JP5928187B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
クリーニング性の向上とクリーニングブレードの耐久性との両立を図るためには、クリーニングブレードとして、ブレード部材が多層構造であるものを用いることが知られている。
保護層として、重合性化合物を硬化して得られる硬化樹脂と、反応性有機基を有する表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子とが含有されてなる架橋型硬化樹脂による保護層を採用した場合においては、特に耐摩耗性に優れることが知られている。
しかしながら、特許文献1に記載の感光体には、反応性電荷輸送物質が含有されており、この反応性電荷輸送物質がバインダー樹脂と反応するため、膜強度は向上するものの、キャリア移動性が低下するので、電位が安定しないという問題がある。
前記有機感光体は、重合性化合物を硬化して得られる硬化樹脂中に、反応性有機基を有する表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子および非反応性電荷輸送物質が含有されてなる表面層を有し、
前記非反応性電荷輸送物質が、下記一般式(1)で表わされるものであることを特徴とする。
前記エッジ層の硬度が前記ベース層の硬度より大きいことが好ましい。
本発明の画像形成装置は、有機感光体の表面を帯電させる帯電手段と、当該有機感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写材に転写する転写手段と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、有機感光体上の残留トナーを、多層構造のブレード部材を有するクリーニングブレードによって除去するクリーニング手段とが備えられてなるものである。
本発明の画像形成装置における有機感光体は、具体的な例として、下記(1)および(2)の層構成が挙げられる。
(1)導電性支持体上に、中間層を有し、この中間層上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層がこの順に積層されてなる有機感光層が形成され、この有機感光層(電荷輸送層)上に表面層として保護層が形成された層構成。
(2)導電性支持体上に、中間層を有し、この中間層上に、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する単層構造の有機感光層が積層され、この有機感光層上に表面層として保護層が形成された層構成。
本発明に係る有機感光体を構成する表面層としての保護層は、重合性化合物を硬化して得られる硬化樹脂中に、反応性有機基を有する表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子および非反応性電荷輸送物質が含有されてなるものである。
保護層を構成する硬化樹脂は、紫外線や電子線などの活性線の照射により、重合性化合物を重合し、硬化することにより得られるものである。重合性化合物としては、重合性官能基を2個以上有するものを用いることが好ましく、重合性官能基を1個有するものを併用することもできる。具体的には、重合性化合物としては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。
保護層には、反応性有機基を有する表面処理剤(以下、「反応性有機基含有表面処理剤」ともいう。)によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されている。この金属酸化物微粒子は、原料となる金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」ともいう。)が反応性有機基含有表面処理剤によって表面処理されることにより、未処理金属酸化物微粒子表面に反応性有機基が導入されたものである。
また、反応性有機基含有表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。ラジカル重合性反応基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。このようなラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護層を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OC2 H5 )(OCH3 )2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 )2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 )3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 H5 )(OCH3 )2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 )3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 H5 )3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 )2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 )3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 H5 )3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 )3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 H5 )3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OC2 H5 )3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )2 (OCH3 )
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCOCH3 )2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(ONHCH3 )2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OC6 H5 )2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(C10H21)(OCH3 )2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH2 C6 H5 )(OCH3 )2
保護層には、非反応性電荷輸送物質が含有される。
本発明において、非反応性電荷輸送物質とは、保護層を形成する際に、重合性化合物や金属酸化物微粒子の反応性有機基と反応しないものをいう。
この非反応性電荷輸送物質は、保護層中の電荷キャリアを輸送する電荷輸送性を有するものであり、短波長領域での吸収を示さず、かつ、分子量も450以下(好ましくは、320以上420以下)のものが多く、保護層の硬化樹脂の空隙に入り込むことが可能である。このため、保護層の耐摩耗性を低下させることなく、電荷輸送層からのスムーズな電荷キャリアの注入を可能とし、保護層表面に電荷を輸送することができる。
一般式(1)中、R1 およびR2 は、各々、水素原子またはメチル基を示す。
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、3−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、4−メチルペンチル基、4−メチルペンタン−2−イル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基などが挙げられる。これらのうち、溶解性の観点から、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基が好ましい。
有機感光体を構成する導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
有機感光体においては、導電性支持体と有機感光層の間にバリアー機能と接着機能を有する中間層を設けることもできる。種々の故障防止などを考慮すると、中間層を設けるのが好ましい。
このような金属酸化物粒子の平均粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
有機感光体を構成する有機感光層における電荷発生層は、電荷発生物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
有機感光体を構成する有機感光層における電荷輸送層は、電荷輸送物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
工程(1):導電性支持体の外周面に中間層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより、中間層を形成する工程。
工程(2):導電性支持体上に形成された中間層の外周面に電荷発生層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷発生層を形成する工程。
工程(3):中間層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程。
工程(4):電荷発生層上に形成された電荷輸送層の外周面に保護層形成用の塗布液を塗布、乾燥し、活性線照射などにより硬化処理を行うことにより保護層を形成する工程。
中間層は、溶媒中に中間層用バインダー樹脂を溶解させて中間層形成用の塗布液(以下、「中間層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子を分散させた後、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して電荷発生層形成用の塗布液(以下、「電荷発生層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を中間層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂および電荷輸送物質を溶解させた電荷輸送層形成用の塗布液(以下、「電荷輸送層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
保護層は、溶媒中に、重合性化合物、非反応性電荷輸送物質、金属酸化物微粒子および重合開始剤を混合した保護層形成用の塗布液(以下、「保護層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を電荷輸送層上に塗布して、塗膜を形成し、塗膜を乾燥して、硬化処理を行うことによって形成することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(「イルガキュアー819」:BASFジャパン社製)、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有する光重合促進剤を単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2 、好ましくは5〜100mJ/cm2 である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
帯電手段は、有機感光体に対して一様な電位を与える手段である。帯電手段としては、例えばコロナ放電型の帯電器が好ましく用いられる。
露光手段は、帯電手段によって一様な電位を与えられた有機感光体上に、画像信号に基づいて露光を行い、当該画像に対応する静電潜像を形成する機能を有する。露光手段は、有機感光体の軸方向にアレイ状に発光素子が配列されたLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいはレーザー光学系などが用いられる。
現像手段は、例えば、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブおよび有機感光体とこの現像スリーブとの間に直流および/または交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
転写手段は、例えばコロナ転写方式のものよりなり、接触転写方式のものを用いることもできる。
定着手段は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラと、この加熱ローラに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラとにより構成されてなる熱ローラ定着方式のものが挙げられる。
クリーニング手段は、有機感光体上の残留トナーを、多層構造のブレード部材を有するクリーニングブレードが当該有機感光体表面を擦過することによって除去する機能を有する。クリーニング手段には、クリーニングブレードの他、有機感光体表面に潤滑剤を塗布するローラブラシなどが備えられていてもよい。
本発明においては、クリーニングブレードのブレード部材は多層構造のものであれば特に限定されないが、例えば2〜3層構造のものが好ましい。また、ブレード部材は、材質の異なる層よりなる多層構造のものが好ましく、より好ましくは硬度の異なる層よりなる多層構造のものが好ましい。
クリーニングブレード10は、図2に示すように、ブレード部材12(エッジ層12b)の先端が、有機感光体表面Sとの当接部分における当該有機感光体の回転移動方向(図2に示す矢印方向)と反対方向(カウンター方向)に向く状態で配置されている。
例えば、図1および図2に示すような2層構造のブレード部材12においては、エッジ層12bの硬度がベース層12aの硬度より大きいことが好ましい。このような構成であることにより、クリーニングブレードの耐久性を向上させることができる。
例えば、図1および図2に示すような2層構造のブレード部材においては、エッジ層12bの反発弾性は10〜50%であることが好ましく、ベース層12aの反発弾性は0〜40%であることが好ましい。
本発明において、反発弾性は、JIS K 7312の反発弾性試験に準じて測定される。
また、エッジ層12bの層厚は、0.05〜2.0mmであることが好ましく、ベース層12aの層厚は、0.3〜3.0mmであることが好ましい。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット130と、給紙搬送手段150と、定着手段170とを有する。画像形成装置100の本体の上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
本実施の形態においては、帯電手段113Yとしてコロナ放電型の帯電器が好ましく用いられる。
以下に示すように、導電性支持体上に、中間層と、電荷発生層および電荷輸送層よりなる有機感光層とがこの順に積層され、この有機感光層上に表面層として保護層が形成された層構成の有機感光体〔1〕を作製した。
直径60mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面を細かく粗面にした導電性支持体〔1〕を用意した。
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層形成用塗布液〔1〕を調製した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製) 1部
金属酸化物粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製) 3部
溶媒:メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
中間層形成用塗布液〔1〕を用いて導電性支持体〔1〕上に、浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
電荷発生物質:下記顔料(CG−1)20部、バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)10部、溶媒:酢酸t−ブチル700部、溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン300部を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層形成用塗布液を調製〔1〕した。この電荷発生層形成塗布液〔1〕を中間層〔1〕上に浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
(1)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン;29.2質量部をo−ジクロロベンゼン200質量部に分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド;20.4質量部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗メタノール洗浄して、乾燥後、26.2質量部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、粗チタニルフタロシアニンを5℃以下において濃硫酸250質量部中で1時間攪拌して溶解し、これを20℃の水5000質量部に注いだ。析出した結晶をろ過し、充分に水洗してウエットペースト品225質量部を得た。
このウエットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、ろ過、乾燥して無定形チタニルフタロシアニン24.8質量部(収率86%)を得た。
上記無定形チタニルフタロシアニン10.0質量部と(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94質量部(0.6当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比、以後同じ)をオルトクロロベンゼン(ODB)200質量部中に混合し60〜70℃で6.0時間加熱撹拌した。一夜放置後、該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG−1:10.3質量部を得た。顔料(CG−1)のX線回折スペクトルでは、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークがある。マススペクトルにおいて576と648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm-1付近のTi=O、630cm-1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と非付加体(付加していない)チタニルフタロシアニンの混合物と推定される。
得られた顔料(CG−1)のBET比表面積を流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所)で測定したところ、31.2m2 /gであった。
電荷輸送物質:下記化合物A225部、バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製)300部、酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製)6部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)1600部、溶媒:トルエン400部、シリコーンオイル「KF−50」(信越化学社製)1部を混合し、溶解して電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を電荷発生層〔1〕の上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
(1)金属酸化物微粒子の作製
未処理金属酸化物微粒子として下記酸化錫〔1〕を用い、表面処理剤として上記例示化合物(S−15)を用い、以下に示すように表面処理を行い、酸化錫微粒子よりなる金属酸化物微粒子〔1〕を作製した。
数平均一次粒径:20nm、体積抵抗率:1.05×105 (Ω・cm)
金属酸化物微粒子〔1〕80部、重合性化合物:上記例示化合物(M1)100部、電荷輸送物質:上記例示化合物(CTM−8)20部、重合開始剤:「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製)10部、溶媒:2−ブタノール320部、溶媒:テトラヒドロフラン80部を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層形成用塗布液〔1〕を調製した。この保護層形成用塗布液〔1〕を電荷輸送層上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗膜を形成し、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚5.0μmの保護層〔1〕を形成し、有機感光体〔1〕を作製した。
有機感光体の作製例1における(2)保護層の形成において、金属酸化物微粒子〔1〕および電荷輸送物質(CTM−8)の代わりに、表1に示す金属酸化物微粒子および電荷輸送物質を用いたことの他は同様にして有機感光体〔2〕〜〔5〕を作製した。
また、表1中の電荷輸送物質「CTM−16」は下記例示化合物(CTM−16)により示されるものである。
公知の遠心成形機の成形金型ドラム(内径:700mm、奥行き:500mm、常温での振れ精度:0.06mm、成形時の回転数:800rpm、粗面状態:Ra=0.30)を40℃に加熱し、シリコーンゴム材料として、付加反応により硬化する付加硬化型シリコーンゴム組成物「TSE3032(A)」(主剤、GE東芝シリコーン社製)と「TSE3032(B)」(硬化剤)との混合液(配合質量比10:1)を、上記成形金型ドラム内に流し込み、120分間加熱硬化させ、シリコーンゴム層〔1〕を形成した。
エッジ層用材料「ポリウレタン」(硬度80、反発弾性33%)を140℃に予熱した遠心成形機の金型内のシリコーンゴム層〔1〕上に注入し、10分間硬化させた。上記硬化反応の後、ベース層用材料「ポリウレタン」(硬度70、反発弾性10%)を硬化したエッジ層上に注入し、30分間硬化させた。上記硬化反応後、層厚0.50mmのエッジ層および層厚1.50mmのベース層により構成される2層構造の弾性ゴム部材のシート体のみ金型から取り出すことにより、厚さ2.00mmの円柱状の2層構造シート体を得た。これを幅12mm、長さ330mmの短冊状にカットすることにより、ブレード部材〔1〕を得た。
さらに、得られたブレード部材〔1〕をメッキ鋼からなる支持部材に、ポリウレタン系ホットメルト接着剤を用いて接着してクリーニングブレード〔1〕を作製した。
クリーニングブレード1の作製例1において、エッジ層用材料としてエッジ層用材料「ポリウレタン」(硬度75、反発弾性40%)を用い、ベース層用材料として「ポリウレタン」(硬度65、反発弾性25%)を用いたことの他は同様にしてクリーニングブレード〔2〕を作製した。
クリーニングブレード1の作製例1において、エッジ層用材料としてエッジ層用材料「ポリウレタン」(硬度73、反発弾性40%)を用い、ベース層を形成しなかったことの他は同様にしてクリーニングブレード〔3〕を作製した。なお、エッジ層の層厚を2.0mmとした。
評価機として、基本的に図3の構成を有するコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製「bizhub PRO C6501」を用い、当該評価機に有機感光体〔1〕〜〔5〕およびクリーニング手段としてクリーニングブレード〔1〕〜〔3〕を表2に示す組み合わせに従ってそれぞれ搭載して評価を行った。露光光は波長780nmの半導体レーザーを用いた。
30℃/85%HH環境で、画像比率6%の文字画像をA4横送りにおいて各500,000枚連続でプリントを行う耐久試験を実施し、有機感光体の耐摩耗性、電位安定性およびクリーニング性の評価を行った。
耐久試験前後における感光体を構成する全層(中間層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層)の膜厚を測定し、膜厚減耗量を算出して評価した。
感光体を構成する全層の膜厚は均一膜厚部分(塗布の先端部および後端部の膜厚変動部分を、膜厚プロフィールを作製して除く)をランダムに10ヶ所測定し、その平均値を感光体の全層の膜厚とする。膜厚の測定は、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、耐久試験前後の感光体の全層の膜厚の差を膜厚減耗量とし、下記評価基準に従って評価した。
−評価基準−
◎:減耗量が3μm未満(良好)
○:減耗量が3μm以上5μm未満(実用上問題なし)
×:減耗量が5μmを超える(実用上問題あり)
耐久試験における露光部電位の電位変動の大きさにより、下記評価基準に従って、初期の帯電電位を600±50Vに調整し、初期と50万枚後の露光部電位の変化量(ΔV)で評価した。
−評価基準−
◎:ΔVが50V未満(良好)
○:ΔVが50〜100V(実用上問題なし)
×:ΔVが100Vを超える(実用上問題あり)
耐久試験におけるクリーニング性を下記評価基準に従って評価した。
判定基準は以下のとおりである。
−評価基準−
◎:トナーすり抜けがなく、ブレード摩耗幅が20μm未満(良好)
○:トナーすり抜けがなく、ブレード摩耗幅が20μm以上(実用上問題なし)
×:トナーすり抜け発生(実用上問題あり)
11 支持部材
12a ベース層
12b エッジ層
12 ブレード部材
13 接着層
100 画像形成装置
110Y、110M、110C、110Bk 画像形成ユニット
111Y、111M、111C、111Bk 有機感光体
113Y、113M、113C、113Bk 帯電手段
115Y、115M、115C、115Bk 露光手段
117Y、117M、117C、117Bk 現像手段
119Y、119M、119C、119Bk クリーニング手段
130 無端ベルト状中間転写体ユニット
131 無端ベルト状中間転写体
133Y、133M、133C、133Bk 一次転写ローラ(転写手段)
135 クリーニング手段
137A、137B、137C、137D ローラ
150 給紙搬送手段
170 定着手段
200 プロセスカートリッジ
201 筐体
203R、203L 支持レール
211 給紙カセット
213A、213B、213C、213D 中間ローラ
215 レジストローラ
217 二次転写ローラ(転写手段)
219 排紙ローラ
221 排紙トレイ
P 転写材
SC 原稿画像読み取り装置
S 有機感光体表面
Claims (4)
- 有機感光体の表面を帯電させる帯電手段と、当該有機感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記転写材に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、有機感光体上の残留トナーを、多層構造のブレード部材を有するクリーニングブレードによって除去するクリーニング手段とを備える画像形成装置において、
前記有機感光体は、重合性化合物を硬化して得られる硬化樹脂中に、反応性有機基を有する表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子および非反応性電荷輸送物質が含有されてなる表面層を有し、
前記非反応性電荷輸送物質が、下記一般式(1)で表わされるものであることを特徴とする画像形成装置。
〔一般式(1)中、R 1 およびR 2 は、各々、水素原子またはメチル基を示し、R 3 は炭素数1〜5のアルキル基を示す。〕 - 前記クリーニング手段におけるクリーニングブレードが、前記有機感光体表面と当接するエッジ層と、このエッジ層の厚み方向に積層されるベース層とにより構成されるブレード部材を備えてなり、
前記エッジ層の硬度が前記ベース層の硬度より大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記表面処理剤における反応性有機基が、アクリロイル基またはメタクリロイル基であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記重合性化合物が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
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