JP6003174B2 - シミュレーション用タイヤモデルの作成方法、タイヤのシミュレーション方法、これらの方法に用いるコンピュータプログラム及びタイヤのシミュレーション装置 - Google Patents

シミュレーション用タイヤモデルの作成方法、タイヤのシミュレーション方法、これらの方法に用いるコンピュータプログラム及びタイヤのシミュレーション装置 Download PDF

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Description

本発明は、コンピュータを用いたシミュレーション用タイヤモデルの作成方法、タイヤのシミュレーション方法、これらの方法に用いるコンピュータプログラム及びタイヤのシミュレーション装置に関する。
コンピュータを用いた解析によってタイヤの諸性能を、有限要素法等を用いたシミュレーションによって評価し、これに基づいてタイヤを設計する手法が提案され、実用化されてきている。タイヤは、走行過程においてトレッド部の外径が径方向外側に成長することが知られている。そこで、走行によって成長した後におけるタイヤ特性を模擬し、予測するシミュレーション方法が必要となっている。このようなシミュレーションとしては、例えば、特許文献1に記載されたようなタイヤ設計方法が知られている。
特許第4152338号公報
特許文献1に記載されたシミュレーション方法は、タイヤモデルに対し、内圧を2回充填する。この方法は、実際のタイヤが径成長した状態との差が比較的大きく、走行によって径成長したタイヤの特性をシミュレーションする際の精度低下を招く可能性がある。特に、扁平率が低くなると前述した差が顕著になり、シミュレーションの精度低下も大きくなる可能性がある。
本発明は、走行によって径成長したタイヤの特性をシミュレーションする際の精度低下を抑制することを目的とする。
本発明は、コンピュータによるタイヤのシミュレーションに供するシミュレーション用タイヤモデルを作成するにあたって、前記コンピュータは、少なくとも、前記シミュレーションの対象となるタイヤを有限個の要素に分割してタイヤモデルを作成する工程と、前記タイヤモデルの幅方向中央部から幅方向両側に向かって所定距離の範囲であるセンター部に付与する内圧よりも前記センター部以外に付与する内圧を大きくして、初期タイヤモデルを作成する工程と、前記初期タイヤモデルに対して均一の内圧を付与して、シミュレーションに供するシミュレーション用タイヤモデルを作成する工程と、を実行することを特徴とするシミュレーション用タイヤモデルの作成方法である。
本発明において、前記センター部は、前記タイヤモデルの幅方向における寸法が、前記タイヤモデルが有する最も幅が広いベルトのベルト幅の0.5倍以上0.7倍以下であり、前記センター部に付与する内圧Pcと前記センター部以外に付与する内圧Psとの圧力比Ps/Pcは、扁平率xの一次関数である式(1)で表されることが好ましい。
Ps/Pc=−a×x+2.665・・・(1)
aは、0.5以上2.665以下。
本発明において、前記タイヤモデルの内面において、前記センター部と前記センター部以外との境界で隣接する要素又は節点に付与される内圧の差は、前記センター部以外に付与される内圧の30%以下であることが好ましい。
本発明において、前記センター部と前記センター部以外との境界から前記タイヤモデルが有する最も幅が広いベルトの幅方向外側までの領域に存在する第1要素の寸法は、前記センター部に存在する第2要素の最大寸法よりも小さいことが好ましい。
本発明において、前記第1要素の幅は、前記第2要素の幅よりも小さいことが好ましい。
本発明は、コンピュータが、上述したシミュレーション用タイヤモデルの作成方法によって作成されたシミュレーション用タイヤモデルを用いてシミュレーションを実行することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法である。
本発明は、上述したシミュレーション用タイヤモデルの作成方法を前記コンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーション用タイヤモデルの作成用コンピュータプログラムである。
本発明は、上述したタイヤのシミュレーション方法を前記コンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーション用コンピュータプログラムである。
本発明は、タイヤをシミュレーションするにあたり、前記シミュレーションの対象となるタイヤを有限個の要素に分割してタイヤモデルを作成し、前記タイヤモデルの幅方向中央部から幅方向両側に向かって所定距離の範囲であるセンター部に付与する内圧よりも前記センター部以外に付与する内圧を大きくして、初期タイヤモデルを作成し、前記初期タイヤモデルに対して均一の内圧を付与して、シミュレーションに供するシミュレーション用タイヤモデルを作成し、前記シミュレーション用タイヤモデルを用いてシミュレーションを実行する、ことを特徴とするタイヤのシミュレーション装置である。
本発明は、走行によって径成長したタイヤの特性をシミュレーションする際の精度低下を抑制することができる。
図1は、空気入りタイヤの回転軸を通る子午断面を示す断面図である。 図2は、実施形態1に係るタイヤのシミュレーション装置を示す説明図である。 図3は、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法のフローチャートである。 図4は、タイヤモデルの一例を示す図である。 図5は、タイヤモデルが有する要素の一例を示す図である。 図6は、タイヤモデルに対して不均等に内圧を付与して初期タイヤモデルを作成する工程を示す模式図である。 図7は、初期タイヤモデルに対して均等に内圧を付与してシミュレーション用タイヤモデルを作成する工程を示す模式図である。 図8は、タイヤモデルの子午断面を示す一部断面図である。 図9は、タイヤの扁平率と圧力比との関係を示す図である。 図10は、タイヤモデルの内面における要素と、内面に付与される内圧との関係を示す図である。 図11は、本実施形態の変形例を説明するためのタイヤモデルの子午断面図である。 図12は、径成長パラメータRs/Rcと扁平率との関係を示す図である。 図13は、第2評価例の結果を示す図である。 図14は、第2評価例の結果を示す図である。 図15は、第2評価例の結果を示す図である。 図16は、第3評価例の結果を示す図である。 図17は、第3評価例の結果を示す図である。 図18は、第3評価例の結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態において、タイヤは空気入りタイヤを例として説明するが、本実施形態の適用対象はタイヤに限定されるものではない。また、本実施形態は、タイヤであれば、乗用車用タイヤ(PCタイヤ)、トラック、バス用タイヤ(TBタイヤ)等を問わず、いずれでも適用できる。
赤道面とは空気入りタイヤのタイヤ回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤの幅方向における中心を通る平面を意味する。空気入りタイヤの幅方向(幅方向)とは空気入りタイヤの回転軸と平行な方向を意味し、幅方向内側とは空気入りタイヤの幅方向において赤道面に向かう側、幅方向外側とは空気入りタイヤの幅方向において赤道面から離れる側を意味する。空気入りタイヤの径方向(径方向)とは空気入りタイヤの回転軸と直交する方向を意味し、径方向内側とは空気入りタイヤの径方向において空気入りタイヤの回転軸に向かう側、径方向外側とは、空気入りタイヤの径方向において回転軸から離れる側を意味する。空気入りタイヤの周方向(周方向)とは空気入りタイヤの回転軸を中心軸とする周方向を意味する。
図1は、空気入りタイヤの回転軸を通る子午断面を示す断面図である。図1に示すように、空気入りタイヤ(以下、必要に応じてタイヤという)1の子午断面には、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4、ビードコア5が現れている。タイヤ1は、母材であるゴムを、強化材であるカーカス2、ベルト3及びベルトカバー4等の補強コードによって補強した複合材料部分を有する構造体である。ここで、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4等の、金属繊維又は有機繊維等のコード材料で構成される補強コードの層を、コード層という。
カーカス2は、タイヤ1に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、その内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐えるようになっている。ベルト3は、キャップトレッド6とカーカス2との間に配置されたゴム引きコードを束ねた補強コードの層である。なお、バイアスタイヤの場合にはブレーカと呼ぶ。ラジアルタイヤにおいて、ベルト3は形状保持及び強度メンバーとして重要な役割を担っている。
ベルト3の接地面G側には、ベルトカバー4が配置されている。ベルトカバー4は、例えば有機繊維材料を層状に配置したものであり、ベルト3の保護層としての役割や、ベルト3の補強層としての役割を持つ。ビードコア5は、内圧によってカーカス2に発生するコード張力を支えているスチールワイヤの束である。ビードコア5は、カーカス2、ベルト3、ベルトカバー4及びトレッドとともに、タイヤ1の強度部材となる。キャップトレッド6の接地面G側には、溝7が形成される。これによって、雨天走行時の排水性を向上させる。また、タイヤ1の側部はサイドウォール8と呼ばれており、ビードコア5とキャップトレッド6との間を接続する。また、キャップトレッド6とサイドウォール8との間はショルダー部Shである。次に、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法(以下、必要に応じてシミュレーション方法という)を実行する装置について説明する。
図2は、実施形態1に係るタイヤのシミュレーション装置を示す説明図である。タイヤのシミュレーション装置(以下、適宜シミュレーション装置という)50は、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法を実行する。本実施形態において、シミュレーション装置50は、コンピュータであり、処理部50pと記憶部50mと入出力部50ioとを含む。処理部50pは、モデル作成部51と、解析部52とを含む。これらが本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法を実行する。また、シミュレーション装置50には、入出力部50ioに入出力装置60が接続されており、これに入力装置61及び表示装置62が接続される。入出力装置60は、入出力部50ioを介してタイヤモデルの作成及び作成したタイヤモデルを用いたシミュレーション等に必要な情報を処理部50p又は記憶部50mへ入力する。
モデル作成部51は、シミュレーションの対象となるタイヤの解析モデル、すなわち、タイヤモデルを作成する。解析モデルとは、有限要素法又は有限差分法等の数値解析手法を用いて、シミュレーションの対象に対して転動解析、騒音解析又は振動解析等を行うために用いるモデルで、コンピュータで解析可能なモデルであり、数学的モデルや数学的離散化モデルを含む。解析モデルは、コンピュータが取り扱うことのできる数値データの集合体である。本実施形態では、作成されたタイヤモデルを用いたシミュレーション等に用いる解析手法として、有限要素法を使用する。解析手法に有限要素法を用いる場合、解析モデルは、シミュレーションの対象を複数の節点で構成された有限個の要素に分割して作成される。解析部53は、特性が設定されたタイヤモデルに対して、転動解析又は振動解析等を実行する。
記憶部50mには、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法の処理手順を含むコンピュータプログラム及び各種のデータ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、不揮発性のメモリ、ハードディスク装置、あるいはこれらの組合わせにより構成することができる。また、処理部50pは、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成することができる。
上述したコンピュータプログラムは、処理部50pが備えるモデル作成部51又は解析部52へ既に記録されているコンピュータプログラムとの組合せによって、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法の処理手順を実現できるものであってもよい。また、このシミュレーション装置50は、上述したコンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、処理部50pが備えるモデル作成部51と、解析部53との機能を実現するものであってもよい。次に、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法を説明する。本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法は、シミュレーション装置50によって実現される。
図3は、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法のフローチャートである。図4は、タイヤモデルの一例を示す図である。図5は、タイヤモデルが有する要素の一例を示す図である。図6は、タイヤモデルに対して不均等に内圧を付与して初期タイヤモデルを作成する工程を示す模式図である。図7は、初期タイヤモデルに対して均等に内圧を付与してシミュレーション用タイヤモデルを作成する工程を示す模式図である。図6、図7は、子午断面を示している。
ステップS101において、図2に示すシミュレーション装置50の処理部50pが有するモデル作成部51は、図4に示すタイヤモデル10を作成する。タイヤモデル10を作成する工程において、モデル作成部51は、本実施形態に係るシミュレーションの対象となるタイヤを有限個の要素Eに分割して、例えば、図4に示すタイヤモデル10を作成する。要素Eは、図5に示すように、複数の節点N1〜N4を有しており、これらの節点N1〜N4から形成される。モデル作成部51は、タイヤモデル10の元となるデータ、例えば、設計データからタイヤモデル10を作成する。
モデル作成部51は、作成したタイヤモデル10を記憶部50mに保存する。タイヤモデル10等が有する要素Eは、例えば、3次元体では四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素、面要素等、コンピュータで取り扱い得る要素とすることが望ましい。このようにして分割された要素は、シミュレーションの過程においては、3次元モデルでは3次元座標や円筒座標を用いて逐一特定される。
次に、ステップS102において、モデル作成部51は、図6に示すように、ステップS101で作成したタイヤモデル10に対して、その内面10iへ不均一に内圧Pc、Ps(Pc<Ps)を付与して、初期タイヤモデル11を作成する。初期タイヤモデル11を作成する工程において、モデル作成部51は、タイヤモデル10の内面に内圧を付与するにあたって、の幅方向中央部CLから幅方向両側に向かって所定距離の範囲であるセンター部Acに付与する内圧Pcよりも、センター部以外Asに付与する内圧Psを大きくする。このようにすることで、モデル作成部51は、タイヤが走行した後の状態を再現した初期タイヤモデル11を作成する。作成された初期タイヤモデル11は、図2に示す記憶部50mに記憶される。
図6に示す例において、幅方向中央部CLの幅方向両側における位置S、S間がセンター部Acである。それぞれの位置S、Sからタイヤモデル10の両方のビードトゥ部BT、BTまでの領域が、センター部以外As、Asである。
初期タイヤモデル11が作成されたら、ステップS103において、モデル作成部51は、図7に示すように、初期タイヤモデル11に対して、その内面11iへ均一に内圧Piを付与する。この工程において、モデル作成部51は、シミュレーションに供するシミュレーション用タイヤモデル12を作成し、記憶部50mに記憶させる。ステップS101〜ステップS103が、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法に相当する。
ステップS103が終了した後、ステップS104において、図2に示す処理部50pの解析部52は、作成されたシミュレーション用タイヤモデル12を記憶部50mから読み出す。そして、解析部52は、シミュレーションに必要な諸条件を設定した後、シミュレーション用タイヤモデル12を用いたシミュレーションを実行する。ステップS104が、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法に相当する。ステップS104におけるシミュレーションは、タイヤが走行によって径方向外側に成長(径成長、膨径)した後におけるタイヤの特性をコンピュータ上で模擬するものである。走行による膨径後におけるタイヤの特性としては、摩耗、偏摩耗、クラック及びチェーファーセパレーション等の耐久性の他、操縦安定性、氷上性能、転がり抵抗、NV(Noise Vibration)、乗り心地、バネ特性、ハイプレ性能、水跳ね及びトラクション性能等のあらゆるタイヤの特性を含む。
本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法は、タイヤモデル10のセンター部Acに付与する内圧Pcよりもセンター部以外Asに付与する内圧Psを大きくして初期タイヤモデル11を作成した後、これの内面11iに均一に内圧Piを付与してシミュレーション用タイヤモデル12を作成する。このようにすることで、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法は、走行によって膨径したタイヤを精度よく再現した初期タイヤモデル11を簡易に作成することができる。また、本実施形態に係るタイヤのシミュレーション方法は、上述した方法で作成された初期タイヤモデル11に内圧を付与したシミュレーション用タイヤモデル12を用いるので、走行により膨径したタイヤの特性を精度よく模擬して評価することができる。このように、本実施形態は、走行によって径成長したタイヤの特性をシミュレーションする際の精度低下を抑制することができる。次に、センター部Ac及びセンター部以外Asについて、より詳細に説明する。
図8は、タイヤモデルの子午断面を示す一部断面図である。図8には、赤道面RPに対して半分のみが表されている。図9は、タイヤの扁平率と圧力比との関係を示す図である。センター部Acは、タイヤモデル10の幅方向における寸法Wsが、タイヤモデル10が有する最も幅が広いベルト10Bのベルト幅WBmaxの0.5倍以上0.7倍以下であることが好ましい。センター部Acの寸法は、タイヤモデル10の幅方向における寸法であり、より具体的には前述した幅方向における位置S、S間の距離である。また、最も幅が広いベルト10Bのベルト幅WBmaxは、ベルト10Bの幅方向における両方の端部10BT(図8のBtで示す位置)間の距離である。図8に示すタイヤモデル10の子午断面は、赤道面RPに対して半分のみであるので、赤道面RPから一方の位置Sまでの距離はWs/2、赤道面RPからベルト10Bの幅方向における一方の端部10BTまでの距離はWmax/2になる。このようにすることで、走行によって膨径したタイヤを精度よく再現した初期タイヤモデル11を簡易に作成することができる。
図9は、タイヤの扁平率と圧力比との関係を示す図である。センター部Acに付与する内圧をPc、センター部以外Asに付与する内圧をPsとすると、圧力比Pc/Psは、シミュレーションの対象であるタイヤの扁平率xの一次関数である−a×x+2.665で表される。すなわち、Pc/Ps=−a×x+2.665となる。このとき、aは、0.5以上2.665以下とする。このようにすることで、走行によって膨径したタイヤを精度よく再現した初期タイヤモデル11を簡易に作成することができる。図9のLa、Lb、Lcで示す直線は、それぞれa=2.665、1.7、0.5としたものである。Ldで示す直線は、Ps/Pc=1、すなわち、タイヤモデル10に対して均一に内圧を付与した例である。
図8に示すように、センター部Acとセンター部以外Asとの境界(図8のSで示す部分)からタイヤモデル10が有する最も幅が広いベルト10Bの幅方向外側、より具体的には幅方向外側における端部10BTまでの領域Aiに存在する第1要素Eiの寸法は、センター部Acに存在する第2要素Ecの最大寸法よりも小さいことが好ましい。このようにすることで、ショルダー部Shの変形を精度よく求めることができる。本実施形態において、第1要素Eiの幅(Y軸と平行な方向の寸法)を、第2要素Ecの最大幅よりも小さくしているが、これに限定されるものではない。例えば、第1要素Eiの径方向における寸法を、第2要素Ecの径方向における最大寸法より小さくしてもよい。なお、周方向において、第1要素Eiの寸法と第2要素Ecの寸法とは同一になっている。また、タイヤモデル10の径方向における要素数は、少なくとも3以上であることが好ましい。
図10は、タイヤモデルの内面における要素と、内面に付与される内圧との関係を示す図である。タイヤモデル10の内面10iにおいて、センター部Acとセンター部以外Asとの境界(図8、図10の位置S)で隣接する要素En、En+1又は節点Nn、Nん+1に付与される内圧の差ΔP(=Ps−Pc)は、センター部以外Asに付与される内圧Psの30%以下であることが好ましい。このようにすることで、初期タイヤモデル11を作成するためタイヤモデル10に不均一な内圧を付与する場合でも、タイヤモデル10の円滑な変形を得ることができる。
図11は、本実施形態の変形例を説明するためのタイヤモデルの子午断面図である。上述した例においては、タイヤモデル10のセンター部Acと、センター部以外Asとに異なる大きさの内圧を付与した。本変形例は、センター部以外Asを、さらに、第1部Asaと第2部Abとに分けて、それぞれに異なる大きさの内圧を付与する。本実施形態において、第2部Abは、タイヤモデル10のビード部10BDに相当する。本実施形態においては、ビードフィラーの径方向外側端部における位置Bが第1部Asaと第2部Abとの境界になる。
センター部Acに付与する内圧をPc、第1部Asaに付与する内圧をPs、第2部Abに付与する内圧をPbとすると、Ps>Pb>Pcとすることが好ましい。このようにすることで、走行によって膨径したタイヤを、ビード部も含めて精度よく再現した初期タイヤモデル11を簡易に作成することができる。このように、タイヤモデル10が分割された後の領域は、センター部Acとセンター部以外Asとの2個の領域に限定されるものではない。
(第1評価例)
図12は、径成長パラメータRs/Rcと扁平率との関係を示す図である。第1評価例は、本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの作成方法によって作成したシミュレーション用タイヤモデル(実施例)と、比較例に係るシミュレーション用タイヤモデルと、実際のタイヤとで、走行後における径成長を評価した例である。図12のLfは実際のタイヤを用いた実測値であり、Leは実施例の結果であり、Lgは比較例の結果である。比較例は、タイヤモデル10に対して均一に内圧を付与し、その後、再び均一に内圧を付与して作成されたシミュレーション用タイヤモデルである。
第1評価例においては、センター部以外Asの半径Rsとセンター部Ac半径Rcとの比Rs/Rcを径成長パラメータとして用いた。実際のタイヤにおいては、走行後における径成長パラメータRs/Rcを用い、実施例及び比較例においては、シミュレーション用タイヤモデルの径成長パラメータRs/Rcを用いた。図12の結果から、実施例は、実際のタイヤに対する径成長パラメータRs/Rcの差が比較例よりも小さいことが分かる。また、比較例は、扁平率が小さくなるにしたがって、実際のタイヤに対する径成長パラメータRs/Rcの差が大きくなるが、実施例は、この差の増加が比較例よりも小さいことが分かる。このように、実施例は、比較例よりも実際のタイヤの膨径をより精度よく再現できる。また、実施例は、扁平率が小さくなっても、実際のタイヤとの差は比較例ほど大きくならない。このように、実施例は、シミュレーションの対象となるタイヤの扁平率が低くなった場合に特に有効である。
(第2評価例)
図13から図15は、第2評価例の結果を示す図である。第1評価例は、435/45R22.5のTBタイヤについて、実測、本実施形態に係る方法及び比較例に係る方法で評価した結果である。第2評価例では、膨径後における接地形状を評価した。図13に示すShrは、実際のタイヤの接地形状であり、図14に示すShpは本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの接地形状であり、図15に示すShcは比較例に係るシミュレーション用タイヤモデルの接地形状である。比較例は、第1評価例の比較例と同様にして作成されたシミュレーション用タイヤモデルである。これらの結果から、本実施形態によれば、比較例よりも実際のタイヤの接地形状に近い接地形状が得られることが分かる。
(第3評価例)
図16から図18は、第3評価例の結果を示す図である。第2評価例は、315/60R22.5のTBタイヤについて、実測、本実施形態に係る方法及び比較例に係る方法で評価した結果である。第3評価例でも、第2評価例と同様に、膨径後における接地形状を評価した。図16に示すShrは、実際のタイヤの接地形状であり、図17に示すShpは本実施形態に係るシミュレーション用タイヤモデルの接地形状であり、図18に示すShcは比較例に係るシミュレーション用タイヤモデルの接地形状である。比較例は、第1評価例の比較例と同様にして作成されたシミュレーション用タイヤモデルである。これらの結果から、本実施形態によれば、比較例よりも実際のタイヤの接地形状に近い接地形状が得られることが分かる。
以上、本実施形態について説明したが、上述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上述した実施形態の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。
1 タイヤ
2 カーカス
3、10B ベルト
4 ベルトカバー
5 ビードコア
6 キャップトレッド
7 溝
8 サイドウォール
10 タイヤモデル
10BD ビード部
10BT 端部
10i、11i 内面
11 初期タイヤモデル
12 シミュレーション用タイヤモデル
50 タイヤのシミュレーション装置
50io 入出力部
50m 記憶部
50p 処理部
51 モデル作成部
52 解析部
Ac センター部
As センター部以外

Claims (8)

  1. コンピュータによるタイヤのシミュレーションに供するシミュレーション用タイヤモデルを作成するにあたって、前記コンピュータは、少なくとも、
    前記シミュレーションの対象となるタイヤを有限個の要素に分割してタイヤモデルを作成する工程と、
    前記タイヤモデルの幅方向中央部から幅方向両側に向かって所定距離の範囲であるセンター部に付与する内圧よりも前記センター部以外に付与する内圧を大きくすると共に、前記センター部以外として、前記タイヤモデルの幅方向における前記センター部の端部からビードフィラーの径方向外側端部における位置までの範囲である第1部と、前記ビードフィラーの径方向外側端部よりもタイヤ径方向内側の範囲である第2部とを設定し、前記センター部に付与する内圧Pcと、前記第1部に付与する内圧Psと、前記第2部に付与する内圧Pbとの関係をPs>Pb>Pcとして、初期タイヤモデルを作成する工程と、
    前記初期タイヤモデルに対して均一の内圧を付与して、シミュレーションに供するシミュレーション用タイヤモデルを作成する工程と、
    を実行することを特徴とするシミュレーション用タイヤモデルの作成方法。
  2. 前記タイヤモデルの内面において、前記センター部と前記センター部以外との境界で隣接する要素又は節点に付与される内圧の差は、前記センター部以外に付与される内圧の30%以下である、請求項1に記載のシミュレーション用タイヤモデルの作成方法。
  3. 前記センター部と前記センター部以外との境界から前記タイヤモデルが有する最も幅が広いベルトの幅方向外側までの領域に存在する第1要素の寸法は、前記センター部に存在する第2要素の最大寸法よりも小さい、請求項1又は2に記載のシミュレーション用タイヤモデルの作成方法。
  4. 前記第1要素の幅は、前記第2要素の幅よりも小さい、請求項に記載のシミュレーション用タイヤモデルの作成方法。
  5. コンピュータが、請求項1からのいずれか1項に記載のシミュレーション用タイヤモデルの作成方法によって作成されたシミュレーション用タイヤモデルを用いてシミュレーションを実行することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のシミュレーション用タイヤモデルの作成方法を前記コンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーション用タイヤモデルの作成用コンピュータプログラム。
  7. 請求項に記載のシミュレーション方法を前記コンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーション用コンピュータプログラム。
  8. タイヤをシミュレーションするにあたり、
    前記シミュレーションの対象となるタイヤを有限個の要素に分割してタイヤモデルを作成し、
    前記タイヤモデルの幅方向中央部から幅方向両側に向かって所定距離の範囲であるセンター部に付与する内圧よりも前記センター部以外に付与する内圧を大きくすると共に、前記センター部以外として、前記タイヤモデルの幅方向における前記センター部の端部からビードフィラーの径方向外側端部における位置までの範囲である第1部と、前記ビードフィラーの径方向外側端部よりもタイヤ径方向内側の範囲である第2部とを設定し、前記センター部に付与する内圧Pcと、前記第1部に付与する内圧Psと、前記第2部に付与する内圧Pbとの関係をPs>Pb>Pcとして、初期タイヤモデルを作成し、
    前記初期タイヤモデルに対して均一の内圧を付与して、シミュレーションに供するシミュレーション用タイヤモデルを作成し、
    前記シミュレーション用タイヤモデルを用いてシミュレーションを実行する、
    ことを特徴とするタイヤのシミュレーション装置。
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