JP6009397B2 - 位置制御装置のイナーシャ推定方法およびイナーシャ推定装置 - Google Patents

位置制御装置のイナーシャ推定方法およびイナーシャ推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、工作機械等の位置制御装置、特に重力作用軸におけるイナーシャ推定方法、および、イナーシャ推定装置の改良に関する。
工作機械などの送り軸をサーボモータで駆動する場合、位置・速度制御系を構成し、数値制御装置からの指令に従い、モータやモータに取り付けられた負荷の位置・速度を制御する。モータや負荷の位置・速度を正確に制御するためには、モータや負荷のイナーシャに基づいて制御パラメータを決定する必要があり、負荷のイナーシャは工作物によって変動することから、種々のイナーシャ推定方法が提案されている。
図13は、特許文献1に開示の技術を示している。この技術では、モータを複数の異なる速度毎に、一定速駆動し(Step1)、速度毎に摩擦分をキャンセルするために要するトルク、重力分をキャンセルするために要するトルクを測定する(Step2,3)。次に、サーボモータを加減速駆動し(Step4)、速度−トルク、速度−加速度の関係を求める(Step5〜Step7)。そして、速度−トルクの関係から、予め測定した摩擦分をキャンセルするために要するトルク、重力分をキャンセルするために要するトルクを減算し、イナーシャを加速するのに要するトルクを算出後(Step8)、加減速駆動で求めた加速度で除することによってイナーシャを算出する(Step9)。
図14は、特許文献2に開示の技術を示している。この技術では、イナーシャの推定に必要な情報を取得する際のモータ位置を、複数回の測定の間で常に同一とすることで、モータ位置によって重力の影響が変動するような機械構成であっても、同じ条件下でイナーシャを算出できるようにしている。
図15は、特許文献2においてイナーシャを推定するための制御構成を示した図である。速度指令値Vcと速度検出値Vdとの誤差に従い、速度制御器11にてモータ12へのトルク指令値Tcを生成する。一方、モータモデル15は、モータ12のトルク指令と回転速度の関係を数式で表したものであり、剛体モデルや2慣性モデルにより表現される。速度制御器14は、速度制御器11と等価な内部構成とし、出力されたトルク指令T’cをモータモデル15に与え、速度検出値V’dを得て、速度指令値Vcと速度検出値V’dとの誤差を速度制御器14の入力とする。
速度指令値Vcは、図14のStep12の速度波形とし、1回目の動作では往復動作を行い、2回目の動作では1回目の動作速度の正負を反転させた逆順往復動作を行う。また、1回目の動作と2回目の動作の間にθIだけ移動する過程を設けることで1回目と2回目の動作位置を同一とする。速度指令値Vcが与えられると速度制御器11,14からトルク指令値Tc,T’cが出力され、積分器13,16により、図14のStep12の積分区間において、それぞれの値が積算される。積分区間が終了した時点で、下記式1の演算を行うことによりイナーシャを算出する。なお、式1でJはイナーシャ推定値、J’はモータモデル15に用いた仮イナーシャ値である。
J={∫(Tc)dt/∫(T’c)dt}×J’ ・・・式1
特開平8−140386号公報 特開2005−172788号公報
特許文献1の技術では、加減速駆動に必要なトルクから摩擦分をキャンセルするために要するトルク、及び、重力分をキャンセルするために要するトルクを減算するため、速度に対し、これらのトルクが一定となる状況下では、正確にイナーシャを算出することができる。しかし、摩擦分をキャンセルするために要するトルク、重力分をキャンセルするために要するトルク、それぞれを測定する上で、モータを複数の異なる一定速度で移動方向別に駆動する必要があるため、推定に時間がかかる。また、重力分をキャンセルするために要するトルクはモータ位置に関わらず一定と見なしているため、図16のように、モータ位置によって重力の影響が異なる機械構成に対してはイナーシャを正確に推定することができないという課題がある。
図16において、モータ21は、アーム22によって強固に結合されたテーブル23をモータ軸中心で回転させる。モータ軸中心とテーブル23の重心位置間の距離をL0、重心位置にかかる重力をFg、Fgのうちモータ軸中心方向と直行する方向の成分をFr、重力分をキャンセルするために要するトルクをTgとすると、Fr,Tgはモータ21の回転角θを用いて下記式2、式3のように表現できる。
Fr=Fg×sinθ ・・・式2
Tg=Fr×L0=Fg×L0×sinθ ・・・式3
即ち、重力分をキャンセルするために要するトルクTgはモータ21の回転角θに基づき正弦波状に変動するため、一定速度でモータを駆動していても、変動するトルクの影響で正確にイナーシャを算出することができない。
一方、特許文献2の技術では、トルク指令値Tc、T’cの積算を常に同一区間で行うため、重力分をキャンセルするために要するトルクTgを複数回の測定の間で同一とすることができる。しかし、積算するトルク指令値Tcには、摩擦分をキャンセルするために要するトルク、重力分をキャンセルするために要するトルク、それぞれが含まれる。このため、算出されるイナーシャ推定値には、これらのトルク分だけ誤差が生じるという課題がある。
本発明が解決しようとする課題は、モータ位置によって重力の影響が異なる機械構成では、イナーシャを正確に推定することができないことである。そして、本発明の目的は、このようなモータ位置によって重力の影響が異なる機械構成であっても、正確にイナーシャを推定することができるイナーシャ推定方法およびイナーシャ推定装置を提供することである。
本発明のイナーシャ推定方法は、位置指令値とモータまたは当該モータに結合された被駆動部の位置検出値とに基づいてトルク指令値を算出し、当該トルク指令値に従ってモータを駆動する装置に搭載された前記モータおよび前記被駆動部を含む可動部のイナーシャを推定するイナーシャ推定方法であって、前記可動部を駆動させた際に、重力の影響をキャンセルするためのトルクである重力トルクがゼロになる位置を中心として、前記重力トルクの積算値または前記可動部の加速度が対称性を持つような加速駆動条件または減速駆動条件の少なくとも一方を決定する加減速条件決定工程と、決定された加速または減速駆動条件に従ってモータを駆動した際に得られるトルク指令値の積算値と、前記モータまたは被駆動部の加速度検出値の積算値と、の比から前記可動部のイナーシャを算出するイナーシャ演算工程と、を備えることを特徴とする。
好適な態様では、前記重力トルクがゼロとなる位置は、前記被駆動体を一定速駆動したときに得られる前記トルク指令値の極性が反転するタイミングにおける前記位置検出値から特定される。他の好適な態様では、加速駆動条件または減速駆動条件は、前記被駆動体を加速駆動または減速駆動したときに、前記重力トルクがゼロになる位置を通過する前後で、前記重力トルクの積算値の大きさが等しくなるように、加速または減速の時間が調整されている。
他の好適な態様では、加減速条件決定工程は、前記被駆動体を一定速で往復駆動したときのトルク指令値を監視する工程を含み、前記重力トルクがゼロとなる位置は、往路において前記トルク指令値の極性が反転するタイミングにおける前記位置検出値と、復路において前記トルク指令値の極性が反転するタイミングにおける前記位置検出値と、の中間点から特定される。
他の好適な態様では、前記加減速条件決定工程において、前記重力トルクがゼロになる位置を中心として、前記重力トルクの積算値の大きさまたは加速度が線対称に変化するような加速駆動条件および減速駆動条件の両方を決定し、前記イナーシャ演算工程は、決定された加速駆動条件および減速駆動条件に従ってモータを駆動した際のトルク指令値および加速度検出値を監視する工程を含み、前記可動部のイナーシャは、加速駆動時のトルク指令値の積算値と加速駆動時の加速度検出値の積算値との比、および、減速駆動時のトルク指令値の積算値と減速駆動時の前記加速度検出値の積算値との比、の平均値から算出される。
他の好適な態様では、前記加減速条件決定工程において、前記重力トルクがゼロになる位置を中心として、加速度または前記重力トルクの積算値の大きさが線対称に変化するような加速駆動条件および減速駆動条件の両方を決定し、前記イナーシャ演算工程は、加速駆動条件および減速駆動条件に従ってモータを駆動した際のトルク指令値および加速度検出値を監視する工程を含み、前記可動部のイナーシャは、加速駆動時のトルク指令値の積算値と減速駆動時のトルク指令値の積算値との合算値、および、加速駆動時の加速度検出値の積算値と減速駆動時の加速度検出値の積算値との合算値、の比から算出される。
他の本発明であるイナーシャ推定装置は、位置指令値とモータまたは当該モータに結合された被駆動部の位置検出値とに基づいてトルク指令値を算出し、当該トルク指令値に従ってモータを駆動する装置に搭載され、前記モータおよび前記被駆動部を含む可動部のイナーシャを推定するイナーシャ推定装置であって、前記可動部を駆動させた際に、重力の影響をキャンセルするためのトルクである重力トルクがゼロになる位置を中心として、前記重力トルクの積算値または加速度が対称性を持つような加速駆動条件または減速駆動条件の少なくとも一方を決定する加減速条件決定部と、決定された加速または減速駆動条件に従ってモータを駆動した際に得られるトルク指令値の積算値と、前記モータまたは被駆動部の加速度検出値の積算値と、の比から前記可動部のイナーシャを算出するイナーシャ演算部と、を備え、前記重力トルクがゼロとなる位置の前後で前記トルク指令値に含まれる重力トルクを相殺した上でイナーシャを算出することを特徴とする。
本発明によれば、イナーシャ推定用にトルク指令値を積算する過程で、重力トルクの影響を相殺するよう、被駆動体を加減速駆動するため、モータ位置によって重力の影響が異なる機械構成であっても、正確にイナーシャを推定することができる。
本発明の実施例を示すブロック図である。 本発明を使用した時の位置指令、トルク指令特性図である。 被駆動体の重心位置がずれた場合の重力トルク特性図である。 本発明における加減速時間の調整方法を示す図である。 本発明を使用した時の位置指令、トルク指令特性図である。 本発明の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施例における処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施例における処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施例における処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施例における処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施例における処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施例における処理手順を示すフローチャートである。 従来技術の処理手順を示すフローチャートである。 従来技術の処理手順を示すフローチャートである。 従来技術を示すブロック図である。 モータ位置による重力トルクの変化を示す図である。
本発明の実施例について説明する。従来例と同一要素には同一符号を付しており、説明を省略する。
図1は本発明の実施例を示すブロック図である。位置指令演算器31で生成した位置指令値Pcと、位置検出器37で検出したモータ35または負荷36の位置検出値Pdの偏差を位置制御器32に入力すると、位置制御器32は、速度指令値Vcを出力する。一方、微分器38は位置検出値Pdを微分して速度検出値Vdを出力する。速度指令値Vcと速度検出値Vdとの偏差を速度制御器33に入力すると、速度制御器33は、トルク指令値Tcを出力する。電流制御器34は、トルク指令値Tcに従い、負荷36が取り付けられたモータ35を駆動する。
図1では、上記位置制御装置に、可動部のイナーシャを算出する際の加減速条件を決定する加減速条件決定部39と、可動部のイナーシャを算出するイナーシャ演算部40とから構成されるイナーシャ推定器41が付加され、可動部のイナーシャを推定できるようになっている。
図6は、本発明の処理手順を示すフローチャートである。加減速条件決定部39で可動部のイナーシャを算出する際の加減速条件を決定後、イナーシャ演算部40で可動部のイナーシャを算出する。なお、加減速条件決定部39、及び、イナーシャ演算部40、それぞれの処理手順については、図7〜図12のフローチャートを用いて各実施例の項目で説明する。
[実施例1]
まず、図2を用いて加減速条件決定部39の動作を説明する。図16のように、モータ位置によって重力の影響が異なる機械構成の場合、重力分をキャンセルするために要するトルク(重力トルク)Tgは回転角θに応じて図2の最上段のように変化する。
この時、加減速条件決定部39は、図2の2段目のような加速度指令値Acを定める。即ち、Tgがゼロとなる位置を中心にモータ35や負荷36などの被駆動体の加速度が線対称に変化するような加速指令を構成する。例えば図2のようにt2の間、加速度をゼロから上昇させ、t1の間一定加速度で被駆動体を駆動し、Tgがゼロとなる位置に到達する。その後も、t1の間一定加速度で駆動を続け、t2の間、加速度をゼロまで減少させて加速を終了する。このとき、Tgがゼロとなる位置は機械構成等に基づき、予め定めることができるものとする。
上記のようにして定めた加速度指令値Acを積分することにより、図2の3段目に示したような速度指令値Vcを得ることができる。更に、速度指令値Vcを積分することにより、図2の4段目に示したような位置指令値Pcを得ることができる。
ここで、位置指令値Pcは、Tgがゼロとなる位置を原点0とすると、原点0からθsだけ前進した位置が加速開始点となるように構成される。ここで、θsの大きさは、加速開始時点からTgがゼロとなる位置を通過するまでの間の速度指令値Vcを積分することによって求めることができる。
加減速条件決定部39は上記のような位置指令値Pcが位置指令演算器31から出力されるよう、加速開始点−θsや加減速時間t1,t2などの加減速条件を位置指令演算器31に通知する。
位置指令演算器31から図2の4段目に示したような位置指令値Pcが出力されると、位置制御器32、速度制御器33、電流制御器34を経てモータ35が駆動される。
このとき、速度制御器33から出力されるトルク指令値Tcは図2の最下段のように変化する。重力の影響を受けない状況下では、図2の最下段の一点鎖線で示したように、加速度指令値Acに比例したトルク指令値Tcとなるが、重力の影響を受けた状況下では、トルク指令値に、被駆動体を加速するために必要な加速トルクのほか、重力分をキャンセルするために要するトルクが含まれるため、図2の最下段の実線で示したような特性となる。
この時、図2の最下段の斜線で示したトルクが重力分をキャンセルするために要するトルクTgに相当し、原点0を通過するタイミングでTgに相当するトルクがゼロとなる。
次に、イナーシャ演算部40の動作を説明する。イナーシャ演算部40は、位置指令値Pcから加減速状態を判別し、加減速状態にあるときのトルク指令値Tc、及び位置検出値Pdを二階微分して得られる加速度検出値Adを積算する。なお、加速度検出値Adは、モータや被駆動部に加速度センサを設けて取得するようにしてもよい。加減速終了後、トルク指令値Tcの積算値を加速度検出値Adの積算値で除することによって、可動部のイナーシャを算出することができる。
このとき積算されるトルク指令値Tcには重力分をキャンセルするために要するトルクTgが含まれるが、図2の最下段の斜線で示したように、原点0を通過する前後でTgの符号は反転する。そのため、加速時のトルク指令値Tcを積算すると、原点0を通過する前後で重力分をキャンセルするために要するトルクTgが相殺され、トルク指令値Tcの積算値は被駆動体を加速するために必要な加速トルクの積算値とほぼ等しくなる。結果、加速するために必要な加速トルクの積算値が加速度検出値Adの積算値で除され、重力の影響を排除した状態での可動部のイナーシャの算出が可能となる。
なお、上記実施例では、図2を例に加速動作にて説明を行ったが、イナーシャの算出は上記動作に限定されるものではない。図2では位置−θsからθeまで加速する動作を示しているが、例えば、位置θsから−θeまで加速するなど動作方向を逆にすることも可能であるほか、位置θeから−θsまで減速する、あるいは、位置−θeからθsまで減速するなど加速動作を減速動作に変更してイナーシャを算出することも可能である。
ここで、図6の加減速条件決定部39、イナーシャ演算部40の処理手順を纏めると図7のフローチャートとなる。
まず、加減速条件決定部39は[Step A1]で、Tgがゼロとなる位置を中心に加減速する加速度指令値Acを定める。次に、[Step A2]で、加速度指令値Acを積分して速度指令値Vcを定める。更に、[Step A3]で、速度指令値Vcを積分して位置指令値Pcを定め、位置指令演算器31で使用する加減速条件を決定する。すると、[Step A3]で決定した加減速条件に従い、モータ35が駆動される。
一方、イナーシャ演算部40は[Step B1]で、位置指令値Pcから加減速状態を検出し、[Step B2]で、加減速時のトルク指令値Tc、及び加速度検出値Adを積算する。加減速終了後、[Step B3]で、トルク指令値Tcの積算値を加速度検出値Adの積算値で除することによって、可動部のイナーシャJを算出する。
以上のように、本発明によるイナーシャ推定方法によれば、イナーシャ推定用にトルク指令値を積算する過程で、重力トルクの影響を相殺するよう、被駆動体を加減速駆動するため、モータ位置によって重力の影響が異なる機械構成であっても、正確にイナーシャを推定することができる。
[実施例2]
次に、上記実施例1を改良した実施形態について説明する。ここで説明する実施形態は、上記実施例1に対し、加減速条件決定部39の機能を拡張するものである。
実施例1において、重力分をキャンセルするために要するトルクTgがゼロとなる位置は機械構成等に基づき、予め定めることができるものとした。しかし、図3のようにテーブル23上にワーク24をアンバランスに設置した場合など、重心位置がずれた状態では、重力分をキャンセルするために要するトルクTgがゼロとなる位置もずれた状態となってしまう。
例えば、ワーク24が設置されていない時の重力分をキャンセルするために要するトルクTgの特性が、図3の下段の点線で示した特性であったとする。一方、ワーク24を設置した場合にバランスが保たれる機械姿勢がモータ21の回転角でθrだけずれた位置であったとする。この場合、Tgの特性は図3の下段の実線で示した特性となり、ワーク24を設置していない状態に対し、θrだけずれた位置で、Tgの大きさはゼロとなる。
上記ずれを含んだ状態では、実施例1のように、イナーシャ推定用にトルク指令値を積算する過程で、重力トルクの影響を相殺することができない。即ち、正確にイナーシャを推定するためには、上記ずれを補正する必要がある。そこで、本実施形態では、上記実施例1の加減速条件決定部39に対し、以下の機能を付加する。
モータ21の回転角θに対する重力分をキャンセルするために要するトルクTgの大きさは、モータを一定速駆動したときのトルク指令値Tcとほぼ等しく、回転角θに対するTcを測定することによって定めることが可能である。そこで、加減速条件決定部39において、モータを一定速駆動したときのTcを監視し、Tcがゼロとなるときの位置検出値PdからTgがゼロとなる位置を特定する。
その上で、実施例1と同様に、位置指令値Pcを構成し、イナーシャ演算部40でイナーシャを算出する。これにより、重力の影響を排除した状態での可動部のイナーシャの算出が可能となる。
ここで、図6の加減速条件決定部39の処理手順を纏めると図8のフローチャートとなる。
まず、[Step C1]で、モータが一定速駆動されていることを検出し、[Step C2]で、一定速時のトルク指令値Tcを測定・監視する。更に、[Step C3]で、トルク指令値Tcの極性が反転する(Tcがゼロとなる)ときの位置検出値PdからTgがゼロとなる位置を特定する。その後、[Step A1]から[Step A3]を行うことにより、位置指令演算器31で使用する加減速条件を決定する。
以上のように、本発明によるイナーシャ推定方法によれば、被駆動体の重心位置がずれた状態でも、重力トルクの影響がゼロとなる位置を測定により特定し、トルク指令値を積算する過程で、重力トルクの影響を相殺するよう、被駆動体を加減速駆動するため、モータ位置によって重力の影響が異なる機械構成であっても、正確にイナーシャを推定することができる。
[実施例3]
次に、上記実施例1を改良した実施形態について説明する。ここで説明する実施形態は、上記実施例1に対し、加減速条件決定部39の機能を拡張するものである。
実施例1では、図2において、重力分をキャンセルするために要するトルクTgがゼロとなる位置を中心にモータ35や負荷36などの被駆動体を加速する指令を構成し、位置−θsからθeまでの間、加速させることを示した。しかし、加速中の速度は徐々に高くなるため、同一時間あたりの移動量は、時間経過とともに大きくなる。
即ち、図4に示すように、加速開始位置−θsと加速終了位置θeの大小関係はθs<θeとなり、重力分をキャンセルするために要するトルクTgの大きさも|Tg(−θs)|<|Tg(θe)|となる。結果、重力の影響はTgがゼロとなる前後で完全に相殺することはできず、推定されたイナーシャには僅かながら重力トルクの影響が残ることとなる。そこで、本実施形態では、上記実施例1の加減速条件決定部39に対し、以下の機能を付加する。
実施例1と同様に、位置指令値Pcを構成後、モータ21の回転角θに対する重力分をキャンセルするために要するトルクTgの特性をベースにして、図4の4段目のように、経過時間tに対するTgの特性を計算する。
次に、重力分をキャンセルするために要するトルクTgがゼロとなる位置(原点0)を通過する前後で、Tgの積算値の大きさが等しくなる時刻(加速開始時点からTgの積算を開始し、積算値が再びゼロとなる時刻)を求める。
そして、図4の最下段のように、上記時刻にて加速が終了するよう、加速時間を短縮した加速度指令値Acを定める。なお、図4ではt0分の加速時間の短縮が必要と判断し、一定加速度で加速している時間t1をt0分短縮して、t1’と改めている。この加速度指令Acは、Tgがゼロとなる位置を中心として、重力トルクTgの積算値が対称性を持つような指令と言える。
このように、加減速時間を調整した加速度指令値Acを二階積分して、位置指令値Pcを再構成する。この再構成した位置指令値Pcに従い、加減速駆動し、実施例1と同様に、イナーシャ演算部40でイナーシャを算出する。
以上の操作により、原点0を通過する前後で重力分をキャンセルするために要するトルクTgがより正確に相殺されるため、重力の影響を排除した状態での可動部のイナーシャの算出が可能となる。
ここで、図6の加減速条件決定部39の処理手順を纏めると図9のフローチャートとなる。
まず、[Step A1]から[Step A3]を行うことにより、位置指令値Pcを定める。次に、[Step D1]で、時間tに対するTgの特性を計算する。更に、[Step D2]で、Tgがゼロとなる位置を通過する前後で、Tgの積算値の大きさが等しくなる時刻を求める。この時刻に位置指令値Pcによる加減速が完了するよう、[Step D3]で、位置指令演算器31で使用する加減速条件を再決定する。
以上のように、本発明によるイナーシャ推定方法によれば、重力トルクの影響がより正確に相殺されるよう、加減速時間を調整したため、モータ位置によって重力の影響が異なる機械構成であっても、より正確にイナーシャを推定することができる。
[実施例4]
次に、上記実施例2を改良した実施形態について説明する。ここで説明する実施形態は、上記実施例2に対し、加減速条件決定部39の機能を拡張するものである。
重力分をキャンセルするために要するトルクTgの大きさを、一定速駆動時のトルク指令値Tcを測定して定めた場合、Tcに摩擦トルクの影響が含まれると、図5の最上段のような波形となる。即ち、実線で示したTgの真値に対し、モータ21を正方向に回転させた場合は点線で示したような測定結果が得られ、負方向に回転させた場合は一点鎖線で示したような測定結果が得られる。
即ち、重力分をキャンセルするために要するトルクTgがゼロとなる位置が真値からずれてしまう。これは、移動方向によって作用する方向が異なる摩擦トルクの影響が含まれているためである。
上記ずれを含んだ状態では、実施例2のように、イナーシャ推定用にトルク指令値を積算する過程で、重力トルクの影響を相殺することができない。即ち、正確にイナーシャを推定するためには、上記ずれを補正する必要がある。そこで、本実施形態では、上記実施例2の加減速条件決定部39に対し、以下の機能を付加する。
モータ21の回転角θに対する重力分をキャンセルするために要するトルクTgの大きさを測定するにあたり、モータを正方向に一定速駆動した場合と、負方向に一定速駆動した場合、それぞれで回転角θに対するトルク指令値Tcを測定する。その上で、それぞれの場合においてTcがゼロとなるときの位置検出値Pdを特定し、その中間点をTgがゼロとなる位置とする。
その上で、実施例2と同様に、位置指令値Pcを構成し、イナーシャ演算部40でイナーシャを算出する。これにより、重力の影響を排除した状態での可動部のイナーシャの算出が可能となる。
ここで、図6の加減速条件決定部39の処理手順を纏めると図10のフローチャートとなる。
まず、[Step E1]で、モータが正方向に一定速駆動されていることを検出し、[Step E2]で、正方向移動一定速時のトルク指令値Tcを測定・監視する。更に、[Step E3]で、トルク指令値Tcの極性が反転する(Tcがゼロとなる)ときのPdを特定する。
一方、[Step E4]で、モータが負方向に一定速駆動されていることを検出し、[Step E5]で、負方向移動一定速時のトルク指令値Tcを測定・監視する。更に、[Step E6]で、トルク指令値Tcの極性が反転する(Tcがゼロとなる)ときの位置検出値Pdを特定する。
その後、[Step E7]で、[Step E3]で特定した位置(Pd)と[Step E6]で特定した位置(Pd)の中間点をTgがゼロとなる位置と定め、その上で[Step A1]から[Step A3]を行うことにより、位置指令演算器31で使用する加減速条件を決定する。
なお、[Step E1]から[Step E3]と[Step E4]から[Step E6]については、その順序を入れ替えることは可能である。即ち、[Step E4]から[Step E6]を実施後、[Step E1]から[Step E3]を行っても支障ない。
以上のように、本発明によるイナーシャ推定方法によれば、摩擦トルクの影響が大きい場合でも、重力トルクの影響がゼロとなる位置を特定した上で、トルク指令値を積算する過程で、重力トルクの影響を相殺するよう、被駆動体を加減速駆動するため、モータ位置によって重力の影響が異なる機械構成であっても、正確にイナーシャを推定することができる。
[実施例5]
次に、上記実施例4を改良した実施形態について説明する。ここで説明する実施形態は、上記実施例4に対し、イナーシャ演算部40の機能を拡張するものである。
トルク指令値Tcに含まれる摩擦トルクの影響が大きく、加減速時に必要となる加速トルクに対し、無視できない大きさの場合、Tcを積算してイナーシャを算出すると、摩擦トルクの影響でイナーシャ推定値に誤差が発生してしまう。そこで、本実施形態では、上記実施例4のイナーシャ演算部40に対し、以下の機能を付加する。
摩擦トルクの影響が無視できない状況下でのトルク指令値Tcには、図5の最下段に示したように、加減速トルクTa、重力分をキャンセルするために要するトルクTg、摩擦分をキャンセルするために要するトルクTfが含まれる。図5の最下段において、一点鎖線はTaとTgを考慮した時のTc、実線はTaとTgに加えてTfを考慮した時のTcをそれぞれ示している。一点鎖線で示した特性に対し、実線で示した特性は、軸駆動のために斜線で示したTf分のトルクが必要になる。ここで、各トルクの関係をモータ21の回転角θを用いて纏めると、下記式4のように表現できる。
Tc= Ta+Tg(θ)+Tf [加速時(正方向移動時)]
−Ta+Tg(θ)+Tf [減速時(正方向移動時)]
−Ta+Tg(θ)−Tf [加速時(負方向移動時)]
Ta+Tg(θ)−Tf [減速時(負方向移動時)] ・・・式4
加減速トルクTaは、加速時と減速時とで加速度の符号が反転するため、異符号となる。また、正方向移動時と負方向移動時とで加速方向が相反するため、異符号となる。一方、重力分をキャンセルするために要するトルクTgは位置によって決定されるため、同位置であれば加減速や移動方向に左右されず、同一符号となる。また、摩擦分をキャンセルするために要するトルクTfは軸移動に対し逆らうように作用するため、移動方向によって符号が決定される。
ここで、摩擦トルクの影響は、同一位置にて加速動作、減速動作を行うことによって、相殺することができる。例えば、加速時(正方向移動時)と減速時(正方向移動時)とで差分をとることによって、トルク指令値Tc、またはトルク指令値Tcの積算値に含まれる、摩擦分をキャンセルするために要するトルクTfを相殺することができる。
同様に、加速時(正方向移動時)と減速時(負方向移動時)とで加算、加速時(負方向移動時)と減速時(負方向移動時)とで減算、加速時(負方向移動時)と減速時(正方向移動時)とで加算しても、摩擦分をキャンセルするために要するトルクTfを相殺することができる。
ただし、加速時(正方向移動時)と減速時(正方向移動時)、加速時(負方向移動時)と減速時(負方向移動時)の組合せの場合、加減速する区間を同一としても、同じ地点を通過するときの速度が異なるため、同一時間あたりの移動量に違いが出る。結果、重力分をキャンセルするために要するトルクTgがゼロとなる位置や、Tgの変化の仕方が変わるため、Tgを積算した場合に、加速時と減速時とで値に違いが出てしまう。このため、イナーシャを算出する際に重力トルクの影響が僅かながら残ってしまう。よって、好適な形態として、加速時(正方向移動時)と減速時(負方向移動時)、加速時(負方向移動時)と減速時(正方向移動時)の組合せにて、摩擦分をキャンセルするために要するトルクTfを相殺することを推奨する。
上記のように、摩擦分をキャンセルするために要するトルクTfを相殺するため、位置制御装置は、加減速条件決定部39が定めた重力分をキャンセルするために要するトルクTgがゼロとなる位置を中心とした、加速動作、減速動作を行い、イナーシャ演算部40は、加速動作、減速動作、それぞれの動作に対し、トルク指令値Tc、加速度検出値Adを積算する。
加減速動作終了後、加速動作、減速動作それぞれにおいて、トルク指令値Tcの積算値を加速度検出値Adの積算値で除し、両者の平均値から可動部のイナーシャを算出する。この場合、加速動作から算出される可動部のイナーシャは摩擦トルクの影響分だけイナーシャが大きく算出され、減速動作から算出される可動部のイナーシャは摩擦トルクの影響分だけイナーシャが小さく算出されるが、両者の平均値をとることによって、摩擦トルクの影響分が相殺された可動部のイナーシャを算出することができる。
あるいは、加速動作、減速動作それぞれのトルク指令値Tcの積算値、加速度検出値Adの積算値を合算して、トルク指令積算合算値、加速度検出積算合算値を算出し、その上で、トルク指令積算合算値を加速度検出積算合算値で除することによって可動部のイナーシャを算出する。この場合、トルク指令積算合算値を算出する過程で、加速動作時のトルク指令値Tcの積算値に含まれる摩擦トルク分と減速動作時のトルク指令値Tcの積算値に含まれる摩擦トルク分とを相殺することができる。
ここで、図6のイナーシャ演算部40の処理手順を纏めると図11、あるいは図12のフローチャートとなる。
図11では、まず、[Step F1]で、位置指令値Pcから加速状態を検出し、[Step F2]で、加速時のトルク指令値Tc、及び加速度検出値Adを積算する。加速終了後、[Step F3]で、トルク指令値Tcの積算値を加速度検出値Adの積算値で除することによって、加速イナーシャJaを算出する。
また、[Step F4]で、位置指令値Pcから減速状態を検出し、[Step F5]で、減速時のトルク指令値Tc、及び加速度検出値Adを積算する。減速終了後、[Step F6]で、トルク指令値Tcの積算値を加速度検出値Adの積算値で除することによって、減速イナーシャJdを算出する。
その後、[Step F7]で、加速イナーシャJaと減速イナーシャJdの平均をとり、可動部のイナーシャJを算出する。
一方、図12では、まず、[Step G1]で、位置指令値Pcから加速状態を検出し、[Step G2]で、加速時のトルク指令値Tc、及び加速度検出値Adを積算する。その後、[Step G3]で、位置指令値Pcから減速状態を検出し、[Step G4]で、減速時のトルク指令値Tc、及び加速度検出値Adを積算する。
次に、[Step G5]で、加速時のトルク指令値Tcの積算値と減速時のトルクし指令値Tcの積算値を合算してトルク指令積算合算値を算出し、[Step G6]で、加速時の加速度検出値Adの積算値と減速時の加速度検出値Adの積算値を合算して加速度検出積算合算値を算出する。その上で、[Step G7]で、トルク指令積算合算値を加速度検出積算合算値で除することによって、可動部のイナーシャJを算出する。
以上のように、本発明によるイナーシャ推定方法によれば、イナーシャ推定用にトルク指令値を積算する過程で、重力トルクの影響を相殺するとともに、加速動作と減速動作とを組み合わせることにより、摩擦トルクの影響を相殺するため、モータ位置によって重力の影響が異なる、かつ摩擦トルクの影響が無視できない機械構成であっても、正確にイナーシャを推定することができる。
なお、上記実施例1〜5では、トルク指令値Tcを積算した値を用いてイナーシャを算出することを示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電流制御器34内でトルク指令値Tcから変換される電流指令値や、モータ35に通電された電流を検出した電流検出値等を積算し、トルク定数等を乗じてトルク指令値Tcの積算値に相当する値に変換して、イナーシャを算出することも可能である。
11,14,33 速度制御器、12,21,35 モータ、13,16 積分器、15 モータモデル、22 アーム、23 テーブル、24 ワーク、31 位置指令演算器、32 位置制御器、34 電流制御器、36 負荷、37 位置検出器、38 微分器、39 加減速条件決定部、40 イナーシャ演算部、41 イナーシャ推定器。

Claims (7)

  1. 位置指令値とモータまたは当該モータに結合された被駆動部の位置検出値とに基づいてトルク指令値を算出し、当該トルク指令値に従ってモータを駆動する装置に搭載された前記モータおよび前記被駆動部を含む可動部のイナーシャを推定するイナーシャ推定方法であって、
    前記可動部を駆動させた際に、重力の影響をキャンセルするためのトルクである重力トルクがゼロになる位置を中心として、前記重力トルクの積算値または前記可動部の加速度が対称性を持つような加速駆動条件または減速駆動条件の少なくとも一方を決定する加減速条件決定工程と、
    決定された加速または減速駆動条件に従ってモータを駆動した際に得られるトルク指令値の積算値と、前記モータまたは被駆動部の加速度検出値の積算値と、の比から前記可動部のイナーシャを算出するイナーシャ演算工程と、
    を備えることを特徴とするイナーシャ推定方法。
  2. 請求項1に記載のイナーシャ推定方法であって、
    前記重力トルクがゼロとなる位置は、前記被駆動体を一定速駆動したときに得られる前記トルク指令値の極性が反転するタイミングにおける前記位置検出値から特定される、ことを特徴とするイナーシャ推定方法。
  3. 請求項1または2に記載のイナーシャ推定方法であって、
    加速駆動条件または減速駆動条件は、前記被駆動体を加速駆動または減速駆動したときに、前記重力トルクがゼロになる位置を通過する前後で、前記重力トルクの積算値の大きさが等しくなるように、加速または減速の時間が調整されている、ことを特徴とするイナーシャ推定方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のイナーシャ推定方法であって、
    加減速条件決定工程は、前記被駆動体を一定速で往復駆動したときのトルク指令値を監視する工程を含み、
    前記重力トルクがゼロとなる位置は、往路において前記トルク指令値の極性が反転するタイミングにおける前記位置検出値と、復路において前記トルク指令値の極性が反転するタイミングにおける前記位置検出値と、の中間点から特定される、
    ことを特徴とするイナーシャ推定方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のイナーシャ推定方法であって、
    前記加減速条件決定工程において、前記重力トルクがゼロになる位置を中心として、前記重力トルクの積算値の大きさまたは加速度が線対称に変化するような加速駆動条件および減速駆動条件の両方を決定し、
    前記イナーシャ演算工程は、決定された加速駆動条件および減速駆動条件に従ってモータを駆動した際のトルク指令値および加速度検出値を監視する工程を含み、
    前記可動部のイナーシャは、加速駆動時のトルク指令値の積算値と加速駆動時の加速度検出値の積算値との比、および、減速駆動時のトルク指令値の積算値と減速駆動時の前記加速度検出値の積算値との比、の平均値から算出される、
    ことを特徴とするイナーシャ推定方法。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載のイナーシャ推定方法であって、
    前記加減速条件決定工程において、前記重力トルクがゼロになる位置を中心として、加速度または前記重力トルクの積算値の大きさが線対称に変化するような加速駆動条件および減速駆動条件の両方を決定し、
    前記イナーシャ演算工程は、加速駆動条件および減速駆動条件に従ってモータを駆動した際のトルク指令値および加速度検出値を監視する工程を含み、
    前記可動部のイナーシャは、加速駆動時のトルク指令値の積算値と減速駆動時のトルク指令値の積算値との合算値、および、加速駆動時の加速度検出値の積算値と減速駆動時の加速度検出値の積算値との合算値、の比から算出される、
    ことを特徴とするイナーシャ推定方法。
  7. 位置指令値とモータまたは当該モータに結合された被駆動部の位置検出値とに基づいてトルク指令値を算出し、当該トルク指令値に従ってモータを駆動する装置に搭載され、前記モータおよび前記被駆動部を含む可動部のイナーシャを推定するイナーシャ推定装置であって、
    前記可動部を駆動させた際に、重力の影響をキャンセルするためのトルクである重力トルクがゼロになる位置を中心として、前記重力トルクの積算値または加速度が対称性を持つような加速駆動条件または減速駆動条件の少なくとも一方を決定する加減速条件決定部と、
    決定された加速または減速駆動条件に従ってモータを駆動した際に得られるトルク指令値の積算値と、前記モータまたは被駆動部の加速度検出値の積算値と、の比から前記可動部のイナーシャを算出するイナーシャ演算部と、
    を備え、前記重力トルクがゼロとなる位置の前後で前記トルク指令値に含まれる重力トルクを相殺した上でイナーシャを算出することを特徴とするイナーシャ推定装置。
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