JP6029007B2 - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブ Download PDF

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Description

本発明は、サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブに係り、とりわけ、ヘッド領域に実装されるアクチュエータ素子が、スライダ用接着剤によって汚染されることを防止するとともに、ヘッドスライダが、スライダ実装領域内を通る配線に干渉することを防止できるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブに関する。
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込みおよび読み取りを行う磁気ヘッドスライダが実装されたサスペンション用基板(フレキシャー)を備えている。このサスペンション用基板は、磁気ヘッドスライダが実装されるヘッド領域から、FPC基板(フレキシブルプリント基板)に接続されるテール領域に延びるように形成されており、金属支持層と、金属支持層に絶縁層を介して積層された複数の配線を有する配線層と、を備え、各配線に電気信号を流すことにより、磁気ヘッドスライダが、ディスクに対してデータの書き込みまたは読み取りを行うようになっている。
このようなハードディスクドライブにおいては、ディスク上の所望のデータトラックに磁気ヘッドスライダを移動させるために、磁気ヘッドスライダを支持するアクチュエータアームを回動させるVCMアクチュエータ(ボイスコイルモータ)を、サーボコントロールシステムによって制御している。
ところで、近年、ディスクの容量増大の要求が高まっている。この要求に応えるために、ディスクが高密度化されて、トラックの幅が小さくなっている。このため、VCMアクチュエータによって、磁気ヘッドスライダを所望のトラックに精度良く位置合わせすることが困難な場合がある。
このことに対処するために、VCMアクチュエータとPZTマイクロアクチュエータ(Dual Stage Actuator:DSA)とを協働させて、所望のトラックに磁気ヘッドスライダを移動させるデュアルアクチュエータ方式のサスペンションが知られている。このPZTマイクロアクチュエータは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなるピエゾ素子(圧電素子)により構成され、電圧が印加されることにより伸縮し、磁気ヘッドスライダを微小に移動させるようになっている。このようなデュアルアクチュエータ方式のサスペンションにおいては、VCMアクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置を大まかに調整し、PZTマイクロアクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置を微小調整する。このようにして、磁気ヘッドスライダを、所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせするようになっている。
このようなデュアルアクチュエータ方式のサスペンションにおいて、ピエゾ素子がヘッドスライダとともにサスペンション用基板のヘッド領域に配置されたものが知られている。この場合、ピエゾ素子によるヘッドスライダの変位の精度を向上させることが可能となる。
ところで、ヘッドスライダは、スライダ用接着剤を用いて、サスペンション用基板のヘッド領域に実装されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。ここでは、ヘッドスライダが実装されるスライダ実装領域内に、絶縁層や保護層の一部を構成するスペーサが形成されて、このスペーサにヘッドスライダが支持されるようになっている。
特開2007−305270号公報
しかしながら、ピエゾ素子がヘッドスライダとともにヘッド領域に実装されるサスペンションにおいては、スライダ用接着剤が、ヘッドスライダの周囲に漏れて、ピエゾ素子に達する可能性がある。この場合、スライダ用接着剤がピエゾ素子に接し、ピエゾ素子が接着剤によって汚染されるという問題が生じる。また、この場合、ピエゾ素子の伸縮動作が阻害され得るという問題もある。
また、ピエゾ素子がヘッドスライダとともにヘッド領域に実装される場合、ヘッドスライダが実装されるスライダ実装領域内に、サスペンション用基板の配線が配置される。この場合、特許文献1に示すように、絶縁層や保護層の一部を構成する形態のスペーサでは、スライダ実装領域内を通る配線と干渉して、ヘッドスライダをスペーサで支持することが困難になる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ヘッド領域に実装されるアクチュエータ素子が、スライダ用接着剤によって汚染されることを防止するとともに、ヘッドスライダが、スライダ実装領域内を通る配線に干渉することを防止できるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブを提供することを目的とする。
本発明は、スライダ用接着剤を用いてヘッドスライダが実装されるヘッド領域に、前記ヘッドスライダを変位させる伸縮可能なアクチュエータ素子が実装されるサスペンション用基板において、金属支持層と、前記金属支持層上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた配線層であって、前記ヘッドスライダが実装されるスライダ実装領域内を通る複数の配線を有する配線層と、前記絶縁層上に設けられ、前記配線を覆う第1保護層と、を備え、前記スライダ実装領域内において平面視で前記配線とは異なる位置に、前記ヘッドスライダを支持する複数のスペーサが設けられ、前記スペーサは、前記配線層により形成されたスペーサ配線部であって、配線層開口部を含み、平面視で枠状に形成されたスペーサ配線部を有し、前記スペーサ配線部は、前記第1保護層を介して、第2保護層によって覆われ、前記第2保護層のうち前記スペーサ配線部の上方に位置する部分の上面は、前記第1保護層のうち前記配線の上方に位置する部分の上面より、前記金属支持層から高い位置に配置され、前記スペーサは、前記配線層開口部に対応する形状を有する充填凹部であって、前記スライダ用接着剤が充填される充填凹部を有していることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
なお、上述したサスペンション用基板において、前記第1保護層及び前記第2保護層は、前記配線層開口部内に入り込むように凹状に形成され、このことにより、前記充填凹部が形成されている、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記第1保護層は、前記配線層開口部内に入り込むように凹状に形成され、前記第2保護層は、前記配線層開口部に平面視で重なるように設けられた第2保護層開口部を有し、凹状に形成された前記第1保護層と前記第2保護層開口部とにより、前記充填凹部が形成されている、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記第1保護層は、前記配線層開口部に平面視で重なるように設けられた第1保護層開口部を有し、前記第2保護層は、前記第1保護層開口部に平面視で重なるように設けられた第2保護層開口部を有し、前記配線層開口部、前記第1保護層開口部及び前記第2保護層開口部により、前記充填凹部が形成されている、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記絶縁層は、前記配線層開口部に平面視で重なるように設けられた絶縁層開口部を有し、前記配線層開口部、前記第1保護層開口部、前記第2保護層開口部及び前記絶縁層開口部により、前記充填凹部が形成されている、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記金属支持層のうち前記絶縁層開口部により露出された部分に、金属支持層保護部が設けられている、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記スペーサ配線部のうち前記第1保護層開口部及び前記第2保護層開口部により露出された部分に、配線層保護部が設けられている、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記スペーサ配線部は、前記絶縁層を貫通する導電接続部を介して前記金属支持層に導電接続されている、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記第1保護層又は前記第2保護層は、前記配線層開口部を画定する前記スペーサ配線部の内側面に延びている、ようにしてもよい。
さらに、上述したサスペンション用基板において、前記スペーサは、平面視で互いに離間している、ようにしてもよい。
本発明は、ロードビームと、前記ロードビームに取り付けられた上述した前記サスペンション用基板と、前記サスペンション用基板に実装された前記アクチュエータ素子と、を備えたことを特徴とするサスペンションを提供する。
なお、上述したサスペンションにおいて、前記アクチュエータ素子の少なくとも一部は、前記スライダ実装領域内に配置され、前記第2保護層のうち前記スペーサ配線部の上方に位置する部分の上面は、前記アクチュエータ素子の上面と同一平面上に配置されているようにしてもよい。
本発明は、上述した前記サスペンションと、前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンションを提供する。
本発明は、上述した前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、ヘッド領域に実装されるアクチュエータ素子が、スライダ用接着剤によって汚染されることを防止するとともに、ヘッドスライダが、スライダ実装領域内を通る配線に干渉することを防止できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヘッド付サスペンションの一例を示す平面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションにおいて、ヘッド領域を示す拡大平面図である。 図3は、図2のサスペンションにおいて、スペーサの断面を示す図である。 図4は、図2の断面図において、ヘッドスライダが実装された図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクドライブの一例を示す斜視図である。 図6は、図3の変形例(変形例1)を示す断面図である。 図7は、図3の他の変形例(変形例2)を示す断面図である。 図8は、図3の他の変形例(変形例3)を示す断面図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンションにおいて、ヘッド領域を示す拡大平面図である。 図10は、図9のサスペンションのヘッド領域の断面を、ヘッドスライダが実装された状態で示す図である。 図11は、図9のサスペンションにおいて、スペーサを示す拡大断面図である。
図面を用いて、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブについて説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、ヘッド付サスペンション111は、サスペンション101と、サスペンション用基板1に実装されたヘッドスライダ112と、を備えている。このうちヘッドスライダ112は、後述するディスク123(図5参照)に対してデータの書き込み及び読み取りを行うためのものであり、サスペンション用基板1のヘッド領域2にスライダ用接着剤114を用いて実装されて、後述するヘッド端子(スライダ接続端子)41に電気的に接続されている。なお、ヘッドスライダ112は、図1に示すように、データの書き込み及び読み取りを行うリードライト部112aを有しており、リードライト部112aによってデータの受け渡しが行われる。このリードライト部112aは、ヘッドスライダ112のうちヘッド端子41の側に配置されている。
サスペンション101は、図1に示すように、ベースプレート102と、ベースプレート102上に取り付けられたロードビーム103と、ロードビーム103上に取り付けられたサスペンション用基板1と、サスペンション用基板1に実装された一対のピエゾ素子(アクチュエータ素子)104と、を備えている。このうちベースプレート102及びロードビーム103は、いずれも、好適にはステンレスにより形成され、互いに溶接されて固定されている。また、ロードビーム103は、サスペンション用基板1の金属支持層20(後述)に、溶接により取り付けられるようになっている。
また、ロードビーム103には、サスペンション用基板1の各治具孔5に対応して、ビーム治具孔(図示せず)が設けられており、サスペンション用基板1にロードビーム103を取り付ける際に、サスペンション用基板1とロードビーム103との位置合わせを行うことができるようになっている。なお、サスペンション用基板1の治具孔5、ロードビーム103の治具孔は、図1に示す長手方向軸線(X)上に配置されている。
各ピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112を変位させる伸縮可能な圧電素子として構成されている。すなわち、ピエゾ素子104は、図1の矢印P方向に伸縮可能であり、ヘッドスライダ112をスウェイ方向(旋回方向、図1の矢印Q方向)に変位させるようになっている。
各ピエゾ素子104は、図示しないが、一対の電極と、一対の電極の間に介在され、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスからなる圧電材料部と、を有している。なお、本実施の形態では、直方体状の圧電材料部の一方の面に、一対の電極が、互いに離間して形成されている。一対のピエゾ素子104の圧電材料部は、互いに180°異なる分極方向となるように形成されており、所定の電圧が印加されると、一方のピエゾ素子104が収縮すると共に、他方のピエゾ素子104が伸長するようになっている。このようにして、ピエゾ素子104は、一対の電極の間に所定の電圧が印加されることにより図1の矢印P方向に伸縮可能になっている。
このようなピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112とともにサスペンション用基板1のヘッド領域2に実装されている。この場合、ピエゾ素子104をヘッドスライダ112に近接させることができ、ピエゾ素子104の伸縮力の伝達損失を低減し、ヘッドスライダ112を精度良く変位させることができる。また、この場合、ヘッドスライダ112を変位させるために必要なピエゾ素子104の伸縮量を低減することができ、ピエゾ素子104の伸縮に必要な電力量を低減することができる。
本実施の形態においては、ピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112の両側方(平面視で長手方向軸線(X)の両側、図1における左右両側)に配置されている。この場合、ピエゾ素子104及びヘッドスライダ112が実装されたヘッド領域2の厚さが増大することを抑制できる。
また、ピエゾ素子104は、図1に示すように、長手方向軸線(X)に沿って細長状に形成されており、その伸縮方向が、当該長手方向軸線(X)に平行となっている。また、ピエゾ素子104は、長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に配置されており、各ピエゾ素子104の伸縮が、ヘッドスライダ112に均等に伝達されるようになっている。
次に、サスペンション用基板1について説明する。
図1及び図2に示すように、サスペンション用基板1は、ヘッドスライダ112が実装されるヘッド領域2と、FPC基板(外部接続基板)131が連結されるテール領域3と、を有している。ヘッド領域2には、ヘッドスライダ112のスライダ端子112b(図10参照)に接続される複数のヘッド端子41が設けられ、テール領域3には、FPC基板131に接続される複数のテール端子(外部接続端子)42が設けられている。ヘッド端子41とテール端子42とは、後述する信号配線43を介してそれぞれ接続されている。なお、ヘッド端子41、テール端子42には、腐食を防止するために金めっき層(図示せず)が設けられていることが好適である。
図2及び図3に示すように、サスペンション用基板1は、金属支持層20と、金属支持層20上に設けられた絶縁層10と、絶縁層10上に設けられ、後述する複数の配線43、44を有する配線層40と、を備えている。すなわち、金属支持層20に絶縁層10を介して配線層40が積層されている。また、絶縁層10上には、配線層40の配線43、44を覆う第1保護層50が設けられており、第1保護層50の上方にピエゾ素子104及びヘッドスライダ112が配置されるようになっている。なお、図1及び図2においては、図面を明瞭にするために、第1保護層50は省略されている。
配線層40は、複数の配線、すなわち、一対の読取配線と一対の書込配線とを含む信号配線43と、ピエゾ素子104の電極に接続される一対の素子配線44と、を有している。このうち、信号配線43は、ヘッド端子41とテール端子42とを接続しており、この信号配線43に電気信号が流されることによって、ヘッドスライダ112がディスク123(図5参照)に対してデータの書き込み又は読み取りを行うようになっている。
また、図2に示すように、配線層40は、素子配線44に接続された一対の第1素子接続端子45を有している。これらの第1素子接続端子45は、ヘッド領域2のうち後述するスライダ実装領域2a以外の領域に設けられており、ピエゾ素子104の一方の電極に、銀ペーストなどの導電性接着剤(図示せず)を介して電気的に接続される。第1素子接続端子45には、素子配線44を介してテール端子42が接続されており、ピエゾ素子104の一方の電極に所定の電圧を印加するようになっている。
配線層40は、一対の第2素子接続端子46を更に有している。これらの第2素子接続端子46は、例えば絶縁層10を貫通する導電接続部(ビア、図示せず)によって、金属支持層20に電気的に接続されていることが好適である。また、第2素子接続端子46は、第1素子接続端子45と同様にして、導電性接着剤によってピエゾ素子104の他方の電極に電気的に接続される。このようにして、ピエゾ素子104の他方の電極を接地するようになっている。
金属支持層20は、ヘッドスライダ112を支持するタング部21を有している。本実施の形態においては、タング部21上に、絶縁層10を介して信号配線43が配置されている。すなわち、スライダ実装領域2a内を、複数の信号配線43が通っている。ここで、スライダ実装領域2aとは、ヘッドスライダ112が実装される領域であって、実装されたヘッドスライダ112と平面視で重なる領域のことを意味している。また、平面視という文言は、サスペンション用基板1をその積層方向から見た場合という意味で用いており、より具体的には、図1、図3等で示す平面図のように見た場合という意味で用いている。
また、タング部21上に、ヘッドスライダ112を支持する複数(図2では、4つ)のスペーサ60が設けられている。これらのスペーサ60は、上述したスライダ実装領域2a内を通る信号配線43とは平面視で異なる位置に配置されている。
図3に示すように、スペーサ60は、配線層40により形成されたスペーサ配線部47を有している。スペーサ配線部47は、配線層開口部47aを含み、平面視で枠状に形成されている。また、スペーサ配線部47は、第1保護層50によって覆われ、スペーサ配線部47を覆う第1保護層50は、第2保護層80によって更に覆われている。すなわち、スペーサ配線部47は、第1保護層50を介して第2保護層80によって覆われており、スペーサ配線部47と、第1保護層50のうちスペーサ配線部47を覆う部分と、第2保護層80のうちスペーサ配線部47を覆う部分とにより構成されている。なお、本実施の形態においては、図2に示すように、スペーサ配線部47は、平面視でリング状に形成されているが、スペーサ配線部47の平面形状は、矩形状など、任意の形状とすることができる。また、スペーサ配線部47は、信号配線43、素子配線44、又は金属支持層20に接続させることなく、電気的に独立していてもよいが、例えば金属支持層20に導電接続させることによって接地させるようにしてもよい。
第2保護層80のうちスペーサ配線部47の上方に位置する部分(スペーサ保護部81)の上面81aは、第1保護層50のうち信号配線43の上方に位置する部分(配線保護部51)の上面51aより、金属支持層20のタング部21から高い位置に配置されている。すなわち、スペーサ保護部81の上面81aは、配線保護部51の上面51aより、ヘッドスライダ112の側に配置される。このことにより、スペーサ保護部81の上面81aと配線保護部51の上面51との間に、高低差(h)を形成することができる。このため、図4に示すように、スペーサ60に支持されるヘッドスライダ112の下面112cと、配線保護部51の上面51aとの間のギャップ(g)を増大させることができる。
また、図3及び図4に示すように、スペーサ60は、スライダ用接着剤114が充填される充填凹部61を含んでいる。充填凹部61は、スペーサ60の上面に設けられており、上方に向って開口するように形成されている。充填凹部61にスライダ用接着剤114が充填されてヘッドスライダ112がスペーサ60に載置されることにより、図4に示すように、ヘッドスライダ112が、ヘッド領域2に接着されるようになっている。
スペーサ60の充填凹部61は、配線層開口部47aに対応する形状を有している。言い換えると、充填凹部61は、配線層開口部47aに倣う形状を有している。より具体的には、第1保護層50及び第2保護層80が、配線層開口部47a内に入り込むように凹状に形成され、このことにより、充填凹部61が形成されている。
また、図2に示すように、スペーサ60は、平面視で互いに離間している。すなわち、実装されたヘッドスライダ112を取り外す場合に、へらなどの工具を挿入可能な程度に、スペーサ60が難いに離間している。
ここで、サスペンション用基板1の各層を構成する材料について詳細に述べておく。
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm〜30μm、とりわけ8μm〜10μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層20と各配線43、44との間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
各配線43、44は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各配線43、44の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線43、44の厚さは、例えば1μm〜18μm、とりわけ9μm〜12μmであることが好ましい。このことにより、各配線43、44の伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。なお、ヘッド端子41、テール端子42及び素子接続端子45、46は、各配線43、44と同一の材料、同一の厚みとなっている。
金属支持層20の材料としては、所望の導電性、弾力性、及び強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、又はその他の銅合金を用いることができ、ステンレスを用いることが好適である。金属支持層20の厚さは、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜20μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層20の導電性、剛性、及び弾力性を確保することができる。
第1保護層50の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、第1保護層50の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。第1保護層50の厚さは、2μm〜30μm、とりわけ2〜6μmであることが好ましい。第2保護層80は、第1保護層50と同様の材料により、同様の厚さで形成されることが好適である。
次に、図5により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ121について説明する。図5に示すハードディスクドライブ121は、ケース122と、このケース122に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク123と、このディスク123を回転させるスピンドルモータ124と、ディスク123に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク123に対してデータの書き込み及び読み取りを行うヘッドスライダ112を含むヘッド付サスペンション111と、を有している。このうちヘッド付サスペンション111は、ケース122に対して移動可能に取り付けられており、ケース122にはヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112をディスク123上に沿って移動させるボイスコイルモータ125が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション111は、ボイスコイルモータ125にアーム126を介して取り付けられていると共に、ハードディスクドライブ121を制御する制御部(図示せず)に接続されたFPC基板131(図1参照)に接続されている。このようにして、電気信号が、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、制御部とヘッドスライダ112との間で伝送されるようになっている。
次に、上述した本実施の形態におけるサスペンション用基板1の製造方法について説明する。
まず、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた金属支持層20と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線層40と、を有する積層体(図示せず)を準備する。続いて、配線層40が、所望の形状にエッチングされて、ヘッド端子41、テール端子42、配線43、44、及び素子接続端子45、46、スペーサ配線部47が形成される。次に、絶縁層10上に、各配線43、44、スペーサ配線部47を覆う第1保護層50が所望の形状で形成される。なお、保護層50は、例えば、液状のポリイミドを塗布して乾燥し、エッチングすることにより形成できる。第1保護層50が形成された後、第2保護層80が、第1保護層50と同様にして形成される。このことにより、スペーサ60が得られる。続いて、絶縁層10が所望の形状にエッチングされる。その後、金属支持層20が所望の形状にエッチングされて、外形加工され、タング部21が形成される。このようにして、本実施の形態におけるサスペンション用基板1が得られる。
次に、本実施の形態におけるサスペンション101の製造方法について説明する。
まず、ベースプレート102に、ロードビーム103を介して、上述のようにして得られたサスペンション用基板1が、溶接により取り付けられる。この場合、まず、ベースプレート102にロードビーム103が溶接により固定される。続いて、ロードビーム103に設けられたビーム治具孔(図示せず)と、サスペンション用基板1に設けられた治具孔5(図1参照)とにより、ロードビーム103とサスペンション用基板1とのアライメントが行われる。次に、サスペンション用基板1の金属支持層20に溶接が施されて、ロードビーム103とサスペンション用基板1が互いに接合されて固定される。
次に、ピエゾ素子104が実装される。この場合、ピエゾ素子104の電極(図示せず)は、サスペンション用基板1の第1素子接続端子45及び第2素子接続端子46に導電性接着剤(図示せず)によって電気的に接続される。また、ピエゾ素子104は、図示しない非導電性接着剤によって、サスペンション用基板1のヘッド領域2に接着される。
このようにして、本実施の形態によるサスペンション101が得られる。
その後、得られたサスペンション101にヘッドスライダ112が実装される。この場合、まず、スペーサ60の充填凹部61にスライダ用接着剤114が充填される。続いて、スペーサ60上にヘッドスライダ112が載置される。このことにより、スライダ用接着剤114によってヘッドスライダ112がスペーサ60に接着される。その後、ヘッド端子41に半田113(図10参照)が供給されてヘッドスライダ112が、ヘッド端子41に電気的に接続される。このようにして、本実施の形態によるヘッド付サスペンション111が得られる。
得られたヘッド付サスペンション111のテール領域3に、FPC基板131(図1参照)が連結され、その後、ヘッド付サスペンション111が、ハードディスクドライブ121のケース122に取り付けられる。このようにして、図5に示すハードディスクドライブが得られる。
図5に示すハードディスクドライブ121においてデータの書き込みおよび読み取りを行う際、スピンドルモータ124によってディスク123が回転し、ボイスコイルモータ125によってヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112がディスク123に沿って移動する。この際、ヘッドスライダ112は、ディスク123の回転により生じた気流の影響を受けて、タング部21と共にジンバル運動を行いながら、ディスク123に所望のフライングハイトを保って浮上する。この状態で、ヘッドスライダ112とディスク123との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、FPC基板131に接続されている制御部(図示せず)とヘッドスライダ112との間で電気信号が伝送される。このような電気信号は、サスペンション用基板1においては、各信号配線43によって、ヘッド端子41(図1参照)とテール端子42との間で伝送される。
ヘッドスライダ112を移動させる際、ボイスコイルモータ125が、ヘッドスライダ112の位置を大まかに調整し、ピエゾ素子104が、ヘッドスライダ112の位置を微小調整する。すなわち、ピエゾ素子104の一方の電極に所定の電圧を印加することにより、長手方向軸線(X)に沿った方向(図1の矢印P方向)に、一方のピエゾ素子104が収縮すると共に他方のピエゾ素子104が伸長する。この場合、ピエゾ素子104には、素子配線44及び第1素子接続端子45を介して所定の電圧が入力される。
ピエゾ素子104が伸縮すると、ヘッド領域2に実装されているヘッドスライダ112がスウェイ方向(図1の矢印Q方向)に移動する。この際、図4に示すように、ヘッドスライダ112の下面112cと配線保護部51の上面51aとの間のギャップ(g)が増大していることにより、ヘッドスライダ112は、スムースに移動することができる。このようにして、ピエゾ素子104の伸縮動作が阻害されることを防止し、ヘッドスライダ112を、ディスク123の所望のトラックに、精度良く位置合わせすることができる。
このように本実施の形態によれば、ヘッドスライダ112を支持するスペーサ60が、ヘッドスライダ112を実装する際に用いられるスライダ用接着剤114が充填される充填凹部61を有している。このことにより、ヘッドスライダ112を実装した場合に、スライダ用接着剤114が、スペーサ60の周囲に漏れることを防止することができる。このため、当該スライダ用接着剤114によって、ヘッド領域2に実装されるピエゾ素子44が汚染されることを防止できる。
また、本実施の形態によれば、第2保護層80のうちスペーサ配線部47の上方に位置する部分(スペーサ保護部81)の上面81aが、第1保護層50のうち信号配線43の上方に位置する部分(配線保護部51)の上面51aより、金属支持層20のタング部21から高い位置に配置されている。このことにより、実装されるヘッドスライダ112が、スライダ実装領域2a内を通る信号配線43に干渉することを防止できる。このため、ヘッドスライダ112を安定して保持することができる。また、ヘッドスライダ112の下面112cと配線保護部51の上面51aとの間のギャップ(g)を増大させることができ、ピエゾ素子104が伸縮した際、ヘッドスライダ112を、スムースに移動させることができる。このため、ピエゾ素子104の伸縮動作が阻害されることを防止し、ヘッドスライダ112を精度良く変位させることができる。
また、本実施の形態によれば、スペーサ配線部47は、第1保護層50を介して第2保護層80によって覆われている。このことにより、スペーサ配線部47が腐食することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、第1保護層50及び第2保護層80は、配線層開口部47a内に入り込むように凹状に形成されている。このことにより、スペーサ60の充填凹部61を容易に形成することができる。
さらに、本実施の形態によれば、スペーサ60は、平面視で互いに離間している。このことにより、ヘッドスライダ112を実装した後に、スペーサ60間にへらなどの工具を挿入して、実装されたヘッドスライダ112を容易に取り外すことができる。このため、実装されたヘッドスライダ112が不良品である場合、又は、ヘッドスライダ112が位置ずれして実装された場合などに、ヘッドスライダ112を容易に交換することができ、サスペンション101の廃棄を回避することができる。
(変形例1)
なお、上述した本実施の形態においては、第1保護層50及び第2保護層80が、配線層開口部47a内に入り込むように凹状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図6に示すような形態とすることもできる。
図6においては、第1保護層50が、配線層開口部47a内に入り込むように凹状に形成され、第2保護層80が、配線層開口部47aに平面視で重なるように設けられた第2保護層開口部82を有している。そして、凹状に形成された第1保護層50と第2保護層開口部82とにより、充填凹部61が形成されている。このような変形例1によれば、スペーサ60の充填凹部61の深さを深くすることができ、スライダ用接着剤114とスペーサ60との接着面積を増大させ、ヘッドスライダ112の接着性を向上させることができる。また、スペーサ配線部47は、第1保護層50によって覆われるため、スペーサ配線部47が腐食することを防止できる。なお、平面視で開口部が重なるとは、開口部の全域が平面視で重なるという場合に限られることはなく、開口部のうち少なくとも一部が平面視で重なって、スライダ用接着剤114を実質的に充填可能な程度に重なっている場合をも含む意味として用いている。
(変形例2)
また、上述した本実施の形態においては、第1保護層50及び第2保護層80が、配線層開口部47a内に入り込むように凹状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図7に示すような形態とすることもできる。
図7においては、第1保護層50が、配線層開口部47aに平面視で重なるように設けられた第1保護層開口部52を有し、第2保護層80が、第1保護層開口部52に平面視で重なるように設けられた第2保護層開口部82を有している。すなわち、配線層開口部47aの上方に第1保護層開口部52が配置され、第1保護層開口部52の上方に第2保護層開口部82が配置されている。このことにより、配線層開口部47a、第1保護層開口部52及び第2保護層開口部82が連通し、配線層開口部47a、第1保護層開口部52及び第2保護層開口部82により、充填凹部61が形成されている。この場合、スペーサ60の充填凹部61の深さを深くすることができ、充填凹部61に充填可能なスライダ用接着剤114の量を増大させ、ヘッドスライダ112の接着性を向上させることができる。
変形例2においては、更に、図7に示すように、絶縁層が、配線層開口部47aに平面視で重なるように設けられた絶縁層開口部11を有していてもよい。すなわち、配線層開口部47aの下方に絶縁層開口部11が配置されていてもよい。このことにより、配線層開口部47a及び絶縁層開口部11が連通し、配線層開口部47a、第1保護層開口部52、第2保護層開口部82及び絶縁層開口部11により充填凹部61が形成されている。この場合、スペーサ60の充填凹部61の深さをより一層深くすることができ、充填凹部61に充填可能なスライダ用接着剤114の量を増大させ、ヘッドスライダ112の接着性をより一層向上させることができる。
なお、この場合、図7に示すように、金属支持層20の一部分は、絶縁層開口部11により露出されている。このため、金属支持層20のうち絶縁層開口部11により露出された部分に、金めっきを施すことにより形成された金めっき層(金属支持層保護部)70が設けられていてもよい。このことにより、金属支持層20の露出された部分が、腐食されることを防止できる。なお、金属支持層20と金めっき層70との間に、ニッケルめっきを施すことにより形成されるニッケルめっき層(図示せず)が介在されていてもよい。
また、変形例2においては、スペーサ配線部47の一部分は、第1保護層開口部52及び第2保護層開口部82によって露出されている。このため、スペーサ配線部47のうち第1保護層開口部52及び第2保護層開口部82により露出された部分に、金めっきを施すことにより形成された金めっき層(配線層保護部)71が設けられていてもよい。このことにより、スペーサ配線部47の露出された部分が、腐食されることを防止できる。なお、スペーサ配線部47と金めっき層71との間に、ニッケルめっきを施すことにより形成されるニッケルめっき層(図示せず)が介在されていてもよい。
スペーサ配線部47の露出された部分に金めっき層71を設ける場合、スペーサ配線部47は、絶縁層10を貫通する導電接続部(ビア)90を介して金属支持層20に導電接続されていることが好適である。このことにより、スペーサ配線部47を給電電極としてスペーサ配線部47に金めっきを施すことが可能となる。このような導電接続部90は、例えば、ニッケルめっきによって形成することができる。
(変形例3)
また、上述した変形例2においては、スペーサ配線部47の一部分が、第1保護層開口部52及び第2保護層開口部82によって露出されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図8に示すような形態とすることもできる。
図8においては、第1保護層50が、配線層開口部47aを画定するスペーサ配線部47の内側面47bに延びている。この場合、図7に示すような金めっき層71等を設けることが不要となるため、サスペンション用基板1の工程の煩雑化を抑制しつつ、スペーサ配線部47が腐食することを防止できる。また、この場合、図7に示すような導電接続部90を設けることも不要となる。このことにより、深い充填凹部61を有するスペーサ60の平面領域を小さく(コンパクトに)することができる。
なお、変形例3においては、配線層開口部47aを画定するスペーサ配線部47の内側面47bには、第1保護層50ではなく、第2保護層80が延びるようにしてもよい。また、金属支持層20の露出された部分に、図7に示すような金めっき層(金属支持層保護部)70が設けられていてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、図9乃至図11により、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション及びヘッド付サスペンションについて説明する。
図9乃至図11に示す第2の実施の形態においては、ピエゾ素子の一部がヘッドスライダ実装領域内に配置される点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図9乃至図11において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9及び図10に示すように、ピエゾ素子104の一部は、ヘッドスライダ実装領域2a内に配置され、ヘッドスライダ112の下方に配置される。すなわち、ピエゾ素子104は、サスペンション用基板1のヘッド領域2とヘッドスライダ112との間に配置されている。この場合、ヘッドスライダ112は、ピエゾ素子104上に配置されていることから、ピエゾ素子104をより一層ヘッドスライダ112に近接させることができ、ピエゾ素子104の伸縮力の伝達損失を低減し、ヘッドスライダ112を精度良く変位させることができる。さらに、この場合、ヘッドスライダ112を変位させるために必要なピエゾ素子104の伸縮量を低減することができ、ピエゾ素子104の伸縮に必要な電力量をより一層低減することができる。また、この場合、データの書き込み及び読み取りを行うリードライト部112aを、ディスク123(図5参照)の側に近接させることができ、リードライト部112aとディスク123との間におけるデータの受け渡しの精度を向上させることができる。
図10に示すように、ピエゾ素子104は、互いに対向する面に設けられた第1電極104a及び第2電極104bと、第1電極104aと第2電極104bとの間に介在され、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスからなる圧電材料部104cと、を有している。このうち圧電材料部104cは、直方体状に形成されており、その上面104d及び下面104eは、他の4つの面より表面積が大きくなっている。そして、第1電極104aは、圧電材料部104cの下面104eの全体に金めっきにより設けられ、第2電極104bは、圧電材料部104cの上面104dの全体に金めっきにより設けられている。この場合、各電極104a、104bの形成工程を簡素化し、電極104a、104bを容易にかつ安価に形成することができる。
配線層40の第1素子接続端子45は、ピエゾ素子104の第1電極104aに導電性接着剤(例えば、銀ペースト)105aを介して電気的に接続されるようになっている。このことにより、第1電極104aに、所定の電圧が印加される。
本実施の形態においては、第1素子接続端子45は、スライダ実装領域2a内に配置されている。このようにして、ピエゾ素子104上にヘッドスライダ112が実装されるようになっている。また、本実施の形態においては、この第1素子接続端子45に接続された素子配線44が、スライダ実装領域2a内を通っている。
ピエゾ素子104の第2電極104bに接続される第2素子接続端子22は、金属支持層20により形成されている。すなわち、第2素子接続端子22は、タング部21から上方に延びてピエゾ素子104の第2電極104bに接続されるようになっている。第2素子接続端子22と、ピエゾ素子104の第2電極104bとは、導電性接着剤(例えば、銀ペースト)105bを介して電気的に接続され、第2電極104bが接地される。なお、第2素子接続端子22は、金属支持層20を折り曲げて形成することができる。図10においては、第2素子接続端子22は、2箇所で折り曲げられている。
また、タング部21上には、図10に示すように、ピエゾ素子104を支持する支持台座部65が設けられている。支持台座部65は、第1保護層50によって形成することができる。
なお、本実施の形態においては、図9に示す折曲線Lによって、ヘッド領域2の先端部2bが、タング部21に対して折り曲げられている。この折り曲げられた先端部2bには、金属支持層20が形成されていないため、容易に折り曲げることができるようになっている。このようにして、ヘッド端子41を、図10に示すように、ヘッドスライダ112のスライダ端子112bに近接させることができる。
図10に示すように、スペーサ60の上面は、実装されるピエゾ素子104の上面104fと同一平面上に配置されている。すなわち、第2保護層80のうちスペーサ配線部47の上方に位置する部分(スペーサ保護部81)の上面81a(図11参照)は、ピエゾ素子104の上面(第2電極104bの上面)104fと同一平面上に配置されている。ここで、同一とは、厳密な意味での同一という意味に限られることはなく、製造誤差等を含めて実質的に同一とみなすことができる場合をも含む意味として用いている。
スペーサ60は、第1の実施の形態と同様の構成とすることができる。しかしながら、本実施の形態におけるスペーサ60は、ヘッドスライダ112が、ピエゾ素子104上に配置されるため、図11に示すように、第2保護層80の厚さを増大させている。このような第2保護層80は、例えば、所望の厚さを有するドライフィルムを用いて形成することが好適である。あるいは、第2保護層80は、粘度の大きい樹脂材料(例えば、ポリイミド)を第1保護層50上に塗布して形成するようにしてもよい。粘度を大きくすることにより、第1保護層50上に第2保護層80を厚く塗布することができる。このようにして、スペーサ60の高さを高くすることができ、スペーサ保護部81の上面81aを、ピエゾ素子104の上面104fと同一平面上に配置させることができる。
また、第2保護層80のうちスペーサ配線部47の上方に位置する部分(スペーサ保護部81)の上面81aは、第1保護層50のうち素子配線44の上方に位置する部分の上面より、金属支持層20のタング部21から高い位置に配置されている。このことにより、実装されるヘッドスライダ112が、スライダ実装領域2a内を通る素子配線44に干渉することを防止でき、ヘッドスライダ112を安定して保持することができる。また、ピエゾ素子104が伸縮した際、ヘッドスライダ112を、スムースに移動させることができ、ピエゾ素子104の伸縮動作が阻害されることを防止し、ヘッドスライダ112を精度良く変位させることができる。
このように本実施の形態によれば、ピエゾ素子104の少なくとも一部が、スライダ実装領域2a内に配置され、第2保護層80のうちスペーサ配線部47の上方に位置する部分(スペーサ保護部81)の上面81aが、ピエゾ素子104の上面104fと同一平面上に配置されている。このことにより、ヘッドスライダ112を実装した場合に、スライダ用接着剤114が、充填凹部61からスペーサ60の周囲に漏れることを防止できる。このため、当該スライダ用接着剤114によって、ヘッド領域2に実装されるピエゾ素子44が汚染されることを防止できる。また、スペーサ60によってヘッドスライダ112を安定して保持することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブは、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、上述した実施の形態を、部分的に、適宜組み合わせることも可能である。
1 サスペンション用基板
2 ヘッド領域
2a スライダ実装領域
10 絶縁層
11 絶縁層開口部
20 金属支持層
40 配線層
43 信号配線
44 素子配線
47 スペーサ配線部
47a 配線層開口部
47b 内側面
50 第1保護層
51 配線保護部
51a 上面
52 第1保護層開口部
60 スペーサ
61 充填凹部
70、71 金めっき層
80 第2保護層
81 スペーサ保護部
81a 上面
82 第2保護層開口部
90 導電接続部
101 サスペンション
102 ベースプレート
103 ロードビーム
104 ピエゾ素子
104f 上面
111 ヘッド付サスペンション
112 ヘッドスライダ
114 スライダ用接着剤
121 ハードディスクドライブ

Claims (14)

  1. スライダ用接着剤を用いてヘッドスライダが実装されるヘッド領域に、前記ヘッドスライダを変位させる伸縮可能なアクチュエータ素子が実装されるサスペンション用基板において、
    金属支持層と、
    前記金属支持層上に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層上に設けられた配線層であって、前記ヘッドスライダが実装されるスライダ実装領域内を通る複数の配線を有する配線層と、
    前記絶縁層上に設けられ、前記配線を覆う第1保護層と、を備え、
    前記スライダ実装領域内において平面視で前記配線とは異なる位置に、前記ヘッドスライダを支持する複数のスペーサが設けられ、
    前記スペーサは、前記配線層により形成されたスペーサ配線部であって、配線層開口部を含み、平面視で枠状に形成されたスペーサ配線部を有し、
    前記スペーサ配線部は、前記第1保護層を介して、第2保護層によって覆われ、
    前記第2保護層のうち前記スペーサ配線部の上方に位置する部分の上面は、前記第1保護層のうち前記配線の上方に位置する部分の上面より、前記金属支持層から高い位置に配置され、
    前記スペーサは、前記配線層開口部に対応する形状を有する充填凹部であって、前記スライダ用接着剤が充填される充填凹部を有していることを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記第1保護層及び前記第2保護層は、前記配線層開口部内に入り込むように凹状に形成され、このことにより、前記充填凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記第1保護層は、前記配線層開口部内に入り込むように凹状に形成され、
    前記第2保護層は、前記配線層開口部に平面視で重なるように設けられた第2保護層開口部を有し、
    凹状に形成された前記第1保護層と前記第2保護層開口部とにより、前記充填凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  4. 前記第1保護層は、前記配線層開口部に平面視で重なるように設けられた第1保護層開口部を有し、
    前記第2保護層は、前記第1保護層開口部に平面視で重なるように設けられた第2保護層開口部を有し、
    前記配線層開口部、前記第1保護層開口部及び前記第2保護層開口部により、前記充填凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  5. 前記絶縁層は、前記配線層開口部に平面視で重なるように設けられた絶縁層開口部を有し、
    前記配線層開口部、前記第1保護層開口部、前記第2保護層開口部及び前記絶縁層開口部により、前記充填凹部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のサスペンション用基板。
  6. 前記金属支持層のうち前記絶縁層開口部により露出された部分に、金属支持層保護部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のサスペンション用基板。
  7. 前記スペーサ配線部のうち前記第1保護層開口部及び前記第2保護層開口部により露出された部分に、配線層保護部が設けられていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  8. 前記スペーサ配線部は、前記絶縁層を貫通する導電接続部を介して前記金属支持層に導電接続されていることを特徴とする請求項7に記載のサスペンション用基板。
  9. 前記第1保護層又は前記第2保護層は、前記配線層開口部を画定する前記スペーサ配線部の内側面に延びていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  10. 前記スペーサは、平面視で互いに離間していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  11. ロードビームと、
    前記ロードビームに取り付けられた請求項1乃至10のいずれかに記載の前記サスペンション用基板と、
    前記サスペンション用基板に実装された前記アクチュエータ素子と、を備えたことを特徴とするサスペンション。
  12. 前記アクチュエータ素子の少なくとも一部は、前記スライダ実装領域内に配置され、
    前記第2保護層のうち前記スペーサ配線部の上方に位置する部分の上面は、前記アクチュエータ素子の上面と同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のサスペンション。
  13. 請求項11又は12に記載の前記サスペンションと、
    前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンション。
  14. 請求項13に記載の前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブ。
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