置(ECU)11が設けられている。ここで説明している電子制御装置11は、エンジン用電子制御装置やトルクコンバータ用電子制御装置、変速機用電子制御装置などを統合した装置として示してあり、入力されたデータや予め記憶しているデータ、制御プログラムなどによって演算を行い、その演算結果を制御指令信号として出力するように構成されている。なお、具体的な制御動作は、制御回路や油圧アクチュエータなどによって実行される。その制御の例を挙げると、エンジン1の点火時期の遅角制御や進角制御、スタータモータ1Sの起動および停止、エンジン1における燃料の供給制御、ロックアップクラッチ10の係合および開放などの伝達トルク容量の制御、発進クラッチ3の係合および開放などの伝達トルク容量の制御、変速機4の変速比制御などである。また、入力されているデータの例を挙げると、エンジン回転数NE 、トルクコンバータ2におけるタービン回転数(発進クラッチ3の入力側回転数)NT 、変速機4の入力回転数(発進クラッチ3の出力側回転数)NIN、アクセル開度ACC、車速V、変速機4のシフトポジション、ブレーキ信号などである。
上記の車両を対象とするこの発明に係る制御装置は、S&S制御でエンジン1を運転者の操作によらずに自動停止させる場合、エンジン1を停止させる制御に関連して発進クラッチ3を開放させることにより、エンジン1と変速機4との間、あるいはエンジン1と駆動輪6との間のトルク伝達を遮断する。また、発進クラッチ3の開放に合わせてロックアップクラッチ10を開放する。これらのクラッチ3,10の制御の例を以下に説明する。
図1は、この発明に係る制御装置によって実行される制御の一例を説明するためのフローチャートであって、車両の減速時にエンジン1を停止するいわゆる減速S&S制御に関連して実行されるクラッチの開放制御の例である。この図1に示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図1に示す制御例では、先ず、シフトレンジもしくはシフトパターンが減速S&S制御を許可する状態になっているか否かが判断される(ステップS101)。シフトレンジあるいはシフトパターンは、変速機4が自動変速機の場合、車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて設定される変速段あるいは変速比の領域あるいはパターンを設定するためのものであって、運転者の操作によって選択される。そのシフトレンジあるいはシフトパターンには、車両を前進走行させるためのドライブ以外に、車両を停止状態に設定するパーキングや後進走行させるリバース、駆動輪6に対するトルクの伝達を遮断するニュートラルなどが含まれている。これらのうち前進走行させるためのレンジもしくはパターン以外が選択されている場合には、減速S&S制御を実行することがないので、ステップS101では先ず、そのシフトレンジあるいはシフトパターンを判断することとしたのである。したがって、ステップS101で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく図1に示す制御を一旦終了する。
これに対して前進走行のためのシフトレンジあるいはシフトパターンが設定されていることによりステップS101で肯定的に判断された場合には、車速V以外の条件が減速S&S制御を実行できる条件になっているか否かが判断される(ステップS102)。この判断は、要は、エンジン1や補機類あるいはバッテリーなどの減速S&S制御を実行するための各種の機器に異常がないか否かを判断するためのものであり、異常があれば否定的に判断されて図1に示す制御を一旦終了する。異常がない場合にはステップS102で肯定的に判断され、その場合には、ロックアップクラッチ10を係合状態に維持するモード(L/Uモード)がオフになっているか否か、すなわちロックアップクラッチ10が開放状態か否か、あるいはロックアップクラッチ10をスムースに開放する制御中か否かが判断される(ステップS103)。この判断は、ロックアップクラッチ10に対する制御信号の内容によって行うことができる。なお、ステップS102におけるいわゆるフェール判断は、車両における各種の制御で実行されるから、図1に示すルーチンでは特に行わずに、他の制御での判断結果を利用するようにしてもよい。
このステップS103で否定的に判断された場合、すなわちロックアップクラッチ10を係合させるL/Uモードがオンになっていたり、あるいはロックアップクラッチ10を係合させる制御が実行されている場合には、特に制御を行うことなく図1に示す制御を一旦終了する。ロックアップクラッチ10は、エンジン回転数が低回転数であり、また車速が低車速の場合には、エンジン1のトルク変動に起因する振動をも伝達してしまうので、ロックアップクラッチ10を係合させるいわゆるロックアップ領域やスリップ状態に制御するスリップ(ハーフロックアップ)領域が車速やアクセル開度(もしくはスロットル開度)に基づいて定められている。したがってアクセルペダルが踏み込まれていたり、高車速で走行しているなど、S&S制御を実行する条件が成立していない場合には、ステップS103で否定的に判断される。これに対してアクセルペダルが戻されてエンジン回転数あるいは車速が低下している場合には、ロックアップクラッチ10が開放状態に制御されるので、ステップS103で肯定的に判断され、その場合は、車速Vが予め定めた基準車速V1 以下か否かが判断される(ステップS104)。このステップS104の判断は、車両が被駆動状態(クリープトルクが作用していない状態)になっているか否かを判断するためのものであり、その基準車速V1 はアクセル開度や変速機4で設定されている変速比などに応じて予め決めておくことができる。
このステップS104で否定的に判断された場合には、車両がエンジン1の出力トルクによって駆動されるいわゆる力行状態になっているので、エンジン1を自動停止する条件が成立していないことになり、したがってこの場合は特に制御を行うことなく図1に示す制御を一旦終了する。これとは反対に車速Vが基準車速V1 以下であることによりステップS104で肯定的に判断された場合には、スロットル開度がアイドル開度になってから予め定めた所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS105)。アクセルペダルが戻されることによりスロットルバルブを閉じる指令信号が出力されるから、その指令信号の出力に基づいてアイドル開度になったことを判定することができる。これに対して、エンジン1の吸入空気量は、空気の圧縮および膨張による脈動などで直ちには変化しない。そこで、上記の所定時間は、そのような吸入空気量の変化の遅れを見込んで予め定めた時間であり、アクセル開度が急に減じられた場合であっても確実に被駆動状態になってからクラッチの開放制御を行うためにステップS105の判断を行うこととしてある。
したがって、ステップS105で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく図1に示す制御を一旦終了する。これとは反対に肯定的に判断された場合には、S&S制御によってエンジン1を自動停止することに関連して発進クラッチ(C1 クラッチ)3を制御しているか否かが判断される(ステップS106)。エンジン1を駆動して走行している状態からアクセルペダルが戻されるなど、S&S制御の実行条件が成立した後、初めてそのステップS106に到った場合には、その判断結果は否定的になる。この場合、S&S制御に関連して、あるいはS&S制御を実行するために、クラッチを開放する制御を開始する判断が成立し(ステップS107)、クラッチ制御モードが開放制御モードに設定される(ステップS108)。その開放制御モードでは、その発進クラッチ3を開放する(伝達トルク容量を低下させる)手順あるいは過渡的な指示圧さらにはその継続時間が予め定められており、クラッチ制御モードが開放制御モードに切り替えれることにより、発進クラッチ3が予め定められた内容に従って制御される。すなわち、ステップS109ではその開放制御モードに従って発進クラッチ3の開放油圧の制御が開始される。その制御の一例は、指示圧を所定値までステップ的に低下させ、その後、所定の勾配で指示圧を低下させる制御であり、あるいは入力側の回転数と出力側の回転数との差回転数に目標値を設定し、実際の差回転数がその目標値に追従するように指示圧を設定するフィードバック制御である。その後、一旦、図1に示すルーチンが終了される。
上述したステップS107でクラッチを開放する制御を開始する判断が成立した後は、ステップS106で肯定的に判断され、その場合は発進クラッチ3の開放制御が行われているか否かが判断される(ステップS110)。発進クラッチ3の制御が開放制御以外の場合、すなわち開放制御中でないことによりステップS110で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく図1に示す制御を一旦終了する。これとは反対に開放制御が開始していてステップS110で肯定的に判断された場合には、発進クラッチ3の前後回転数差の絶対値が予め定めた基準回転数N1 以上で、かつ発進クラッチ3の指示圧が所定値以下か否かが判断される(ステップS111)。ここで前後回転数差とは、タービン回転数NT と入力回転数NINとの差である。また、基準回転数N1 は発進クラッチ3の開放が進行していることを判断するためのものであり、前側(エンジン1側)の回転数もしくはトルクの変化がショックなどの違和感の要因にならない回転数として実験などによって定めた回転数である。さらに、発進クラッチ3の指示圧を判断する上記の所定値は、発進クラッチ3の開放制御が進行したこと、あるいは伝達トルク容量が十分に低下したことを判断するためのものであって、上記の回転数差についての理由と同様に、前側(エンジン1側)の回転数もしくはトルクの変化がショックなどの違和感の要因にならない係合圧として実験などによって定められている。
このステップS111で否定的に判断されれば、発進クラッチ3が未だ十分に開放しておらず、その伝達トルク容量が大きいことになるから、特に制御を行うことなく図1に示す制御を一旦終了する。これに対してステップS111で肯定的に判断された場合には、発進クラッチ3の開放制御が進行してその伝達トルク容量が小さくなっていることになるから、エンジン1の停止を許可する(ステップS112)。この許可に基づくエンジン1の停止制御については後述する。そして、所定の条件が成立することにより発進クラッチ3の制御モードを通常の制御である定常制御モードに切り替え(ステップS113)、図1のルーチンを一旦終了する。
この発明に係る制御装置は、上述した発進クラッチ3の開放制御を行っている過程で、すなわち発進クラッチ3が完全に開放したことの判断に成立を待たずに、エンジン1の出力トルクを低下させる遅角制御を実行する。その制御ルーチンを図2に示してあり、ここに示す例では、先ず、S&S制御によるエンジン停止要求があるか否かが判断される(ステップS201)。これは、例えば上述したステップS112におけるエンジン停止許可が成立したか否かを判断することにより行うことができる。エンジン停止要求がないことによりステップS201で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく図2のルーチンを一旦終了する。これとは反対にエンジン停止要求があることによりステップS201で肯定的に判断された場合は、エンジン1の点火時期を遅らせる遅角制御が実行される(ステップS202)。この制御は、点火時期を失火限界まで徐々に遅角させる制御であり、その点火時期の変化率(変化勾配)は、エンジン1の停止およびそれに伴うトルクの変化がショックなどの違和感の要因にならないように予め設定することができる。また、失火限界は、エンジン1の気筒数や排気量などによって決まっている。
また、上述したステップS112でエンジン停止許可が成立したことに伴うエンジン1の具体的な停止制御について説明すると、図3はその制御例を説明するためのフローチャートである。エンジン1の自動停止は、S&S制御として実行されるので、先ず、S&S制御によるエンジン停止要求があるか否かが判断され(ステップS301)、そのエンジン停止要求がないことによりステップS301で否定的に判断された場合には図3のルーチンを一旦終了し、ことは反対に肯定的に判断された場合には、発進クラッチ3の開放が完了しているか否かが判断される(ステップS302)。このステップS302の判断は、前述したステップS112でエンジン1の停止許可が成立した後に実行される。この発明に係る制御装置は、発進クラッチ3の開放制御の途中でエンジン停止のための遅角制御を実行するから、最初にステップS302の判断を行った場合には判断結果は否定的になり、その場合は、前述した遅角制御が終了しているか否かが判断される(ステップS303)。ここで遅角制御の終了とは、点火時期が失火限界まで遅角されたことであり、したがってステップS303の判断はエンジン1の点火時期の制御指令に基づいて行うことができる。
遅角制御が終了していないことによりステップS303で否定的に判断された場合には、図3のルーチンを一旦終了し、再度、ステップS301からの制御を行う。これに対して遅角制御が終了していることによりステップS303で肯定的に判断された場合には、エンジン1を自動停止させる(ステップS304)。具体的にはエンジン1に対する燃料の供給を停止し、また点火プラグへの通電を止めるなど、エンジン1の自立回転を停止する制御である。一方、ステップS302で発進クラッチ3の開放が完了していることが判断された場合、すなわちステップS302で肯定的に判断された場合、直ちにステップS304に進んで、エンジン1を自動停止させ、図3のルーチンを一旦終了する。
したがって、S&S制御によってエンジン1を自動停止させる場合、この発明に係る制御装置によれば、発進クラッチ3を開放させる制御の過程で、エンジン1の遅角制御を実行してエンジントルクを停止に向けて低下させる。言い換えれば、発進クラッチ3が完全に開放することを待つことなくエンジン1を自動停止させ、あるいは停止制御を開始するので、エンジン1の自動停止の遅れを従来になく短縮でき、それに伴って車両の燃費の向上効果を増大させることができる。
この発明の制御装置によれば、発進クラッチ3の開放制御の途中でエンジン1を自動停止させることがあり、したがってエンジン1の再始動の要求が、発進クラッチ3の開放制御の途中で発生することがある。このような状況は、クラッチの開放完了後にエンジンの停止制御を実行する従来の装置では発生しない状況である。そこでこの発明に係る制御装置は、発進クラッチ3の開放制御中にエンジン1の再始動要求があった場合、エンジン1を再始動することに伴うショックや発進クラッチ3の過大なスリップなどの不都合を回避するために、エンジン1のクランキング(モータリング)の遅延制御と、発進クラッチ3の急開放制御とを実施するように構成されている。
図4はその制御例を説明するためのフローチャートであり、S&S制御中に所定の短時間毎に繰り返し実行される。ここに示す例では、先ず、S&S制御によるエンジン1の再始動の要求があるか否かが判断される(ステップS401)。再始動の要求がないことによりステップS401で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく図4のルーチンを一旦終了する。これに対して再始動の要求があることによりステップS402で肯定的に判断された場合には、発進クラッチ(C1 クラッチ)3の開放が完了しているか否かが判断される(ステップS402)。この判断は、例えば前述したステップS111と同様の条件が成立したか否かを判断することにより行えばよい。図4のルーチンの開始当初は、ステップS402で否定的に判断される。その場合は、ステップS403に進んでスタータ起動ディレイ中か否かが判断される。このスタータ起動ディレイは、エンジン1の再始動要求があってもスターターモータ10を起動させずに所定の条件が成立するまでその起動を遅延させる制御である。
図4に示す制御が開始された当初は、スタータ起動ディレイは未だ実施されていないのでステップS403で否定的に判断され、ステップS404に進んでスタータ起動ディレイ要求が開始される。これは、予め定めた時間の間、スタータモータ1Sへの通電もしくはその起動を禁止する制御である。なお、スタータ起動ディレイが既に開始されていることによりステップS403で肯定的に判断された場合には、従前の制御状態を維持するために、図4に示すルーチンを一旦終了する。
そして、スタータ起動ディレイ要求の開始と併せて発進クラッチ3およびロックアップクラッチ10を急速に開放させる指令が開始され(ステップS405)、図4のルーチンが一旦終了される。その急速な開放の指令は、具体的には、それぞれの油圧を低下させる指示である。その指示圧は、ロックアップクラッチ10については「0」、発進クラッチ3については定常制御モードでの油圧である。なお、定常制御モードは、アクセル開度などの駆動力要求量(出力要求量)に応じて指示圧を設定する制御モードである。こうしてエンジン1をスタータモータ1Sで回転させる前に各クラッチ3,10の伝達トルク容量が十分に低下させられる。
そして、発進クラッチ3の開放が完了してステップS402で肯定的に判断された場合には、スタータ起動ディレイ要求が終了させられ(ステップS406)、また発進クラッチ3およびロックアップクラッチ10の急開放指令が解除され(ステップS407)、図4のルーチンが一旦終了される。したがって、図4に示すように制御することにより、発進クラッチ3の開放制御中にエンジン1の再始動要求が発生しても、駆動トルクが急変したり、あるいは発進クラッチ3に過剰な滑りが生じるなどの不都合を回避もしくは抑制することができる。また、エンジン1のクランキングもしくはモータリングを単に遅延させるだけでなく、開放制御中の発進クラッチ3の伝達トルク容量を急速に低下させるから、エンジン1の再始動の遅延を可及的に短くして運転者に違和感を与えることを防止もしくは抑制することができる。
上述したこの発明に係る制御装置でS&S制御を実行した場合のクラッチ制御モードや点火時期、発進クラッチ3の指示圧などの変化を図5にタイムチャートで示してある。ここに示す例は、アクセルペダルが戻されて減速している状態でエンジン1を停止する減速S&S制御の例であり、ブレーキ操作されていない状態では、エンジン回転数をフューエルカット(FC)回転数以上に維持するために、車速の低下に従って変速比が増大させられ、また発進クラッチ3およびロックアップクラッチ10を係合させておくためにそれぞれの指示圧(C1 指示圧およびLU指示圧)がライン圧程度の高い圧力に維持されている。この状態でブレーキ操作されると(t1 時点)、車両が停止することが予想されるので、それに関連する発進クラッチ3の制御が開始される。すなわち、クラッチ制御モードが開放制御モードに設定される。したがって、発進クラッチ3の指示圧(C1 指示圧)およびロックアップクラッチ10の指示圧(LU指示圧)がステップ的に低下させられ、その後、所定の勾配で次第に低下させられる。
ロックアップクラッチ10の伝達トルク容量が低下することによりロックアップクラッチ10の滑り回転数が増大するので、エンジン回転数NE が低下し始める。それに伴ってドライブシャフト(D/S)の負トルク(制動トルク)が僅かに減少し、またエンジンストールを回避するためにフューエルカット(アイドルオンFC)制御が中止(復帰)される。このように制御している過程で車速Vが減速S&S制御でのエンジン停止車速にまで低下すると(t2 時点)、各クラッチ3,10の開放が完了していずにその開放制御中であっても、点火時期の遅角制御が開始される。そして、点火時期が失火限界に達すると(t3 時点)、エンジン1への燃料供給を停止させるので、エンジン回転数NE が急速に低下し、またエンジン1による制動トルクが低下してドライブシャフトトルクが増大する(負トルクが低下する)。
この時点では、各クラッチ3,10の指示圧は開放に向けて低下させている過渡状態になっており、したがって発進クラッチ3は未だある程度高い伝達トルク容量になっていてタービン回転数NT と入力回転数NINとがほぼ等しくなっている。そして、発進クラッチ3の伝達トルク容量が低下して行くと、トルクコンバータ2を連れ回すことによる負のトルクが小さくなるので、ドライブシャフトトルクが徐々に増大(負のトルクが徐々に減少)し、また発進クラッチ3の前後回転数に差が生じる。すなわちタービン回転数NT が入力回転数NINに対して低下し始める。図5に示す例は、このような伝達トルク容量の低下の過程でブレーキが戻されてエンジン1の再始動要求が発生した例であり、このようにして再始動要求が発生すると(t4 時点)、スタータ起動ディレイが開始される。すなわち、再始動要求があってもエンジン1はクランキング(モータリング)されないから、その回転数NE は「0」になっている。また、同時に、各クラッチ3,10の指示圧がステップ的に(急速に)低下させられる。言い換えれば、急開放制御が実行される。その結果、発進クラッチ3の伝達トルク容量が急速に低下する。これは、タービン回転数NT の入力回転数NINに対する低下として現れる。
その後、スタータ起動ディレイが実行されている間に、発進クラッチ3の制御モードが定常制御モードに切り替えられる(t5 時点)。この時点では、アクセルオフになっているから、発進クラッチ3の指示圧は、その直前と同様の低い圧力に維持される。こうして発進クラッチ3の前後回転数差の絶対値が前述した基準回転数N1 以上になると(t6 時点)、スタータ起動ディレイ要求が終了し、スタータモータ1Sによるエンジン1のクランキング(モータリング)が許可される。したがって、エンジン回転数NE はクランキング(モータリング)されることにより増大する。また同時に、発進クラッチ3の制御モードが、エンジン再始動時における定圧(低圧)待機制御モードに切り替えられる。したがって、再始動定圧(低圧)待機制御モードへの切り替えがスタータ起動ディレイと同様に遅延させられることになる。その結果、エンジン回転数NE とタービン回転数NT とが一定の差回転数をもった状態に維持される。そして、エンジン1の再始動が完了してドライブシャフトトルクが正のトルクに増大すると、すなわち車両としては駆動状態(力行状態)になると、発進クラッチ3の制御モードが係合制御モードに切り替わる(t7 時点)。
比較のために従来の減速S&S制御により各クラッチ3,10の開放制御とエンジン停止制御とを行った場合の各回転数や指示圧などの変化を図6にタイムチャートで示してある。ここに示す例は、アクセル・オフ状態でブレーキ操作されて減速している例であり、アイドルオンフューエルカット(FC)制御が実行されている。その状態で車速が低下し、ロックアップクラッチ10を次第に開放するべき下限回転数に達すると(t11時点)、各クラッチ3,10の指示圧がステップ的に低下し、ついで所定の勾配で低下させられる。
各クラッチ3,10の伝達トルク容量が低下することによりエンジン回転数NE がタービン回転数NT に対して低下し、また車速Vがアイドルオンフューエルカット復帰回転数にまで低下すると、フューエルカット制御が中止されてエンジン1に対する燃料の供給が再開される(t12時点)。そのため、ドライブシャフトトルクが増大し(負のトルクが低下し)、またエンジン回転数NE はアイドル回転数に低下する。
そして、車速Vが減速S&S制御によるエンジン停止車速にまで低下すると(t13時点)、点火時期の遅角制御が開始される。その点火時期が失火限界まで遅角されると、エコランフューエルカット(FC)制御が開始され、エンジン1への燃料の供給が停止されるので、エンジン回転数NE およびタービン回転数NT が急速に低下して「0」に到る。
前述したこの発明の制御装置による図5に示す例と、従来の制御による図6に示す例とを比較すると、エンジン1の停止時期はこの発明による制御によれば、大幅に前出しすることができる。また、この発明の制御装置によれば、エンジン1の停止が前出しされることに伴って発進クラッチ3の開放制御中にエンジン1の再始動要求が発生することがあるが、その場合には、スタータ起動ディレイ制御と発進クラッチ3の急開放制御とを実行するので、エンジン1の再始動の遅れを可及的に短縮できるとともに、エンジン1の再始動に伴うショックなどの違和感を回避することができる。
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、前述したステップS109の制御を実行する機能的手段が、この発明における低下指示手段に相当し、また上記のステップS304の制御を実行する機能的手段が、この発明における停止手段に相当し、さらに上記のステップS405の制御を実行する機能的手段が、この発明における急開放指示手段に相当し、またさらに上記のステップS404の制御を実行する機能的手段が、この発明における起動遅延手段に相当し、そして、上記のステップS102の制御を実行する機能的手段が、この発明における許可手段に相当する。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、発進クラッチは油圧によって伝達トルク容量が変化させられるクラッチ以外に、電気的に伝達トルク容量が制御されるクラッチであってもよく、その場合、上記の油圧に替えて電流もしくは伝達トルク容量が制御の対象となる。また、この発明で対象とする車両は、ロックアップクラッチあるいはトルクコンバータを備えていない車両であってもよく、その場合は制御の対象となる発進クラッチ3は発進クラッチのみとなる。
1…エンジン、 1S…スタータモータ、 2…トルクコンバータ、 3…発進クラッチ、 7…ポンプインペラー、 8…タービン、 10…ロックアップクラッチ、 11…電子制御装置。

Claims (4)

  1. 点火時期を遅角させることによってトルクが低下するエンジンと駆動輪との間に、前記エンジンのトルクを伝達トルク容量に応じて変化させることのできる発進クラッチが設けられた車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置において、
    運転者の停止操作によらずに前記エンジンを自動的に停止させる条件が成立した場合に、前記発進クラッチの伝達トルク容量を低下させる低下指示手段と、
    前記発進クラッチの伝達トルク容量を低下させる制御の過程で前記点火時期を遅角させて前記エンジンの出力トルクを低下させた後、前記エンジンの自立回転を停止させる停止手段と、
    前記発進クラッチが開放したことの判断が成立する以前に前記エンジンを再始動させる条件が成立した場合に、前記発進クラッチが開放状態となるように前記発進クラッチの伝達トルク容量の低下速度を増大させる急開放指示手段と、
    前記エンジンを再始動させる条件が成立するとともに前記急開放指示手段が前記発進クラッチの伝達トルク容量の低下速度を増大させる場合に、前記発進クラッチの開放が完了するまで、前記エンジンを再始動させるべく回転させるスタータの起動を遅延させる制御を実行する起動遅延手段と
    を備えていることを特徴とする車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置。
  2. 前記発進クラッチは、油圧によって係合しかつ油圧に応じた伝達トルク容量となる摩擦クラッチを含み、
    前記低下指示手段は、前記摩擦クラッチの油圧を低下させる指示を行う手段を含み、
    前記摩擦クラッチの入力側の回転数と出力側の回転数との差の絶対値が予め定めた基準回転数以上でかつ前記油圧の指示値が予め定めた所定値以下の場合に前記停止手段により前記エンジンの自立回転を停止させることを許可する許可手段を更に備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置。
  3. 前記点火時期の遅角制御は、前記車両の車速が予め定めた車速まで低下した際に開始するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置。
  4. ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータが前記発進クラッチと直列に配置され、
    前記低下指示手段は、前記ロックアップクラッチの伝達トルク容量を低下させる手段を含み、
    前記急開放手段は、前記ロックアップクラッチの伝達トルク容量の低下速度を増大させる手段を含む
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両におけるエンジンの自動停止および再始動の制御装置。
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