JP5949478B2 - 積層リング及び積層リング製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などに用いられる積層リング及び積層リングの製造方法に関し、詳しくはCVTに用いられる積層リングに応力を加えながら製造することで、内部の残留応力を調整し、積層リングの疲労強度を向上する技術に関する。
近年、車両に搭載される変速機としてCVT(Continuously Variable Transmission)を搭載したものが増加している。これはCVTがAT(Automatic Transmission)同様に車速やエンジンの回転速度に応じて変速比を自動的に切り替える機能を備えており、かつ、無段階で変速比を変更できる構造であるために、エンジン回転数に応じた変速比を選ぶことができるので、ATに比べて燃費の向上に効果があるからである。
CVTは、近接離間可能な一対のプーリーに、環状に連ねられたエレメントを積層リングに支持したスチールベルトを動力伝達手段として用いる、スチールベルト式CVTの他にも、ゴムベルト式CVTやチェーン式CVT等様々な方式が検討されている。中でもスチールベルト式CVTは、開発が進んで大排気量、大トルクにも対応できる用になって来ており、車載用のCVTの方式として普及してきている。スチールベルト式CVTに用いられる積層リングは、帯状金属部材を複数積層して形成されている。そして、CVTの寿命は積層リングに左右されるため、積層リングの耐久性の向上が課題の1つとして考えられている。
特許文献1には、積層リングの製造方法に関する技術が開示されている。帯状金属部材を形成する際に、環状に繋いだ帯状金属部材を固定ローラと移動ローラに巻き掛け、固定ローラ及び移動ローラを回転させることで、帯状金属部材を周方向に回転させ、移動ローラを固定ローラから離間させることで、帯状金属部材の周長を調節する。その後、帯状金属部材を一対の固定ローラに巻き掛け、帯状金属部材を周方向に回転させつつ、その帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に移動ローラを用いて押圧する。こうすることで、帯状金属部材の内周部に残留応力を付与する。帯状金属部材の内周部に残留応力が付与されることで、帯状金属部材の耐久性を高めることが可能となる。
特開2011−185300号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術を用いた、積層リングには、以下に説明する課題があると考えられる。
出願人が調査した結果、積層リングがエレメントに組み込まれて稼働状態にある際には、積層リングはリング幅端部の内周面側と、リング中央部の外周面側の順に破断起点となる部位が集中することが判明した。このことから、同部位に高い応力が発生しているものと考えられ、同部位に予め残留応力を付与することで、積層リングの耐久性を向上させることが期待される。確かに、特許文献1に開示される技術によって積層リングを製造した場合、積層リングの内周側にも圧縮残留応力を付与することが可能となる。しかし、特許文献1に開示される技術では、特にリング幅方向の区別無く、積層リングの外周面に対して残留応力を付与している。
しかし、特許文献1に開示されるような残留応力付与を行うと、積層リングの断面における厚み方向の残留応力の総和がゼロとなる。この為、積層リングの形状や大きさによっては前述の破断起点が集中する部位に適切に圧縮残留応力を付与出来ない可能性がある。その結果、耐久性の向上に寄与しない場合も考えられる。
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、積層リングの幅方向に応力分布の異なる残留応力付与することで耐久性の向上を図った積層リング及び積層リング製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の一態様による積層リングは、以下のような特徴を有する。
(1)複数の無端環状の帯状金属部材が密着状態で積層されてなり、環状に連ねられた複数のエレメントを支持するために車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトに用いられる積層リングであって、前記帯状金属部材の内部に蓄積する残留応力は、前記帯状金属部材のリング内周側のリング幅方向の端部と、リング外周側のリング幅方向の中央部とに、他部位より大きい圧縮残留応力が付与されていること、を特徴とする。
上記(1)に記載の態様により、帯状金属部材の幅方向の応力分布を最適化することが可能となる。課題にも示した通り、帯状金属部材の破断起点となる部位は偏りがあることが判明している。そして、出願人の調査によって、帯状金属部材の幅方向の特定の部位に残留応力を付与することで、積層リングの耐久性を向上させることが可能であることが判明した。具体的には、帯状金属部材のリング内周側のリング幅方向の端部とリング外周側のリング幅方向の中央部に、その他の部位よりも大きい圧縮残留応力を付与させる。リング内周側のリング幅方向の端部とリング外周側のリング幅方向の中央部に圧縮残留応力を付与することで、破断起点となる部位に圧縮残留応力を付与することができる。この結果、積層リングの耐久性を向上させることが可能となる。
また、前記目的を達成するために、本発明の一態様による積層リング製造方法は、以下のような特徴を有する。
(2)無端環状の帯状金属部材を密着状態で複数枚積層して積層リングを形成する積層リング製造方法において、ローラ幅方向断面の中央部が凸状になるようクラウニングが形成され、前記帯状金属部材の断面が有する円弧の半径よりも前記クラウニングの半径が小さく設定された周長調整第1ローラと周長調整第2ローラに、前記帯状金属部材を巻き掛け、前記周長調整第1ローラ又は前記周長調整第2ローラを回転させることで前記帯状金属部材を周方向に回転させつつ、前記周長調整第1ローラと前記周長調整第2ローラとを相対的に離間させることで、前記帯状金属部材の周長を伸ばす周長調整工程と、ローラ幅方向断面形状の中央部が凸状になるようクラウニングが形成されている回転第1ローラ及び回転第2ローラに、前記帯状金属部材を巻き掛け、前記回転第1ローラ又は前記回転第2ローラを回転させることで、前記帯状金属部材を周方向に回転させつつ、前記帯状金属部材の外周側に設けられ、ローラ幅方向の断面形状は、略平坦又は中央部が凹状になるよう形成された応力付与ローラを用いて、前記帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することで、前記帯状金属部材の内周側に圧縮残留応力を付与する残留応力付与工程と、を含むこと、を特徴とする。
上記(2)記載の態様により、耐久性の向上を実現した積層リングの製造方法を提供することが可能になる。これは、周長調整工程で適度な長さに調整された積層リングに対して、残留応力付与工程において、回転第1ローラ及び回転第2ローラに帯状金属部材を巻き掛け周方向に回転させながら、応力付与ローラで帯状金属部材の外周面を、内周側に向けて局部的に押圧することで実現される。後述するが、周長調整工程において帯状金属部材の蛇行を防止する目的等から回転第1ローラ及び回転第2ローラのローラ幅方向断面形状は、中央部が凸状になるようクラウニングが形成されている。この為、周長調整工程において、帯状金属部材の外周面側の中央部には圧縮残留応力が付与され、内周面側には逆に引張残留応力が付与された状態になる。つまり、帯状金属部材は厚み方向に残留応力の分布が発生している状態となっている。
また、帯状金属部材の外周面側の幅方向中央部により強い圧縮残留応力が付与され、端部には弱い圧縮残留応力が付与された状態となるので、帯状金属部材の断面における厚み方向にも残留応力の分布が発生する。そして、帯状金属部材の厚み方向の残留応力の総和はゼロとなる特性がある。したがって、周長調整工程において、周長調整第1ローラ及び周長調整第2ローラのクラウニングの半径を帯状金属部材の断面が有する円弧の半径よりも小さくし、又、残留応力付与工程において、応力付与ローラの断面形状を略平坦又は中央部が凹状とし、応力付与ローラを帯状金属部材の外周面側から内周側に押し付ける。こうすることにより、帯状金属部材の幅方向の残留応力付与に強弱を付けることが可能となり、必要な場所に残留応力を付与することが可能となる。この結果、積層リングの耐久性を向上させることに期待が出来る。
第1実施形態の、車両用ベルト式無段変速機の伝達ベルトの一部を示す斜視図である。 第1実施形態の、エレメントの正面から見た伝達ベルトの断面図である。 第1実施形態の、帯状金属部材の斜視断面図である。 第1実施形態の、積層リングの製造工程を説明する概略図である。 第1実施形態の、周長調整工程の概念図である。 第1実施形態の、周長調整第1ローラの断面図である。 第1実施形態の、残留応力付与工程の概念図である。 第1実施形態の、回転第1ローラの断面図である。 第1実施形態の、応力付与ローラの断面図である。 概念説明の為の、薄板曲げを説明する側面図である。 概念説明の為の、薄板曲げを説明する断面図である。 概念説明の為の、クラウニングローラの断面図である。 第1実施形態の、残留応力の分布を表すグラフである。 第1実施形態の、環状被調整部材の断面図である。 第1実施形態の、帯状金属部材内部の残留応力の分布を表すグラフである。 第1実施形態の、帯状金属部材の断面図である。 第2実施形態の、周長調整第1ローラの断面図である。 第2実施形態の、予圧付与ローラの断面図である。 第2実施形態の、帯状金属部材内部の残留応力の分布を表すグラフである。 第2実施形態の、帯状金属部材の断面図である。 第2実施形態の、残留応力付与工程P9のローラの影響で変化する内部応力に関する表である。
まず、本発明の第1の実施形態について、参考となる図面を用いて説明する。なお、用いられている図面の詳細部分は説明の都合上簡略化されている。このため、実際の製品と異なる部分がある。
図1に、第1実施形態の車両用ベルト式無段変速機の伝達ベルト100の一部を斜視図に示す。図2に、エレメント50の正面から見た伝達ベルト100の断面図を示す。図3に、帯状金属部材20の斜視断面図を示す。伝達ベルト100は、積層リング10とエレメント50よりなり、積層リング10は複数の帯状金属部材20を密着するように積層されて形成されている。エレメント50は所定の厚みを有する金属板からプレス加工されて形成されている。エレメント50は、図1に示される様に環状に重ねられ、左右2つの積層リング10に支持される。
また、エレメント50には図2に示される様に両脇から中央に向かうようにリング保持溝51が形成されている。リング保持溝51の先端にはヌスミ部52が略楕円状に形成され、リング保持溝51の一辺が積層リング10のした面を受けるサドル部53として弧を描くような形状に形成されている。弧の内周側の半径である内周側半径Rbは、1000mmに設定されている。なお、この内周側半径Rbは設計要件によって適宜変更される。エレメント50の両側面にはプーリー200と接する伝達辺54が形成されている。
積層リング10は、図3に示すような帯状金属部材20を複数積層して形成されている。帯状金属部材20は、マルエージング鋼又はステンレス鋼などの鋼材を用いて形成されている。そして、無端環状に形成され、又、幅方向の断面の中央部分が外周面側に向けて凸状となるように円弧状に形成されている。このように、帯状金属部材20の幅方向中央部分が外周面側に向けて凸になるように形成されることで、帯状金属部材20を複数枚
積層したときにも、帯状金属部材20の内周面と外周面がそれぞれ係合し、積層リング
10の積層状態を保持するように機能する。なお、ここで言う帯状金属部材20は、後に説明する製造工程を経て形成されたものを指す。
次に、積層リング10の製造工程について、概略を簡単に説明する。図4に、積層リング10の製造工程を説明する概略図を示す。
最初に、帯鋼切断工程P1にて、マルエージング鋼又はステンレス鋼などの帯鋼30が所定の長さに切断されて、平板32が形成される。次に、溶接工程P2で、平板32が円筒状に丸められて一方及び他方の切断面同士がお互いに溶接され、円筒状部材34が形成される。次に、第1溶体化工程P3で、円筒状部材34を溶体化処理する。溶接工程P2で溶接された溶接時の熱影響で、円筒状部材34の溶接部位付近が部分的に硬化しているので、これを均質化する目的である。
次に、円筒状部材切断工程P4で、円筒状部材34を所定の長さに切断し、短円筒状部材36を形成する。円筒状部材34が所定の長さ毎に軸芯方向の軸芯に直交する方向に切断され、複数の短円筒状部材36が形成される。次に、バレル研磨工程P5で、短円筒状部材36が研磨される。図示しないバレルと呼ばれる容器の中に短円筒状部材36と研磨材のペレットを投入し、バレルを回転又は振動することで短円筒状部材36を研磨する。短円筒状部材36は円筒状部材切断工程P4で切断バリなどが出ているため、この工程でバリが除去される。
次に、圧延工程P6で、短円筒状部材36を厚み方向に圧延することで所定の厚みにすることができる。所定の厚みに管理されたものを環状部材38とする。次に、第2溶体化工程P7で、環状部材38の溶体化処理によって組織を均質化する。次に、周長調整工程P8で、環状部材38の周長を調整する。
図5に、周長調整工程の概念図を示す。周長調整工程P8で用いるのは、周長調整装置210であり、周長調整第1ローラ211と周長調整第2ローラ212を備えている。周長調整第1ローラ211には、図示しないモータ等の回転駆動装置が接続されて、周長調整第1ローラ211と周長調整第2ローラ212に巻き掛けられた環状部材38を周方向に回転させる機能を有する。周長調整第2ローラ212は周長調整第1ローラ211に追従して回転する機能と、周長調整第2ローラ212を周長調整第1ローラ211より近接離間可能に移動する機能を備えている。具体的には図示しない油圧式駆動装置等が取り付けられ、周長調整第2ローラ212を周長調整第1ローラ211に対して並行を保ったまま移動させる。
図6に、周長調整第1ローラ211の断面図を示す。図5のAA断面に相当する。なお、周長調整第2ローラ212の断面も、周長調整第1ローラ211と同じ断面形状をしている。周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212はクラウニングが設けられており、環状部材38はクラウニング半径R1に合わせて円弧状断面に形成されることになる。第1実施形態ではクラウニング半径R1は帯状金属部材20の内周側半径Rbの半分の値に設定されている。
この様な構成の周長調整装置210を用いて、周長調整工程P8では、(a)周長調整第1ローラ211と周長調整第2ローラ212に環状部材38を巻き掛け、(b)周長調整第1ローラ211を回転させながら、周長調整第1ローラ211に対して周長調整第2ローラ212が離れるように移動させることで、環状部材38の周長を引っ張りながら伸ばして調整し、(c)環状部材38を所定の長さまで伸ばしたら、周長調整第2ローラ212を周長調整第1ローラ211に対して近接する方向に移動させ、(d)周長調整第1ローラ211と周長調整第2ローラ212から環状部材38を外す、という手順で環状部材38に周長調整を加えて環状被調整部材39を形成する。
次に、図4に示すように、残留応力付与工程P9で周長調整された環状部材38である環状被調整部材39に残留応力が付与される。図7に、残留応力付与工程の概念図を示す。残留応力付与工程P9で用いるのは、残留応力付与装置220であり、回転第1ローラ221と回転第2ローラ222、及び応力付与ローラ223を備えている。回転第1ローラ221には、図示しないモータ等の回転駆動装置が接続されて、回転第1ローラ221と回転第2ローラ222に巻き掛けられた環状被調整部材39を周方向に回転させる機能を有する。回転第2ローラ222は回転第1ローラ221に追従して回転する機能と、回転第2ローラ222を回転第1ローラ221より近接離間可能に移動する機能を備えている。具体的には図示しない油圧式駆動装置等が取り付けられ、回転第2ローラ222を回転第1ローラ221に対して並行を保ったまま移動させる。
応力付与ローラ223は、回転第1ローラ221と回転第2ローラ222の中間辺りに配置され、回転第1ローラ221と回転第2ローラ222に巻き掛けられた環状被調整部材39の外周側から内周側に向けて移動できるような図示しない移動装置を備えている。具体的には図示しない油圧式駆動装置等が取り付けられ、環状被調整部材39の外周面に対して直交する方向に応力付与ローラ223を移動させる。
図8に、回転第1ローラ221の断面図を示す。図7のBB断面に相当する。図9に、応力付与ローラ223の断面図を示す。図7のCC断面に相当する。なお、回転第2ローラ222の断面も回転第1ローラ221と同じ断面形状をしている。回転第1ローラ221及び回転第2ローラ222はクラウニングが設けられており、クラウニング半径R2は内周側半径Rbと同じになるよう設定されている。一方、応力付与ローラ223は、クラウニングが設けられておらず、フラットな外周面を有するローラとなっている。
この様な構成の残留応力付与装置220を用いて、残留応力付与工程P9では、(a)回転第1ローラ221と回転第2ローラ222に環状被調整部材39を巻き掛け、(b)回転第1ローラ221を回転させながら、回転第1ローラ221に対して回転第2ローラ222が離れるように移動させ、環状被調整部材39に対してテンションをかけ、(c)環状被調整部材39の外周面側から内周面側に向けて応力付与ローラ223を移動させ、環状被調整部材39に対して残留応力を付与し、(d)環状被調整部材39を周方向に所定の回数だけ回転させた後に、応力付与ローラ223を退避させ、(e)回転第2ローラ222を回転第1ローラ221に近接する方向に移動させ、(f)回転第1ローラ221と回転第2ローラ222から環状被調整部材39を外す、という手順で環状被調整部材39に対して残留応力が付与され、帯状金属部材20が形成される。
次に、図4に示すように、時効処理工程P10で、帯状金属部材20に時効処理が施される。具体的には図示しない炉内に帯状金属部材20を入れ、所定温度まで加熱して、十分な時間保持した後に冷却を行い、帯状金属部材20の金属組織を調質する処理を行う。次に、窒化処理工程P11で、帯状金属部材20に窒化処理を施す。具体的には図示しない処理炉内に帯状金属部材20を入れ、所定濃度の窒化性ガスを充填し、所定時間保持する事で、帯状金属部材20の表面層に窒素を含浸させる処理を行う。次に、積層工程P12で、周長が異なる帯状金属部材20を、内周側から外周側に向かうほど順に周長が長くなるよう、互いが密着状態に積層し、積層リング10が形成される。
第1実施形態は上記構成であるので、以下に説明する作用及び効果を奏する。
まず、積層リング10の幅方向に応力分布の異なる残留応力付与することで、積層リング10の耐久性の向上を図ることが可能になる点が効果として挙げられる。これは、複数の無端環状の帯状金属部材20が密着状態で積層されてなり、環状に連ねられた複数のエレメント50を支持するために車両用ベルト式無段変速機の伝達ベルト100に用いられる積層リング10であって、帯状金属部材20の内部に蓄積する残留応力は、帯状金属部材20のリング幅端部の内周面側と、リング幅中央部の外周面側とに、他部位より大きい圧縮残留応力が付与されていることによる。
無端環状の帯状金属部材20を密着状態で複数枚積層して積層リング10を形成する積層リング製造方法は、ローラ幅方向断面の中央部が凸状になるようクラウニングが形成され、帯状金属部材20の内周側半径Rbよりもクラウニング半径R3が小さく設定されている周長調整第1ローラ211と周長調整第2ローラ212に、環状部材38(帯状金属部材20)を巻き掛け、周長調整第1ローラ211又は周長調整第2ローラ212を回転させることで環状部材38(帯状金属部材20)を周方向に回転させつつ、周長調整第1ローラ211と周長調整第2ローラ212とを相対的に離間させることで、環状部材38(帯状金属部材20)の周長を伸ばす周長調整工程P8を含む。
また、ローラ幅方向断面形状の中央部が凸状になるよう形成されている回転第1ローラ221及び回転第2ローラ222に、環状被調整部材39(帯状金属部材20)を巻き掛け、回転第1ローラ221又は回転第2ローラ222を回転させることで、環状被調整部材39(帯状金属部材20)を周方向に回転させつつ、環状被調整部材39(帯状金属部材20)の外周側に設けられ、ローラ幅方向の断面形状は、略平坦になるよう形成された応力付与ローラ223を用いて、帯状金属部材20の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することで、帯状金属部材20の内周側に圧縮残留応力を付与する残留応力付与工程P9と、を含むことで、実現可能である。
まず、概念的な説明を行う。図10に、曲げ歪みを説明する為の、薄板曲げを説明する側面図を示す。図11に、薄板曲げを説明する断面図を示す。図10のDD断面に相当する。一般に、曲げ歪みは半径Rのローラ70を用いて板厚tの薄板75を曲げた際、ローラ70の中立点Po1に生じる曲げ歪みεは、ε=s/ρの数式で表される。ここで、ローラ70の中心Cから中立点Po1までの距離をρ、中立点Po1から外周点Po2までの距離をsと定義されるので、図11よりs=t/2、ρ=R+t/2の関係がある。よって、ローラ70の最外周に設けられた外周点Po2での曲げ歪みεは、ε=(t/2)/(R+t/2)の数式で示される。
図12に、クラウニングが設けられたクラウニングローラ71の断面図を示す。クラウニングローラ71にクラウニングがついていると、薄板75の薄板中央部と薄板端部で、発生する曲げ歪みが異なる。これは、図12に示すように、中立線Nからの距離が変わるからである。
クラウニングローラ71のクラウニング半径Rと薄板中央部の中立線Nからの距離Sと、薄板端部の中立線Nからの距離Sは、上記計算式を用いて表1に示すような関係が求められる。
表1にはクラウニング半径Rと関係した距離SとSとの比率が示されている。この関係を上述の曲げ歪みεを算出する数式に当てはめて考えると、ρは変更されていないために、sの数値に曲げ歪みεの数値は比例する。つまり、クラウニングローラ71のクラウニング半径Rが小さくなるほど、クラウニングローラ71によって曲げられる薄板75の薄板中央部は曲げ歪みεが大きくなり、薄板端部の曲げ歪みεは小さくなることを示している。
上述する概念は、帯状金属部材20の製造工程に当てはめると、周長調整工程P8では周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212にクラウニング半径R1のクラウニングが設けられているため、図3に示す外周側中央部21に曲げ歪みεが大きくなる。よって、周長調整工程P8で環状部材38の外周側中央部21に圧縮残留応力が蓄積された環状被調整部材39が形成される結果となる。逆に、内周側端部22には殆ど歪みが蓄積されない結果となる。図13に、残留応力の分布を表すグラフを示す。図14に、環状被調整部材39の断面図を示す。なお、図14は所定の方法で環状部材38の残留応力を測定した図13の結果を模式的に示したものである。
環状被調整部材39の残留応力に関して、図14に示す中央切断線C1と端部切断線E1の2箇所の応力を調査した結果が、図13に示されている。図13は、縦軸が環状被調整部材39の厚みを示し、上側が環状被調整部材39の外周面側、下側が環状被調整部材39の内周面側となっている。横軸は環状被調整部材39の内部残留応力を示している。横軸中央の0、すなわち残留応力が無いことを示し、左端に行くほど圧縮応力が高く、右端に行くほど引張応力が高いことを示している。図13に示される内部応力は、中央切断線C1と端部切断線E1で同様の傾向を示しており、外周面側は圧縮応力が高く、内周側に行くにつれて徐々に圧縮応力が低くなる。そして、環状被調整部材39の厚み方向の中間地点辺りから引張応力が大きくなっている。環状被調整部材39の内周面側は引張応力が強く残留している。
なお、図14は環状被調整部材39の断面を示しているが、説明の都合上ハッチングを入れる代わりに、ドットハッチングを用いて内部応力分布を示している。ドットの間隔が狭く、濃度が濃く示されている部分ほど、内部に残留する圧縮応力が大きいことを示している。外周側中央部21及び内周側端部22は、図3の帯状金属部材20と同じ部位を示すので、同じ記号を使用している。
次に、残留応力付与工程P9で、応力付与ローラ223を用いて残留応力を付与する。応力付与ローラ223にはクラウニングが設けられず外周面がフラットに形成されている。つまり応力付与ローラ223は、円筒形状をしている。よって、応力付与ローラ223によって押圧されることで、環状被調整部材39の断面は、図9に示される様な形状となる。この際に、回転第1ローラ221及び回転第2ローラ222ではクラウニングが設けられて、図8に示される様な形状となっている。つまり、環状被調整部材39の両端部側に大きな変位が発生する。
この効果をより大きくする為に、周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング半径R1は、回転第1ローラ221及び回転第2ローラ222のクラウニング半径R2よりも小さく設定されている。具体的には、クラウニング半径R2はクラウニング半径R1の半分の半径に設定されている。なお、積層リング10に用いる帯状金属部材20の幅、厚み、周長等によって、クラウニング半径R1及びクラウニング半径R2の関係は変化させる必要があることが分かっている。
図15に、帯状金属部材20内部の残留応力の分布を表すグラフを示す。図16に、帯状金属部材20の断面図を示す。図15及び図16の残留応力は、図13及び図14と同様の手法によって測定されている。図15には、帯状金属部材20の残留応力に関して示されており、図16に示される帯状金属部材20の中央切断線C2と端部切断線E2とがグラフとして示されている。図15は、縦軸が帯状金属部材20の厚みを示し、上側が帯状金属部材20の外周面側、下側が帯状金属部材20の内周面側となっている。横軸は帯状金属部材20の内部残留応力を示し。中央の0は残留応力が無いことを示し、左端に行くほど圧縮応力が高く、右端に行くほど引張応力が高いことを示している。そして、帯状金属部材20の内部応力は、中央切断線C2と端部切断線E2で同様の傾向が示されている。
つまり、帯状金属部材20の外周側と内周側で圧縮応力が高くなり、板厚中央部で引張圧縮応力が高くなる逆くの字状になる。ただし、若干ではあるが、端部切断線E2に比べて中央切断線C2の方が、帯状金属部材20の外周側の圧縮残留応力が高くなっており、逆に中央切断線C2に比べて端部切断線E2の方が、帯状金属部材20の内周側の圧縮残留応力が高くなっていることが分かる。
このように、残留応力付与工程P9を経ることで、帯状金属部材20の外周側中央部21及び内周側端部22の残留圧縮応力が高くなることが理解出来る。この結果、第1実施形態の積層リング10をエレメント50と組み合わせて伝達ベルト100として車両用ベルト式無段変速機に使用することで、伝達ベルト100の耐久性を向上させることが出来る。これは、外周側中央部21及び内周側端部22に応力が集中しても、圧縮残留応力が内在することで破断しにくくなることによるものである。
次に、本発明の第2の実施形態について、参考となる図面を用いて説明する。なお、第2実施形態は第1実施形態の構成とほぼ同じであるが、周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212の形状と、応力付与ローラ223の形状が若干異なる。以下に異なる部分を説明する。
図17に、第2実施形態の、周長調整第1ローラ211の断面を示す。図5のAA断面に相当する。周長調整第1ローラ211のクラウニング半径R3の半径は、帯状金属部材20の内周側半径Rbの1/5となるように設定されている。また、周長調整第2ローラ212も周長調整第1ローラ211と同じ断面形状となるように設定されている。なお、回転第1ローラ221及び回転第2ローラ222は、第1実施形態と同じクラウニング半径R2に設定されている。図18に、応力付与ローラ223の断面を示す。図7のCC断面に相当する。応力付与ローラ223は、外周面が凹んでおり、逆クラウニング半径R4が形成されている。逆クラウニング半径R4は内周側半径Rbの約半分の径に設定されている。
図19に、帯状金属部材20内部の残留応力の分布を表すグラフを示す。図20に、帯状金属部材20の断面図を示す。中央切断線C3は外周面側に圧縮残留応力が強く影響がでて、リング厚み方向中央より内周面側に引張残留応力側にピークが現れ、内周面側は殆ど残留応力が検出されない。一方、端部切断線E3は残留応力が0に近く、リング厚み方向中央より外周面側に引張残留応力側にピークが現れ、内周面側には圧縮残留応力が強く影響が出る。つまり、帯状金属部材20の外周側中央部21と内周側端部22には強く圧縮残留応力が生じることになる。
第2実施形態の周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のように、帯状金属部材20の内周側半径Rbより小さなクラウニング半径R3を設定し、応力付与ローラ223のように、外周面の凹んだ逆クラウニング半径R4の形成されるローラを図7に示す残留応力付与工程P9に用いることで、図19に示される様に、より外周側中央部21及び内周側端部22の圧縮残留応力を高くすることが出来る。
図21に、残留応力付与工程P9のローラの影響で変化する内部応力に関する表を示す。横軸には周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング半径R3が示され、縦軸には応力付与ローラ223の形状及び半径が示され、9枚のグラフがこれに対応して配置されている。9枚のグラフは図13等と同じように縦軸に積層リング10の厚み、横軸に残留応力が示されている。
周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング半径R3が1000mmに設定されている場合には、応力付与ローラ223の形状を変化させても、帯状金属部材20の内部応力の状態には殆ど変化が無い。しかし、クラウニング半径R3が500mmに設定されている場合には、応力付与ローラ223が第1実施形態に示したようにフラットなケース、或いは応力付与ローラ223が第2実施形態に示したように凹んだ逆クラウニング半径R4が形成されているケースでは、中央切断線C3の外周面側と端部切断線E3の内周面側の圧縮残留応力が高くなっていることが分かる。
周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング半径R3が200mmに設定されている場合には、外周側中央部21と内周側端部22とにそれぞれ圧縮残留応力が高くなっている。特に、第2実施形態に示したように凹んだ逆クラウニング半径R4が形成された応力付与ローラ223を用いた場合が、外周側中央部21及び内周側端部22の圧縮残留応力が一番高くなっている。このように、周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング半径R3の大きさと、応力付与ローラ223の形状の組み合わせによって、外周側中央部21及び内周側端部22に生じる圧縮残留応力を高めることが可能である。
周長調整工程P8の工程では、環状部材38を周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212で引っ張ることで、環状部材38の周長調整を行い、環状被調整部材39を形成する。この際に、周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング形状が環状被調整部材39に転写される。そして、環状被調整部材39の外周側に圧縮残留応力が付与される。この結果、残留応力付与工程P9を経た時に、帯状金属部材20の外周側中央部21により高い圧縮残留応力を付与することに貢献出来る。
一方の、残留応力付与工程P9の工程では、環状被調整部材39を回転第1ローラ221及び回転第2ローラ222で引っ張りながら、応力付与ローラ223によって荷重を加えて曲げる。この結果、帯状金属部材20の内周側に圧縮残留応力が付与される。残留応力付与工程P9では帯状金属部材20の端部切断線E3部分の外周側に引張応力が大きく作用する。これは、残留応力付与工程P9で回転第1ローラ221及び内周側端部22による引張応力と、応力付与ローラ223による曲げ応力を加えることで、帯状金属部材20の降伏応力より高い応力を加える。その結果、帯状金属部材20が塑性伸びさせていることになり、帯状金属部材20の内周側端部22により強い圧縮残留応力を付与できることになる。この結果、帯状金属部材20の耐久性を向上させ、積層リング10及び伝達ベルト100の耐久性をも向上させることに貢献することが出来る。
なお、周長調整工程P8で周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング半径R3を小さくすることで、環状被調整部材39の端部を大きく変位させることが可能となる。したがって、周長調整工程P8の周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング半径R3と、残留応力付与工程P9の応力付与ローラ223の形状は密接な関係がある。また、周長調整第1ローラ211、周長調整第2ローラ212と応力付与ローラ223の形状によって、帯状金属部材20の内周側半径Rbが決定されるので、最終的な内周側半径Rbが目的の径になるように考慮する必要がある。
また、帯状金属部材20における外周側中央部21及び内周側端部22の内部に生じる圧縮残留応力の値は、積層リング10の厚みや幅に応じて異なる。よって、積層リング10の厚みや幅に応じて適宜、周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212のクラウニング半径R3の大きさや、応力付与ローラ223の形状を選定していく必要がある。
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。例えば、周長調整第1ローラ211、周長調整第2ローラ212、応力付与ローラ223等のローラ径、及びクラウニング半径などは、帯状金属部材20の幅や形状によって適宜変更されるべきものであるので、発明の範囲内でこれを変更することを妨げない。また、帯状金属部材20の材質等を変更した場合にも、本発明を適用できることは言うまでもない。
また、最適化を狙って周長調整第1ローラ211、周長調整第2ローラ212及び応力付与ローラ223のローラ形状を左右対称とせず、帯状金属部材20に圧縮残留応力を付与するに適切な位置に対応するよう変更することを妨げない。例えば、周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212に設けるクラウニングの頂点の位置を中央よりずらし、これに対応して応力付与ローラ223の逆クラウニングの頂点の位置を中央よりずらす。或いは、クラウニングを1つのRで形成せず、複数の円弧が複合した形状であっても良い。この場合でも、周長調整第1ローラ211及び周長調整第2ローラ212は、外周側に凸になるように、応力付与ローラ223は内周側に凸になるように形成されることで、或いはフラットな面を用いて、適切な残留応力を付与することが可能となる。
10 積層リング
20 帯状金属部材
21 外周側中央部
22 内周側端部
30 帯鋼
32 平板
34 円筒状部材
36 短円筒状部材
38 環状部材
39 環状被調整部材
50 エレメント
70 ローラ
71 クラウニングローラ
100 伝達ベルト
200 プーリー
210 周長調整装置
220 残留応力付与装置
221 回転第1ローラ
222 回転第2ローラ
223 応力付与ローラ
R クラウニング半径

Claims (2)

  1. 複数の無端環状の帯状金属部材が密着状態で積層されてなり、環状に連ねられた複数のエレメントを支持するために車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトに用いられる積層リングであって、
    前記帯状金属部材の内部に蓄積する残留応力は、前記帯状金属部材のリング内周側のリング幅方向の端部と、リング外周側のリング幅方向の中央部とに、他部位より大きい圧縮残留応力が付与されていること、
    を特徴とする積層リング。
  2. 無端環状の帯状金属部材を密着状態で複数枚積層して積層リングを形成する積層リング製造方法において、
    ローラ幅方向断面の中央部が凸状になるようクラウニングが形成され、前記帯状金属部材の断面が有する円弧の半径よりも前記クラウニングの半径が小さく設定された周長調整第1ローラと周長調整第2ローラに、前記帯状金属部材を巻き掛け、
    前記周長調整第1ローラ又は前記周長調整第2ローラを回転させることで前記帯状金属部材を周方向に回転させつつ、前記周長調整第1ローラと前記周長調整第2ローラとを相対的に離間させることで、
    前記帯状金属部材の周長を伸ばす周長調整工程と、
    ローラ幅方向断面形状の中央部が凸状になるようクラウニングが形成されている回転第1ローラ及び回転第2ローラに、前記帯状金属部材を巻き掛け、
    前記回転第1ローラ又は前記回転第2ローラを回転させることで、前記帯状金属部材を周方向に回転させつつ、
    前記帯状金属部材の外周側に設けられ、ローラ幅方向の断面形状は、略平坦又は中央部が凹状になるよう形成された応力付与ローラを用いて、前記帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することで、
    前記帯状金属部材のリング内周側のリング幅方向の端部と、リング外周側のリング幅方向の中央と、に他部位より大きい圧縮残留応力を付与する残留応力付与工程と、を含むこと、
    を特徴とする積層リング製造方法。
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