JP6028213B2 - 誘導加熱コイル及び誘導加熱コイルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱調理器に用いられる誘導加熱コイル及び誘導加熱コイルの製造方法に関するものである。
従来の誘導加熱コイルが用いられる加熱構造を、誘導加熱調理器を例に取り上げ、図11、12、13を用いて説明する。図11は従来の誘導加熱調理器の断面図で、被加熱物1は加熱コイル(誘導加熱コイル)2から発生する高周波磁界によって誘導加熱される、加熱コイル2は被加熱物1を誘導加熱する、インバータ回路3は加熱コイル2に高周波電流を供給するもので図には特に記載していないが、加熱コイル2と接続されている。プレート4は被加熱物1がその上面に載置されるものでその材質はセラミックである。筐体5は外郭を構成し、コイルベース6は加熱コイル2を載置し、磁性体7はコイルベース6に埋設されているもので、材質はフェライトである。磁性体7は加熱コイル2から発生する高周波磁界を効率よく被加熱物1に供給させる目的で用いられている。冷却装置8は、加熱コイル2の冷却のために加熱コイル2側面から軸流ファン遠心ファンなどを用いて強制空冷にて冷却している。
コイルベース6を上から見た図を図12に、また下から見た図を図13に示す。図13に示すように磁性体7は、複数の棒体からなり、コイルベース6の下面に放射状に配置されている。
加熱コイル2のコイル線は、加熱コイルを使用する誘導加熱調理器によって異なるが、直径0.2mm〜0.5mm程度の素線を30〜100本程度撚り合わせたもので構成されている。素線の材質は銅で、その表面は絶縁物によって覆われており、それぞれの素線が電気的に接続されないようになっている。それぞれの素線は加熱コイル2の始端及び終端にて電気的に接続している。加熱コイル2のコイル線をこのような細い素線を用いている理由は、加熱コイル2に流れる周波数20〜30kHz程度の高周波電流が、表皮効果によりコイル線表面に電流が集中するため、コイル線の表面積を大とする必要があるからである。また撚り合わせている理由は、加熱コイル2が発生する高周波磁界により加熱コイル2のコイル線間に作用する近接効果によって、コイル線に流れる電流分布が不均一となることを防ぐこと、及び加熱コイル2と被加熱物1との間に働く近接効果により、加熱コイル2の表面(被加熱物1側)に電流が集中することを防ぐためである。
このような素線を撚り合わせた構成を用いない場合、加熱コイル2の損失が大きくなり、温度上昇及び加熱効率面で問題である。コイル線温度が略180℃を越えると上記素線間及びコイル線間の絶縁が困難となり、この場合コイルとしての機能を果たすことが不可能となる。また図12に示すコイルのターン数は簡易的に示したものであり、実際のターン数は約15ターン以上である。
しかしながら、この様な従来の誘導加熱装置に用いられる誘導加熱コイルには、以下に示す課題があった。すなわち、上記したように加熱コイル及びコイルベースあるいは、磁性体といった誘導加熱を行うための加熱構成が複雑で、その作製工数や部品コストが大きく、結果商品のコスト上昇をまねくという課題である。特に加熱コイルは複数の素線を撚り合わせる構成であり、その作製工数は極めて大きいものである。
こういった背景から加熱コイルの製造工程及び製造コストを低減し、安価な装置を
提供するために、コイルベースに渦巻状の突起を配し、この突起間に導電線を嵌め込んで渦巻状のコイルを形成するものが提案されている。これは図14に示すように、コイルベ
ースに、コイルベースに対し相対的に回転自在のローラーにより導電線を突起103間に押し込んでいくという加熱コイルの工法である(例えば、特許文献1参照)。
図12に示すような加熱コイルにおいては、コイル線を渦巻状に巻く際に、固定する手段がないため、コイル線の表面を覆う絶縁物の表面に、さらに樹脂などで形成された融着層を設け、これを溶融し、固着させることにより、コイル線を渦巻状に巻いた状態で固定している。そのため特許文献1のようにコイルベースに渦巻状の突起を配すことにより、コイル線の表面に融着層を形成する工程および融着層を溶融してコイル線を渦巻状に固定する工程が不要となり、さらに融着層の材料分のコストを軽減することができる。
特開昭61−193394号公報
しかしながら、上記のような従来の構成の誘導加熱調理器の加熱コイルにおいて、限られた外径の加熱コイルを作製する際に、十分な性能を出すためのコイルの巻き数、つまりターン数を巻くことができないという課題があった。
コイル線の太さは、細すぎるとコイル線の抵抗が大きくなり損失が大きくなるため、温度上昇および加熱効率面で問題となるため、ある程度の太さが必要である。例えば、絶縁被覆を施された、直径0.3mmの銅線を60本撚り合わせると、直径は3.0mm程度になる。コイルの外径は、誘導加熱調理器の大きさが決まっているので、それによって大きさが決まる。さらに加熱コイルに、温度検知センサーなどを取り付ける場合などにおいては、コイル銅線を巻くことができる領域は制限されてしまう。
他方、加熱コイルにおいて、鍋を加熱したり、高い熱効率を実現するためにはある程度のターン数が必要であり、上記に示したように約15ターン以上は必要であり、一般的に20ターン前後のターン数がないと十分な加熱性能を得ることができず、被加熱物である鍋への入力電力を十分に確保できない。したがって、多機能を実現する高性能の加熱コイルを作製するためには、限られた領域の中で、十分なターン数を確保することが重要である。そうした中で、上記の従来のような構成の加熱コイルでは、コイル線が太いと、限られた領域に十分なターン数のコイル線を巻くことができないという課題があった。ひとつの方法として渦巻状の突起の間隔を狭くして十分なターン数を巻くという方法も挙げられるが、間隔の狭いところにコイル線を押し込んでいくということは工法の面からも難易度が高くなる。また、間隔を狭くすると、加熱コイルの厚みが厚くなってしまい、誘導加熱調理器の決められた高さに組み込まなければならないため、加熱コイルの厚みが増すことは不利となり、さらに冷却する際にも冷却風を流す流路がより限られてしまうためデメリットとなる。加えて、コイル線の上面から被加熱物である鍋の下面までの距離が同じである場合、加熱コイルのコイル線の厚みが増すと、コイル線の下面から被加熱物である鍋の下面までの距離が長くなるので、コイル線から発生する磁界が鍋に届き難くなるため、加熱コイルのコイル線が厚くなることは、加熱コイルの加熱性能の低下につながる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、限られたスペースに、加熱性能を確保するために十分なターン数を巻くことが可能な誘導加熱コイル及び誘導加熱コイルの製造方法を提供することを目的とする。
従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱コイルは、コイル導線と、前記コイル導線を保持するコイルベースと、前記コイル導線の下方に位置するフェライトと、を備え、前記コイルベースには、複数の周を形成する同心円状の突起部が備えられ、複数の前記突起部には各周の一部に切り欠き部が備えられ、前記コイル導線を前記突起部の間に嵌め込み、前記コイル導線は前記切り欠き部において、隣の前記突起部の間に遷移するとともに、前記コイル導線を鉛直方向に複数層に重ね、前記突起部の隣り合う周間に嵌め込み挟持して巻くことにより、前記コイル導線を巻く際にできる前記コイル導線が交わるクロス部が前記切り欠き部の中央より前記突起部側に近い側に設けられている構成とした。
これによって、突起部が同心円状に複数形成されているため、コイル導線を突起部の間に嵌めこむので、コイル導線を同心円状に巻くことができ、加熱コイルの鉛直方向に一層巻いた上にもう一段巻くことも可能となる。同心円状にコイル導線を巻くため、加熱コイルの水平方向において、コイル導線を巻いてから、中心から外側に巻く際、コイル導線を外側の突起部の間に嵌めこむために、遷移しなければならないので、遷移するために突起部に各周の一部に切り欠き部を備えている。上記の構成により、コイル導線を、加熱コイルの鉛直方向に複数層に重ねて巻くことが可能となるため、従来の技術では課題であった、限られたスペースに、加熱性能を確保するために十分なターン数を巻くことが可能となるため、誘導加熱調理器における加熱コイルの加熱性能の向上を図ることができる。また、コイル導線の密度が他の部分よりも高いクロス部は、温度の上昇も他の部分より大きいが、クロス部が切り欠き部に設けられ、下方のコイルベースが設けられていないため、クロス部の冷却を効率よく行うことができ、コイル導線の冷却性能を向上させることができる。また、クロス部は、切り欠き部の中央にもってくるよりは、切り欠き部において突起部に近い側に設けたほうが、突起部において固定されている部分と近いため、固定しやすくなる。
本発明の誘導加熱コイルは、突起部が同心円状に複数形成されているため、コイル導線を突起部の間に嵌めこむので、コイル導線を同心円状に巻くことができ、加熱コイルの鉛直方向に一層巻いた上にもう一段巻くことも可能となる。同心円状にコイル導線を巻くため、加熱コイルの水平方向において、コイル導線を巻いてから、中心から外側に巻く際、コイル導線を外側の突起部の間に嵌めこむために、遷移しなければならないので、遷移するために突起部に各周の一部に切り欠き部を備えている。上記の構成により、コイル導線を、加熱コイルの鉛直方向に複数層に重ねて巻くことが可能となるため、従来の技術では課題であった、限られたスペースに、加熱性能を確保するために十分なターン数を巻くことが可能となるため、誘導加熱調理器における加熱コイルの加熱性能の向上を図ることができる。また、コイル導線の密度が他の部分よりも高いクロス部は、温度の上昇も他の部分より大きいが、クロス部が切り欠き部に設けられ、下方のコイルベースが設けられていないため、クロス部の冷却を効率よく行うことができ、コイル導線の冷却性能を向上させることができる。また、クロス部は、切り欠き部の中央にもってくるよりは、切り欠き部において突起部に近い側に設けたほうが、突起部において固定されている部分と近いため、固定しやすくなる。
本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの斜視図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルを組み立てた状態の斜視図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの切り欠き部の斜視図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの断面図 本発明の第2の実施の形態における誘導加熱コイルの斜視図 本発明の第3の実施の形態における誘導加熱コイルの斜視図 本発明の第3の実施の形態における誘導加熱コイルを組み立てた状態の斜視図 本発明の第4の実施の形態における誘導加熱コイルの斜視図 本発明の第5の実施の形態における誘導加熱コイル及び誘導加熱コイルの製造方法の断面図 本発明の第6の実施の形態における誘導加熱コイル及び誘導加熱コイルの製造方法の断面図 従来の誘導加熱調理器の断面図 従来の誘導加熱コイルを上から見た図 従来の誘導加熱コイルを下から見た図 特許文献1に記載された従来の誘導加熱コイルの図
第1の発明は、コイル導線と、前記コイル導線を保持するコイルベースと、前記コイル導線の下方に位置するフェライトと、を備え、前記コイルベースには、複数の周を形成する同心円状の突起部が備えられ、複数の前記突起部には各周の一部に切り欠き部が備えられ、前記コイル導線を前記突起部の間に嵌め込み、前記コイル導線は前記切り欠き部において、隣の前記突起部の間に遷移するとともに、前記コイル導線を鉛直方向に複数層に重ね、前記突起部の隣り合う周間に嵌め込み挟持して巻くことにより、前記コイル導線を巻く際にできる前記コイル導線が交わるクロス部が前記切り欠き部の中央より前記突起部側に近い側に設けられている構成としたものである。
これにより、突起部が同心円状に複数形成されているため、コイル導線を突起部の間に嵌めこむので、コイル導線を同心円状に巻くことができ、加熱コイルの鉛直方向に一層巻いた上にもう一段巻くことも可能となる。同心円状にコイル導線を巻くため、加熱コイルの水平方向において、コイル導線を巻いてから、中心から外側に巻く際、コイル導線を外側の突起部の間に嵌めこむために、遷移しなければならないので、遷移するために突起部に各周の一部切り欠き部を備えている。上記の構成により、コイル導線を、加熱コイル
の鉛直方向に複数層に重ねて巻くことが可能となるため、従来の技術では課題であった、限られたスペースに、加熱性能を確保するために十分なターン数を巻くことが可能となるため、誘導加熱調理器における加熱コイルの加熱性能の向上を図ることができる。また、コイル導線の密度が他の部分よりも高いクロス部は、温度の上昇も他の部分より大きいが、クロス部が切り欠き部に設けられ、下方のコイルベースが設けられていないため、クロス部の冷却を効率よく行うことができ、コイル導線の冷却性能を向上させることができる。また、クロス部は、切り欠き部の中央にもってくるよりは、切り欠き部において突起部に近い側に設けたほうが、突起部において固定されている部分と近いため、固定しやすくなる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記切り欠き部の下方には前記コイルベースを設けないものである。
これにより、切り欠き部のコイル導線の下方にはコイルベースが設けられていないため、冷却風が効率よくコイル導線に当り、冷却性能を向上させることができる。また、コイルベースに使用する樹脂量を抑制することができるため、コストダウンを図ることができる。
第3の発明は、特に第2の発明において、複数の前記切り欠き部を設け、各々の前記切り欠き部の下方には前記コイルベースを設けないものである。
これにより、複数の切り欠き部のコイル導線の下方にはコイルベースが設けられていないため、冷却風がさらに効率よくコイル導線に当り、冷却性能をより向上させることができる。また、コイルベースに使用する樹脂量を抑制することができるため、コストダウンを図ることができる。
の発明は、特に第1〜のいずれか1つの発明において、前記コイルベースは前記フェライトを保持するフェライト保持部備えられ、複数の前記突起部前記フェライト保持部の上面に設けられているものである。
これにより、突起部を設ける領域を抑制することで、コイル導線の下方にコイルベースが設けられていない領域を大きくし、冷却性能を向上させ、加熱コイルを効率よく冷却することができる。さらに、コイルベースに使用する樹脂量を抑制することができるため、コストダウンを図ることができる。
の発明は、特に第1〜のいずれか1つの発明において、前記コイル導線は、断面が誘導加熱コイルの鉛直方向よりも水平方向の方が長い扁平形状としたものである。
これにより、コイル導線の加熱コイルの鉛直方向の厚みを抑制することができるため、加熱コイルのコイル導線に交流電流を流すことにより発生する磁束をより効率的に被加熱物である鍋に伝えることができるため、加熱効率の向上を図ることができる。さらに、加熱コイルのユニットの厚みが薄くなるため、誘導加熱調理器に組み込みやすさを向上できるとともに、冷却のための冷却風の流路も設けやすい構造となり、冷却性能の向上も図ることができる。
の発明は、特に第1〜のいずれか1つの発明において、前記コイル導線を前記突起部の間に嵌め込み、樹脂で形成された前記突起部の上面を溶融し、前記コイル導線を固定する誘導加熱コイルの製造方法である。
この方法により、コイル導線を加熱コイルの鉛直方向に固定することができ、加熱コイルの性能をより安定させることができ、品質の向上を図ることができる。さらに、固定する際には樹脂を溶融するだけなので、接着剤を使用しないため、コストダウンを図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルを組み立てた状態の斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの切り欠き部の斜視図を示す。
図1において、加熱コイル(誘導加熱コイル)11は、樹脂製のコイルベース12に設けられた、同心円状の複数の突起部13の間にコイル導線14を嵌めこみ巻いていく構成とした。なお図1では、コイル導線14は巻いた状態で固定しているように見えるが、これは理解しやすいよう示したもので、図2のように突起部13の間に嵌めこんで巻いていく構成である。また、図1、2ではコイル導線14は径の小さい内コイルと径の大きい外コイルに分けて示しているが、これは、内コイルと外コイルの間に温度検知素子を設ける際の形状であり、温度検知素子を設ける際には、加熱コイル11の中央部もしくは、内コイルと外コイルの間に設ける場合が多いが、本発明において、発明を限定するものでなく、内コイルと外コイルに分かれていない1つのコイルでもよい。コイルベース12の下方には、コイル導線14から発生する磁力線を、効率よく、加熱コイル11上方の被加熱物である鍋(図示せず)に伝えるためのフェライト15が設けられている。さらにコイルベース12には、コイル導線14を突起部13の間に嵌めこみ巻きつける際に、コイル導線14を導入するための、導入穴16が設けられている。コイル導線14を導入穴16に通す通し方は、コイルベース12下方から上方へ通しても、上方から下方へ通してもどちらでもよい。またコイル導線14を巻く向きや、加熱コイル11の中心から巻くか、外側から巻くかは特に限定しない。図1、2においては一例として、加熱コイル11の中心から外側に向かって巻くものを図示し、巻き方向は反時計回りとしている。
突起部13の間に嵌めこまれたコイル導線14は、一般には銅線であり、加熱コイル11を使用する誘導加熱調理器によって異なるが、直径0.2mm〜0.5mm程度の素線を30〜100本程度撚り合わせたもので構成されている。銅線の表面は絶縁物によって覆われており、それぞれの素線が電気的に接続されないようになっている。それぞれの素線は加熱コイル11の始端及び終端にて電気的に接続している。加熱コイル11のコイル線をこのような細い素線を用いている理由は、加熱コイル11に流れる周波数20〜30kHz程度の高周波電流が、表皮効果によりコイル線表面に電流が集中するため、コイル線の表面積を大とする必要があるからである。また撚り合わせている理由は、加熱コイル11が発生する高周波磁界により加熱コイル11のコイル線間に作用する近接効果によって、コイル線に流れる電流分布が不均一となることを防ぐこと、及び加熱コイル11と被加熱物との間に働く近接効果により、加熱コイル11の表面(被加熱物側)に電流が集中
することを防ぐためである。また、コイル導線14の材質は銅に限定せず、アルミなどを用いてもよい。
図1、2のように、突起部13が同心円状に複数形成されているため、コイル導線14を突起部13の間に嵌めこむので、コイル導線14を同心円状に巻くことができ、加熱コイル11の鉛直方向に一層巻いた上にもう一段巻くことも可能となる。
図3のように、同心円状にコイル導線14を巻くため、加熱コイル11の水平方向において、コイル導線14を巻いてから、中心から外側に巻く際、コイル導線14を外側の突起部13の間に嵌めこむために、遷移しなければならないので、遷移するために突起部13に一部の切り欠き部17を備えている。切り欠き部17がなければコイル導線14は外側に遷移することができない。切り欠き部17を設け、同心円状に突起部13を複数形成することにより、コイル導線14を、加熱コイル11の鉛直方向に複数層巻くことが可能となるため、限られたスペースに、加熱性能を確保するために十分なターン数を巻くことが可能となるため、誘導加熱調理器における加熱コイル11の加熱性能の向上を図ることができる。
図4は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの断面図を示す。
図4のように、本形態の加熱コイル11は突起部13が同心円状に形成されているため、コイル導線14を、加熱コイル11の鉛直方向に複数層巻くことが可能であるので、突起部13の間に1層のみ巻くことや複数層巻くことが可能である。これにより、例えばすべて2層に巻いてコイルのターン数を多くすることも可能であり、一部のみ複数層にして他の部分は1層にすることで、必要なターン数を定められた領域に巻くことが可能となる。例えば、中央部および内コイルと外コイルの間に温度検知素子を設ける構成であり、外コイルの外径はφ180mm以下という限られた領域において、直径φ0.2mmの素線を100本撚りあわせたコイル導線14を19ターン以上巻かなくては十分な加熱性能がでない場合、従来のように渦巻状の突起部13の間に嵌めこむ工法では、1層しか巻けないため十分な巻き数が確保できず、十分な性能を出すことができないが、本実施の形態の構成にすることにより、2層に巻くことができるため19ターン巻くことが可能である。具体的には、内コイルを2層を2つの突起部13の間分設け、1つは1層とすることで5ターン巻き、外コイルは2層を7つの突起部13の間分もうけることにより14ターン巻き、内コイルと外コイルの合計で19ターン巻くことが可能となる。図4は一例であり、ターン数は少ないが、実際には20ターン前後巻くのが一般的である。
上記の構成により、コイル導線14を、加熱コイル11の鉛直方向に複数層巻くことが可能となるため、従来の技術では課題であった、限られたスペースに、加熱性能を確保するために十分なターン数を巻くことが可能となるため、誘導加熱調理器における加熱コイル11の加熱性能の向上を図ることができる。
(実施の形態2)
図5は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱コイルの斜視図を示す。なお、本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図5において、切り欠き部17は、突起部13を設けるための土台であるコイルベース12を必要としないため、切り欠き部17の下方にはコイルベース12を設ける必要がない。図のように、この構成により、切り欠き部17のコイル導線14の下方にはコイルベース12が設けられていないため、冷却風が効率よくコイル導線14に当り、冷却性能を向上させることができる。また、コイルベース12に使用する樹脂量を抑制することがで
きるため、コストダウンを図ることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態における誘導加熱コイルの斜視図、図7は本発明の第3の実施の形態における誘導加熱コイルを組み立てた状態の斜視図を示す。なお、本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図6のように、本実施の形態における加熱コイル11において、複数の切り欠き部17を設け、各々の切り欠き部17の下方にはコイルベース12を設けない構成としている。特に、図6、7における形態は、コイルベース12はフェライト15を挿入、保持するフェライト保持部18を備え、複数の突起部13をフェライト保持部18の上面に設けた構成としたものである。フェライト15の保持は接着剤により保持、またはコイルベース12に爪を設け保持する構造としてもよい。図のような構成にすることにより、コイル導線14の下方にコイルベース12がない領域が大きくなるため、コイル導線14の冷却を効率よく行うことができるため、加熱コイル11の冷却性能を向上させることができる。また、突起部13の間にコイル導線14を嵌めこむ構造であるため、切り欠き部17における下方にコイルベース12のない領域のコイル導線14は、隣のターンのコイル導線14との間に突起部13の厚みの分だけの隙間があり、コイル導線14は、下面および隣のターンとの間にも隙間があるため、冷却風があたる表面積が大きく、効率のよい冷却構成が実現できる。
このような構成により、コイル導線14において冷却風があたる表面積を大きくすることにより、冷却の効率を向上させることができる。また、コイルベース12に使用する樹脂量を抑制することができるため、コストダウンを図ることができる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の第4の実施の形態における誘導加熱コイルの斜視図を示す。なお、本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
コイル導線14を加熱コイル11の鉛直方向に多層に巻く際、例えば2層に巻く際、コイル導線14は、巻いているターンの2層目から、次の外側のターンの1層目に遷移し、またそのターンの2層目を巻いて、さらにその次の外側のターンの1層目に遷移するため、図のようにコイル導線14が交わるクロス部19ができる。本実施の形態において、クロス部19は切り欠き部17に設ける構成としている。図では、複数の切り欠き部17を設けた形態においてそのうちの1つの切り欠き部17にクロス部19を設けたものである。また、クロス部19ではコイル導線14の密度が他の部分よりも高く、コイル導線14が遷移しているため、他の部分より固定し難くなっているため、クロス部19は、切り欠き部17の中央にもってくるよりは、切り欠き部17において突起部13に近い側に設けたほうが、突起部13において固定されている部分と近いため、固定しやすくなる。
この構成によって、コイル導線14の密度が他の部分よりも高いクロス部19は、温度の上昇も他の部分より大きいが、クロス部19が切り欠き部17に設けられ、下方のコイルベース12が設けられていないため、クロス部19の冷却を効率よく行うことができ、コイル導線14の冷却性能を向上させることができる。
(実施の形態5)
図9は本発明の第5の実施の形態における誘導加熱コイル及び誘導加熱コイルの製造方法の断面図を示す。なお、本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図9のように、樹脂で形成された突起部13の上面を溶融することにより、コイル導線14を加熱コイル11の鉛直方向に固定する構成とした。突起部13上面を溶融し、コイル導線14を固定することで、コイル導線14が突起部13の間からはずれ、ばらけてしまうことを防ぐことができる。
この構成により、コイル導線14を加熱コイル11の鉛直方向に固定することができ、加熱コイル11の性能をより安定させることができ、品質の向上を図ることができる。さらに、固定する際には樹脂を溶融するだけなので、接着剤を使用しないため、コストダウンを図ることができる。
(実施の形態6)
図10は本発明の第6の実施の形態における誘導加熱コイル及び誘導加熱コイルの製造方法の断面図を示す。なお、本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図のように、コイル導線14は、断面が加熱コイル11の鉛直方向よりも水平方向の方が長い扁平形状とした。コイル導線14を、加熱コイル11の鉛直方向に押しつぶすことにより、コイル導線14の加熱コイル11の鉛直方向の厚みを薄くしている。
この構造により、コイル導線14の加熱コイル11の鉛直方向の厚みを抑制することができるため、加熱コイル11のコイル導線14に交流電流を流すことにより発生する磁束をより効率的に被加熱物である鍋に伝えることができるため、加熱効率の向上を図ることができる。さらに、加熱コイル11のユニットの厚みが薄くなるため、誘導加熱調理器に組み込みやすさを向上できるとともに、冷却のための冷却風の流路も設けやすい構造となり、冷却性能の向上も図ることができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱コイルは、限られたスペースに、加熱性能を確保するために十分なターン数を巻くことが可能なので、家庭用あるいは業務用の誘導加熱調理器の用途に適用できる。
11 加熱コイル(誘導加熱コイル)
12 コイルベース
13 突起部
14 コイル導線
15 フェライト
16 導入穴
17 切り欠き部
18 フェライト保持部
19 クロス部

Claims (6)

  1. コイル導線と、前記コイル導線を保持するコイルベースと、前記コイル導線の下方に位置するフェライトと、を備え、
    前記コイルベースには、複数の周を形成する同心円状の突起部が備えられ、
    複数の前記突起部には各周の一部に切り欠き部が備えられ、
    前記コイル導線を前記突起部の間に嵌め込み、前記コイル導線は前記切り欠き部において、隣の前記突起部の間に遷移するとともに、
    前記コイル導線を鉛直方向に複数層に重ね、前記突起部の隣り合う周間に嵌め込み挟持して巻くことにより、前記コイル導線を巻く際にできる前記コイル導線が交わるクロス部が前記切り欠き部の中央より前記突起部側に近い側に設けられている誘導加熱コイル。
  2. 前記切り欠き部の下方には前記コイルベースを設けない請求項1に記載の誘導加熱コイル。
  3. 複数の前記切り欠き部を設け、各々の前記切り欠き部の下方には前記コイルベースを設けない請求項2に記載の誘導加熱コイル。
  4. 前記コイルベースは前記フェライトを保持するフェライト保持部備えられ、複数の前記突起部前記フェライト保持部の上面に設けられている請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導加熱コイル。
  5. 前記コイル導線は、断面が誘導加熱コイルの鉛直方向よりも水平方向の方が長い扁平形状とした請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導加熱コイル。
  6. 前記コイル導線を前記突起部の間に嵌め込み、樹脂で形成された前記突起部の上面を溶融し、前記コイル導線を固定する請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱コイルの製造方法
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