JP5985439B2 - 自動変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の動力を2つの湿式クラッチ及び変速段を介して被駆動部に伝達する自動変速装置に関する。
従来、自動変速装置として、特許文献1に記載されたものを本出願人は既に提案している。この特許文献1の図13〜15に示す自動変速装置は、自動車用のDCTタイプのものであり、互いに同軸に配置された第1及び第2入力軸112,113と、これらの軸112,113とエンジンとの間に配置され、乾式単板クラッチで構成された奇数段及び偶数段クラッチCo,Ceと、軸112,113と互いに平行に配置された3つの軸114〜116などを備えている。
さらに、この自動変速装置は、軸112〜116上に配置され、前進1〜5速段及び後進段を構成する多数の変速ギヤ列と、変速ギヤ列のうちの変速ギヤ120,121と軸112との間を連結/解除するシンクロ機構122と、変速ギヤ123,124と軸114との間を連結/解除するシンクロ機構125と、リバース用の変速ギヤ129とリバース軸116との間を連結/解除するリバースシンクロ機構130と、軸112のエンジンと反対側の端部に設けられた遊星歯車機構132と、この遊星歯車機構132のリングギヤ134とハウジングとの間を連結/解除する1速シンクロ機構137と、これらのシンクロ機構122,125,130,137を駆動する図示しないアクチュエータと、このアクチュエータを制御する図示しないコントローラなどを備えている。
この自動変速装置では、運転者によって後進変速段が選択された場合、コントローラによってアクチュエータが制御されることにより、偶数段クラッチCeが遮断されている状態で、リバースシンクロ機構130によって、リバース用の変速ギヤ129がリバース軸116に連結され、1速シンクロ機構137によって、リングギヤ134がハウジングに連結される。その後、偶数段クラッチCeが接続されることによって、第2入力軸113が駆動軸111に連結される。それにより、エンジンの動力が、前進走行時と比べて逆回転した状態で、駆動輪Wに伝達され、後進走行が可能となる。
特開2010−164192号公報
上記特許文献1の自動変速装置において、偶数段クラッチCeとして湿式クラッチを用いた場合、偶数段クラッチCeが遮断状態にあるときでも、ドラグトルク(空転トルク)が発生するおそれがあり、特に、偶数段クラッチCeに対する潤滑油の供給量が多い条件下や潤滑油の温度が低い条件下では、比較的、大きなドラグトルクが発生するおそれがある。そのような条件下において、運転者によって後進変速段が選択された場合、偶数段クラッチCeにおけるドラグトルクに起因して、リバース用の変速ギヤ129とリバース軸116との間で差回転が発生するとともに、アクチュエータによってリバースシンクロ機構130を駆動し、リバース用の変速ギヤ129をリバース軸116に同期させる際、アクチュエータに要求される駆動力が増大してしまう。その結果、後進段のインギヤ動作の実行時間が長くなったり、後進段のインギヤに失敗したりするという問題が発生し、商品性が低下してしまう。
この問題を解決するために、偶数段クラッチCeが遮断されている状態で、エンジン回転数を上昇させ、第2入力軸の回転数を上昇させることによって、偶数段クラッチCeのクラッチ板間に介在する潤滑油を遠心力で外側に飛散させ、クラッチ板間の潤滑油を減少させることで、偶数段クラッチCeにおけるドラグトルクを減少させることが考えられる。しかし、そのようにした場合、エンジン回転数を上昇させなければならないので、その分、燃料消費量が増大し、燃費が悪化することで、商品性が低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、2つの湿式クラッチを備えている場合において、変速段のインギヤ動作の確実性を向上させながら、インギヤ動作の実行時間を短縮でき、商品性を向上させることができる自動変速装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る自動変速装置1は、内燃機関3及び電動機4に連結された第1入力軸11と、内燃機関3と第1入力軸11との間を接続/遮断する第1クラッチ5と、被駆動部(駆動輪DW)に連結された出力軸30と、第1入力軸11と出力軸30との間に設けられ、第1変速段(前進1速段)を構成するとともに、第1変速段を介して、第1入力軸11の回転を変速しながら出力軸30に伝達するための第1変速ギヤ列(遊星歯車機構7,5速駆動ギヤ14,4−5速従動ギヤ32)と、第1変速ギヤ列のいずれか1つの第1変速ギヤ(リングギヤ7b)と連結対象(ミッションケース8)とを互いに同期させながら連結することにより、第1変速段を設定するとともに、連結を解除することにより、設定された第1変速段を解除する第1シンクロ機構(1速シンクロ機構18)と、内燃機関3に連結された、第1入力軸11と異なる第2入力軸12と、第2入力軸12に沿うように設けられた逆転軸(リバース軸40)と、逆転軸と第2入力軸12と第1入力軸11との間に設けられ、第1変速段と異なる逆転変速段(後進段)を構成するとともに、逆転変速段を介して、第2入力軸12の回転を変速すると同時に逆転させながら第1入力軸11に伝達するための逆転変速ギヤ列(入力ギヤ11a、ギヤ12a,リバース・入力ギヤ41、リバースギヤ42、アイドラギヤ44)と、逆転変速ギヤ列のいずれか1つの逆転変速ギヤ(リバースギヤ42)と、逆転軸、第2入力軸12及び第1入力軸11のうちのいずれか一つの軸(リバース軸40)とを互いに同期させながら連結することにより、逆転変速段を設定するとともに、連結を解除することにより、設定された逆転変速段を解除する逆転シンクロ機構(リバース・シンクロ機構43)と、内燃機関3と第2入力軸12との間を接続/遮断する湿式の第2クラッチ6と、潤滑油を第2クラッチ6と第2クラッチ6以外の潤滑対象(電動機4)とに対して供給するとともに、第2クラッチ6及び潤滑対象に対する潤滑油の供給割合を変更する潤滑油供給装置80と、潤滑油供給装置80による潤滑油の第2クラッチ6への供給量が、潤滑対象への供給量を上回るクラッチ側大供給量状態が発生しているか否かを判定する判定手段(ECU2、ステップ10)と、判定手段の判定結果に基づき、第1クラッチ5、第2クラッチ6、第1シンクロ機構及び逆転シンクロ機構を制御することにより、第2クラッチ6、第1シンクロ機構及び逆転シンクロ機構を介して、内燃機関3の動力を変速すると同時に逆転させながら被駆動部に伝達する動力逆転伝達制御を実行する制御手段(ECU2、ステップ1〜4)と、を備え、制御手段は、クラッチ側大供給量状態が発生していると判定されているとき(ステップ10の判別結果がYESのとき)には、動力逆転伝達制御において、逆転変速ギヤと一つの軸との回転差(リバース回転差DNR)が減少するように、電動機4を制御する第1制御(ステップ11)を実行し、第1制御の開始以降の開始タイミングで、逆転シンクロ機構を制御することにより、逆転変速ギヤ(リバースギヤ42)と一つの軸(リバース軸40)とを互いに同期させながら連結する第2制御(ステップ12)を実行するとともに、第2制御により逆転変速ギヤと一つの軸とが連結された後、第2クラッチ6を接続する第3制御(ステップ4)を実行することを特徴とする。
この自動変速装置によれば、判定手段によって、潤滑油供給装置による潤滑油の第2クラッチへの供給度合が、潤滑対象への供給度合を上回るクラッチ側大供給量状態が発生しているか否かが判定され、この判定手段の判定結果に基づき、第1クラッチ、第2クラッチ、第1シンクロ機構及び逆転シンクロ機構を制御することにより、第2クラッチ、第1シンクロ機構及び逆転シンクロ機構を介して、内燃機関の動力を変速すると同時に逆転させながら被駆動部に伝達する動力逆転伝達制御が実行される。その際、クラッチ側大供給量状態が発生していると判定されているときには、動力逆転伝達制御において、逆転変速ギヤと一つの軸との回転差が減少するように、電動機を制御する第1制御が実行され、第1制御の開始以降の開始タイミングで、逆転シンクロ機構を制御することにより、逆転変速ギヤと一つの軸とを互いに同期させながら連結する第2制御が実行されるとともに、第2制御により逆転変速ギヤと一つの軸とが連結された後、第2クラッチを接続する第3制御が実行される。
この場合、潤滑油供給装置による潤滑油の第2クラッチへの供給度合が、潤滑対象への供給度合を上回るクラッチ側大供給量状態が発生しているときには、第2クラッチが湿式であることに起因して、ドラグトルクが増大し、それに伴って、逆転変速ギヤと一つの軸との回転差が増大してしまう。これに対して、この自動変速装置によれば、クラッチ側大供給量状態が発生していると判定されているときには、動力逆転伝達制御において、まず、逆転変速ギヤと一つの軸との回転差が減少するように、電動機を制御する第1制御を実行し、この第1制御の開始以降の開始タイミングで、逆転シンクロ機構を制御することにより、逆転変速ギヤと一つの軸とを互いに同期させながら連結する第2制御が実行されるので、第1制御と第2制御の開始タイミングが同時である場合には、逆転変速ギヤと一つの軸の差回転を電動機によって迅速に減少させながら、逆転シンクロ機構よって、逆転変速ギヤと一つの軸を同期させ、連結することができる。それにより、クラッチ側大供給量状態が発生しているときでも、逆転変速段のインギヤ動作に必要な逆転シンクロ機構の駆動力を低減することができ、インギヤ動作の確実性を向上させながら、インギヤ動作の実行時間を短縮することができる。これに加えて、逆転変速ギヤと一つの軸の差回転を、電動機によって減少させるので、内燃機関によって差回転を減少させる場合と比べて、燃費を向上させることができる。以上により、商品性を向上させることができる。
また、第2制御の開始タイミングを第1制御の開始タイミングよりも遅らせた場合には、第1制御及び第2制御の開始タイミングが同時の場合と比べて、逆転変速ギヤと一つの軸を、両者の差回転がより減少したタイミングで、同期させながら連結することができる。それにより、逆転変速段のインギヤ動作に必要な逆転シンクロ機構の駆動力をさらに低減することができ、インギヤ動作の確実性をさらに向上させることができる。その結果、商品性をさらに向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の自動変速装置1において、制御手段は、クラッチ側大供給量状態が発生していると判定されているときには、動力逆転伝達制御において、第2制御の実行後、第3制御を実行する前に、第1変速ギヤ(リングギヤ7b)と連結対象(ミッションケース8)との回転差(リングギヤ速度NRI)が減少するように、電動機4を制御する第4制御(ステップ14)と、第4制御の開始以降の開始タイミングで、第1シンクロ機構(1速シンクロ機構18)を制御することにより、第1変速ギヤと連結対象とを互いに同期させながら連結する第5制御(ステップ15)と、を実行することを特徴とする。
この自動変速装置によれば、第2制御の実行後、第3制御を実行する前に、第1変速ギヤと連結対象との回転差が減少するように、電動機を制御する第4制御と、第4制御の第4制御の開始以降の開始タイミングで、第1シンクロ機構を制御することにより、第1変速ギヤと連結対象とを互いに同期させながら連結する第5制御とが順に実行されるので、第4制御と第5制御の開始タイミングが同時である場合には、第1変速ギヤと連結対象の差回転を電動機によって迅速に減少させながら、第1シンクロ機構よって、第1変速ギヤと連結対象を同期させ、連結することができる。それにより、第1変速段のインギヤ動作に必要な第1シンクロ機構の駆動力を低減することができ、第1変速段のインギヤ動作の確実性を向上させながら、インギヤ動作の実行時間を短縮することができる。
また、第5制御の開始タイミングを第4制御の開始タイミングよりも遅らせた場合には、第4制御及び第5制御の開始タイミングが同時の場合と比べて、第1変速ギヤと連結対象を、両者の差回転がより減少したタイミングで、同期させながら連結することができる。それにより、第1変速段のインギヤ動作に必要な第1シンクロ機構の駆動力をさらに低減することができ、インギヤ動作の確実性をさらに向上させることができる。以上により、商品性を向上させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の自動変速装置1において、制御手段は、クラッチ側大供給量状態が発生していないと判定されているとき(ステップ10の判別結果がNOのとき)には、動力逆転伝達制御において、第1変速ギヤ(リングギヤ7b)と連結対象(ミッションケース8)との回転差が減少するように、電動機4を制御する第6制御(ステップ16)を実行し、第6制御の開始以降の開始タイミングで、第1シンクロ機構を制御することにより、第1変速ギヤと連結対象とを互いに同期させながら連結する第7制御(ステップ17)を実行し、第7制御により第1変速ギヤと連結対象とが連結された後、逆転シンクロ機構を制御することにより、逆転変速ギヤと一つの軸とを互いに同期させながら連結する第8制御(ステップ19)を実行するとともに、第8制御により逆転変速ギヤと一つの軸とが連結された後、第2クラッチを接続する第9制御(ステップ4)を実行することを特徴とする。
この自動変速装置によれば、クラッチ側大供給量状態が発生していないと判定されているときには、動力逆転伝達制御において、第1変速ギヤと連結対象との回転差が減少するように、電動機を制御する第6制御と、第6制御の開始以降の開始タイミングで、第1シンクロ機構を制御することにより、第1変速ギヤと連結対象とを互いに同期させながら連結する第7制御とが順に実行されるので、第6制御と第7制御の開始タイミングが同時である場合には、第1変速ギヤと連結対象の差回転を電動機によって迅速に減少させながら、第1シンクロ機構よって、第1変速ギヤと連結対象を同期させ、連結することができる。それにより、第1変速段のインギヤ動作に必要な第1シンクロ機構の駆動力を低減することができ、第1変速段のインギヤ動作の確実性を向上させながら、インギヤ動作の実行時間を短縮することができる。
また、第7制御の開始タイミングを第6制御の開始タイミングよりも遅らせた場合には、2制御の開始タイミングが同時の場合と比べて、逆転変速ギヤと一つの軸を、両者の差回転がより減少したタイミングで、同期させながら連結することができる。それにより、逆転変速段のインギヤ動作に必要な逆転シンクロ機構の駆動力をさらに低減することができ、インギヤ動作の確実性をさらに向上させることができる。以上により、商品性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る自動変速装置の構成を模式的に示す図である。 自動変速装置の電気的な構成を示すブロック図である。 潤滑油供給装置の構成を示す図である。 後進変速制御処理を示すフローチャートである。 インギヤ制御処理を示すフローチャートである。 後進段用モータ制御処理を示すフローチャートである。 後進段インギヤ制御処理を示すフローチャートである。 1速段用モータ制御処理を示すフローチャートである。 1速段インギヤ制御処理を示すフローチャートである。 第2クラッチのオン制御処理を示すフローチャートである。 クラッチ側大流量故障が発生している場合の自動変速装置による制御結果の一例を示すタイミングチャートである。 クラッチ側大流量故障が発生している場合において、非発生時と同じ制御処理を実行したときの制御結果の一例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る自動変速装置について説明する。図1に示すように、本実施形態の自動変速装置1は、車両Vの駆動系に適用されたものである。この車両Vは、ハイブリッド車両タイプのものであり、動力源としての内燃機関(以下「エンジン」という)3及び電動機(以下「モータ」という)4と、被駆動部に相当する一対の駆動輪DW(1つのみ図示)と、一対の従動輪(図示せず)などを備えている。
このエンジン3は、動力を出力するためのクランク軸3aと、気筒ごとに設けられた燃料噴射弁3b及び点火プラグ3c(図2に1つのみ図示)などを有している。これらの燃料噴射弁3b及び点火プラグ3cは、図2に示すように、ECU2に電気的に接続されており、ECU2によって、動作状態が制御される。それにより、エンジン3の運転状態が制御される。
また、モータ4(潤滑対象)は、ブラシレスDCモータタイプのものであり、ECU2に電気的に接続されているとともに、ECU2によって、後述するように、運転状態が制御される。
一方、自動変速装置1は、デュアルクラッチタイプの自動変速装置であり、第1及び第2クラッチ5,6と、互いに平行に配置された第1入力軸11、第2入力軸12、副軸20、出力軸30及びリバース軸40と、後述する後進インギヤ制御処理などの各種の制御処理を実行するECU2(図2参照)などを備えている。
この第1クラッチ5は、湿式多板クラッチタイプのものであり、クランク軸3aに同心かつ一体に取り付けられたフライホイールタイプのアウタクラッチ板5aと、第1入力軸11の一端部に同心かつ一体に取り付けられたインナクラッチ板5bと、これをアウタクラッチ板5a側に駆動するための第1クラッチ・アクチュエータ51(図2参照)と、インナクラッチ板5bをアウタクラッチ板5aから離間させるように付勢するリターンスプリング(図示せず)などを備えている。
第1クラッチ・アクチュエータ51は、ECU2に電気的に接続された電動機と、この電動機よって駆動される油圧シリンダなどを含む油圧回路とを組み合わせたものであり(いずれも図示せず)、ECU2からの駆動信号が供給されたときに、リターンスプリングの付勢力に抗しながら、第1クラッチ5のインナクラッチ板5bをアウタクラッチ板5a側に駆動する。ECU2は、この第1クラッチ・アクチュエータ51を制御することにより、第1クラッチ5を接続/遮断する。この場合、第1クラッチ5が接続されているときには、エンジン3の動力が第1クラッチ5を介して、第1入力軸11に伝達される。
また、第1クラッチ・アクチュエータ51には、第1油圧センサ63(図2参照)が設けられており、この第1油圧センサ63は、第1クラッチ・アクチュエータ51の油圧回路内の油圧を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、この第1油圧センサ63の検出信号に基づき、第1クラッチ5の接続/遮断状態を判定する。
さらに、第2クラッチ6は、第1クラッチ5と同様の湿式多板クラッチタイプのものであり、第1クラッチ5のアウタクラッチ板5aに同心かつ一体に固定されたアウタクラッチ板6aと、第2入力軸12の一端部に一体に取り付けられたインナクラッチ板6bと、これをアウタクラッチ板6a側に駆動する第2クラッチ・アクチュエータ52(図2参照)と、インナクラッチ板6bをアウタクラッチ板6aから離間させるように付勢するリターンスプリング(図示せず)などを備えている。
この第2クラッチ・アクチュエータ52は、前述した第1クラッチ・アクチュエータ51と同様に構成されており、ECU2からの駆動信号が供給されたときに、リターンスプリングの付勢力に抗しながら、第2クラッチ6のインナクラッチ板6bをアウタクラッチ板6a側に駆動する。ECU2は、第2クラッチ・アクチュエータ52を制御することにより、第2クラッチ6を接続/遮断する。この場合、第2クラッチ6が接続されているときには、エンジン3の動力が第2クラッチ6を介して、第2入力軸12に伝達される。
また、第2クラッチ・アクチュエータ52には、第2油圧センサ64(図2参照)が設けられており、この第2油圧センサ64は、第2クラッチ・アクチュエータ52の油圧回路内の油圧を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、この第2油圧センサ64の検出信号に基づき、第2クラッチ6の接続/遮断状態を判定する。
なお、以下の説明では、第2クラッチ6を接続することを「第2クラッチ6をオンする」といい、第2クラッチ6を遮断することを「第2クラッチ6をオフする」という。この点は、第1クラッチ5においても同様である。
一方、前述した第1入力軸11は、図示しない軸受を介して、ミッションケース8(連結対象)に回転自在に支持されており、その一端部には、前述した第1クラッチ5のインナクラッチ板5bが固定されているとともに、他端部には、後述する遊星歯車機構7のサンギヤ7aが同心に固定されている。
この第1入力軸11上には、エンジン3側からモータ4側に向かって、入力ギヤ11a、3速駆動ギヤ13、3速シンクロ機構16、7速駆動ギヤ15、3−5速シンクロ機構17、5速駆動ギヤ14、中空軸19、遊星歯車機構7及び1速シンクロ機構18が設けられている。これらの要素7,11a,13〜19は、第1入力軸11と同心に配置されており、入力ギヤ11a(逆転変速ギヤ)は、後述するリバースギヤ42(逆転変速ギヤ)に噛み合うように配置されている。
この第1入力軸11の近傍には、第1回転速度センサ61が設けられている。この第1回転速度センサ61は、第1入力軸11の回転速度である第1回転速度N1を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、第2入力軸12は、第1入力軸11と同心に配置された中空のものであり、その内孔で第1入力軸11に回転自在に嵌合しているとともに、図示しない軸受を介して、ミッションケース8に回転自在に支持されている。
この第2入力軸12の近傍には、第2回転速度センサ62が設けられている。この第2回転速度センサ62は、第2入力軸12の回転速度である第2回転速度N2を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、第2入力軸12の一端部には、前述した第2クラッチ6のインナクラッチ板6bが同心に取り付けられており、他端部には、ギヤ12a(逆転変速ギヤ)が同心に取り付けられている。このギヤ12aは、アイドラギヤ44(逆転変速ギヤ)に噛み合っている。
一方、3速駆動ギヤ13は、第1入力軸11上に回転自在に設けられており、出力軸30の後述する2−3速従動ギヤ31に常に噛み合っているとともに、これらのギヤ13,31によって、前進3速段が構成されている。
また、前述した3速シンクロ機構16は、その詳細な説明はここでは省略するが、本出願人が例えば特許第4242189号で提案したシンクロ機構と同様に構成されており、図示しない3速シフトフォークを介して、ギヤ・アクチュエータ53(図2参照)に連結されている。
このギヤ・アクチュエータ53は、ECU2に電気的に接続された電動機とギヤ機構などを組み合わせたものであり、変速動作の際には、ECU2の制御により、3速シフトフォークを介して、3速シンクロ機構16を駆動する。それにより、3速駆動ギヤ13が第1入力軸11に連結されたり、その連結が解除されたりすることによって、前進3速段がインギヤ状態とニュートラル状態との間で切り換えられる。
また、7速駆動ギヤ15は、第1入力軸11上に回転自在に設けられており、出力軸30の後述する6−7速従動ギヤ33に常に噛み合っているとともに、これらのギヤ15,33によって、前進7速段が構成されている。さらに、5速駆動ギヤ14(第1変速ギヤ)は、中空軸19のエンジン3側の端部に一体に設けられており、出力軸30の後述する4−5速従動ギヤ32(第1変速ギヤ)に常に噛み合っているとともに、これらのギヤ14,32によって、前進5速段が構成されている。
一方、5−7速シンクロ機構17は、前述した3速シンクロ機構16と同様に構成されており、図示しない5−7速シフトフォークを介して、ギヤ・アクチュエータ53に連結されている。変速動作の際には、ギヤ・アクチュエータ53によって、5−7速シンクロ機構17が駆動されることにより、前進5速段及び前進7速段がインギヤ状態とニュートラル状態との間で切り換えられる。
一方、前述した遊星歯車機構7(第1変速ギヤ列)は、シングルプラネタリ式のものであり、サンギヤ7aと、遊星歯車機構7の外周に回転自在に設けられ、サンギヤ7aよりも歯数が多いリングギヤ7b(1つの第1変速ギヤ)と、両ギヤ7a,7bに噛み合う複数(例えば3つ)のプラネタリギヤ7c(2つのみ図示)と、プラネタリギヤ7cを回転自在に支持する回転自在のキャリア7dとを有している。
サンギヤ7aは、モータ4の回転軸4aに同心に取り付けられているとともに、このモータ4の回転軸4aは、第1入力軸11と同軸かつ一体に構成されている。以上の構成により、回転軸4a、サンギヤ7a及び第1入力軸11は、互いに一体に回転する。また、キャリア7dは、中空軸19に一体かつ同心に取り付けられており、リングギヤ7bには、前述した1速シンクロ機構18が設けられている。
この1速シンクロ機構18(第1シンクロ機構)は、前述した3速シンクロ機構16と同様に構成されており、図示しない1速シフトフォークを介して、ギヤ・アクチュエータ53に連結されている。変速動作の際には、前進1速段をインギヤするときには、ギヤ・アクチュエータ53によって、1速シンクロ機構18が駆動されることにより、リングギヤ7bがミッションケース8に連結され、それにより、リングギヤ7bが回転不能に保持される。
また、前進1速段をニュートラル状態にするときには、1速シンクロ機構18によって、リングギヤ7bとミッションケース8の連結が解除される。それにより、リングギヤ7bの回転が許容される。
以上の構成により、この自動変速装置1では、前進1速段がインギヤされ、前進1速段で走行する際、エンジン3の動力は、第1クラッチ5、第1入力軸11、遊星歯車機構7、中空軸19、5速駆動ギヤ14、4−5速従動ギヤ32、出力軸30、出力ギヤ34及び終減速装置FGを介して、駆動輪DWに伝達される。
なお、この自動変速装置1の場合、後述するように、後進走行する際にも、1速シンクロ機構18によって、リングギヤ7bがミッションケース8に連結されるので、以下の説明では、前進走行及び後進走行にかかわらず、1速シンクロ機構18によって、リングギヤ7bとミッションケース8を連結することを「前進1速段をインギヤする」という。
一方、前述した副軸20は、図示しない軸受を介して、ミッションケース8に回転自在に支持されている。この副軸20上には、エンジン3側からモータ4側に向かって順に、入力ギヤ24、2速駆動ギヤ21、2速シンクロ機構25、6速駆動ギヤ23、4−6速シンクロ機構26及び4速駆動ギヤ22が設けられている。
入力ギヤ24は、アイドラギヤ44と噛み合っており、このアイドラギヤ44は、前述したように、第2入力軸12のギヤ12aに噛み合っている。それにより、副軸20は、これらのギヤ12a,44,24を介して、第2入力軸12に連結されている。
また、2速駆動ギヤ21は、副軸20上に回転自在に設けられており、出力軸30の2−3速従動ギヤ31に常に噛み合っているとともに、これらのギヤ21,31によって、前進2速段が構成されている。
さらに、2速シンクロ機構25は、図示しない2速シフトフォークを介して、前述したギヤ・アクチュエータ53に連結されている。変速動作の際には、ギヤ・アクチュエータ53によって、2速シンクロ機構25が駆動されることにより、前進2速段がインギヤ状態とニュートラル状態との間で切り換えられる。
一方、6速駆動ギヤ23は、副軸20上に回転自在に設けられており、出力軸30の6−7速従動ギヤ33に常に噛み合っているとともに、これらのギヤ23,33によって、前進6速段が構成されている。さらに、4速駆動ギヤ22も、副軸20上に回転自在に設けられており、上述した4−5速従動ギヤ32に常に噛み合っているとともに、これらのギヤ22,32によって、前進4速段が構成されている。
また、4−6速シンクロ機構26は、図示しない4−6速シフトフォークを介して、前述したギヤ・アクチュエータ53に連結されている。変速動作時、ギヤ・アクチュエータ53によって、4−6速シンクロ機構26が駆動されることにより、前進4速段及び前進6速段がインギヤ状態とニュートラル状態との間で切り換えられる。
さらに、出力軸30は、図示しない軸受を介して、ミッションケース8に回転自在に支持されている。この出力軸30には、エンジン3側からモータ4側に向かって順に、出力ギヤ34、2−3速従動ギヤ31、6−7速従動ギヤ33及び4−5速従動ギヤ32が配置されている。これらの4つのギヤ31〜34はいずれも、出力軸30に同心に固定されている。
一方、前述したように、2−3速従動ギヤ31は2速駆動ギヤ21及び3速駆動ギヤ13に、6−7速従動ギヤ33は6速駆動ギヤ23及び7速駆動ギヤ15に、4−5速従動ギヤ32は4速駆動ギヤ22及び5速駆動ギヤ14にそれぞれ噛み合っている。さらに、出力ギヤ34は、終減速装置FGに常に噛み合っており、それにより、出力軸30の回転は、終減速装置FGを介して、駆動輪DWに伝達される。
また、出力軸30の近傍には、出力回転速度センサ60が設けられている(図2参照)。この出力回転速度センサ60は、出力軸30の回転速度である出力回転速度NCを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、この出力回転速度センサ60の検出信号に基づき、車両Vの速度である車速VPなどを算出する。
一方、リバース軸40上には、エンジン3側からモータ4側に向かって、リバース・入力ギヤ41、リバースギヤ42及びリバース・シンクロ機構43が設けられている。リバース・入力ギヤ41(逆転変速ギヤ)は、リバース軸40(逆転軸)に同軸に固定されており、前述したアイドラギヤ44と噛み合っている。また、リバースギヤ42(逆転変速ギヤ)は、リバース軸40上に回転自在に設けられており、第1入力軸11の前述した入力ギヤ11aと噛み合っている。
さらに、リバース・シンクロ機構43(逆転シンクロ機構)は、前述した3速シンクロ機構16と同様に構成されており、図示しないリバース・シフトフォークを介して、ギヤ・アクチュエータ53に連結されている。後進走行する際の変速動作時には、後述するように、ギヤ・アクチュエータ53によってリバース・シンクロ機構43が駆動されることにより、リバースギヤ42がリバース軸40に連結される。また、後進段をニュートラル状態にするときには、リバース・シンクロ機構43によって、リバースギヤ42とリバース軸40の連結が解除される。なお、以下の説明では、リバース・シンクロ機構43によって、リバースギヤ42とリバース軸40を連結することを「後進段をインギヤする」という。
また、ギヤ・アクチュエータ53の近傍には、変速段センサ65(図2参照)が設けられている。この変速段センサ65は、ギヤ・アクチュエータ53の動作状態を検出して、検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、このギヤ・アクチュエータ53の検出信号に基づき、前進1〜7速段及び後進段がインギヤ状態にあるか又はニュートラル状態にあるかなどを判定する。
一方、図3に示すように、自動変速装置1には、潤滑油供給装置80が設けられている。この潤滑油供給装置80は、モータ4及び2つのクラッチ5,6などに潤滑油を供給するものであり、オイルポンプ81、リリーフ弁82、オイルパン83、流量制御弁84及び流量切換弁85などを備えている。
このオイルポンプ81は、機械式のものであり、エンジン3の運転中、エンジン3のクランクシャフト3aの動力によって駆動される。その際、オイルポンプ81は、油路86aを介してオイルパン83内の潤滑油を吸い込むとともに、吸い込んだ潤滑油を、油路86b及び油路86cを介して、リリーフ弁82側及び流量制御弁84側にそれぞれ吐出する。
この場合、オイルポンプ81の吐出圧が所定のリリーフ圧以上であるときには、リリーフ弁82が開弁することにより、潤滑油が油路86eを介して油路86aに戻される。また、オイルポンプ81の吐出圧が所定のリリーフ圧未満であるときには、リリーフ弁82が閉弁状態に保持されることにより、オイルポンプ81が吐出した潤滑油は、油路86dを介して、流量切換弁85に供給される。
また、流量制御弁84は、常閉型の電磁弁タイプのものであり、ECU2に電気的に接続されている。この流量制御弁84の場合、ECU2からの制御入力信号が供給されているときには開弁状態に保持され、それにより、制御油圧を油路86fを介して流量切換弁85側に供給する。一方、ECU2からの電気信号が入力されていないときには、流量制御弁84が閉弁状態に保持され、それにより、制御油圧が流量切換弁85側に供給されない状態となる。
さらに、流量切換弁85は、スプール弁タイプのものであり、オイルポンプ81から供給された潤滑油を、供給路86g,86hを介して、モータ4側と第1及び第2クラッチ5,6側とにそれぞれ分配して供給するとともに、その分配割合が流量制御弁84からの制御油圧の有無に応じて2種類に切り換えられる。具体的には、制御油圧が流量制御弁84から流量切換弁85に供給されているときには、潤滑油は、第1及び第2クラッチ5,6側に大流量で、モータ4側に小流量でそれぞれ供給される。また、制御油圧が流量制御弁84から流量切換弁85に供給されていないときには、潤滑油は、上記とは逆に、第1及び第2クラッチ5,6側に小流量で供給され、モータ4側に大流量で供給される。
一方、車両Vには、シフトレバー装置及びアクセルペダル(いずれも図示せず)が設けられている。このシフトレバー装置は、フロアシフトレバータイプのものであり、シフト位置として、パーキング位置、リバース位置、ニュートラル位置、ドライブ位置及びスポーツ位置の5つの位置を備えており、運転者によるシフト操作に伴い、そのシフト位置が5つの位置の間で切り換え選択可能に構成されている。
このシフトレバー装置には、シフト位置センサ66(図2参照)が設けられており、このシフト位置センサ66は、シフトレバー装置において5つのシフト位置のうちのどの位置が選択されているかを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、図2に示すように、ECU2には、モータ温度センサ67が電気的に接続されている。このモータ温度センサ67は、モータ4の温度(以下「モータ温度」という)Tmotを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、前述した各種のセンサ60〜67の検出信号信号などに応じて、以下に述べように、後進変速制御処理などの各種の制御処理を実行する。なお、本実施形態では、ECU2が判定手段及び制御手段に相当する。
以下、図4を参照しながら、後進変速制御処理について説明する。この制御処理は、後進走行する際、前述したギヤ・アクチュエータ53及びモータ4を制御することによって、後進段及び前進1速段をインギヤするとともに、第2クラッチ6をオンするものであり、ECU2によって所定の制御周期(例えば10msec)で実行される。
同図に示すように、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、シフト位置センサ66の検出信号に基づき、シフトレバー装置においてリバース位置が選択されているか否かを判定する。
この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、この判別結果がYESのとき、すなわちシフトレバー装置においてリバース位置が選択されているときには、ステップ2に進み、後進変速準備フラグF_READYが「1」であるか否かを判別する。
この後進変速準備フラグF_READYは、後進変速制御処理を実行する準備ができているか否かを表すものであり、図示しない判定処理において、2つのクラッチ5,6がいずれもオフされ、かつ前進1〜6速段及び後進段がいずれもニュートラル状態にあるときには「1」に設定され、それ以外のときには「0」に設定される。
ステップ2の判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ2の判別結果がYESのときには、後進変速制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ3に進み、インギヤ制御処理を実行する。このインギヤ制御処理は、後進段及び前進1速段をインギヤするものであり、具体的には、図5に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ10で、クラッチ側大流量故障フラグF_CLFALEが「1」であるか否かを判別する。このクラッチ側大流量故障フラグF_CLFALEは、前述した流量制御弁84又は流量切換弁85の動作不良などに起因して、2つのクラッチ5,6側への潤滑油量が大流量に、モータ4側への潤滑油量が小流量にそれぞれ保持される故障(以下「クラッチ側大流量故障」という)が発生しているか否かを表すものである。このクラッチ側大流量故障フラグF_CLFALEは、図示しない判定処理において、モータ温度Tmotの変化や流量制御弁84への制御入力信号の値などに基づき、クラッチ側大流量故障が発生していると判定されたときには「1」に設定され、それ以外のときには「0」に設定される。
ステップ10の判別結果がYESで、クラッチ側大流量故障が発生しているときには、ステップ11に進み、後進段用モータ制御処理を実行する。この制御処理は、ギヤ・アクチュエータ53による後進段のボーク動作(同期連結動作)をアシストするためのものであり、具体的には図6に示すように実行される。
まず、ステップ30で、後進段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_REVが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、後進段用モータ制御処理を実行済みであるときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ30の判別結果がNOのときには、後進段用モータ制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ31に進み、リバースギヤ速度NR_Gを算出する。このリバースギヤ速度NR_Gは、リバースギヤ42の回転速度であり、前述した第1回転速度センサ61の検出信号に基づいて算出される。
次いで、ステップ32に進み、リバース軸速度NR_Sを算出する。このリバース軸速度NR_Sは、リバース軸40の回転速度であり、前述した第2回転速度センサ62の検出信号に基づいて算出される。
次に、ステップ33で、リバース回転差DNRを、リバース軸速度NR_Sとリバースギヤ速度NR_Gとの偏差(NR_S−NR_G)に設定する。
ステップ33に続くステップ34で、−α≦DNR≦αが成立しているか否かを判別する。この値αは、リバース回転差DNRが値0付近に収束したか否かを判定するための判定値であり、値0に近い正値に設定されている。
ステップ34の判別結果がNOのときには、ステップ35に進み、モータ回転制御処理を実行する。この制御処理では、リバース回転差DNRを値0付近に収束させるように、モータ4の回転速度が制御される。このようにステップ35を実行した後、本処理を終了する。
以上のように、ステップ35を実行した場合、制御の進行に伴って、リバース回転差DNRの絶対値が減少し、上述したステップ34の判別結果がYESとなる。その場合には、ステップ36に進み、後進段用モータ制御処理を実行済みであることを表すために、後進段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_REVを「1」に設定した後、本処理を終了する。
図5に戻り、ステップ11で、後進段用モータ制御処理を以上のように実行した後、ステップ12に進み、後進段インギヤ制御処理を実行する。この制御処理は、リバース・シンクロ機構43によって、後進段をインギヤするものであり、具体的には図7に示すように実行される。
まず、ステップ40で、上述した後進段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_REVが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ40の判別結果がYESのとき、すなわち、後進段用モータ制御処理の実行により、リバース回転差DNRが値0付近に収束したと判定されているときには、ステップ41に進み、後進段インギヤフラグF_RVS_INGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、後進段がインギヤ状態になっているときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ41の判別結果がNOで、後進段がインギヤ状態になっていないときには、ステップ42に進み、後進段のインギヤ駆動処理を実行する。具体的には、ギヤ・アクチュエータ53を制御し、リバース・シンクロ機構43を駆動することによって、リバースギヤ42をリバース軸40に連結する。
次いで、ステップ43に進み、前述した変速段センサ65の検出信号に基づき、後進段がインギヤされたか否か、すなわちリバースギヤ42がリバース軸40に連結されたか否かを判定する。
この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、この判別結果がYESで、後進段がインギヤされたときには、ステップ44に進み、それを表すために、後進段インギヤフラグF_RVS_INGを「1」に設定した後、本処理を終了する。
図5に戻り、ステップ12で、後進段インギヤ制御処理を以上のように実行した後、ステップ13に進み、上述した後進段インギヤフラグF_RVS_INGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、後進段がインギヤ状態になっていないときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ13の判別結果がYESで、後進段がインギヤ状態になっているときには、ステップ14に進み、1速段用モータ制御処理を実行する。この制御処理は、ギヤ・アクチュエータ53による1速段のインギヤをアシストするためのものであり、具体的には図8に示すように実行される。
まず、ステップ50で、1速段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_1STが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、1速段用モータ制御処理を実行済みであるときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ50の判別結果がNOのときには、1速段用モータ制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ51に進み、前述した出力回転速度センサ60及び第1回転速度センサ61の検出信号に基づき、リングギヤ速度NRIを算出する。このリングギヤ速度NRIは、遊星歯車機構7のリングギヤ7bの回転速度であり、ミッションケース8の回転速度が値0である関係上、リングギヤ7bとミッションケース8との回転差に相当する。
次いで、ステップ52に進み、−α≦NRI≦αが成立しているか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ53に進み、モータ回転制御処理を実行する。このモータ回転制御処理では、リングギヤ速度NRIを値0付近に収束させるように、モータ4が制御される。このようにステップ53を実行した後、本処理を終了する。
以上のように、ステップ53を実行した場合、制御の進行に伴って、リングギヤ速度NRIの絶対値が減少し、リングギヤ7bが停止状態に近づくことで、上述したステップ52の判別結果がYESとなる。その場合には、ステップ54に進み、1速段用モータ制御処理を実行済みであることを表すために、1速段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_1STを「1」に設定した後、本処理を終了する。
図5に戻り、ステップ14で、1速段用モータ制御処理を以上のように実行した後、ステップ15に進み、1速段インギヤ制御処理を実行する。この制御処理は、1速シンクロ機構18によって、前進1速段をインギヤするものであり、具体的には図9に示すように実行される。
まず、ステップ60で、上述した1速段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_1STが「1」であるか否かを判定する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ60の判別結果がYESのとき、すなわち、1速段用モータ制御処理の実行により、リングギヤ速度NRIが値0付近に収束したと判定されているときには、ステップ61に進み、1速段インギヤフラグF_1ST_INGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、前進1速段がインギヤ状態になっているときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ61の判別結果がNOで、前進1速段がインギヤ状態になっていないときには、ステップ62に進み、1速段のインギヤ駆動処理を実行する。具体的には、ギヤ・アクチュエータ53を制御し、1速シンクロ機構18を駆動することによって、リングギヤ7bをミッションケース8に連結する。
次いで、ステップ63に進み、前述した変速段センサ65の検出信号に基づき、前進1速段がインギヤされたか否か、すなわちリングギヤ7bがミッションケース8に連結されたか否かを判定する。
この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、この判別結果がYESで、前進1速段がインギヤされたときには、ステップ64に進み、それを表すために、1速段インギヤフラグF_1ST_INGを「1」に設定した後、本処理を終了する。
図5に戻り、ステップ15で、1速段インギヤ制御処理を以上のように実行した後、本処理を終了する。
一方、前述したステップ10の判別結果がNOで、クラッチ側大流量故障が発生していないときには、ステップ16に進み、前述したステップ14の制御処理と同一の手法により、1速段用モータ制御処理を実行する。
次いで、ステップ17に進み、前述したステップ15の制御処理と同一の手法により、1速段インギヤ制御処理を実行する。
次に、ステップ18に進み、前述した1速段インギヤフラグF_1ST_INGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、前進1速段がインギヤ状態になっていないときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ18の判別結果がYESで、前進1速段がインギヤ状態になっているときには、ステップ19に進み、前述したステップ12の制御処理と同一の手法により、後進段インギヤ制御処理を実行した後、本処理を終了する。
図4に戻り、ステップ3で、インギヤ制御処理を以上のように実行した後、ステップ4に進み、第2クラッチのオン制御処理を実行する。この制御処理は、具体的には、図10に示すように実行される。
まず、ステップ70で、前述した1速段インギヤフラグF_1ST_INGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、前進1速段がインギヤ状態になっていないときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ70の判別結果がYESで、前進1速段がインギヤ状態になっているときには、ステップ71に進み、前述した後進段インギヤフラグF_RVS_INGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、後進段がインギヤ状態になっていないときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ71の判別結果がYESのとき、すなわち前進1速段及び後進段がいずれもインギヤ状態になっているときには、ステップ72に進み、前述した第2クラッチ・アクチュエータ52を制御することにより、第2クラッチ6をオン状態に駆動する。
次いで、ステップ73に進み、前述した第2油圧センサ64の検出信号に基づき、第2クラッチ6がオン状態になったか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ73の判別結果がYESで、第2クラッチ6がオン状態になったときには、第2クラッチのオン制御処理を終了すべきであると判定して、ステップ74に進み、前述した4つのフラグF_MOT_REV,F_RVS_ING,F_MOT_1ST,F_1ST_INGをいずれも値0に設定した後、本処理を終了する。
図4に戻り、ステップ4で、第2クラッチのオン制御処理を以上のように実行した後、同図の後進変速制御処理を終了する。
次に、以上のように後進変速制御処理を実行したときの制御結果について説明する。図11は、クラッチ側大流量故障が発生している場合において、本実施形態の後進変速制御処理を実行したときの制御結果の一例(以下「本制御例」という)を示しており、図12は、比較のために、クラッチ側大流量故障が発生しているにもかかわらず、非発生時と同じ制御処理(前述したステップ16〜19)を実行した場合の制御結果の一例(以下「比較制御例」という)を示している。なお、両図11,12において、値LOAD_GAは、ギヤ・アクチュエータ53におけるシンクロ荷重であり、シンクロ機構を駆動し、ギヤ段を連結させる際のギヤ・アクチュエータ53の駆動力に相当する。
図11に示すように、本制御例の場合、時刻t1で、シフトレバー装置においてリバース位置が選択されると、前述したステップ11の後進段用モータ制御処理が開始される。それにより、リバース回転差DNRが値0になるように、モータ4が制御されることで、リバースギヤ速度NR_Gがリバース軸速度NR_Sに収束するように変化する。
そして、時刻t2で、リバースギヤ速度NR_Gがリバース軸速度NR_Sに収束し、−α≦DNR≦αが成立すると、後進段用モータ制御処理が終了し、後進段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_REVが「1」に設定される。それにより、時刻t2で、ステップ12の後進段インギヤ制御処理が開始されることにより、後進段をインギヤするように、ギヤ・アクチュエータ53におけるシンクロ荷重LOAD_GAが、応答遅れを伴ったタイミング(時刻t2よりも若干後のタイミング)で増大し始める。その後、リバースギヤ42及びリバース軸40が互いに同期するのに伴い、シンクロ荷重LOAD_GAが減少する。
そして、時刻t3で、後進段がインギヤされると、後進段インギヤフラグF_RVS_INGが「1」に設定されることで、ステップ14の1速段用モータ制御処理が開始される。それにより、リングギヤ速度NRIが値0に収束するように、モータ4が制御されることで、リバースギヤ速度NR_G及びリバース軸速度NR_Sがいずれも値0に収束するように変化する。
そして、制御の進行に伴い、時刻t4で、−α≦NRI≦αが成立すると、1速段用モータ制御処理が終了し、1速段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_1STが「1」に設定される。それにより、時刻t3で、ステップ15の1速段インギヤ制御処理が開始されることにより、前進1速段をインギヤするように、シンクロ荷重LOAD_GAが、応答遅れを伴ったタイミング(時刻t3よりも若干後のタイミング)で増大し始める。そして、リングギヤ7b及びミッションケース8が互いに同期するのに伴い、シンクロ荷重LOAD_GAが減少する。
その後、時刻t5で、前進1速段がインギヤされると、1速段インギヤフラグF_1ST_INGが「1」に設定される。それにより、図示しないが、ステップ4の第2クラッチのオン制御処理が開始され、第2クラッチ6が接続されることにより、後進走行が可能になる。
これに対して、比較制御例の場合、時刻t10で、シフトレバー装置においてリバース位置が選択されると、前述したステップ16の1速段用モータ制御処理が開始される。それにより、リングギヤ速度NRIが値0に収束するように、モータ4が制御されることで、リバースギヤ速度NR_Gが値0に収束するように変化する。
そして、時刻t11で、−α≦NRI≦αが成立すると、1速段用モータ制御処理が終了し、1速段用モータ制御の実行済みフラグF_MOT_1STが「1」に設定される。それにより、時刻t11で、ステップ17の1速段インギヤ制御処理が開始されることにより、前進1速段をインギヤするように、シンクロ荷重LOAD_GAが、応答遅れを伴ったタイミング(時刻t11よりも若干後のタイミング)で増大し始める。そして、リングギヤ7b及びミッションケース8が互いに同期するのに伴い、シンクロ荷重LOAD_GAが減少する。
その後、時刻t12で、前進1速段がインギヤされると、1速段インギヤフラグF_1ST_INGが「1」に設定される。それにより、ステップ19の後進段インギヤ制御処理が開始されることにより、時刻t12以降、後進段をインギヤするように、シンクロ荷重LOAD_GAが増大するものの、第2クラッチ6のドラグトルクが大きいことに起因して、リバースギヤ速度NR_Gがリバース軸速度NR_Sに収束することなく、後進段がインギヤされない状態となってしまう。
このように、比較制御例の制御手法の場合、クラッチ側大流量故障が発生している条件下では、ギヤ・アクチュエータ53のシンクロ荷重LOAD_GAのみによって、後進段をインギヤすることができず、後進走行ができない状態となってしまうことが判る。これに対して、本実施形態の制御手法によれば、クラッチ側大供給量状態が発生しているときでも、モータ4の制御によるアシストによって、後進段及び前進1速段のインギヤ動作に必要なギヤ・アクチュエータ53のシンクロ荷重LOAD_GAを低減することができ、インギヤ動作の確実性を向上させながら、インギヤ動作の実行時間を短縮することができることが判る。
以上のように、本実施形態の自動変速装置1によれば、クラッチ側大流量故障が発生しているときには、ステップ11〜15の制御処理が実行される。その際、ステップ11の後進段用モータ制御処理が実行済みになったタイミングで、ステップ12の後進段インギヤ制御処理が開始されるので、モータ4によって、リバース軸40とリバースギヤ42のリバース回転差DNRを迅速に値0付近に収束させた後、リバース・シンクロ機構43よって、リバースギヤ42とリバース軸40を同期させ、連結することができる。それにより、クラッチ側大流量故障の発生に起因して、第2クラッチのドラグトルクが増大しているときでも、モータ4のアシストによって、後進段のインギヤ動作に必要なリバース・シンクロ機構43のシンクロ荷重LOAD_GAを低減することができ、後進段のインギヤ動作の確実性を向上させながら、後進段のインギヤ動作の実行時間を短縮することができる。また、その際、リバース回転差DNRを、モータ4によって減少させるので、エンジン3によってリバース回転差DNRを減少させる場合と比べて、燃費を向上させることができる。
これに加えて、後進段がインギヤされた後、ステップ14の1速段用モータ制御処理を実行し、これが実行済みになったタイミングで、ステップ15の1速段インギヤ制御処理が開始されるので、リングギヤ7bとミッションケース8との回転差であるリングギヤ速度NRIを、モータ4によって迅速に値0付近に収束させた後、1速シンクロ機構18よって、リングギヤ7bとミッションケース8を同期させ、連結することができる。それにより、モータ4のアシストによって、1速段のインギヤ動作に必要な1速シンクロ機構18のシンクロ荷重LOAD_GAを低減することができ、1速段のインギヤ動作の確実性を向上させながら、1速段のインギヤ動作の実行時間を短縮することができる。以上により、後進走行する際、後進段及び1速段のインギヤ動作の確実性を向上させながら、インギヤ動作の実行時間を短縮することができ、商品性を向上させることができる。
また、クラッチ側大流量故障が発生していないときには、ステップ16〜19の制御処理が実行される。その際、ステップ16の1速段用モータ制御処理が実行済みになったタイミングで、ステップ17の1速段インギヤ制御処理が開始されるので、モータ4のアシストによって、1速段のインギヤ動作に必要な1速シンクロ機構18のシンクロ荷重LOAD_GAを低減することができ、1速段のインギヤ動作の確実性を向上させながら、1速段のインギヤ動作の実行時間を短縮することができる。その結果、商品性をさらに向上させることができる。
なお、実施形態は、第1制御としての後進段用モータ制御処理を実行し、−α≦DNR≦αが成立したタイミングで、第2制御としての後進段インギヤ制御処理を開始した例であるが、第2制御の実行開始タイミングは、第1制御の実行開始以降であればよい。例えば、第1制御としての後進段用モータ制御処理と、第2制御としての後進段インギヤ制御処理とを同時に開始するように構成してもよい。このように構成した場合でも、モータ4のアシストによって、リバース回転差DNRをほぼ値0に収束させながら、後進段のインギヤ動作を実行することができ、それにより、後進段をインギヤする際のギヤ・アクチュエータ53のシンクロ荷重LOAD_GAを低減することができる。
また、実施形態は、第3制御としての1速段用モータ制御処理を実行し、−α≦NRI≦αが成立したタイミングで、第4制御としての1速段インギヤ制御処理を開始した例であるが、第4制御の実行開始タイミングは、第3制御の実行開始以降であればよい。例えば、第3制御としての1速段用モータ制御処理と、第4制御としての1速段インギヤ制御処理とを同時に開始するように構成してもよい。このように構成した場合でも、リバース回転差DNRをほぼ値0に収束させながら、1速段のインギヤ動作を実行することができ、それにより、1速段をインギヤする際のギヤ・アクチュエータ53のシンクロ荷重LOAD_GAを低減することができる。
さらに、実施形態は、クラッチ側大流量故障が発生しているときに、クラッチ側供給量状態が発生していると判定した例であるが、本発明のクラッチ側供給量状態の発生の判定はこれに限らず、潤滑油の第2クラッチ側への供給量が、潤滑対象への供給量を上回る状態が発生しているときであればよい。例えば、実施形態において、流量制御弁84及び流量切換弁85が正常な場合であっても、第1クラッチ5及び第2クラッチ6側への潤滑油量が大流量に、モータ4側への潤滑油量が小流量にそれぞれなっているときに、前述したステップ11〜15の制御処理を実行するように構成してもよい。
一方、実施形態は、ミッションケース8を連結対象とした例であるが、本発明の連結対象はこれに限らず、第1変速ギヤを連結することにより、第1変速段を設定できるものであればよい。例えば、第1入力軸11や出力軸30を連結対象としてもよい。
また、実施形態は、リバース軸40を逆転軸とした例であるが、本発明の逆転軸はこれに限らず、逆転変速ギヤを連結することにより、逆転変速段を設定できるものであればよい。例えば、第1入力軸11、第2入力軸12及び副軸20のいずれかを逆転軸としてもよい。
さらに、実施形態は、モータ4を潤滑対象とした例であるが、本発明の潤滑対象はこれに限らず、潤滑油によって潤滑されるものであればよい。例えば、内燃機関の動弁系を潤滑対象としてもよい。
一方、実施形態は、自動変速装置1を車両Vに適用した例であるが、本発明の自動変速装置は、これに限らず、内燃機関及び電動機を動力源として備えた船舶や他の産業機器にも適用可能である。例えば、本発明の自動変速装置を船舶に適用した場合には、スクリューが被駆動部に相当する。
1 自動変速装置
2 ECU(判定手段、制御手段)
3 内燃機関
4 電動機(潤滑対象)
5 第1クラッチ
6 第2クラッチ
7 遊星歯車機構(第1変速ギヤ列)
7b リングギヤ(1つの第1変速ギヤ)
8 ミッションケース(連結対象)
11 第1入力軸
11a 入力ギヤ(逆転変速ギヤ)
12 第2入力軸
12a ギヤ(逆転変速ギヤ)
14 5速駆動ギヤ(第1変速ギヤ)
18 1速シンクロ機構(第1シンクロ機構)
30 出力軸
32 4−5速従動ギヤ(第1変速ギヤ)
40 リバース軸(逆転軸、1つの軸)
41 リバース・入力ギヤ(逆転変速ギヤ)
42 リバースギヤ(逆転変速ギヤ)
43 リバース・シンクロ機構(逆転シンクロ機構)
44 アイドラギヤ(逆転変速ギヤ)
80 潤滑油供給装置
DNR リバース回転差(逆転変速ギヤと一つの軸との回転差)
NRI リングギヤ速度(第1変速ギヤと連結対象との回転差)

Claims (3)

  1. 内燃機関及び電動機に連結された第1入力軸と、
    前記内燃機関と前記第1入力軸との間を接続/遮断する第1クラッチと、
    被駆動部に連結された出力軸と、
    前記第1入力軸と前記出力軸との間に設けられ、第1変速段を構成するとともに、当該第1変速段を介して、前記第1入力軸の回転を変速しながら前記出力軸に伝達するための第1変速ギヤ列と、
    当該第1変速ギヤ列のいずれか1つの第1変速ギヤと連結対象とを互いに同期させながら連結することにより、前記第1変速段を設定するとともに、当該連結を解除することにより、当該設定された第1変速段を解除する第1シンクロ機構と、
    前記内燃機関に連結された、前記第1入力軸と異なる第2入力軸と、
    当該第2入力軸に沿うように設けられた逆転軸と、
    当該逆転軸と前記第2入力軸と前記第1入力軸との間に設けられ、前記第1変速段と異なる逆転変速段を構成するとともに、当該逆転変速段を介して、前記第2入力軸の回転を変速すると同時に逆転させながら前記第1入力軸に伝達するための逆転変速ギヤ列と、
    当該逆転変速ギヤ列のいずれか1つの逆転変速ギヤと、前記逆転軸、前記第2入力軸及び前記第1入力軸のうちのいずれか一つの軸とを互いに同期させながら連結することにより、前記逆転変速段を設定するとともに、当該連結を解除することにより、当該設定された逆転変速段を解除する逆転シンクロ機構と、
    前記内燃機関と前記第2入力軸との間を接続/遮断する湿式の第2クラッチと、
    潤滑油を当該第2クラッチと当該第2クラッチ以外の潤滑対象とに対して供給するとともに、当該第2クラッチ及び当該潤滑対象に対する潤滑油の供給割合を変更する潤滑油供給装置と、
    前記潤滑油供給装置による潤滑油の前記第2クラッチへの供給量が、前記潤滑対象への供給量を上回るクラッチ側大供給量状態が発生しているか否かを判定する判定手段と、
    当該判定手段の判定結果に基づき、前記第1クラッチ、前記第2クラッチ、前記第1シンクロ機構及び前記逆転シンクロ機構を制御することにより、前記第2クラッチ、前記第1シンクロ機構及び前記逆転シンクロ機構を介して、前記内燃機関の動力を変速すると同時に逆転させながら前記被駆動部に伝達する動力逆転伝達制御を実行する制御手段と、
    を備え、
    当該制御手段は、前記クラッチ側大供給量状態が発生していると判定されているときには、前記動力逆転伝達制御において、
    前記逆転変速ギヤと前記一つの軸との回転差が減少するように、前記電動機を制御する第1制御を実行し、
    当該第1制御の開始以降の開始タイミングで、前記逆転シンクロ機構を制御することにより、前記逆転変速ギヤと前記一つの軸とを互いに同期させながら連結する第2制御を実行するとともに、
    当該第2制御により前記逆転変速ギヤと前記一つの軸とが連結された後、前記第2クラッチを接続する第3制御を実行することを特徴とする自動変速装置。
  2. 前記制御手段は、前記クラッチ側大供給量状態が発生していると判定されているときには、前記動力逆転伝達制御において、前記第2制御の実行後、前記第3制御を実行する前に、
    前記第1変速ギヤと前記連結対象との回転差が減少するように、前記電動機を制御する第4制御と、
    当該第4制御の開始以降の開始タイミングで、前記第1シンクロ機構を制御することにより、前記第1変速ギヤと前記連結対象とを互いに同期させながら連結する第5制御と、を実行することを特徴とする請求項1に記載の自動変速装置。
  3. 前記制御手段は、前記クラッチ側大供給量状態が発生していないと判定されているときには、前記動力逆転伝達制御において、
    前記第1変速ギヤと前記連結対象との回転差が減少するように、前記電動機を制御する第6制御を実行し、
    当該第6制御の開始以降の開始タイミングで、前記第1シンクロ機構を制御することにより、前記第1変速ギヤと前記連結対象とを互いに同期させながら連結する第7制御を実行し、
    当該第7制御により前記第1変速ギヤと前記連結対象とが連結された後、前記逆転シンクロ機構を制御することにより、前記逆転変速ギヤと前記一つの軸とを互いに同期させながら連結する第8制御を実行するとともに、
    当該第8制御により前記逆転変速ギヤと前記一つの軸とが連結された後、前記第2クラッチを接続する第9制御を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速装置。
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