JP5942441B2 - ロール状基材への微細抜き加工方法と装置 - Google Patents
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Description
しかし、このような方法にあっては、素材を所望の模様に打抜く際に生じる素材の抜きかすが前記ロール近辺に散乱してしまうため連続的打抜きに支障をきたすという欠点があり、また、打抜きに用いる金属刃は通常工作機械などで加工されているため、ある程度以上の複雑な模様に相応する金属刃の製造は困難であり、それ故、前述の方法では複雑な模様を素材に打抜くことが出来ないという欠点があった。
また、レーザーカットは加工スピードが遅いため、生産速度はダイカットロールによる打ち抜きよりも遅くなり、大量生産の場合には対応できないという欠点があった。
この方法は加工費用は少なくてすむが、加工可能な抜き柄の最小寸法が大きいのみならず、抜きかすの混入を防止できず直径10mm以上程度の抜きかすは除去不能という問題がある。
また、枚葉で彫刻刃を用いた通常の打ち抜き機構にカス収納ボックスを付加した抜き型機構を用いた方法もあるがこれによっても抜きかすの混入は完全には避けられず、さらに近接した絵柄の抜きは困難であり微細な柄の表現には向かない。
たとえば、特許文献1には、熱溶断性の素材を所望の模様に打抜く際に生ずる抜きかすを散乱させることなく処理することの出来る帯状素材の模様打抜き製造方法として、所望の打抜き模様に相応する形状の溶断刃を有する熱溶断ロールの外側とバックアップロールの外側との間に、熱溶断性の帯状素材とこの帯状素材と付着性を有する形状の抜きかす受取部材とを重ね合わせて挿通することにより帯状素材に所望の模様を打抜き、この際生じる抜きかすは前記抜きかす受取部材上に溶着、接着などにより付着させて抜きかすを抜きかす受取部材とともに処理するという方法が提案されている。
この方法によれば、熱溶断性の素材を所望の模様に打抜く際に生ずる抜きかすを散乱させることなく処理することの出来る帯状素材の模様打抜き製造方法を提供することが出来るとされる。
また、所望の打抜き模様に相応する形状の模様の抜きかすが、抜きかす受け取り部材の
所定の位置に付着して分離除去されていることを確認することも非常に困難であった。
ロール状基材と分離して抜きかすを付着させた抜きかす受取部材を巻取り前に検査機で所定の位置に抜きかすが付着していることを確認する検査をすることを特徴とするロール状基材への微細抜き加工方法である。
これらを重ね合わせた状態で挿通し、ロール状基材に所定の微細模様を打ち抜く抜き刃を有するダイカットロールとバックアップロールからなるダイユニットと、
打ち抜かれたロール状基材と抜きかす受取部材とを分離して、ロール状基材から抜きかすを抜きかす受取部材に付着させて別々に巻取る巻取り部と、
ロール状基材と分離して抜きかすを付着させた抜きかす受取部材を巻取り前に所定の位置に抜きかすが付着していることを確認する検査をする検査機を備えていることを特徴とするロール状基材への微細抜き加工装置である。
取り除去することによって、ロール状基材を所望の模様に打抜く際に生ずる抜きかすを散乱させることなく処理することの出来るロール状基材への微細抜き加工方法を提供することが出来る。
すなわち、抜き刃はダイカットロールの外周面にエッチングなどの化学的処理によって形成されたものであるので、従来の機械加工による刃の形状と比較してはるかに複雑な形状の抜き刃を製造することが可能となる。
また、抜き刃の形成がエッチングでなされるので製造コストの低減が出来、ダイカットロールを安価に提供できる。
ロール状基材と分離して抜きかすを付着させた抜きかす受取部材を巻取り前に検査機で検査することによって打ち抜きの確実性を高めたロール状基材への微細抜き加工方法とそれに用いる装置である。
図1と図2は本発明の製造装置の一実施形態を示す簡略工程図とそれを用いた打ち抜き前後の断面略図であり、図3と図4は本発明の製造装置の別の実施形態を示す簡略工程図とそれを用いた打ち抜き前後の断面略図である。さらに図5では打ち抜き後の製品と抜きかす受取部材の平面略図を示した。
き取られる。
別の巻き出しから引き出された抜きかす受取部材である粘着フィルム(9)はロール状基材(2)と重ねられてダイカットロール(10)とバックアップロール(11)との間を通ってそれぞれ別の巻き取りに巻き取られる。
打ち抜かれた後で抜きかすや紙粉除去のために粘着ロール(23)を通しても良い。この粘着ロールは抜きかすや紙粉を除去するためのものであるから同様の効果を奏するものであればバキュームロール等の装置であっても構わない。
このときに粘着フィルム巻き取り前に画像検査機(24)を用いて所定の位置に抜きかす(6)が付着していることを確認することによって製品に形成された抜き穴(5)が所定の位置に洩れなく形成されていることかどうかを判定することができる。
図5(A)のように、抜き穴が正常に形成された場合には打ち抜き分離後の抜きかすの状態は図5(B)のように打ち抜き分離後の受取部材表面に対応する位置に分布した抜きかすの配置状態が見られる。
外周面に抜き刃(4)を備えたダイカットロール(10)と外周面にゴム等を巻いたバックアップロール(11)とからなる打ち抜き工程部に、重ね合わせて挿通されたロール状基材(2)と抜きかす受取部材としての粘着フィルム(9)を加圧して刃高Hの抜き刃(4)をロール状基材(2)に押し込みカットした状態を図2(A)に示した。
この後ダイカットロール(10)とバックアップロール(11)を開き、ロール状基材(2)と抜きかす受取部材としての粘着フィルム(9)を分離して、ロール状基材に抜き穴(5)が形成された製品(1)と抜きかす(6)が付着した粘着フィルム(9)とに分けた状態を図2(B)に示した。
図3の簡略工程図において、巻芯に巻装された紙ベースのロール状基材(2)は、ダイカットロール(10)とバックアップロール(11)との間を通って製品(1)として巻き取られる。
出しから引き出された保護フィルム(12)と重ねられてピンチロール(7)とピンチロール(8)の間を挿通して仮ラミネートされる。なお、仮ラミネートの工程は別工程であっても構わない。
この仮ラミネートされた片面粘着性のフィルムはその粘着面をロール状基材(2)と重ねられてダイカットロール(10)とバックアップロール(11)との間を通ってそれぞれ別の巻き取りに巻き取られる。このときに粘着フィルム(9)と保護フィルム(12)は一緒に巻き取られても構わない。
この粘着ロールは抜きかすや紙粉を除去するためのものであるから同様の効果を奏するものであればバキュームロール等の装置であっても構わない。
打ち抜き工程部で打ち抜かれてからロール状基材(2)と分離された粘着フィルム(9)は抜きかす(6)を付着させた状態で巻き取られる。
画像検査機による検査を製品に対して行なうことは広く行なわれていることであるが、抜きかすの検査を行なうことによってより確実な検査を行うことが出来る。
検査機による検査において張力による形状変化を防ぐためにあるいは抜きかす(6)の画像のコントラストを高める等の目的で、保護フィルム(12)は粘着フィルム(9)と分離しない状態で一緒に巻き取ることも出来る。
ダイカットロール(10)とバックアップロール(11)とからなる打ち抜き工程部に重ね合わせて挿通されたロール状基材(2)と抜きかす受取部材としての粘着フィルム(9)および保護フィルム(12)を加圧して刃高Hの抜き刃(4)をロール状基材(2)に押し込みカットした状態を図4(A)に示した。この後ダイカットロール(10)とバックアップロール(11)を開き、ロール状基材(2)と抜きかす受取部材としての粘着フィルム(9)および保護フィルム(12)を分離して、基材に抜き穴(5)が形成された製品(1)と抜きかす(6)が付着した粘着フィルム(9)および保護フィルム(12)とに分けた状態を図4(B)に示した。
に粘着剤層や接着剤層を形成することにより付着性を与えている。
ここでのベース基材はポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニル、セロハン、アセテート、紙、布などを用いることが出来る。
粘着剤や接着剤としては、アクリル系接着剤、ゴムなどを用いることが出来る。
抜き刃の損傷を少なくするためには、抜きかす受取部材(9)のロール状基材と重ね合わせる面の反対面に、保護フィルムを使用することが望ましい。
保護フィルム(12)としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニル、セロハン、アセテート、紙、布などを用いることが出来る。
また、前記バックアップロール(11)は外周面がシリコンゴムなどの軟質材で形成され、ダイカットロール(10)との間に挿通されるロール状基材(2)と抜きかす受取部材(9)とをダイカットロール(10)側に所定の圧力で押圧し、抜き刃(4)によりロール状基材(2)を円滑に打抜くことが出来るようにされている。
打ち抜き工程部から巻き取りとの間において、切断刃などを有する切断機構(図示せず)が設けられていてもよい。
この切断機構により所定模様を打抜かれたロール状基材(2)は適宜の長さに切断出来るようになっている。
また、抜き刃(4)の形成がエッチングでなされるので製造コストが安価となり、したがってダイカットロール(10)を安価に提供できる。
また、打抜き模様が複雑でない場合はダイカットロール(10)の抜き刃(4)をエッチングにより形成せず、機械加工あるいは所望の模様に相当する金属片を鉄製などのロー
ルの周面に固着して形成しても良いが、エッチングにより形成すれば安価となる利点がある。
また、ロール状基材(2)の供給は印刷済の巻き取りから巻き出す方法に限らず、同調して直結した印刷機による印刷工程から供給することも出来る。
このようにして単なる打抜き模様だけをロール状基材(2)に形成するのみならず、印刷機械と打抜き模様とを併用すれば、より多様な模様を同調して形成できるという利点がある。
下記の材料を用いて図3、図4に示した構成の装置を用いた本発明の方法でロール状に巻かれたコート紙基材に星型の多数の抜き模様を形成した製品を製造した。
・抜き模様:星型(直径2.5mm、ピッチ1.0mm)
・ロール状基材:コート紙(印刷済み、坪量90g/m2)
・寸法:一面寸法 幅100mm×ピッチ160mm
・原反寸法 幅100mm×50m巻き
・粘着フィルム:キャリアテープ透明 PET25μmベース(寺岡製作所)
・保護フィルム:PET50μm
・抜き刃:エッチング刃 刃の高さH=0.2mm(塚谷刃物製作所)
巻き取られた製品を巻き戻しながら目視で確認したところ下記の不具合は見られなかった。
・ダイカットユニットでのカット不良。
・粘着フィルムで抜きかすを除去する際の、除去残りやカスの落下。
・コート紙裏面と粘着フィルムの貼着面において、粘着フィルムを剥がす際のコート紙の破れ、毛羽立ち。
・抜き加工を行なった基材について、テンションを掛けたときの波打ち。
・抜き加工を行なった基材について、 星型先端部分での破れ。
このようにして本発明の方法によれば、紙ベースの基材を所望の模様に打抜く際に生ずる抜きかすを散乱させることなく処理することが出来て、確実に所望の模様に打ち抜かれていることを確認できる紙をベースとするロール状基材の模様打抜き製造方法を提供することが可能になった。
2…ロール状基材
4…抜き刃
5…抜き穴
6…抜きかす
7…ピンチロール
8…ピンチロール
9…抜きかす受取部材(粘着フィルム)
10…ダイカットロール
11…バックアップロール
12…保護フィルム
23…粘着ロール
24…画像検査機
H…抜き刃の高さ
Claims (5)
- 所望の打抜き模様に相応する形状の抜き刃を有するダイカットロールの外側とバックアップロールの外側との間に、紙をベースとするロール状基材と付着性を有する抜きかす受取部材とを別々に供給して重ね合わせた状態で挿通し、ロール状基材に所定の微細模様を打ち抜き、模様を打ち抜かれたロール状基材と抜きかす受取部材とを分離して、ロール状基材から抜きかすを抜きかす受取部材に付着させて巻取り除去する工程において、
ロール状基材と分離して抜きかすを付着させた抜きかす受取部材を巻取り前に検査機で所定の位置に抜きかすが付着していることを確認する検査をすることを特徴とするロール状基材への微細抜き加工方法。 - 抜きかす受取部材がロール状基材と重ね合わせる面に粘着剤層または接着剤層を形成することにより付着性を備えたことを特徴とする請求項1に記載のロール状基材への微細抜き加工方法。
- 模様を打ち抜かれたロール状基材を巻取り前にバキュームロールまたは粘着ロールの表面を通すことを特徴とする請求項1または2に記載のロール状基材への微細抜き加工方法。
- 抜き刃がエッチングにより形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のロール状基材への微細抜き加工方法。
- 紙をベースとするロール状基材と付着性を有する抜きかす受取部材とを別々に供給するための巻き出し部と、
これらを重ね合わせた状態で挿通し、ロール状基材に所定の微細模様を打ち抜く抜き刃を有するダイカットロールとバックアップロールからなるダイユニットと、
打ち抜かれたロール状基材と抜きかす受取部材とを分離して、ロール状基材から抜きかすを抜きかす受取部材に付着させて別々に巻取る巻取り部と、
ロール状基材と分離して抜きかすを付着させた抜きかす受取部材を巻取り前に所定の位置に抜きかすが付着していることを確認する検査をする検査機を備えていることを特徴とするロール状基材への微細抜き加工装置。
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