JP6030440B2 - 車体側部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、サイドシルにフロアパネルの外側部が接続され、サイドシルにクロスメンバの端部が接続された車体側部構造に関する。
車体側部構造のなかには、サイドシルが車体前後方向に延出され、サイドシルの車幅方向内側に設けられたクロスメンバが車幅方向に延出され、クロスメンバの端部がサイドシルに接続されたものが知られている。さらに、車体側部構造はサイドシルからセンタピラーが立ち上げられている。
この車体側部構造によれば、車体側方からセンタピラーに衝撃荷重が入力した場合に、サイドシルをクロスメンバで支えることにより、サイドシルが入力した衝撃荷重で車室側に変形することを抑えることができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−46301号公報
ここで、センタピラーに入力した衝撃荷重をクロスメンバで支える場合にクロスメンバに圧縮力が作用する。一般に、圧縮方向の荷重を支える場合、引張方向の荷重を支える場合と比べて強度を大きく確保する必要がある。
このため、特許文献1の車体側部構造では、圧縮方向に対してクロスメンバの強度を高めるために、例えば、板厚寸法を大きく確保する必要があり、そのことが車体側部構造の軽量化を図る妨げになっていた。
本発明は、車体側方から入力した衝撃荷重でサイドシルが車室側に変形することを抑え、かつ、軽量化を図ることができる車体側部構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、サイドシルを形成するアウタパネルおよびインナパネルがそれぞれ断面略ハット状に形成され、前記アウタパネルの上下のフランジおよび前記インナパネルの上下フランジがそれぞれ接続されることにより前記サイドシルが閉断面に形成され、前記インナパネルのインナ側壁に、フロアパネルの外側部を上向きに折り曲げた上壁が接続され、前記インナ側壁にクロスメンバの端部が接続され、該クロスメンバが車幅方向に延びる車体側部構造であって、前記フロアパネルの上壁に前記クロスメンバが接続され、前記アウタパネルの下フランジおよび前記インナパネルの下フランジが接合されることにより、前記サイドシルの底部としてシル下フランジが形成され、前記サイドシルの底部および前記フロアパネルのフロア底部を連結し、車幅方向に断面略直線状に形成され、かつ、車体前後方向に延びる帯状の板材を備え、前記フロアパネルに前記帯状の板材が接続された内側接続部と前記インナ側壁に前記上壁が接続された中央接続部との内側距離がL1に設定され、前記シル下フランジに前記帯状の板材が接続された外側接続部と前記中央接続部との外側距離がL2に設定され、前記内側距離L1および前記外側距離L2が同等であることを特徴とする。
ここで、車体側方からセンタピラーに衝撃荷重が入力した場合、入力した衝撃荷重がサイドシルの上部に伝えられ、サイドシルの上部に車室側に押圧する荷重が入力する。サイドシルの上部に荷重が入力することにより、サイドシルの下部を車幅方向外側に移動させる荷重が作用する。
そこで、請求項1において、インナパネル(インナ底部または下フランジ)とフロアパネル(フロア底部)とを帯状の板材で連結し、かつ、この帯状の板材を車幅方向に断面略直線状に形成した。
ここで、内側距離L1を小さくすることにより、フロアパネルに帯状の板材を接続する内側接続部をインナパネルのインナ側壁側に寄せることができる。これにより、インナ側壁でフロアパネルの剛性を高めることができるので、フロアパネルに上下方向の振動を発生し難くできる。
一方、外側距離L2を小さくすることにより、サイドシルに帯状の板材を接続する外側接続部をインナ側壁側に寄せることができる。サイドシルの剛性を高めることができるので、サイドシルの断面が衝撃荷重で潰れ難く(変形し難く)できる。
車体側方から衝撃荷重が入力した場合に、帯状の板材に引張力を好適に作用させ、作用した引張力を帯状の板材で支えることができる。
これにより、サイドシルが車室内に変形することを抑えることができる。
しかし、内側距離L1を小さくした場合に外側距離L2が大きくなり、外側距離L2を小さくした場合に内側距離L1が大きくなる。
そこで、請求項1に係る発明では、内側接続部および中央接続部間の内側距離L1と、外側接続部および中央接続部間の外側距離L2とを同等にした。
請求項2に係る発明は、サイドシルを形成するアウタパネルおよびインナパネルがそれぞれ断面略ハット状に形成され、前記アウタパネルの上下のフランジおよび前記インナパネルの上下フランジがそれぞれ接続されることにより前記サイドシルが閉断面に形成され、前記インナパネルのインナ側壁に、フロアパネルの外側部を上向きに折り曲げた上壁が接続され、前記インナ側壁にクロスメンバの端部が接続され、該クロスメンバが車幅方向に延びる車体側部構造であって、前記フロアパネルの上壁に前記クロスメンバが接続され、前記アウタパネルの下フランジおよび前記インナパネルの下フランジが接合されることにより、前記サイドシルの底部としてシル下フランジが形成され、該シル下フランジおよび前記フロアパネルのフロア底部を連結し、車幅方向に断面略直線状に形成され、かつ、車体前後方向に延びる帯状の板材を備え、前記帯状の板材は、該帯状の板材の外側部に下方へ折り曲げられた外張出部を有し、該外張出部が前記シル下フランジに接続され、前記フロアパネルに前記帯状の板材が接続された内側接続部と前記インナ側壁に前記上壁が接続された中央接続部との内側距離がL1に設定され、前記サイドシルの底部に前記帯状の板材が接続された外側接続部と前記中央接続部との外側距離がL2に設定され、前記内側距離L1および前記外側距離L2が同等であることを特徴とする。
請求項は、前記帯状の板材は、車体前後方向において前記フロアパネルの全長に亘り前記フロア底部に接続され、車幅方向において断面略直線状に形成されたことを特徴とする。
請求項は、前記サイドシルの車幅方向外側で、かつ上方に設けられたサイドドアを含み、該サイドドアは、内部に設けられて車体前後方向に延びる補強用のドアビームと、
該ドアビームから前記サイドシルに向けて延びるビーム縦枝と、を有し、前記ビーム縦枝は、下端部が前記帯状の板材より上方に配置され、かつ、車体前後方向において前記帯状の板材に対峙する位置に配置されたことを特徴とする。
請求項は、前記ビーム縦枝は、前記下端部が前記クロスメンバと対峙する位置に配置されたことを特徴とする。
請求項は、前記サイドシルの前記アウタパネルおよび前記インナパネルは、前記フロアパネルより板厚寸法が大きい厚板、または、高強度鋼板で形成され、前記フロアパネルは、前記アウタパネルおよび前記インナパネルより板厚寸法が小さい薄板で形成されることを特徴とする。
請求項は、前記サイドシルは、前端部および後端部の各断面が閉塞されたことを特徴とする。
請求項は、前記サイドシルを車外側から覆う装飾用のサイドシルガーニッシュを含み、前記サイドシルは、後端部を形成し、かつ、該後端部の断面を閉塞する袋状部を有し、該袋状部を接続する接続部が前記サイドシルガーニッシュで覆われたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、インナパネル(インナ底部または下フランジ)とフロアパネル(フロア底部)とを帯状の板材で連結した。さらに、この帯状の板材を車幅方向に断面略直線状に形成し、かつ、車体前後方向に延出させた。
ここで、サイドシルから立ち上げられたセンタピラーに車体側方から衝撃荷重が入力することにより、センタピラーがサイドシルを軸にして車室側に回転しようとする。すなわち、サイドシルに車室方向(車幅方向内側)に向けた曲げモーメントが作用する。
よって、サイドシルの上部を車室方向に移動させる荷重でクロスメンバに圧縮力が作用する。一方、サイドシルの底部を車幅方向外側に移動させる荷重で帯状の板材に引張力が作用する。帯状の板材に作用する引張力を帯状の板材で支えることにより、クロスメンバに作用する圧縮力を小さく抑えることができる。
これにより、クロスメンバの板厚寸法を小さく抑えた状態で、サイドシル(上部)が車室側に変形することを抑えることができ、かつ、クロスメンバの軽量化を図ることができる。
ところで、引張方向の荷重を支える場合、圧縮方向の荷重を支える場合と比べて強度を小さく抑えることができる。さらに、帯状の板材は断面略直線状に形成されている。よって、帯状の板材の板厚寸法を小さく抑えることができ、軽量の帯状の板材で引張方向の荷重を支えることができる。
これにより、車体側部構造に軽量の帯状の板材を新たに備えても、クロスメンバの軽量化を図ることにより、車体側部構造の軽量化を図ることができる。
このように、インナパネルとフロアパネルとを帯状の板材で連結することにより、車体側方から入力した衝撃荷重でサイドシルが車室側に変形することを抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
また、フロアパネルの外側部を上向きに折り曲げた上壁をインナパネルのインナ側壁に接続した。よって、フロアパネルが上下方向に振動した場合に、インナ側壁に上壁を介して車幅方向の振動が伝えられる。
インナ側壁に発生した振動が断面略直線状の帯状の板材に引張力として作用する。これにより、フロアパネルに作用する上下方向の振動を、板厚寸法の小さい帯状の板材で抑えることができるので、フロアパネルの剛性を向上させ、さらに、車室内の騒音を低減することができる。
また、請求項1に係る発明では、帯状の板材をサイドシルのシル下フランジに接続した。シル下フランジは下方に張り出されているので、シル下フランジに帯状の板材を容易に接続(溶接)させることができる。
また、アウタパネルおよびインナパネルの各下フランジ(シル下フランジ)に帯状の板材を重ねて、各下フランジおよび帯状の板材を同時に接続させることが可能になり、接続(溶接)作業を一層容易化することができる。
さらに、シル下フランジに帯状の板材を重ねることにより、重ね合わせた部位の厚さ寸法を大きく確保できる。これにより、帯状の板材の接合部の強度を一層良好に確保することができる。
また、請求項1に係る発明では、内側接続部および中央接続部間の内側距離L1と、外側接続部および中央接続部間の外側距離L2とを同等にした。
これにより、フロアパネルに上下方向の振動を発生し難くでき、かつ、サイドシルが車室側に変形し難くできるという両方の効果を得ることができる。
請求項2に係る発明では、帯状の板材の外側部に外張出部を有し、外張出部を下方へ折り曲げた。さらに、外張出部をシル下フランジに接続した。よって、シル下フランジに帯状の板材の外張出部を容易に接続(溶接)させることができる。
また、アウタパネルの下フランジおよびインナパネルの下フランジに帯状の板材の外張出部を重ねて、両下フランジおよび外張出部を同時に接続することができる。これにより、外張出部73を接続(溶接)する作業を容易化することができる。
さらに、アウタパネルの下フランジおよびインナパネルの下フランジに外張出部を重ねることにより、重ね合わせた部位の厚さ寸法を大きく確保できる。これにより、シル下フランジおよび外張出部を接合した接合部の強度を良好に確保することができる。
請求項に係る発明では、内側接続部および中央接続部間の内側距離L1と、外側接続部および中央接続部間の外側距離L2とを同等にした。
これにより、フロアパネルに上下方向の振動を発生し難くでき、かつ、サイドシルが車室側に変形し難くできるという両方の効果を得ることができる。
請求項に係る発明では、フロアパネルの全長においてフロア底部に帯状の板材を接続した。これにより、フロアパネルの全長(すなわち、サイドシルの全長)において、車体側方から入力した衝撃荷重によるサイドシルの車室内への変形を抑えることができる。
また、帯状の板材を断面略直線状の帯板とした。これにより、帯状の板材をフロア底部の形状に沿わせて容易に変形することができ、製造の容易化を図ることができる。
請求項に係る発明では、ドアビームから下方に延ばされたビーム縦枝の下端部を帯状の板材に対峙する位置に配置した。
これにより、車体側方からドアビームに衝撃荷重が入力した場合に、入力した衝撃荷重でサイドシルが車室内に変形することを帯状の板材により抑えることができる。
請求項に係る発明では、ビーム縦枝の下端部をクロスメンバに対峙させた。これにより、車体側方からドアビームに衝撃荷重が入力した場合に、入力した衝撃荷重をクロスメンバで支えることができる。
請求項に係る発明では、サイドシルをフロアパネルより板厚寸法が大きい厚板、または、高強度鋼板で形成した。よって、サイドシルの剛性を高めることができるので、サイドシルの断面が衝撃荷重で潰れ難く(変形し難く)できる。
よって、車体側方からドアビームに衝撃荷重が入力した場合に、帯状の板材に引張力を
好適に作用させ、作用した引張力を帯状の板材で支えることができる。
これにより、サイドシルが車室内に変形することを帯状の板材で一層良好に抑えることができる。
請求項に係る発明では、サイドシル(前端部および後端部)の各断面を閉塞した。よって、サイドシルの剛性を高めることができるので、サイドシルの断面が衝撃荷重で潰れ難く(変形し難く)できる。
よって、車体側方からドアビームに衝撃荷重が入力した場合に、帯状の板材に引張力を好適に作用させ、作用した引張力を帯状の板材で支えることができる。
これにより、サイドシルが車室内に変形することを帯状の板材で一層良好に抑えることができる。
請求項に係る発明では、サイドシルの後端部に袋状部を有し、袋状部を接続する接続部をサイドシルガーニッシュで覆うようにした。
これにより、袋状部の接続部を車外側から目視できないように隠すことができるので、車両の外観性を向上させることができる。
本発明に係る実施例1の車体側部構造を示す斜視図である。 図1の車体側部構造を示す分解断面図である。 図1の車体側部構造を示す側面図である。 図1の4−4線断面図である。 実施例1の車体側部構造を車室から見た状態を示す斜視図である。 実施例1の車体側部構造を示す底面図である。 図1の7−7線断面図である。 図1の8−8線断面図である。 実施例1のセンタピラーに車体側方から入力した衝撃荷重を支える例を説明する図である。 実施例1のフロントサイドドアに車体側方から入力した衝撃荷重を支える例を説明する図である。 実施例1のフロアパネルの振動を抑える例を説明する図である。 本発明に係る実施例2の車体側部構造を示す断面図である。 本発明に係る実施例3の車体側部構造を示す断面図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は運転者から見た方向にしたがう。
実施例1に係る車体側部構造10について説明する。
図1、図2に示すように、車体側部構造10は、車体11の左右側に設けられたサイドシル12と、サイドシル12の車体前後方向略中央から上方に立ち上げられたセンタピラー13と、サイドシル12の前端部12aから上方に立ち上げられたフロントピラー14と、フロントピラー14からセンタピラー13を経て車体後方に延出されたルーフレール15と、車体11の側部に取り付けられたフロントサイドドア(サイドドア)17およびリヤサイドドア(サイドドア)18とを含む(備えている)。
また、車体側部構造10は、左右のサイドシル12(右サイドシルは図示せず)間に設けられたフロアパネル21と、フロアパネル21に沿って車幅方向に延出されたクロスメンバ22と、フロアパネル21をサイドシル12に連結する帯状の板材24(図4も参照)と、サイドシル12を覆うサイドシルガーニッシュ26とを含む(備えている)。
なお、車体側部構造10を構成する左右側の部材は略左右対称の部材であり、以下、左右側の部材に同じ符号を付して左側部材のみを説明する。
サイドシル12の前半部12b、フロントピラー14、センタピラー13およびルーフレール15の前半部15aで車体11の前側部に前ドア開口部(前車体開口部)28が形成されている。
前ドア開口部28にフロントサイドドア17が開閉自在に支持されることにより、フロントサイドドア17がサイドシル12(前半部12a)の車幅方向外側で、かつ上方に設けられている。
図3に示すように、フロントサイドドア17は、フロントサイドドア17の内部31に設けられて車体前後方向に延びる補強用のドアビーム33と、ドアビーム33からサイドシル12に向けて延びるビーム縦枝34とを有する。
ビーム縦枝34については後で詳しく説明する。
図2に戻って、サイドシル12の後半部12c、センタピラー13、リヤピラーおよびルーフレール15の後半部15bで車体11の後側部に後ドア開口部(後車体開口部)29が形成されている。
後ドア開口部29にリヤサイドドア18が開閉自在に支持されることにより、リヤサイドドア18がサイドシル12(後半部12c)の車幅方向外側で、かつ上方に設けられている。
リヤサイドドア18は、フロントサイドドア17と類似構成なので詳しい説明を省略する。
図4に示すように、サイドシル12は、車体前後方向に延出され、車室37側に設けられたインナパネル41と、車外36側に設けられたアウタパネル42とを有する。
インナパネル41およびアウタパネル42は、それぞれ高強度鋼板で形成されている。インナパネル41およびアウタパネル42を高強度鋼板で形成することにより、サイドシル12の剛性を高めることができる。
ここで、高強度鋼板とは、自動車用鋼板の一般的分類に準じて、引張強さが270MPaより高い鋼板をいう。
インナパネル41は、車室37に臨むインナ側壁44と、インナ側壁44の上端から車外36側に折り曲げられたインナ上部45と、インナ上部45の外端から上方に張り出されたインナ上フランジ46と、インナ側壁44の下端から車外36側に折り曲げられたインナ底部47と、インナ底部47の外端から下方に張り出されたインナ下フランジ(下フランジ)48とを有する。
インナ底部47は平坦状に形成されている。
インナ側壁44、インナ上部45、インナ底部47、インナ上フランジ46およびインナ下フランジ48でインナパネル41が断面略ハット状に形成されている。
アウタパネル42は、車外36に臨むアウタ側壁51と、アウタ側壁51の上端から車室37側に折り曲げられたアウタ上部52と、アウタ上部52の外端から上方に張り出されたアウタ上フランジ53と、アウタ側壁51の下端から車室37側に折り曲げられたアウタ底部54と、アウタ底部54の外端から下方に張り出されたアウタ下フランジ(下フランジ)55とを有する。
アウタ側壁51、アウタ上部52、アウタ底部54、アウタ上フランジ53およびアウタ下フランジ55でアウタパネル42が断面略ハット状に形成されている。
インナ上フランジ46およびアウタ上フランジ53が接続され、インナ下フランジ48およびアウタ下フランジ55が接続されることによりサイドシル12が閉断面に形成されている。
ここで、サイドシル12を高強度鋼板で形成することにより、サイドシル12の剛性を高めることができる。これにより、サイドシル12の断面が車体側方から入力した衝撃荷重で潰れ難く(変形し難く)できる。
図2に示すように、サイドシル12の前端部12aにフロントピラー14が設けられることにより、前端部12aの断面がフロントピラー14で閉塞されている。
さらに、サイドシル12の後端部を袋状部12dとすることにより、後端部の断面が袋状部12dで閉塞されている。
よって、サイドシル12の剛性を高めることができるので、サイドシル12の断面が車体側方から入力した衝撃荷重で潰れ難く(変形し難く)できる。
以下、サイドシル12の後端部12dを袋状部12dとして説明する。
すなわち、サイドシル12は、袋状部12dを除いたサイドシル本体12fと、袋状部12dとで構成されている。
また、インナ下フランジ48およびアウタ下フランジ55の接続部を、サイドシル12のシル下フランジ57として説明する。
図4、図5に示すように、左右のサイドシル12(右サイドシルは図示せず)間にフロアパネル21が設けられている。フロアパネル21は、略左右対称の部材なので左側部について詳しく説明し、右側部の説明を省略する。
フロアパネル21は、インナパネル41およびアウタパネル42より低強度の鋼板で、かつ、板厚寸法が小さい薄板で形成されている。
さらに、フロアパネル21は、左右のサイドシル12間に配置されたフロア底部61と、フロア底部61の左側辺61aから上向きに折り曲げられた上壁(外側部)64とを有する。
フロア底部61は、略水平で、かつ、平坦に形成された平坦部62と、平坦部62の左側辺62aから上壁64の下辺にまで上り勾配に傾斜された傾斜部63とを有する。
フロア底部61に傾斜部63を設けることにより、フロアパネル21の剛性を向上させることができる。さらに、平坦部62に排水孔68を形成することにより、傾斜部63で水を平坦部62に案内することにより、平坦部62の排水孔68から水を良好に車外36に排出することができる。
このフロア底部61は、図6に示すように、前部62b寄りの部位62cから車体前後方向略中央62dまでの間に治具除け凹部66が形成されている。治具除け凹部66は、牽引フックが取付治具を用いて取り付けられる際に、フロアパネル21に取付治具が干渉することを回避するために形成されている。
よって、図4、図6に示すように、フロア底部61は、前部62bにおいて、フロア底部61の外端部(傾斜部63)が平坦部62に対して傾斜角θ1で傾斜するように傾斜状に形成されている。
傾斜部63に内張出部72(後述する)が下方から接続されている。
また、図6、図7に示すように、フロア底部61は、中央部62dにおいて、フロア底部61の外端部(すなわち、凹部66)が平坦部62に対して上方に凹んだ状態で略水平に形成されている。
凹部66に内張出部72が下方から接続されている。
さらに、図6、図8に示すように、フロア底部61は、後部62eにおいて、フロア底部61の外端部(傾斜部63)が平坦部62に対して傾斜角θ1で傾斜するように傾斜状に形成されている。
傾斜部63に内張出部72が下方から接続されている。
このように、フロア底部61(すなわち、フロアパネル21)の全長L3に亘って内張出部72が接続されるため、フロア底部61の外端部(傾斜部63、平坦部62)に対応させて内張出部72が形成されている。
図7に戻って、上壁64は、インナパネル41のインナ側壁44に沿って上向きに折り曲げられ、インナ側壁44に接続されている。
また、フロアパネル21に沿ってクロスメンバ22が左サイドシル12および右サイドシル12(図示せず)間において車幅方向に延出されている。
クロスメンバ22は、略左右対称の部材なので左側部について詳しく説明し、右側部の説明を省略する。
このクロスメンバ22は、断面逆ハット状に形成され、下部22aがフロアパネル21に沿って接続されている。さらに、クロスメンバ22は、左端部(端部)22bがインナ側壁44に接続され、かつ、上壁64に接続されている。
よって、車体側方から入力した衝撃荷重によりサイドシル12が車室37へ変形することを抑えることができる。
図4、図6に示すように、フロアパネル21が帯状の板材24でサイドシル12に連結されている。
帯状の板材24は、鋼材やアルミ材などの材質で形成され、車体前後方向に延出され、車幅方向に一定の幅寸法W1となるように帯状に形成されている。
この帯状の板材24は、内連結点(内側接続部)75および外連結点(外側接続部)77間で車幅方向に断面略直線状に形成された帯状部71と、帯状部71の内辺から車幅方向内側に張り出された内張出部72と、帯状部71の外辺から下方に折り曲げられた外張出部73とを有する。
内側接続部75は、帯状の板材24(内張出部72)およびフロアパネル21(傾斜部63)が連結された連結部である。外側接続部77は、帯状の板材24(外張出部73)およびサイドシル12(シル下フランジ57)が連結された連結部である。
この帯状部71は、フロアパネル21(上壁64)とサイドシル12とが当接された継目78や、車体下方の凹部79を車外36側から目視できないように隠す艤装部材としての役割も兼ねている。
凹部79は、フロア底部61の傾斜部63およびインナパネル41のインナ底部47で形成されている。
内張出部72がフロア底部61(傾斜部63、治具除け凹部66)にフロアパネル21の全長L3に亘って接続されている。また、外張出部73がシル下フランジ57にサイドシルの略全長L4に亘って接続されている。
すなわち、シル下フランジ57が、帯状の板材24の外張出部73を接続可能なサイドシル12の底部とされている。
このように、内張出部72がフロア底部61に接続され、外張出部73がシル下フランジ57に接続されることにより、シル下フランジ57およびフロア底部61が車体前後方向において帯状の板材24で連結されている。
この状態において、帯状部71が車幅方向に向いて略水平に配置されている(図4参照)。
ここで、アウタ下フランジ55およびインナ下フランジ48(すなわち、シル下フランジ57)は下方に張り出されている。よって、シル下フランジ57に帯状の板材24の外張出部73を容易に接続(溶接)させることができる。
また、アウタ下フランジ55およびインナ下フランジ48に帯状の板材24の外張出部73を重ねて、アウタ下フランジ55、インナ下フランジ48および外張出部73を同時に接続することができる。これにより、外張出部73を接続(溶接)する作業を一層容易化することができる。
さらに、アウタ下フランジ55およびインナ下フランジ48に外張出部73を重ねることにより、重ね合わせた部位の厚さ寸法T1を大きく確保できる。これにより、シル下フランジ57および外張出部73を接合した接合部の強度を良好に確保することができる。
加えて、帯状の板材24の帯状部71が略水平になるように断面略直線状に形成されている。よって、図4、図7、図8に示すように、フロア底部61(外端部)の前部62b、中央部62d、後部62eの形状がそれぞれ傾斜状や平坦状に変化していても、帯状の板材24をフロア底部61の形状に沿わせて容易に変形させることができる。
これにより、帯状の板材24を容易に製造でき、帯状の板材24のコストを抑えることができる。
また、帯状の板材24の帯状部71が略水平になるように断面略直線状に形成されることにより、車体側方から入力する衝撃荷重を好適に支えることができる。
すなわち、センタピラー13(図2参照)に車体側方から衝撃荷重が入力することにより、センタピラー13がサイドシル12を軸にして車室側に回転しようとする。よって、サイドシル12に車室方向(車幅方向内側)に向けた曲げモーメントM1が作用する。サイドシル12に曲げモーメントM1が作用することにより、クロスメンバ22に圧縮力F1が作用し、帯状の板材24に引張力F2が作用する。
よって、帯状の板材24に作用する引張力F2を帯状の板材24で支えることにより、クロスメンバ22に作用する圧縮力F1を小さく抑えることができる。
ここで、クロスメンバ22の左端部22bがインナ側壁44に接続され、かつ、上壁64に接続されているので、サイドシル12の変形をクロスメンバ22で抑えることができる。サイドシル12の変形を抑えることにより、帯状の板材24に作用する引張力F2を帯状の板材24で良好に支えることができる。
これにより、クロスメンバ22の板厚寸法を小さく抑えた状態で、サイドシル12(上部12e)が車室37側に変形することを抑えることができ、かつ、クロスメンバ22の軽量化を図ることができる。
ところで、引張方向の荷重F2を支える場合、圧縮方向の荷重F1を支える場合と比べて強度を小さく抑えることができる。さらに、帯状の板材24(帯状部71)は断面略直線状に形成されている。よって、帯状の板材24の板厚寸法を小さく抑えることができ、軽量の帯状の板材24で引張方向の荷重F2を支えることができる。
これにより、車体側部構造10に軽量の帯状の板材24を新たに備えても、クロスメンバ22の軽量化を図ることにより、車体側部構造10の軽量化を図ることができる。
このように、インナパネル41とフロアパネル21とを帯状の板材24で連結することにより、車体側方から入力した衝撃荷重でサイドシル12が車室37側に変形することを抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
また、フロアパネル21の上壁64をインナパネル41のインナ側壁44に接続した。よって、フロアパネル21が上下方向(矢印A方向)に振動した場合に、インナ側壁44に上壁64を介して車幅方向の振動が伝えられる。
インナ側壁44に発生した振動が断面略直線状の帯状の板材24に引張力として作用する。これにより、フロアパネル21に作用する上下方向の振動を、板厚寸法の小さい帯状の板材24で抑えることができる。
ここで、フロア底部61に内張出部72が接続された内側接続部75とインナ側壁44に上壁64が接続された中央接続部76との内側距離がL1に設定されている。
また、シル下フランジ57に外張出部73が接続された外側接続部77と中央接続部76との外側距離がL2に設定されている。
ところで、内側距離L1を小さくすることにより、フロアパネルに帯状の板材を接続する内側接続部75をインナ側壁44側に寄せることができる。これにより、インナ側壁44でフロアパネル21の剛性を高めることができるので、フロアパネル21に上下方向の振動を発生し難くできる。
一方、外側距離L2を小さくすることにより、サイドシル12に帯状の板材24を接続する外側接続部77をインナ側壁44側に寄せることができる。サイドシル12の剛性を高めることができるので、サイドシル12の断面が衝撃荷重で潰れ難く(変形し難く)できる。
車体側方から衝撃荷重が入力した場合に、帯状の板材24に引張力を好適に作用させ、作用した引張力を帯状の板材24で支えることができる。
これにより、サイドシル12が車室37内に変形することを抑えることができる。
しかし、内側距離L1を小さくした場合に外側距離L2が大きくなり、外側距離L2を小さくした場合に内側距離L1が大きくなる。
そこで、内側距離L1および外側距離L2を同等に設定するようにした。
これにより、フロアパネル21に上下方向の振動を発生し難くでき、かつ、サイドシル12が車室37側に変形し難くできる。
図3、図7に示すように、ビーム縦枝34は、下端部34aが帯状の板材24より上方に配置され、かつ、車体前後方向において帯状の板材24に対峙する位置に配置されている。
よって、車体側方からドアビーム33に衝撃荷重F3が入力した場合に、入力した衝撃荷重F3を、ビーム縦枝34の下端部34aを経てサイドシル12の上部12e(具体的には、帯状の板材24に対応する部位)に伝えることができる。
これにより、帯状の板材24に引張力F2を作用させ、作用した引張力F2を帯状の板材24で支えることにより、サイドシル12が車室37に変形することを抑えることができる。
ここで、サイドシル12を高強度鋼板で形成することにより、サイドシル12の剛性を高めることができる。サイドシル12の剛性を高めることにより、サイドシル12の断面が衝撃荷重F3で潰れ難く(変形し難く)できる。
よって、車体側方からドアビーム33に衝撃荷重F3が入力した場合に、帯状の板材24に引張力F2を好適に作用させ、作用した引張力F2を帯状の板材24で支えることができる。
これにより、サイドシル12が車室37に変形することを帯状の板材24で一層良好に抑えることができる。
また、図2に示すように、サイドシル12の前端部12aにフロントピラー14が設けられることにより、前端部12aの断面がフロントピラー14で閉塞されている。
さらに、サイドシル12の後端部を袋状部12dとすることにより、後端部12dの断面が袋状部12dで閉塞されている。
サイドシル12の前端部12aおよび後端部12dを閉塞することにより、サイドシル12の剛性を高め、車体側方からの荷重でサイドシル12の断面が潰れ難く(変形し難く)できる。
図7に示すように、サイドシル12の変形を抑えることにより、車体側方からドアビーム33に荷重F3が入力した場合に、帯状の板材24に引張力F2を好適に作用させ、作用した引張力F2を帯状の板材24で支えることができる。
これにより、サイドシル12が車室37に変形することを帯状の板材24で一層良好に抑えることができる。
さらに、図3、図7に示すように、ビーム縦枝34は、下端部34aがクロスメンバ22と対峙する位置に配置されている。
これにより、車体側方からドアビーム33に衝撃荷重F3が入力した場合に、入力した衝撃荷重F3をクロスメンバ22で支えることができる。
加えて、図6に示すように、フロアパネル21の全長L3においてフロア底部61に内張出部72が接続されている。
これにより、フロアパネル21の全長L3(すなわち、サイドシル12の略全長L4)において、車体側方から入力した衝撃荷重によるサイドシル12の車室37への変形を抑えることができる。
ここで、図2に戻って、サイドシル12は、装飾用のサイドシルガーニッシュ26で車外36側から覆われている。サイドシルガーニッシュ26は、樹脂材で形成され、サイドシル12にクリップなどの締結部材で締結されている。
サイドシル12をサイドシルガーニッシュ26で覆うことにより、接続部81がサイドシルガーニッシュ26で覆われている。
接続部81は、袋状部12dをサイドシル本体12fの後端部に接続する部位である。
サイドシルガーニッシュ26で接続部81を覆うことにより、袋状部12dの接続部81を車外36側から目視できないように隠し、車両の外観性を向上させることができる。
つぎに、車体側部構造10のセンタピラー13に車体側方から衝撃荷重F4が入力する例を図9に基づいて説明する。
図9(a)に示すように、センタピラー13に車体側方から衝撃荷重F4が入力する。
図9(b)に示すように、衝撃荷重F4がセンタピラー13に入力することにより、センタピラー13がサイドシル12を軸にして車室側に回転しようとする。よって、サイドシル12に車室方向(車幅方向内側)に向けた曲げモーメントM2が作用する。サイドシル12に曲げモーメントM2が作用することにより帯状の板材24に引張力F5が作用する。
ここで、引張方向の荷重を支える場合、圧縮方向の荷重を支える場合と比べて強度を小さく抑えることができる。
このように、インナパネル41とフロアパネル21とを帯状の板材24で連結することにより、センタピラー13に車体側方から入力した衝撃荷重F4でサイドシル12が車室37側に変形することを抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
ついで、車体側部構造10のフロントサイドドア17に車体側方から衝撃荷重F6が入力する例を図10に基づいて説明する。
図10(a)に示すように、ビーム縦枝34の下端部34aがクロスメンバ22と対峙する位置に配置されている。
この状態で、フロントサイドドア17に車体側方から衝撃荷重F6が入力することにより、入力した衝撃荷重F6がドアビーム33を経てビーム縦枝34(下端部34a)に荷重F7(図10(b)参照)として伝えられる。
図10(b)に示すように、ビーム縦枝34(下端部34a)に伝えられた荷重F7がサイドシル12に伝えられる。サイドシル12に伝えられた荷重F7がサイドシル12を経てクロスメンバ22に荷重F8として伝えられ、伝えられた荷重F8をクロスメンバ22で支えることができる。
これにより、サイドシル12が車室37側に変形することを抑えることができる。
つぎに、フロアパネル21の上下方向への振動を抑える例を図11に基づいて説明する。
図11に示すように、フロアパネル21の上壁64がインナパネル41のインナ側壁44に接続されている。よって、フロアパネル21が上下方向(矢印B方向)に振動した場合に、インナ側壁44に上壁64を介して車幅方向(矢印C方向)の振動が伝えられる。
インナ側壁44に発生した振動により断面略直線状の帯状の板材24に引張力が作用する。
これにより、インナ側壁44の振動(すなわち、フロアパネル21の振動)を帯状の板材24で抑えることができるので、フロアパネル21の剛性を向上させ、さらに、車室37の騒音を低減することができる。
つぎに、実施例2、実施例3の車体側部構造を図12、図13に基づいて説明する。なお、実施例2、実施例3の車体側部構造において実施例1の車体側部構造10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
実施例2に係る車体側部構造90について説明する。
図12に示すように、車体側部構造90は、インナパネル91のインナ底部93を平坦に形成し、インナ底部93に帯状の板材95を接続したもので、その他の構成は実施例1の車体側部構造10と同様である。
インナパネル91は、インナ底部93を平坦に形成することにより帯状の板材95の外張出部96を接続可能な部位としたもので、その他の形状は実施例1のインナパネル41と同様である。
インナ底部93が、帯状の板材95の外張出部96を接続可能なサイドシル12の底部とされている。
フロアパネル101は、フロア底部102の平坦部103がインナ底部93に対して略水平に配置され、傾斜部104が平坦部103から上壁64に向けて上り勾配に傾斜されたもので、その他の形状は実施例1のインナパネル41と同様である。
平坦部103およびインナ底部93が帯状の板材95で連結されている。
車体側部構造90によれば、フロア底部102に傾斜部104が備えられ、傾斜部104が平坦部103から上壁64に向けて上り勾配に傾斜されている。
フロア底部102に傾斜部104を備えることにより、フロアパネル101の剛性を向上させることができる。さらに、傾斜部104で水を平坦部103に案内することができるので、平坦部103に排水孔106を形成することにより排水孔106から水を良好に車外36に排出することができる。
ところで、フロア底部102に傾斜部104を備えることにより、フロアパネル101が上下方向(矢印C)に振動した場合に、インナ側壁92に伝えられる車幅方向(矢印D方向)の振動が大きくなることが考えられる。
ここで、帯状の板材95の内張出部97が平坦部103に接続されることにより、インナ底部93および平坦部103が帯状の板材95で連結されている。
よって、インナ側壁92に車幅方向(矢印D方向)の振動が発生することにより帯状の板材95に引張力F9が作用する。引張力F9を帯状の板材95で支えることにより、インナ側壁92に伝えられる車幅方向(矢印D方向)の振動を帯状の板材95で抑えることができる。これにより、フロアパネル101の振動や、車室37内の騒音を低減することができる。
実施例3に係る車体側部構造110について説明する。
図13に示すように、車体側部構造110は、実施例1の帯状の板材24を帯状の板材112に変えたもので、その他の構成は実施例1の車体側部構造10と同様である。
帯状の板材112は、例えば、アルミ材で押出成形され、内連結点(内側接続部)116および外連結点(外側接続部)117間で車幅方向に断面略直線状に形成された帯状部113と、車体下方の凹部79に沿って配置された内外の張出部114,115とを有する。
内側接続部116は、内張出部114およびフロアパネル21(傾斜部63)がボルト121・ナット122で締結された連結部である。外側接続部117は、外張出部115およびサイドシル12(インナ底部47)がボルト123・ナット124で締結された連結部である。
すなわち、帯状の板材112は凹部79に沿って連結されている。帯状の板材112をボルト・ナットなどを用いて機械的に締結することにより、帯状の板材112を凹部79に着脱自在に取り付けることができる。
実施例3に係る車体側部構造110によれば、実施例1の車体側部構造10と同様の効果を得ることができる。
さらに、この帯状部113は、フロアパネル21(上壁64)とサイドシル12とが当接された継目78や、車体下方の凹部79を車外36側から目視できないように隠す艤装部材としての役割も兼ねている。
なお、本発明に係る車体側部構造は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例1〜実施例3では、帯状の板材24,95を平板状に形成した例について説明したが、これに限らないで、帯状の板材として車幅方向に延びるビード(補強用の凸部)を有する板材を用いることも可能である。車幅方向に延びるビードを帯状の板材に備えることにより、帯状の板材に作用する引張力を一層好適に支えることができる。
また、前記実施例1および実施例2では、インナパネル41およびアウタパネル42を高強度鋼板で形成した例について説明したが、これに限らないで、インナパネル41およびアウタパネル42をフロアパネル21より板厚寸法が大きい厚板で形成することも可能である。
インナパネル41およびアウタパネル42を厚板で形成することにより実施例1、2と同様の効果を得ることができる。
さらに、前記実施例3では、帯状の板材112を凹部79に締結する締結部材としてボルト・ナットを例示したが、これに限らないで、リベットなどの他の締結部材を用いることも可能である。
また、前記実施例1〜実施例3で示した車体側部構造、サイドシル、袋状部、センタピラー、フロントサイドドア、リヤサイドドア、フロアパネル、クロスメンバ、帯状の板材、サイドシルガーニッシュ、ドアビーム、ビーム縦枝、インナパネル、アウタパネル、シル下フランジ、フロア底部、平坦部、傾斜部および上壁などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、サイドシルにフロアパネルの外側部が接続され、サイドシルにクロスメンバの端部が接続された車体側部構造を備えた自動車への適用に好適である。
10,90…車体側部構造、12…サイドシル、12a…サイドシルの前端部、12d…袋状部(サイドシルの後端部)、13…センタピラー、17…フロントサイドドア(サイドドア)、18…リヤサイドドア(サイドドア)、21、101…フロアパネル、22…クロスメンバ、22b…クロスメンバの左端部(端部)、24,95…帯状の板材、26…サイドシルガーニッシュ、31…フロントサイドドアの内部、33…ドアビーム、34…ビーム縦枝、34a…ビーム縦枝の下端部、41,91…インナパネル、42…アウタパネル、44,92…インナ側壁、46…インナ上フランジ(上フランジ)、47…インナ底部、48…インナ下フランジ(下フランジ)、53…アウタ上フランジ(上フランジ)、55…アウタ下フランジ(下フランジ)、57…シル下フランジ(サイドシルの底部)、61,102…フロア底部、62,103…平坦部、63,104…傾斜部、64…上壁(外側部)、73…外張出部、75,97…内側接続部、77,96…外側接続部、76…中央接続部、81…接続部、93…インナ底部(サイドシルの底部)、L1…内側距離、L2…外側距離、L3…フロアパネルの全長。

Claims (8)

  1. サイドシルを形成するアウタパネルおよびインナパネルがそれぞれ断面略ハット状に形成され、前記アウタパネルの上下のフランジおよび前記インナパネルの上下フランジがそれぞれ接続されることにより前記サイドシルが閉断面に形成され、
    前記インナパネルのインナ側壁に、フロアパネルの外側部を上向きに折り曲げた上壁が接続され、
    前記インナ側壁にクロスメンバの端部が接続され、該クロスメンバが車幅方向に延びる車体側部構造であって、
    前記フロアパネルの上壁に前記クロスメンバが接続され、
    前記アウタパネルの下フランジおよび前記インナパネルの下フランジが接合されることにより、前記サイドシルの底部としてシル下フランジが形成され、
    前記サイドシルの底部および前記フロアパネルのフロア底部を連結し、車幅方向に断面略直線状に形成され、かつ、車体前後方向に延びる帯状の板材を備え、
    前記フロアパネルに前記帯状の板材が接続された内側接続部と前記インナ側壁に前記上壁が接続された中央接続部との内側距離がL1に設定され、
    前記シル下フランジに前記帯状の板材が接続された外側接続部と前記中央接続部との外側距離がL2に設定され、
    前記内側距離L1および前記外側距離L2が同等であることを特徴とする車体側部構造。
  2. サイドシルを形成するアウタパネルおよびインナパネルがそれぞれ断面略ハット状に形成され、前記アウタパネルの上下のフランジおよび前記インナパネルの上下フランジがそれぞれ接続されることにより前記サイドシルが閉断面に形成され、
    前記インナパネルのインナ側壁に、フロアパネルの外側部を上向きに折り曲げた上壁が接続され、
    前記インナ側壁にクロスメンバの端部が接続され、該クロスメンバが車幅方向に延びる車体側部構造であって、
    前記フロアパネルの上壁に前記クロスメンバが接続され、
    前記アウタパネルの下フランジおよび前記インナパネルの下フランジが接合されることにより、前記サイドシルの底部としてシル下フランジが形成され、
    該シル下フランジおよび前記フロアパネルのフロア底部を連結し、車幅方向に断面略直線状に形成され、かつ、車体前後方向に延びる帯状の板材を備え、
    前記帯状の板材は、
    該帯状の板材の外側部に下方へ折り曲げられた外張出部を有し、
    該外張出部が前記シル下フランジに接続され
    前記フロアパネルに前記帯状の板材が接続された内側接続部と前記インナ側壁に前記上壁が接続された中央接続部との内側距離がL1に設定され、
    前記サイドシルの底部に前記帯状の板材が接続された外側接続部と前記中央接続部との外側距離がL2に設定され、
    前記内側距離L1および前記外側距離L2が同等であることを特徴とする車体側部構造。
  3. 前記帯状の板材は、
    車体前後方向において前記フロアパネルの全長に亘り前記フロア底部に接続され、
    車幅方向において断面略直線状に形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の車体側部構造。
  4. 前記サイドシルの車幅方向外側で、かつ上方に設けられたサイドドアを含み、
    該サイドドアは、
    内部に設けられて車体前後方向に延びる補強用のドアビームと、
    該ドアビームから前記サイドシルに向けて延びるビーム縦枝と、を有し、
    前記ビーム縦枝は、
    下端部が前記帯状の板材より上方に配置され、かつ、車体前後方向において前記帯状の板材に対峙する位置に配置されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の車体側部構造。
  5. 前記ビーム縦枝は、
    前記下端部が前記クロスメンバと対峙する位置に配置されたことを特徴とする請求項記載の車体側部構造。
  6. 前記サイドシルの前記アウタパネルおよび前記インナパネルは、
    前記フロアパネルより板厚寸法が大きい厚板、または、高強度鋼板で形成され、
    前記フロアパネルは、
    前記アウタパネルおよび前記インナパネルより板厚寸法が小さい薄板で形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の車体側部構造。
  7. 前記サイドシルは、前端部および後端部の各断面が閉塞されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の車体側部構造。
  8. 前記サイドシルを車外側から覆う装飾用のサイドシルガーニッシュを含み、
    前記サイドシルは、
    後端部を形成し、かつ、該後端部の断面を閉塞する袋状部を有し、
    該袋状部を接続する接続部が前記サイドシルガーニッシュで覆われたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の車体側部構造。
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