JP6001461B2 - エアゾールスプレー整髪剤組成物及びエアゾールスプレー整髪剤 - Google Patents

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Description

本発明は、エアゾールスプレー整髪剤に用いられるエアゾールスプレー整髪剤組成物に関する。また、本発明は、エアゾールスプレー容器内に上記エアゾールスプレー整髪剤組成物が充填されているエアゾールスプレー整髪剤に関する。
エアゾール容器内にエアゾール整髪剤組成物が充填されているエアゾール整髪剤が市販されている。エアゾール整髪剤としては、泡状に塗布されるフォーム整髪剤及び噴霧されるスプレー整髪剤などの種々の形態がある。一般に、フォーム整髪剤及びスプレー整髪剤などの形態の違いによって、エアゾール整髪剤組成物の組成は異なる。
また、従来、整髪剤では、整髪成分として、固形油分又は皮膜形成ポリマーが用いられることが多い。しかしながら、固形油分を用いた整髪剤では、べたつきやすいという問題があり、また、皮膜形成ポリマーを用いた整髪剤では、整髪力が強すぎて、一旦整髪した後に整髪を再度行うことが困難であり、再整髪性に劣るという問題がある。
これに対して、整髪成分として、シリカなどのパウダーを用いた整髪剤が提案されている。下記の特許文献1には、平均粒子径0.1nm〜20μmの疎水性シリカと、該疎水性シリカを分散させる非水系分散液とを含む整髪剤組成物が開示されている。
特開2011−246352号公報
しかし、特許文献1に記載の整髪剤では、疎水性シリカの非水系分散液中での分散性が低く、疎水性シリカが非水系分散液中で沈降することがある。このため、特許文献1に記載の整髪剤をスプレー整髪剤の形態で用いたときに、整髪力にばらつきが生じたり、スプレーノズルの目詰まりが生じて吐出性が低下したりすることがある。また、特許文献1に記載の整髪剤は、整髪後に洗い流した際の洗い落ちが悪いという問題がある。
本発明の目的は、シリカの分散性に優れているので吐出安定性を高めることができ、整髪後の再整髪性を良好にすることができ、かつ整髪後に容易に洗い流すことができるエアゾールスプレー整髪剤組成物、並びに該エアゾールスプレー整髪剤組成物を用いたエアゾールスプレー整髪剤を提供することである。
本発明の限定的な目的は、整髪後のべたつきを抑えることができるエアゾールスプレー整髪剤組成物、並びに該エアゾールスプレー整髪剤組成物を用いたエアゾールスプレー整髪剤を提供することである。
本発明は、エアゾールスプレー容器内に充填されて用いられ、かつエアゾールスプレー整髪剤を得るために用いられるエアゾールスプレー整髪剤組成物であって、親水性シリカと、流動イソパラフィン、流動パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルからなる群から選択された少なくとも1種の油分と、酸化エチレンの平均付加モル数が8〜30(8以上かつ30以下)であるポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルと、エタノールとを含み、水を含まないか、又は水を含みかつエアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中の前記水の含有量が10質量%以下である、エアゾールスプレー整髪剤組成物を提供する。
前記親水性シリカの含有量と前記ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量とは、質量比で1:1〜1:5であることが好ましい。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物は、皮膜形成ポリマーを含まないか、又は皮膜形成ポリマーを含みかつエアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中の前記皮膜形成ポリマーの含有量が5質量%以下であることが好ましい。
前記親水性シリカの吸油量は、100〜1000mL/100g(100mL/100g以上かつ1000mL/100g以下)であることが好ましい。
また、本発明は、スプレー塗布されるエアゾールスプレー整髪剤であって、エアゾールスプレー容器と、上述したエアゾールスプレー整髪剤組成物と、噴射剤とを備え、前記エアゾールスプレー容器内に、前記エアゾールスプレー整髪剤組成物と前記噴射剤とが充填されている、エアゾールスプレー整髪剤を提供する。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物は、上述した構成上の特徴を有するため、該エアゾールスプレー整髪剤組成物を用いたエアゾールスプレー整髪剤において、親水性シリカの分散性、整髪後の再整髪性に優れ、かつ整髪後に容易に洗い流すことができる。従って、エアゾールスプレー容器内に充填してエアゾールスプレー整髪剤として好適に用いることができる。
図1は、実施例及び比較例における再整髪性の評価において、結束力を測定する方法を説明するための模式的な斜視図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[エアゾールスプレー整髪剤組成物]
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物は、(A)親水性シリカと、(B)油分と、(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルと、(D)エタノールとを含む。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物では、(B)油分は、流動イソパラフィン、流動パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルからなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物では、(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの酸化エチレンの平均付加モル数は、8〜30(8以上かつ30以下)である。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物は、水を含まないか、又は水を含みかつエアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中の上記水の含有量が10質量%以下である。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物は、エアゾールスプレー整髪剤において、原液として用いることができる。本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物は、エアゾールスプレー容器内に充填される噴射剤を除く配合物である。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物における上述した組成の採用によって、本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物をエアゾールスプレー容器内に充填してエアゾールスプレー整髪剤として好適に用いることが可能になる。すなわち、本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物を用いたエアゾールスプレー整髪剤において、(A)親水性シリカの分散性が良好になり、(A)親水性シリカの凝集が生じ難くなる。このため、エアゾールスプレー整髪剤における吐出安定性を高めることができる。
さらに、本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物を用いたエアゾールスプレー整髪剤を用いて整髪すると、髪の表面は多数の(A)親水性シリカにより覆われた状態になる。この結果、髪に適度なこしが与えられ、髪型を良好に整えることが可能になる。また、本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物における上述した組成の採用によって、整髪後の再整髪性を良好にすることができ、かつ整髪後に容易に洗い流すことができる。さらに、本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物を用いたエアゾールスプレー整髪剤において、整髪後のべたつきを抑えることもできる。
以下、本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物に用いられる各成分を具体的に説明する。
((A)親水性シリカ)
(A)親水性シリカは、整髪成分である。(A)親水性シリカは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物では、疎水性シリカではなく、(A)親水性シリカを用いる必要がある。
疎水性シリカを用いた場合には、エアゾールスプレー整髪剤組成物中での疎水性シリカの分散性が悪くなって、疎水性シリカが沈降し、凝集しやすくなる。特に、水の含有量が少なく、水よりもエタノールの含有量が多い組成物中で、疎水性シリカが沈降し、凝集しやすい。このため、エアゾールスプレー整髪剤の吐出安定性が悪くなる。また、再整髪性、洗い落ち性も不十分となる。
これに対して、(A)親水性シリカを用いることで、特に(D)エタノールを含む組成物中で(A)親水性シリカと(B)油分と(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとを併用することで、エアゾールスプレー整髪剤組成物中での(A)親水性シリカの分散性が高くなり、エアゾールスプレー整髪剤の吐出安定性が高くなる。
なお、一般的なシリカ、例えば、疎水化処理が施されていないシリカは、親水性シリカである。
(A)親水性シリカの好ましい市販品としては、例えば、AEROSIL 50、90、130、150、200、300、380(商品名、いずれも日本アエロジル社製);サンスフェアH−31、H−51、H−121、H−201、H−32、H−52、H−122、H−33、H−53(商品名、いずれもAGCエスアイテック社製);SYLYSIA300、300P、310、310P、320、330、340、350、370、380(商品名、いずれも富士シリシア化学社製)等が挙げられる。これら以外の市販品を用いてもよい。
(A)親水性シリカの吸油量は、好ましくは100mL/100g以上、より好ましくは150mL/100g以上、更に好ましくは200mL/100g以上、好ましくは1000mL/100g以下、より好ましくは800mL/100g以下、更に好ましくは700mL/100g以下である。(A)親水性シリカの吸油量が上記下限以上及び上記上限以下であると、頭皮脂などの毛髪上の脂分による髪のボリュームダウン、整髪性の低下を抑制することができるため、整髪性(初期整髪性)及び再整髪性がより一層良好になる。
上記吸油量は、JIS K5101に記載の方法に準拠して測定される。
(A)親水性シリカの平均粒径(平均1次粒径)は、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは5nm以上、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。(A)親水性シリカの平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪時に複数の(A)親水性シリカ間に働く分子間力又は静電気付着力によって(A)親水性シリカ同士が互いに引き寄せられやすくなり、整髪後に髪の表面が多数の(A)親水性シリカにより一層良好に覆われた状態になり、かつ再整髪性がより一層高くなる。
(A)親水性シリカの平均粒径(平均1次粒径)は、体積平均粒径である。上記平均粒径は、レーザー光回折による粒度分布測定装置を用いて測定可能である。上記粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製「LA−920」等が挙げられる。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中、(A)親水性シリカの含有量は好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。(A)親水性シリカの含有量が上記下限以上であると、整髪性及び再整髪性がより一層良好になる。(A)親水性シリカの含有量が上記上限以下であると、(A)親水性シリカの分散性がより一層良好になる。
((B)油分)
(B)油分は、流動イソパラフィン、流動パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルからなる群から選択された少なくとも1種である。(B)油分は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(B)油分は、25℃で不揮発性であることが好ましい。また、(B)油分は、25℃で液状であることが好ましい。なお、流動イソパラフィン、流動パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルは、一般に、25℃で不揮発性であり、かつ液状である。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物では、特定の(B)油分を用いているので、(A)親水性シリカを毛髪上に的確に付着させることができ、且つ、適度なまとまりを作るため、整髪性が良好になり、かつ再整髪性も良好になる。また、整髪後の毛髪のきしみ感も抑えられる。
(A)親水性シリカの含有量と(B)油分の含有量(流動イソパラフィン、流動パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルの合計の含有量)とは、質量比((A)親水性シリカの含有量:(B)油分の含有量)で、好ましくは1:3〜1:25、より好ましくは1:5〜1:20、更に好ましくは1:8〜1:15である。(A)親水性シリカ及び(B)油分の含有量が上述した好ましい関係を満足すると、整髪性及び再整髪性がより一層良好になる。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中、(B)油分の含有量(流動イソパラフィン、流動パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルの合計の含有量)は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。(B)油分の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪性及び再整髪性がより一層良好になる。
なお、(B)油分は、流動イソパラフィン及び流動パラフィンの内の少なくとも1種であってもよく、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルからなる群から選択された少なくとも1種であってもよい。上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、流動イソパラフィン及び流動パラフィンの内の少なくとも1種を含んでいてもよく、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルからなる群から選択された少なくとも1種を含んでいてもよい。
((C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル)
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物では、(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの酸化エチレンの平均付加モル数は、8以上かつ30以下である。(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物においては、(D)エタノールを含む組成物中で(A)親水性シリカと(B)油分と(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとを併用することで、(A)親水性シリカと(B)油分と(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとで複合体を生成し、(A)親水性シリカの滑り性が向上する。このため、エアゾールスプレー整髪剤組成物中での(A)親水性シリカの分散性が高くなり、エアゾールスプレー整髪剤の吐出安定性が高くなる。また、(A)親水性シリカと(B)油分と(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとを併用することで、多量の水分に対する溶解性が高くなるため、(A)親水性シリカの洗い落ちを向上させることが可能である。
上記平均付加モル数が8未満であると、(A)親水性シリカの洗い落ちが悪くなる。上記平均付加モル数が30を超えると、(A)親水性シリカの分散性が悪くなり、整髪後に洗い落ちも悪くなる。また、整髪後にべたつきが発生する場合がある。
エアゾールスプレー整髪剤組成物中での(A)親水性シリカの分散性、及び整髪後の洗い落ちをより一層高める観点からは、(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの酸化エチレンの平均付加モル数は好ましくは20以下である。
(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数16〜18の脂肪酸が好ましい。(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等が挙げられる。
(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(10E.O.)(HLB11)、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(15E.O.)(HLB13)、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(15E.O.)(HLB14)、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)(HLB10)、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(10E.O.)(HLB10)、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(15E.O.)(HLB12)、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(20E.O.)(HLB13)、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(20E.O.)(HLB10)、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30E.O.)(HLB12)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30E.O.)(HLB10)、及びトリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(30E.O.)(HLB10)等が挙げられる。
(A)親水性シリカの含有量と(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量とは、質量比((A)親水性シリカの含有量:(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量)で、好ましくは1:0.5〜1:10、より好ましくは1:1〜1:5、更に好ましくは1:2〜1:3である。(A)親水性シリカの含有量が相対的に多くなると、整髪性及び再整髪性がより一層良好になる。(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量が相対的に多くなると、(A)親水性シリカの分散性がより一層良好になる。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中、(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量は、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、(A)親水性シリカの分散性、及び整髪後の洗い落ちがより一層良好になる。
((D)エタノール)
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、(D)エタノールを含む。水ではなく(D)エタノールを用いることで、整髪時に(D)エタノールが揮発する結果、(A)親水性シリカに由来する整髪性が良好に発揮される。
(D)エタノールを含む組成物であっても、(A)親水性シリカと(B)油分と(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとを併用することで、エアゾールスプレー整髪剤組成物中での(A)親水性シリカの分散性が高くなり、エアゾールスプレー整髪剤の吐出安定性が高くなる。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中、(D)エタノールの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、好ましくは98.65質量%以下、より好ましくは98.6質量%以下、より一層好ましくは98.5質量%以下、更に好ましくは96.55質量%以下、更に一層好ましくは96.5質量%以下、特に好ましくは96.4質量%以下、最も好ましくは94質量%以下である。(D)エタノールの含有量が上記下限以上であると、(A)親水性シリカの分散性がより一層良好になり、整髪後のべたつきがより一層抑えられる。(D)エタノールの含有量が上記上限以下であると、整髪性がより一層良好になる。
(水)
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、実質的に水を含まないことが好ましい。ただし、上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、水を含んでいてもよい。また、エアゾールスプレー整髪剤組成物では、水を積極的に配合しない場合であっても、配合原料に由来して少量の水が含まれることがある。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物では、スプレー塗布に用いられるために、揮発性が低い水の含有量は少ないほどよい。また、上記エアゾールスプレー整髪剤組成物中の水の含有量が少ないほど、再整髪性がより一層良好になる。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物中の水の含有量は少ないほどよい。上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、水を含まないか、又は水を含みかつ上記エアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中の水の含有量が10質量%以下である。上記エアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中、水の含有量は好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、実質的に水を含まないことが好ましく、非水系エアゾールスプレー整髪剤組成物であることが好ましい。実質的に水を含まないエアゾールスプレー整髪剤組成物は、非水系エアゾールスプレー整髪剤組成物である。なお、「実質的に水を含まない」とは、(A)親水性シリカと、(B)油分と、(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルと、(D)エタノールと、必要に応じて配合される他の成分(水を除く)とは別に、水を含ませない(添加しない)ことを意味し、配合原料に含有される水に由来してエアゾールスプレー整髪剤組成物に水が含まれることは除外されないことを意味する。
(他の成分)
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル以外の界面活性剤;グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価エタノール;カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘剤;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの炭素数12〜18の高級アルコール;ソルビトール、マルチトール、トレハロースなどの糖アルコール;シリコーン油;脂肪酸エステル油;金属イオン封鎖剤;酸化防止剤;植物抽出エキス;染料;顔料;pH調整剤;香料;防腐剤等を含んでいてもよい。
再整髪性をより一層良好にする観点から、上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、皮膜形成ポリマーを実質的に含まないことが好ましい。ただし、上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、皮膜形成ポリマーを含んでいてもよい。なお、皮膜形成ポリマーには、(A)親水性シリカは含まれない。皮膜形成ポリマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、皮膜形成ポリマーを含まないか、又は皮膜形成ポリマーを含みかつ上記エアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中の皮膜形成ポリマーの含有量が5質量%以下であることが好ましい。皮膜形成ポリマーの含有量が5質量%を超えると、再整髪性が低下する傾向がある。また、整髪後にべたつきやすくなる傾向があったり、整髪後の洗い落ちが悪くなる傾向があったりする。上記エアゾールスプレー整髪剤組成物100質量%中、皮膜形成ポリマーの含有量はより好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
上記皮膜形成ポリマーとしては、アニオン性皮膜形成ポリマー、カチオン性皮膜形成ポリマー、両性皮膜形成ポリマー及びノニオン性皮膜形成ポリマーなどが挙げられる。
上記アニオン性皮膜形成ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、メチルビニルエーテル/マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸モノブチルエステル/イソボロリルアクリレート共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、(スチレン/アクリル酸アルキル)共重合体、(スチレン/アクリル酸アミド)共重合体、ウレタン−アクリル系共重合体及びポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」と「メタクリル」との双方を意味する。
上記カチオン性皮膜形成ポリマーとしては、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体、及び(ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)共重合体等が挙げられる。
上記両性皮膜形成ポリマーとしては、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、N,Nジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミン=N−オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体、ジアルキルアミノエチルメタクリレート/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のモノクロル酢酸両性化物、及び(イソブチレン/ジエチルアミノプロピルマレイミド/マレイン酸)共重合体等が挙げられる。
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物は、公知慣用のエアゾールスプレー整髪剤組成物の製造方法により、製造することができる。本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤組成物は、特に限定されないが、例えば、(A)親水性シリカと、(B)油分と、(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルと、(D)エタノールと、他の成分とを混合することにより製造することができる。特に好ましい製造方法の一例としては、例えば、(B)油分に(C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルを混合した混合物に、(A)親水性シリカを入れて均一に分散させた後、(D)エタノールをさらに混合する製造方法が挙げられる。この製造方法において、他の成分の添加時期は、他の成分の種類に応じて適宜選ばれる。
[エアゾールスプレー整髪剤]
本発明に係るエアゾールスプレー整髪剤は、スプレー塗布されるエアゾールスプレー整髪剤である。上記エアゾールスプレー整髪剤は、エアゾールスプレー整髪剤組成物が霧状に噴霧されるエアゾールスプレー整髪剤であることが好ましい。
上記エアゾールスプレー整髪剤は、エアゾールスプレー容器と、上述したエアゾールスプレー整髪剤組成物と、噴射剤とを備える。上記エアゾールスプレー容器は、スプレーノズルを有する。上記エアゾールスプレー整髪剤では、上記エアゾールスプレー容器内に、上記エアゾールスプレー整髪剤組成物と上記噴射剤とが充填されている。上記エアゾールスプレー整髪剤組成物は、上記エアゾールスプレー整髪剤において、上記エアゾールスプレー容器内に充填されている充填物のうち、上記噴射剤を除く配合物である。
上記噴射剤としては、ジメチルエーテル、イソブタン、液化石油ガス及び窒素ガス等が挙げられる。上記噴射剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
目詰まりをより一層防止する観点から、上記噴射剤は、液化石油ガス及びジメチルエーテルの内の少なくとも1種を含むことが好ましく、液化石油ガスを含むことがより好ましい。
上記エアゾールスプレー整髪剤は、既知の方法により作製することができる。上記エアゾールスプレー整髪剤の作製方法としては、エアゾールスプレー整髪剤組成物又はエアゾールスプレー整髪剤組成物に含有される各配合成分をエアゾールスプレー容器内に充填して、エアゾール用バルブによりエアゾールスプレー容器をクリンチした後、噴射剤をステムより充填し、ステムに適した噴射ボタンを装着する方法等が挙げられる。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物と噴射剤との合計100質量%中、上記エアゾールスプレー整髪剤組成物の含有量は好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。上記エアゾールスプレー整髪剤組成物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、吐出性がより一層良好になる。
上記エアゾールスプレー整髪剤組成物と噴射剤との合計100質量%中、上記噴射剤の含有量は好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。上記噴射剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、吐出性がより一層良好になる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
((A)親水性シリカ)
無水ケイ酸1(親水性シリカ、日本アエロジル社製「AEROSIL 300」、平均粒径7nm、吸油量376mL/100g)
無水ケイ酸2(親水性シリカ、日本アエロジル社製「AEROSIL 200」、平均粒径12nm、吸油量280mL/100g)
(他の整髪成分)
シリル化処理無水ケイ酸(疎水性シリカ、日本アエロジル社製「AEROSIL RX300」、平均粒径7nm、吸油量350mL/100g)
アクリル樹脂アルカノールアミン(皮膜形成ポリマー、互応化学工業社製「プラスサイズ L−9909B」)
((B)油分)
流動イソパラフィン(日油社製「パールリーム EX」)
流動パラフィン(Sonneborn Inc社製「CARNATION」)
2−エチルヘキサン酸セチル(日本サーファクタント社製「CIO−N」)
イソノナン酸イソノニル(日清オイリオ社製「イソノナン酸イソノニル」)
ミリスチン酸イソプロピル(花王社製「エキセパールIPM」)
(他の油分)
2−デシルテトラデカノール(高級アルコール工業社製「リソノール 24SP」)
((C)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル)
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)(青木油脂工業社製「ブラウノン RGL−8MISE」)
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(10E.O.)(日本エマルジョン社製「GWIS−110」)
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(20E.O.)(日本エマルジョン社製「GWIS−120」)
トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(10E.O.)(日本エマルジョン社製「GWO−310」)
(他の非イオン性界面活性剤)
トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(5E.O.)(日本エマルジョン社製「GWS−305」)
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(60E.O.)(日本エマルジョン社製「GWIS−160」)
ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル(3.E.O)(日本触媒社製「ソフタノール 30」)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(40E.O.)(日本サーファクタント社製「BC−40TX」)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)(日本エマルジョン社製「EMALEX HC−20」)
((D)エタノール)
エタノール
(水)
精製水
(実施例1〜13及び比較例1〜12)
下記の表1,2に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、下記の表1,2に示す組成を有するエアゾールスプレー整髪剤組成物(原液)を調製した。得られたエアゾールスプレー整髪剤組成物(原液)と下記の表1,2に示す噴射剤とを下記の表1,2に示す質量比で配合して、エアゾール試験瓶(透明)内に充填した。
(試験例1:べたつきの無さの評価)
毛束(人毛黒髪100%、ストレート毛束、長さ:10cm、質量:1.0g、ビューラックス社製「BS−B−A」)を用意した。ピペットマン(ギルソン社製「P−1000」、容量範囲:200〜1000μl)を用いて、得られた各原液(エアゾールスプレー整髪剤組成物)400μlを上記毛束に塗布し、指で全体に馴染ませた。その後、20℃、50%RHの条件下で3分間自然乾燥させて、サンプルを作製した。
上記サンプル(各原液を塗布した毛束)3本をまとめ、大量の発砲スチロールビーズ(材質:発泡ポリスチレン、直径:4〜6mm)を入れたケースの中に埋め込んだ後、引き上げて、発砲スチロールビーズの付着数を計測した。
発砲スチロールビーズのサンプルへの付着数より、下記評価基準に従って、べたつきの無さを評価した。
<べたつきの無さの評価基準>
○(良好):発砲スチロールビーズの付着数が0〜10個
×(不良):発砲スチロールビーズの付着数が11個以上
(試験例2:再整髪性の評価)
<サンプル作製方法>
毛束(人毛黒髪100%、ストレート毛束、長さ:10cm、質量:1.0g、ビューラックス社製「BS−B−A」)を用意した。ピペットマン(ギルソン社製「P−1000」、容量範囲:200〜1000μl)を用いて、得られた各原液(エアゾールスプレー整髪剤組成物)400μlを上記毛束に塗布し、指で全体に馴染ませた。その後、20℃、50%RHの条件下で1時間自然乾燥させて、サンプルを作製した。
<測定方法>
上記サンプル(各原液を塗布した毛束)3本をまとめ、サンプルの毛束の先端3cmに櫛(歯の太さ:1mm、歯の間隔:1mm間隔)を通し、その際の応力(単位:N)を、レオメーター(サン科学社製「CR−500DX−LII」)を用いて測定し、測定値を「結束力(1回目)」とした。
次いで、上記のようにして1度櫛を通したサンプルを指で整え直し、再度上記と同様の方法にて櫛を通し、その際の応力(単位:N)を、上記レオメーターを用いて測定し、測定値を「結束力(2回目)」とした。
上記「結束力(1回目)」及び「結束力(2回目)」の値より、下記計算式に従い、再整髪性を算出し、再整髪性を下記評価基準に従い評価した。
再整髪性(%)=結束力(2回目)/結束力(1回目)×100
<再整髪性の評価基準>
○(良好):結束力(1回目)が1N以上、かつ再整髪性(%)が75%以上
△(不十分):結束力(1回目)が1N以上、かつ再整髪性(%)が50%以上、75%未満
×(不良):結束力(1回目)が1N未満、又は、再整髪性(%)が50%未満
上記結束力が高いほど、整髪性に優れることを表す。再整髪性は、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上である。また、結束力(1回目)が1N未満である場合には、整髪性自体が低いため、再整髪性も劣る。
なお、上記結束力は、具体的には以下の測定方法により測定した。図1に模式的に示す毛束用応力測定装置10を用いた。台11側に櫛12を固定し、毛束13(サンプル)をアダプター14(感圧軸)に装着して、毛束13を櫛12に通した。その後、毛束13を上方(矢印Xで示す方向)に引っ張った際の応力(単位:N)を測定した。毛束(サンプル)は、毛束の先端3cmの部分を、櫛の歯10本に均一に通した。測定条件は、引張速度:6cm/min、引張方向:伸張、移動距離:3cmとした。サンプルの毛束の先端3cmの部分で測定し、繰り返し測定された3回の測定値の平均値を結束力の測定結果とした。
(試験例3:洗い落ちの良さの評価)
<サンプル作製方法>
毛束(人毛黒髪100%、ストレート毛束、長さ:10cm、質量:1.0g、ビューラックス社製「BS−B−A」)を用意した。ピペットマン(ギルソン社製「P−1000」、容量範囲:200〜1000μl)を用いて、得られた各原液(エアゾールスプレー整髪剤組成物)400μlを上記毛束に塗布し、指で全体に馴染ませた。その後、20℃、50%RHの条件下で8時間自然乾燥させた。
次いで、得られた毛束を、40℃の洗浄液(新日本理化社製「シノリン SP−1300」の0.2%水溶液)に入れ、40℃で5分間、超音波洗浄し、20℃、50%RHの条件下で24時間自然乾燥させて、サンプルを作製した。
<測定方法>
上記サンプル(各原液を塗布した毛束)3本をまとめ、サンプルの毛束の先端3cmに櫛(歯の太さ:1mm、歯の間隔:1mm間隔)を通し、その際の応力(単位:N)を、レオメーター(サン科学社製「CR−500DX−LII」)を用いて測定した。測定値を「摩擦力」とし、洗い落ちの良さを下記評価基準に従い評価した。
<洗い落ちの良さの評価基準>
○(良好):摩擦力が1N未満である
△(不十分):摩擦力が1N以上、2N未満である
×(不良):摩擦力が2N以上である
上記摩擦力が低いほど、残留性(軋み、引っ掛かり)が低減している、即ち、洗い落ちに優れることを表す。上記摩擦力が未塗布の毛束と同等の1N未満であれば、洗い落ちが良好であると判断した。
なお、上記摩擦力の測定は、再整髪性の評価における結束力の測定方法と同様にして行った。繰り返し測定した3回の測定値の平均値を摩擦力の測定結果とした。
(試験例4:分散性の評価)
得られた各原液(エアゾールスプレー整髪剤組成物)、及び噴射剤を耐圧ビン(東京高分子社製「エアゾール試験瓶」、容量:100ml)に原液と噴射剤とが合計で30gとなるように充填(原液と噴射剤の質量比は、表1に示したとおりである)し、24時間静置した。その後に反転攪拌し、完全分散するまでの回数により、下記評価基準に従い、分散性を評価した。なお、比較例3、5については、原液にシリカを配合していないため、評価を行わなかった。
<分散性の評価基準>
○(良好):1〜2回の反転攪拌で容易に完全分散する
△(不十分):3〜5回の反転攪拌で完全分散する
×(不良):完全分散するまで、6回以上の反転攪拌が必要である
結果を下記の表1,2に示す。
Figure 0006001461
Figure 0006001461
(試験例5:目詰まり試験(吐出安定性試験))
実施例1,2で得られたエアゾールスプレー整髪剤組成物(原液)をエアゾール容器(容量:317ml)内に充填した。次いで、エアゾールバルブを容器にクリンチした後、表1に示す噴射剤をステムより充填し、ステムに適したボタンを装着してエアゾールスプレー整髪剤とした。なお、原液と噴射剤とを合計で150gとなるように充填し、原液と噴射剤の質量比は、表1に示したとおりである。また、ボタン孔径は0.51mm、ステム孔径は0.51mm(ステム孔数:2個)、ハウジング孔径は下孔径1.58mm、横孔径0.76mmであった。
各実施例について、それぞれ170本ずつのエアゾールスプレー整髪剤を作製し、目詰まり試験(吐出安定性試験)を実施した。具体的には、下記の試験条件1〜7で、それぞれ、エアゾールスプレー整髪剤の噴射状態を評価した。実施例1,2で得られたエアゾールスプレー整髪剤組成物より作製したエアゾールスプレー整髪剤は、いずれも、目詰まりがなく良好な吐出安定性を示した。なお、試験条件と結果を下記の表3に示した。
(条件1)振らずに正立状態で10秒間噴射する手順を、毎日1回、原液がなくなるまで繰り返した(試験本数:30本)。
(条件2)振らずに正立状態で1秒間噴射する手順を、毎日1回、50回繰り返した(試験本数:30本)。
(条件3)3回軽く振った後に正立状態で10秒間噴射する手順を、毎日1回、原液がなくなるまで繰り返した(試験本数:10本)。
(条件4)3回軽く振った後に正立状態で1秒間噴射する手順を、毎日1回、50回繰り返した(試験本数:10本)。
(条件5)4週間静置保管した後に、振らずに正立状態で、原液がなくなるまで全量噴射した(試験本数:30本)。
(条件6)8週間静置保管した後に、振らずに正立状態で、原液がなくなるまで全量噴射した(試験本数:30本)。
(条件7)12週間静置保管した後に、振らずに正立状態で、原液がなくなるまで全量噴射した(試験本数:30本)。
なお、保管および試験は、室温(25℃)の条件下で行った。また、正立状態で保管した。
Figure 0006001461
10…毛束用応力測定装置
11…台
12…櫛
13…毛束(サンプル)
14…アダプター

Claims (5)

  1. エアゾールスプレー容器内に充填されて用いられ、かつエアゾールスプレー整髪剤を得るために用いられるエアゾールスプレー整髪剤組成物であって、
    親水性シリカと、
    流動イソパラフィン、流動パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル及びミリスチン酸イソプロピルからなる群から選択された少なくとも1種の油分と、
    酸化エチレンの平均付加モル数が8以上かつ30以下であるポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとを含み
    エタノールを60質量%以上、98.65質量%以下で含み、
    水を含まないか、又は水を10質量%以下で含み、
    前記親水性シリカの含有量と前記油分の含有量とが、質量比で1:3〜1:25であり、
    前記親水性シリカの含有量と前記ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量とが、質量比で1:0.5〜1:10である、エアゾールスプレー整髪剤組成物。
  2. 前記親水性シリカの含有量と前記ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの含有量とが、質量比で1:1〜1:5である、請求項1に記載のエアゾールスプレー整髪剤組成物。
  3. 皮膜形成ポリマーを含まないか、又は皮膜形成ポリマー5質量%以下で含む、請求項1又は2に記載のエアゾールスプレー整髪剤組成物。
  4. 前記親水性シリカの吸油量が、100mL/100g以上かつ1000mL/100g以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアゾールスプレー整髪剤組成物。
  5. スプレー塗布されるエアゾールスプレー整髪剤であって、
    エアゾールスプレー容器と、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアゾールスプレー整髪剤組成物と、
    噴射剤とを備え、
    前記エアゾールスプレー容器内に、前記エアゾールスプレー整髪剤組成物と前記噴射剤とが充填されている、エアゾールスプレー整髪剤。
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