JP5929293B2 - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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この発明は、半導体素子を検査する技術に関するものであり、特に、検査に用いられるレーザ光の技術に関する。
ICやLSIなどの半導体素子の製造工程においては、微細化、三次構造化高技術の進歩、または、歩留まり向上のニーズの高まりに伴って、欠陥検査などの品質保証に関する技術確立が求められている。近年、検査技術の一つとして、非接触で半導体素子の検査を行う技術が注目を集めている。
非接触の検査技術として、例えば、LSIなどの半導体素子にパルス光を照射し、半導体素子内部で発生した光キャリアの移動により発生する電磁波(主にテラヘルツ波)を検出し、これを解析することで、LSIなどの配線欠陥を検査する手法が提案されている(特許文献1)。
特開2006−24774号公報
しかしながら、特許文献1に示される検査方法の場合、テラヘルツ波を発生させるために、高価なフェムト秒レーザが用いられる。このため、検査にかかるコストが高くなっていた。テラヘルツ波を利用する検査手法は、発明者らが提案するように、半導体素子の一種であるフォトデバイスなどの分野にも拡大できると期待され(特願2011−155665号)、適用範囲を拡大するためにも検査コストの抑制が求められている。
本願発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、半導体素子について安価に電磁波を発生させて検査できる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、半導体素子を検査する検査装置であって、波長の異なる2つのレーザ光を混合した混合光を前記半導体素子に照射して、前記半導体素子からテラヘルツ波を発生させる照射部と、混合された前記2つのレーザ光の照射に応じて前記半導体素子から発生する前記テラヘルツ波を検出する検出部と、前記半導体素子の有するバンドギャップの大きさに応じて、前記2つのレーザ光のうち、少なくとも一方の波長を変更する波長変更部とを備えている。
また、第2の態様は、第1の態様に係る検査装置において、前記波長変更部は、前記半導体素子から発生する前記テラヘルツ波の周波数が変化するように、前記照射部における前記2つのレーザ光のうち、少なくとも一方の波長を変更する。
また、第3の態様は、第1または2の態様に係る検査装置において、前記半導体素子を逆バイアス状態とする電圧を印可する逆バイアス電圧印加部、をさらに備えている。
また、第4の態様は、第1から3までのいずれか1項の態様に係る検査装置において、前記半導体素子が、フォトデバイスであり、前記2つのレーザ光の波長が、420nm以上1μm以下の範囲に含まれる。
また、第5の態様は、第2の態様に係る検査装置において、前記波長変更部は、前記照射部における前記2つのレーザ光のうち、少なくとも一方の波長をnmオーダーで変更する。
また、第の態様は、半導体素子を検査する検査方法であって、波長の異なる2つのレーザ光を混合した混合光を前記半導体素子に照射して、前記半導体素子からテラヘルツ波を発生させる照射工程と、前記照射工程における混合された前記2つのレーザの照射に応じて前記半導体素子から発生する前記テラヘルツ波を検出する検出工程と、前記照射工程において、前記半導体素子が有するバンドギャップの大きさに応じて、前記2つのレーザ光のうち、少なくとも一方の波長を変更する波長変更工程とを含む。
第1の態様から第の態様によると、波長の異なる2つのレーザ光が混合されることによって、それらの差周波数に対応する光ビート信号が生成される。この混合された光を半導体素子に照射することによって、差周波に対応する周波数成分のテラヘルツ波を半導体素子から発生させることができる。この場合、連続光を用いて半導体素子を検査できるため、従来のパルス光を用いる検査に比べ、光源にかかるコストを抑制できる。また、半導体素子固有のバンドギャップに応じて、2つのレーザ光の周波数を設定することにより、半導体素子からテラヘルツ波を良好に発生させることができるため、適切に半導体素子の検査を行うことができる。
特に、第2の態様によると、差周波数を変えることにより、半導体素子から広い周波数帯域のテラヘルツ波を発生させることが可能となる。これにより、半導体素子について、より多くの物性情報を得ることができ、詳細な解析を行うことが可能となる。
特に、第3の態様によると、半導体素子を逆バイアス状態とすることで、励起された光キャリアの移動度を大きくすることができる。これにより、半導体素子から発生するテラヘルツ波強度を大きくすることができる。したがって、テラヘルツ波の検出感度を向上することができる。
特に、第4の態様によると、フォトデバイスに適した波長のレーザ光を混合して照射することにより、フォトデバイスからテラヘルツ波を良好に発生させることができる。また、混合光を受光面側に照射することで、混合光が空乏層などの光励起キャリア発生領域に到達しやすくなるため、テラヘルツ波を良好に発生させることができる。
実施形態に係る検査装置の概略構成図である。 実施形態に係る照射部および検出部の概略構成図である。 太陽電池パネルの概略断面図である。 太陽電池パネルを受光面側から見たときの平面図である。 太陽電池パネルを裏面側から見たときの裏側平面図である。 太陽電池パネルに対して行われる第1検査の流れ図である。 電磁波のスペクトル分布を示す図である。 太陽電池パネルに対して行われる第2検査の流れ図である。 モニターに表示される電界強度分布画像の一例である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<1. 実施形態>
<1.1. 構成および機能>
図1は、実施形態に係る検査装置100の概略構成図である。また、図2は、実施形態に係る照射部12および検出部13の概略構成図である。
図1に示されるように、検査装置100は、ステージ11、照射部12、検出部13、可視カメラ14、モーター15、制御部16、モニター17および操作入力部18を備えている。
検査装置100は、フォトデバイスが形成された基板である太陽電池パネル90を検査するように構成されている。ただし、検査装置100の検査対象となる試料は、太陽電池パネル90に限定されるものではない。例えば可視光を含む光を電流に変換するフォトデバイスを含む試料も、検査装置100の検査対象物となり得る。太陽電池パネル90以外のフォトデバイスとしては、具体的には、CMOSセンサやCCDセンサなどのイメージセンサがあげられる。なお、イメージセンサの中には、使用状態においてフォトデバイスが形成された基板の裏面側となる部分に受光素子が形成されているものが知られている。このような基板であっても、使用状態において受光する側の主面を受光面として検査装置100に設置すれば、良好に電磁波を検出することができる。また、フォトデバイス以外にも、IC、LSIまたはパワーデバイスなど各種半導体素子が形成された基板なども、検査装置100の検査試料になり得る。
検査装置100においては、異なる2つの波長のレーザ光が混合されることにより、2つのレーザ光の差周波数を周波数成分とするうなり(光ビート信号)を持った混合光が生成される。この混合光が太陽電池パネル90に照射されると、光ビート信号に応じて励起された光キャリアが内部電界により加速される。これにより、光ビート信号の周波数成分の電磁波が発生する。混合光の照射に応じて発生する電磁波は、光励起キャリア発生領域の特性を反映するものとなっている。したがって、検出された電磁波を解析することによって、光励起キャリア発生領域の状態を検査することが可能となる。
ステージ11は、図示を省略する固定手段によって、太陽電池パネル90をステージ11上に固定する。固定手段としては、基板を挟持する挟持具を利用するもの、粘着性シート、または、ステージ11表面に形成される吸着孔などが考えられるが、その他の固定手段が採用されてもよい。本実施形態では、ステージ11は、太陽電池パネル90の受光面91S側に照射部12および検出部13が配置されるように太陽電池パネル90を保持する。
図2に示されるように、照射部12は、2つの波長可変レーザ121,121と、光導波路である光ファイバなどで形成されたカプラ123とを備えている。2つの波長可変レーザ121,121は、制御部16が備える波長変更部23の制御にしたがって、出射するレーザ光の波長が可変とされている。照射部12においては、2つの波長可変レーザ121から、発振周波数がわずかに異なる2つのレーザ光を出射し、これらのレーザ光をカプラ123によって重ね合わせることで、その差周波に対応する光ビート信号が生成される。差周波数は、波長可変レーザ121の発振周波数を可変にすることで、任意に調整することが可能とされている。波長可変レーザ121としては、例えば温度制御によって、出射するレーザ光の波長をほぼ連続的(例えば、2nm毎)に変更可能とされる分布帰還型(DFB)レーザなどを利用することができる。
波長可変レーザ121,121から出射されるレーザ光の波長は、例えば、300nm(ナノメートル)〜2μm(マイクロメートル)とされるが、具体的には、検査対象である半導体素子のバンドギャップの大きさに応じて決定される。この点については、後に詳述する。
2つの波長可変レーザ121,121から、異なる周波数f1,f2(f1>f2)を持つ2つのレーザ光を出射して、カプラ123によりこれらを混合すると、その差周波である周波数f(=f1−f2)の光ビート信号が得られる。例えば、波長779nm、781nmのレーザ光を用いた場合、これらの差周波である周波数約1THzの光ビート信号を生成することができる。混合された2つのレーザ光が検査対象物である太陽電池パネル90に照射されると、光励起キャリア発生領域にて光キャリアが発生し、内部電界によって加速されることで、光ビート信号の周波数に応じた電磁波(テラヘルツ波)が発生することとなる。
なお、検査対象物がSi半導体の場合、光励起キャリアの移動度は、テラヘルツ波のエミッターとしてよく用いられる低温成長GaAsに比べて遅いため、電磁波の周波数は上記の式で算出される値よりも低くなる傾向にある。
図2に示されるように、波長可変レーザ121,121から出射された2つのレーザ光は、カプラ123によって混合された後、ビームスプリッタB1により2方向に分割される。分割された一方の光は、太陽電池パネル90の受光面91Sに対して照射される。このとき、混合された光は、その光軸が太陽電池パネル90の受光面91Sに対して斜めに入射するように照射される。なお、図2に示される例では、入射角度が45度とされているが、入射角度は0度から90度までの範囲内で適宜変更することができる。
図3は、太陽電池パネル90の概略断面図である。また図4は、太陽電池パネル90を受光面91S側から見たときの平面図である。また図5は、太陽電池パネル90を裏面側から見たときの裏側平面図である。太陽電池パネル90は、例えば、結晶シリコン系のものとして構成されており、下から順にアルミニウムなどで形成された平板状の裏面電極92と、p型シリコン層93と、n型シリコン層94と、反射防止膜95と、格子状の受光面電極96とで構成される積層構造を有する結晶シリコン系太陽電池として構成されている。
反射防止膜95は、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸化チタンなどで形成されている。太陽電池パネル90の主面のうち、受光面電極96が設けられている側の主面が、受光面91Sとなっている。つまり、太陽電池パネル90は、受光面91S側から光を受けることで発電するように設計されている。なお、受光面電極96として、アルミニウム電極または透明電極が用いられていてもよい。
なお、太陽電池パネル90は、結晶シリコン系以外の太陽電池(アモルファスシリコン系など)であってもよい。一般的に、アモルファスシリコン系太陽電池の場合、一般的に、バンドギャップ(例えば、1.75eV〜1.8eV)はが、結晶シリコン系太陽電池のエネルギーギャップ(例えば、1.2eV)に比べて大きい。このような場合したがって、アモルファスシリコン系太陽電池の場合は、フェムト秒レーザから出射されるパルスバルス光の波長を、例えば700μm以下とすることで、アモルファスシリコン系太陽電池からテラヘルツ波を含む電磁波を良好に発生させることができる。
太陽電池パネル90の受光面91Sは、光の反射損失を抑えるために、所要のテクスチャー構造を有している。具体的には、異方性エッチングなどにより形成される数μm〜数十μmの凹凸、または機械的方法によるV字状の溝などが形成されている。このように、太陽電池パネル90の受光面91Sは、一般的に、できるだけ効率良く採光できるように形成されている。したがって、太陽電池パネル90に照射される光は、pn接合部97に届きやすくなっている。太陽電池パネル90の場合、主に可視光の波長領域である波長1μm以下の光であれば、pn接合部97に容易に到達し得る。
また、p型シリコン層93とn型シリコン層94との接合部分は、空乏層が形成されるpn接合部97となっている。主に、この部分に混合された2つのレーザ光が照射されることによって、混合光の光ビート信号に応じた電磁波が発生する。
図2に戻って、ビームスプリッタB1によって分割された他方の混合光は、ミラーなどを経由して、光伝導スイッチ(光伝導アンテナ)で構成されている検出器132に入射される。検出器132はこの入射された混合光が持つ光ビート信号の周波数に同期して電磁波を検出する。検出器132に電磁波が入射すると、電磁波の電界強度に応じた電流が発生し、その電流量がI/V変換回路、A/D変換回路などを介してデジタル量に変換される。このようにして検出部13は太陽電池パネル90から発生した電磁波の電界強度を検出する。
なお、本実施形態においては、検出器132として光伝導スイッチが利用されているが、その他の検出素子(例えば非線形光学結晶)を利用することも考えられる。また、ショットキーバリアダイオードを用いて、電磁波の電界強度を検出することも考えられる。
図2に示されるように、太陽電池パネル90には、検査時において、裏面電極92と受光面電極96との間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス電圧印加回路99(逆バイアス電圧印加部)が接続されている。逆バイアス電圧印加回路99は、陰極である受光面電極96に正電圧を印加することによって、pn接合部97の空乏層を大きくする。つまり、内部電界が強められることによって、光キャリアの移動度が向上するため、発生する電磁波の電界強度が大きくなる。よって、検出部13における電磁波の検出感度を高めることができる。なお、逆バイアス電圧印加回路99は必須のものではなく、無バイアス状態で検査が行われてもよい。
図1に戻って、可視カメラ14は、CCDカメラで構成されており、光源としてLEDやレーザを備えている。可視カメラ14は、太陽電池パネル90の全体を撮影したり、混合光が照射される位置を撮影したりするのに用いられる。可視カメラ14によって取得された画像データは、制御部16へ送信され、各種画像処理が行われる。
モーター15は、ステージを二次元平面内で移動させるX−Yテーブル(図示せず)を駆動する。モーター15は、このX−Yテーブルを駆動することによって、ステージ11に保持された太陽電池パネル90を、照射部12に対して相対移動させる。検査装置100は、モーター15により、太陽電池パネル90を二次元平面内で任意の位置に移動させることができる。検査装置100は、モーター15により、太陽電池パネル90の広い範囲に混合光を走査させることができる。なお、太陽電池パネル90を移動させる代わりに、または、太陽電池パネル90を移動させると共に、照射部12を、検出部13を二次元平面内で移動させる移動手段を設けてもよい。なお、オペレータによりステージ11を手動で移動させるようにしてもよい。
制御部16は、図示を省略するCPUやRAM、補助記憶部(ハードディスク)などを備えた一般的なコンピュータの構成を備えている。制御部16は、照射部12、検出部13、可視カメラ14およびモーター15に接続されており、これらの動作を制御する。
また、制御部16には、専用の演算回路などで構成される、波長変更部23および画像生成部25が接続されている。なお、これらの機能の一部または全部は、制御部16のCPUが所定のプログラムに従って動作することでソフトウェア的に実現されてもよい。
波長変更部23は、オペレータの操作入力またはあらかじめ定められた設定に従って、2つの波長可変レーザ121,121のうちの一方または双方から出射されるレーザ光の波長を変更する。波長可変レーザ121,121から出射される2つのレーザ光の周波数の差が変更されることによって、カプラ123により生成される光ビート信号の周波数が変更される。これにより、太陽電池パネル90から発生する電磁波の周波数が変更される。
画像生成部25は、太陽電池パネル90の検査対象領域(太陽電池パネル90の一部または全部)に関して、混合光を照射したときに発生する電磁波の電界強度の分布を視覚化した画像を生成する。具体的には、可視カメラ14を介して取得された太陽電池パネル90の受光面91Sの可視光画像に、各測定位置の電界強度に応じた色や模様などを重ねることによって、電界強度分布画像が生成される。なお、可視カメラ14によって撮影された画像の代わりに、太陽電池パネル90を模した模式図などが用いられることも考えられる。
図1に示されるように、制御部16には、モニター17および操作入力部18が接続されている。モニター17は、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、オペレータに対して各種画像情報を表示する。モニター17には、可視カメラ14で撮影された太陽電池パネル90の受光面91Sの画像、画像生成部25が生成した電界強度分布画像などが表示される。また、検査の条件設定(太陽電池パネル90における検査領域の設定、波長可変レーザ121から出射されるレーザ光の波長の設定、実行する検査(後述する第1検査または第2検査)の選択など)を実行するためのGUI画面がモニター17に表示されてもよい。
<1.2. フォトデバイスの検査>
次に、フォトデバイスである太陽電池パネル90の検査の流れについて説明する。なお、以下に説明する検査装置100の動作は、特に断らない限り、制御部16によって制御されるものとする。
<第1検査>
図6は、太陽電池パネル90に対して行われる第1検査の流れ図である。この第1検査は太陽電池パネル90の特定の位置について、広い周波数帯域の電磁波を発生させることで多くの物性情報を取得し、その情報に基づいて欠陥検出または性能測定を行う検査である。なお、図6に示した流れ図は、一例であり、複数の工程が並列的に行われたり、あるいは、各工程の実行順序が適宜変更されたりすることも考えられる。
第1検査においては、まず、検査対象であるフォトデバイス(太陽電池パネル90)がステージ11に設置される(ステップS11)。このとき、オペレータによって太陽電池パネル90がステージ11に設置されてもよいし、または、図示しない搬送装置によって設置されるようにしてもよい。
太陽電池パネル90がステージ11に固定されると、検査装置100はモーター15を駆動することによって、照射部12から出射される光が太陽電池パネル90の検査すべき位置(関心位置)に照射されるように、太陽電池パネル90を移動させる。照射部12から出射される光が照射される位置は、あらかじめ設定された座標データとして規定されていてもよいし、オペレータが操作入力部18を介して適宜指定するようにしてもよい。あるいは、オペレータがステージ11を手動で移動させるようにしてもよい。
次に、検査装置100は、波長可変レーザ121,121から出射するレーザ光の波長を設定し、設定された波長のレーザ光を出射する(ステップS13)。出射すべきレーザ光の波長は、検査試料の半導体素子が持つバンドギャップの大きさによって決定されるが、具体的には、次式(1)を基準にして決定することができる。
E = h・c/λ ・・・ 式(1)
式(1)において、Eはエネルギー、hはプランク定数、cは光速、λは波長を示している。式(1)により算出されるエネルギーが、半導体素子のギャップバンドよりも大きい場合、光キャリアを励起させて電磁波を発生させることができる。
例えば、検査試料が太陽電池パネル90やイメージセンサなどのフォトデバイスの場合、波長が420nm以上1μm以下のレーザ光が好適である。また、検査試料がSi半導体またはGaAs半導体の場合、波長が1μm以上1.5μm以下のレーザ光が好適である。また、検査試料がワイドギャップ半導体(バンドギャップが2.20eV以上の半導体、例えば、窒化物半導体などのIII−V族半導体)の場合、波長が300nm以上420nm以下のレーザ光が好適である。
検査装置100は、設定された波長のレーザ光を出射し、これを混合して太陽電池パネル90の関心位置に照射する。そして、太陽電池パネル90にて発生した電磁波を検出器132により検出する(ステップS14)。このとき、太陽電池パネル90は逆バイアス電圧印加回路99によって逆バイアス状態とされていてもよいし、もしくは、無バイアス状態とされてもよい。
ステップS14において、検査装置100は、太陽電池パネル90から発生する電磁波の周波数が順次変化するように、波長可変レーザ121,121から出射されるレーザ光の波長を適宜変更する。具体的には、2つの波長可変レーザ121,121のうちどちらか一方(または双方)から出力されるレーザ光の波長を、例えば数nmずつ段階的に変化させる。これにより、2つのレーザ光の周波数差を所要範囲(例えば、0〜数THz)で変化させることができるため、広い周波数帯域にわたって、電磁波を発生させることができる。
図7は、電磁波のスペクトル分布を示す図である。図7中、縦軸は電磁波のスペクトル強度、横軸は電磁波の周波数を示している。図7に示されるように、本実施形態に係る太陽電池パネル90からは、周波数帯域が0.1THz〜0.5THzである電磁波が主に発生していることが分かる。このように、本実施形態に係る検査装置100によると、広い周波数帯域の電磁波を発生させることができるため、太陽電池パネル90に関して多くの物性情報を取得することができる。よって、詳細な解析を行うことができる。
<第2検査>
図8は、太陽電池パネル90に対して行われる第2検査の流れ図である。この第2検査は、太陽電池パネル90のほぼ全面から電磁波を発生させることにより、パネル全体における欠陥検出または性能測定を行う検査となっている。なお、図8に示した流れ図は、一例で有り、複数の工程が並列的に行われたり、あるいは、各工程の実行順序が適宜変更されたりすることも考えられる。
まず、検査試料である太陽電池パネル90がステージ11に設置されると(ステップS21)、波長可変レーザ121,121から出射されるレーザ光の波長が、太陽電池パネル90に対応するように設定され、それぞれの波長可変レーザ121,121からレーザ光が出力される(ステップS22)。このステップS21,S22は、図6に示されるステップS11,S12とほぼ同様の手順で行われる。
次に、検査装置100は、太陽電池パネル90から発生した電磁波を、検出器132によって検出する。そして、この検出結果がモニター17などに表示されることによって、十分な強度の電磁波が発生しているかどうかがオペレータにより確認される(ステップS23)。なお、制御部16が基準となるしきい値を保持しておくことで、電磁波の強度が十分かどうかを制御部16がしきい値に基づいて自動的に判定するようにしてもよい。
なお、発生する電磁波の強度を大きくしたい場合、逆バイアス電圧印加回路99によって印加される逆バイアス電圧を大きくすればよい。また、波長可変レーザ121,121のレーザ光の出力強度を上げてもよいし、もしくは、2つのレーザ光の差周波数を、試料から発生しやすい電磁波の周波数に設定するなどすればよい。また、一般的に、太陽電池においては、電極から離れた位置(図4に示される位置P1など)よりも近い位置(図4に示される位置P2など)の方が、内部電界が大きい。したがって、電極に近い部分に混合光を照射することで、高強度の電磁波を検出しやすくなる。
次に、検査装置100は、所定の走査開始位置に太陽電池パネル90を移動させる。そして検査装置100は、太陽電池パネル90を受光面91Sに平行な水平方向に移動させつつ、ステップS23にて設定された波長のレーザ光の混合光を太陽電池パネル90の各位置に照射する(ステップS24)。このようにして、検査装置100は、水平方向に関して、太陽電池パネル90の検査対象領域の一方端から他方端にかけて、照射部12から出射される混合光を走査させる(水平方向走査)。
検査装置100は、ステップS24の水平方向走査を完了すると、太陽電池パネル90を上記水平方向に直交する垂直方向に移動させる(ステップS25)。これにより、混合光の照射位置が、垂直方向に移動距離分ずらされる。また検査装置100は、全ての水平方向走査が完了したかどうかを判定する(ステップS26)。走査すべき領域が残っている場合(ステップS26においてNO)、検査装置100はステップS23に戻って、垂直方向にずれた位置に関して、水平方向走査を行う。このようにステップS23〜ステップS26の工程が繰り返し実行されることで、太陽電池パネル90の広い範囲にわたって混合光が照射され、発生した電磁波の電界強度が測定される。
図9は、モニター17に表示される電界強度分布画像I1の一例である。電界強度分布画像I1は画像生成部25により生成される画像であり、太陽電池パネル90を示す画像に対して、第2検査により各位置で測定された電磁波の電界強度の大きさに応じて色分けされた画像を重ねた画像となっている。なお、図9においては、色の相違がハッチングの相違で表現されている。電界強度分布画像71においては、電界強度の大きさが3段階(強度0〜4,強度4〜8,強度8〜10)に区分され、各区分に応じて塗り分けされている。ただし、電界強度の大きさが2段階もしくは4段階以上に区分されて、塗り分けが行われるようにしてもよい。
図9に示されるように、太陽電池パネル90の場合、受光面電極96の周囲において最も検出される電磁波の電界強度が強くなっており、受光面電極96から離れる程、電界強度が弱まっていることが分かる。このように、第2検査によると、太陽電池パネル90の欠陥場所または性能などが、電界強度分布画像I1を参照することで一度に把握することができる。さらに、検出される電界強度の異常から、多結晶シリコンの格子欠陥なども推定することが可能である。
以上のように、本実施形態に係る検査装置100によると、太陽電池パネル90に対して、波長の異なる2つのレーザ光を混合して照射することにより、太陽電池パネル90の光励起キャリア発生領域から、2つのレーザ光の差周波を周波数成分とする電磁波を発生させることができる。電磁波の発生は、太陽電池パネル90に含まれる欠陥などの影響を受けるため、発生する電磁波の強度を検出することで、非接触下での検査を実現することができる。
また、本実施形態においては、波長可変レーザ121,121からは連続光のレーザ光を出射することでテラヘルツ波を発生させることができる。従来の半導体検査においては、テラヘルツ波を発生させるために、フェムト秒レーザから出射されたパルス光が利用されているため、従来の装置に比べて、光源にかかるコストを抑制できる。したがって、太陽電池パネル90について、安価に検査することができる。もちろん、太陽電池パネル90以外のフォトデバイス、IC、LSIなどの各種半導体素子などの検査においても、検査装置100は同様の効果を発揮する。
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、図3に示されるように、pn接合部が形成された太陽電池パネル90を例にしている。しかしながら、p型半導体層とn型半導体層との間に真性半導体層が挟み込まれた、いわゆるpin接合部が形成されている太陽電池パネルについても、検査装置100の検査対象とすることができる。
また、上記実施形態では、ステージ11を移動させることで、混合光の照射位置を変更している。しかしながら、照射部12の備える光学的素子を変位させることなどによって、混合光の照射位置を変更することも考えられる。
また、上記実施形態では、波長可変レーザ121,121を2台用いているが、どちらか一方を、出力するレーザ光の波長が1波長に固定されている固定波長レーザとすることも考えられる。
また、上記実施形態では、図2に示されるように、照射部12から混合光を太陽電池パネル90の受光面91S側から照射して、該受光面91S側に放射された電磁波を検出部12にて検出される(反射型)。しかしながら、受光面91Sとは反対側に放射される電磁波を検出するようにすることも考えられる(透過型)。
また、上記各実施形態及び各変形例で説明した構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、または、省略したりすることができる。
100 検査装置
11 ステージ
12 照射部
121 波長可変レーザ
123 カプラ
13 検出部
132 検出器
16 制御部
23 波長変更部
90 太陽電池パネル
91S 受光面
92 裏面電極
93 p型シリコン層
94 n型シリコン層
95 反射防止膜
96 受光面電極
97 pn接合部
99 逆バイアス電圧印加回路(逆バイアス電圧印加部)

Claims (6)

  1. 半導体素子を検査する検査装置であって、
    波長の異なる2つのレーザ光を混合した混合光を前記半導体素子に照射して、前記半導体素子からテラヘルツ波を発生させる照射部と、
    混合された前記2つのレーザ光の照射に応じて前記半導体素子から発生する前記テラヘルツ波を検出する検出部と、
    前記半導体素子の有するバンドギャップの大きさに応じて、前記2つのレーザ光のうち、少なくとも一方の波長を変更する波長変更部と、
    を備えている検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置において、
    前記波長変更部は、
    前記半導体素子から発生する前記テラヘルツ波の周波数が変化するように、前記照射部における前記2つのレーザ光のうち、少なくとも一方の波長を変更する検査装置。
  3. 請求項1または2に記載の検査装置において、
    前記半導体素子を逆バイアス状態とする電圧を印可する逆バイアス電圧印加部、
    をさらに備えている、検査装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の検査装置において、
    前記半導体素子が、フォトデバイスであり、
    前記2つのレーザ光の波長が、420nm以上1μm以下の範囲に含まれる、検査装置。
  5. 請求項2に記載の検査装置において、
    前記波長変更部は、
    前記照射部における前記2つのレーザ光のうち、少なくとも一方の波長をnmオーダーで変更する検査装置。
  6. 半導体素子を検査する検査方法であって、
    波長の異なる2つのレーザ光を混合した混合光を前記半導体素子に照射して、前記半導体素子からテラヘルツ波を発生させる照射工程と、
    前記照射工程における混合された前記2つのレーザ光の照射に応じて前記半導体素子から発生する前記テラヘルツ波を検出する検出工程と、
    前記照射工程において、前記半導体素子が有するバンドギャップの大きさに応じて、前記2つのレーザ光のうち、少なくとも一方の波長を変更する波長変更工程と、
    を含む検査方法。
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