JP6012016B2 - 単為結果制御遺伝子およびその利用 - Google Patents
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Description
1) 植物において、以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子の発現が抑制されているか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されているかを検査する検査工程を含む、植物の単為結果性の判定方法。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(4)上記(1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
2) 上記1)に記載の判定方法を行い、単為結果性を示す植物を選抜する工程を含む、単為結果性が制御された植物の生産方法。
3) 植物において、以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子の発現を抑制するか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能を阻害する工程を含む、単為結果性が制御された植物の生産方法。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(4)上記(1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
4) 上記2)または3)の何れかに記載の生産方法により生産された、単為結果性が制御された植物。
5) 以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子。(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(4)上記(1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
6) 以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリペプチド。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド、(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個の置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド、(4)上記(1)に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる、単為結果制御活性を有するポリペプチド。
本明細書において、「ポリヌクレオチド」は、「核酸」または「核酸分子」とも換言でき、ヌクレオチドの重合体を意図している。また、「塩基配列」は、「核酸配列」または「ヌクレオチド配列」とも換言でき、特に言及のない限り、デオキシリボヌクレオチドの配列またはリボヌクレオチドの配列を意図している。
本発明にかかる単為結果制御遺伝子は、少なくとも単為結果性を制御する活性(単為結果制御活性)を有するポリペプチドをコードするものである。ポリペプチドが「単為結果性を制御する活性を有する」とは、当該ポリペプチドが存在すれば単為結果性(単為結実性)という形質の出現が抑制されること、すなわち単為結果性を負に制御することを指す。また、本発明にかかる単為結果制御遺伝子の発現が抑制されるか、当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの活性が阻害されると、植物は単為結果性という形質を示すか、単為結果性という形質を示さなくとも当該形質の素因を保有するようになる。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。なお、アミノ酸配列の配列同一性は、75%以上あるいは80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、96%以上、97%以上、98%以上、或いは99%以上であることが特に好ましい。例えば、トマトに由来する変異遺伝子、またはトマト以外の植物に由来する相同遺伝子がこの範疇に含まれる。
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。なお、置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸の個数は、1〜72個あるいは1〜58個であることがより好ましく、1〜43個であることがより好ましく、1〜29個であることがより好ましく、1〜14個あるいは1〜10個であることがさらに好ましく、1〜5または6個であることが特に好ましい。
なお、上記「アミノ酸の欠失、置換、および/または付加」は、例えば、Kunkel法(Kunkel et al.(1985):Proc.Natl.Acad.Sci.USA,vol.82.p488-)等の部位特異的突然変異誘発法を用いて人為的に変異を導入してもよいし、天然に存在する同様の変異ポリペプチドに由来するものであってもよい。
(4)上記(1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。なお、ストリンジェントな条件下とは、例えば、参考文献[Molecular cloning-a Laboratory manual 2nd edition(Sambrookら、1989)]に記載の条件等が挙げられる。ストリンジェントな条件下とは、より具体的には例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハートおよび100mg/mLニシン***DNAを含む溶液にプローブとともに65℃で8〜16時間恒温し、ハイブリダイズさせる条件が挙げられる。なお、このポリヌクレオチドは、上記(1)に記載のポリヌクレオチドの塩基配列に対して70%以上の配列同一性を有することが好ましく、75%以上あるいは80%以上の配列同一性を有することがより好ましく、85%以上の配列同一性を有することがより好ましく、90%以上の配列同一性を有することがさらに好ましく、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、或いは99%以上の配列同一性を有することが特に好ましい。
本発明にかかるポリペプチドは、上記〔1.単為結果制御遺伝子〕欄に記載した単為結果制御遺伝子の翻訳産物であり、少なくとも植物の単為結果性を制御する活性を有する。上述の通り、本発明に係るポリペプチドは、単為結果性という形質の出現を抑制する、すなわち単為結果性を負に制御する。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド。
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド。なお、配列同一性は、75%以上あるいは80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、96%以上、97%以上、98%以上、或いは99%以上であることが特に好ましい。
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド。なお、置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸の個数は、1〜72個あるいは1〜58個であることが好ましく、1〜43個であることがより好ましく、1〜29個であることがより好ましく、1〜14個であることがさらに好ましく、1〜5または6個であることが特に好ましい。(4)上記(1)に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる、単為結果制御活性を有するポリペプチド。
本発明はまた、本発明にかかる単為結果制御遺伝子が発現可能に組み込まれた組換え発現ベクター、並びに、当該組換え発現ベクターまたは単為結果制御遺伝子が発現可能に導入された形質転換体を提供する。
本発明に係る単為結果性の判定方法は、植物において、上記単為結果制御遺伝子の発現が抑制されているか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されているかを検査する検査工程を含んでなる。ここで、「単為結果制御遺伝子」は上記〔1.単為結果制御遺伝子〕欄に記載したものを指し、「単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチド」は上記〔2.単為結果制御タンパク質としてのポリペプチド〕欄に記載したものを指す。なお、「単為結果制御遺伝子の発現を抑制」の範疇には、遺伝子の転写の抑制およびタンパク質への翻訳の抑制が含まれる。
1)対象となる植物における単為結果制御遺伝子の発現量を調べ、必要に応じて基準となる発現量と比較して、当該単為結果制御遺伝子の発現が抑制されているか否かを検査する。遺伝子の発現量は、例えば、定量RT−PCR法、定量リアルタイムPCR法等で転写産物の量を測るか、定量ウエスタンブロット法等で翻訳産物の量を測る方法を採用すればよい。また、基準となる発現量とは、例えば、単為結果性を示さない同種の植物(例えば、単為結果制御遺伝子をホモに持つ個体)における単為結果制御遺伝子の発現量を指す。なお、遺伝子破壊の手法、またはRNAi等の手法を用いて、単為結果制御遺伝子の転写または翻訳をほぼ完全に抑制する場合には、基準となる発現量との比較を要しない場合がある。
2)対象となる植物における単為結果制御遺伝子(ゲノムDNA、mRNA、またはcDNA)の塩基配列を解析する。そして、解析の結果、単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能に影響を与える変異が生じている場合には、当該ポリペプチドの機能が阻害されていると判定する。ポリペプチドの機能に影響を与える変異の一例は、単為結果制御遺伝子のコード領域を含む数十〜数千bpのヌクレオチドの欠損であり、好ましくは少なくとも100bp〜1100bpのヌクレオチドの欠損、あるいは少なくとも約270bp〜1100bpのヌクレオチドの欠損である。なお、このような変異は、相同染色体における一対の単為結果制御遺伝子の少なくとも一方に生じていればよいが、双方に生じている(すなわち劣性ホモである)ことが好ましい。
また、単為結果制御遺伝子上の変異と連鎖するマーカー配列を利用すれば、単為結果制御遺伝子の塩基配列を直接的にか間接的に検査することになって、上記検査工程を行うことが可能である。上記のマーカー配列は、一例において、単為結果制御遺伝子が座乗する位置から約5.5cM以内(すなわち約5.5cM〜0cM)に位置しており、好ましくは約5.3cM以内に位置しており、より好ましくは約1.2cM以内に位置しており、さらに好ましくは約1.1cM以内に位置している。なお、単為結果制御遺伝子上の変異をマーカー配列として利用することももちろん可能である。
3)対象となる植物から、単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドを単離する。そして、ポリペプチドのアミノ酸配列を解析する。そして、解析の結果、このポリペプチドの機能に影響を与える変異(例えば数十以上のアミノ酸の欠失を伴うトランケート体の発生)が生じている場合には、ポリペプチドの機能が阻害されていると判定する。
本発明に係る、単為結果性が制御された植物の生産方法の一形態(形態1とする)は、上記〔4.植物の単為結果性の判定方法〕欄で記載した判定方法を行って、単為結果性が制御された植物を選抜する工程を含む方法である。
すなわち、本発明は、以下の1)〜11)の何れかを包含する。
1) 植物において、以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子の発現が抑制されているか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されているかを検査する検査工程を含む、植物の単為結果性の判定方法。検査工程の一形態では、例えば、少なくとも植物のつぼみにおいて、上記単為結果制御遺伝子の発現が抑制されているか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されているかを検査する。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(4)上記(1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
2) 上記検査工程において、上記単為結果制御遺伝子の塩基配列、または当該単為結果制御遺伝子の発現量を検査する、1)に記載の判定方法。
3) 上記検査工程において、上記単為結果制御遺伝子の発現が抑制されている植物、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されている植物を、単為結果性を示す植物として選抜する、1)または2)に記載の判定方法。
4) 1)〜3)の何れかに記載の判定方法を行い、単為結果性を示す植物を選抜する工程を含む、単為結果性が制御された植物の生産方法。
5) 植物において、以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子の発現を抑制するか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能を阻害する工程を含む、単為結果性が制御された植物の生産方法。当該工程の一形態では、例えば、少なくとも植物のつぼみにおいて、上記単為結果制御遺伝子の発現を抑制するか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能を阻害する。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(4)上記(1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
6) 上記工程において、上記単為結果制御遺伝子の発現を抑制するポリヌクレオチドを植物に導入するか、上記単為結果制御遺伝子を破壊する、5)に記載の生産方法。
7) 上記植物がナス科の植物である1)〜6)の何れかに記載の方法。
8) 上記植物がトマトである7)に記載の方法。
9) 4)〜6)の何れかに記載の生産方法により生産された、単為結果性が制御された植物。
10) 以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子。当該単為結果制御遺伝子の一形態では、例えば、少なくとも植物のつぼみにおいて、単為結果制御遺伝子の発現を抑制することによって、植物が単為結果性を示す。(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(4)上記(1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
11) 以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリペプチド。当該ポリペプチドの一形態では、例えば、少なくとも植物のつぼみにおいて、このポリペプチドの機能を阻害することによって、植物が単為結果性を示す。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド、(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜87個の置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド、(4)上記(1)に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる、単為結果制御活性を有するポリペプチド。
12) 植物において、以下の(S1)〜(S4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子の発現が抑制されているか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されているかを検査する検査工程を含む、植物の単為結果性の判定方法。検査工程の一形態では、例えば、少なくとも植物のつぼみにおいて、上記単為結果制御遺伝子の発現が抑制されているか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されているかを検査する。
(S1)配列番号25に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S2)配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S3)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S4)上記(S1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
13) 上記12)に記載の判定方法を行い、単為結果性を示す植物を選抜する工程を含む、単為結果性が制御された植物の生産方法。
14) 植物において、以下の(S1)〜(S4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子の発現を抑制するか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能を阻害する工程を含む、単為結果性が制御された植物の生産方法。当該工程の一形態では、例えば、少なくとも植物のつぼみにおいて、上記単為結果制御遺伝子の発現を抑制するか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能を阻害する。
(S1)配列番号25に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S2)配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S3)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S4)上記(S1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
15) 上記13)または14)の何れかに記載の生産方法により生産された、単為結果性が制御された植物。
16) 以下の(S1)〜(S4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子。当該単為結果制御遺伝子の一形態では、例えば、少なくとも植物のつぼみにおいて、単為結果制御遺伝子の発現を抑制することによって、植物が単為結果性を示す。(S1)配列番号25に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S2)配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S3)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1〜87個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(S4)上記(S1)に記載のポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
17) 以下の(S1)〜(S4)の何れかに記載のポリペプチド。当該ポリペプチドの一形態では、例えば、少なくとも植物のつぼみにおいて、このポリペプチドの機能を阻害することによって、植物が単為結果性を示す。
(S1)配列番号25に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(S2)配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド、(S3)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1〜87個の置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド、(S4)上記(S1)に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる、単為結果制御活性を有するポリペプチド。
なお、上記の12)〜17)において、アミノ酸配列の配列同一性は、75%以上あるいは80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、96%以上、97%以上、98%以上、或いは99%以上であることが特に好ましい。
更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔遺伝解析集団の育成〕
単為結果性のトマト系統LS935(野菜茶業研究所より入手)と、非単為結果性のトマト系統Saladette(LA2662)(Tomato Genetics Resource Center、米国より入手)とを交配することによってF2個体の集団を得た。このF2集団を用いて、以下に記載する、トマト由来の単為結果原因遺伝子Aを含む連鎖地図の作成および単為結果性の遺伝解析を行った。さらに、F2集団から選抜した系統の自殖後代F3集団を、後述する単為結果性の詳細な遺伝解析に用いた。
開花前に柱頭を除去し、柱頭除去果の完熟果重量と種子の有無を調査した。植物体あたり3花房以上の柱頭除去果と1花房以上の放任受粉果の完熟果の重量を調査した。柱頭除去果と放任受粉果との重量を比較し、同等の果実重の完熟果が着果した系統を単為結果性と判断した。なお、RNAi組換えトマト以外に関して、放任受粉果が小さく柱頭除去果との差が小さいために単為結果性の判断の難しい系統は、挿し芽による増殖を行い、再度検定をした。
既報のSSR(simple sequence repeat)マーカー(参考文献:Ohyama A. et al. (2009) Mol. Breed. 23: 685-691, Shirasawa L. et al. (2010) Theor. Appl. Genet. 121:731-739.)および既報のSNPマーカー近傍にあるSSRをマーカー化したもの(出願人が開発中の独自マーカー)を用いて、F2集団100個体の単為結果性/非単為結果性に関する形質分離を調査して、図1に示す連鎖地図を作成した。連鎖地図の作成にはMapmaker exp 3.0を用いた。なお、図1中の左側はトマト第4染色体の連鎖地図であり、TESで始まる名称は既報のSSRマーカー、tbmで始まる名称は出願人が開発した独自マーカーを示す。
F2集団を用いた遺伝解析により単為結果原因遺伝子Aはトマト第4染色体に座乗し、2つのSSRマーカー間約5cMの領域に位置することが明らかとなった(図1参照)。SSRマーカーの配列情報とトマト全ゲノム配列情報(sol genomics network http://solgenomics.net/)との比較解析を行ったところ、この2つのSSRマーカー間の物理距離は約1100kbに相当した。
非単為結果性のトマト品種「秋玉」の葉、茎および花を含む地上部組織から全RNAをTrizol法で抽出し、SMARTer RACE cDNA amplification Kit(タカラバイオ株式会社)を用いてcDNAを合成した。このcDNAを鋳型として、配列番号7で示すポリヌクレオチドを遺伝子特異的プライマーとして用いた5’−RACE法によって、mRNAの転写開始点および翻訳開始点を含むcDNAの増幅を試みた。増幅産物は大腸菌ベクターにクローニングし、その配列をSanger法によって決定した。PCR法による増幅の際には低頻度ながら塩基配列の変異が生じることが知られているため、独立に複数のクローンの塩基配列を決定した。その結果、第一エクソン(5’−UTR(非翻訳領域)298bpおよびORFの5’−側541bp)および第2エクソン3bpを含む完全長cDNAの5’側末端842bpの配列が得られた。
単為結果原因遺伝子Aは、ブラスト検索(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/)の結果、コードするアミノ酸配列における56番目のバリンから112番目のアスパラギンまでがZnフィンガードメインとして予測され、さらに219番目のリジンから276番目のアスパラギンまでがホメオドメインとして予測される、Znフィンガー・ホメオドメイン型のホメオボックス遺伝子に属することが示された。Znフィンガー・ホメオドメイン型のホメオボックス遺伝子は、転写因子として形態形成を制御することが予想される。また、トマト近縁野生種S.pimpinellifolium由来、トマト近縁野生種S.peruvianum由来、ジャガイモS.tuberosum phureja由来、ナスS.melongena由来の単為結果性遺伝子Aのホモログをデータベース上で見出した。単為結果性遺伝子Aがコードするアミノ酸配列に対するこれらのホモログのアミノ酸配列の相同性は、トマト近縁野生種S.pimpinellifolium由来のもの(配列番号19)は95%、トマト近縁野生種S.peruvianum由来のもの(配列番号21)は94%、ジャガイモS.tuberosum phureja由来のもの(配列番号23)は84%、ナスS.melongena由来のもの(配列番号25)は75%であった。なお、ナスのホモログ遺伝子の探索に用いたデータベースは、発明者らが独自に構築した未公開のものである。
配列番号11に示す単為結果原因遺伝子Aの完全長cDNA配列は配列番号3に示すゲノム配列の塩基番号9421から11603までに対応する。したがって、その上流のゲノム配列は単為結果原因遺伝子Aの発現制御に関わるプロモーター領域であると推定される。そこで、その領域を増幅するPCRプライマーを合成し、これを用いてトマト品種「桃太郎8」のゲノムDNAを鋳型とするPCRを行った。得られたPCR産物を制限酵素HindIIIおよびSmaIで消化し、クローニングベクターpHSG398のHindIII−SmaI部位に挿入してクローニングした。
配列番号13および配列番号14に示すプライマーを用い、トマト品種「秋玉」のcDNAを鋳型としたPCRを行い、配列番号15に示す500bpのDNA断片を得た。この断片は5’末端にSmaI認識部位およびHindIII認識部位、3’末端にEcoRI認識部位およびXhoI認識部位をもつ。この断片をクローニングベクターpTY262(AB736152(DDBJ))に挿入し、単為結果原因遺伝子Aに対するRNAi誘導キメラ遺伝子を構築した。このpTY262ベクターはCaMV35SプロモーターとNosターミネータからなる発現カセットを有し、トマトチューブリン遺伝子の第1イントロンを挟むように外来配列のクローニングサイトを配置したベクターである(図2(a))。
トマトを図2(c)に示すRNAi誘導キメラ遺伝子(ベクター)で形質転換した。具体的には、アグロバクテリウム法(Sun et al. 2006 Plant Cell Physiol 47: 426-431)を用いて、トマト品種「秋玉」の子葉にバイナリベクターを有するアグロバクテリウムを感染させ、カナマイシン含有培地上で培養および選抜し、再分化植物を得た。再分化植物の遺伝子導入をPCRにより確認し、RNAi組換えトマトを得た。なお、RNAi組換えトマトでは、単為結果原因遺伝子Aの発現が大きく抑制されていることを確認した。
RNAi組換えトマトを栽培し、開花前に柱頭を除去した柱頭除去果と開花当日に受粉を行った受粉果の完熟果重量を調査した。また、非形質転換体も同時に栽培し、同様の処理を行い、完熟果重量を調査し、コントロールとした。結果を図3および図4に示す。
単為結果原因遺伝子Aの時期・組織特異的発現を、蛍光リアルタイムPCR装置(LC480型、ロシュ社)およびロシュ社のライトサイクラー480 SYBR Greenマスターキットを用いて、リアルタイム定量PCR法により詳細に調査した。調査に用いたトマト品種はマネーメーカーであり、調査した組織は図5に示す通りである。なお、図5において「開花」とは花における遺伝子の発現量を、「緑熟期」および「完熟期」とは果実における遺伝子の発現量を表す。単為結果原因遺伝子Aの増幅には配列番号26および配列番号27に塩基配列を示すプライマーを用いた。リアルタイム定量PCRの内在標準遺伝子として、発明者らが独自に開発した、トマト組織で構成的に発現するハウスキーピング遺伝子Solyc04g049180.2.1 (ITAG2.30、配列番号28)を用い、ハウスキーピング遺伝子のPCR増幅には配列番号29および配列番号30に塩基配列を示すプライマーを用いた。
1.調査した全ての組織および発育ステージのうち、全長2mmの未熟な蕾で最も発現量が高い。
2.蕾の生長に伴って発現量は低下し、開花時には1/20以下に低下する。
3.開花後2日目から6日目にかけて若干の発現上昇が認められるが全長2mmの未熟な蕾の1/5程度もしくはそれ以下である。
4.緑熟期および完熟期には発現はほぼ0となる。
5.葉や茎においても一定の発現が認められるが未熟蕾の1/2程度もしくはそれ以下である。
6.根では発現がほとんど認められない。
配列番号31および配列番号32に塩基配列を示すプライマーを用い、トマト品種「秋玉」のゲノムDNAを鋳型としたPCR増幅を行い、配列番号33に塩基配列を示す遺伝子断片を得た。得られた遺伝子断片は、配列番号3に塩基配列を示すゲノム配列における塩基番号7150から12098までに対応する。この遺伝子断片は、5’末端および3’末端にプライマー由来のAscI認識部位を有し、単為結果原因遺伝子Aの転写開始点の上流2271bp、転写開始点から5’−UTRおよび翻訳開始点を経てイントロン部位に至る第一エクソン780bp、イントロン778bp、当該イントロンの直後から翻訳終止コドンを経てpolyA付加位置に至る第二エクソン566bp、並びに、当該第二エクソンの下流のゲノム配列495bpからなる。
〔RNAi組換えトマトの作出〕の場合と同様にして、アグロバクテリウム法を用いて、単為結果性トマト系統LS935の子葉にバイナリベクターpZK3BGFP_whole_gene_Aを有するアグロバクテリウムを感染させ、カナマイシン含有培地上で培養および選抜し、再分化植物を得た。再分化植物に目的の遺伝子が導入されていることをPCR法により確認し、単為結果原因遺伝子A発現組換えトマトを得た。
単為結果原因遺伝子A発現組換えトマトを栽培し、開花前に柱頭を除去した柱頭除去果と開花当日に受粉を行った受粉果との完熟果実重を調査した。また、非形質転換体(LS935)も同時に栽培し、単為結果原因遺伝子A発現組換えトマトと同様の処理を行い、完熟果実重を調査しコントロールとした。結果を図8および図9に示す。なお、図8および図9において、E16およびE18は単為結果原因遺伝子A発現組換えトマトである。
単為結果性のトマト系統LS935(野菜茶業研究所より入手)と、非単為結果性のトマト系統Saladette(LA2662)(Tomato Genetics Resource Center、米国より入手)とを交配することによってF2個体の集団を得た。このF2集団から選抜した系統の自殖後代F3集団と、このF3集団から選抜した系統の自殖後代F4集団とを、マーカー配列を用いたトマトのジェノタイプおよび表現形質の分離の解析に用いた。結果を図14に示す。
・tbm2167:単為結果原因遺伝子Aからの距離約1.1cM。配列番号47上に位置する配列番号48および配列番号49のプライマーセットを用いてゲノムDNAを鋳型とするPCR反応により増幅される断片のSSR多型。断片長が241塩基であれば単為結果性系統LS935型、断片長が243塩基であれば非単為結果性系統Saladette型である。
・RHF2As:単為結果原因遺伝子Aからの距離約135.1kb。配列番号50に示す塩基配列における123番目の塩基がAであるか、TであるかというSNP。当該塩基がAであればジェノタイプが単為結果性系統LS935型であり、当該塩基がTであればジェノタイプが非単為結果性系統Saladette型である。
・athb31:単為結果原因遺伝子A内の挿入欠失変異。配列番号3に示す塩基配列における9977番目〜11011番目の塩基が欠失している変異。この欠失があればジェノタイプが単為結果性系統LS935型であり、この欠失がなければジェノタイプが非単為結果性系統Saladette型である。
・PHDs:単為結果原因遺伝子Aからの距離約161.6kb。配列番号51に示す塩基配列における119番目の塩基がAであるか、GであるかというSNP。当該塩基がAであればジェノタイプが単為結果性系統LS935型であり、当該塩基がGであればジェノタイプが非単為結果性系統Saladette型である。
・tsm041208:単為結果原因遺伝子Aからの距離約247.7kb。配列番号52に位置する配列番号53および配列番号54のプライマーセットを用いてゲノムDNAを鋳型とするPCR反応により増幅される断片の多型。断片長が393塩基であれば単為結果性系統LS935型、断片長が359塩基であれば非単為結果性系統Saladette型である。
・tbm2177:単為結果原因遺伝子Aからの距離約5.3cM。配列番号55に位置する配列番号56および配列番号57のプライマーセットを用いてゲノムDNAを鋳型とするPCR反応により増幅される断片のSSR多型。断片長が243塩基であれば単為結果性系統LS935型、断片長が241塩基であれば非単為結果性系統Saladette型である。
ナス「中生真黒」のゲノムDNAからシーケンシングライブラリを作成し、イルミナ社HiSeq2000型シーケンサを用いて、インサートサイズ200−300pbの断片のペアエンドおよび2kbのメイトペアシーケンスを行った。得られた合計14.4億リード、ナスゲノム(約1.1Gb)の約140xに相当する配列データを、アセンブラプログラムSOAPdenovoによりアセンブルし、1,321,157配列、全長1,145Mbの断片ゲノム配列を得た。その配列に対してBLASTN解析を行い、トマト単為結果原因遺伝子Aと部分的に高い相同性を示すゲノム配列(67,902塩基対)を得た。得られたゲノム配列を用いて、遺伝子予測プログラムAugustusを用いて遺伝子予測を行い、ナスのホモログ遺伝子(以下、単為結果原因遺伝子SmA)候補を含むゲノムDNA配列(配列番号34)およびそのタンパクコード配列(配列番号35)を得た。配列番号34および配列番号35に示す塩基配列から、単為結果原因遺伝子SmAは2つのエクソンと1つのイントロンとからなる遺伝子であることが明らかである。この予測遺伝子配列に基づいて設計したPCRプライマーを用い、ナスの蕾由来のcDNAを鋳型としてPCRを行い、単為結果原因遺伝子SmAのORF全体を含むcDNAクローンを得た。得られたcDNAクローンの塩基配列をサンガー法によって決定し、プログラムより予測された配列番号35に示す塩基配列と同一であること、ナスの蕾において発現している遺伝子であることを確認した。単為結果原因遺伝子SmAがコードするタンパク質は、配列番号25にアミノ酸配列を示したものである。
内部標準遺伝子の増幅用プライマー配列は以下の通り。
<ナスSmFL20F10用(配列番号41)>
フォワードプライマー: 配列番号43
リバースプライマー: 配列番号44
<トマトSolyc04g049180.2.1用(配列番号42)>
フォワードプライマー: 配列番号45
リバースプライマー: 配列番号46
Claims (9)
- ナス科の植物において、以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子の発現が抑制されているか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されているかを検査する検査工程を含む、植物の単為結果性の判定方法。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して75%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜72個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(4)配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して95%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。 - 上記検査工程において、上記単為結果制御遺伝子の塩基配列、または当該単為結果制御遺伝子の発現量を検査する、請求項1に記載の判定方法。
- 上記検査工程において、上記単為結果制御遺伝子の発現が抑制されている植物、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能が阻害されている植物を、単為結果性を示す植物として選抜する、請求項1または2に記載の判定方法。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の判定方法を行い、単為結果性を示す植物を選抜する工程を含む、単為結果性が制御された植物の生産方法。
- ナス科の植物において、以下の(1)〜(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子の発現を抑制するか、または当該単為結果制御遺伝子がコードするポリペプチドの機能を阻害する工程を含む、単為結果性が制御された植物の生産方法。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列に対して75%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1〜72個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(4)配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して95%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。 - 上記工程において、上記単為結果制御遺伝子の発現を抑制するポリヌクレオチドを植物に導入するか、上記単為結果制御遺伝子を破壊する、請求項5に記載の生産方法。
- 上記植物がトマトである請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
- 以下の(1)または(2)に記載のポリヌクレオチドを含む単為結果制御遺伝子。
(1)配列番号25に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(2)配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して95%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。 - 以下の(1)または(2)に記載のポリペプチド。
(1)配列番号25に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(2)配列番号25に記載のアミノ酸配列に対して95%以上の配列同一性を有し、単為結果制御活性を有するポリペプチド。
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