JP6026862B2 - 軌陸車両搭載用クレーン - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、車載クレーンとしての利便性を保ちつつ、軌道上の作業では、ブームが架線に接触することなく、安全性が確保できる軌陸車両搭載用クレーンを提供することを課題とする。
図1および図2に示すように、この軌陸車両搭載用クレーン1は、アウトリガ2を備えたベース3がクレーン搭載台6上に搭載固定されている。ベース3上には旋回機台19が設けられ、旋回機台19上には伸縮可能なコラムポスト4が旋回自在に立設されている。コラムポスト4の上端部には、伸縮ブーム5がブーム起伏機構の作動により起伏可能に設置されている。伸縮ブーム5の姿勢は、図1に示すように、ブーム起伏機構のブーム起伏シリンダ90が短縮時に水平姿勢となるように設けられている。伸縮ブーム5には、フック21を垂下してなるトロリー装置20が伸縮ブーム5に沿って移動可能に設けられている。なお、図6に示すように、アウトリガ2の接地位置GLは、鉄道の線路Rよりも線路脇の低い位置にあり、クレーン1自体は軌陸装置の作動によって下方に張り出された鉄車輪14により路上走行状態よりも地面から高い位置まで上昇する(図6参照)。そのため、アウトリガ2には、例えばローダー作業兼用クレーンで使用される、通常よりもストローク量の長いアウトリガが採用されている。
詳しくは、図3に油圧回路のブロック図を示すように、コラム伸縮シリンダ43とブーム起伏シリンダ90とは、1つのコントロールバルブ33を使用し、1つの電磁切換弁62を介して油路を並列に接続している。
まず、この車両搭載型クレーン1の線路(軌道)上での作動について説明する。
この軌陸車両搭載用クレーン1は、車両の通常走行時には、図4に示すように、アウトリガ2をクレーン底面よりも上方に格納し、鉄車輪14も格納状態とされている。一方、線路R上での走行は、軌道装置を作動させて、図5に示すように、車両前後の鉄車輪14を展開状態として線路R上に載置することにより、鉄車輪14で線路上を走行することができる。そして、鉄道の線路R上でのクレーン作業時には、図6に示すように、アウトリガ2を下方に張り出して接地させる。
線路上以外では、図4に示したように、軌道装置の鉄車輪14は、シャーシフレーム13の側に格納されており、通常のトラックと同様に、タイヤにて走行することができる。そして、線路上以外でクレーン作業を行う際は、まず、図11に示すように、アウトリガを接地し、次いで、図12に示すように、ブーム起伏シリンダ90を伸長することで、伸縮ブーム5を起伏させる。ここで、この車両搭載型クレーン1は、鉄車輪14の格納姿勢に連動して電磁切換弁62の油路の切換えが行なわれ、コントロールバルブ33から吐出した圧油の供給がコラム伸縮シリンダ43からブーム起伏シリンダ90に排他的に切り替わる。これにより、ブーム起伏シリンダ90が伸縮可能となり伸縮ブーム5の起伏が可能となる一方、コラム伸縮シリンダ43は作動不能とされる。つまり、コラム伸縮シリンダ43とブーム起伏シリンダ90とが排他的な切替式のため、線路上以外ではコラムポスト4の伸縮は不可能となっている。
例えば上記実施形態では、鉄車輪14の展開状態および格納状態をリミットスイッチ63によって検知することで検知手段を構成し、このリミットスイッチ63の信号のON・OFFに基づきブーム起伏機構とポスト伸縮機構との作動を切替える構成例で説明したが、検知手段はこれに限定されない。例えば、オペレータが操作することにより鉄車輪14の展開姿勢と格納姿勢とを切り換える軌道作業スイッチを検知手段とすることもできる。
2 アウトリガ
3 ベース
4 コラムポスト
5 伸縮ブーム
6 クレーン搭載台(カント補正装置)
7 支持ブラケット(カント補正装置)
8 クレーン回動軸(カント補正装置)
9 傾動シリンダ(カント補正装置)
10 軌陸車
13 シャーシフレーム
14 鉄車輪
19 旋回機台
20 トロリー装置
21 フック
41 上筐体
42 下筐体
43 コラム伸縮シリンダ(コラムポスト伸縮機構)
51 基端ブーム
52 中間ブーム
53 先端ブーム
54 テレシリンダ
90 ブーム起伏シリンダ(ブーム起伏機構)
Claims (5)
- 鉄道の線路上に載置可能な鉄車輪を有する軌陸車に搭載される軌陸車両搭載用クレーンであって、
アウトリガを有するベースと、該ベース上の旋回機台に設置されたコラムポストと、該コラムポストの先端上部にピンにて軸支された伸縮ブームと、前記コラムポストに対して前記ピンを中心に前記伸縮ブームを起伏させるブーム起伏機構とを備え、
前記コラムポストは、前記旋回機台上で上下方向に自身を伸縮可能なコラムポスト伸縮機構を有し、
前記伸縮ブームは、前記ブーム起伏機構によるブーム起伏作動と、前記コラムポストのコラムポスト伸縮機構によるコラムポスト伸縮作動とを切替えて作動させるように構成されており、
前記鉄車輪の展開状態および格納状態を検知する検知手段を有し、
前記ブーム起伏機構と前記コラムポスト伸縮機構との切替えは、前記検知手段の検出状態に基づいて前記鉄車輪の展開および格納と連動して行われ、
前記鉄車輪が展開状態にあっては、前記ブーム起伏機構が作動不能とされ且つ前記コラムポスト伸縮機構が作動可能とされ、
前記鉄車輪が格納状態にあっては、前記ブーム起伏機構が作動可能とされ且つ前記コラムポスト伸縮機構が作動不能とされることを特徴とする軌陸車両搭載用クレーン。 - 前記検知手段は、前記鉄車輪の展開状態および格納状態を検知する電気的検知スイッチであることを特徴とする請求項1に記載の軌陸車両搭載用クレーン。
- 前記検知手段は、オペレータが操作することにより前記鉄車輪の展開姿勢と格納姿勢とを切り換える軌道作業スイッチと共用にて使用したことを特徴とする請求項1に記載の軌陸車両搭載用クレーン。
- 前記伸縮ブームは、複数のブームから構成されて基端側ブームが細く先端ブームになるにつれて太いブームになるとともに、縮小時に先端ブームが最も外枠とされる入れ子式であり、
前記先端ブームの下部にブーム長手方向に沿って移動可能とされているトロリー装置を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の軌陸車両搭載用クレーン。 - 前記軌陸車が鉄道のカーブ区間で作業を行う際に、前記鉄車輪を線路上に設置させたままクレーン本体を水平にすることができるカント補正装置を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の軌陸車両搭載用クレーン。
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