JP6459454B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、長寿命および画質安定性が求められている。画像形成装置において重要な機能部材である感光体は、感光層の減耗の程度で寿命が決定される。また、微小傷や減耗ムラの発生によっても、画質劣化を引き起こし、感光体を含む画像形成ユニットの交換が必要となる。
近年、感光体表面に、架橋型硬化樹脂による保護層を積層させることにより、耐摩耗性、耐傷性および環境安定性を向上させ、長寿命化を可能としている。
また、近年、感光体の帯電方式として、高画質化および装置の小型化に有利で、スコロトロン・コロトロン帯電方式に比べ、オゾンやNOxなどの酸化性ガスの発生量を低減することができる近接帯電方式が採用されている。ここで、近接帯電方式とは、帯電ローラなどよりなる帯電部材を感光体表面に接触または近接させて帯電させる帯電方式をいう。
しかしながら、架橋型硬化樹脂による保護層を有する感光体に対して近接帯電方式の帯電を行うと、感光体表面の劣化の速さの程度が表面研磨の速さの程度より大きく、付着する放電生成物によりトルクが上昇し、クリーニングブレードのメクレやチッピングなどに伴うクリーニング不良やトナーフィルミングを引き起こすという問題がある。
このクリーニング不良やトナーフィルミングの問題を解決するため、感光体の表面に潤滑剤(滑剤)を塗布して、当該感光体の表面上に滑剤皮膜を形成し、トナーの付着力を低減する方法が知られている。これにより、クリーニングブレードのトルクを低減することができ、クリーニング性が向上する。
しかしながら、近接帯電方式においては、帯電処理が繰り返し行われると、滑剤が劣化して吸水性物質に変質することにより、高温高湿環境下での像流れが促進されてしまう、という問題がある。
このような問題を解決するための手段として、クリーニング時には必要十分な滑剤量を確保しつつも、劣化した滑剤を除去するために、滑剤除去手段を設けることが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
しかしながら、上記の特許文献に開示された滑剤除去手段によっては、高温高湿環境下での像流れを抑制する程度に滑剤を除去すると、低温低湿環境下においては滑剤の除去量が過剰となることによって感光体の減耗が促進されてしまうこと、および、トナーのすり抜けが発生してクリーニング性が低下してしまうことなどの問題がある。
特開2008−122869号公報 特開2005−77717号公報 特開2000−330425号公報 特開2006−259031号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、長寿命化が図られると共に、良好なクリーニング性を有しながら高温高湿環境下における像流れの発生を抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明の画像形成装置は、感光体と、前記感光体の表面を帯電させる近接帯電方式の帯電手段と、前記帯電手段により帯電された感光体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光された感光体にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給手段と、前記感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段と、前記滑剤を前記感光体の表面より除去する滑剤除去手段とを備える画像形成装置であって、
前記感光体が、重合性化合物を重合して得られる架橋型硬化樹脂による保護層を有するものであり、
前記滑剤供給手段が、前記感光体の回転方向において前記帯電手段の下流側、かつ、前記クリーニング手段の上流側に配置されると共に、前記滑剤除去手段が、前記感光体の回転方向において前記クリーニング手段の下流側、かつ、前記帯電手段の上流側に配置され、
さらに、画像形成装置内の温度および相対湿度を検知する温湿度検知手段と、当該温湿度検知手段によって検出された温度と相対湿度とから算出される水蒸気量に基づいて、当該水蒸気量が大きくなるに従って前記滑剤除去手段における滑剤を除去する力が大きくなるよう制御する制御手段とを備え
前記滑剤除去手段による滑剤の除去後の感光体の表面の単位面積当たりの滑剤存在比率が、0.3〜1.0atom%の範囲内とされることを特徴とする。
本発明の画像形成装置においては、前記滑剤除去手段は、感光体の表面と接触した状態において機械的作用によって滑剤を除去するものであることが好ましい。
本発明の画像形成装置においては、前記滑剤除去手段がブラシローラからなり、
前記制御手段は、当該ブラシローラの回転速度、および/または、当該ブラシローラの回転方向、および/または、当該ブラシローラの感光体に対する食込み量を調整することにより、滑剤除去手段における滑剤を除去する力の大きさを制御することが好ましい。
本発明の画像形成装置においては、前記制御手段は、予め定められた目標値に従って、滑剤除去手段における滑剤を除去する力の大きさを制御することが好ましい。
本発明の画像形成装置によれば、当該画像形成装置内の水蒸気量に基づいて滑剤を除去する力が制御される滑剤除去手段を有するので、長寿命化が図られると共に、良好なクリーニング性を有しながら高温高湿環境下における像流れの発生を抑制することができる。
本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成装置の要部の構成の一例を示す説明用断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔画像形成装置〕
本発明の画像形成装置は、感光体と、感光体の表面を帯電させる近接帯電方式の帯電手段と、帯電手段により帯電された感光体を露光する露光手段と、露光手段により露光された感光体にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、感光体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給手段と、感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段と、滑剤を感光体の表面より除去する滑剤除去手段とを備える画像形成装置である。
本発明の画像形成装置において、滑剤除去手段は、感光体の回転方向においてクリーニング手段の下流側かつ帯電手段の上流側に配置されることが好ましい。
そして、本発明の画像形成装置においては、当該画像形成装置内の温度および相対湿度を検知する温湿度検知手段と、当該温湿度検知手段によって検出された温度と相対湿度とから算出される水蒸気量に基づいて、当該水蒸気量が大きくなるに従って滑剤除去手段における滑剤を除去する力が大きくなるよう制御する制御手段とが備えられている。
以下、感光体の回転方向におけるクリーニング手段の下流側かつ帯電手段の上流側に滑剤除去手段が配置された画像形成装置について具体的に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Bkと、中間転写体ユニット130と、給紙搬送手段150と、定着手段170とを有する。画像形成装置100の本体の上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Bkは、鉛直方向に並んで配置されている。画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Bkは、回転されるドラム状の感光体111Y,111M,111C,111Bkと、この外面領域において感光体の回転方向に沿って順次配置された、近接帯電方式の帯電手段113Y,113M,113C,113Bkと、露光手段115Y,115M,115C,115Bkと、現像手段117Y,117M,117C,117Bkと、滑剤供給手段114Y,114M,114C,114Bkと、クリーニング手段119Y,119M,119C,119Bkと、滑剤除去手段116Y,116M,116C,116Bkと、を有する。そして、感光体111Y,111M,111C,111Bk上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)のトナー像がそれぞれ形成される構成とされている。
この画像形成装置100には、当該画像形成装置100内の温度および相対湿度を検知する温湿度検知手段120が、感光体111Y,111M,111C,111Bk、帯電手段113Y,113M,113C,113Bk、現像手段117Y,117M,117C,117Bk、滑剤供給手段114Y,114M,114C,114Bk、クリーニング手段119Y,119M,119C,119Bkおよび滑剤除去手段116Y,116M,116C,116Bkと、中間転写体ユニット130とを有する、プロセスカートリッジ200の筐体201内に備えられている。
画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Bkは、感光体111Y,111M,111C,111Bkに形成するトナー像の色が異なる以外は同様に構成されるため、以下、画像形成ユニット110Yの例で説明する。
〔感光体〕
感光体111Yは、ドラム状のものであり、重合性化合物を含む組成物を重合反応により硬化して得られる架橋重合体を含有する架橋型硬化樹脂による保護層を表面層として有するものとすることができる。この例の感光体111Yは、具体的には、導電性支持体上に、中間層を有し、この中間層上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層がこの順に積層されてなる感光層が形成され、この感光層(電荷輸送層)上に表面層として保護層が形成された層構成を有している。なお、感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する単層構造の層構成を有するものであってもよい。
(保護層)
感光体111Yの保護層は、重合性化合物を含む組成物を重合反応により硬化して得られる架橋重合体よりなる硬化樹脂からなり、当該硬化樹脂中に、金属酸化物微粒子が含有されてなることが好ましく、特に反応性有機基を有する化合物よりなる表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されてなることが好ましい。
(重合性化合物)
保護層を構成する硬化樹脂は、紫外線や電子線などの活性線の照射により、重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を重合し、架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより得られる架橋重合体からなる。重合性化合物としては、重合性官能基を2個以上有するものを用い、重合性官能基を1個有するものを併用することもできる。具体的には、重合性化合物としては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。
重合性化合物としては、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることから、アクリロイル基(CH2 =CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。
本発明においては、重合性化合物は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの重合性化合物は、モノマーを用いてもよいが、オリゴマー化して用いてもよい。
以下、重合性化合物の具体例を示す。
Figure 0006459454
Figure 0006459454
ただし、上記の例示化合物M1〜M14を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH2 =CHCO−)を示し、R’はメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を示す。
(金属酸化物微粒子)
保護層には、反応性有機基を有する化合物よりなる表面処理剤(以下、「反応性有機基含有表面処理剤」ともいう。)によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されていることが好ましい。この金属酸化物微粒子は、原料となる金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」ともいう。)が反応性有機基含有表面処理剤によって表面処理されることにより、未処理金属酸化物微粒子表面に反応性有機基が導入されたものである。
未処理金属酸化物微粒子としては、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化ジルコニウム、酸化錫、チタニア(酸化チタン)、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどを用いることができるが、なかでも、硬度、導電性、光透過性の観点から、酸化錫が好ましい。
未処理金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、1〜300nmであることが好ましく、より好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜40nmである。
本発明において、金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP(ソフトウエアバージョン Ver.1.32)」((株)ニレコ製)を使用して数平均一次粒径を算出した。
反応性有機基含有表面処理剤としては、未処理金属酸化物微粒子の表面に存在するヒドロキシ基などと反応するものが好ましく、このような反応性有機基含有表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
また、反応性有機基含有表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。ラジカル重合性反応基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。このようなラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護層を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。
以下、反応性有機基含有表面処理剤の具体例を示す。
S−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 2
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OC2 5 )(OCH3 2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 5 )(OCH3 2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 5 3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 5 3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 5 3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC2 5 3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 2 (OCH3
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCOCH3 2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(ONHCH3 2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OC6 5 2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(C1021)(OCH3 2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH2 6 5 )(OCH3 2
反応性有機基含有表面処理剤としては、上記S−1からS−36に示すもの以外にも、ラジカル重合性の反応性有機基を有するシラン化合物を用いることができる。
反応性有機基含有表面処理剤は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
反応性有機基含有表面処理剤の使用量は、未処理金属酸化物微粒子100質量部に対して0.1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは7〜70質量部である。
反応性有機基含有表面処理剤の未処理金属酸化物微粒子に対する処理方法としては、例えば、未処理金属酸化物微粒子と反応性有機基含有表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式解砕する方法が挙げられる。この方法により、未処理金属酸化物微粒子の再凝集を防止すると同時に未処理金属酸化物微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化する。
表面処理装置としては、例えば湿式メディア分散型装置が挙げられる。この湿式メディア分散型装置は、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、未処理金属酸化物微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、未処理金属酸化物微粒子に表面処理を行う際に未処理金属酸化物微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば限定されず、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、せん断、ズリ応力などにより微粉砕、分散が行われる。
湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明においては0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
保護層中の金属酸化物微粒子の含有割合は、硬化樹脂100質量部に対して20〜170質量部であることが好ましく、より好ましくは25〜130質量部である。保護層中の硬化樹脂を構成する架橋重合体は、後述する保護層形成用塗布液中に含まれる重合性化合物がすべて硬化反応することによって構成されるとみなしてよい。
保護層には、硬化樹脂や金属酸化物微粒子の他に、他の成分が含有されていてもよく、例えば各種の酸化防止剤を含有させることができ、各種の滑剤粒子を加えることもできる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、およびこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択することが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
保護層は、重合性化合物や金属酸化物微粒子、重合開始剤および必要に応じて他の成分を公知の溶媒に添加して塗布液を調製し、この塗布液を感光層(電荷輸送層)の外周面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥し、紫外線や電子線などの活性線を照射することによって塗膜中の重合性化合物成分を重合反応させ、硬化させることにより形成することができる。
以上のような保護層は、重合性化合物間の反応などが進行することにより、架橋型硬化樹脂として形成される。
保護層の形成に用いられる溶媒としては、重合性化合物および金属酸化物微粒子を溶解または分散させることができればいずれのものも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護層形成用の塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜は、乾燥しないで硬化処理を行ってもよいが、自然乾燥または熱乾燥を行った後、硬化処理を行うことが好ましい。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などによって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分間〜200分間であり、特に好ましくは5分間〜100分間である。
重合性化合物を反応させる方法としては、電子線開裂で反応させる方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応させる方法などが挙げられる。ラジカル重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光重合開始剤および熱重合開始剤を併用することもできる。
重合性化合物を反応させる方法としては、光の照射時間や光の波長などを変化させることによって保護層のユニバーサル硬さを制御することができることから、光で反応させる方法を採用することが好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物;過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物などが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有する光重合促進剤を単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、またはホスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−アミノアルキルフェノン構造、または、アシルホスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。
重合開始剤は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の添加割合は、重合性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。
架橋重合体は、重合性化合物を含む塗膜に活性線を照射し、ラジカルを発生させて重合し、かつ分子間および分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより生成される。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノンなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2 、好ましくは5〜100mJ/cm2 である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量は、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間〜10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間〜5分間がより好ましい。
保護層の形成の工程においては、活性線を照射する前後、および活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択することができる。
保護層のユニバーサル硬さは、140N/mm2 以上700N/mm2 以下であることが好ましい。
本発明において、保護層のユニバーサル硬さは、超微小硬さ試験システム「フィッシャースコープH100」(フィッシャーインスツルメンツ社製)により測定される値である。
具体的には、「フィッシャースコープH100」により試験荷重下でダイヤモンド四角錐のビッカーズ圧子に荷重Fをかけて感光体表面を押し込んだときの、押し込み深さhおよび荷重Fから下記式(1)により求める。
式(1):HU(ユニバーサル硬さ)=F/(26.45×h2
保護層のユニバーサル硬さは、保護層を形成する際の硬化処理条件(活性線の照射時間や活性線種)や重合性化合物の種類を調整することによって制御することができる。
保護層の層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。
本発明の感光体においては、保護層以外の層は公知の種々のものを採用することができる。
〔帯電手段〕
帯電手段113Yは、感光体111Y表面に対して近接帯電方式による帯電を行う手段である。
ここで、近接帯電方式とは、感光体の表面近傍の微小な空隙で発生する近接放電を利用した帯電方式を指す。近接帯電方式には、具体的には、接触ローラ帯電方式、非接触ローラ帯電方式、ブラシ帯電方式などが含まれる。
この例の帯電手段113Yは、感光体111Yの表面に接触して配設された帯電ローラと、帯電ローラに電圧を印加する電源とからなる。
帯電ローラは、例えば、導電性支持体上に抵抗調整層が形成されてなるものである。
〔露光手段〕
露光手段115Yは、帯電手段113Yによって一様な電位を与えられた感光体111Y表面に、画像信号(イエローの画像信号)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段である。露光手段115Yは、感光体111Yの軸方向にアレイ状に発光素子が配列されたLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいはレーザー光学系などが用いられる。
〔現像手段〕
現像手段117Yは、感光体111Y表面にトナーを供給し、感光体111Y表面に形成された静電潜像を現像し、トナー像を形成する手段である。この例の現像手段117Yは、具体的には、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブおよび感光体とこの現像スリーブとの間に現像電界を形成するための直流および/または交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置により構成される。
〔滑剤供給手段〕
滑剤供給手段114Yは、感光体111Yの表面に滑剤を供給する手段であって、この滑剤供給手段114Yにより、感光体111Y表面上に滑剤皮膜が形成される。滑剤供給手段114Yは、感光体111Yの回転方向においてクリーニング手段119Yの上流側、具体的には、感光体111Yの回転方向において、転写手段(この例においては一次転写ローラ133Y)の下流側であって、クリーニング手段119Yの上流側に配置されている。
滑剤供給手段114Yは、例えば、固形状の滑剤と、この固形状の滑剤の表面を摺擦することにより掻き取った滑剤を感光体111Y表面に塗布する、そのブラシの先端が感光体111Y表面に当接されたブラシローラよりなる滑剤塗布部材とにより構成されるものとすることができる。
ブラシローラは、例えばポリプロピレンなどの樹脂製のブラシ繊維が高密度に植設されてなる長尺の織布がローラ基体の周面に形成されてなるものである。ブラシローラは、各々のブラシ繊維の太さが例えば3〜7デニール、ブラシ繊維の毛長が2〜5mm、ブラシ繊維の電気抵抗率が1×1010Ω以下、ブラシ繊維のヤング率が1500〜9800N/mm2 、ブラシ繊維の植設密度(単位面積あたりのブラシ繊維数)が例えば50k〜200kF/inch2 のものであることが好ましい。
滑剤供給手段114Yにおいては、感光体111Yの表面1cm2 当たりに対する塗布量が0.5×10-7〜1.5×10-7g/cm2 とされるよう、例えば固形状の滑剤のブラシローラに対する押圧力およびブラシローラの回転速度が調整されることが好ましい。
具体的には、ブラシローラは、感光体111Yの回転方向と同方向または逆回転に、当該感光体111Yに対する周速比が0.3〜1.5となる回転速度で回転駆動される。
ブラシローラの感光体111Yに対する食込み量は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
滑剤としては、例えば、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩を用いることができる。これらの中でも、滑性および延展性の観点から、ステアリン酸亜鉛を用いることが好ましい。
〔クリーニング手段〕
クリーニング手段119Yは、感光体111Y表面に残存したトナーを除去する手段である。この例のクリーニング手段119Yは、クリーニングブレードにより構成される。このクリーニングブレードは、図2に示すように、支持部材31と、この支持部材31上に接着層(図示せず)を介して支持されたブレード部材30とにより構成される。ブレード部材30は、その先端が、感光体111Y表面との当接部分における当該感光体111Yの回転方向と反対方向(カウンター方向)に向く状態で配置されている。
支持部材31としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチック、セラミックなどから製造されたものが挙げられる。中でも、剛体の金属が好ましい。
ブレード部材30としては、例えば、ベース層とエッジ層とが積層されてなる多層構造のものを用いることができる。ベース層およびエッジ層は、それぞれポリウレタンにより構成されることが好ましい。ポリウレタンとしては、ポリオール、ポリイソシアネートおよび必要に応じて架橋剤を反応させて得られるものなどが挙げられる。
〔滑剤除去手段〕
滑剤除去手段116Yは、感光体111Y表面に付着した滑剤を除去する手段である。滑剤除去手段116Yは、感光体111Yの回転方向においてクリーニング手段1119Yの下流側であって、帯電手段113Yの上流側に配置されている。
滑剤除去手段116Yは、除去部材が感光体111Y表面に接触し、機械的作用によって滑剤を除去する手段であることが好ましい。ここで、機械的作用によって滑剤を除去するとは、感光体の表面を機械的に擦るなどによって滑剤を除去することをいう。除去部材としては、ブラシローラや発泡ローラなどを用いることができ、除去能力および耐久性の観点からブラシローラを用いることが好ましい。この例の滑剤除去手段116Yは、具体的には、感光体111Y表面に当接し、感光体111Yの回転方向とは逆回転で等速に回転駆動されるブラシローラ20よりなる除去部材と、当該ブラシローラ20に付着した滑剤を払い落とすフリッカー21と、駆動機構(図示せず)とにより構成される。
滑剤除去手段116Yを構成するブラシローラ20は、例えば、基布に繊維の束をパイル糸として織り込んだパイル織り生地をリボン状生地にし、起毛した面を外側にして金属製シャフトの周囲に螺旋状に巻き付け、接着したものである。この例のブラシローラ20は、例えばポリエステルなどの樹脂製のブラシ繊維が高密度に植設されてなる長尺の織布が金属製シャフトの周面に形成されてなるものである。
金属製シャフトは、感光体111Yに対して接地状態とされることが好ましい。
ブラシ毛は金属製シャフトに対し垂直方向に起毛させる、直毛タイプが除去能力の観点から好ましい。ブラシ毛に用いる糸は、フィラメント糸であることが望ましく、材料としては、6−ナイロン、12−ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン等の合成樹脂が挙げられ、導電性を高める目的でカーボン、ニッケル等の金属を練り込んだものであってもよい。ブラシ繊維の太さは3〜15デニールであることが好ましく、ブラシ繊維の毛長は2〜5mmであることが好ましい。また、ブラシ繊維の植設密度を4万〜50万本/平方インチ(40k〜500kF/inch2 )の範囲で設定することによって、除去に必要な剛性を確保すると共に、ブラシ毛に疎な部分を作らず滑剤の除去ムラを引き起こさないようにすることができる。ブラシ繊維の電気抵抗率は107 Ω以下であることが好ましく、ブラシ繊維のヤング率は1500〜9800N/mm2 であることが好ましい。
〔温湿度検知手段〕
温湿度検知手段120は、画像形成装置100内の温度および相対湿度を検知する温湿度センサーからなる。
この温湿度検知手段120においては、当該画像形成装置100のウォームアップ時に温度および相対湿度を検知する。
〔制御手段〕
また、この画像形成装置100には、温湿度検知手段120によって検出された温度と相対湿度とから算出される水蒸気量に基づいて、滑剤除去手段116Yにおける滑剤を除去する力(以下、「滑剤除去力」ともいう。)を制御する制御手段125が備えられている。
制御手段125は、水蒸気量が大きくなるに従って滑剤除去手段116Yにおける滑剤除去力が大きくなるよう制御するものであり、予め定められた目標値に従って、具体的には温湿度環境に対する滑剤除去力を調整するための項目が規定された制御テーブルに従って、滑剤除去手段116Yにおける滑剤除去力の大きさを制御するものであることが好ましい。
制御手段125による滑剤除去力の制御の具体的な方法は、滑剤除去手段116Yの除去部材の種類によっても異なるが、例えば除去部材がブラシローラ20である場合は、当該ブラシローラ20の回転方向、当該ブラシローラ20の回転速度、当該ブラシローラ20の感光体111Yに対する食込み量の少なくともいずれかの調整によって、ブラシローラ20による感光体111Yの擦過力すなわち滑剤除去力を制御することができる。
ブラシローラ20の回転方向は、感光体111Yとの当接部における回転方向が逆転(カウンター)または正転(ウィズ)とされる。正転(ウィズ)であるよりも、逆転(カウンター)である場合の方が、周速差によって擦過力が大きくなることから、滑剤除去力を大きくすることができる。
また、ブラシローラ20の回転速度と感光体111Yの回転速度との比(周速比)が大きいほど、単位時間当たりのブラシローラ20と感光体111Yとの接触回数が増大して擦過力が大きくなることから、滑剤除去力を大きくすることができる。
ブラシローラ20の回転速度は、具体的には、感光体111Yとの周速比で例えば0.3〜1.5とされる。
また、ブラシローラ20の感光体111Yに対する食込み量が大きいほど、F=μNの関係式におけるN(垂直抗力)が大きくなることとなってF(擦過力)が大きくなることから、滑剤除去力を大きくすることができる。
ブラシローラ20の感光体111Yに対する食込み量は、例えば0.5〜1.5mmとされる。
このような画像形成装置100によれば、当該画像形成装置100内の水蒸気量に基づいて滑剤除去力が制御される滑剤除去手段116Yを有するので、使用環境の水蒸気量に基づいて滑剤が除去されて、感光体111Y表面における滑剤量が使用環境に応じて最適化される。その結果、高温高湿環境下においては滑剤の除去量が多くなり、従って、像流れの発生を抑制することができる。また、低温低湿環境下においては滑剤の除去量が少なく抑制され、従って、感光体111Yの減耗が抑制されて、長寿命化が図られると共に良好なクリーニング性を得ることができる。
滑剤除去手段116Yによる滑剤の除去後の感光体111Yの表面の単位面積当たりの滑剤存在比率は、例えば0.3〜1.0atom%の範囲内とされることが好ましい。
なお、滑剤存在比率の測定では、回転する感光体111Yにおいて、滑剤除去手段116Yの下流側の感光体111Y表面上の任意の箇所を選択することができるが、本発明においては、滑剤除去手段116Yの下流側であって帯電手段113Yの上流側の感光体111Y表面上の任意の箇所を選択することとする。
ここで、滑剤存在比率とは、感光体表面の単位面積当たりに滑剤が存在する度合いをいう。本発明においては、X線光電子分光法(ESCA)によって測定される感光体表面上の滑剤(脂肪酸金属塩)由来の金属の存在比率を代替量として用いる。単位は「atom%」とする。検出する選択元素は、(1)保護層を構成する架橋重合体の元素(C、Oなど)、(2)金属酸化物(例えばSnなど)、(3)感光体表面に供給される滑剤(脂肪酸金属塩)由来の金属(例えばZn、Alなど)とする。これらの選択元素については、保護層を構成する材料の種類や用いる滑剤の種類によって、感光体表面に存在し得ると考えられる元素全てを抽出する必要がある。なお、検知性の観点から、保護層に含有される金属酸化物由来の金属と滑剤由来の金属との差別化のため、使用する金属酸化物と滑剤の金属とは違う種類のものを選択する。
具体的には、感光体から保護層のみ5mm角で切り取り、測定サンプルとする。X線光電子分光装置「K−Alpha」(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用い、選択元素を下記測定条件にて定量分析し、各々の原子ピーク面積から相対感度因子を用いて表面元素濃度を算出する。検出される金属の測定量を代替量として取り扱う。
−測定条件
X線:Alモノクロ線源
加速:12kV、6mA
分解能:50eV
ビーム系:400μm
ステップサイズ:0.1eV
〔転写手段〕
中間転写体ユニット130は、無端ベルト状の中間転写体131と、当該中間転写体131を介して感光体111Y,111M,111C,111Bkと当接して配置された一次転写ローラ133Y,133M,133C,133Bkと、当該中間転写体131のクリーニング手段135とを有する。
転写手段を構成する一次転写ローラ133Y,133M,133C,133Bkは、感光体111Y,111M,111C,111Bk上に形成されたトナー像を中間転写体131に転写する手段である。
この画像形成装置100においては、感光体111Y,111M,111C,111Bk上に形成されたトナー像を一次転写ローラ(一次転写手段)133Y,133M,133C,133Bkによって中間転写体131に転写し、中間転写体131上に転写された各トナー像を二次転写ローラ(二次転写手段)217によって転写材Pに転写する中間転写方式が採用されているが、感光体上に形成されたトナー像を転写手段によって直接転写材に転写する直接転写方式が採用されてもよい。
中間転写体131は、複数のローラ137A、137B、137C、137Dにより巻回され、回動可能に支持されている。
この画像形成装置100において、感光体111Y、現像手段117Y、クリーニング手段119Y、滑剤除去手段116Yおよび滑剤供給手段114Yなどは、一体的に結合され、装置本体に着脱自在に構成されたプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)であってもよい。あるいは、帯電手段113Y、露光手段115Y、現像手段117Y、滑剤除去手段116Y、滑剤供給手段114Y、一次転写ローラ133Yおよびクリーニング手段119Yからなる群から選ばれる一以上の部材と、感光体111Yとが一体的に構成されたプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)であってもよい。
プロセスカートリッジ200は、筐体201と、それに収容された感光体111Y,111M,111C,111Bk、帯電手段113Y,113M,113C,113Bk、現像手段117Y,117M,117C,117Bk、滑剤供給手段114Y,114M,114C,114Bk、クリーニング手段119Y,119M,119C,119Bkおよび滑剤除去手段116Y,116M,116C,116Bkと、中間転写体ユニット130と、を有する。また、装置本体には、プロセスカートリッジ200を装置本体内にガイドする手段として支持レール203L、203Rが設けられている。それにより、プロセスカートリッジ200を装置本体に着脱可能となっている。これらのプロセスカートリッジ200は、装置本体に着脱自在に構成された単一の画像形成ユニットとなりうる。
給紙搬送手段150は、給紙カセット211内の転写材Pを、複数の中間ローラ213A、213B、213C、213Dおよびレジストローラ215を経て、二次転写ローラ217に搬送可能に設けられている。
定着手段170は、二次転写ローラ217により転写されたカラー画像を定着処理する。排紙ローラ219は、定着処理された転写材Pを挟持して、排紙トレイ221上に載置可能に設けられている。
このように構成された画像形成装置100では、画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Bkによりトナー像を形成する。具体的には、まず、画像形成装置100のウォームアップ時に、温湿度検知手段120によって温度および相対湿度の検知が行われて水蒸気量が算出され、この水蒸気量を用いて、制御手段125によって、予め定められた制御テーブルに従って、滑剤除去手段116Y,116M,116C,116Bkの各々のブラシローラ20の回転方向、回転速度、食込み量のそれぞれが調整される。
そして、ジョブが開始されると、帯電手段113Y,113M,113C,113Bkにより感光体111Y,111M,111C,111Bkの表面に放電して負に帯電させる。次いで、露光手段115Y,115M,115C,115Bkで、感光体111Y,111M,111C,111Bkの表面を画像信号に基づいて露光し、静電潜像を形成する。次いで、現像手段117Y,117M,117C,117Bkで、感光体111Y,111M,111C,111Bkの表面にトナーを付与して現像し、トナー像を形成する。
次いで、一次転写ローラ(一次転写手段)133Y,133M,133C,133Bkを、回動する中間転写体131と当接させる。それにより、感光体111Y,111M,111C,111Bk上にそれぞれ形成した各色のトナー像を、回動する中間転写体131上に逐次転写させて、カラー画像を転写する(一次転写する)。画像形成処理中、一次転写ローラ133Bkは、常時、感光体111Bkに当接する。一方、他の一次転写ローラ133Y,133M,133Cは、カラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体111Y,111M,111Cに当接する。
そして、一次転写ローラ133Y,133M,133C,133Bkと中間転写体131とを分離させた後、滑剤供給手段114Y,114M,114C,114Bkにより感光体111Y,111M,111C,111Bkの表面に滑剤を供給する。その後、感光体111Y,111M,111C,111Bkの表面に残存したトナーを、クリーニング手段119Y,119M,119C,119Bkで除去する。次いで、感光体111Y,111M,111C,111Bkの表面に付着した滑剤を、滑剤除去手段116Y,116M,116C,116Bkで除去する。その後、次の画像形成プロセスに備えて、必要に応じて感光体111Y,111M,111C,111Bkの表面を除電手段(不図示)によって除電した後、帯電手段113Y,113M,113C,113Bkにより負に帯電させる。
一方、給紙カセット211内に収容された転写材P(例えば普通紙、透明シートなどの最終画像を担持する支持体)を、給紙搬送手段150で給紙し、複数の中間ローラ213A、213B、213C、213D、レジストローラ215を経て二次転写ローラ(二次転写手段)217に搬送する。そして、二次転写ローラ217を回動する中間転写体131と当接させて、転写材P上にカラー画像を一括して転写する(二次転写する)。二次転写ローラ217は、転写材P上に二次転写を行うときのみ、中間転写体131と当接する。その後、カラー画像が一括転写された転写材Pを、中間転写体131の曲率が高い部位で分離する。
このようにしてカラー画像が一括して転写された転写材Pを、定着手段170で定着処理した後、排紙ローラ219で挟持して装置外の排紙トレイ221上に載置する。また、カラー画像が一括転写された転写材Pを中間転写体131から分離した後、クリーニング手段135で中間転写体131上の残存トナーを除去する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、滑剤の供給は、ブラシローラによって固形状の滑剤を塗布する方法によって行うことに限定されず、トナーに対して外部添加された微粉状の滑剤が、現像工程において形成される現像電界の作用により、感光体に供給される方法が採用されてもよい。
このとき、滑剤の数平均一次粒径は、例えば0.5〜20μmであることが好ましい。また、滑剤は、トナーの帯電性に影響を与えないよう、トナーに対して0.01〜0.3質量%の割合で添加されることが好ましい。
トナーに対して外部添加される微粉状の滑剤としては、滑性、劈開性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ステアリン酸亜鉛などを用いることができる。
〔トナー〕
本発明の画像形成装置において使用されるトナーとしては、特に限定されないが、結着樹脂および着色剤が含有されるトナー粒子よりなり、当該トナー粒子には、所望により離型剤などの他の成分が含有されていてもよい。
トナーを構成するトナー粒子は、高画質化を企図する観点からすれば、その体積平均粒径が2〜8μmであることが好ましい。
上記のトナーを製造する方法としては、特に制約されないが、例えば、通常の粉砕法や、分散媒中で作成する湿式溶融球形化法や、懸濁重合、分散重合、乳化重合凝集法等の既知の重合法などが挙げられる。
また、トナー粒子には、外添剤として、平均粒径10〜300nm程度のシリカおよびチタニア等の無機微粒子、0.2〜3μm程度の研磨剤を適宜量、外部添加することができる。
トナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛などの合金、フェライトおよびマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライトが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、下記中「部」とは「質量部」を示す。
〔感光体の作製例1〕
以下に示すように、導電性支持体上に、中間層と、電荷発生層および電荷輸送層よりなる有機感光層とがこの順に積層され、この有機感光層上に表面層として保護層が形成された層構成の感光体〔1〕を作製した。
直径60mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面を細かく粗面にした導電性支持体〔1〕を用意した。
(中間層の形成)
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製) 1部
・金属酸化物粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製) 3部
・溶媒:メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
中間層形成用塗布液〔1〕を用いて導電性支持体〔1〕上に、浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(電荷発生層の形成)
電荷発生物質:下記顔料(CG−1)20部、バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)10部、溶媒:酢酸t−ブチル700部、溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン300部を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。この電荷発生層形成塗布液〔1〕を中間層〔1〕上に浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
<顔料(CG−1)の合成>
(1)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン29.2質量部をo−ジクロロベンゼン200質量部に分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド20.4質量部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗メタノール洗浄して、乾燥後、26.2質量部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、粗チタニルフタロシアニンを5℃以下において濃硫酸250質量部中で1時間攪拌して溶解し、これを20℃の水5000質量部に注いだ。析出した結晶をろ過し、充分に水洗してウエットペースト品225質量部を得た。
このウエットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、ろ過、乾燥して無定形チタニルフタロシアニン24.8質量部(収率86%)を得た。
(2)(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン(CG−1)の合成
上記無定形チタニルフタロシアニン10.0質量部と(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94質量部(0.6当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比、以後同じ)をオルトクロロベンゼン(ODB)200質量部中に混合し60〜70℃で6.0時間加熱撹拌した。一夜放置後、該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料(CG−1)10.3質量部を得た。顔料(CG−1)のX線回折スペクトルでは、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークがある。マススペクトルにおいて576と648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm-1付近のTi=O、630cm-1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と非付加体(付加していない)チタニルフタロシアニンの混合物と推定される。
得られた顔料(CG−1)のBET比表面積を流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所)で測定したところ、31.2m2 /gであった。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送物質:下記化合物A225部、バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製)300部、酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製)6部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)1600部、溶媒:トルエン400部、シリコーンオイル「KF−50」(信越化学社製)1部を混合し、溶解して電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を電荷発生層〔1〕の上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
Figure 0006459454
(保護層の形成)
(1)金属酸化物微粒子の作製
未処理金属酸化物微粒子として下記酸化錫〔1〕を用い、表面処理剤として上記例示化合物(S−15)を用い、以下に示すように表面処理を行い、酸化錫微粒子よりなる金属酸化物微粒子〔1〕を作製した。
酸化錫〔1〕は、CIKナノテック社製の下記特性を有する酸化錫である。
数平均一次粒径:20nm、体積抵抗率:1.05×105 (Ω・cm)
まず、酸化錫〔1〕100部、表面処理剤(上記例示化合物(S−15):CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3 )30部、トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300部の混合液を、ジルコニアビーズとともにサンドミルに入れ約40℃で、回転速度1500rpmで撹拌することにより表面処理を行った。さらに、上記処理混合物を取り出し、ヘンシェルミキサーに投入して回転速度1500rpmで15分間撹拌した後、120℃で3時間乾燥することによって表面処理を終了し、表面処理済み金属酸化物微粒子〔1〕を作製した。
(2)硬化処理
重合性化合物:上記例示化合物(M1)100質量部、表面処理済み金属酸化物微粒子〔1〕150質量部、溶媒:sec−ブタノール510質量部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)0.3質量部を遮光下で混合して硬化用組成物を得、これを分散機としてサンドミルを用いて5時間分散した後、重合開始剤:「イルガキュアー379」(BASFジャパン社製)12.5質量部を加え、遮光下で撹拌して溶解させ、保護層形成用塗布液〔1〕を調製した。この保護層形成用塗布液〔1〕を電荷輸送層〔1〕上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗膜を形成した。その後、この塗膜を室温で15分間乾燥し、キセノンランプを用いて窒素気流下において、光源と塗膜との間の離間距離を10mmとして、ランプ出力1kWで紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚3.0μmの保護層〔1〕を形成し感光体〔1〕を作製した。この感光体〔1〕における保護層のユニバーサル硬さは280N/mm2 であった。
<実施例1>
画像形成装置「bizhub C6500」(コニカミノルタ社製)に、所定の現像剤と感光体〔1〕とを搭載し、画像形成ユニットを近接帯電による帯電が行われるよう、接触ローラ帯電方式に改造し、さらにクリーニング手段の下流側であって帯電手段の上流側に下記仕様の滑剤除去手段を設置した。現像剤として、この「bizhub C6500」に対応する市販品に、微粉状の滑剤(ステアリン酸亜鉛、数平均一次粒径4μm)をトナーに対して0.2質量%の割合で外部添加したものを用いた。これを画像形成装置〔A〕とする。
−滑剤除去手段の仕様−
滑剤除去手段には、直毛タイプのブラシローラよりなる除去部材を使用した。フィラメント糸には炭素含有ナイロン繊維「SA−7」(東レ社製)を用い、ブラシ繊維の太さ10デニール、ブラシ繊維の植設密度75kF/inch2 、ブラシ繊維の毛長3.0mmのリボン状生地を外径6mmの金属製シャフト(SUM22)に螺旋状に巻き付け形成した。ブラシローラは金属製シャフトを介して接地させた。
滑剤除去手段のブラシローラは、下記表1に示される制御テーブルに従って、温度および相対湿度から得られる水蒸気量に基づいて、ブラシローラの感光体との当接部における回転方向、感光体に対する周速比および感光体に対する食込み量を設定した。
Figure 0006459454
上記の画像形成装置〔A〕について、温度10℃、相対湿度15%RHの試験環境下において下記の(1)〜(3)の評価を行った。結果を表2に示す。
(1)像流れの評価
印字率5%相当の文字チャートを2000枚連続で印字し、続けてハーフトーン画像1枚を印字した後に電源を切り、上記試験環境下に8時間放置した後に電源を入れ、A3ハーフトーン画像を20枚連続で印字した。
像流れは、ハーフトーン画像が放置前に印字したハーフトーン画像のレベルに回復したときの枚数によって評価した。本発明においては、7枚目以内に回復した場合を合格と評価した。なお、7枚目を基準としているのは、通常ユーザーが使用する際に装置電源オンから1枚目の印字が出力されるまでの時間に相当するためであり、7枚目以内であれば実用上の1枚目の印字から像流れによる画像劣化は発現しないと考えられるからである。
(2)感光体の減耗量の評価
印字率5%相当の文字チャートを100,000枚印字した後に、感光体の保護層の膜厚を測定し、保護層の減耗量を算出した。膜厚の測定は渦電流式膜厚測定機「フィッシャースコープMMS PC」(フィッシャーインストルメンツ社製)用いた。本発明においては、保護層の減耗量が1.5μm以内である場合を合格と評価した。
(3)クリーニング性(CL性)の評価
上記(2)感光体の減耗量の評価後の感光体およびクリーニングブレードを用いてクリーニング性を確認した。クリーニング性の測定には画像形成装置「bizhub C6500」ベースの外部駆動機を用い、クリーニングブレードを当接線圧15N/m,実効当接角11°と設定した感光体ユニットを用意し、駆動させた状態で感光体1周分(94mm)にトナー量1g/m2 の全面帯を出力、帯が1周分クリーニングブレードを通過した後のトナー拭き残し発生有無にて判断した。全面で拭き残しが無い場合を「A」(合格)、ブレードチッピング部、および面上で拭き残しが発生した場合を「B」(不合格)と評価した。
<実施例2〜9>
実施例1の画像形成装置〔A〕と同じ画像形成装置を用い、試験環境を表2に記載された温度および相対湿度の環境に変更したこと以外は実施例1と同様にして、上記の(1)〜(3)の評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例1>
実施例1において、滑剤除去手段を設置しなかったこと以外は同様にして、画像形成装置〔B〕を作製した。これを用いて、温度30℃、相対湿度85%RHの環境下において上記の(1)〜(3)の評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例2>
実施例1において、滑剤除去手段を設置しなかったこと以外は同様にして、画像形成装置〔B〕を作製した。これを用いて、温度10℃、相対湿度15%RHの環境下にて上記の(1)〜(3)の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006459454
20 ブラシローラ
21 フリッカー
30 ブレード部材
31 支持部材
100 画像形成装置
110Y,110M,110C,110Bk 画像形成ユニット
111Y,111M,111C,111Bk 感光体
113Y,113M,113C,113Bk 帯電手段
114Y,114M,114C,114Bk 滑剤供給手段
115Y,115M,115C,115Bk 露光手段
116Y,116M,116C,116Bk 滑剤除去手段
117Y,117M,117C,117Bk 現像手段
119Y,119M,119C,119Bk クリーニング手段
120 温湿度検知手段
125 制御手段
130 中間転写体ユニット
131 中間転写体
133Y,133M,133C,133Bk 一次転写ローラ(転写手段)
135 クリーニング手段
137A、137B、137C、137D ローラ
150 給紙搬送手段
170 定着手段
200 プロセスカートリッジ
201 筐体
203R、203L 支持レール
211 給紙カセット
213A、213B、213C、213D 中間ローラ
215 レジストローラ
217 二次転写ローラ(転写手段)
219 排紙ローラ
221 排紙トレイ
P 転写材
SC 原稿画像読み取り装置

Claims (4)

  1. 感光体と、前記感光体の表面を帯電させる近接帯電方式の帯電手段と、前記帯電手段により帯電された感光体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光された感光体にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体上に形成されたトナー像を転写する転写手段と、前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給手段と、前記感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段と、前記滑剤を前記感光体の表面より除去する滑剤除去手段とを備える画像形成装置であって、
    前記感光体が、重合性化合物を重合して得られる架橋型硬化樹脂による保護層を有するものであり、
    前記滑剤供給手段が、前記感光体の回転方向において前記帯電手段の下流側、かつ、前記クリーニング手段の上流側に配置されると共に、前記滑剤除去手段が、前記感光体の回転方向において前記クリーニング手段の下流側、かつ、前記帯電手段の上流側に配置され、
    さらに、画像形成装置内の温度および相対湿度を検知する温湿度検知手段と、当該温湿度検知手段によって検出された温度と相対湿度とから算出される水蒸気量に基づいて、当該水蒸気量が大きくなるに従って前記滑剤除去手段における滑剤を除去する力が大きくなるよう制御する制御手段とを備え
    前記滑剤除去手段による滑剤の除去後の感光体の表面の単位面積当たりの滑剤存在比率が、0.3〜1.0atom%の範囲内とされることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記滑剤除去手段は、感光体の表面と接触した状態において機械的作用によって滑剤を除去するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記滑剤除去手段がブラシローラからなり、
    前記制御手段は、当該ブラシローラの回転速度、および/または、当該ブラシローラの回転方向、および/または、当該ブラシローラの感光体に対する食込み量を調整することにより、滑剤除去手段における滑剤を除去する力の大きさを制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、予め定められた目標値に従って、滑剤除去手段における滑剤を除去する力の大きさを制御することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
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