JP5974874B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載される車両用駆動装置に関する。この車両用駆動装置としては、例えばフロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式の車両に備えるトランスアクスルや、車両の前輪側または後輪側に設置されるデファレンシャル等とされる。
例えば特許文献1は、単一のハウジング内に変速機構やデファレンシャルを組み込んだ構成の変速機において、前記単一のハウジング内にデファレンシャルが配置されるデフ室とオイルを貯留するオイルパン室とを仕切った状態にしている。そして、デフ室とオイルパン室とを連通孔で連通するとともに、この連通孔に蓋状の開閉弁を設置して前記連通孔を開閉可能にしている。
この特許文献1では、段落0042に、「変速機の作動時にデファレンシャルのリングギヤが回転することに伴いデフ室の作動油がかき上げられてオイルパン室に流入する。そのため、デフ室内の作動油のオイルレベルが最小限に保たれ、オイルパン室のオイルレベルは高くなる。」と記載されている。
このようにデフ室とオイルパン室とにおけるオイルレベルに高低差が生じて、変速機を停止した場合に、オイルレベルを同じにするように調整するために前記開閉弁を開くようにしている。この開閉弁を開くには、前記連通孔の下方のドレン開口に螺合されているドレンプラグを外して、このドレン開口から筒状部材を差し入れることにより前記蓋状の開閉弁を押して開くようになっている。
特開2008−19886号公報
上記特許文献1では、デフ室とオイルパン室とにおけるオイルレベルを調整するときに、ドレンプラグを外す必要があり、非常に面倒である。
本願発明者らは、第1空間に例えば変速機構部やデファレンシャルなどを配置し、第1空間と横並びに隔壁を介して仕切られる第2空間をオイル貯留空間にしたトランスアクスルにおいて、前記隔壁に前記第1空間と前記第2空間とを連通するようにオイルレベル調整用の連通路を設け、デファレンシャルのリングギヤの回転に伴うポンプ作用で前記第2空間のオイルが前記連通路を経て前記第1空間に吸い込まれるように構成したものを提案している。この構成では、第1空間内に流入したオイルを第2空間に戻しにくくなっているために、第1空間内のオイルレベルが高くなりやすいことが懸念される。
このような事情に鑑み、本発明は、ギヤが横軸周りに回転する姿勢で配置される第1空間と、前記第1空間と前記ギヤの回転軸線方向に隣り合わせに設けられかつ前記第1空間と隔壁で仕切られる第2空間と、前記隔壁に前記第1空間と前記第2空間とを連通するように設けられるオイルレベル調整用の連通路とを備える車両用駆動装置において、前記第2空間のオイルが前記連通路を経て第1空間に流入することによって、第1空間のオイルレベルが過剰に上昇して第2空間のオイルレベルが過剰に低下するといった現象の発生を抑制または回避可能とすることを目的としている。
本発明に係る車両用駆動装置は、ギヤが横軸周りに回転する姿勢で配置される第1空間と、前記第1空間と前記ギヤの回転軸線方向に隣り合わせに設けられかつ前記第1空間と隔壁で仕切られる第2空間と、前記隔壁に前記第1空間と前記第2空間とを連通するように設けられるオイルレベル調整用の連通路とを備える車両用駆動装置であって、前記第1空間側において前記ギヤよりも前記連通路寄りの位置に前記隔壁と所定間隔を隔てて対向するように設けられることで前記連通路から第1空間へのオイル流入を規制するオイル受け空間を作る規制壁部と、前記隔壁において前記連通路より上方でかつ前記規制壁部の上部側の近傍に前記第1空間と前記第2空間とを連通するように設けられるオイル戻し通路と、前記ギヤがかき上げるオイルを方向転換させて前記オイル戻し通路に導入させるための案内壁部とを備え、前記規制壁部は、薄板材で形成され、当該規制壁部において前記連通路に前記ギヤの横軸と平行な方向で対向する領域には前記第1空間側に通じる貫通孔が設けられ、前記案内壁部は、前記隔壁において第1空間側の面に、前記規制壁部の上方で当該規制壁部の上部との間に所定間隔を隔てるように横向きに張り出すように設けられ、前記規制壁部の上部が前記ギヤの最上位置よりも低い位置でかつ前記第1空間側から見たときに前記オイル戻し通路を隠すような高さ位置に配置されるとともに、前記案内壁部の下面が前記ギヤの最上位置と同じまたは近傍の高さに配置され、前記隔壁において前記オイル戻し通路の下側位置に、前記規制壁部に当接するように突出するリブが設けられることで、当該リブと前記隔壁と前記規制壁部とで囲まれるオイル受け凹部が作られている、ことを特徴としている。
この構成では、前記隔壁にオイルレベル調整用の連通路を設けているので、前記ギヤが回転していない場合には第1空間と第2空間との間でオイルが相互に流通可能になっており、それによって両空間のオイルレベルがほぼ同等になる。
そして、前記ギヤが回転すると、当該回転に伴うポンプ作用でもって第2空間内のオイルが前記連通路を通じて第1空間へ吸い込まれるようになる。そこで、本発明では、前記連通路の第1空間側開口の近くに前記規制壁部を設けることにより、第2空間から第1空間へのオイル流入量を規制するようにしている。これにより、第1空間のオイルレベルが過剰に上昇して第2空間のオイルレベルが過剰に低下するといった現象の発生を抑制または回避することが可能になる。
また、上述したように規制壁部で第2空間から第1空間へのオイル流入量を規制するようにしているので、一旦、第2空間から第1空間にオイルが流入すると、この第1空間のオイルを前記連通路を通じて第2空間に戻しにくくなって、第1空間のオイルレベルが過剰に上昇して第2空間のオイルレベルが過剰に低下する傾向になる。
そこで、本発明では、前記案内壁部および前記オイル戻し通路を設けることにより、前記第1空間内のギヤがかき上げるオイルを案内壁部で方向転換させてオイル戻し通路に導入させるようにしている。これにより、第1空間内のオイルを第2空間に積極的に戻すことが可能になるから、第1空間のオイルレベルが過剰に上昇して第2空間のオイルレベルが過剰に低下するといった現象の発生を回避することが可能になる。
さらに、前記ギヤがかき上げるオイルが案内壁部の下面に衝突すると、下向きに反射されて前記オイル戻し通路に導入されやすくなる。これにより、第1空間から第2空間へオイルが積極的に戻されるようになる。
好ましくは、前記第2空間には、当該第2空間を所定のオイルレベルに調節するためのオーバーフローチューブが設けられ、前記連通路は、前記オーバーフローチューブの上端開口の高さと同じ位置または近傍位置に配置されている、構成とすることができる。
ここでは、前記連通路の設置高さを特定するとともに、オイルレベル調整用のオーバーフローチューブを備える構成であることを特定している。この構成では、ギヤが回転していない状況だと、前記連通路および前記オーバーフローチューブにより第1空間と第2空間とにおけるオイルレベルがほぼ同じに調整されるようになる。そして、ギヤが回転している状況では、第2空間のオイルが前記連通路を通じて第1空間に流入する量を規制しつつ、第1空間のオイルをオイル戻し通路を通じて第2空間へ積極的に戻せるようになる。
好ましくは、前記第1空間には、デファレンシャルが収納され、前記ギヤが、前記デファレンシャルのリングギヤとされる、構成とすることができる。
この構成のように、本発明に係る車両用駆動装置の内部構成の一部を特定して、ギヤの種類を特定しているので、本発明に係る車両用駆動装置の実施形態が明らかになる。
本発明は、ギヤが横軸周りに回転する姿勢で配置される第1空間と、前記第1空間と前記ギヤの回転軸線方向に隣り合わせに設けられかつ前記第1空間と隔壁で仕切られる第2空間と、前記隔壁に前記第1空間と前記第2空間とを連通するように設けられるオイルレベル調整用の連通路とを備える車両用駆動装置において、前記第2空間のオイルが前記連通路を経て第1空間に流入することによって、第1空間のオイルレベルが過剰に上昇して第2空間のオイルレベルが過剰に低下するといった現象の発生を抑制または回避することが可能になる。
本発明に係る車両用駆動装置としてのトランスアクスルの一実施形態の要部を示す図で、図4の(1)−(1)線断面の矢視図である。 図1のトランスアクスルの外観を示す側面図である。 図2のトランスアクスルを分解して模式的に示す図である。 図2のセンターケースおよびリングギヤを模式的に示す平面図である。 図4の(5)−(5)線断面の矢視図である。 図4の(6)−(6)線断面の矢視図である。 図4の(7)−(7)線断面の矢視図である。 図4においてリングギヤを取り外して規制壁部を見せた状態を模式的に示す部分的な平面図である。 図8において規制壁部を取り外してセンターケースの隔壁を露呈させた状態を模式的に示す部分的な平面図である。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図9に本発明の一実施形態を示している。この実施形態では、車両用駆動装置としてフロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式のトランスアクスル1を例に挙げている。
図1に例示しているトランスアクスル1のハウジング2内には、図示していない変速機構部や、デファレンシャル3などが収納されている。
このトランスアクスル1は、入力される回転動力を前記変速機構部、デファレンシャル3ならびに左右のドライブシャフト4L,4R(図2のみ記載)を経由して図示していない左右の前輪(駆動輪)に伝達するように構成されている。
このトランスアクスル1は、基本的に公知の構成であって本発明の特徴部分に直接的に関与しないものであるから、ここでの説明を簡単に済ませることにする。
前記変速機構部は、いわゆる「CVT」と呼ばれるベルト式無段変速機とされるが、その他にも、例えば複数段の歯車機構、遊星歯車機構、あるいはトロイダル式の変速機構部等とすることも可能である。この変速機構部から出力される回転動力は、リングギヤ3gを介してデファレンシャル3に伝達される。
デファレンシャル3は、例えばツーピニオンタイプと呼ばれる公知の構成であり、2つのサイドギヤ3a,3b、2つのピニオンギヤ3c,3d、2つのピニオンギヤ3c,3dを支持するピニオンシャフト3e、これらを収納するデフケース3f、デフケース3fの外周にボルト(符号省略)などで固定されるリングギヤ3gなどを備えている。
サイドギヤ3a,3bには、左右のドライブシャフト4L,4Rの各内端が一体回転可能にかつ軸方向変位可能となるように例えばスプライン結合により連結されている。
デフケース3fは、その軸方向両端側のボス部3f1,3f2が例えば転がり軸受等を介してセンターケース5およびサイドケース6の適宜位置に回転自在に挿通支持されるようになっている。
リングギヤ3gは、デフケース3fの外周に設けられる径方向外向き環状部(符号省略)にボルトなどにより取り付けられていて、デフケース3fと一体に回転するようになっている。このリングギヤ3gは、図1に示すように、ハウジング2のサイドケース6内に横軸周りに回転自在になっている。
このデファレンシャル3は、リングギヤ3gに入力される回転動力を必要に応じて左右のドライブシャフト4L,4Rを介して前記左右の前輪(図示省略)に分配して伝達する。
この実施形態では、ハウジング2が、例えば図2に示すような3ピース構造とされている。具体的に、ハウジング2は、中央に配置されるセンターケース5、このセンターケース5の一側に取り付けられるサイドケース6、センターケース5の他側に取り付けられるカバー7などを備えている。センターケース5の底側には、オイルパン8が取り付けられる。
センターケース5のサイドケース6寄りには隔壁5aには、図3および図4に示すように、四つの軸挿通孔5b,5c,5d,5eが設けられている。この各軸挿通孔5b〜5eには、それぞれ、前記変速機構部(図示省略)の各種回転軸や、図5に示すように、デファレンシャル3のデフケース3fの軸方向一端側のボス部3f1が例えば転がり軸受等を介して回転自在に挿通支持されるようになっている。
このような構成のハウジング2の内部には、トランスアクスル1の各構成要素の回転支持部分や摺動部分を潤滑、冷却するためのオイルが所定量収納されている。このオイルは、センターケース5およびサイドケース6の内底部に貯留されるようになる。
この実施形態では、サイドケース6とセンターケース5とで囲む空間が第1空間(デフ室)20とされ、センターケース5とカバー7とで囲む空間が第2空間(オイルパン室)30とされる。
第1空間20内にはデファレンシャル3が収納されており、第2空間30内には前記変速機構部(図示省略)が収納されている。デファレンシャル3のリングギヤ3gは、横軸周りに回転する姿勢で配置されている。また、第1空間20と第2空間30は、リングギヤ3gの回転軸線方向に隣り合わせになるように配置されており、センターケース5に設けられる隔壁5aによって仕切られている。
この隔壁5aには、第1空間20と第2空間30とを連通するために、2つの連通路11,12が上下方向にずらされて設けられている。この連通路11,12は、隔壁5aの板厚方向に貫通される孔とされ、第1空間20と第2空間30との間でオイルを流通可能とすることにより両空間20,30のオイルレベルを調整するために設けられている。
第2空間30は、メインのオイル貯留空間とされる。この第2空間30には、当該第2空間30を所定のオイルレベルに調整するためのオーバーフローチューブ10が設けられている。
このオーバーフローチューブ10から放出されるオイルは、図示していないがオイルポンプのストレーナに導入されるようになっている。図1および図4に示すように、上側の連通路11は、オーバーフローチューブ10の上端開口の高さと同じ位置または近い位置に配置されている。
ところで、前記したように隔壁5aに連通路11,12を設けることによって第1空間20と第2空間30とを連通していると、リングギヤ3gが回転していない状況では、第1空間20および第2空間30内のオイルレベルが例えばほぼ同じに保たれるようになる。その状況では、第1空間20内においてリングギヤ3gの下側がオイル内に浸かるようになる。そして、リングギヤ3gが回転すると、当該回転に伴うポンプ作用で第2空間30のオイルが連通路11,12を通じて第1空間20に吸い込まれるようになる。
この実施形態では、第2空間30内のオイルが連通路11,12を通って第1空間20に流入する量を規制するように構成しているとともに、第1空間20内のオイルを第2空間30へ積極的に戻せるように構成している。
まず、第1空間20へのオイル流入量を規制する構成について説明する。第1空間20内において連通路11,12寄りに、規制壁部13を設けている。
この規制壁部13は、図1および図5に示すように、薄板材で形成され、その所定領域には、図5および図8に示すように、デフケース3fの軸方向一端側のボス部3f1に外嵌される形状寸法の軸挿通孔13aが設けられている。
規制壁部13は、図1に示すように、第1空間20側においてリングギヤ3gよりも連通路11,12寄りの位置に隔壁5aとほぼ平行に所定間隔離して対向するように配置されており、その下部は、隔壁5aの下側張り出し部5fとの間に微小隙間を介して対向されている。この規制壁部13は、隔壁5aに複数のボルト(図示省略)などを用いて取り付けられている。
そして、規制壁部13を隔壁5aとほぼ平行に所定間隔離して対向配置させるために、隔壁5aに複数のリブ5g,5h(図1および図9参照)が設けられている。図1に示すように、下側のリブ5gの突出端は規制壁部13に微小隙間を介して対向されており、また、上側のリブ5hの突出端は規制壁部13に当接されている。
なお、下側リブ5gの下面と隔壁5aと規制壁部13との対向間には、オイル受け空間40が作られるようになっている。このオイル受け空間40は、第2空間30内のオイルが上下の連通路11,12を通ったときに第1空間20よりも前に入る空間になっている。このオイル受け空間40内のオイルは、下側のリブ5gと規制壁部13との間の微小隙間や、図8に示すように、規制壁部13の外周とセンターケース5の外周壁の内周との対向隙間を経て第1空間20に少量ずつ入るようになっている。
また、図1に示すように、上側リブ5hの上面と隔壁5aと規制壁部13とがオイル受け凹部50を作るようになっている。このオイル受け凹部50は、上向きに開いていて、リングギヤ3gがかき上げるオイルを受け入れるために設けられている。
前記オイル受け空間40は、規制壁部13の下部と隔壁5aの下側張り出し部5fとの間の微小隙間および規制壁部13の貫通孔13bを通じて第1空間20に連通している。前記規制壁部13の貫通孔13bは、規制壁部13において上側の連通路11に対応する高さ位置に設けられている。これにより、第2空間30およびオイル受け空間40内のオイルレベルが所定以上に上昇したときに、この第2空間30およびオイル受け空間40内のオイルが規制壁部13の貫通孔13bからオーバーフローして第1空間20へ流入するようになる。
このような規制壁部13、オイル受け空間40および貫通孔13bを設けると、第2空間30内のオイルが第1空間20に流入する量を規制することが可能になる。
次に、第1空間20内のオイルを第2空間30へ積極的に戻すための構成について説明する。
リングギヤ3gは、ヘリカルギヤとされていて、各歯の傾斜の向きは図示していないが、かき上げるオイルを図1の矢印で示すように隔壁5aへ向けて送り出すような傾斜とされている。
隔壁5aにおいて連通路11,12よりさらに上方でかつ規制壁部13の上部側の近傍には、図1、図8および図9に示すように、第1空間20と第2空間30とを連通するオイル戻し通路14が設けられている。このオイル戻し通路14は、隔壁5aの板厚方向に貫通する孔とされている。
規制壁部13およびオイル戻し通路14の上方には、図1および図8に示すように、当該規制壁部13の上部との間に所定間隔を隔てるように案内壁部15が設けられている。この案内壁部15は、リングギヤ3gがかき上げるオイルを方向転換させてオイル受け凹部50およびオイル戻し通路14に導入させるものであって、隔壁5aにおいて第1空間20寄りの面に、横向きに張り出すように設けられている。
そして、図1に示すように、規制壁部13の上部はリングギヤ3gの最上位置よりも低い位置に配置されているとともに、案内壁部15の下面はリングギヤ3gの最上位置と同じまたは近傍の高さに配置されており、さらにオイル戻し通路14は規制壁部13の上部付近に配置されている。
これにより、リングギヤ3gがかき上げるオイルは、案内壁部15の下面に衝突させられるようになっている。この案内壁部15に衝突されたオイルは、図8の太線矢印100で示すように、斜め下向きに反射されることによって、オイル受け凹部50およびオイル戻し通路14に導入されるようになる。この他、リングギヤ3gがかき上げるオイルが案内壁部15の下面に衝突させられることにより、図8の二点鎖線矢印200で示すように、下向きに反射されることによってオイル受け空間40に落とされるようになり、これによってオイル受け空間40内のオイルが下側の連通路12から第2空間30に戻されるようになる。
このように、オイル戻し通路14および案内壁部15を設けることによって、第1空間20から第2空間30へオイルを積極的に戻すことが可能になる。これにより、第1空間20のオイルレベルが過剰に上昇して第2空間30のオイルレベルが過剰に低下するという現象の発生を回避することが可能になる。
以上説明したような構成のトランスアクスル1において、リングギヤ3gが回転していない状況では、連通路11,12の存在によって第1空間20と第2空間30とが連通されているので、第1空間20および第2空間30内のオイルレベルが例えばほぼ同じに保たれるようになっている。その状況では、第1空間20内においてリングギヤ3gの下側がオイル内に浸かるようになる。
そして、リングギヤ3gが回転すると、従来例であれば前記リングギヤ3gの回転に伴うポンプ作用によって、第2空間30のオイルが連通路11,12を通じて第1空間20に吸い込まれるようになるために、リングギヤ3gの回転中は、第1空間20のオイルレベルが過剰に上昇して第2空間30のオイルレベルが過剰に低下する傾向になりやすい。
これに対し、この実施形態の構成では、前記リングギヤ3gの回転に伴うポンプ作用によって、第2空間30のオイルが連通路11,12を通じてオイル受け空間40にオイルが吸い込まれるようになるものの、規制壁部13の下部と隔壁5aの下側張り出し部5hとの間の微小隙間から第1空間20側へのオイル移動を規制するようにしている関係より、オイル受け空間40内のオイルレベルが所定以上になるまではオイル受け空間40内のオイルが第1空間20へ流出しなくなる。このオイル受け空間40内のオイルレベルが所定以上になると、オイル受け空間40内のオイルが規制壁部13の貫通孔13bから第1空間20へ流出するようになる。このようにして第2空間30から第1空間20へのオイル流入量が規制されるようになっている。
そして、第1空間20にオイルが徐々に流入することに伴い第1空間20のオイルレベルが上昇すると、この第1空間20内でリングギヤ3gによりかき上げられるオイルが、案内壁部15の下面に衝突して、この案内壁部15で下向きに反射されることになって、オイル受け凹部50に受け入れられるとともに、オイル戻し通路14に導入されるようになる。このオイル戻し通路14を通ったオイルは第2空間30へ戻される。このようにして、第1空間20から第2空間30へオイルを積極的に戻せるようになっている。
このような結果、本発明の特徴を適用した実施形態では、第2空間30から第1空間20へのオイル流入量を規制したうえで、第1空間20に流入したオイルを第2空間30に積極的に戻せるようにしているから、第1空間20内のオイルレベルが過剰に上昇して第2空間内のオイルレベルが過剰に低下するといった現象が発生することを抑制または回避することが可能になる。そのため、トランスアクスル1の動作安定化ならびに耐久性向上に貢献できるようになる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。
(1)上記実施形態では、車両用駆動装置として、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式の車両に搭載されるトランスアクスル1を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば車両の前輪側または後輪側に設置されるデファレンシャルとすることも可能である。
(2)上記実施形態では、第1空間20と第2空間30とを連通する連通路(11,12)を2つにした例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば連通路は1つにすることが可能である。
本発明は、ギヤが横軸周りに回転する姿勢で配置される第1空間と、前記第1空間と前記ギヤの回転軸線方向に隣り合わせに設けられかつ前記第1空間と隔壁で仕切られる第2空間と、前記隔壁に前記第1空間と前記第2空間とを連通するように設けられるオイルレベル調整用の連通路とを備える車両用駆動装置に好適に利用することが可能である。
1 トランスアクスル
2 ハウジング
3 デファレンシャル
3g リングギヤ
5 センターケース
5a 隔壁
5g 下側リブ
5h 上側リブ
6 サイドケース
8 オイルパン
11 上側の連通路
12 下側の連通路
13 規制壁部
13b 貫通孔
14 オイル戻し通路
15 案内壁部
20 第1空間(デフ室)
30 第2空間(オイルパン室)
40 オイル受け空間
50 オイル受け凹部

Claims (3)

  1. ギヤが横軸周りに回転する姿勢で配置される第1空間と、前記第1空間と前記ギヤの回転軸線方向に隣り合わせに設けられかつ前記第1空間と隔壁で仕切られる第2空間と、前記隔壁に前記第1空間と前記第2空間とを連通するように設けられるオイルレベル調整用の連通路とを備える車両用駆動装置であって、
    前記第1空間側において前記ギヤよりも前記連通路寄りの位置に前記隔壁と所定間隔を隔てて対向するように設けられることで前記連通路から第1空間へのオイル流入を規制するオイル受け空間を作る規制壁部と、
    前記隔壁において前記連通路より上方でかつ前記規制壁部の上部側の近傍に前記第1空間と前記第2空間とを連通するように設けられるオイル戻し通路と、
    前記ギヤがかき上げるオイルを方向転換させて前記オイル戻し通路に導入させるための案内壁部とを備え、
    前記規制壁部は、薄板材で形成され、当該規制壁部において前記連通路に前記ギヤの横軸と平行な方向で対向する領域には前記第1空間側に通じる貫通孔が設けられ、
    前記案内壁部は、前記隔壁において第1空間側の面に、前記規制壁部の上方で当該規制壁部の上部との間に所定間隔を隔てるように横向きに張り出すように設けられ、
    前記規制壁部の上部が前記ギヤの最上位置よりも低い位置でかつ前記第1空間側から見たときに前記オイル戻し通路を隠すような高さ位置に配置されるとともに、前記案内壁部の下面が前記ギヤの最上位置と同じまたは近傍の高さに配置され、
    前記隔壁において前記オイル戻し通路の下側位置に、前記規制壁部に当接するように突出するリブが設けられることで、当該リブと前記隔壁と前記規制壁部とで囲まれるオイル受け凹部が作られている、ことを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 請求項1に記載の車両用駆動装置において、
    前記第2空間には、当該第2空間を所定のオイルレベルに調節するためのオーバーフローチューブが設けられ、
    前記連通路は、前記オーバーフローチューブの上端開口の高さと同じ位置または近傍位置に配置されている、ことを特徴とする車両用駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用駆動装置において、
    前記第空間には、デファレンシャルが収納され、
    前記ギヤが、前記デファレンシャルのリングギヤとされる、ことを特徴とする車両用駆動装置。
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