JP5205792B2 - 誘導加熱装置と扁平状のコイル導線の製造方法 - Google Patents

誘導加熱装置と扁平状のコイル導線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は誘導加熱調理器に代表されるような誘導加熱装置に関し、特に安価で冷却効率や加熱効率の高い加熱コイルに関するものである。
従来、この種の誘導加熱装置はコイル導線の外周に絶縁体を設け、コイル導線を複層巻きにして加熱コイルを構成している(例えば、特許文献1参照)。
また、その他の従来例として、平角絶縁電線と接着剤層を設けた接着テープを巻回して形成した電気機器巻線がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−197362号公報 実開昭63−98615号公報
しかしながら、前記従来の特許文献1の構成では、コイル導線の外周に予め絶縁体を具備する必要があり、加工性も悪く、原価も高くなる。また、コイル導線を複層巻きにしているため、コイル導線に高周波電流を流した時に発生する熱が加熱コイル内部から放熱しにくく、かつ、複層巻きの構造状、被加熱体と離れたコイル導線が存在するため、加熱効率も悪くなるという課題を有していた。
また、前記従来の特許文献2の構成では、平角電線を用いており、高周波電流を流した時、平角線外周表面を主に電流が流れ、異常に発熱し、巻線の冷却性能が極めて悪くなるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、加熱コイルに高周波電流を流した時、加熱コイルの発熱を低減し、被加熱体への加熱効率を向上させ、原価も低減できる誘導加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、表面に絶縁層を具備した素線を複数本用いて扁平状に配置したコイル導線を設け、前記コイル導線の断面形状の長手面側に絶縁体を具備し、前記絶縁体は、固着性絶縁体で、前記固着性絶縁体は、融点の異なる樹脂で構成され、かつ、融点の低い樹脂を融点の高い樹脂の表面の少なくとも一部に設け、前記絶縁体と前記コイル導線とを前記絶縁体の長手面側が各巻線間に配置され前記コイル導線の断面形状の前記長手面側を側面とし少なくとも下方の短手面側に平面部を有してL字状またはコ字状に形成して前記絶縁体の中に前記コイル導線を保持しつつ渦巻き状に巻回して前記絶縁体の表面に熱を与えることにより溶かして隣り合う前記コイル導線と前記絶縁体とを接着して一層巻きの加熱コイルを形成し、前記加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱するものである。
これによって、コイル導線を複数の素線から構成することで、高周波電流をコイル導線に流しても、複数の素線の表面に分配され流れ、発熱が抑制され、また、コイル導線を扁平にして加熱コイルを構成しているので、コイル導線で発熱した熱は加熱コイルの両表面へ伝わり易いため、加熱コイルからの放熱性が向上し、冷却性能が向上する。また、コイル導線が扁平状になっているため、複層巻きせずに巻き数の大きな加熱コイルを一層巻きで作成でき、加熱コイルと被加熱体との相対距離も一定で短くなり、電気的結合も良くなり、加熱効率が向上する。さらに、予めコイル導線に絶縁体を設けておく必要も無く、また、絶縁体の量もコイル導線間のみのため、少量になり、原価も低減できる。また、コイル導線を巻回する時、絶縁体にコイル導線が保護され、傷付き防止になり、また、加熱コイルに形成された後もL字やコ字の平面部が加熱コイルの表面に形成されることで、加熱コイルの組み立て時の傷付き防止にもなる。また、コイル導線間が固定でき、加熱コイルを単品で扱うことが用意となり、また、加熱コイルに電流を流した際に加熱コイルから振動や音の発生を抑制することができる。この際、融点の低い樹脂は溶け、融点の高い樹脂は溶けない温度設定にすることで、コイル導線間に絶縁体を安定して形成することができる。
本発明の誘導加熱装置は、加熱コイルの発熱を低減し、被加熱体への加熱効率を向上させ、原価も低減することができる。また、コイル導線を巻回する時、絶縁体にコイル導線が保護され、傷付き防止になり、また、加熱コイルに形成された後もL字やコ字の平面部が加熱コイルの表面に形成されることで、加熱コイルの組み立て時の傷付き防止にもなる。また、コイル導線間が固定でき、加熱コイルを単品で扱うことが用意となり、また、加熱コイルに電流を流した際に加熱コイルから振動や音の発生を抑制することができる。この際、融点の低い樹脂は溶け、融点の高い樹脂は溶けない温度設定にすることで、コイル導線間に絶縁体を安定して形成することができる。
第1の発明は、表面に絶縁層を具備した素線を複数本用いて扁平状に配置したコイル導線を設け、前記コイル導線の断面形状の長手面側に絶縁体を具備し、前記絶縁体と前記コイル導線とを前記絶縁体の長手面側が巻線間に配置されるように渦巻き状に巻回して一層巻きの加熱コイルを形成し、前記加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱するとともに、前記絶縁体は、前記コイル導線の断面形状の前記長手面側を側面とし短手面側に平面部を有してL字状またはコ字状に形成して前記絶縁体の中に前記コイル導線を
保持しつつ巻回したことにより、高周波電流をコイル導線に流しても、複数の素線の表面に分配され流れ、発熱が抑制される。また、コイル導線を扁平にして加熱コイルを構成しているので、コイル導線で発熱した熱は加熱コイルの両表面へ伝わり易いため、加熱コイルからの放熱性が向上し、冷却性能が良くなる。また、コイル導線が扁平状になっているため、複層巻きせずに巻き数の大きな加熱コイルを一層巻きで作成でき、加熱コイルと被加熱体との相対距離も一定で短くなり、電気的結合も良くなり、加熱効率が向上する。また、予めコイル導線に絶縁体を設けておく必要も無く、また、絶縁体の量もコイル導線間のみのため、少量になり、原価も低減できる。また、絶縁体の中にコイル導線を保持することにより、コイル導線を巻回する時、絶縁体にコイル導線が保護され、傷付き防止になり、また、加熱コイルに形成された後もL字やコ字の平面部が加熱コイルの表面に形成されることで、加熱コイルの組み立て時の傷付き防止にもなる。
また、前記絶縁体は固着性絶縁体で、前記固着性絶縁体は、融点の異なる樹脂で構成され、かつ、融点の低い樹脂を融点の高い樹脂の表面の少なくとも一部に設け、熱を与えることにより前記融点の低い樹脂で隣り合うコイル導線を固定することにより、すなわちコイル導線に所定の電流を流して、発熱させる等して、熱で前記融点の低い熱可塑性樹脂を溶かして隣り合うコイル導線を固定することにより、コイル導線間が固定でき、加熱コイルを単品で扱うことが用意となり、また、加熱コイルに電流を流した際に加熱コイルから振動や音の発生を抑制することができる。この際、融点の低い樹脂は溶け、融点の高い樹脂は溶けない温度設定にすることで、コイル導線間に絶縁体を安定して形成することができる。
の発明は、特に、第1の発明における前記絶縁体の巻回し方向の厚みを前記加熱コイルの所定の半径寸法において半ばでより厚くなるように内周及び外周の周辺側を薄く変化する絶縁体とし、巻回した前記コイル導線のピッチを簡単に変えることができ、加熱コイルから発生する磁界分布を自由に設計できることで、被加熱体の温度分布の改善等が容易にできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱装置の例として誘導加熱調理器の断面図を示すものである。
図1において、本体1は誘導加熱調理器の外郭を構成したものであり、トッププレート2は、耐熱ガラス等で形成されたもので、本体1の上面に固定され、その上に鍋等の被加熱体3を載置できるようにしている。加熱コイル4はトッププレート2の下に設けられており、その構成は、表面に絶縁ワニス(例えば、ポリエステルイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂)等で絶縁層を具備した素線5を複数本(例えば、直径50μmの線を1200本)用いて扁平状に配置したコイル導線6を設け、コイル導線6の断面形状の長手面側に例えばPFA等のフッ素樹脂からなる板状の絶縁体7を具備し、コイル導線6と絶縁体7とを渦巻き状に巻回して形成している。加熱コイル4は耐熱樹脂で形成された加熱コイルベース8の上面の突起9に保持され、接着剤等で加熱コイルベース8に固定されている。
制御回路10は、加熱コイル4と電気的に連結され、本体1の中に取付けられている。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、トッププレート2に鍋等の被加熱体3を載置して、制御回路10から加熱コイル4に高周波電流を流すと加熱コイル4から高周波磁界が発生し、被加熱体3の底面に高周波電流からなる渦電流が発生し、被加熱体3の電気抵抗と渦電流による自己発熱で、被加熱体3は加熱される。
高周波電流は電気の特性として主に導線の表皮を流れる。一般的に高周波電流の表皮効果といわれ、特に周波数が高くなるほど顕著になる。このため、コイル導線6に高周波電流を流すと表皮に電流が集中するが、本実施の形態では、コイル導線6に直径の小さい素線を複数本で形成し、コイル導線6としての表面積を増しているので、前記表皮効果でコイル導線6が異常発熱することが無い。一般的に被加熱体3に鉄製の鍋を用いたときは約20kHz程度の高周波電流を用いるが、被加熱体3にアルミや銅等の低抵抗で非磁性体の鍋を用いた時は、非加熱物を誘導加熱しにくいので、40kHz以上の高周波電流を用いることで、誘導加熱で発生する被加熱体3の鍋底の渦電流を前記表皮効果で、底面に集中させ、加熱性を向上させる。本実施の形態は、このように40kHz以上の高周波電流を用いてもコイル導線6に直径50μmの線を1200本という細い素線を複数本用いているので、コイル導線6の自己発熱を低減できる。
また、特にアルミや銅等の低抵抗の被加熱体の加熱出力を向上させるためには、加熱コイル4から発生する高周波磁界を強くする必要がある。磁界の強さは加熱コイル4のコイル導線6に流れる電流とコイル導線6の巻き数の積に比例するので、どちらかのファクターを大きくすれば良いが、加熱コイル4のコイル導線6に流れる電流を大きくすれば、加熱コイル4自体の発熱が大きくなるので、電流を大きくするのは限度がある。また、単にコイル導線6の巻き数を増やすと鍋等の被加熱体3より、加熱コイル4の外径が大きくなり、加熱効率が悪化するという問題がある。これに対して、本実施の形態は絶縁層を具備した素線5を複数本用いて扁平状に配置したコイル導線6を設け、コイル導線6の断面形状の長手面側に例えば耐熱性を有するPFA等のフッ素樹脂からなる板状の絶縁体7を具備し、コイル導線6と絶縁体7とを渦巻き状に巻回して形成しているので、加熱コイル4の外径をあまり大きくせずに所定の巻き数を一段で巻くことができる。これにより、複数段で巻き数を得ている従来の加熱コイルに比べて、加熱コイル4と被加熱体3との相対距離も一定で短くなり、電気的結合も良くなり、加熱効率が向上する。コイル導線6を扁平にして加熱コイル4を構成しているので、コイル導線6で発熱した熱は加熱コイル4の両表面へ伝わり易いため、加熱コイル4からの放熱性が向上し、冷却性能が向上する。また、予めコイル導線6に絶縁体を設けておく必要も無く、また、絶縁体7もコイル導線6の全周に必要なく、使用量もコイル導線6間のみのため、少量になり、原価も低減できる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態の加熱コイルの要部断面図を示すものである。
図2において、表面に絶縁層を具備した直径50μmの素線5を60本撚り合わせて集合線11を形成し、さらに集合線11を4本撚り合せて集合線12を形成し、その集合線12を5本撚り合せてコイル導線13を構成している。この時、集合線12を図2に示すように1段から2段の形態に並べて、コイル導線13を扁平状として、絶縁体7と巻回して加熱コイルを形成し、加熱コイルベース8の上に接着等で固定している。
また、これにより、本実施の形態では素線5を複数本撚って集合線11を一旦形成し、さらに、集合線11を複数本撚って集合線12を作り、その集合線12を複数本撚ってコ
イル導線13に仕上げているので、規則正しく並べられており、コイル導線13の巻き方向の幅を少なく、かつ、幅の寸法を安定させることができ、結果として、コイル導線13を多数巻きして加熱コイルを形成する際に、加熱コイルの外径等の寸法安定性が向上する。
また、本実施の形態では前記のように素線5を多重に撚ってコイル導線13に仕上げているので、高周波電流の流れる素線5が平行に揃うことが少なくなり、素線5同士の近接効果で素線5に電流が流れにくくなることを抑制できる。結果として前記近接効果によるコイル導線13内の素線5の表皮を流れる電流の偏りが無くなり、コイル導線13に電流を流した際の発熱が低減する。近接効果とは、近接した平行状態の線に高周波電流を流すとお互い反発し合い、電流が流れにくくなる現象をいう。さらに、本実施の形態の素線5は直径50μmと細いため、コイル導線13を複数巻きする際に素線5が傷つきや切れ易い等の問題があったが、集合線11等を形成することで製造時に1本にかかる引っ張り方向の力が分散されて素線5への機械的ストレスが低減し、安定した製造ができる。
また、本実施の形態では、集合線12を撚っている為、矢印Aのように集合線12の位置が常に移動するため、被加熱物と集合線12との距離が平均化されるため複数段で巻き数を得ている従来の加熱コイルに比べて、加熱コイル4と被加熱体3との相対距離も一定で短くなり、電気的結合も良くなり、加熱効率が向上する。
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態の加熱コイルの要部断面図を示すものである。
図3において、表面に絶縁層を具備した直径50μmの素線5を50本撚り合わせて集合線14を形成し、さらに集合線14を3本撚り合せて集合線15を形成し、その集合線15を8本撚り合せてコイル導線16を構成している。この時、集合線15を図3に示すように2段の形態に並べて、コイル導線16を扁平状として、絶縁体7と巻回して加熱コイルを形成し、加熱コイルベース8の上に接着等で固定している。これにより、多数本の素線5を小分けにして集合線15を形成し、安定して2段で並べることで、コイル導線16の巻き方向の幅を少なく、かつ、幅の寸法を正確にすることができ、結果として、コイル導線16を多数巻きして加熱コイルを形成する際に、加熱コイルの外径等の寸法安定性が極めて向上することができる。
また、本実施の形態では、集合線15を撚っている為、矢印Bのように集合線15の位置が常に移動するため、被加熱物と集合線15との距離が平均化されるため複数段で巻き数を得ている従来の加熱コイルに比べて、加熱コイル4と被加熱体3との相対距離も一定で短くなり、電気的結合も良くなり、加熱効率が向上する。
(実施の形態4)
図4、図5、図6、図7は、本発明の第3の実施の形態等の扁平状のコイル導線16を形成するための製造方法を示す図である。
図4、図5、図6、図7を用いて以下説明する。図4は、集合線15を円環状に配置して送り出す冶具の断面図で、図5は図4のCから見た矢視図である。図において、中央に先の径が根元より小さくなった円筒状の固定冶具17を設け、固定字具17の周囲を矢印D方向に回転する可動冶具18を具備し、固定冶具17の周囲に円環状に集合線15を通す穴19を配置している。上述した冶具を用いて、コイル導線16を製造する状態を示したのが図6であり、以下説明する。図において集合線15は可動冶具18に設けられた穴19を通り、固定冶具17の表面を滑り、整列板20の穴21を通り、さらに、回転体22a、22bの間を通り抜け、扁平状態のコイル導線16となって矢印E方向に回転する
リール部23に巻き取られる。図7は、整列板20の穴21内にある集合線15の状態を示す断面図で、穴21はコイル導線16の仕上がり寸法より若干大きく作られており、回転体22a、22bに入る前にコイル導線16の扁平状態をある程度規制している。また、回転体22a、22bの間は所定の隙間で管理されており、コイル導線16の厚みを整えている。本実施の形態の製造をすることで、円環状に並べられた集合線15の中央に一旦空間ができ、可動冶具18と回転体22a、22bとの間で、規則的に前記空間がつぶされることで、集合線15の配置が規則正しくなり、また、集合線15に無理な力がかからないので、傷無くコイル導線16を形成できる。また、可動冶具18の回転速さとリール部23の回転速さとを調整することで、集合線15の撚りピッチ等の状態を簡単に制御できる。したがって、可動冶具18を回転させずにリール部23のみ回転させれば、撚りの無い状態で、コイル導線を形成することもできる。
なお、本実施の形態において、整列板20を1枚のみ設けているが、可動冶具18と回転体22a、22bとの間にコイル導線16の扁平状態に合わせて穴21の形状を変えたものを複数枚具備すれば、コイル導線16がより円滑に作成することができる。
また、本実施の形態では、集合線15を用いたが、素線を直接用いてもよく、要は素線の直径と本数に合わせた可動冶具18を用いれば、扁平状態のコイル導線を形成することができる。
さらに、本実施の形態においては、集合線15を送る側で可動冶具18を回転させ、コイル導線16に撚り加工入れているが、逆に巻き取り側の整列板20、回転体22a、22b、リール部23を一体として、回転させコイル導線16に撚り加工入れてもよい。要は、一旦素線もしくは集合線の中央に空間を空け、その素線もしくは集合線を中央の空間をつぶしながら巻き取ることで、コイル導線の仕上がり厚みを薄く、しかも安定した物づくりができる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の第5の実施の形態の加熱コイルの要部断面図を示すものである。
図8において、コイル導線16と絶縁体7との間に例えばシリコン製等の耐熱性の接着剤からなる接着部24を設け、お互いを固定することにより、コイル導線16と絶縁体7からなる加熱コイルが一体となり、単品として加熱コイルを扱うことが容易となり、また、加熱コイルに電流を流した際に加熱コイルから発生する振動や音を低減することができる。
(実施の形態6)
図9は、本発明の第6の実施の形態の加熱コイルの要部断面図を示すものである。
図9において、固着性絶縁体25は、例えば耐熱性があり、固着性を有するETFEやFEP等のフッ素樹脂からなる熱可塑性樹脂を用いて板状に形成している。コイル導線16と固着性絶縁体25を巻回して、コイル導線16に適度な電流を流す等して、固着性絶縁体25の表面部を溶かし、コイル導線16と固着性絶縁体25とを接着している。これにより、安価にコイル導線16と固着性絶縁体25とを固定できる。
(実施の形態7)
図10は、本発明の第7の実施の形態の加熱コイルの要部断面図を示すものである。
図10において、固着性絶縁体26は、内側部27に融点の高い例えばフッ素樹脂(PFA)を用い、表面部28に例えば内側に比べて融点の低いフッ素樹脂(ETFEやFE
P)を用いて板状に形成している。コイル導線16と固着性絶縁体26を巻回して、コイル導線16に適度な電流を流す等して、固着性絶縁体26の表面部28を溶かして、コイル導線16と固着性絶縁体26とを接着している。これにより、加熱接着時に温度制御を内側部27が解けない温度に予め設定すれば、常に内側部27の寸法確保した状態で、コイル導線16と固着性絶縁体26とを接着することができ、信頼性の高い加熱コイルを作ることができる。
(実施の形態8)
図11は、本発明の第8の実施の形態の加熱コイルの要部断面図を示すものである。図12は、同実施の形態の加熱コイルの断面図を示すものである。
図11、図12において、固着性絶縁体29は、内側部30に融点の高い例えばフッ素樹脂(PFA)を用い、表面部31に例えば内側に比べて融点の低いフッ素樹脂(ETFEやFEP)を用いてL字の板状に形成している。コイル導線16とL字状の固着性絶縁体29を巻回して、コイル導線16に適度な電流を流す等して、固着性絶縁体29の表面部31を溶かして、コイル導線16と固着性絶縁体29とを接着して、加熱コイル32を形成している。これにより、固着性絶縁体29の中にコイル導線16を保持することにより、コイル導線16を巻回する時、固着性絶縁体29にコイル導線16が保護され、傷等の防止になり、また、加熱コイル32に形成された後、L字の平面部33が加熱コイル32の表面に形成されることで、加熱コイル32の組み立て時における傷等の防止にもなる。
なお、図13のように固着性絶縁体34をコ字状にすることで、加熱コイル35の両面に対して平部36で保護することができる。
(実施の形態9)
図14は、本発明の第9の実施の形態の加熱コイルの断面図を示すものである。
図14において、コイル導線16を扁平状として、予め厚みが所定の寸法で変化する絶縁体36と巻回して加熱コイル37を形成している。これにより、コイル導線16の巻回する方向の間隔を決められた寸法に安定させることがでる。したがって、加熱コイル37から発生する磁界分布を自由に設計し、例えば、本実施の形態では、加熱コイル37の半径の中央部分についてコイル導線16の巻回する間隔をあけることで、被加熱体の温度分布の改善を簡単に実現している。
参考の形態
図15は、本発明の第参考の形態の加熱コイルの断面図、図16は同素線の断面図を示すものである。
図15、16において、直径100μm素線38の表面に絶縁ワニス(例えば、ポリエステルイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂)等で絶縁層39を設け、その外側に融着層40を具備し、前記素線38を30本撚り合わせて集合線41を形成し、さらに集合線41を10本撚り合せて実施の形態4の製造方法を用いることで、扁平なコイル導線42を構成し、コイル導線42に適度な電流を流す等して、素線38の融着層を溶かして、コイル導線42同士を接着している。コイル導線42を扁平にして加熱コイル43を構成しているので、コイル導線42で発熱した熱は加熱コイル43の両表面へ伝わり易いため、加熱コイル43からの放熱性が向上し、冷却性能が良くなる。また、コイル導線42が扁平状になっているため、複層巻きせずに巻き数の大きな加熱コイル43を作成でき、加熱コイル43と被加熱体との相対距離も一定で短くなり、電気的結合も良くなり、加熱効率が向上する。さらに扁平なコイル導線43の仕上がり厚みが薄く、断面形状も安定しているの
で、巻き数の多い加熱コイル43を安定な寸法で形成することができる。
なお、本実施の形態の固着性絶縁体としては、フッ素系の樹脂を用いたが、シリコン系やフッ素系の半硬化のゴムや半硬化の熱硬化性の樹脂でも良い。また、ワニス等の接着性成分を含浸させた例えばガラス等のテープでも良い。もちろん、ポリアミド樹脂やポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性の樹脂でも良い。
また、本実施の形態のコイル導線の断面図は、集合線等の配置状況をわかり易くするために空間をあけて描いているが、実際のコイル導線は巻回等の加工で、この空間がつぶれて扁平なコイル導線になり、そのピッチを約2mm以下程度に仕上げることができるので、加熱コイルの外径を約φ200mmのもので、約40〜50ぐらいの巻き数の多い加熱コイルを一層巻きで作成できる。
以上のように、本発明にかかるは、誘導加熱装置は加熱コイルに高周波電流を流した時、加熱コイルの発熱を低減し、被加熱体への加熱効率を向上させるので、誘導加熱調理器等の誘導加熱を応用した商品や装置等の用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の断面図 本発明の実施の形態2における加熱コイルの要部断面図 本発明の実施の形態3における加熱コイルの要部断面図 本発明の実施の形態4におけるコイル導線を形成する製造冶具の断面図 図4の矢視図 本発明の実施の形態4におけるコイル導線の製造状態を示す図 図6の要部断面図 本発明の実施の形態5における加熱コイルの要部断面図 本発明の実施の形態6における加熱コイルの要部断面図 本発明の実施の形態7における加熱コイルの要部断面図 本発明の実施の形態8における加熱コイルの要部断面図 同実施の形態8における加熱コイルの断面図 同実施の形態8における別方式の加熱コイルの断面図 本発明の実施の形態9における加熱コイルの断面図 本発明の参考の形態における加熱コイルの断面図 本発明の参考の形態における素線の要部断面図
3 被加熱体
4、32、35、37、43 加熱コイル
5、38 素線
6、13、16、42 コイル導線
7 絶縁体
11、12、14、15、41 集合線
24 接着部
25、26、29、34 固着性絶縁体
33、36 平面部

Claims (2)

  1. 表面に絶縁層を具備した素線を複数本用いて扁平状に配置したコイル導線を設け、前記コイル導線の断面形状の長手面側に絶縁体を具備し、前記絶縁体は、固着性絶縁体で、前記固着性絶縁体は、融点の異なる樹脂で構成され、かつ、融点の低い樹脂を融点の高い樹脂の表面の少なくとも一部に設け、前記絶縁体と前記コイル導線とを前記絶縁体の長手面側が各巻線間に配置され前記コイル導線の断面形状の前記長手面側を側面とし少なくとも下方の短手面側に平面部を有してL字状またはコ字状に形成して前記絶縁体の中に前記コイル導線を保持しつつ渦巻き状に巻回して前記絶縁体の表面に熱を与えることにより溶かして隣り合う前記コイル導線と前記絶縁体とを接着して一層巻きの加熱コイルを形成し、前記加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱装置。
  2. 前記絶縁体の巻回し方向の厚みを前記加熱コイルの所定の半径寸法において半ばでより厚くなるように内周及び外周の周辺側を薄く変化する絶縁体とし、巻回した前記コイル導線のピッチを変えた請求項1に記載の誘導加熱装置。
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