JP2004268054A - 圧延装置 - Google Patents

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JP2004268054A JP2003058251A JP2003058251A JP2004268054A JP 2004268054 A JP2004268054 A JP 2004268054A JP 2003058251 A JP2003058251 A JP 2003058251A JP 2003058251 A JP2003058251 A JP 2003058251A JP 2004268054 A JP2004268054 A JP 2004268054A
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Abstract

【課題】圧延ローラの寿命を延ばしつつ、圧延されたリングの品質を向上させる。
【解決手段】圧延装置は、リング104を挟持して圧延する一対のローラ3500,4300を備え、これらの圧延ローラのうちリング104の内周側に接触する圧延ローラ3500にはリング104の内周側にクロスハッチを付与するためのクロスハッチ溝が設けられる。圧延装置は、リング104の内周側およびこの内周側に接触する圧延ローラ3500に圧延油を供給する内周側圧延油供給ノズル2000と、リング104の外周側およびこの外周側に接触するローラ3400,3600に圧延油を供給する外周側圧延油供給ノズル2100と、外周側に供給される圧延油の温度が、内周側に供給される圧延油の温度よりも5℃以上高くなるように圧延油を加熱するシーズヒータ2110とを含む。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに対面させて環状に配置した板片状の多数のエレメントに金属帯であるリングを通して構成した無端金属ベルトのリングに係り、このリングを圧延する圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、トランスミッションの変速比を車両の走行状況に応じて調整する自動変速機が搭載される。このような自動変速機の1つに、変速比を無段階に調整するベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が搭載されることがある。
【0003】
このCVTは、エンジン出力を効率的に引き出すことが可能であり、燃費および走行性能の向上に優れる。実用化されたCVTの1つとして、金属ベルトと一対のプーリとを用いて、油圧によってプーリの有効径を変化させることで連続的に無段の変速を実現するものがある。無端金属ベルトが、入力軸に取付けられた入力側プーリおよび出力軸に取付けられた出力側プーリに巻き掛けられて使用される。入力側プーリおよび出力側プーリは、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブをそれぞれ備え、溝幅を変えることで、無端金属ベルトの入力側プーリおよび出力側プーリに対する巻付け半径が変わり、これにより入力軸と出力軸との間の回転数比、すなわち変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
【0004】
この無端金属ベルトは、厚さの異なる複数の種類のエレメントを準備し、これら複数の種類のエレメントを予め定められた個数の比率でランダムに組合せる。組合せたエレメントに金属帯を通すことにより無端金属ベルトが製造される。このような無端金属ベルトのエレメントや金属帯であるリングには高い寸法精度が要求される。
【0005】
この無端金属ベルトに用いられるリングを製造するに当っては、超強力鋼であるマルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接して円筒状のドラムを形成し、そのドラムを所望の幅に裁断して薄板状のリングとする。そして、その裁断により発生するバリやエッジを除去するために、リングにバレル研磨を施した後、リングを圧延して所望の板厚とする。この際、リングの内周側には、自動変速機の潤滑油を保持するためのクロスハッチが形成される。
【0006】
特開2002−143906公報(特許文献1)は、圧延の際にローラやリングの表面を傷つけることがなく、優れた耐久性を備えるとともに優れた品質のリングを得ることができるリングの圧延装置を開示する。特許文献1に開示されたリングの圧延装置は、リングが掛け渡される1対のテンションローラと、両テンションローラの中間に備えられたセンターローラと、センターローラとの間にリングを挟持して圧延する圧延ローラと、センターローラとの間にリングを挟持して圧延ローラおよびセンターローラの圧力を受ける受けローラとを備えるリングの圧延装置において、リングの内面側および外面側で各ローラに接触する部分の上流側に、リングの表面に圧延油を供給する給油機構を設けている。
【0007】
この圧延装置において、給油機構は、リングの外面側では、圧延ローラと受けローラとの上流側の2ヶ所に設けられる。また、リングの内面側では、各テンションローラとセンターローラとの間に上下2ヶ所ずつ、4ヶ所に設けられる。この結果、リングの回転方向に沿って、リングが各ローラに接触するときには、その上流側には必ず給油機構が備えられることとなり、給油機構からリングの表面に供給される圧延油により、リングに付着している砥粒等の異物を確実に除去して、リングと各ロールとの間に砥粒等の異物が挟まれることを防止することができる。その結果、圧延ローラ等の各ローラの損傷を防止して各ローラの耐久性を向上させることができると同時に、リング表面の損傷を防止して破断等のおそれがない優れた品質のリングを得ることができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−143906公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような圧延装置において、リングの内周側にクロスハッチを付与するためのクロスハッチ溝が、リングの内周に接触するローラに設けられる。このクロスハッチは、リングが自動変速機に組込まれて使用される際に潤滑油を保持する。無端金属ベルトは、複数のリングが積層された構成を有するが、リングとリングとの間を、このクロスハッチに保持された潤滑油により潤滑することにより相互に摺動するリングどうしの摩擦係数が低減して、無端金属ベルトによる伝達効率が向上する。しかし、リングの内周側に接触するローラが摩耗すると、このようなクロスハッチ溝が摩耗してしまい、適切な高さのクロスハッチがベルトの内周に付与されなくなる。このため、圧延ローラ摩耗してクロスハッチの高さが適正範囲を逸脱すると、この圧延ローラを交換する。
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示された圧延装置では、このようなリングの内外周の形態上の差異を考慮することなく、リングの外面側とリングの内面側とに同じように給油機構を設けて、リングの外周側と内周側とを区別することなく、圧延油を給油しているに過ぎない。このため、内周側と外周側との差に起因して、圧延ローラの寿命を延ばしたり、この圧延装置により圧延されるリングの品質の向上を図ることにならない。
【0011】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、圧延ローラの寿命を延ばしつつ、圧延リングの品質を向上させる、圧延装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る圧延装置は、複数のエレメントをその板厚方向に並べて、エレメントのサドル部に環状のリングを通すことにより構成された無端金属ベルトにおけるリングを圧延する。この圧延装置は、リングを挟持して圧延する一対のローラを備え、これらの圧延ローラのうちリングの内周側に接触する圧延ローラには、リングの内周側にクロスハッチを付けるためのクロスハッチ溝が設けられる。圧延装置は、リングの内周側およびこの内周側に接触する圧延ローラに圧延油を供給するための第1の給油手段と、リングの外周側およびこの外周側に接触する圧延ローラに圧延油を供給するための第2の給油手段と、第1の給油手段から供給される圧延油の温度が、第2の給油手段から供給される圧延油の温度よりも低くなるように制御するための制御手段とを含む。
【0013】
第1の発明によると、第1の給油手段によりリングの内周側およびこの内周側に接触する圧延ローラに温度が低い方の圧延油が、第2の給油手段によりリングの外周側およびこの外周側に接触する圧延ローラに温度が高い方の圧延油が、それぞれ給油される。圧延油の温度が低いと粘度が上がり油膜の厚みが大きくなり、圧延油の温度が高いと粘度が下がり油膜の厚みが小さくなる。そのため、リングの内周側およびこの内周側に接触する圧延ローラの油膜は厚く、リングの外周側およびこの外周側に接触する圧延ローラの油膜は、内周側およびこの内周側に接触する圧延ローラの油膜よりも薄くなる。リングの内周側およびこの内周側に接触する圧延ローラの油膜が厚いため流体潤滑化しやすく、リングの内周側に接触する圧延ローラとリングの内周側との間に圧延油が入り込む割合が増える。そのため、これら圧延ローラとリングとの間の摩擦係数が小さくなり、リングの内周側に接触する圧延ローラの寿命を長くできる。リングの外周側およびこの外周側に接触する圧延ローラの油膜が薄いため境界潤滑化しやすく、リングの外周側に接触する圧延ローラとリングの外周側との間が圧延油で完全に隔てられるのではなく局部的に破れてこれら圧延ローラとリングとが直接接触するので、リングの外周側の表面粗さが向上する。その結果、圧延ローラの寿命を延ばしつつ、圧延されたリングの品質を向上させる、圧延装置を提供することができる。
【0014】
第2の発明に係る圧延装置は、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、第1の給油手段から供給される圧延油の温度が、第2の給油手段から供給される圧延油の温度よりも5℃以上低くなるように制御する。
【0015】
第2の発明によると、特に温度差を5℃以上に設定することにより、より顕著に、リングの内周側に接触する圧延ローラの寿命を長くでき、外周側の圧延ローラと接触するリングの外周側の表面粗さが向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0017】
本実施の形態に係る圧延装置は、無端金属ベルトを構成する1本のリングを、粗圧延工程および仕上げ圧延工程を経て、所望の板厚を有するリングに圧延する。このため、まず、以下の説明において、多数のエレメントが互いに板厚方向に環状に並べて配置され、その左右のサドル部にリングを通して各エレメントが結束されて構成された無端金属ベルトおよびその無端金属ベルトを使用したベルト式無段変速機について説明する。
【0018】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る圧延装置で圧延処理されるリングにより構成される無端金属ベルトが用いられるベルト式無段変速機100について説明する。このベルト式無段変速機100においては、無端金属ベルト106が、入力軸200に取付けられた入力側プーリ220および出力軸300に取付けられた出力側プーリ320に巻き掛けられて使用される。
【0019】
入力側プーリ220および出力側プーリ320は、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブ108をそれぞれ備え、車両の走行状態に応じて制御される油圧回路により溝幅を変えることで、無端金属ベルト106の入力側プーリ220および出力側プーリ320に対する巻付け半径が変わり、これにより入力軸200と出力軸300との間の回転数比、すなわち変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
【0020】
図2を参照して、無端金属ベルト106は、多数のエレメント102が互いに板厚方向に環状に並べて配置され、その左右のサドル部に環状の金属帯であるリング104を通して各エレメント102が結束されて、図3に示すように、全体として、無端金属ベルト106が構成される。
【0021】
エレメント102の形状の一例を、図4および図5に示す。エレメント102の幅方向の両側の側面は、シーブ108におけるテーパ状のシーブ面110に接触する対シーブ摩擦面112であって、シーブ面110と一致するテーパ面とされている。その対シーブ摩擦面112を備えた基体部分114の幅方向での中心部に、図4での上側に延びた首部116が形成され、その首部116が、左右に広がった頂部118につながっている。その左右に広がった頂部118と基体部分114との間にスリットが形成されており、この左右2つのスリットの部分にリング104が通されている。そして、基体部分114におけるリング104が接触する面がサドル面120となっている。
【0022】
このサドル面120の高さは、基体部分114を横切るピッチ線Pからの寸法で表わされる。また、エレメント102の幅は、ピッチ線P上の寸法で表わされる。なお、頂部118のうち首部116の延長位置には、一方の面側に凸となり、他方の面側では凹となったディンプル・ホール122が形成されており、互いに隣接するエレメント102のディンプル・ホール122が互いに嵌合するようになっている。なお、ディンプル・ホール122の凸部を有する面がエレメントの表面、凹部を有する面がエレメントの裏面である。
【0023】
図4に示すように、サドル面120は上に凸の曲面形状を有する。この曲面形状に沿ってリング104が当接している。
【0024】
無端金属ベルト106は、1対のシーブ108の間に挟み付けられて使用される。その場合、シーブ面110および対シーブ摩擦面112がテーパ面であるために、各エレメント102には、シーブ108による挟圧力により半径方向での外側に荷重が作用するが、各エレメント102がリング104によって結束されているので、リング104の張力により半径方向での外側への移動が規制される。その結果、シーブ面110と対シーブ摩擦面112との間に摩擦力が生じ、あるいは油膜の剪断力が生じてシーブ108と無端金属ベルト106との間でトルクが伝達される。
【0025】
リング104は、より詳しくは、図2および図4に示すように、9〜12層に積層された状態で各エレメント102を結束している(ただし、図2および図4では9〜12層ではなく3層として表わしている)。この場合、下層のリング104ほど周長が短く、上層のリング104ほど周長が長くされる。このリング104の内周側(図の下側)には、自動変速機の潤滑油を保持するためのクロスハッチが設けられる。このクロスハッチは、圧延ローラに設けられたクロスハッチ溝が転写されることにより形成される。
【0026】
本実施の形態に係る圧延装置は、このようなリング104を、所望の板厚に圧延する。
【0027】
図6を参照して、本実施の形態に係る圧延装置を説明する。図6は、圧延装置を上方から見た図である。一対の圧延ローラ(小圧延ローラ3500および大圧延ローラ3600)からなる圧延部と、引張ローラ4300からなる引張部と、これら圧延部と引張部とを制御する制御装置1000と、圧延油を供給する圧延油供給部とを含む。小圧延ローラ3500には、リング104の内周側にクロスハッチを付与するためのクロスハッチ溝が設けられる。
【0028】
小圧延ローラ3500と大圧延ローラ3600とからなる一対の圧延ローラのうちの小圧延ローラ3500と、引張ローラ4300との間に巻回されたリング104を、制御装置1000により制御される小圧延ローラ3500と大圧延ローラ3600とにより圧延する。リング104の圧延後の板厚は、小圧延ローラ3500と大圧延ローラ3600との隙間(以下、ローラ間隙という)、小圧延ローラ3500と大圧延ローラ3600とによる圧延時の荷重(以下、圧延荷重という)により変動する。
【0029】
圧延前のリング104は、一般的には板厚1mm以下の薄板であるが、材料メーカの圧延による板厚変動や、前工程における板厚変動(たとえば、接合時の段差、バレル研磨等で発生する板厚変動)を伴う。
【0030】
小圧延ローラ3500および大圧延ローラ3600の中の大圧延ローラ3600は、固定台3650に設けられた一対のバックアップローラ3620およびバックアップローラ3630に圧接されており、所定の位置で回転可能に保持される。小圧延ローラ3500は、可動台3250に設けられた一対のバックアップローラ3300およびバックアップローラ3400ならびに大バックアップローラ3200に圧接されており、バックアップローラ3300およびバックアップローラ3400の回転に連動して回転するとともに、固定台3650に対する可動台3250の図中に示す水平方向の矢印に沿う相対移動に伴って所定の範囲で変位可能である。可動台3250は、圧延荷重用モータ3000(他に、空気圧を用いたアクチュエータであってもよい)によって、固定台3650に対して相対移動される。
【0031】
可動台3250には、ローラ送り量検出器3150および圧延側ロードセル3100が設けられる。ローラ送り量検出器3150は、固定台3650に対する可動台3250の相対移動に伴う小圧延ローラ3500の送り量、すなわち大圧延ローラ3600に対するおよび小圧延ローラ3500の変位量を検出し、ローラ間隙を検出する。圧延側ロードセル3100は、圧延荷重を測定する。
【0032】
引張ローラ4300は、可動ローラ台4350に引張軸を中心として回転可能に支持されており、リング104が巻回された状態で、引張荷重用モータ4000(他に、空気圧を用いたアクチュエータであってもよい)によって、可動ローラ台4350に作用する図中の上方向の矢印に沿う引張力によってリング104に所定の張力を付与する。
【0033】
可動ローラ台4350には、引張位置検出器(周長検出器)4100、引張側ロードセル4200、渦流式板厚センサ4360が設けられる。引張位置検出器4100は、可動ローラ台4350の図中の上方向の矢印に沿う位置、すなわち引張軸の上方向の矢印に沿う位置を検出する。この検出された可動ローラ台4350の位置に基づいて、リング104の周方向の長さ、すなわちリング104の周方向変形(伸び量)やその変形速度(伸び速度)を検出する。
【0034】
制御装置1000は、引張位置検出器4100、ローラ送り量検出器3150、圧延側ロードセル3100からの各種検出信号に基づいて、各種演算処理を行なう。制御装置1000は、演算処理結果に基づいて、圧延荷重用モータ3000を制御することにより、小圧延ローラ3500および大圧延ローラ3600の位置制御または圧延荷重制御を行なう。
【0035】
制御装置1000は、リング104の圧延初期にはローラ間隙を変化させて圧下率の高い粗圧延を行ない、時間の経過とともにローラ間隙を一定に保持して、圧下率の低い仕上げ圧延に移行させる。制御装置1000は、粗圧延時には、小圧延ローラ3500と大圧延ローラ3600とを位置制御することにより小圧延ローラ3500と大圧延ローラ3600との隙間を変化させて圧下率の高い圧延を行なう。制御装置1000は、仕上げ圧延時には、ローラ送り量検出器3150、圧延側ロードセル3100からの検出信号に基づいてローラ間隙または圧延荷重を制御する。また、制御装置1000は、粗圧延時および仕上げ圧延時において、引張位置検出器(周長検出器)4100、引張側ロードセル4200、渦流式板厚センサ4360からの各種検出信号に基づいて、リング104が所定の周長や板厚になるように、引張荷重用モータ4000を制御して、可動ローラ台4350の位置制御およびリング104に付与される張力制御を行なう。
【0036】
このように制御装置1000は、粗圧延時および仕上げ圧延時の双方において圧延荷重(圧延力)および張力(圧延張力)を制御する。
【0037】
圧延油供給部は、小圧延ローラ3500のリング104に対する内周側に圧延油を供給する内周側圧延油供給ノズル2000と、内周側圧延油供給ノズル2000とオイルポンプ2200とを接続する内周側供給配管2420と、小圧延ローラ3500のリング104の外周側に圧延油を供給する外周側圧延油供給ノズル2100と、外周側圧延油供給ノズル2100からリング104の外周側に供給される圧延油の油温を上昇させるためのシーズヒータ2110と、外周側圧延油供給ノズル2100とオイルポンプ2200とを接続する外周側供給配管2410と、オイルポンプ2200と、オイルポンプ2200に接続されたオイルタンク2300と、リング104の外周側および内周側に供給された圧延油をオイルタンク2300に戻すためのリターン配管2400とを含む。
【0038】
オイルタンク2300には、温度調節器が設けられ(たとえばオイルヒータ)、制御装置1000によりオイルタンク2300内の圧延油が所定の温度になるように制御される。たとえば、制御装置1000は、オイルタンク2300内の圧延油の温度を35℃に保持するように温度調節器に制御する。
【0039】
外周側圧延油供給ノズル2100からリング104の外周側に供給される圧延油の油温は、シーズヒータ2110によりオイルタンク2300の中の圧延油の油温よりも5℃以上高くなるように調整される。たとえば、制御装置1000に接続されたシーズヒータ2110により、外周側圧延油供給ノズル2100からリング104の外周側に供給される圧延油の油温は45℃に調整される。
【0040】
このようにして、図6に示す圧延装置によると、制御装置1000により、リング104は、粗圧延工程および仕上げ圧延工程によって、所定の板厚になるように圧延荷重用モータ3000および引張荷重用モータ4000が制御される。また、オイルタンク2300の中の圧延油の油温が35℃に、リング104の外周側に供給される圧延油の油温が45℃になるように、それぞれオイルタンク2300に設けられた温度調節器およびシーズヒータ2110が制御される。
【0041】
以上のような構造を有する圧延装置の動作について説明する。
粗圧延工程および仕上げ圧延工程前に、圧延油の種類に応じて、制御装置1000は、オイルタンク2300の温度調節器と、シーズヒータ2110とに目標温度を設定する。たとえば、リング104の内周側に供給される圧延油の油温を35℃になるようにオイルタンク2300の温度調節器に指示を出力するとともに、リング104の外周側に供給される圧延油の油温が45℃になるようにシーズヒータ2110に指示を出力する。
【0042】
このようにして供給された圧延油は、リング104の内周側が外周側よりも5℃程度低い。圧延油の温度が低いと圧延油の粘度が上がり油膜の厚みが大きくなり、圧延油の温度が高いと圧延油の粘度が下がり油膜の厚みが小さくなる。リング104の内周面およびこの内周面に接触する小圧延ローラ3500における圧延油の油膜は厚く、リング104の外周側およびこの外周側に接触するバックアップローラ3300およびバックアップローラ3400ならびに大圧延ローラ3600における圧延油の油膜はリング104の内周側およびこのリング104の内周側に接触する小圧延ローラ3500における油膜よりも薄くなる。
【0043】
リング104の内周側およびこのリング104の内周側に接触する小圧延ローラ3500とリング104との間に形成される油膜は厚くなり、流体潤滑化しやすくなる。流体潤滑化しやすいと、小圧延ローラ3500とリング104との間に圧延油が入り込む割合が増えるので、小圧延ローラ3500とリング104との間の摩擦係数が小さく小圧延ローラ3500の寿命を長くすることができる。
【0044】
リング104の外周側およびこの外周側に接触するバックアップローラ3300およびバックアップローラ3400ならびに大圧延ローラ3600とリング104との間に形成される油膜が薄くなり、境界潤滑化しやすくなる。境界潤滑化しやすいため、これらローラとリング104との間が圧延油で完全に隔てられるのではなく局部的に油膜が破れており、バックアップローラ3300およびバックアップローラ3400ならびに大圧延ローラ3600とリング104とが直接接触するので、リング104の外周側が摩擦により仕上げられて、その表面粗さが向上する。
【0045】
たとえば、圧延油として、ユシローレンKD13(商品名)を用いた場合の具体例を示す。この圧延油は、動粘度が8.3mm/S(40℃)である。内周側圧延油供給ノズル2000から供給される圧延油の温度を35℃、外周側圧延油供給ノズル2100から供給される圧延油の温度を45℃として、圧延処理を行なった。一方、比較例として、シーズヒータ2110の動作を停止させて、内周側圧延油供給ノズル2000および外周側圧延油供給ノズル2100から供給される圧延油の油温を共に40℃として、圧延処理を行なった。
【0046】
この場合、温度差を設けた方が温度差を設けなかった場合に比較して、小圧延ローラ(クロスハッチ溝付)の寿命が約1.5倍に向上した。また、リング104の外周面の粗さは、10%向上した。
【0047】
以上のようにして、本実施の形態に係る圧延装置によると、無段変速機に用いられるリングの圧延装置において、リングの内周側に供給する圧延油と、リングの外周側に供給する圧延油の温度を、外周側の方を高く内周側の方を低くして圧延油を供給するようにした。その結果、リングの内周側は温度が低いため粘度が高く油膜が厚くなり流体潤滑化することによりクロスハッチ溝を有する圧延ローラの寿命を長くすることができた。また、リングの外周側においては温度を高く設定したため圧延油の粘度が低く油膜が薄くなり境界潤滑化したため、摩擦によりリングの外周側の表面の粗さを向上させることができた。
【0048】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る圧延装置で圧延処理されたリングを含む無端金属ベルトを用いたベルト式無段変速機の断面図である。
【図2】無端金属ベルトを説明するための部分斜視図である。
【図3】無端金属ベルトの全体構成を示す斜視図である。
【図4】エレメントの正面図である。
【図5】エレメントの側面図である。
【図6】圧延装置の上面図である。
【符号の説明】
100 無段変速機、102 エレメント、104 リング、106 無端金属ベルト、108 シーブ、110 シーブ面、112 対シーブ摩擦面、114 基体部分、116 首部、118 頂部、120 サドル面、122 ディンプル・ホール、124 傾斜面、200 入力軸、220 入力側プーリ、300 出力軸、320 出力側プーリ、1000 制御装置、2000 内周側圧延油供給ノズル、2100 外周側圧延油供給ノズル、2110 シーズヒータ、2200 オイルポンプ、2300 オイルタンク、2400 リターン配管、2410 外周側供給配管、2420 内周側供給配管、3000 圧延荷重用モータ、3100 圧延側ロードセル、3150 ローラ送り量検出器、3200 大バックアップローラ、3250 可動台、3300,3400,3620,3630 バックアップローラ、3500 小圧延ローラ、3600 大圧延ローラ、3650 固定台、4000 引張荷重用モータ、4100 引張位置検出器(周長検出器)、4200 引張側ロードセル、4300 引張ローラ、4350 可動ローラ台、4360 渦流式板厚センサ。

Claims (2)

  1. 複数のエレメントをその板厚方向に並べて、前記エレメントのサドル部に環状のリングを通すことにより構成された無端金属ベルトにおける前記リングを圧延加工する圧延装置であって、前記圧延装置は、前記リングを挟持して圧延する一対のローラを備え、これらの圧延ローラのうち前記リングの内周側に接触する圧延ローラには、前記リングの内周側にクロスハッチを付けるためのクロスハッチ溝が設けられ、前記圧延装置は、
    前記リングの内周側およびこの内周側に接触する圧延ローラに圧延油を供給するための第1の給油手段と、
    前記リングの外周側およびこの外周側に接触する圧延ローラに圧延油を供給するための第2の給油手段と、
    前記第1の給油手段から供給される圧延油の温度が、前記第2の給油手段から供給される圧延油の温度よりも低くなるように制御するための制御手段とを含む、圧延装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1の給油手段から供給される圧延油の温度が、前記第2の給油手段から供給される圧延油の温度よりも5℃以上低くなるように制御する、請求項1に記載の圧延装置。
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