JP2972039B2 - 化粧料 - Google Patents

化粧料

Info

Publication number
JP2972039B2
JP2972039B2 JP30924492A JP30924492A JP2972039B2 JP 2972039 B2 JP2972039 B2 JP 2972039B2 JP 30924492 A JP30924492 A JP 30924492A JP 30924492 A JP30924492 A JP 30924492A JP 2972039 B2 JP2972039 B2 JP 2972039B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pullulan
cationized
water
cationized pullulan
hair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30924492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0648918A (ja
Inventor
光男 成田
宏 梅沢
茂広 名倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27323560&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2972039(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP30924492A priority Critical patent/JP2972039B2/ja
Publication of JPH0648918A publication Critical patent/JPH0648918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2972039B2 publication Critical patent/JP2972039B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧料に関するもので
あり、さらに詳しくは、皮膚,毛髪などを物理的な外力
などから保護し、特に毛髪において、優れたコンディシ
ョニング性と優れた使用感を与えるカチオン化プルラン
を基剤として含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シャンプー、リンス等のコンディ
ショニング剤として最も多く用いられているのはカチオ
ン化ヒドロキシエチルセルロース(以下カチオン化HE
Cともいう)である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カチオン化H
ECは、べたつき感、残留感が強すぎるという短所を持
っている。また、界面活性剤との相溶性も悪かった。し
たがって、べたつき感、残留感が少なく、優れたコンデ
ィショニング性を示し、なおかつAES・Na系、イミ
ダゾリン系などの代表的界面活性剤との相溶性に優れた
化粧料用基剤の開発が望まれていた。
【0004】また、化粧水等、ローションタイプの化粧
料には、エタノールを含有するものが多い。一方、従来
のカチオン化HECをはじめとする水溶性多糖類は水単
独の系中では安定であるものの、系中にエタノールやポ
リオールなどの溶媒が加わるとき、沈澱、ゲル化等をお
こすものが多かった。したがって、ローションタイプの
化粧水に好適な水溶性多糖類はなかった。すなわち、水
に可溶であって、クリームや乳液のみならずローション
剤等の液状製品など、広範囲にわたる化粧料に使用可能
な化粧料用基剤が切望されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、毛髪に対
してはハリとコシを与え、ブラッシングなどの物理的な
外力から守るとともに、べたつき、ゴワつき、残留感が
少なく、なおかつ界面活性剤との相溶性が低温において
も優れており、皮膚に対してはなめらかさ、保湿性に優
れ、かつエタノール含有水溶液であっても安定した粘度
を示す化粧料の開発を進めてきた。特に、プルラン誘導
体のフィルム物性に着目し、種々のプルラン誘導体を合
成しその物性を検討した結果、カチオン化プルランが上
述の要望に応えるのに最適であることを知見した。さら
に検討を重ねた結果、プルランを所望の平均置換度でカ
チオン化したカチオン化プルランが化粧料用基剤として
特に優れていることを知見し、本発明に想到した。
【0006】本発明の要旨は、プルランを一般式(I)
(化3)で表わされる化合物および一般式(II)(化
4)で表される化合物〔上記一般式(I),(II)にお
いてR1 ,R2 ,R3 は炭化水素基、X,Yはハロゲン
原子〕からなる群より選ばれたカチオン化剤の少なくと
も一種以上と反応させることによって得られるカチオン
化プルランを含有する化粧料にある。
【0007】
【化3】
【化4】
【0008】すなわち、本発明にかかる化粧料は、下記
の一般式(III)で表わされるカチオン化プルランを基剤
として含有することを特徴とする。
【0009】
【化5】
【0010】但し、上記式中R4 は、水素原子または、
下記の一般式(IV)で表わされる置換基であり、得られ
るカチオン化プルランの置換度に応じて上記置換基がR
4 にある水素原子と置き換わる。
【0011】
【化6】
【0012】上記置換基は、カチオン化剤に由来するも
のであり、R1 ,R2 ,R3 は炭化水素基を表わし、カ
チオン化剤について後述するように、R1 ,R2 は炭素
数1〜3のアルキル基が好ましく、R3 は炭素数1〜1
8のアルキル基が好ましい。
【0013】Xは塩素,シュウ素,ヨウ素などのハロゲ
ン原子であり、塩素であることが好ましい。また、一般
式(III )において、nは通常20〜20,000であ
る。
【0014】一般式(IV)で表わされる置換基は、平均
置換度として無水グルコース単位当り0.01以上存在
することが好ましく、さらに好ましくは、同単位当り
0.1以上存在することが好ましい。置換度0.01未
満では、化粧料用基剤として用いたとき、製品として得
られる化粧料のなめらかさ、保湿性等の特性を付与する
ことができないことがあり、好ましくない。
【0015】本発明において、化粧料用基剤として用い
られるカチオン化プルランは、水,アルカリ性物質の存
在下、原料プルランに一般式(I)(化7)で表わされ
る化合物と一般式(II)(化8)で表される化合物〔上
記一般式(I),(II)においてR1 ,R2 ,R3 は炭
化水素基、X,Yはハロゲン原子〕とからなる群より選
ばれたカチオン化剤の少なくとも一種以上と反応させる
ことにより得ることができる。
【0016】
【化7】
【化8】
【0017】上記原料プルランは一般式(V)(化9)
のように、グルコースの三量体であるマルトトリオース
を単位として、この三量体とは異なった結合であるα−
1,6結合により反復結合した線状重合体である。プル
ランの分子量としては、1万〜1,000万が好まし
く、さらに好ましくは10万〜1,000万である。し
たがって、一般式(V)中nは、通常20〜20,00
0である。
【0018】
【化9】
【0019】原料プルランは、その製造方法に特に制限
はない。例えば黒酵母の一種アウレオバシディウム・プ
ルランス(Aureobasidium pullul
ans)を庶糖やデンプン分解物などを炭素源とし、適
当な条件下で培養し、その培養液中において産生される
粘性多糖類として得ることができる。産生されるプルラ
ンは、使用する菌株の種類により物性が若干異なるが、
本発明ではいずれのものも用いることができる。
【0020】原料プルランとカチオン化剤との反応は、
水およびアルカリ性物質の所定量の存在下で行われる。
【0021】反応に際しての水の添加量は、原料である
プルランの無水グルコース単位当り好ましくはモル比2
〜80倍である。これ以下であると、触媒として機能す
るアルカリ性物質が均一に反応に関与しなくなり、ま
た、カチオン化剤と原料プルランの接触効率が低下する
ため、反応が十分に進行しないことがあり好ましくな
い。一方、上記した以上の添加量であると、副反応であ
る水とカチオン化剤との反応が進行するおそれがあり、
カチオン化剤の有効利用量が低下するため好ましくな
い。水の添加量はさらに好ましくは無水グルコース単位
当りモル比5〜40倍である。
【0022】上記アルカリ性物質としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ
土類金属水酸化物;あるいはエチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチルアン等の有機アミン類を用
いることができる。そのうち、好適なものは、水酸化ナ
トリウムである。
【0023】アルカリ性物質の添加量は、原料プルラン
の無水グルコース単位当り好ましくは、モル比0.00
1〜1.0倍である。これ以下であると触媒としての量
が少なすぎて反応速度が低下し、反応が進行しなくな
る。上記した以上の添加量であると、副反応が進行した
り、プルランの解重合度が激しくなることがあり、好ま
しくない。
【0024】上記カチオン化剤としては、一般式(I)
(化10)〔式(I)においてR1,R2 ,R3 は炭化
水素基、Xはハロゲン原子〕で表わされる2,3−エポ
キシプロピルトリアルキルアンモニウムハライド(グリ
シジルトリアルキルアンモニウム塩)および一般式(I
I)(化11)〔式(II)においてR1 ,R2 ,R3
炭化水素基、X,Yはハロゲン原子〕で表される3−ハ
ロゲノ−2ヒドロキシトリアルキルアンモニウムハライ
ドがある。かかるカチオン化剤は一種単独でも、あるい
は二種以上を組み合わせても使用することができる。
【0025】
【化10】
【化11】
【0026】上記式中R1 ,R2 ,R3 の炭化水素基
は、鎖状あるいは分岐型のアルキル基のみならず、不飽
和炭化水素基、芳香族基とすることができる。もっと
も、上記式中R1 ,R2 は炭素数1〜3のアルキル基で
あることが好ましく、R3 は炭素数1〜18のアルキル
基であることが好ましい。また、X,Yとしては塩素、
シュウ素、ヨウ素が挙げられなかでも塩素が好ましい。
【0027】本発明に使用することのできるカチオン化
剤を例示するために、上記一般式(I)(II)に共通す
る−NR1 2 3 Xの部分(トリアルキルアンモニウ
ム塩基)の具体例を列挙すると、トリメチルアンモニウ
ムクロライド、トリエチルアンモニウムクロライド、ト
リプロピルアンモニウムクロライド等をはじめ、ジメチ
ルオクチルアンモニウムクロライド、ジメチルデシルア
ンモニウムクロライド、ジメチルラウリルアンモニウム
クロライド、ジメチルミリスチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルパルミチルアンモニウムクロライドなどの
高級脂肪族アルキル基を含有するもの等が挙げられる。
【0028】上記カチオン化剤の添加量は所望するカチ
オン変性度により任意に選択されるが、原料プルランの
無水グルコース単位当りモル比0.01倍以上であるこ
とが好ましい。0.01倍以下では上記カチオン化剤に
由来するカチオン基(β−ヒドロキシプロピルトリアル
キルアンモニウム塩基)による無水グルコース単位当り
の上記カチオン化プルランの平均置換度が0.01以下
となって、目的とするプルランが得られない。さらに好
ましくは、無水グルコース単位当りのモル比は0.1以
上である。
【0029】反応温度は、40〜80℃が好ましく、ま
た、アルカリ性物質とカチオン化剤の添加順序は特に限
定されるものではない。
【0030】カチオン化反応終了後、触媒であるアルカ
リ性物質を鉱酸あるいは有機酸等により中和した後、カ
チオン化プルランの非溶媒である、アセトン、メタノー
ル、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等あるいはこれらの混合溶媒と混合すること
により、晶出・回収する。しかる後に、水中において再
溶解し、さらに再晶出といった工程を数回繰り返した後
に乾燥させることにより、精製されたカチオン化プルラ
ンを得ることができる。これを化粧料用基剤として用い
る。
【0031】本発明の化粧料には、カチオン化プルラン
に加え、化粧料のタイプに応じて各種成分を適宜配合す
ることができる。配合成分としては、ヤシ油、オリーブ
油、ヒマシ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ラ
ノリン、ミツロウ、スクワラン、トリグリセリド類、高
級脂肪酸類、流動パラフィン、固形パラフィン、ミクロ
クリスタリンワックス、ワセリン、セレシン、油脂エス
テル類、ポリアルキレングリコール、シリコーンオイル
などの油性原料;高級脂肪酸石けん、高級アルコール硫
酸エステル塩、スルホン酸塩、高級アルコールリン酸エ
ステルなどのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム
塩などのカチオン界面活性剤;ベタイン構造型、イミダ
ゾリン誘導体などの両性界面活性剤;ポリオキシエチレ
ン型、多価アルコールエステル型などのノニオン界面活
性剤;各種ガム類、アルギン酸塩、セルロース誘導体、
ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシ
メチルビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、ベン
トナイトなどの増粘剤;グリセリン、プロピレングリコ
ール、ソルビトール、ブチレングリコール、乳酸塩、2
−ピロリドン−5−カルボン酸塩、ヒアルロン酸、デル
マタン硫酸、コラーゲンなどの保湿剤;タルク、カオリ
ン、二酸化チタン、マイカ、微粉末シリカ、軽質炭酸カ
ルシウム、重質炭酸カルシウム、微結晶セルロース、ナ
イロン微粒子などの粉末;ビタミン類、ホルモン、抗ヒ
スタミン剤、アミノ酸類、酵素剤などの薬剤;紫外線吸
収剤;キレート剤;酸化防止剤;色素;香料;抗菌剤;
防腐剤などが例示される。本発明の化粧料の剤型は任意
であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−
油二層系、水−油−粉末三層系等、どのような剤型でも
かまわない。また、本発明の化粧料の用途も任意であ
り、ローション;シャンプー、ヘアリンス;ヘアトニッ
ク、ヘアセット剤などの整髪料;ヘアクリーム、パーマ
ネント剤などの頭髪化粧料;毛染め剤;化粧水、乳液、
クリームパック等のフェーシャル化粧料;ファンデーシ
ョン、口紅、アイシャドウなどのメーキャップ化粧料;
ボディシャンプー、クレンジングフォーム、シェービン
グフォーム、石ケンなどの洗浄料;皮フ保護用クリー
ム;芳香化粧料;サンスクリーン剤などに用いることが
できる。
【0032】
【実施例】以下に実施例1〜2において、本発明に使用
することのできるカチオン化プルランの実施例を挙げ、
実施例3〜9に本発明にかかる化粧料の実施例を挙げ
る。
【0033】実施例1 コンデンサー付のニーダーにグリシジルトリメチルアン
モニウムクロライド357.3gを含む水溶液446.
6gと純水202.2gを入れ混合し、これに水分10
%含有のプルラン400g(プルラン360g、水40
g相当)を加え、均一に溶解するまで室温で混合した。
続いてこのスラリーに49%水酸化ナトリウム水溶液
9.0gを加え、室温で30分間混合した。その後50
℃まで昇温し、この温度下で5時間混合した。この反応
系の無水グリコース単位当りの水、水酸化ナトリウム、
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドのモル比
はそれぞれ8.5、0.05、1.0であった。
【0034】次いで、酢酸6.6gを加えて中和した
後、アセトン/メタノール(WR)=1/1 2kgを
加えて混合し、反応生成物を晶出させた。晶出ケーキを
水中に再溶解した後、再度アセトン/メタノール(W
R)=1/1 2kg中にて再晶出した。これらの再溶
解、再晶出を更に3回繰返し、60℃で乾燥させてカチ
オン化プルラン480gを得た。得られたカチオン化プ
ルランは窒素含有率が3.46%であり、無水グルコー
ス単位当りのカチオン化度は0.65であった。
【0035】実施例2 カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウム
クロライドを190.0g含む水溶液237.4gおよ
び純水286.6gを用いる他は実施例1と同様に反
応、精製した。この反応系の無水グルコース単位当りの
水、水酸化ナトリウム、グリシジルトリメチルアンモニ
ウムクロライドのモル比はそれぞれ8.5、0.05、
0.5であった。
【0036】この反応で440gのカチオン化プルラン
が得られ、得られたカチオン化プルランは窒素含有率が
2.3%であり、無水グルコース単位当りのカチオン化
度は0.35であった。
【0037】実施例3 実施例1で合成したカチオン化プルランを用い、下記配
合の乳液を調製した。 流動パラフィン 50.0重量部 ミツロウ 10.0 〃 水 35.0 〃 セチルアルコール 3.0 〃 カチオン化プルラン 2.0 〃 香料及び防腐剤 適量
【0038】この乳液は経日的安定性にすぐれており、
使用時の伸びが良く、ベタツキ感がなく、しっとりとし
た感触を与えるものであった。
【0039】実施例4 実施例1で合成したカチオン化プルランを用い、下記配
合のパック剤を調製した。 ポリビニルアルコール 20.0重量部 グリセリン 4.0 〃 エチルアルコール 6.0 〃 カチオン化プルラン 5.0 〃 水 65.0 〃 香料及び防腐剤 適量
【0040】このパック剤は使用時の伸びが良く、使用
感に優れたものであった。
【0041】実施例5 実施例1で合成したカチオン化プルランを用い、下記配
合の口紅を作った。 ミツロウ 30.0重量部 ヒマシ油 45.0 〃 ラノリン 5.0 〃 硬化油 3.0 〃 レーキ 7.0 〃 流動パラフィン 5.0 〃 色素 2.0 〃 カチオン化プルラン 3.0 〃 香料及び防腐剤 適量
【0042】この口紅は伸びが良く、保湿性にすぐれ、
しっとりとした感触を与えるものであった。
【0043】実施例6 実施例1で合成したカチオン化プルランを用い、下記配
合のリンスを調製した。 グリセリルモノステアレート 3.0重量部 アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 4.0 〃 水 92.0 〃 香料及び色素 適量
【0044】このリンスは経日的安定性にすぐれ、良好
なつやを与え、しっとりとした感触を与えるものであっ
た。
【0045】実施例7 実施例1で合成したカチオン化プルランを用い、下記配
合のセットローションを調製した。 エタノール 14.0重量部 グリセリン 2.0 〃 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 1.0 〃 カチオン化プルラン 0.5 〃 水 82.5 〃 香料及び色素 適量
【0046】このセットローションは経日的安定性に優
れ、使用時の伸びにすぐれ、しっとりした感触を与える
ものであった。また、エタノール含有水溶液であるにも
かかわらず、沈澱、ゲル化せず、透明感、清澄感を保つ
ことができた。
【0047】実施例8 実施例1で合成したカチオン化プルランを用い、下記配
合のシャンプーを調製した。 ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム 15.0重量部 イミダゾリン型両性界面活性剤 1.5 〃 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0 〃 安息香酸ナトリウム 0.5 〃 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.2 〃 カチオン化プルラン 0.7 〃 水 77.1 〃 香料及び色素 適量
【0048】このシャンプーは経日的安定性にすぐれ、
豊かな泡立ち、なめらかさを与えるものであった。
【0049】この実施例8において明らかなように、カ
チオン化プルランを配合した本発明にかかるシャンプー
は、一般に、きめ細かくクリーミーで豊かな泡立ちが得
られる。洗髪中およびすすぎ後の指通り、くし通りはな
めらかで、ブローがしやすい。また、乾燥後の指通り、
くし通りもなめらかで、べたつき、ゴワつきが感じられ
ない。
【0050】なお、本発明で用いられるカチオン化プル
ランは、陰イオン性界面活性剤が過剰の水溶液中では陰
イオン性界面活性剤がカチオン化プルランに吸着するこ
とにより透明に可溶化される。この溶液は低温(−5
℃)においても安定な系を保つため、シャンプーの商品
外観を損なうことなくいつまでも安定した系を保つこと
ができる。また同様にイミダゾリン系界面活性剤のよう
な両性界面活性剤とも透明に混和する。
【0051】実施例9 上記実施例2で得られたカチオン化プルランを用い、下
記配合のクレンジングクリームを調整した。 流動パラフィン 30.0重量部 ワセリン 20.0 〃 水 32.0 〃 ステアリン酸モノグリセライド 10.0 〃 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 3.0 〃 グリセリン 3.0 〃 カチオン化プルラン 2.0 〃 香料及び防腐剤 適量
【0052】このクレンジングクリームは安定性にきわ
めて優れていて、使用時の伸びが良く、ベタつき感がな
く、しっとりした感触を与えるものであった。
【0053】本実施例9から明らかなように、本発明に
かかるクリームは、べたつかず、しっとりなめらかな使
用感が長時間持続する。
【0054】実施例10、11 上記実施例2で得られたカチオン化プルランを用い、下
記配合のコンディショニングシャンプーを調整した。
【0055】実施例10 コンディショニングシャンプー組成物 ココイルメチルタウリン−Na 8.0重量部 イミダゾリミウムベタイン 10.0 〃 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.5 〃 ジメチルポリシロキサン 6.0 〃 セチル−2−エチル−ヘキサノエート 1.0 〃 ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド) 0.1 〃 カチオン化プルラン 1.0 〃 防腐剤 適量 香料 適量 水 73.4重量部
【0056】実施例11 コンディショニングシャンプー組成物 2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロ キシエチルカルボキシメチル)−2−イ ミダゾリンナトリウム 20.0重量部 第4級窒素含有セルロースエーテル 0.3 〃 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0 〃 ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム 1.0 〃 ポリオキシミリスチレン(1)ポリオキシエチ レン(50)牛脂アルキルエーテル 2.5 〃 流動パラフィン 6.0 〃 カチオン化プルラン 1.0 〃 防腐剤 適量 香料 適量 水 67.2重量部
【0057】これらのコンディショニングシャンプー
は、洗浄時はなめらかな指通りを与え、すすぎ時はべた
つかず、さっぱりした風合いを付与した。
【0058】実施例12 実施例2で得られたカチオン化プルランを用い、下記配
合のヘアセット剤(ヘアムース)を調整した。 ヘアムース(登録商標) オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0重量部 ジメチルポリシロキサン 2.0 〃 グリセリン 1.0 〃 ポリエチレン(120)硬化ヒマシ油エステル 2.0 〃 両性樹脂 3.0 〃 エタノール 10.0 〃 カチオン化プルラン 1.0 〃 n−ブタン 7.0 〃 香料 適量 水 64.0重量部
【0059】このヘアセット剤はベタツキ感がなく、し
っとりとした感触を与えるものであった。
【0060】実施例13 実施例2で得られたカチオン化プルランを用い、下記配
合の乳液を調整した。 乳液 スクワラン 13.0重量部 ワセリン 3.0 〃 ジメチルポリシロキサン(5cs) 30.0 〃 有機シリコーン樹脂 2.0 〃 ポリオキシアルキレン変性オルガノ ポリシロキサン 2.5 〃 ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド 0.2 〃 エチルパラベン 0.1 〃 カチオン化プルラン 1.0 〃 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 0.2 〃 ポリエチレングリコール6000 1.0 〃 ヘチマ抽出液 0.5 〃 ヒアルロン酸ナトリウム 0.1 〃 1,3−ブチレングリコール 5.0 〃 スメクトン 0.3 〃 エタノール 3.0 〃 香料 適量 水 38.1重量部
【0061】この乳液は、使用時の伸びが良く、しっと
りとした感触を与えるものであった。
【0062】実施例14 実施例2で得られたカチオン化プルランを用い、下記配
合のサンスクリーン剤を調整した。 サンスクリーン剤 (水相) 水 53.95重量部 1,3−ブチレングリコール 7.0 〃 二酸化チタン 5.0 〃 エデト酸二ナトリウム 0.05 〃 トリエタノールアミン99% 1.0 〃 カチオン化プルラン 1.0 〃 (油相) オキシベンゾン 2.0 重量部 パラメトキシケイ皮酸オクチル 5.0 〃 スクワラン 10.0 〃 ワセリン 5.0 〃 ステアリルアルコール 3.0 〃 ステアリン酸 3.0 〃 グリセリルモノステアレート 3.0 〃 ポリアクリル酸エチル 1.0 〃 酸化防止剤 適量 防腐剤 適量 香料 適量
【0063】このサンスクリーン剤は、使用時の伸びが
良く、使用感に優れたものであった。
【0064】実施例15、16 実施例2で得られたカチオン化プルランを用い、下記配
合の酸性染毛料を調整した。
【0065】実施例15 酸性染毛料 ベンジルアルコール 10.0重量部 イソプロピルアルコール 16.0 〃 クエン酸 2.0 〃 カチオン化プルラン 1.0 〃 アリズロールパール 0.4 〃 カルボキシメチルセルロース 0.5 〃 水 70.1 〃
【0066】実施例16 酸性染毛料 ベンジルアルコール 10.0重量部 イソプロビルアルコール 16.0 〃 クエン酸 2.0 〃 カチオン化プルラン 1.0 〃 ナフトールブルーブラック 0.3 〃 オレンジIII 0.1 〃 アリズロールパール 0.2 〃 キサンタンガム 0.3 〃 水 70.1 〃
【0067】この染毛料は、使用時なめらかなクシ通り
を付与し、すすぎ時、さっぱりとした風合いを付与し
た。また染毛効果も良好であった。
【0068】実施例17 実施例2で得られたカチオン化プルランを用い、下記配
合の酸化染毛料を調整した。 酸化染毛料 (1剤) プロピレングリコール 10.0重量部 PEG−400 10.0 〃 イソプロパノール 4.0 〃 イソステアリン酸PK 8.5 〃 ポリオキシエチレン(5モル付加) 23.0 〃 オクチルフェニルエーテル ポリオキシエチレン(10モル付加) 0.5 〃 オクチルフェニルエーテル カチオン化プルラン 1.0 〃 ナトリウムハイドロサルファイト 0.1 〃 L−アスコルビン酸 0.6 〃 EDTA−2Na 0.5 〃 アンモニア水 6.4 〃 パラフェニレンジアミン 2.0 〃 水 33.4 〃 (2剤) 過酸化水素水(30%) 20.0重量部 過酸化水素水安定化剤 適量 水 80.0重量部
【0069】この染毛料は、使用時なめらかなクシ通り
を付与し、すすぎ時、さっぱりとした風合いを付与し
た。また染毛効果も良好であった。
【0070】以下に、本発明で使用されるカチオン化プ
ルランの各種試験による結果を示す。
【0071】試験結果 〔耐酸性試験〕実施例1によるカチオン化プルランの2
%水溶液を調整し、この水溶液のpHを変化させその際
の粘度依存曲線を調べたところ、図1に示す通りの結果
が得られた。ただし粘度の測定はB型粘度計、20℃で
行った。
【0072】〔耐塩性試験〕実施例1によるカチオン化
プルランの2%水溶液中の食塩濃度を変化させ、その際
の粘度依存曲線を調べたところ、図2に示す通りの結果
が得られた。ただし粘度の測定はB型粘度計、20℃で
行った。
【0073】〔界面活性剤との相溶性〕カチオン化プル
ランおよび比較例としてカチオン化ヒドロキシエチルセ
ルロースと各種の界面活性剤とを以下に示す処方で混合
し相溶性を調べたところ表1に示す通りの結果が得られ
た。
【0074】
【表1】
【0075】 (1) 検討組成 カチオン化ポリマー 1重量部 界面活性剤 15 〃 (純分) 水 84 〃 (2) 試験方法 上記組成物を調製後、25℃、0℃、−5℃で1日 放置後の溶液を観察した。 (3) サンプル (i) カチオン化ヒドロキシエチルセルロース(ライオン (株)製レオガードGF) (ii)カチオン化プルラン カチオン基置換度 0.65 2%粘度(20℃) 15cps
【0076】
【発明の効果】本発明にかかる化粧料は上記実施例につ
いて説明したように、配合されたカチオン化プルランが
優れたフィルム物性を有し、皮膚、毛髪などに薄膜を形
成し、これらを物理的外力から強力に保護する。使用後
のべたつき感、残留感が少なく使用感に優れている。
【0077】また、シャンプーなどの毛髪用の化粧料の
場合、配合されたカチオン化プルランが分子内にカチオ
ン基を持つため毛髪への付着性に優れており、上記フィ
ルム物性と相まって、毛髪にハリとコシを与え、優れた
コンディショニング性を示す。
【0078】さらに、皮膚に対してもなめらかさ、しっ
とり感を長時間にわたって与え、クリーム、ローション
剤として好適な特性を示す。
【0079】またさらに、配合されたカチオン化プルラ
ンは、主な界面活性剤例えばAES・Na系シャンプー
ベース、イミダゾリン系シャンプーベースなどとの相溶
性が幅広い温度範囲において良好であり、本発明による
製品は安定した溶液系を備えた化粧料となる。かつま
た、上記カチオン化プルランは、水に可溶でエタノール
含有水溶液中でも沈澱、ゲル化などを起こさず、安定し
た粘度を示す。したがって、乳化、分散、懸濁といった
形態にない化粧料、すなわち液状タイプの透明感、清澄
感を要求されるタイプの化粧料に広く用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によって得られたカチオン化プルラン
の耐酸性試験の結果を示すグラフである。
【図2】実施例1によって得られたカチオン化プルラン
の耐塩性試験の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名倉 茂広 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地 の1 信越化学工業株式会社 合成技術 研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−11108(JP,A) 特開 昭54−37883(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00 C08B 37/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プルランを一般式(I)(化1)で表わ
    される化合物および一般式(II)(化2)で表される化
    合物〔上記一般式(I),(II)においてR1 ,R2
    3 は炭化水素基、X,Yはハロゲン原子〕からなる群
    より選ばれたカチオン化剤の少なくとも一種以上と反応
    させることによって得られるカチオン化プルランを含有
    する化粧料。 【化1】 【化2】
JP30924492A 1991-10-28 1992-10-23 化粧料 Expired - Fee Related JP2972039B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30924492A JP2972039B2 (ja) 1991-10-28 1992-10-23 化粧料

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30840591 1991-10-28
JP17195392 1992-06-05
JP3-308405 1992-06-05
JP4-171953 1992-06-05
JP30924492A JP2972039B2 (ja) 1991-10-28 1992-10-23 化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0648918A JPH0648918A (ja) 1994-02-22
JP2972039B2 true JP2972039B2 (ja) 1999-11-08

Family

ID=27323560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30924492A Expired - Fee Related JP2972039B2 (ja) 1991-10-28 1992-10-23 化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2972039B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9827614D0 (en) * 1998-12-15 1999-02-10 Unilever Plc Detergent composition
JP5072265B2 (ja) * 2006-05-30 2012-11-14 株式会社林原 プルラン誘導体とその用途
JP4969305B2 (ja) * 2007-04-23 2012-07-04 ホーユー株式会社 毛髪化粧料組成物
JP4975510B2 (ja) * 2007-04-23 2012-07-11 ホーユー株式会社 毛髪化粧料組成物
JP4969306B2 (ja) * 2007-04-23 2012-07-04 ホーユー株式会社 毛髪化粧料組成物
JP5037209B2 (ja) * 2007-04-23 2012-09-26 ホーユー株式会社 毛髪化粧料組成物
WO2008133267A1 (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Q.P. Corporation カチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩、およびその製造方法、ならびにこれを用いた毛髪改質剤、キューティクル修復剤、皮膚改質剤および化粧料
JP4975511B2 (ja) * 2007-04-24 2012-07-11 ホーユー株式会社 酸化剤組成物
JP4975512B2 (ja) * 2007-04-24 2012-07-11 ホーユー株式会社 着色剤組成物
JP5114098B2 (ja) * 2007-05-31 2013-01-09 花王株式会社 染毛剤組成物
JP6786247B2 (ja) * 2016-04-12 2020-11-18 クラシエホームプロダクツ株式会社 毛髪化粧料
CN107556402A (zh) * 2017-10-18 2018-01-09 重庆工商大学 阳离子化透明质酸及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0648918A (ja) 1994-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1066827B1 (en) Foaming oil gel compositions
JP2613463B2 (ja) 高分子量で界面活性である新規な第四級n‐置換キトサン誘導体及びこの新規なキトサン誘導体に基づく化粧品
KR100778610B1 (ko) 개질 전분 용액 및 개인용 관리 제품에 있어서의 그의 용도
US8138134B2 (en) Quaternized cellulose ethers for personal care products
CZ294076B6 (cs) Kosmetický prostředek a jeho použití k ošetřování keratinových látek
CH651842A5 (fr) Derives de polyethylene glycols, leur utilisation et compositions cosmetiques et pharmaceutiques les contenant.
JP2972039B2 (ja) 化粧料
JPWO2002051939A1 (ja) ゲル状組成物
JP3441338B2 (ja) 皮膚化粧料
JP4382398B2 (ja) 化粧料用樹脂
JP3329668B2 (ja) 新規多糖誘導体、その製造方法及びそれを含有する化粧料
JP3180111B2 (ja) 新規多糖誘導体
JP3913279B2 (ja) カチオン化還元水飴組成物を含有する化粧料組成物
JPH1112303A (ja) 新規多糖誘導体及びこれを含有する化粧料
JPH0995432A (ja) 皮膚外用剤
JPH1112304A (ja) 新規多糖誘導体、その製造方法及びそれを含有する化粧料
JP6472038B2 (ja) 化粧料用油剤及びそれを配合する化粧料
CN116348085A (zh) 用于个人护理和化妆产品的支链氨基酸表面活性剂
JP3165377B2 (ja) 新規多糖誘導体、その製造方法及びそれを含有する化粧料
JPH10130302A (ja) 新規多糖誘導体、その製造方法及びそれを含有する化粧料
US20030124156A1 (en) Cosmetic composition
JPH1171262A (ja) 化粧料
JP2014224183A (ja) アシルカルボキシメチルセルロース、及びアシルカルボキシメチルセルロースを含有する化粧料
JP6026192B2 (ja) カルボキシメチルキトサンアセテート化合物、その製造方法及び化粧料
JPH1036214A (ja) 化粧品用基材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110827

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120827

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees