上記従来の同軸ケーブル用コンタクト接続方法の場合、上記フェルールを上記編組線の内側へ装着し、折畳まれた上記編組線を上記フェルール上に載置するので、手間がかかり、電気コネクタを同軸ケーブルに接続するときの作業性がよくない。しかも、上記編組線を剥いて折畳み、上記フェルールを装着し、上記編組線を元に戻すという作業を行うので、上記編組線の形状が本来の形状から崩れて伝送特性が劣化するおそれがある。このようなシールドケーブルハーネスではシールドケーブルと電気コネクタとの機械的接続強度を十分に確保することが求められている。
この明細書に記載した発明は、このような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、編組線よりなる外部導体の外側に筒体をかしめ、この筒体の外側にシェルのバレルをかしめることにより、電気コネクタのシールドケーブルへの接続作業性を向上させ、電気コネクタとシールドケーブルとの機械的接続強度を確保し、伝送特性の良好なシールドハーネスと、その製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、第1のシールドハーネスは、
内部導体、および上記内部導体を覆う内部絶縁被覆を有する内部電線と、この内部電線を覆う編組線よりなる外部導体と、この外部導体を覆う外部絶縁被覆とを有し、一方の終端では、上記外部絶縁被覆が剥かれて上記外部導体が露出し、それよりも上記内部導体の端面側で上記外部導体、および上記内部絶縁被覆が剥かれて上記内部導体が露出しており、上記露出した上記外部導体に、外壁に突起が設けられた筒体が外側からかしめられた加工シールドケーブルと、
上記加工シールドケーブルの上記終端に接続された電気コネクタとを備え、上記電気コネクタは、
上記内部導体の上記露出部に接続された接続部、および上記内部導体の延びる方向に沿って上記内部導体の上記端面から離れる方向へ延びる接触部を有する接触子と、
内部に、上記接触子を収容する接触子収容室、および上記接触子収容室を上記加工シールドケーブル側と反対側の外部へ連通する連通孔が形成されるように筒状に設けられた内部ハウジングと、
内部に、上記内部ハウジングを収容する内部ハウジング収容室が形成されるように筒状に設けられたシェル本体、および上記筒体における上記突起の反端面側にかしめられた筒体用バレルを有して導電性材料により形成されたシェルとを備え、
上記接触子、および上記内部ハウジングに、これらを係止する内側係止手段が設けられている。
上記筒体を、上記外部導体の上記露出部に外側からかしめるので、上記従来の技術のように上記フェルールを上記外部導体の内側へ装着し、折畳まれた上記外部導体を上記フェルール上に載置するものに較べると、上記電気コネクタの上記加工シールドケーブルへの接続作業性が向上する。さらに、人手による加工を廃して自動化することも容易になるので、そうしたときには生産性が向上する。また、上記外部導体の上記露出部を剥き、上記内部電線の外側に上記フェルールを装着し、上記外部導体を元に戻すという作業を行う必要がなく、上記筒体を、上記外部導体の上記露出部に外側からかしめるので、上記外部導体の形状が本来の形状から崩れるおそれが減ることから、伝送特性が良好になる。
上記外部導体の上記露出部に上記筒体が外側からかしめられ、さらに上記シェルの上記筒体用バレルが上記筒体における上記突起の上記反端面側にかしめられるので、上記電気コネクタと上記加工シールドケーブルとの機械的接続強度が確保される。
第2のシールドハーネスは、上記第1のシールドハーネスにおいて、さらに、
上記筒体が、上記外部導体の延びる方向に沿うスリットを有する断面C字形に形成されており、
上記筒体用バレルが、上記外部導体の延びる方向に沿うスリットを有する断面C字形に形成されており、
上記外部導体の延びる方向にみて、上記筒体の上記スリットと上記筒体用バレルの上記スリットとが、上記外部導体を介して対向するように配置されている。
このようにすれば、上記外部導体の延びる方向にみて、上記筒体の上記スリットと上記筒体用バレルの上記スリットとの周方向に沿った距離が最も遠くなる。この距離がこれよりも近い場合に較べると、上記筒体が、その上記スリットが広がるように変形しようとしても、上記筒体用バレルにおける、上記外部導体の延びる方向にみて上記筒体用バレルの上記スリットと上記外部導体を介して対向する部位により抑えられるので、上記筒体の上記変形が抑制され、また、それによって上記筒体用バレルが、その上記スリットが広がるように変形することが抑制される。
第3のシールドハーネスは、上記第1又は上記第2のシールドハーネスにおいて、
上記シェルが、さらに、上記外部絶縁被覆にかしめられた外部絶縁被覆用バレルを有している。
このようにすれば、上記シェルの上記外部絶縁被覆用バレルが、上記外部絶縁被覆にかしめられるので、上記電気コネクタと上記加工シールドケーブルとの機械的接続強度が更に高められる。
第4のシールドハーネスは、上記第1ないし上記第3のうちいずれか一つのシールドハーネスにおいて、
上記内部ハウジング、および上記シェルに、これらを係止する外側係止手段が設けられている。
このようにすれば、上記内部導体および上記接触子と上記内部ハウジングとの接続力と、上記外部導体と上記シェルとの接続力とが、上記外側係止手段を通じてさらに相乗的に作用するので、上記加工シールドケーブルと上記電気コネクタとの接続力が向上する。
第1のシールドハーネスの製造方法は、
内部導体、および上記内部導体を覆う内部絶縁被覆を有する内部電線と、この内部電線を覆う編組線よりなる外部導体と、この外部導体を覆う外部絶縁被覆とを有し、一方の終端では、上記外部絶縁被覆が剥かれて上記外部導体が露出し、それよりも上記内部導体の端面側で上記外部導体、および上記内部絶縁被覆が剥かれて上記内部導体が露出している加工シールドケーブルにおける上記内部導体の上記露出部に、一端に接続部を有し他端に接触部を有する接触子の上記接続部を接続し、上記外部導体の上記露出部に、外壁に突起が設けられた筒体を外側からかしめる第1工程と、
内部に、上記接触子を収容する接触子収容室、および上記接触子収容室を上記加工シールドケーブル側と反対側の外部へ連通する連通孔が形成されるように筒状に設けられた内部ハウジングにおける上記接触子収容室に上記接触子を挿入する第2工程と、
内部に、上記内部ハウジングを収容する内部ハウジング収容室が形成されるように筒状に設けられたシェル本体、および上記筒体における上記突起の反端面側にかしめられた筒体用バレルを有して導電性材料により形成されると共に、上記第2工程よりも前又は後に上記内部ハウジング収容室に上記内部ハウジングを収容したシェルにおける上記筒体用バレルを上記筒体における上記突起の上記反端面側にかしめる第3工程とを備えている。
上記筒体を、上記外部導体の上記露出部に外側からかしめるので、上記従来の技術のように上記フェルールを上記外部導体の内側へ装着し、折畳まれた上記外部導体を上記フェルール上に載置するものに較べると、上記電気コネクタの上記加工シールドケーブルへの接続作業性が向上する。さらに、人手による加工を廃して自動化することも容易になるので、そうしたときには生産性が向上する。また、上記外部導体の上記露出部を剥き、上記内部電線の外側に上記フェルールを装着し、上記外部導体を元に戻すという作業を行う必要がなく、上記筒体を、上記外部導体の上記露出部に外側からかしめるので、上記外部導体の形状が本来の形状から崩れるおそれが減ることから、伝送特性が良好になる。
上記外部導体の上記露出部に上記筒体が外側からかしめられ、さらに上記シェルの上記筒体用バレルが上記筒体における上記突起の上記反端面側にかしめられるので、上記電気コネクタと上記加工シールドケーブルとの機械的接続強度が確保される。
第2のシールドハーネスの製造方法は、上記第1のシールドハーネスの製造方法において、さらに、
上記接触子と上記筒体とが同一の桟にそれぞれ一体的に設けられており、上記第1工程における、上記内部導体の露出部に上記接触子の上記接続部を接続する工程と、上記外部導体の露出部に、上記筒体をかしめる工程とを同時に、又はいずれかを先にして相次いで行う。
このようにすれば、上記内部導体の上記露出部に上記接触子の上記接続部を接続する作業と、上記外部導体の上記露出部に上記筒体を外側からかしめる作業を一挙に行うことができ、作業性が向上する。また、上記接触子と上記筒体との相対位置を正確に維持しながら上記作業を進めることができる。
上記第1のシールドハーネスは、上記外部導体の外側に上記筒体をかしめ、この筒体の外側に上記シェルの上記筒体用バレルをかしめたので、上記電気コネクタの上記加工シールドケーブルへの接続作業性を向上させ、上記電気コネクタと上記加工シールドケーブルとの機械的接続強度を確保し、伝送特性の良好なシールドハーネスを提供することができた。
上記第2のシールドハーネスは、上記第1のシールドハーネスにより得られる効果が得られることに加え、上記筒体が、その上記スリットが広がるように変形すること、および上記筒体用バレルが、その上記スリットが広がるように変形することを抑制することができる。
上記第3のシールドハーネスは、上記第1又は上記第2のシールドハーネスにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記電気コネクタと上記加工シールドケーブルとの機械的接続強度を更に高めることができる。
上記第4のシールドハーネスは、上記第1ないし上記第3のうちいずれか一つのシールドハーネスにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記外側係止手段により上記加工シールドケーブルと上記電気コネクタとの接続力を向上させることができる。
上記第1のシールドハーネスの製造方法は、上記外部導体の外側に上記筒体をかしめ、この筒体の外側に上記シェルの上記筒体用バレルをかしめたので、上記電気コネクタの上記加工シールドケーブルへの接続作業性を向上させ、上記電気コネクタと上記加工シールドケーブルとの機械的接続強度を確保し、伝送特性の良好なシールドハーネスの製造方法を提供することができた。
上記第2のシールドハーネスの製造方法は、上記第1のシールドハーネスの製造方法により得られる効果が得られることに加え、上記内部導体の上記露出部に上記接触子の上記接続部を接続する作業と、上記外部導体の上記露出部に上記筒体を外側からかしめる作業の作業性を向上させることができ、また、上記接触子と上記筒体との相対位置を正確に維持しながら上記作業を進めることができる。
以下、この明細書に記載した発明の実施の形態を説明する。図13は、この明細書に記載した発明のシールドハーネスの第1の実施形態を示す。このシールドハーネスHは、シールドケーブルから加工されてできた加工シールドケーブル100と、上記加工シールドケーブル100の一方の終端に接続された電気コネクタ200とを備えている。図20に示すように、上記シールドケーブルは、内部導体111、および上記内部導体111を覆う内部絶縁被覆112を有する内部電線110と、この内部電線110を覆う編組線よりなる外部導体120と、この外部導体120を覆う外部絶縁被覆130とを備えている。上記シールドケーブルは、上記内部導体111、上記内部絶縁被覆112、上記外部導体120、および上記外部絶縁被覆130を、それぞれの断面における中心が一致するように配置されているので同軸ケーブルとも称されている。上記シールドケーブルは、さらに他の要素を備えていてもよい。上記外部導体のなかに上記内部電線が二本以上入ってなるシールドケーブルもこの明細書に記載した発明のシールドハーネスの適用対象となる。したがって、この明細書に記載した発明の対象となる上記シールドケーブルは上記同軸ケーブルに限定されない。以下、上記内部導体111の延びる方向を奥行き方向とし、この奥行き方向に直交する方向を幅方向とし、上記奥行き方向および上記幅方向に直交する方向を厚さ方向とする。そして、上記内部導体111の延びる方向の前方を奥、その反対側を手前とする。そして、上記図20に示すように、上記加工シールドケーブル100の上記一方の終端では、上記外部絶縁被覆130が剥かれて上記外部導体120が露出し、それよりも上記内部導体111の端面側で上記外部導体120、および上記内部絶縁被覆112が剥かれて上記内部導体111が露出している。上記加工シールドケーブル100の変形例として、上記加工シールドケーブル100において、さらに上記露出した上記外部導体120の先端を剥いて上記内部絶縁被覆112を露出させたものがあり、このような加工シールドケーブル100を用いてこの明細書に記載した発明のシールドハーネスを組むことも可能である。上記外部導体120の上記露出部に筒体140が外側から押圧力をもってかしめられている。上記筒体140は導電性材料により形成されている。上記筒体140の外壁には突起142が設けられている。上記筒体140は、もともと四角形の平板であり、この四角形の平板、又はこれを上記奥行き方向からみてU字状に緩く湾曲させたものを上記外部導体120の上記露出部に沿わせて配置し、上記平板を円弧状に湾曲加工することで上記露出部に巻き付けるように押圧してかしめ、これによって上記外部導体120の延びる方向、つまり上記奥行き方向に突っ切るスリット141をもつ断面C形の円筒形に形成されている。これに代えて、上記筒体を、上記スリットの無い、外周が連続する円筒形に形成してもよい。そのときには、上記筒体を上記外部導体の上記露出部に嵌めてから、押圧してかしめることになる。
上記電気コネクタ200は、接触子210と、内部ハウジング220と、シェル230とを備えている。上記接触子210は導電性材料により形成されている。上記接触子210は、上記内部導体111の上記露出部に接続された接続部211と、上記内部導体111の延びる方向、つまり上記奥行き方向に沿って上記内部導体111の上記端面から離れる側つまり奥側へ延びる接触部212とを備えている。図17ないし図19に示すように、上記接続部211はバレルであり、このバレルは、上記接触子210の一端に設けられており、上記奥行き方向にみて上記幅方向の両側から、かしめ片が立ち上がったU字形に形成されている。上記バレルの上記内部導体111の上記露出部へのかしめは、上記かしめ片の間に上記内部導体111の上記露出部を置き、上記かしめ片を上記幅方向の内側に向かって円弧状に折り曲げて上記かしめ片を上記内部導体111の上記露出部に巻き付けるように押圧することにより行う。上記かしめ片は片側のみであってもよい。上記バレルは、一以上のかしめ片を有しておればよく、上記かしめ片は他の形状に形成されていてもよい。上記接続部の変形例として、例えば圧接接続を行う構造を備えた接続部、ピアシング接続を行う構造を備えた接続部などが含まれる。図1ないし図4、図17ないし図19に示すように、上記接触部212は上記奥行き方向に延びている。上記接触部212の内部には上記奥行き方向奥側に開口する受入穴が形成され、この受入穴に相手側の接触子の針状のポストを受け入れるようになっている。逆に、上記接触部を針状のポストに形成し、相手側の接触子の上記受入穴と同様の受入穴に挿入するようにしてもよい。
上記内部ハウジング220は絶縁性材料により形成されている。図5ないし図8、および図15に示すように、上記内部ハウジング220は、内部に、上記接触子210を収容する接触子収容室221と、上記接触子収容室221を上記加工シールドケーブル側と反対側の外部、つまり上記奥行き方向奥側の外部へ連通する連通孔222とが形成されるように筒状に設けられている。上記接触子収容室221は、上記接触子210に対応した形状に形成されており、上記接触子210が挿入されたときに上記接触子210を収容するように構成されている。上記接触子210、および上記内部ハウジング220に、これらを係止する内側係止手段が設けられている。この実施形態の場合、図6に示すように、上記内部ハウジング220の上記接触子収容室221を形成する内壁に、上記内部導体111の延びる方向、つまり上記奥行き方向に延びて可撓性を有する可撓片が設けられ、この可撓片により上記内側係止手段の第1係止部223が構成されている。上記可撓片の先端には上記厚さ方向であって上記接触子収容室221に向かって突き出すように突起が設けられている。図1、図2、図4、図17ないし図19に示すように、上記接触子210において、上記厚さ方向の一方側であって上記接触子収容室221に上記接触子210が挿入されたときに上記内部ハウジング220の上記第1係止部223に対向する部位に、上記可撓片よりなる上記第1係止部223が掛かる凸部が設けられ、この凸部により上記内側係止手段の第1係止部213が構成されている。よって、上記接触子210が上記接触子収容室221に挿入されると、上記接触子210の上記第1係止部213が上記内部ハウジング220の上記第1係止部223の上記突起を上記奥行き方向の手前から奥へ乗り越えて、上記内部ハウジング220の上記第1係止部223の上記突起が、上記接触子210の上記第1係止部213における上記奥行き方向手前側に掛かると上記第1係止部223、213が互いに係止するように構成されている。上記凸部に代えて凹部を設けてもよく、そうしたときには上記内部ハウジング220の上記第1係止部223の上記突起が、上記接触子210の上記第1係止部213に嵌まることで上記第1係止部223、213が互いに係止するように構成される。変形例として、上記接触子に、上記内部導体111の延びる方向、つまり上記奥行き方向に延びて可撓性を有する可撓片を設けて上記接触子の上記第1係止部とすると共に、上記内部ハウジングの上記接触子収容室221を形成する上記内壁に上記可撓片が掛かる凸部又は凹部を設けて上記内部ハウジングの上記第1係止部とした上記内側係止手段がある。
上記シェル230は導電性材料により形成されている。図9ないし図16、および図22ないし図26に示すように、上記シェル230は、内部に、上記内部ハウジング220を収容する内部ハウジング収容室231aが形成されるように筒状に設けられたシェル本体231と、上記筒体140における上記突起142の反端面側、つまり上記奥行き方向手前側に押圧力をもってかしめられた筒体用バレル232とを備えている。上記シェル本体231は、上記内部ハウジング220の外側に嵌まっている。上記内部ハウジング収容室231aは、上記内部ハウジング220に対応した形状に形成されており、上記内部ハウジング220が挿入されたときに上記内部ハウジング220を収容するように構成されている。上記内部ハウジング220および上記シェル230に、これらを係止する外側係止手段が設けられている。この実施形態の場合、図9に示すように、上記シェル230の側壁の一部を切り起こして、上記内部導体111の延びる方向、つまり上記奥行き方向に延びて可撓性を有する可撓片が設けられ、この可撓片により上記外側係止手段の第2係止部234が構成されている。上記可撓片は固定端が上記奥行き方向奥になり、自由端が上記奥行き方向手前になるように設けられているが、上記固定端が上記奥行き方向手前になり、自由端が上記奥行き方向奥になるように設けてもよい。また、上記可撓片を上記両側の側壁に設けたが、一方の側壁にのみ設けてもよい。図5、および図6に示すように、上記内部ハウジング220の上記幅方向の外壁に、上記幅方向内側へ凹む凹部が設けられ、この凹部を形成する、上記厚さ方向からみてU字形になった外壁のうち上記奥行き方向手前にある上記奥行き方向を向いた外壁により上記外側係止手段の第2係止部224が構成されている。上記可撓片の上記固定端が上記奥行き方向手前になり、自由端が上記奥行き方向奥になるように設けたときには、上記凹部を形成する、上記厚さ方向からみてU字形になった外壁のうち上記奥行き方向奥にある上記奥行き方向を向いた外壁により上記外側係止手段の第2係止部224が構成される。よって、上記内部ハウジング220が上記シェル230に挿入されると、上記シェル230の上記第2係止部234が上記内部ハウジング220の上記第2係止部224に掛かり、上記第2係止部234、224が互いに係止するように構成されている。変形例として、逆に、上記内部ハウジングに上記可撓片と同様の可撓片を設けて上記内部ハウジングの上記第2係止部とすると共に、上記シェルに上記凹部と同様の凹部を設けて上記シェルの上記第2係止部とした上記外側係止手段がある。上記筒体用バレル232は、上記シェル本体231の上記奥行き方向手前に配置され、上記シェル本体231に連続して設けられている。そして、上記奥行き方向にみて上記幅方向の両側から、かしめ片が立ち上がったU字形に形成されている。上記筒体用バレル232の上記筒体140へのかしめは、上記かしめ片の間に上記筒体140を置き、上記かしめ片を上記幅方向の内側に向かって円弧状に折り曲げて上記かしめ片を上記筒体140に巻き付けるように押圧することにより行う。上記かしめ片は片側のみであってもよい。上記筒体用バレルは、一以上のかしめ片を有しておればよく、上記かしめ片は他の形状に形成されていてもよい。
上記シェル230は、さらに、上記外部絶縁被覆130に押圧力をもってかしめられた外部絶縁被覆用バレル233を備えている。上記外部絶縁被覆用バレル233は、上記筒体用バレル232の上記奥行き方向手前に配置され、上記筒体用バレル232に連続して設けられている。そして、上記奥行き方向にみて上記幅方向の両側から、かしめ片が立ち上がったU字形に形成されている。上記外部絶縁被覆用バレル233の上記外部絶縁被覆130へのかしめは、上記かしめ片の間に上記外部絶縁被覆130を置き、上記かしめ片を上記幅方向の内側に向かって円弧状に折り曲げて上記かしめ片を上記外部絶縁被覆130に巻き付けて押圧することにより行う。上記かしめ片は片側のみであってもよい。上記外部絶縁被覆用バレルは、一以上のかしめ片を有しておればよく、上記かしめ片は他の形状に形成されていてもよい。
先に説明したように、上記筒体140は、上記外部導体120の上記露出部に巻き付けるようにしてかしめ、これによって上記外部導体120の延びる方向、つまり上記奥行き方向に突っ切るスリット141をもつ断面C形の円筒形に形成されている。また、上記筒体用バレル232は、上記外部導体120の延びる方向、つまり上記奥行き方向に沿うスリット232aを有する断面C字形に形成されている。すなわち、上記筒体用バレル232のかしめ片は上記幅方向の内側に向かって円弧状に折り曲げて上記かしめ片により上記筒体140を押圧している。そして、上記かしめ片の合わせ目により、上記外部導体120の延びる方向、つまり上記奥行き方向に沿うスリット232aが形成されている。また、上記筒体用バレル232は、上記筒体用バレル232のかしめ片により断面C字形に形成されている。そして、図16に示すように、上記外部導体120の延びる方向、つまり上記奥行き方向にみて、上記筒体140の上記スリット141と上記筒体用バレル232の上記スリット232aとが、上記外部導体120を介して対向するように配置されている。
この実施形態の場合、図25、および図26に示すように、上記電気コネクタ200は、外部ハウジング400に装着される。上記外部ハウジング400は絶縁性材料により形成されている。図25、および図26に示すように、上記外部ハウジング400の本体410の内部には、上記電気コネクタ200の上記シェル230を収容するシェル収容室411が上記奥行き方向に貫通して設けられている。上記本体410には、上記シェル収容室411を上記厚さ方向の一方側の外壁に連通する連通口(図示省略)が設けられている。そして、この連通口にリテーナ420が嵌まるようになっている。上記本体410の内部には、上記奥行き方向に延びて上記シェル収容室411を構成する内壁の一部を成す可撓片(図示省略)が設けられており、上記シェル収容室411に上記シェル230が挿入されたときに上記可撓片の先端に上記シェル収容室411に向かって突き出した突起が上記シェル230の上記シェル本体231の上記奥行き方向手前側の端部に掛かり、これによって上記シェル230を上記外部ハウジング400に係止するようにしている。上記シェル本体231の上記奥行き方向手前側の端部は上記シェル230の第3係止部235であり、上記外部ハウジング400の上記本体410の可撓片は上記外部ハウジング400の第3係止部である。これとは逆に上記シェルの上記第3係止部を上記のような可撓片により構成し、上記外部ハウジングの上記第3係止部を上記のような角部により構成してもよい。また、上記角部に代えて、凹部又は凸部を設けてもよい。上記リテーナ420が上記連通口に挿入されると上記外部ハウジング400の上記第3係止部を上記本体410の内方に向かって押さえて上記シェル230が上記第3係止部235から外れないようにする。上記シェル230の上記第3係止部235と、上記外部ハウジング400の上記第3係止部とにより、上記シェル230と上記外部ハウジング400とを係止する追加係止手段が構成されている。
次に、上記シールドハーネスHの製造方法を、図13ないし図26により説明する。上記シールドハーネスHの製造方法は、上記加工シールドケーブル100における上記内部導体111の上記露出部に、上記接触子210の上記接続部211を接続し、上記外部導体120の上記露出部に上記筒体140を外側からかしめる第1工程(図20、および図21を参照)と、上記内部ハウジング220の上記接触子収容室221に上記接触子210を挿入する第2工程(図22、図23、および図13を参照)と、上記第2工程よりも前又は後に上記内部ハウジング収容室231aに上記内部ハウジング220を収容した上記シェル230における上記筒体用バレル232を上記筒体140における上記突起142の上記反端面側にかしめる第3工程(図24、および図14を参照)とを備えている。
上記第1工程により、図21に示すように、上記加工シールドケーブル100に上記接触子210、および上記筒体140が取り付けられる。上記第1実施形態の場合、図17ないし図19に示すように、上記接触子210と上記筒体140とが同一の桟310にそれぞれ一体的に設けられており、上記第1工程における、上記内部導体111の露出部に上記接触子210の上記接続部211を接続する工程と、上記外部導体120の露出部に、上記筒体140をかしめる工程とを同時に、又はいずれかを先にして相次いで行う。上記接触子210、および上記筒体140が上記桟310に一体的に設けられた、かしめ前の成形品300は、図17の左右方向である短手方向と図17の上下方向である長手方向に延びる薄板から成形され、上記薄板に型を押し当てることで上記接触子210、および上記筒体140を成形し、周縁に枠状の上記桟310が残されたものである。上記かしめ前の成形品300は、上記長手方向に巻き取られることがあるので、リールと呼ばれることもある。上記薄板は銅合金でできているが、薄板は導電性材料であれば他の材料で形成してもよい。上記かしめ前の成形品300で上記桟310に繋がっている上記接触子210の上記接続部211である上記バレルは、上記奥行き方向にみて上記幅方向の両側から、かしめ片が立ち上がったU字形に形成されている。また、上記かしめ前の成形品300で上記桟310に繋がっている上記筒体140は、上記奥行き方向にみてU字状に緩やかな円弧状に湾曲して形成されている。そして、図18に示すように、上記かしめ前の成形品300の上記厚さ方向の一方側に上記加工シールドケーブル100を配置し、次いで、上記U字状に湾曲した上記接続部211、および上記U字状に湾曲した上記筒体140を上記桟310から切り離す切り離し工程と、上記U字状に湾曲した上記接続部211の上記かしめ片の間に上記内部導体111の上記露出部を置き、かしめ治具により、上記かしめ片を上記幅方向の内側に向かって円弧状に折り曲げて上記かしめ片を上記内部導体111の上記露出部に巻き付けるように押圧してかしめる接続部かしめ工程と、上記U字状に湾曲した上記筒体140を上記外部導体120の上記露出部に沿わせて配置し、かしめ治具により、上記U字状に湾曲した上記筒体140を、さらに円弧状に湾曲加工することで上記露出部に巻き付けるように押圧してかしめ、これによって上記外部導体120の延びる方向、つまり上記奥行き方向に突っ切るスリット141をもつ断面C形の円筒形に形成する筒体かしめ工程とを行う。これら三つの工程を行う順序はどのようにしてもよく、現場の状況に応じて適宜自由に決めればよい。上記かしめ前の成形品300を成形せずに、上記接触子、および上記筒体をそれぞれ別々に成形等してもよく、そのときにも上記接続部の上記かしめ片を上記内部導体の上記露出部にかしめる工程と、上記筒体を上記外部導体の上記露出部にかしめる工程とを行うが、これら二つの工程を行う順序はどのようにしてもよく、現場の状況に応じて適宜自由に決めればよい。上記筒体を、上記スリットの無い、外周が連続する円筒形に形成したときは、上記筒体を上記外部導体の上記露出部に嵌めてから、これを上記外部導体120に向かって押圧してかしめることになる。上記接続部を、例えば圧接接続を行う構造を備えた接続部、ピアシング接続を行う構造を備えた接続部などにしたときには、上記接続部を上記内部導体に接続する工程と、上記筒体を上記外部導体の上記露出部にかしめる工程とを行うが、これら二つの工程を行う順序はどのようにしてもよく、現場の状況に応じて適宜自由に決めればよい。
図22、図23、および図13に示すように、上記第2工程よりも前に、上記内部ハウジング220を上記シェル230の上記内部ハウジング収容室231aに収容する。しかし、上記第2工程よりも後に、上記内部ハウジング220を上記シェル230の上記内部ハウジング収容室231aに収容してもよい。上記内部ハウジング220を上記シェル230の上記内部ハウジング収容室231aに収容すると、上記内部ハウジング220の上記第2係止部224と上記シェル230の上記第2係止部234とが係止するが、上記第2係止部を設けないときには、このような係止は行われず、この明細書に記載した発明のシールドハーネスの製造方法は、そのようにした変形例を含んでいる。上記第2工程で、上記内部ハウジング220の上記接触子収容室221に上記接触子210を収容すると、上記接触子210の上記第1係止部213と上記内部ハウジング220の上記第1係止部223とが係止する。
図24、および図14に示すように、上記第3工程では、上記筒体用バレル232の上記かしめ片の間に上記筒体140を、上記筒体用バレル232が上記筒体140の上記突起142の上記反端面側、つまり上記奥行き方向手前側にくるように置く。その場合、図16に示すように、上記外部導体120の延びる方向、つまり上記奥行き方向にみて、上記筒体140の上記スリット141と上記筒体用バレル232の上記スリット232aとが、上記外部導体120を介して対向するように配置する。しかし、この明細書に記載した発明のシールドハーネスの製造方法は、このように上記スリット141と上記スリット232aとの位置関係に配慮しない製造方法の変形例を含んでおり、上記筒体を、上記スリットの無い、外周が連続する円筒形に形成したときのシールドハーネスの製造方法は、そのような変形例に含まれる。そして、かしめ治具により、上記かしめ片を上記幅方向の内側に向かって円弧状に折り曲げて上記かしめ片を上記筒体140に巻き付けるように押圧し、これによって上記筒体用バレル232の上記筒体140へのかしめを行う。
この実施形態の場合、上記第3工程の前又は後に、上記外部絶縁被覆用バレル233を上記外部絶縁被覆130へかしめる。すなわち、上記外部絶縁被覆用バレル233の上記かしめ片の間に上記外部絶縁被覆130を置き、上記かしめ片を上記幅方向の内側に向かって円弧状に折り曲げて上記かしめ片を上記外部絶縁被覆130に巻き付けて押圧し、これによって上記外部絶縁被覆用バレル233の上記外部絶縁被覆130へのかしめを行う。上記シェルに上記外部絶縁被覆用バレルを設けていないときには、このような工程は行われず、この明細書に記載した発明のシールドハーネスの製造方法は、そのような変形例を含んでいる。
この実施形態の場合、上記第3工程の次に上記シェル230を上記外部ハウジング400に装着する。すなわち、上記シェル収容室411に上記シェル230を挿入すると、上記シェル230が上記外部ハウジング400の上記奥行き方向奥側から出て、次に上記外部ハウジング400の上記第3係止部と上記シェル230の第3係止部235とが係止し、これによって上記シェル230が上記外部ハウジング400に係止される。さらに、上記リテーナ420を上記連通口に挿入すると、上記外部ハウジング400の上記第3係止部が上記本体410の内方に向かって押さえられて上記シェル230が上記第3係止部235から外れにくくなる。
よって、以上の第1の実施形態の記載により、次のシールドハーネスの製造方法が十分に開示された。すなわち、その方法は、内部導体111、および上記内部導体111を覆う内部絶縁被覆112を有する内部電線110と、この内部電線110を覆う編組線よりなる外部導体120と、この外部導体120を覆う外部絶縁被覆130とを有し、一方の終端では、上記外部絶縁被覆130が剥かれて上記外部導体120が露出し、それよりも上記内部導体111の端面側で上記外部導体120、および上記内部絶縁被覆112が剥かれて上記内部導体111が露出している加工シールドケーブル100における上記内部導体111の上記露出部に、一端に接続部211を有し他端に接触部212を有する接触子210の上記接続部211を接続し、上記外部導体120の上記露出部に、外壁に突起142が設けられた筒体140を外側からかしめる第1工程と、内部に、上記接触子210を収容する接触子収容室221、および上記接触子収容室221を上記加工シールドケーブル側と反対側の外部へ連通する連通孔222が形成されるように筒状に設けられた内部ハウジング220における上記接触子収容室221に上記接触子210を挿入する第2工程と、内部に、上記内部ハウジング220を収容する内部ハウジング収容室231aが形成されるように筒状に設けられたシェル本体231、および上記筒体140における上記突起142の反端面側にかしめられた筒体用バレル232を有して導電性材料により形成されると共に、上記第2工程よりも前又は後に上記内部ハウジング収容室231aに上記内部ハウジング220を収容したシェル230における上記筒体用バレル232を上記筒体140における上記突起142の上記反端面側にかしめる第3工程とを備えたシールドハーネスの製造方法である。さらに、上記シールドハーネスの製造方法において、上記接触子210と上記筒体140とが同一の桟310にそれぞれ一体的に設けられており、上記第1工程における、上記内部導体111の露出部に上記接触子210の上記接続部211を接続する工程と、上記外部導体120の露出部に、上記筒体140をかしめる工程とを同時に、又はいずれかを先にして相次いで行うシールドハーネスの製造方法も十分に開示された。
したがって、上記第1実施形態の場合、上記筒体140を、上記外部導体120の上記露出部に外側からかしめるので、上記従来の技術のように上記フェルールを上記外部導体の内側へ装着し、折畳まれた上記外部導体を上記フェルール上に載置するものに較べると、上記電気コネクタ200の上記加工シールドケーブル100への接続作業性が向上する。さらに、人手による加工を廃して自動化することも容易になるので、そうしたときには生産性が向上する。また、上記外部導体の上記露出部を剥き、上記内部電線の外側に上記フェルールを装着し、上記外部導体を元に戻すという作業を行う必要がなく、上記筒体140を、上記外部導体120の上記露出部に外側からかしめるので、上記外部導体120の形状が本来の形状から崩れるおそれが減ることから、伝送特性が良好になる。
上記外部導体120の上記露出部に上記筒体140が外側からかしめられ、さらに上記シェル230の上記筒体用バレル232が上記筒体140における上記突起142の上記反端面側にかしめられるので、上記電気コネクタ200と上記加工シールドケーブル100との機械的接続強度が確保される。
この明細書に記載した発明のシールドハーネスは、上記外部導体の延びる方向にみたときの上記筒体の上記スリットと上記筒体用バレルの上記スリットとの相対位置を特定の関係に限定するものではない。また、この明細書に記載した発明のシールドハーネスは、上記筒体を、上記スリットの無い、外周が連続する円筒形に形成した変形例を含んでいる。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態のシールドハーネスHは、さらに、上記筒体140が、上記外部導体120の延びる方向に沿う上記スリット141を有する断面C字形に形成されており、上記筒体用バレル232が、上記外部導体120の延びる方向に沿う上記スリット232aを有する断面C字形に形成されており、上記外部導体120の延びる方向にみて、上記筒体140の上記スリット141と上記筒体用バレル232の上記スリット232aとが、上記外部導体120を介して対向するように配置されている。このようにすれば、上記外部導体120の延びる方向にみて、上記筒体140の上記スリット141と上記筒体用バレル232の上記スリット232aとの周方向に沿った距離が最も遠くなる。この距離がこれよりも近い場合に較べると、上記筒体140が、その上記スリット141が広がるように変形しようとしても、上記筒体用バレル232における、上記外部導体120の延びる方向にみて上記筒体用バレル232の上記スリット232aと上記外部導体120を介して対向する部位により抑えられるので、上記筒体140の上記変形が抑制され、また、それによって上記筒体用バレル232が、その上記スリット232aが広がるように変形することが抑制される。
この明細書に記載した発明のシールドハーネスは、上記シェルに上記外部絶縁被覆用バレルが設けられていない実施形態を含んでいる。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態のシールドハーネスHは、さらに、上記シェル230が、さらに、上記外部絶縁被覆130にかしめられた上記外部絶縁被覆用バレル233を有している。このようにすれば、上記シェル230の上記外部絶縁被覆用バレル233が、上記外部絶縁被覆130にかしめられるので、上記電気コネクタ200と上記加工シールドケーブル100との機械的接続強度が更に高められる。
この明細書に記載した発明のシールドハーネスは、上記内部ハウジング、又は上記シェルに、これらを係止する外側係止手段が設けられていない実施形態を含んでいる。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態のシールドハーネスHは、さらに、上記内部ハウジング220、および上記シェル230に、これらを係止する外側係止手段である上記第2係止部224、234が設けられている。このようにすれば、上記内部導体111および上記接触子210と上記内部ハウジング220との接続力と、上記外部導体120と上記シェル230との接続力とが、上記外側係止手段である上記第2係止部224、234を通じてさらに相乗的に作用するので、上記加工シールドケーブル100と上記電気コネクタ200との接続力が向上する。
また、上記第1実施形態のシールドハーネスの製造方法の場合、上記筒体140を、上記外部導体120の上記露出部に外側からかしめるので、上記従来の技術のように上記フェルールを上記外部導体の内側へ装着し、折畳まれた上記外部導体を上記フェルール上に載置するものに較べると、上記電気コネクタ200の上記加工シールドケーブル100への接続作業性が向上する。さらに、人手による加工を廃して自動化することも容易になるので、そうしたときには生産性が向上する。また、上記外部導体の上記露出部を剥き、上記内部電線の外側に上記フェルールを装着し、上記外部導体を元に戻すという作業を行う必要がなく、上記筒体140を、上記外部導体120の上記露出部に外側からかしめるので、上記外部導体120の形状が本来の形状から崩れるおそれが減ることから、伝送特性が良好になる。
上記外部導体120の上記露出部に上記筒体140が外側からかしめられ、さらに上記シェル230の上記筒体用バレル232が上記筒体140における上記突起142の上記反端面側にかしめられるので、上記電気コネクタ200と上記加工シールドケーブル100との機械的接続強度が確保される。
この明細書に記載した発明のシールドハーネスの製造方法は、上記接触子、および上記筒体をそれぞれ別々に成形等してもよく、そのときにも上記接続部の上記かしめ片を上記内部導体の上記露出部にかしめる工程又は接続する工程と、上記筒体を上記外部導体の上記露出部にかしめる工程とを行うが、これら二つの工程を行う順序はどのようにしてもよい。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態のシールドハーネスHは、さらに、上記接触子210と上記筒体140とが同一の桟310にそれぞれ一体的に設けられており、上記第1工程における、上記内部導体111の露出部に上記接触子210の上記接続部211を接続する工程と、上記外部導体120の露出部に、上記筒体140をかしめる工程とを同時に、又はいずれかを先にして相次いで行う。このようにすれば、上記内部導体111の上記露出部に上記接触子210の上記接続部211を接続する作業と、上記外部導体120の上記露出部に上記筒体140を外側からかしめる作業を一挙に行うことができ、作業性が向上する。また、上記接触子210と上記筒体140との相対位置を正確に維持しながら上記作業を進めることができる。
以下、この明細書に記載した発明のシールドハーネスおよびその製造方法の他の実施形態を説明する。この他の実施形態のシールドハーネスおよびその製造方法には上記第1の実施形態、及びその変形例のシールドハーネスおよびその製造方法の構成をそのまま引用し、第1の実施形態、及びその変形例の構成と異なる構成について追加的に説明する。そして、この他の実施形態では上記第1の実施形態のシールドハーネスおよびその製造方法で用いた符号をそのまま用いて説明する。
図27ないし図31はこの明細書に記載した発明のシールドハーネスおよびその製造方法の第2の実施形態を示す。上記第1実施形態では、上記内部ハウジング、および上記シェルに、これらを係止する上記外側係止手段として上記第2係止部224、234を設けた。これに対し、第2実施形態では、上記第2係止部を設けていない。すなわち、上記シェル230の上記側壁に可撓片は無く、平坦に形成されており、上記内部ハウジング220の上記幅方向の外壁に凹部は無く平坦に形成されている。したがって、上記第2実施形態のシールドハーネスHの主要な構成は次のとおりである。すなわち、内部導体111、および上記内部導体111を覆う内部絶縁被覆112を有する内部電線110と、この内部電線110を覆う編組線よりなる外部導体120と、この外部導体120を覆う外部絶縁被覆130とを有し、一方の終端では、上記外部絶縁被覆130が剥かれて上記外部導体120が露出し、それよりも上記内部導体111の端面側で上記外部導体120、および上記内部絶縁被覆112が剥かれて上記内部導体111が露出しており、上記露出した上記外部導体120に、外壁に突起142が設けられた筒体140が外側からかしめられた加工シールドケーブル100と、上記加工シールドケーブル100の上記終端に接続された電気コネクタ200とを備え、上記電気コネクタ200は、上記内部導体111の上記露出部に接続された接続部211、および上記内部導体111の延びる方向に沿って上記内部導体111の上記端面から離れる方向へ延びる接触部212を有する接触子210と、内部に、上記接触子210を収容する接触子収容室221、および上記接触子収容室221を上記加工シールドケーブル側と反対側の外部へ連通する連通孔222が形成されるように筒状に設けられた内部ハウジング220と、内部に、上記内部ハウジング220を収容する内部ハウジング収容室231aが形成されるように筒状に設けられたシェル本体231、および上記筒体140における上記突起142の反端面側にかしめられた筒体用バレル232を有して導電性材料により形成されたシェル230とを備え、上記接触子210、および内部ハウジング220に、これらを係止する内側係止手段が設けられているシールドハーネスHである。また、上記シールドハーネスHにおいて、上記筒体140が、上記外部導体120の延びる方向に沿うスリット141を有する断面C字形に形成されており、上記筒体用バレル232が、上記外部導体120の延びる方向に沿うスリット232aを有する断面C字形に形成されており、上記外部導体120の延びる方向にみて、上記筒体140の上記スリット141と上記筒体用バレル232の上記スリット232aとが、上記外部導体120を介して対向するように配置されているシールドハーネスHである。さらに、上記いずれかのシールドハーネスHにおいて、上記シェル230が、さらに、上記外部絶縁被覆130にかしめられた外部絶縁被覆用バレル233を有しているシールドハーネスHである。また、上記第2実施形態の場合も、図25、および図26に示すように、上記電気コネクタ200は、外部ハウジング400に装着される。上記外部ハウジング400は絶縁性材料により形成されている。図25、および図26に示すように、上記外部ハウジング400の本体410の内部には、上記電気コネクタ200の上記シェル230を収容するシェル収容室411が上記奥行き方向に貫通して設けられている。上記本体410には、上記シェル収容室411を上記厚さ方向の一方側の外壁に連通する連通口(図示省略)が設けられている。そして、この連通口にリテーナ420が嵌まるようになっている。上記本体410の内部には、上記奥行き方向に延びて上記シェル収容室411を構成する内壁の一部を成す可撓片(図示省略)が設けられており、上記シェル収容室411に上記シェル230が挿入されたときに上記可撓片の先端に上記シェル収容室411に向かって突き出した突起が上記シェル230の上記シェル本体231の上記奥行き方向手前側の端部に掛かり、これによって上記シェル230を上記外部ハウジング400に係止するようにしている。上記シェル本体231の上記奥行き方向手前側の端部は上記シェル230の第3係止部235であり、上記外部ハウジング400の上記本体410の可撓片は上記外部ハウジング400の第3係止部である。これとは逆に上記シェルの上記第3係止部を上記のような可撓片により構成し、上記外部ハウジングの上記第3係止部を上記のような角部により構成してもよい。また、上記角部に代えて、凹部又は凸部を設けてもよい。上記リテーナ420が上記連通口に挿入されると上記外部ハウジング400の上記第3係止部を上記本体410の内方に向かって押さえて上記シェル230が上記第3係止部235から外れないようにする。上記シェル230の上記第3係止部235と、上記外部ハウジング400の上記第3係止部とにより、上記シェル230と上記外部ハウジング400とを係止する追加係止手段が構成されている。
上記第2実施形態のシールドハーネスの製造方法の主要な構成は次のとおりである。すなわち、その方法は、内部導体111、および上記内部導体111を覆う内部絶縁被覆112を有する内部電線110と、この内部電線110を覆う編組線よりなる外部導体120と、この外部導体120を覆う外部絶縁被覆130とを有し、一方の終端では、上記外部絶縁被覆130が剥かれて上記外部導体120が露出し、それよりも上記内部導体111の端面側で上記外部導体120、および上記内部絶縁被覆112が剥かれて上記内部導体111が露出している加工シールドケーブル100における上記内部導体111の上記露出部に、一端に接続部211を有し他端に接触部212を有する接触子210の上記接続部211を接続し、上記外部導体120の上記露出部に、外壁に突起142が設けられた筒体140を外側からかしめる第1工程と、内部に、上記接触子210を収容する接触子収容室221、および上記接触子収容室221を上記加工シールドケーブル側と反対側の外部へ連通する連通孔222が形成されるように筒状に設けられた内部ハウジング220における上記接触子収容室221に上記接触子210を挿入する第2工程と、内部に、上記内部ハウジング220を収容する内部ハウジング収容室231aが形成されるように筒状に設けられたシェル本体231、および上記筒体140における上記突起142の反端面側にかしめられた筒体用バレル232を有して導電性材料により形成されると共に、上記第2工程よりも前又は後に上記内部ハウジング収容室231aに上記内部ハウジング220を収容したシェル230における上記筒体用バレル232を上記筒体140における上記突起142の上記反端面側にかしめる第3工程とを備えたシールドハーネスの製造方法である。また、上記シールドハーネスの製造方法において、上記接触子210と上記筒体140とが同一の桟310にそれぞれ一体的に設けられており、上記第1工程における、上記内部導体111の露出部に上記接触子210の上記接続部211を接続する工程と、上記外部導体120の露出部に、上記筒体140をかしめる工程とを同時に、又はいずれかを先にして相次いで行うシールドハーネスの製造方法も上記第1実施形態を通じて十分に開示された。上記第2実施形態の場合、上記第3工程の次に上記シェル230を上記外部ハウジング400に装着する。すなわち、上記シェル収容室411に上記シェル230を挿入すると、上記シェル230が上記外部ハウジング400の上記奥行き方向奥側から出て、次に上記外部ハウジング400の上記第3係止部と上記シェル230の第3係止部235とが係止し、これによって上記シェル230が上記外部ハウジング400に係止される。さらに、上記リテーナ420を上記連通口に挿入すると、上記外部ハウジング400の上記第3係止部が上記本体410の内方に向かって押さえられて上記シェル230が上記第3係止部235から外れにくくなる。上記第2の実施形態のシールドハーネスおよびその製造方法におけるその他の詳細な構成は上記第1の実施形態、および変形例のシールドハーネスおよびその製造方法のものと同様である。上記第2の実施形態のシールドハーネスおよびその製造方法の作用、及び効果は、上記第1の実施形態、および変形例のシールドハーネスおよびその製造方法で得られる作用、及び効果と同様である。上記第2実施形態では上記外側係止手段としての上記第2係止部を設けなかったが、上記第2実施形態の構成を前提にして上記内部ハウジングを上記シェルに圧入するように構成してもよい。そうすれば、上記内部ハウジングと上記シェルとの間に接触圧力が作用し、それを上記内部ハウジングと上記シェルとの接続力として利用することができる。そのときには上記内部ハウジングの圧入部と上記シェルの圧入部がそれぞれ第2係止部となる。そのようにすれば、上記内部導体および上記接触子と上記内部ハウジングとの接続力と、上記外部導体と上記シェルとの接続力とが、上記外側係止手段である上記第2係止部を通じてさらに相乗的に作用するので、上記加工シールドケーブルと上記電気コネクタとの接続力が向上する。
この明細書に記載した発明のシールドハーネスおよびその製造方法は、以上で説明した各実施形態、及び変形例の特徴を組み合わせた実施形態を含んでいる。さらに、以上で説明した実施形態、及び変形例はこの明細書に記載した発明のシールドハーネスおよびその製造方法のいくつかの例を示したに過ぎない。したがって、これらの実施形態、及び変形例の記載によってこの明細書に記載した発明のシールドハーネスおよびその製造方法が限定解釈されることはない。