JP5944056B2 - エレベータ用調速機およびそれを用いたエレベータ装置 - Google Patents

エレベータ用調速機およびそれを用いたエレベータ装置 Download PDF

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Description

本発明は、エレベータの上昇運転時の過速度と下降運転時の過速度を検出する調速機を備えたエレベータ用調速機およびそれを用いたエレベータ装置に関する。
エレベータ装置には、一般に、乗りかごの昇降速度を常時監視し、乗りかごが所定の過速状態に陥った際にかごを非常停止させる調速機が備えられている。具体的には、調速機は、乗りかごの昇降速度が定格速度を超えて第1過速度(通常は定格速度の1.3倍)に達すると、乗りかごを駆動する巻上機の電源およびこの巻上機を制御する制御装置の電源をそれぞれ遮断する。また、調速機は、何らかの原因によりかごの下降速度が第1過速度を超えて第2過速度(通常は定格速度の1.4倍)に達すると、乗りかごに設けられた非常止め装置を動作させて、乗りかごを機械的に非常停止させる。
ところで、近年、ビルの高層化に伴うエレベータ装置の高速化および長行程化が進んでおり、このようなエレベータ装置にあっては、乗りかごの昇降による急激な気圧変化が発生し、乗客に耳がツンとなる耳閉感を与える。人間の耳は気圧が下がる側、すなわちかごの上昇時の方が、気圧が上がる側、すなわちかごの下降時より順応しやすい特性があるため、上昇方向の定格速度より、下降方向の定格速度を低く設定し、耳閉感の低減を図ったエレベータ装置が要求されている。そして、このようなエレベータ装置として、特許文献1(特開2000−327241号公報)に記載されたエレベータ装置が提案されている。
特許文献1には、乗りかごに連結される調速用ロープと、調速用ロープが巻き掛けられる綱車と、この綱車の回転速度を調速する第1の調速機構と、綱車の水平軸とクラッチ機構を介して連結され、綱車の回転力が伝達された時に綱車の回転速度を調速する第2の調速機構を備えた調速装置が記載されている。また、特許文献1では、クラッチ機構は、綱車が正転する場合(乗りかご下降時)には第2の調速機構に綱車の回転力を伝達し、逆転する場合(乗りかご上昇時)には回転力の伝達を解除するようにして、第1の調速機構は上昇時の過速度を検出し、第2の調速機構は下降時の過速度を検出するようにし、乗りかごの移動方向によって異なった値の過速度を検出できるようにしている。
特開2000−327241号公報
クラッチ機構として、特許文献1では、ワンウェイクラッチなどが例示されている。第2の調速機構の回転体は、エレベータの上昇運転時、クラッチ機構により綱車の水平軸の回転が伝達解除されるが、本発明者の検討によれば、特に、カム式ワンウェイクラッチを用いた場合、上昇運転時であっても、摩擦抵抗により水平軸の回転が徐々に第2の調速機構の回転体へ伝わり、第2の調速機構が調速状態となる可能性がある。特に、下降過速度は上昇過速度よりも小さく設定されることから、高速で回転する上昇運転時の綱車の回転が摩擦抵抗により第2の調速機構に伝わると、下降過速度を誤って検出してしまい、エレベータが異常停止する可能性がある。
また、下降運転中に途中階に停止した際、クラッチ機構により綱車の回転が伝達解除され第2調速機構は空回り状態となるが、第2の調速機構の回転体は慣性で回り続け、緩やかに停止する。このため、第2の調速機構の回転体が慣性で回り続けている状態の時、再度、下降運転に移行した場合、クラッチ機構は回転している第2の調速機構の回転体に噛み合うことになり、衝撃により装置に負荷がかかり損傷を招く可能性がある。
そこで、本発明は、上昇運転時の過速度と下降運転時の過速度を確実に検出することができる信頼性および保全性の高いエレベータ用調速機、およびそれを用いたエレベータ装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明によるエレベータ用調速機は、昇降体の昇降に応じて回転駆動される駆動輪と、駆動輪に機械的に接続される第1の回転体を有し、駆動輪の回転が第1の回転体に伝達され、第1の回転体の回転速度に基づいて昇降体の上昇過速度を検出する第1の調速機構と、駆動輪にクラッチを介して機械的に接続される第2の回転体を有し、昇降体の下降時には、駆動輪の回転が、クラッチを介して第2の回転体に伝達され、第2の回転体の回転速度に基づいて昇降体の下降過速度を検出し、昇降体の上昇時には、クラッチによって駆動輪の回転の伝達が解除される第2の調速機構と、を備えるものであって、第2の回転体と同期して回転する第1のローラと、第1のローラと対向して配置される第2のローラと、第1のローラおよび第2のローラに巻き掛けられるベルトを有し、ベルトの張力によって、昇降体の上昇時に、第2の回転体の回転を阻止する回転阻止機構と、昇降体の上昇時および下降時において前記ベルトの異常を検知する異常検知手段と、を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明によるエレベータ装置は、主ロープによって吊られる昇降体と、主ロープが巻き掛けられる巻上機と、昇降体の過速度を検出する調速機とを備え、調速機が過速度を検出したら、昇降体を非常停止させるものであって、調速機が上記本発明によるエレベータ用調速機である。
本発明によれば、ベルトの張力によりクラッチの回転を阻止する回転阻止機構により、上昇時における過速度の誤検出が防止されると共に、ベルトの異常を検知する異常検知手段により、ベルトの機能低下を確実に検出することができる。これにより、信頼性及び保全性の高いエレベータ用調速機が得られる。さらに、本発明による調速機を備えることにより、エレベータ装置の信頼性及び保全性が向上する。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1であるエレベータ装置が備える調速機の概略構成を示す側面図である。 実施例1の調速機の部分正面図である。 ベルトに異常が発生した状態における、調速機の部分正面図である。 本発明の実施例2であるエレベータ装置が備える調速機の部分正面図である。 本発明の実施例1であるエレベータ装置の全体構成の概略を示す。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
図5は、本発明の実施例1であるエレベータ装置の全体構成の概略を示す。
図5に示すように、建築物1000に設けられた昇降路2内において、昇降体3(乗りかご)と釣り合いおもり4とが主ロープ5によって連結される。主ロープ5は、昇降路2の上部に形成された機械室1内に設置される巻上機6および転向プーリ11に巻き掛けられ、巻上機6によって駆動される。主ロープ5が駆動されると、昇降体3は、昇降路2内において、ガイドレール7に沿って昇降する。また、機械室1内には、巻上機6を制御する制御装置(図示省略)や、調速機12などが配置される。
調速機12の綱車104および昇降路2内の下部に設置されるプーリ13には、無端状の調速機ロープ101が巻き掛けられる。調速機ロープ101は、プーリ13によって張力がかけられることにより、昇降路2内の昇降行程全域に亘って張られる。なお、後述するように、本実施例における調速機12においては、検出する、上昇運転時の過速度と下降運転時の過速度を異なる値に設定できる。
昇降体3には、非常時に楔によってガイドレール7を把持する非常止め8と、非常止め8を駆動し、昇降体3側に軸支される作動レバー9が設けられている。作動レバー9には、調速機ロープ101が連結される。調速機12は、後述するように、過速度を検出すると、巻上機6や図示しない制御盤の電源を遮断したり、非常止め8を動作させたりする。なお、非常止め8が動作する場合、調速機12が調速機ロープ101を把持する。これにより、作動レバー9が作動されて、非常止め8の楔がガイドレール7を把持すると、昇降体3は急停止する。
次に、本実施例における調速機について、図1および図2を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1であるエレベータ装置が備える調速機の概略構成を示す側面図である。また、図2は、実施例1の調速機の部分正面図である。
図1に示すように、調速機12は、水平軸103に固定され、調速機ロープ101が巻き掛けられる綱車104と、昇降体3の上昇運転時に、上昇過速度を検出する第1の調速機構Aと、クラッチ105を介して水平軸103と連結され、昇降体3の下降運転時に、下降過速度を検出する第2の調速機構Bと、昇降体3の上昇運転時など第2の調速機構Bへの綱車104の回転が伝達解除された時、第2の調速機構Bの回転体B1の回転を阻止する回転阻止機構Cとを備えている。なお、回転阻止機構Cは、後述するように、第1のローラ106,第2のローラ107,これらローラに巻き掛けられるベルト108などを含む。
水平軸103は、機械室1に固定される調速機枠102に、軸受を介して回転可能に支持されている。水平軸103の長手方向の一端部側に、第1の調速機構Aの回転体A1が固定して設けられ、水平軸103の長手方向の他端部側に、第2の調速機構Bの回転体B1がクラッチ105を介して取り付けられる。クラッチ105としてはワンウェイクラッチが用いられ、ワンウェイクラッチの内輪が水平軸103に固定され、外輪が回転体B1に固定されている。クラッチ105により、昇降体3の下降運転時、綱車104の回転を第2の調速機構Bの回転体B1に伝達し、昇降体3の上昇運転時、第2の調速機構Bへの綱車104の回転の伝達を解除する。
第1および第2の調速機構A,Bは、調速機ロープ101によって回転駆動される綱車104に機械的に接続され、綱車104の回転に同期して回転する回転体A1およびB1の回転速度に基づいて、上昇方向および下降方向の各過速度を検出する。このような第1および第2の調速機構のさらに具体的な構成は、本実施例では次のとおりである。
第1の調速機構Aは、回転体A1と、回転体A1に取付けられて回転体A1と共に回転し、回転体A1の回転速度に応じて作用する遠心力によって変位する振り子(図示省略)とを有している。また、第2の調速機構Bは、回転体B1と、回転体B1に取付けられて回転体B1と共に回転し、回転体B1の回転速度に応じて作用する遠心力によって変位する振り子(図示省略)とを有している。
第1の調速機構Aは、乗りかごの上昇速度が、上昇方向の第1の過速度、すなわち本実施例では上昇方向の定格速度の1.3倍に達すると、遠心力による振り子の変位により、第1の調速機構Aが備える乗りかご停止用スイッチが投入されるように構成され、乗りかごの上昇速度が上昇方向の第1の過速度に達したことを検出する。また、第2の調速機構Bは、乗りかごの下降速度が、下降方向の第1の過速度、すなわち本実施例では下降方向の定格速度の1.3倍に達すると、遠心力による振り子の変位により、第2の調速機構Bにおける乗りかご停止用スイッチが投入されるように構成され、乗りかごの下降速度が下降方向の第1の過速度に達したことを検出する。
本実施例においては、昇降体3の昇降による急激な気圧変化によって乗客の耳閉感が、上昇時よりも下降時に強く感じられる傾向が有るため、下降方向の定格速度は上昇方向の定格速度よりも低い値に設定される。このため、第2の調速機構Bによって検出される下降方向の第1の過速度は、第1の調速機構Aによって検出される上昇方向の第1の過速度はよりも低い値に設定される。なお、第1および第2の調速機構において、第1の過速度の値は、振り子の変位や停止用スイッチの設置位置を適宜調整することによって設定できる。
上昇方向の過速度を検出して動作する第1の調速機構Aは、昇降体3の上昇速度が上昇方向の定格速度の1.3倍に達したことを検出すると、第1の調速機構Aが備える乗りかご停止用スイッチを投入して、巻上機6の電源および巻上機6の制御装置の電源をそれぞれ遮断する。
一方、下降方向の過速度を検出して動作する第2の調速機構Bは、昇降体3の下降速度が下降方向の定格速度の1.3倍に達したことを検出すると、第2の調速機構Bが備える乗りかご停止用スイッチを投入して、巻上機6の電源および巻上機6の制御装置の電源をそれぞれ遮断する。さらに、第2の調速機構Bは、昇降体3(乗りかご)の下降速度が、下降方向の第2の過速度、すなわち本実施例では下降方向の定格速度の1.4倍に達すると、非常止め8を動作させて、昇降体3を機械的に非常停止させる。この時、回転体B1に取付けられた振り子(図示せず)が、乗りかご停止用スイッチが投入される位置からさらに変位することにより、調速機12は、例えば、前述の特許文献1に記載される機構により、調速機ロープ101を把持して、調速機ロープ101の移動を停止させる。この時、回転体B1に設けられる振り子が下降方向の第2の過速度による遠心力によって変位すると、第2の調速機構Bが備える調速機ロープ把持機構(図示省略)が、振り子と機械的に接続されて動作する。
調速機ロープ101が移動を停止すると、図1に示すように、調速機ロープ101に連結される作動レバー9は昇降体3の下降により引き上げられ、引き上げられた作動レバー9により非常止め8が作動し、楔(図示省略)によりガイドレール7が把持される。これにより、昇降体3は機械的に非常停止する。なお、第2の調速機構Bは、クラッチ105により、昇降体の上昇運転時、綱車104の回転が伝達解除されて動作を停止する。
上述したように、本実施例による調速機は、上昇運転時の過速度と下降運転時の過速度を異なる値に設定できるので、上昇運転時の定格速度と下降運転時の定格速度が異なるエレベータ装置に適用することができる。
上述したような振り子を用いる第1の調速機構Aおよび第2の調速機構Bとしては、例えば、公知のフライウェイト調速機構(例えば、前述の特許文献1参照)が用いられるが、これに限定されるものではない。例えば、回転体A1,B1の回転速度を、ロータリエンコーダなどにより計測し、計測される回転速度が予め設定される過速度に達したら、巻上機6や制御装置の電源を遮断したり、非常止め8を動作させたりしても良い。この場合、非常止め8を電動アクチュエータによって動作させることができる。また、回転体A1,B1は、調速機ロープ101によって駆動される綱車104に限らず、昇降体3の昇降に応じて回転駆動される駆動輪によって回転されても良い。このような駆動輪としては、例えば、ガイドレール7に接触して、昇降体3が昇降する時に、ガイドレール7との間の摩擦力によって回転駆動される駆動ローラが適用できる。
次に、本実施例における回転阻止機構について説明する。
上述したように、本実施例では、昇降体の上昇運転時など第2の調速機構Bへの綱車の回転が伝達解除された時、第2の調速機構Bの回転体B1の回転を阻止する回転阻止機構を備えている。図1に示すように、回転阻止機構Cは、回転体B1と同軸に設けられる第1のローラ106と、第1のローラ106の下方において第1のローラ106と対向するように配置される第2のローラ107と、第1のローラ106および第2のローラ107に巻き掛けられる無端状のベルト108とを備える。さらに、図2に示すように、回転阻止機構Cは、調速機枠(図1中の102)に取付けられる本体ブラケット202と、第2のローラ107を回動可能に支持するローラブラケット201と、第1のローラ106とは反対方向に第2のローラ107に対してばね力を付勢するばね204とを備えている。
なお、図2においては、第1のローラ106と同軸の回転体B1およびクラッチ105については、図示を省略している。
第1のローラ106は、回転体B1またはクラッチ105(図1参照)の外輪に固定され、回転体B1と一緒に回転する。第2のローラ107は、ローラブラケット201に軸208を介して回動可能に支持されている。また、ローラブラケット201は、本体ブラケット202に対し、軸209を介して回動可能に取り付けられている。ばね204は、本体ブラケット202に固定されたばね取り付け部210と、ローラブラケット201に固定されたばね取り付け部211との間に設けられている。
第2のローラ107は、ばね204により、第1のローラ106とは反対方向に付勢することによって、ベルト108にかかる張力を大きくして第1のローラ106を介して回転体B1に抵抗を付勢している。これにより、昇降体3の上昇運転時、綱車104の回転が伝達解除された状態で、クラッチ105内(内輪と外輪の間)で作用する摩擦抵抗に起因する回転体B1の回転が防止される。これにより、昇降体3の上昇時に、第2の調速機構Bによって、上昇過速度が誤検出されることが防止される。従って、上昇方向の過速度と下降方向の過速度を共に確実に検出することができるので、上昇方向の過速度と下降方向の過速度を検出可能な調速機の信頼性が向上する。
また、本実施例における回転阻止機構によれば、クラッチにより綱車の回転が伝達解除された場合に、第2調速機構Bの回転体B1の空回りを防止できる。これにより、下降運転に移行した場合、クラッチの空回りに伴い、回転体B1へのクラッチの噛み合い時の第2の調速機構への衝撃により調速機が損傷したり、大きな衝撃音が発生したりするような不都合が生じ難くなる。
次に本実施例のエレベータ装置の調速機における上記の回転阻止機構Cが有するクラッチ105の故障検知機能について、図2に基づいて説明する。
図2に示すように、回転阻止機構Cは、第2の調速機構Bの回転体B1(図1参照)と同軸同期回転する第1のローラ106と、第1のローラ106と対向するように設けられ、第1のローラ106と同期回転する第2のローラ107と、第1のローラ106から第2のローラ107に回転を伝達する伝達系となるベルト108とを備えるが、さらに、第2のローラ107に取り付けられ、第2のローラ107と同期回転する半円状の遮蔽板203と、遮蔽板203を挟み込む形でローラブラケット201に設置される回転検出センサ205を備える。
回転検出センサ205としては、受光部と発光部を備える光電センサが用いられる。この時、回転する遮蔽版203が、発光部から受光部への光入射を間欠的に遮蔽する。これにより、光電センサ205は、第1のローラ106および第2のローラ107の回転状態に応じて、オン・オフ信号を送出する。すなわち、第2の調速機構Bの回転体B1の回転と同期して回転する第1のローラ106の回転に伴って遮蔽板203が回転する時の回転検出センサ205の出力信号状態により、クラッチ105の動作状態すなわち故障しているか否かを検知することができる。これにより、クラッチ105の異常を確実に検出し、調速機を的確に保守して、信頼性を維持することができる。従って、上昇方向の過速度と下降方向の過速度を検出可能な調速機の保全性が向上する。
なお、エレベータの下降運転時に、ベルト108に異常、例えば伸びや破断などが発生すると、第2のローラ107および遮蔽板203の回転状態が変化するので、回転検出センサ205の出力信号状態が変化する。従って、回転検出センサ205の出力信号に基づいて、下降運転時に発生するベルト108の異常を検知することができる。
さらに、本実施例においては、次に説明するようなベルト異常検知手段により、エレベータの上昇運転時においても、ベルト108の異常を検知することができる。なお、本ベルト異常検知手段は、以下の説明より明らかなように、エレベータの上昇運転時および下降運転時の両方において、ベルト108の異常を検知することができる。
図2に示すように、調速機本体に取り付けられた本体ブラケット202に、ローラブラケット201の変位を感知する回転カム付きマイクロスイッチ206が固定される。マイクロスイッチ206の回転カム部には、ローラブラケット201の長手方向における軸209とは反対側の端部に設けられるピン212が係合する。
図3は、ベルトに異常が発生した状態における、調速機の部分正面図である。
ベルト108が正常な場合、ローラブラケット201には、第2のローラ107を介してベルト108の張力と、ばね204のばね力とが、互いに反対方向に付勢される。これに対し、図3に示すように、ベルト108に異常a(伸び,破断)が発生すると、第2のローラ107およびローラブラケット201に作用するベルト108の張力が低下あるいは消失する。この時、ローラブラケット201は、ばね204によって付勢されると共に本体ブラケット202に対し軸209を回転中心とする回転自由度を有するため、ばね204のばね力によって、軸209を中心として、本図では時計回りに回転する。このため、ピン212を備えるローラブラケット201の端部が、図中の下方へ変位するので、ピン212と係合するマイクロスイッチ206の回転カム部が押し下げられて、マイクロスイッチ206が作動する。
これにより、回転体B1の回転阻止のためクラッチ105への負荷力の伝達を担うと共に、クラッチの故障を検知するための第2のローラ107の回転駆動を担うベルト108における異常aの発生を検知することができる。
上述したベルト異常検知手段によって、ベルト108の張力消失を含む張力低下を検知することにより、ベルト108の異常を確実に検出し、調速機を的確に保守して、信頼性を維持することができる。これにより、上昇方向の過速度と下降方向の過速度を検出可能な調速機の保全性が向上する。さらに、図5に示したように、本実施例における調速機を用いることにより、エレベータ装置の信頼性及び保全性が向上する。
次に本発明による実施例2を、図4を用いて説明する。なお前図1〜3に示したものと同様のものについては、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、本実施例2のエレベータ装置の全体構成は、図5に示した実施例1と同様である。
本実施例のベルト異常検知手段においては、ベルト208の異常を検知するために、実施例1における回転カム付マイクロスイッチ206に替えて、押しボタン式のマイクロスイッチ301が用いられる。押しボタン式のマイクロスイッチ301は、図4に示すように、ローラブラケット201の長手方向における軸209とは反対側の端部の下方において、本体ブラケット202に固定される。
実施例1と同様に、ローラブラケット201は、ベルト108に異常が発生すると、ばね204のばね力によって、ローラブラケット201の長手方向における軸209とは反対側の端部が、図中の下方へ変位して、マイクロスイッチ301の押しボタンを押す。これにより、マイクロスイッチ301が作動し、ベルト108における異常の発生を検知することができる。
なお、マイクロスイッチ301に代えて、近接センサや距離センサを用いてローラブラケット201の変位を検出しても良い。
本実施例2によれば、実施例1と同様に、上昇方向の過速度と下降方向の過速度を検出可能な調速機の信頼性および保全性が向上する。さらに、本実施例2における調速機を用いることにより、エレベータ装置の信頼性及び保全性が向上する。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、エレベータ装置は、巻上機と制御装置が昇降路内に設置される、いわゆる機械室レスエレベータでも良い。この場合、昇降路の頂部における固定部(例えばガイドレール7の頂部)に調速機を設置することができる。また、調速機は、昇降路2の下部、例えばピットに設けられても良い。
1…機械室,2…昇降路,3…昇降体(乗りかご),4…釣り合いおもり,5…主ロープ,6…巻上機,7…ガイドレール,8…非常止め,9…作動レバー,11…転向プーリ,12…調速機,13…プーリ,101…調速機ロープ,102…調速機枠,103…水平軸,104…綱車,105…クラッチ,106…第1のローラ,107…第2のローラ,108…ベルト,201…ローラブラケット,202…本体ブラケット,203…遮蔽板,204…ばね,205…回転検出センサ,206…マイクロスイッチ,208…軸,209…軸,210…ばね取り付け部,211…ばね取り付け部,212…ピン,301…マイクロスイッチ,1000…建物

Claims (10)

  1. 昇降体の昇降に応じて回転駆動される駆動輪と、
    前記駆動輪に機械的に接続される第1の回転体を有し、前記駆動輪の回転が前記第1の回転体に伝達され、前記第1の回転体の回転速度に基づいて前記昇降体の上昇過速度を検出する第1の調速機構と、
    前記駆動輪にクラッチを介して機械的に接続される第2の回転体を有し、前記昇降体の下降時には、前記駆動輪の回転が、前記クラッチを介して前記第2の回転体に伝達され、前記第2の回転体の回転速度に基づいて前記昇降体の下降過速度を検出し、前記昇降体の上昇時には、前記クラッチによって前記駆動輪の回転の伝達が解除される第2の調速機構と、
    を備えるエレベータ用調速機において、
    前記第2の回転体と同軸で同期して回転する第1のローラと、前記第1のローラと対向して配置される第2のローラと、前記第1のローラおよび前記第2のローラに巻き掛けられるベルトと、を有し、前記ベルトの張力によって、前記昇降体の上昇時に、前記第2の回転体の回転を阻止する回転阻止機構と、
    前記昇降体の上昇時および下降時において前記ベルトの異常を検知する異常検知手段と、
    を備えることを特徴とするエレベータ用調速機。
  2. 請求項1において、
    前記異常検知手段は、前記ベルトの張力の低下を検知することによって前記ベルトの異常を検知することを特徴とするエレベータ用調速機
  3. 請求項2において、
    前記異常検知手段は、
    前記第2のローラが取り付けられ、前記第2のローラを介して前記ベルトの張力が付勢されると共に、ばね力が付勢されるローラブラケットと、
    前記ベルトの張力の低下する時、前記ばね力によって生じる前記ローラブラケットの変位によって作動するスイッチ手段と、
    を備え、
    前記スイッチ手段の作動により前記ベルトの異常を検知することを特徴とするエレベータ用調速機。
  4. 請求項3において、
    前記スイッチ手段は、前記ローラブラケットと係合するカム部を備える回転カム付マイクロスイッチであることを特徴とするエレベータ用調速機。
  5. 請求項3において、
    前記スイッチ手段は、前記ローラブラケットによって押されるボタン部を有する押しボタン式マイクロスイッチであることを特徴とするエレベータ用調速機。
  6. 請求項2において、
    前記異常検知手段は、
    前記第2のローラが取り付けられ、前記第2のローラを介して前記ベルトの張力が付勢されると共に、ばね力が付勢されるローラブラケットと、
    前記ベルトの張力の低下する時、前記ばね力によって生じる前記ローラブラケットの変位を検出するセンサ手段と、
    を備え、
    検出される前記変位に基づいて前記ベルトの異常を検知することを特徴とするエレベータ用調速機。
  7. 請求項6において、
    前記センサ手段が、近接センサおよび距離センサのいずれかであることを特徴とするエレベータ用調速機。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項において、
    前記第2のローラの回転を検出する回転検出手段を備えることを特徴とするエレベータ用調速機。
  9. 主ロープによって吊られる昇降体と、
    前記主ロープが巻き掛けられる巻上機と、
    前記昇降体の過速度を検出する調速機と、
    を備え、
    前記調速機が過速度を検出したら、前記昇降体を非常停止させるエレベータ装置において、
    前記調速機が請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエレベータ用調速機であることを特徴とするエレベータ装置。
  10. 主ロープによって吊られる昇降体と、
    前記主ロープが巻き掛けられる巻上機と、
    前記昇降体の過速度を検出する調速機と、
    を備え、
    前記調速機が過速度を検出したら、前記昇降体を非常停止させるエレベータ装置において、
    前記調速機が請求項8に記載のエレベータ用調速機であることを特徴とするエレベータ装置。
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