JP5927173B2 - 関節機構 - Google Patents

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Description

本発明は、屈曲可能な関節機構に関する。
屈曲可能な関節機構としては、従来より、1つの回転軸(関節軸)を有するもの、すなわち、1自由度の回転型関節機構が一般に知られている。この種の関節機構は、2つの部材を1つの回転軸の周りの相対回転し得るように連結する。
例えば、特許文献1には、歩行補助機構の膝関節として、上記の如き1自由度の回転型関節機構を使用したものが記載されている。
特開2012−90849号公報
ところで、例えば、人の膝関節等の関節は、1つの固定的な関節軸を有するものではなく、瞬間回転中心の位置が動くようにして該関節での屈曲が行われる。
このため、このような関節における屈伸を補助する動力を、固定的な一つの関節を有する関節機構により発生するようにすると、人の関節の動きと、関節機構の関節の動きとが十分に整合しない状況が発生しやすい。このため、該関節機構を装着した人に、所望する関節の動きを阻害する力が作用する等の不快感あるいは違和感を及ぼしやすい。
そして、このような不都合を解消するためには、個々人に最適な関節機構を個別に作成したり、あるいは、関節機構と個々人との接続構造等を、個々人に合わせて調整し得るようにしておくことが考えられる。
しかしながら、個々人毎に専用の関節機構を作成する場合には、該関節機構が高価なものとなる。
また、関節機構の構造を、個々人に合わせて調整し得るようにした場合には、関節機構の構造が複雑なものとなったり、あるいは大型化しやすい。さらには、個々人の体型等によっては、該個人に十分に適合しない場合もある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、屈曲の自由度が高い構造で、必要に応じて該屈曲に応じた動力を発生することができる関節機構を提供することを目的とする。
本発明の動力伝達装置は、かかる目的を達成するために、第1部材と第2部材とを相対変位可能に連結する関節機構であって、
前記第1部材と第2部材との間で該第1部材から第2部材に向かって横方向に振幅を有してジグザグ状に連なるように形成された弾性体により構成され、前記第1部材側の端部と第2部材側の端部とがそれぞれ第1部材、第2部材に連結されたジグザグ構造体であって、その振幅中心線の方向での長さと該振幅中心線の屈曲度合とが変化し得るように変形
可能に構成されたジグザグ構造体と、
前記第1部材側から第2部材側に向かって延在するように配置され、前記第1部材側の一端部が該第1部材に固定されると共に、前記第2部材に対して走行可能に設けられた可撓性長尺部材であって、張力が付与された状態で前記ジグザグ構造体を前記第1部材と第2部材との間で押圧する力を該ジグザグ構造体に作用させる可撓性長尺部材と、
前記可撓性長尺部材の他端部側から該可撓性長尺部材に張力を付与する装置であって、該張力の大きさを変更可能に構成された張力付与装置とを備えることを基本構成とする。
なお、本発明において、ジグザグ構造体の振幅中心線は、該ジグザグ構造体の振幅方向の幅の中央位置もしくはほぼ中央の位置で第1部材から第2部材に向かって延在する線を意味する。また、ジグザグ構造体の屈曲又は屈曲変形というのは、該ジグザグ構造体の振幅中心線が曲がるようにジグザグ構造体が変形することを意味する。
補足すると、前記ジグザグ構造体は、ジグザグ状に連なるものであるので、その振幅方向の両側にそれぞれ1つ以上の頂部を有し、各頂部から二股状に一対の脚部が延在する。そして、本発明では、前記ジグザグ構造体の第1部材への連結部分(第1部材側の端部)、あるいは第2部材への連結部分(第2部材側の端部)を1つの頂部とみなすことができる。この場合、当該1つの頂部から二股状に延在する一対の脚部の一方は、第1部材又は第2部材と一体に構成されているものとみなす。
上記基本構成によれば、前記張力付与装置により前記可撓性長尺部材に付与する張力の大きさを調整できる。
この場合、可撓性長尺部材に付与する張力がゼロもしくは小さい場合には、ジグザグ構造体は、その弾性変形による屈曲変形等の変形の自由度が高い。このため、ジグザグ構造体が発生する弾性力がさほど大きなものとならない状態を保ちつつ、ジグザグ構造体の振幅中心線の方向での長さ、あるいは、該振幅中心線の屈曲度合とを比較的広い範囲で変化させることが可能である。
従って、この状況では、第1部材と第2部材との間でジグザグ構造体が発生する弾性力を小さなものに留めつつ、第1部材と第2部材との間の相対変位を行うことが可能である。
一方、可撓性長尺部材に付与する張力をある程度大きくした場合には、第1部材が第2部材に対してジグザグ構造体を介して押し付けられることで、ジグザグ構造体の変形が制約を受ける。特に、可撓性長尺部材に沿った方向でのジグザグ構造体の長さが拘束を受ける(該長さが拡大するようなジグザグ構造体の変形が行われにくくなる)。
この状況では、ジグザグ構造体を屈曲させる(詳しくは、ジグザグ構造体の振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲させる)ように第1部材及び第2部材の相対変位を行った場合に、ジグザグ構造体の屈曲を解消するように機能する弾性力をジグザグ構造体が速やかに発生する。また、その弾性力は、ジグザグ構造体の屈曲度合(振幅中心線の屈曲度合)の増加に伴い、感度よく増加する。
従って、可撓性長尺部材に付与する張力を大きくすることで、ジグザグ構造体を屈曲させるように第1部材及び第2部材の相対変位を行った場合に、ジグザグ構造体の弾性力によって、ジグザグ構造体の屈曲を解消するように作用する力(モーメント)が第1部材及び第2部材の間で発生させることができる。
また、ジグザグ構造体の屈曲は、固定的な軸の周りでの屈曲ではないので、該ジグザグ構造体を屈曲させるような第1部材及び第2部材の相対変位が、1つの軸周りの回転変位であるか否かによらずに、第1部材及び第2部材の相対変位に応じて、ジグザグ構造体が円滑に屈曲し得る。
よって、前記基本構成の関節機構によれば、屈曲の自由度が高い構造で、必要に応じて該屈曲に応じた動力を発生することができる。
上記基本構成では、前記可撓性長尺部材の配置構成は、次のような配置構成を採用できる。すなわち、前記可撓性長尺部材は、例えば、前記ジグザグ構造体の振幅方向の両側のうちの一方側寄りの位置で延在するように配置される(参考発明)。
この参考発明によれば、可撓性長尺部材に付与する張力を比較的大きくした状態で、ジグザグ構造体を、その振幅方向の両側のうち、可撓性長尺部材寄りの一方側が外側、該振幅方向の他方側が内側となるように屈曲変形させたときに、該屈曲変形を解消するように機能する幅広い範囲の大きさの弾性力をジグザグ構造体に効率よく発生させることができる。
本発明のうちの第1発明は、上記参考発明において、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する頂部のうちの1つ以上の頂部のそれぞれから二股状に延在する一対の脚部の間に介装された弾性体からなる脚部間弾性部材をさらに備えており、前記脚部間弾性部材は、少なくとも前記張力付与装置により前記可撓性長尺部材に所定値以上の張力を付与した状態で、該脚部間弾性部材の両側の一対の脚部の間隔が狭まる方向に前記ジグザグ構造体を屈曲変形させたときに、当該一対の脚部間で圧縮されることにより、前記ジグザグ構造体の屈曲変形を解消するように機能する弾性力を発生するように構成されていることを特徴とする。
かかる第発明によれば、可撓性長尺部材に付与する張力を比較的大きくした状態(所定値以上の張力を付与した状態)で、ジグザグ構造体を、その振幅方向の両側のうちの前記一方側の各頂部が外側、該振幅方向の他方側の各頂部が内側となるように屈曲変形させたときに、ジグザグ構造体自身の弾性力に加えて、脚部間弾性部材の弾性力が、該ジグザグ構造体の屈曲変形を解消するように発生する。
従って、可撓性長尺部材に付与する張力を比較的大きくした状態で、ジグザグ構造体の屈曲変形に応じて、該屈曲変形を解消するように発生する弾性力の大きさをより一層高めることができる。このため、前記脚部間弾性部材を合わせたジグザグ構造体の剛性(屈曲変形に対する剛性)を高めることができる。
この第発明では、前記脚部間弾性部材は、その両側の一対の脚部のうちの一方の脚部に固着されたゴム製の第1弾性部材と、他方の脚部に前記第1弾性部材に対向するように固着されたゴム製の第2弾性部材とから構成され、該一対の脚部間で圧縮されるとき、前記第1弾性部材と第2弾性部材とが互いに接触した状態で圧縮されることが好ましい(第発明)。
ここで、上記第発明において、例えば、ゴム製の脚部間弾性部材を、その両側の一対の脚部のうちの一方に固着して、ジグザグ構造体を屈曲変形させたときに(詳しくは、前記ジグザグ構造体をその振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲変形させたときに)、該脚部間弾性部材を、その両側の一対の脚部のうちの他方に圧接させて、該脚部間弾性部材を圧縮するように構成することも可能である。
ただし、このようにした場合には、ジグザグ構造体の屈曲変形に際して、脚部間弾性部材と、該脚部間弾性部材を圧接させる脚部との間で、横ひずみによる滑り摩擦が発生しやすいため、ジグザグ構造体の屈曲変形を滑らかに行うことの妨げとなりやすい。
これに対して、上記第発明によれば、ジグザグ構造体を屈曲変形させたときに、脚部間弾性部材の両側の一対の脚部にそれぞれ固着されたゴム製の第1弾性部材と第2弾性部材とが互いに接触して圧縮されるので、第1弾性部材と第2弾性部材との間の滑り摩擦は発生し難いものとなる。
このため、ジグザグ構造体の屈曲変形を滑らかに行うことができると共に、その屈曲度合の増加に伴い、ジグザグ構造体で発生する弾性力(ジグザグ構造体の屈曲変形を解消するように作用する弾性力)を滑らかに増加させていくことができる。
また、上記第発明又は第発明では、前記脚部間弾性部材は、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する複数の頂部のそれぞれから二股状に延在する一対の脚部の間に介装されており、前記ジグザグ構造体をその振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲変形させたときに、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する複数の頂部のそれぞれに対応する脚部間弾性部材のひずみが相互に均一に近づくように、当該複数の頂部のそれぞれに対応する脚部間弾性部材の剛性又は配置が設定されていてもよい(第発明)。
この第発明によれば、前記ジグザグ構造体をその振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲変形させたときに、各脚部間弾性部材に生じるひずみが相互に均一になるようにして、いずれかの脚部間弾性部材に他の脚部間弾性部材に比して過大なひずみが生じることを防止できる。このため、各脚部間弾性部材の寿命を長くすることができる。また、各脚部間弾性部材で寿命のばらつきが生じるのを防止できる。
また、前記参考発明では、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部毎に、該頂部から二股状に延在する一対の脚部の間隔が所定量よりも小さくなるのを阻止するストッパ部材が、該一対の脚部の少なくともいずれか一方に固設されていてもよい(第発明)。
ここで、ジグザグ構造体の屈曲度合が過大になると、ジグザグ構造体が、その振幅方向の軸心周り方向に屈曲するような変形(以降、かかる変形を異常な屈曲変形ということがある)が生じやすくなる。
しかるに、第発明によれば、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部の間隔が所定量よりも小さくなるのがストッパ部材により阻止される。このため、ジグザグ構造体の屈曲度合が過大になるのを防止できる。ひいては、ジグザグ構造体の異常な屈曲変形が生じるのを防止できる。
また、第発明では、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部の両方にそれぞれストッパ部材を固設して、該一対の脚部の間隔が所定量まで小さくなったときに、それらのストッパ部材を互いに当接させる構成を採用できる。あるいは、上記一対の脚部の一方にストッパ部材を固設して、該一対の脚部の間隔が所定量まで小さくなったときに、該ストッパ部材を他方の脚部に当接させる構成を採用することもできる。
そして、ストッパ部材同士を当接される構成では、ストッパ部材同士の接触圧により、ジグザグ構造体がその振幅方向の軸心周りに屈曲することが阻止される。また、ストッパ部材と脚部とを当接させる構成では、該ストッパ部材と脚部との接触圧により、ジグザグ構造体がその振幅方向の軸心周りに屈曲することが阻止される。これにより、ジグザグ構造体の異常な屈曲変形が生じるのを防止することの効果を高めることができる。
上記第発明では、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部に対応するストッパ部材は、該頂部から二股状に延在する一対の脚部のそれぞれに互いに対向して固設された一対のストッパ部材から成り、該一対のストッパ部材は、その両側の一対の脚部の間隔が所定量まで小さくなったときに互いに当接すると共に、該一対のストッパ部材の一方に形成された凹部と他方に形成された凸部とが嵌合するように構成されていてもよい(第発明)。
この第発明によれば、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部の間の間隔が所定量まで小さくなると、該一対の脚部の間の一対のストッパ部材が互いに当接することで、該一対の脚部の間隔が所定量よりも小さくなることが阻止される。
同時に、該一対のストッパ部材の一方に形成された凹部と他方に形成された凸部とが嵌合するので、該一対の脚部の相互の姿勢関係が当該嵌合により規定される。このため、ジグザグ構造体の異常な変形が生じるのをより効果的に防止できる。
前記ジグザグ構造体の各頂部と該頂部から二股状に延在する一対の脚部とから構成される部分は、種々様々な形状を採用できる。例えば、頂部が先鋭なもの(尖ったもの)となる)形状、頂部が湾曲した形状、頂部が平坦なものとなる形状等を採用できる。
より具体的な例として、ジグザグ構造体は、例えば次のような形態を採用できる。すなわち、前記ジグザグ構造体は、該ジグザグ構造体の振幅方向及び振幅中心線の方向に対して直交する方向に幅を有する板状の弾性体により、1つの頂部と、該頂部から一体に二股状に延在する一対の脚部とから成るU字型の形状に各々形成された複数の要素部材を連結してなる構造体であり、該複数の要素部材は、それぞれの頂部が前記ジグザグ構造体の振幅方向における一方側に位置する各頂部として前記振幅中心線の方向に並ぶように配列されており、さらに、互いに隣り合う要素部材の一方を第1要素部材、他方を第2要素部材と表記したとき、第1要素部材の一対の脚部のうちの第2要素部材側の脚部である第1A脚部の先端部と、第2要素部材の一対の脚部のうちの第1要素部材側の脚部である第2A脚部の先端部とが一体に連結されており、該第1A脚部の先端部と第2A脚部の先端部との連結部分が前記ジグザグ構造体の振幅方向における他方側に位置する各頂部となっているという形態を採用できる。
なお、上記各要素部材の頂部は、湾曲形状、平坦形状のいずれであってもよい。
このようにジグザグ構造体を、複数のU字型形状の要素部材を連結してなる構造体として構成した場合、前記参考発明においては、前記ジグザグ構造体は、前記張力付与装置により前記可撓性長尺部材に所定値以上の張力を付与した状態で、前記第1要素部材の第1A脚部と第2要素部材の第2A脚部とが互いに当接するように構成されていることが好ましい(第発明)。
この第発明によれば、前記張力付与装置により前記可撓性長尺部材に所定値以上の張力を付与した状態で、前記第1要素部材の第1A脚部と第2要素部材の第2A脚部とが互いに当接する。このため、ジグザグ構造体の振幅方向の一方側(可撓性長尺部材寄り側)に位置する頂部のピッチ(振幅中心線方向で隣合う頂部同士の間の間隔)が強固に拘束される。
このため、ジグザグ構造体の振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるようにジグザグ構造体を屈曲変形させたときに、その屈曲度合とジグザグ構造体で発生する弾性力(ジグザグ構造体の屈曲変形を解消するように作用する弾性力)との間の関係の安定性(繰り返し再現性)を高めることができる。
また、前記第1要素部材の第1A脚部と第2要素部材の第2A脚部とが互いに当接することで、前記第1要素部材の第1A脚部と第2要素部材の第2A脚部のねじれが生じにくくなる。このため、ジグザグ構造体の振幅方向の軸心周り方向の剛性が高くなり、ジグザグ構造体の前記異常な屈曲変形が生じにくくなる。
また、以上説明した第1〜第発明では、前記ジグザグ構造体の振幅方向と振幅中心線の方向とに直交する方向である該ジグザグ構造体の厚み方向での該ジグザグ構造体の両側面を覆うように該厚み方向に間隔を存して配置される一対のカバー面を有するカバー部材をさらに備えており、前記ジグザグ構造体の変形が該カバー部材の一対のカバー面の間隔内での変形に制限されていることが好ましい(第発明)。
この第発明によれば、ジグザグ構造体の前記異常な屈曲変形が生じるのを前記カバー部材により効果的に防止することができる。
かかる第発明では、前記カバー部材は、該カバー部材の一対のカバー面の間隔内での前記ジグザグ構造体の屈曲変形に伴い、屈曲するように構成されていることが好ましい(第発明)。
この第発明によれば、ジグザグ構造体の屈曲変形に合わせて前記カバー部材が屈曲できるので、該カバー部材のサイズ(特に、ジグザグ構造体の厚み方向で見たカバー部材の面積)を必要最小限にとどめることができる。
また、本発明の関節機構は、次のように構成されたものであってもよい。すなわち、本発明の関節機構は、第1部材と第2部材とを相対変位可能に連結する関節機構であって、
前記第1部材と第2部材との間で該第1部材から第2部材に向かって横方向に振幅を有してジグザグ状に連なるように構成され、前記第1部材側の端部と第2部材側の端部とがそれぞれ第1部材、第2部材に連結されたジグザグ構造体であって、その振幅方向の両側のそれぞれに位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部が、当該ジグザグ構造体の振幅方向と振幅中心線の方向とに直交する軸心を有して該頂部に設けられた支軸を介して該支軸の軸心周りに相対回転自在に連結されていることによって、当該ジグザグ構造体の振幅中心線の方向での長さと該振幅中心線の屈曲度合とが変化し得るように変形可能に構成されたジグザグ構造体と、
該ジグザグ構造体の振幅方向の両側にそれぞれ位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部の間に介装され、該一対の脚部の間隔が狭くなるに伴い圧縮されて弾性力を発生する弾性体からなる脚部間弾性部材と、
前記第1部材側から第2部材側に向かって延在するように配置され、前記第1部材側の一端部が該第1部材に固定されると共に、前記第2部材に対して走行可能に設けられた可撓性長尺部材であって、張力が付与された状態で前記ジグザグ構造体を前記第1部材と第2部材との間で押圧する力を該ジグザグ構造体に作用させる可撓性長尺部材と、
前記可撓性長尺部材の他端部側から該可撓性長尺部材に張力を付与する装置であって、該張力の大きさを変更可能に構成された張力付与装置とを備えることを特徴とする(第発明)。
上記第発明によれば、前記張力付与装置により前記可撓性長尺部材に付与する張力
の大きさを調整できる。
この場合、可撓性長尺部材に付与する張力がゼロもしくは小さい場合には、ジグザグ構造体は、その振幅方向の両側のそれぞれに位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部が、拘束を受けずに(もしくはほとんど拘束を受けずに)、該頂部に設けれた支軸の軸心周りに相対回転できる。
このため、各頂部から延在する一対の脚部の間に介装された脚部間弾性部材がさほど圧縮されない状態を保ちつつ、ジグザグ構造体の振幅中心線の方向での長さ、あるいは、該振幅中心線の屈曲度合とを比較的広い範囲で変化させることが可能である。
従って、この状況では、第1部材と第2部材との間でジグザグ構造体が発生する弾性力を小さなもの(ゼロを含む)に留めつつ、第1部材と第2部材との間の相対変位を行うことが可能である。
一方、可撓性長尺部材に付与する張力をある程度大きくした場合には、第1部材が第2部材に対してジグザグ構造体を介して押し付けられることで、ジグザグ構造体の各頂部から延在する一対の脚部の間の間隔が狭まって、該一対の脚部の間の脚部間弾性部材が圧縮される。そのため、該一対の脚部の相対回転を妨げるような弾性力が発生して、ジグザグ構造体の変形が制約を受ける。特に、可撓性長尺部材に沿った方向でのジグザグ構造体の長さが拘束を受ける(該長さが拡大するようなジグザグ構造体の変形が行われにくくなる)。
この状況では、ジグザグ構造体を屈曲させる(詳しくは、ジグザグ構造体の振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲させる)ように第1部材及び第2部材の相対変位を行った場合に、当該他方側に位置する各頂部から延在する一対の脚部の間の脚部間弾性部材がさらに圧縮されることで、ジグザグ構造体の屈曲を解消するように機能する弾性力をジグザグ構造体が速やかに発生する。また、その弾性力は、ジグザグ構造体の屈曲度合(振幅中心線の屈曲度合)の増加に伴い、感度よく増加する。
従って、可撓性長尺部材に付与する張力を大きくすることで、ジグザグ構造体を屈曲させるように第1部材及び第2部材の相対変位を行った場合に、ジグザグ構造体の弾性力によって、ジグザグ構造体の屈曲を解消するように作用する力(モーメント)が第1部材及び第2部材の間で発生させることができる。
また、ジグザグ構造体の屈曲は、固定的な軸の周りでの屈曲ではないので、該ジグザグ構造体を屈曲させるような第1部材及び第2部材の相対変位が、1つの軸周りの回転変位であるか否かによらずに、第1部材及び第2部材の相対変位に応じて、ジグザグ構造体が円滑に屈曲し得る。
よって、第発明の関節機構によれば、第1発明と同様に、屈曲の自由度が高い構造で、必要に応じて該屈曲に応じた動力を発生することができる。
かかる第発明では、前記脚部間弾性部材は、その両側の一対の脚部のうちの一方に脚部に固着されたゴム製の第1弾性部材と、他方の脚部に前記第1弾性部材に対向するように固着されたゴム製の第2弾性部材とから構成され、該一対の脚部間で圧縮されるとき、前記第1弾性部材と第2弾性部材とが互いに接触した状態で圧縮されることが好ましい(第10発明)。
ここで、上記第発明において、例えば、ゴム製の脚部間弾性部材を、その両側の一対の脚部のうちの一方に固着して、ジグザグ構造体を屈曲変形させたときに(詳しくは、前記ジグザグ構造体をその振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲変形させたときに)、該脚部間弾性部材を、その両側の一対の脚部のうちの他方に圧接させて、該脚部間弾性部材を圧縮するように構成することも可能である。
ただし、このようにした場合には、ジグザグ構造体の屈曲変形に際して、脚部間弾性部材と、該脚部間弾性部材を圧接させる脚部との間で滑り摩擦が発生しやすいため、ジグザグ構造体の屈曲変形を滑らかに行うことの妨げとなりやすい。
これに対して、上記第10発明によれば、前記第4発明と同様に、ジグザグ構造体を屈曲変形させたときに、脚部間弾性部材の両側の一対の脚部にそれぞれ固着されたゴム製の第1弾性部材と第2弾性部材とが互いに接触して圧縮されるので、第1弾性部材と第2弾性部材との間の滑り摩擦は発生し難いものとなる。
このため、ジグザグ構造体の屈曲変形を滑らかに行うことができると共に、その屈曲度合の増加に伴い、ジグザグ構造体で発生する弾性力(ジグザグ構造体の屈曲変形を解消するように作用する弾性力)を滑らかに増加させていくことができる。
また、上記第発明又は第10発明では、前記可撓性長尺部材の配置構成は、次のような配置構成を採用できる。すなわち、前記可撓性長尺部材は、例えば前記ジグザグ構造体の振幅方向の両側のうちの一方側寄りの位置で延在するように配置される(第11発明)。
この第11発明によれば、可撓性長尺部材に付与する張力を比較的大きくした状態で、ジグザグ構造体を、その振幅方向の両側のうち、可撓性長尺部材寄りの一方側が外側、該振幅方向の他方側が内側となるように屈曲変形させたときに、該屈曲変形を解消するように機能する幅広い範囲の大きさの弾性力をジグザグ構造体に効率よく発生させることができる。
かかる第11発明では、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部の間に介装されている前記脚部間弾性部材は、前記ジグザグ構造体をその振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲変形させたときに、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部に対応する脚部間弾性部材のひずみが相互に均一に近づくように、当該各頂部に対応する脚部間弾性部材の剛性又は配置が設定されていてもよい(第12発明)。
この第12発明によれば、前記ジグザグ構造体をその振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲変形させたときに、各脚部間弾性部材に生じるひずみが相互に均一になるようにして、いずれかの脚部間弾性部材に他の脚部間弾性部材に比して過大なひずみが生じることを防止できる。このため、各脚部間弾性部材の寿命を長くすることができる。また、各脚部間弾性部材で寿命のばらつきが生じるのを防止できる。
以上説明した第1〜第12発明の関節機構は、例えば次のような形態で使用できる。すなわち、前記第1部材と第2部材とは、前記ジグザグ構造体が人の脚の膝関節の側方に位置する状態で、該人の脚の下腿部又は足部と大腿部又は腰部とに各々装着される部材とすることができる(第13発明)。
この第13発明によれば、前記張力付与装置により、前記可撓性長尺部材に比較的大きな張力を付与した状態で、前記人の脚を屈曲させる(膝を折り曲げる)こと、あるいは、腰に対して脚を上下に移動させること等を行うと、人の脚を伸ばすように機能する弾性力が該脚の下腿部又は足部と大腿部又は腰部との間で発生する。
このため、脚力の弱い人が、しゃがむとき、もしくは、しゃがんだ状態から立ち上がるとき、あるいは、椅子に座るとき、もしくは椅子から立ち上がるとき等の状況において、自身の上体を支えるのが容易になる。
また、前記第1〜第13発明では、前記張力付与装置は、前記可撓性長尺部材に前記張力を付与するための駆動力を発生するアクチュエータと、該アクチュエータと前記可撓性長尺部材との間の動力伝達系に介装され、前記可撓性長尺部材の走行を制動する状態と該制動を解除する状態とに動作可能なブレーキ装置とを備える構成を採用できる(第14発明)。
ここで、前記張力付与装置は、可撓性長尺部材に張力を付与することを、例えばアクチュエータの駆動力により行うように構成することが可能である。ただし、可撓性長尺部材に比較的大きな張力を付与する場合に、アクチュエータを常時作動させておくと、該アクチュエータによるエネルギー消費量が大きなものとなりやすい。
これに対して、第14発明によれば、例えば、アククチェータの駆動力により可撓性長尺部材に張力を付与した後に、前記ブレーキ装置を、前記可撓性長尺部材の走行を制動する状態に動作させることで、アクチュエータの駆動力を必要とせずに、可撓性長尺部材に張力に付与した状態に維持することができる。
このため、アクチュエータの負担を軽減できると共に、該アクチュエータのエネルギー消費量を低減できる。
また、前記第1〜第13発明では、前記張力付与装置は、前記可撓性長尺部材に前記張力を付与するための駆動力を発生するアクチュエータと、該アクチュエータと前記可撓性長尺部材との間の動力伝達を遮断する状態と、該動力伝達を行わせる状態とに動作可能なクラッチ装置とを備える構成を採用できる(第15発明)。
ここで、可撓性長尺部材に張力を付与することを、例えばアクチュエータの駆動力により行うように前記張力付与装置を構成した場合において、該アクチュエータによる張力の付与を解除した状態でも、アクチュエータと可撓性長尺部材との動力伝達を行い得る状態に維持しておくと、前記第1部材が第2部材に対して相対変位しようとしたときに、可撓性長尺部材の走行に応じてアクチュエータの可動部(例えば電動モータのロータ等)が負荷となるために、第2部材に対する第1部材の相対変位の抵抗力が発生しやすい。
これに対して、第15発明によれば、該アクチュエータによる張力の付与を解除した状態で、該アクチュエータと前記可撓性長尺部材との間の動力伝達を遮断する状態に動作させることで、可撓性長尺部材の走行に応じて、アクチュエータの可動部が動くことを阻止することができる。
このため、アクチュエータによる張力の付与を解除した状態で、第2部材に対する第1部材の相対変位の抵抗力を軽減できる。
また、上記第14発明又は第15発明では、前記張力付与装置は、前記可撓性長尺部材の弛みを防止するための弛み防止用張力であるプリテンションを該可撓性長尺部材に付与するプリテンション発生装置をさらに備える構成を採用できる(第16発明)。
なお、「プリテンション」は、一般に、車両のシートベルトの引き込み機能に関して使用される用語であるが、本明細書では、上記の如く、可撓性長尺部材の弛みを防止するために該可撓性長尺部材に付与する弛み防止用張力の意味で使用する。
この第16発明によれば、前記アクチュエータあるいはブレーキ装置により可撓性長尺部材に張力を付与した状態であるか否かによらずに、可撓性長尺部材に弛みが発生した場合もしくは該弛みが発生しそうな場合に、プリテンション発生装置により弛みの発生を解消できる。
また、上記第16発明では、前記アクチュエータから前記可撓性長尺部材までの間に、該可撓性長尺部材が弛む方向の力の伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構をさらに備える構成を採用してもよい(第17発明)。
この第17発明によれば、プリテンション発生装置により可撓性長尺部材の弛みの発生を解消しようとしたときに、前記アクチュエータで発生する摩擦力、あるいは、前記アクチュエータとワンウェイクラッチ機構との間に動力伝達機構(減速機等)で発生する摩擦力が可撓性長尺部材に作用するのを防止できる。そのため、プリテンション発生装置により、可撓性長尺部材の弛みの発生を防止する効果をより一層高めることができる。
また、前記第1〜第13発明では、前記張力付与装置は、前記第1部材が前記第2部材から遠ざかる向きに前記可撓性長尺部材が前記第2部材に対して走行するのを阻止するように該可撓性長尺部材を係止する係止状態と該係止を解除する係止解除状態とに切替え動作可能なロック機構と、前記可撓性長尺部材の弛みを防止するための弛み防止用張力であるプリテンションを該可撓性長尺部材に付与するプリテンション発生装置とを備える構成を採用することもできる(第18発明)。
この第18発明によれば、前記ロック機構を係止状態に動作させることで、可撓性長尺部材に沿った方向での第1部材と第2部材との間の距離が、該可撓性長尺部材により拘束されることとなる。このため、当該距離を拡大させるようにジグザグ構造体を屈曲させたときに、可撓性長尺部材に前記プリテンションよりも大きな張力を作用させることができる。
一方、前記ロック機構を係止解除状態に動作させた場合には、可撓性長尺部材に作用する張力を前記プリテンション程度の微小なものに留めることができる。
従って、第18発明によっても可撓性長尺部材に作用する張力の大きさを変化させることができる。また、第18発明では、ロック機構は、可撓性長尺部材を、凹凸嵌合等により機構的に係止する構成を採用できるので、大きな駆動力を必要としない小型な構成を実現できる。
本発明の実施形態の関節機構を備える歩行補助装置の構成を示す図。 第1実施形態の関節機構の本体部の要部構成を示す斜視図。 第1実施形態の関節機構の本体部の要部構成を示す斜視図。 第1実施形態の関節機構の本体部の要部構成を示す斜視図。 第1実施形態の関節機構の本体部に備えたカバー部材を示す斜視図。 図6(a)は第1実施形態の関節機構の張力付与装置の構成を示す図、図6(b)は図6(a)のVI-VI線断面図。 張力付与装置と関節機構の本体部との間の中継器の例を示す図。 図8(a)〜(c)は第2実施形態の関節機構の本体部の要部構成を示す図。 変形態様のジグザグ構造体の例を示す図。 変形態様のジグザグ構造体の例を示す図。 変形態様のジグザグ構造体の例を示す図。 変形態様のジグザグ構造体の例を示す図。 歩行補助装置の他の例を示す斜視図。 張力付与装置の他の例の構成を示す図。
[第1実施形態]
本発明の関節機構の第1実施形態を図1〜図7を参照して以下に説明する。
本実施形態の関節機構は、人の歩行動作等を補助するための歩行補助装置に使用される関節機構である。
図1は、その歩行補助装置の概略構成を示している。図示の如く、歩行補助装置Aは、人の左右の各足平部に装着される足平装着部1L,1Rと、人の腰部及びその周辺に装着される腰装着部2と、人の左右の各脚の外側に該脚に沿って延在するように配置される脚体3L,3Rとを備える。各脚体3L,3Rには、関節機構4の本体部5(以降、関節機構本体部5という)が組み込まれている。
なお、足平装着部1L,1R等の添え字L,Rは、それぞれ歩行補助装置Aを装着する人の左側、右側の部材を示す参照符号として使用する。ただし、以降の説明では、左右を区別する必要が無いときは、添え字L、Rを省略する場合がある。
各足平装着部1は、それぞれ靴状のものであり、各足平に履くことで該足平に装着される。
腰装着部2は、本実施形態ではハーネス構造のものである。この腰装着部2は、人の腰部の周囲に巻き付けられる腰ベルト2a、人の左右の脚の付け根の周囲に各々巻き付けられる脚ベルト2b,2b、該脚ベルト2b,2bのそれぞれを腰ベルト2aに連結する連結ベルト2c,2c等により構成される。
各脚体3は、人の各脚の膝関節の側方に配置される関節機構本体部5と、該関節機構本体部5から上方及び下方にそれぞれ延設されたロッド状の上フレーム6及び下フレーム7とを備える。
関節機構本体部5は、後述する第1部材及び第2部材、並びに、ジグザグ構造体とを有する部分であり、該関節機構本体部5で脚体3が屈伸可能となっている。なお、図1では、図示の便宜上、関節機構本体部5の実際の構造の記載を省略し、該関節機構本体部5を模式的に方形状に記載している。
上フレーム6の上端部は、脚体3と同じ側(左側又は右側)で腰装着部2の腰ベルト2aの側面部に固定された筐体8内に挿入されている。そして、上フレーム6は、筐体8内で、図示しないフリージョイント等により構成されるジョイント機構を介して揺動自在に腰ベルト2aに連結されている。なお、筐体8は、後述する張力付与装置等が収容される筐体である。
また、上フレーム6は、腰装着部2の脚ベルト2b(脚体3と同じ側の脚ベルト2b)の外側面部に固定されている。従って、上フレーム6は、脚体3と同じ側の人の脚を動かすことで、該脚の大腿部と一体に動くようになっている。
下フレーム7の下端部は、フリージョイント等により構成されるジョイント機構9を介して揺動自在に足平装着部1(脚体3と同じ側の足平装着部1)に連結されている。また、下フレーム7は、脚体3と同じ側人の脚の下腿部の背面側に該下腿部を挟み込むように巻き付けられた半筒状の下腿装着部10に固定されている。従って、下フレーム7は、脚体3と同じ側の人の脚を動かすことで、該脚の下腿部と一体に動くようになっている。
なお、上フレーム6の上端部のジョイント機構、あるいは、下フレーム7の下端部のジョイント機構9は、1軸もしくは2軸の関節軸を有するジョイント機構であってもよい。
次に、関節機構本体部5の構成を図2〜図5を参照して詳細に説明する。
各脚体3の関節機構本体部5は、図2〜図5に示すように、第1部材11及び第2部材12と、これらを相対変位可能に連結するジグザグ構造体13とを有する。そして、これらの第1部材11、第2部材12及びジグザグ構造体13はカバー部材20により覆われている。
なお、図2では、カバー部材20を二点鎖線で示し、図3及び図4ではカバー部材20の図示を省略している。また、図5では、ジグザグ構造体13の図示を省略している。
図2〜図4を参照して、第1部材11及び第2部材12は、金属製あるいは樹脂製の高剛性の部材である。そして、第1部材11から前記下フレーム7が延設され、第2部材12から前記上フレーム6が延設されている。従って、第1部材11は、人の脚の下腿部と一体に動くように、下フレーム7を介して該下腿部に装着される。また、第2部材12は、人の脚の大腿部と一体に動くように、上フレーム6を介して該大腿部に装着される。
ジグザグ構造体13は、第1部材11から第2部材12に向かってジグザグ状に連なる構造体である。このジグザグ構造体13は、本実施形態では、一列に配列された複数の要素部材14を連結した構造のものである。各要素部材14は、金属製の板状の弾性体を屈曲させた形状に構成され、頂部14aと、該頂部14aから二股状に延在する一対の脚部14b,14bとを一体に有する。
本実施形態では、頂部14aは平板状に形成されている。そして、一対の脚部14b,14bは、頂部14aの両側縁から該頂部14aに対して起立するように延在している。
従って、各要素部材14は、概略、U字型形状(図2〜図4ではU字の底部を上方に向けたU字型の形状)に形成されている。この場合、各要素部材14の、U字の底部に相当する部分、すなわち、頂部14aは平坦に形成されている。従って、各要素部材14は、換言すれば、底部が平坦なU字型形状に形成されている。
このような要素部材14は、頂部14aに対して各脚部14bが揺動する(頂部14aに対する各脚部14bの起立角度が変化する)ように弾性変形することが可能である。
なお、本実施形態では、要素部材14の弾性変形が発生していない自然状態(応力が発生していない状態)では、各脚部14bは、頂部14aに対してほぼ垂直方向に起立する。ただし、要素部材14の自然状態で、各脚部14bが、頂部14aから垂直方向に対して傾いた方向に延在していてもよい。
ジグザグ構造体13を構成する複数の要素部材14は、それぞれの一対の脚部14b,14bの間隔方向に一列に並ぶようにして配列されている。そして、隣り合う要素部材14,14の、隣接する脚部14b,14bの先端部同士が溶接あるいは接着により一体に結合されている。
より詳しくは、ジグザグ構造体13の、隣り合う任意の二つの要素部材14,14の一方を第1要素部材14m、他方を第2要素部材14nと表記したとき、第1要素部材14mの第2要素部材14n側の脚部14b(これは本発明における第1A脚部に相当する)の先端部と、第2要素部材14nの第1要素部材14m側の脚部14b(これは本発明における第2A脚部に相当する)の先端部とが、例えば溶接あるいは接着により一体に結合されている。
従って、ジグザグ構造体13は、図2〜図4に示す如く、第1部材11から第2部材12に向かって横方向(図2では上下方向)に振幅を有してジグザグ状に連なるように構成されている。
この場合、各要素部材14の頂部14aが、ジグザグ構造体13の振幅方向の両側(図2では上側及び下側)のうちの一方側(図2では上側)の各頂部(折り返し部)となっている。また、隣り合う要素部材14,14(14m,14n)の、隣接する脚部14b,14bの結合部(先端部)が、ジグザグ構造体13の振幅方向の他方側(図2では下側)の各頂部(折り返し部)となっている。
以上の如く構成されたジグザグ構造体13の両端部(図2〜図4に示す振幅中心線Cの方向での両端部)が、第1部材11及び第2部材12に各々連結されている。より詳しくは、ジグザグ構造体13の最も第1部材11寄りに位置する要素部材14の脚部14b(第1部材11側の脚部14b)が、第1部材11に溶接あるいは接着等により固着されている。
また、ジグザグ構造体13の最も第2部材12寄りに位置する要素部材14の脚部14b(第1部材11側の脚部14b)が、第2部材12に溶接あるいは接着等により固着されている。
なお、上記振幅中心線Cは、ジグザグ構造体13の振幅方向での該ジグザグ構造体13の幅の中央位置もしくはほぼ中央の位置で第1部材11から第2部材12に向かって延在する線を意味する。
上記のように構成されたジグザグ構造体13では、外力によって、各要素部材14の脚部14bが頂部14aに対して揺動するように各要素部材14が弾性変形することで、ジグザグ構造体13の振幅方向での一方側の頂部のピッチ(振幅中心線Cの方向で隣り合う頂部間の間隔)と他方側の頂部のピッチとの一方又は両方が変化し得る。
ひいては、振幅中心線Cの方向でジグザグ構造体13の長さが変化するように該ジグザグ構造体13が伸縮したり、あるいは、振幅中心線Cの曲がり度合が変化するようにジグザグ構造体13が屈曲することが可能となっている。
図2に示すジグザグ構造体13は、振幅中心線Cの方向に縮んだ状態で、振幅中心線Cがほぼ直線状となった状態を示している。また、図3に示すジグザグ構造体13は、振幅中心線Cの方向に伸びた状態で、屈曲した状態を示し、図4に示すジグザグ構造体13は、振幅中心線Cの方向に縮んだ状態で、屈曲した状態を示している。
補足すると、各要素部材14の頂部14a自体は弾性変形し難くなっていてもよい。すなわち、各要素部材14の頂部14aが、他の部位よりも高剛性なものとなっていてもよい。例えば頂部14aに硬質の発泡樹脂等を固着することで、該頂部14aの剛性を高めるようにしてもよい。
本実施形態のジグザグ構造体13には、さらに、各要素部材14とは別の弾性体により構成された複数の弾性部材15が装着されている。
具体的には、図2〜図4に示すように、ジグザグ構造体13の各要素部材14の一対の脚部14b,14bの間には、該一対の脚部14b,14bの互いに対向する面に各々固着されたゴム製の弾性部材15,15が互いに対向するように介装されている。各弾性部材15は、例えば概略直方体状に形成されている。以降、弾性部材15を脚部間弾性部材15という。なお、一対の脚部14b,14bの間の脚部間弾性部材15,15は、本発明における第1弾性部材、第2弾性部材に相当する。
そして、各要素部材14の一対の脚部14b,14bの間の脚部間弾性部材15,15は、該一対の脚部14b、14bの間の間隔が狭まるように該要素部材14が弾性変形したときに、互いに圧接されて、該一対の脚部14b,14bの間隔を広げる方向の弾性力を発生するように、該脚部間弾性部材15,15の厚みが設定されている。
従って、本実施形態のジグザグ構造体13では、各要素部材14の一対の脚部14b,14bの間の間隔が狭まるように該要素部材14が弾性変形したとき、該要素部材14自身と、該要素部材14の脚部14b,14bの間の脚部間弾性部材15,15とによって、要素部材14の弾性変形を解消する方向の弾性力が発生する。
また、前記第1部材11から可撓性長尺部材16が延出されている。該可撓性長尺部材16としては、例えばワイヤ、あるいはベルトを使用することができる。本実施形態では、可撓性長尺部材16はワイヤである。以降、可撓性長尺部材16をワイヤ16という。
上記ワイヤ16は、ジグザグ構造体13の振幅方向の一方側の各頂部としての各要素部材14の頂部14aの外側で、第1部材11側から第2部材12側に向かって、振幅中心線Cの方向とほぼ同方向に延在するように(要素部材14の頂部14aの列に沿って延在するように)配置されている。
そして、ワイヤ16の第1部材11側の端部は、該端部が挿通されたワイヤ固定部材17を介して第1部材11に固定されている。また、ワイヤ16の第2部材12に対向する部分は、該第2部材12に固着されたワイヤ挿通部材18に摺動自在に挿通されている。従って、ワイヤ16は、第2部材12に対して走行可能である。
そして、ワイヤ16は、第2部材12の箇所から前記筐体8(ジグザグ構造体13を有する脚体3と同じ側(左側又は右側)の筐体8)に向かって延設され(図1を参照)、該筐体8内で後述の張力付与装置30に接続されている。詳細は後述するが、ワイヤ16には、該張力付与装置30により張力が付与される。
なお、本実施形態では、ワイヤ16は、ジグザグ構造体13の各要素部材14の頂部14aに摺接する。この場合、ワイヤ16と各要素部材14の頂部14aとの間の摩擦力を小さくするために、該頂部14aの表面に、ワイヤ16との間の摩擦係数の小さい材質(例えばフッソ樹脂)の被膜を貼着もしくはコーティングすることが望ましい。このことは、第2部材12に固着されたワイヤ挿通部材18の内周面についても同様である。
また、各要素部材14の頂部14aにガイド管(好ましくは、その内周面が、ワイヤ16との間の摩擦係数が小さい材質により形成されたガイド管)を固着して、このガイド管にワイヤ16を摺動自在に挿通するようにしてもよい。
次に図2及び図5を参照して、前記カバー部材20は、ジグザグ構造体13の両側面(ジグザグ構造体13の振幅方向及び振幅中心線Cの方向に対して直交する方向での両側面)を覆う部材である。以降の説明では、ジグザグ構造体13の振幅方向及び振幅中心線Cの方向に対して直交する方向をジグザグ構造体13の厚み方向ということがある。
本実施形態では、ジグザグ構造体13の屈曲状態等によらずに、該ジグザグ構造体13の両側面を覆うことができるようにするために、カバー部材20は、ジグザグ構造体13の屈曲に合わせて屈曲し得るように、複数のカバー要素を組み合わせて構成されている。
具体的には、カバー部材20は、第1部材11の両側面を覆う第1カバー要素21と、第2部材12の両側面を覆う第2カバー要素22と、第1カバー要素21と第2カバー要素22との間でジグザグ構造体13の両側面を覆う第3カバー要素23とから構成される。
なお、第1カバー要素21は、ジグザグ構造体13の第1部材11寄りの部分の両側面を覆う機能も有する。同様に、第2カバー要素22は、ジグザグ構造体13の第2部材12寄りの部分の両側面を覆う機能も有する。
第1カバー要素21は、ジグザグ構造体13の厚み方向に間隔を有して互いに平行に対向する平板状のカバー面21a,21aを有する。同様に、第2カバー要素22は、ジグザグ構造体13の厚み方向に間隔を有して互いに平行に対向する平板状のカバー面22a,22aを有する。同様に、第3カバー要素23は、ジグザグ構造体13の厚み方向に間隔を有して互いに平行に対向する平板状のカバー面23a,23aを有する。
上記カバー面21a,21aの間隔、カバー面22a,22aの間隔、カバー面23a,23aの間隔は、ジグザグ構造体13の厚み方向の幅(厚さ)よりも若干広い間隔とされている。
そして、第1カバー要素21、第2カバー要素22及び第3カバー要素23は、ジグザグ構造体13の振幅中心線Cの方向とほぼ同方向に貫通するハウジング状に形成されている。
また、第1カバー要素21の第3カバー要素23側の端部と、第2カバー要素22の第3カバー要素23側の端部とは、それぞれ、第3カバー要素23の内部に挿入されている。
そして、第1カバー要素21の第3カバー要素23側の端部の各カバー面21aは、該カバー面21aに面する第3カバー要素23のカバー面23aに、ジグザグ構造体13の厚み方向の軸心を有する支軸24を介して回転自在に軸支されている。従って、第1カバー要素21は、第3カバー要素23に対して支軸24の軸心周りの揺動自在とされている。
同様に、第2カバー要素22の第3カバー要素23側の端部の各カバー面22aは、該カバー面22aに面する第3カバー要素23のカバー面23aに、ジグザグ構造体13の厚み方向の軸心を有する支軸25を介して回転自在に軸支されている。従って、第2カバー要素22は、第3カバー要素23に対して支軸25の軸心周りの揺動自在とされている。
上記の如く第1カバー要素21、第2カバー要素22、及び第3カバー要素23により構成されたカバー部材20は、第1カバー要素21、第2カバー要素22、及び第3カバー要素23のそれぞれの内側に第1部材11、第2部材12、ジグザグ構造体13が位置し、且つ、第1部材11、第2部材12及びジグザグ構造体13のそれぞれの両側面に、カバー面21a,21a、カバー面22a,22a、カバー面23a,23aが各々対向するように、第1部材11、第2部材12及びジグザグ構造体13のアッセンブリに外挿される。
また、第1カバー要素21の各カバー面21aには、ジグザグ構造体13の振幅中心線Cの方向とほぼ同方向に直線状に延在する長孔21cが穿設されている。そして、この長孔21cに第1部材11の各側面(長孔21cに対向する面)から突設されたピン11cが、該長孔21cに沿って摺動可能に嵌挿されている。従って、第1カバー要素21は、長孔21cでのピン11cの可動範囲内で第1部材11に対して移動し得るように、該ピン11cを介して第1部材11に支承されている。
同様に、第2カバー要素22の各カバー面22aには、ジグザグ構造体13の振幅中心線Cの方向とほぼ同方向に直線状に延在する長孔22cが穿設されている。そして、この長孔22cに第2部材12の各側面(長孔22cに対向する面)から突設されたピン12cが、該長孔22cに沿って摺動可能に嵌挿されている。従って、第2カバー要素22は、長孔22cでのピン12cの可動範囲内で第2部材12に対して移動し得るように、該ピン12cを介して第2部材12に支承されている。
関節機構本体部5には、以上の如くカバー部材20が組み込まれているので、ジグザグ構造体13が屈曲すると(詳しくは、要素部材14の頂部14aが外側、脚部14bの先端部が内側となるように屈曲すると)、それに伴い、第1カバー要素21と第2カバー要素22とがそれぞれに対応する支軸24,25の軸心周りで第3カバー要素23に対して揺動する。これにより、カバー部材20は、ジグザグ構造体13と同じ側に屈曲する。その結果、ジグザグ構造体13の屈曲状態によらずに、該ジグザグ構造体13の両側面の全体が、カバー部材20により覆われることとなる。
そして、この場合、ジグザグ構造体13の変形が、該ジグザグ構造体13の厚み方向でのカバー部材20の内側の間隔内に制限される。
ここで、ジグザグ構造体13の屈曲度合いが大きくなると、前記脚部間弾性部材15の圧縮等による弾性力が増加することで、ジグザグ構造体13が、その振幅方向の軸心周り方向に屈曲するように変形し易くなる。以降、このようなジグザグ構造体13の屈曲変形を異常屈曲変形という。
しかるに、上記の如くジグザグ構造体13の変形が、該ジグザグ構造体13の厚み方向でのカバー部材20の内側の間隔内に制限されることで、ジグザグ構造体13の上記異常屈曲変形が生じるのが防止され、該ジグザグ構造体13の屈曲は、該ジグザグ構造体13の厚み方向の軸心周り方向の屈曲に制限される。
ここで、以上の如く構成された関節機構本体部5の作動(機能)について説明しておく。
ワイヤ16に張力が付与されていない状態、もしくはその張力が十分に小さい状態では、各要素部材14の弾性変形(特に、頂部14aに対する脚部14bの揺動)によって、ジグザグ構造体13の振幅方向での一方側の頂部のピッチと他方側の頂部のピッチとの両方が容易に変化し得る。
この状態は、ジグザグ構造体13の変形自由度が高い状態である。この状態では、ジグザグ構造体13は、第1部材11と第2部材12との相対変位に応じて、第1部材11と第2部材12との間にさほど弾性力を発生することなく変形可能である。
例えば、第2部材12が第1部材11に対して、図2に示す状態から図3に示す状態に回転変位した場合に、図3に示す如く、ジグザグ構造体13の振幅方向の両側のうち、ワイヤ16側の頂部(各要素部材14の頂部14a)のピッチが広がることで、各要素部材14の弾性変形、ひいては、各要素部材14の一対の脚部14b,14bの間の脚部間弾性部材15,15の弾性変形(圧縮)が微小なもので済む。
この場合、第1部材11と第2部材12との間でジグザグ構造体13が発生する弾性力も十分に小さなものとなる。
一方、ワイヤ16に付与する張力を増大させ、その張力を所定値以上の大きなものとした状態では、ジグザグ構造体13が第1部材11と第2部材12との間で、ワイヤ16に沿って押圧されるため、ジグザグ構造体13の隣り合う要素部材14m,14nの、互いに隣接する脚部14b,14bが互いに重なり合うように接触する。
この状態では、ジグザグ構造体13の振幅方向の両側のうち、ワイヤ16側の頂部(各要素部材14の頂部14a)のピッチが広がらないように拘束される(ほぼ一定に維持されるように拘束される)ので、ジグザグ構造体13の変形自由度が低くなる。
この状態では、ジグザグ構造体13を屈曲させようとしたときに(詳しくは、ジグザグ構造体13の各要素部材14の頂部14aが外側、各要素部材14の脚部14bの先端部が内側となるようにジグザグ構造体13を屈曲させようとしたときに)、該ジグザグ構造体13は、第1部材11と第2部材12との間で比較的大きな弾性力を発生する。また、その弾性力は、ジグザグ構造体13の屈曲度合が大きくなるほど増大する。
例えば、ワイヤ16の張力を大きくした状態で、第2部材12が第1部材11に対して、図2に示す状態から図4に示す状態に回転変位した場合に、図4に示す如く、ジグザグ構造体13の振幅方向の両側のうち、ワイヤ16側の頂部(各要素部材14の頂部14a)のピッチが広がらないように拘束されるので、要素部材14の脚部14bの先端部により形成される他方側の頂部のピッチが狭まるように(ひいては、各要素部材14の一対の脚部14b,14bの先端部の間隔が狭まるように)各要素部材14が弾性変形する。
併せて、各要素部材14の一対の脚部14b,14bの間の脚部間弾性部材15,15が互いに押圧されて圧縮される。
このため、ジグザグ構造体13は、第1部材11と第2部部材12との間で屈曲を解消する方向の比較的大きな弾性力を発生する。そして、その弾性力は、ジグザグ構造体13の屈曲度合が大きくなるに伴い、増加する。
従って、ワイヤ16に付与する張力を変化させることで、上記のようにジグザグ構造体13を屈曲させた場合に第1部材11と第2部材12との間でジグザグ構造体13が発生する弾性力を変化させることができることとなる。特に、ワイヤ16の張力をゼロもしくは微小なものとした場合には、ジグザグ構造体13が発生する弾性力を十分に小さなものとできる。
また、ワイヤ16の張力を大きくした場合には、ジグザグ構造体13の屈曲に応じて該ジグザグ構造体13が発生する弾性力を十分に大きなものとすることができる。
また、ワイヤ16に付与する張力を増大させ、その張力を所定値以上の大きなものとした状態では、ジグザグ構造体13が第1部材11と第2部材12との間で、ワイヤ16に沿って押圧される。このため、ジグザグ構造体13の隣り合う要素部材14m,14nの、互いに隣接する脚部14b,14bが互いに重なり合うように接触する。その結果、互いに隣接する脚部14b,14bのねじれが生じにくくなる。このため、ジグザグ構造体13の振幅方向の軸心周り方向の剛性が高くなる。ひいてはジグザグ構造体13の前記異常屈曲変形が生じにくくなる。
次に、前記ワイヤ16に張力を付与する張力付与装置30と、その制御に関する構成とについて図6を参照して説明する。
張力付与装置30は、各脚体3毎に備えられており、図6(a)に示すように前記筐体8に収容されている。
この張力付与装置30は、筐体8内で図示しないベアリング等の軸受けを介して回転自在に軸支されたプーリ31を備える。このプーリ31の外周部にワイヤ16が巻き掛けられている。この場合、ワイヤ16は、図6(b)に示すように、その端部が留め具32を介してプーリ31の外周部に固定された状態で該プーリ31に巻き掛けられ、該プーリ31の外周部から前記第2部材12に向かって引き出されている。従って、プーリ31をワイヤ16の巻き取り方向(図6(b)では時計周り方向)に回転駆動することで、ワイヤ16に張力が付与されるようになっている。
プーリ31の軸方向の一端側には、図示しないねじりばね等のばねを内蔵するプリテンション発生装置33が接続され、該プリテンション発生装置33からプーリ31に、ワイヤ16の巻き取り方向の回転駆動力が作用するようになっている。この場合、プリテンション発生装置33からプーリ31に付与される回転駆動力は、それによりワイヤ16に付与される張力(プリテンション)がワイヤ16の弛みを解消し得る程度の弱い回転駆動力とされている。
なお、プリテンション発生装置33とプーリ31との間には、プーリ31の回転角度を検出する角度検出器34が介装されている。該角度検出器34は、ロータリエンコーダ、あるいはポテンショメータ等により構成され、プーリ31の回転角度に応じた信号を出力する。
プーリ31の軸方向の他端側はアクチュエータとしての電動モータ35に接続され、該電動モータ35を作動させる(出力トルクを発生させる)ことで、該電動モータ35からプーリ31に、ワイヤ16の巻き取り方向の回転駆動力を付与することが可能となっている。
この場合、電動モータ35とプーリ31との間には、ブレーキ装置36、クラッチ装置37、ワンウェイクラッチ機構38、及び減速機39が介装され、電動モータ35の出力トルクは、ブレーキ装置36、クラッチ装置37、ワンウェイクラッチ機構38、及び減速機39を介してプーリ31に伝達されるようになっている。
上記ブレーキ装置36は、必要に応じてプーリ31の回転を制動する(停止させる)ための装置であり、電動モータ35とプーリ31との間の回転軸40(電動モータ35の出力軸等)を制動するオン状態と、その制動を解除するオフ状態とに選択的に制御可能である。なお、ブレーキ装置36としては、例えば上記回転軸40に摩擦力による制動力を付与する摩擦式のブレーキ装置、あるいは、上記回転軸40を凹凸嵌合等により係止するロック装置等を使用できる。
クラッチ装置37は、電動モータ35とプーリ31との間の動力伝達を必要に応じて遮断するための装置であり、該動力伝達を行わせるオン状態と、該動力伝達を遮断するオフ状態とに選択的に制御可能である。
ワンウェイクラッチ機構38は、その出力側(プーリ31側)から、プーリ31にワイヤ16を巻き取る向きの回転駆動力が該ワンウェイクラッチ機構38に作用した場合(ワンウェイクラッチ機構38の入力側が回転負荷となる場合)に、電動モータ35及びブレーキ装置36とプーリ31との間の動力伝達を遮断する機構である。
減速機39は、その入力側と出力側との間の変速を行うものであり、複数の歯車により構成される歯車機構、あるいは、波動歯車装置等により構成される。
なお、以上説明した張力付与装置30の構成要素(プリテンション発生装置33、電動モータ35、ブレーキ装置36、クラッチ装置37、ワンウェイクラッチ機構38、減速機39等)のレイアウトは、図6(a)に示したレイアウト限られるものではない。
例えば、減速機39は、電動モータ35とブレーキ装置36との間に介装されていてもよい。また、例えばクラッチ装置37は、減速機39、電動モータ35及びブレーキ装置36よりも、プーリ31側に備えられていてもよい。
また、張力付与装置30は、プーリ31と関節機構本体部5との間のワイヤ16の配設経路の途中に、ワイヤ16の延在方向を変化させたり、あるいは、プリテンション発生装置33と同様の機能を有する中継器を備えていてもよい。
図7はその中継器の一例を示している。この中継器41は、筐体42内に、ガイドレール43と該ガイドレール43に沿ってスライド自在な可動部44と、プリテンション用の弾性力を発生するバネ45とを備える。
ワイヤ16は、関節機構本体部5側のワイヤ16aと、プーリ31側のワイヤ16bとに分割されている。これらのワイヤ16a,16bの端部が筐体42内で可動部44に枢着されている。この場合、ワイヤ16a,16bの端部は、それぞれ、可動部44からガイドレール43と同方向(可動部44のスライド方向)で互いに逆向きに延出されている。
そして、図示例の中継器41では、可動部44から延出された関節機構本体部5側のワイヤ16aは、筐体42に穿設された孔42aを通って筐体42内から導出されている。
また、可動部44から延出されたプーリ31側のワイヤ16bは、筐体42内に回転自在に軸支されたガイドローラ46の外周部を介して延在方向が変更され、さらに、チューブ47を通って筐体42内から導出されている。
プリテンション用のバネ45は、関節機構本体部5側のワイヤ16aを引っ張る方向(図7では左向き)に可動部44を付勢するように該可動部44に連結されている。このバネ45により、関節機構本体部5側のワイヤ16aに、その弛みを解消するためのプリテンションが付与される。
図7に示す中継器41は上記のように構成されている。
なお、関節機構本体部5側のワイヤ16aを、プーリ31側のワイヤ16bと同様にチューブを介して筐体42内から導出してもよい。また、プーリ31側のワイヤ16aと同様に、関節機構本体部5側のワイヤ16aの延在方向をガイドローラを介して変化させるようにしてもよい。また、プーリ31側のワイヤ16bを、単に筐体42に穿設した孔を介して筐体42内から導出するようにしてもよい。
さらに、関節機構本体部5側の可撓性長尺部材とプーリ31側の可撓性長尺部材との種類を異ならせてもよい。例えば、関節機構本体部5側の可撓性長尺部材とプーリ31側の可撓性長尺部材との一方をワイヤにより構成し、他方をベルトにより構成するようにしてもよい。
図6に戻って、張力付与装置30を搭載した筐体8内には、さらに電動モータ35、ブレーキ装置36及びクラッチ装置37の動作制御を行う制御装置51が搭載されている。ただし、制御装置51は、前記腰装着部2の背面部等、筐体8と別の箇所に配置されていてもよい。
制御装置51は、CPU、RAM、ROM等を含む電子回路ユニットである。この制御装置51には、前記角度検出器34の検出信号と、関節機構本体部5を有する脚体3と同じ側(左側又右側)の足平装着部1が接地状態であるか否かに応じた信号を出力する接地センサ52の検出信号が入力される。
該接地センサ52は、足平装着部1の底部に装着される感圧スイッチ、あるいは圧力センサ等により構成され、該足平装着部1が接地したときに圧力を受けることに応じて、該足平装着部1の接地を示す信号を出力する。また、接地センサ52は、足平装着部1が離床することで圧力が作用しなくなると、該足平装着部1が接地状態でないこと(非接地状態であること)を示す信号を出力する。
なお、上記圧力センサは、足平装着部1の底部と地面との間の圧力、または、人の足裏の圧力を検出するように足平装着部1に搭載される。
制御装置51は、実装されるプログラムを実行することで、あるいは、ハードウェア構成により実現される機能によって、角度検出器34及び接地センサ52の出力に応じて、電動モータ35、ブレーキ装置36及びクラッチ装置37の動作を制御するように構成されている。
次に、制御装置51の制御処理を含めて、本実施形態の関節機構4の作動を説明する。関節機構4の作動は、左側の脚体3L及び右側の脚体3Rのいずれにおいても同様である。このため、以降の説明では、特にことわらない限り、関節機構本体部5、張力付与装置30、制御装置51、人の脚等は、いずれか一方の1つの脚体3に対応するものを意味する。
制御装置51は、接地センサ52から入力される検出信号が、足平装着部1が非接地状態であることを示す信号である場合、すなわち、該足平装着部1が装着されている人の脚が遊脚となっている状態では、クラッチ装置37をオフ状態(遮断状態)に制御すると共に、電動モータ35を運転停止状態(電動モータ35の通電を停止した状態)にする。
このとき、プーリ31と、電動モータ35及びブレーキ装置36との間の動力伝達が遮断されるので、プーリ31には電動モータ35側から回転駆動力が作用しない。
このため、ワイヤ16には、プリテンション発生装置33(あるいは中継器41のバネ45)による弱い張力(プリテンション)だけが作用する。ひいては、関節機構本体部5のジグザグ構造体13は、その変形の自由度が高い状態となる。
従って、ジグザグ構造体13が、遊脚となっている人の脚の屈伸に伴う第1部材11及び第2部材12の相対変位に合わせて、滑らかに屈曲変形する。例えば図3に示した如くジグザグ構造体13が屈曲する。
このとき、ジグザグ構造体13の屈曲は、固定的な単一の関節軸での屈曲ではないので、人がその脚を膝関節で屈曲させたときに、違和感、あるいは拘束感を覚えるようなことが防止される。
また、この場合、ジグザグ構造体13で発生する弾性力もゼロもしくは十分に小さなものに留まる。さらに、プーリ31の回転が電動モータ35に伝達されず、プーリ31に連動して電動モータ35のロータが回転することがないので、プーリ31の回転抵抗を小さなものに抑制できる。このため、人が遊脚を屈伸させるときに、余剰の抵抗感を覚えるようなことが防止される。
なお、足平装着部1が装着されている人の脚が遊脚となっている状態で、クラッチ装置37をオン状態にすると共に、ブレーキ装置36をオフ状態にした状態で、ワイヤ16にプリテンション程度の弱い張力(所定値以下の張力)を付与し得る回転駆動力を、電動モータ35から出力させるように、該電動モータ35の運転を行うようにしてもよい。
このようにする場合には、クラッチ装置37を省略してもよい。
また、制御装置51は、接地センサ52から入力される検出信号が、足平装着部1が接地状態であることを示す信号である場合、すなわち、該足平装着部1が装着されている人の脚が支持脚となっている状態では、クラッチ装置37をオン状態に制御すると共に、ブレーキ装置36のオフ状態に制御しつつ、ワイヤ16にプリテンションに比して大きな所定値以上の張力を電動モータ35から付与するように、電動モータ35の運転制御を行う。
具体的には、制御装置51は、あらかじめ定めた大きさの出力トルクを電動モータ35に発生させるように該電動モータ35の通電電流を制御する。
この場合に、電動モータ35に発生させる出力トルクは、それによりワイヤ16に付与される張力が、ジグザグ構造体13の隣り合う要素部材14m,14nの、互いに隣接する脚部14b,14bが互いに重なり合うように接触する状態(ジグザグ構造体13の振幅方向の両側のうち、ワイヤ16側の頂部のピッチがほぼ一定に拘束される状態)にすることができるような所定値以上の大きさのトルクである。
このように、電動モータ35の運転制御を行うことで、ジグザグ構造体13の隣り合う要素部材14m,14nの、互いに隣接する脚部14b,14bを互いに重なり合うように接触させ得るような所定値以上の張力がワイヤ16に付与される。
この状態では、図4に示した如くジグザグ構造体13を屈曲させようとしたときに、前記したように、該ジグザグ構造体13は、第1部材11と第2部材12との間で比較大きな弾性力(ジグザグ構造体13の屈曲を解消するように作用する弾性力)を発生する。また、その弾性力は、ジグザグ構造体13の屈曲度合が大きくなるほど増大する。
このため、人がその支持脚を屈曲させた場合(腰を落とした場合)に、その支持脚を伸ばす方向の力が該支持脚に作用する。このため、脚力の弱い人でも、椅子にすわったり、しゃがんだりする場合、あるいは、椅子に座った状態もしくはしゃがんだ状態から立ち上がる場合に、自身の上体を容易に支えることができる。
また、この場合でも、電動モータ35からプーリ31に回転駆動力を付与しない場合と同様に、ジグザグ構造体13の屈曲は、固定的な単一の関節軸での屈曲ではないので、人がその脚を膝関節で屈曲させたときに、違和感、あるいは拘束感を覚えるようなことが防止される。
さらに、本実施形態では、ジグザグ構造体13の各要素部材14の一対の脚部14b,14bの間の脚部間弾性部材15,15が脚部14b,14bの一方側と他方側とに分離しているので、脚部間弾性部材15,15が互いに押しつけられるように圧接する。
この場合、脚部間弾性部材15,15の間の横ひずみによる滑りが生じにくく、相互に拘束される。このため、ジグザグ構造体13の屈曲時に第1部材11と第2部材12との間で摩擦力による余分な力が発生するのが防止される。その結果、ジグザグ構造体13の屈曲変形が滑らかに行われる。
なお、人の脚が支持脚となっている状態で、上記の如く電動モータ35の運転制御を行う場合には、ブレーキ装置36を省略するようにしてもよいが、電動モータ35からプーリ31に回転駆動力を付与する代わりに、ブレーキ装置36を適宜作動させるようにしてもよい。
例えば、人の脚が支持脚となっている状態で、電動モータ35によりワイヤ16の張力を増加させるように電動モータ35からプーリ31に回転駆動力を付与した後、ブレーキ装置36をオン状態に制御して、プーリ31の回転を制動する。これにより、ワイヤ16の張力を大きな状態に維持することができる。
この場合、ブレーキ装置36のオン状態では、電動モータ35の出力トルクを発生させる必要がないので、該電動モータ35の通電を停止することができる。このため、電動モータ35の電力消費、あるいは、発熱を抑制できる。
補足すると、本実施形態では、前記ワンウェイクラッチ機構38を備えるため、電動モータ35あるいはブレーキ装置36からプーリ31の回転(詳しくは、プーリ31からのワイヤ16の引き出し方向の回転)を阻止する制動力を付与した状態でも、ワイヤ16の弛みが発生した場合には、プリテンション発生装置33の回転駆動力によってプーリ31が回転して、ワイヤ16の弛みが解消される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図8(a)〜(c)を参照して説明する。なお、本実施形態の関節機構は、前記実施形態と関節機構本体部の構成だけが相違するものである。このため、本実施形態の説明は、第1実施形態と相違する部分を中心に行い、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
図8(a)〜(c)は、本実施形態の関節機構本体部65は、前記下フレーム7が延設された第1部材66と、前記上フレーム6が延設された第2部材67と、第1部材66から第2部材67に向かってジグザグ状に連なり、第1部材66と第2部材67とを相対変位可能に連結するジグザグ構造体68とを備える。
第1部材66及び第2部材67は、第1実施形態と同様に、金属製あるいは樹脂製の高剛性の部材である。
ジグザグ構造体68は、本実施形態では、その振幅方向の一方側の各頂部68aと、他方側の各頂部68bとのそれぞれから二股状に延在する一対の脚部68c,68cが、該脚部68c,68cの間の頂部68a又は68bに設けられた支軸69の軸心周りに相対揺動し得るように該支軸69を介して連結されている。
各脚部68cは、本実施形態では、金属製あるいは樹脂製の高剛性のものである。また、支軸69の軸心は、ジグザグ構造体68の振幅方向と振幅中心線Cの方向とに直交する方向(図8(a)〜(c)では、紙面に垂直な方向)である。
なお、ジグザグ構造体68の振幅方向の一方側の任意の一つの頂部68aと、他方側の一つの頂部68bとを連結する脚部68cは、該頂部68a,68bの両方に対して共通の脚部68cである。
従って、ジグザグ構造体68は、換言すれば、複数の脚部68cをその両端部に支軸69を有するようにしてジグザグ状に順番に連結し、且つ、各連結部(頂部68a又は68b)にて相互に連結された脚部68c,68cが該連結部の支軸69の軸心周りに相対揺動自在とされた構造のものである。
なお、本実施形態では、最も第1部材66寄りの脚部68cは、第1部材66に対して支軸69を介して揺動自在に連結されている。この場合、第1部材66と脚部68cとの連結部分も頂部とみなし、第1部材66を該脚部68cと頂部を介して連結された脚部を構成するものとみなす。
同様に、最も第2部材67寄りの脚部68cと該第2部材67との連結部分も頂部とみなし、第2部材67を該脚部68cと頂部を介して連結された脚部を構成するものとみなす。
補足すると、本実施形態では、ジグザグ構造体68は、その振幅方向の一方側と他方側とにそれぞれ複数の頂部68a,68bを有するが、該一方側の頂部68a又は他方側の頂部68bが1つであってもよい。この場合には、当該1つの頂部68a又は68bから二股状に支軸69を介して延在する二つの脚部68c,68cの一方と第1部材66との連結部分、及び、他方と第2部材67との連結部分とが、上記1つの頂部68a又は68bと反対側の2つの頂部とみなすことができる。
また、本実施形態では、ジグザグ構造体68の各頂部68a,68bから二股状に延在する一対の脚部68c,68cの間には、該一対の脚部68c,68cの互いに対向する面に各々固着された脚部間弾性部材70,70(これらは、本発明における第1弾性部材、第2弾性部材に相当する)が互いに対向するように介装されている。各脚部間弾性部材70は、ゴム製の弾性体であり、例えば直方体状に形成されている。
そして、各頂部68a,68bから延在する一対の脚部68c,68cの間の脚部間弾性部材70,70は、該一対の脚部68c,68cの間の間隔が狭まるように該一対の脚部68c,68cが互い相対揺動されたときに、互いに圧接されて、該一対の脚部68c,68cの間隔を広げる方向の弾性力を発生するように、該脚部間弾性部材70,70の厚みが設定されている。
上記のように構成されたジグザグ構造体68では、各頂部68a,68bで支軸69を介して連結された脚部68c,68cが互いに相対揺動することで、ジグザグ構造体68の振幅方向での一方側の頂部のピッチと他方側の頂部のピッチとの一方又は両方が変化し得る。
ひいては、振幅中心線Cの方向でジグザグ構造体68の長さが変化するように該ジグザグ構造体68が伸縮したり、あるいは、振幅中心線Cの曲がり度合が変化するようにジグザグ構造体68が屈曲することが可能となっている。
図8(a)に示すジグザグ構造体68は、各頂部68a,68bで支軸69を介して連結された脚部68c,68c間の脚部間弾性部材70,70がいずれも圧縮されるようにして、ジグザグ構造体68が振幅中心線Cの方向に縮んだ状態で、且つ、振幅中心線Cがほぼ直線状となった状態を示している。
また、図8(b)に示すジグザグ構造体68は、各頂部68a,68bで支軸69を介して連結された脚部68c,68c間の脚部間弾性部材70,70がいずれも圧縮されるようにして、ジグザグ構造体68が振幅中心線Cの方向に縮んだ状態で、且つ、振幅中心線Cが屈曲した状態を示している。
また、図8(c)に示すジグザグ構造体68は、各頂部68a,68bで支軸69を介して連結された脚部68c,68c間の脚部間弾性部材70,70がさほど圧縮されないように、ジグザグ構造体68が振幅中心線Cの方向に伸びた状態で、且つ、振幅中心線Cが屈曲した状態を示している。
また、前記第1部材66から可撓性長尺部材71が延出されている。該可撓性長尺部材71は、第1実施形態のものと同様に、例えばワイヤである。以降、可撓性長尺部材71をワイヤ71という。ただし、可撓性長尺部材71は、例えばベルトであってもよい。
上記ワイヤ71は、ジグザグ構造体68の振幅方向の両側の頂部68a又は68bのうち、例えば一方側の頂部68aの外側で、第1部材66側から第2部材67側に向かって、振幅中心線Cの方向とほぼ同方向に延在するように(頂部68aの列に沿って延在するように)配置されている。
そして、ワイヤ71の第1部材66側の端部は、第1実施形態と同様に、該端部が挿通されたワイヤ固定部材72を介して第1部材66に固定されている。また、ワイヤ71の第2部材67に対向する部分は、第1実施形態と同様に、該第2部材67に固着されたワイヤ挿通部材73に摺動自在に挿通されている。従って、ワイヤ71は、第2部材67に対して走行可能である。
そして、ワイヤ71は、第1実施形態と同様に、前記張力付与装置30に接続され、該張力付与装置30から張力が付与される。
なお、本実施形態では、ワイヤ71は、ジグザグ構造体68の振幅方向の一方側の各頂部68aに摺接する。この場合、第1実施形態に関して説明した場合と同様に、ワイヤ71と各頂部68aとの間の摩擦力を小さくするために、該頂部68aの表面に、ワイヤ71との間の摩擦係数の小さい材質(例えばフッソ樹脂)の被膜を貼着もしくはコーティングすることが望ましい。
また、ジグザグ構造体68の振幅方向の一方側の各頂部68aにガイド管(好ましくは、その内周面が、ワイヤ71との間の摩擦係数が小さい材質により形成されたガイド管)を固着して、このガイド管にワイヤ71を摺動自在に挿通するようにしてもよい。
なお、本実施形態の関節機構の構成は、以上説明した事項以外は、第1実施形態と同じである。ただし、本実施形態では、ジグザグ構造体68を覆うカバー部材は不要である。ただし、ジグザグ構造体68への異物の噛み込み等を防止するために、第1実施形態と同様のカバー部材を関節機構本体部65に備えるようにしてもよい。
ここで、以上の如く構成された関節機構本体部65は、ワイヤ71に付与する張力を変化させることで、第1実施形態の関節機構本体部5と同様の機能を有する。
すなわち、ワイヤ71に張力が付与されていない状態、もしくはその張力が十分に小さい状態は、ジグザグ構造体68の変形の自由度が高い状態である。この状態では、ジグザグ構造体68の各頂部68a,68bにおける脚部68cの揺動によって、ジグザグ構造体13の振幅方向での一方側の頂部68aのピッチと他方側の頂部68bのピッチとの両方が容易に変化し得る。このため、ジグザグ構造体68は、第1部材66と第2部材67との相対変位に応じて、第1部材66と第2部材67との間に弾性力をほとんど発生することなく変形可能である。
例えば、第2部材67が第1部材66に対して、図8(a)に示す状態から図8(c)に示す状態に回転変位した場合に、図8(c)に示す如く、ジグザグ構造体68の振幅方向の一方側の頂部68aのピッチと他方側の頂部68bのピッチとが広がることができることから、各対の脚部68c,68cの間の脚部間弾性部材70,70の弾性変形(圧縮)が生じないか、もしくは微小なもので済む。
この場合、第1部材66と第2部材67との間でジグザグ構造体68が発生する弾性力もゼロもしくは十分に小さなものとなる。
一方、ワイヤ71に付与する張力を増大させ、その張力を所定値以上の大きなものとした状態では、ジグザグ構造体68が第1部材66と第2部材67との間で、ワイヤ71に沿って押圧されるため、特に、ワイヤ71と反対側の頂部68bから延在する脚部68c,68cの間の脚部間弾性部材70,70が圧縮される。
この状態では、ジグザグ構造体68の振幅方向の両側のうち、ワイヤ71側の頂部68aのピッチが広がらないように拘束される(ほぼ一定に維持されるように拘束される)ので、ジグザグ構造体68の変形自由度が低くなる。
この状態では、ジグザグ構造体68を屈曲させようとしたときに(詳しくは、ジグザグ構造体68のワイヤ71側の頂部68aが外側、反対側の頂部68bが内側となるようにジグザグ構造体68を屈曲させようとしたときに)、第1部材66と第2部材67との間で比較大きな弾性力を発生する。また、その弾性力は、ジグザグ構造体68の屈曲度合が大きくなるほど増大する。
例えば、ワイヤ71の張力を大きくした状態で、第2部材67が第1部材66に対して、図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態に回転変位した場合に、図8(b)に示す如く、ワイヤ71側の頂部68aから延在する脚部68c,68cの間の間隔が狭まるようにジグザグ構造体68が屈曲する。ひいては、該脚部68c,68cの間の脚部間弾性部材70,70が圧縮される。
その結果、ジグザグ構造体68は、第1部材66と第2部材67との間で比較大きな弾性力を発生する。また、その弾性力は、ジグザグ構造体68の屈曲度合が大きくなるほど増大する。
従って、ワイヤ71に付与する張力を変化させることで、第1実施形態のものと同様に、ジグザグ構造体68を屈曲させた場合に第1部材66と第2部材67との間でジグザグ構造体68が発生する弾性力を変化させることができることとなる。特に、ワイヤ71の張力をゼロもしくは微小なものとした場合には、ジグザグ構造体68は、弾性力を発生しないか、もしくは、発生する弾性力が微小なものとなる。
また、ワイヤ71の張力を大きくした場合には、ジグザグ構造体68の屈曲に応じて該ジグザグ構造体68が発生する弾性力を十分に大きなものとすることができる。
また、本実施形態の関節機構では、張力付与装置30の動作制御は、第1実施形態と同じである。
すなわち、人の脚が遊脚となる状態(足平装着部1の非接地状態)では、ワイヤ71には、電動モータ35(又はブレーキ装置36)による張力(プーリ31へのワイヤ71の巻取り方向の張力)の付与は行われず、プリテンション発生装置33(あるいは中継器41のバネ45)によるプリテンションだけが付与される。
従って、第1実施形態と同様に、ジグザグ構造体68が、遊脚となっている人の脚の屈伸に伴う第1部材66及び第2部材67の相対変位に合わせて、滑らかに屈曲変形する。
また、このとき、ジグザグ構造体68の屈曲は、固定的な単一の関節軸での屈曲ではないので、人がその脚を膝関節で屈曲させたときに、違和感、あるいは拘束感を覚えるようなことが防止される。
また、人の脚が支持脚となる状態(足平装着部1の接地状態)では、ワイヤ71には、電動モータ35(又はブレーキ装置36)によって、所定値以上の大きい張力(プーリ31へのワイヤ71の巻取り方向の張力)が付与される。
この場合にワイヤ71に付与される張力は、ワイヤ71と反対側の頂部68bから延在する脚部68c,68cの間の脚部間弾性部材70,70が十分に圧縮されることとなるような大きさの張力である。
この状態では、ジグザグ構造体68を屈曲させようとしたときに、前記したように、該ジグザグ構造体68は、第1部材66と第2部材67との間で比較大きな弾性力(ジグザグ構造体68の屈曲を解消するように作用する弾性力)を発生する。また、その弾性力は、ジグザグ構造体68の屈曲度合が大きくなるほど増大する。
このため、第1実施形態と同様に、人がその支持脚を屈曲させた場合(腰を落とした場合)に、その支持脚を伸ばす方向の力が該支持脚に作用する。このため、脚力の弱い人でも、椅子にすわったり、しゃがんだりする場合、あるいは、椅子に座った状態もしくはしゃがんだ状態から立ち上がる場合に、自身の上体を容易に支えることができる。
また、この場合でも、ジグザグ構造体68の屈曲は、固定的な単一の関節軸での屈曲ではないので、人がその脚を膝関節で屈曲させたときに、違和感、あるいは拘束感を覚えるようなことが防止される。
[変形態様]
次に、以上説明した各実施形態の変形態様をいくつか説明する。
前記第1実施形態では、ジグザグ構造体13の隣り合う要素部材14,14(14m,14n)の、互いに隣接する脚部14b,14b同士を溶接又は接着により結合したが、当該隣接する脚部14b,14b同士をねじ等を使用して締結するようにしてもよい。
また、ジグザグ構造体を、単一の板状の弾性体の加工、あるいは成形によって、複数の要素部材が連続的に一体に連なった構造にしてもよい。例えば、図9に示す如く、ジグザグ構造体81を構成してもよい。この例では、ジグザグ構造体81を構成する複数の要素部材82(U字型又は矩形型の要素部材82)の列において、隣り合う要素部材82(82m),82(82n)の、互いに隣接する脚部82b,82bの先端部が、概略管状に丸められた頂部を介して連続的につながっている。
なお、図9に示す例では、各要素部材82の一対の脚部82b,82bの間に、第1実施形態のジグザグ構造体13と同様に、弾性部材(脚部間弾性部材)83,83を介装しているが、これを省略してもよい。また、図9に示す例では、隣り合う要素部材82(82m),82(82n)の、互いに隣接する脚部82b,82bにそれぞれ固着された脚部間弾性部材83が一体につながっているが、これらを第1実施形態のものと同様に別体に構成してもよい。
また、図10に例示する如く、ジグザグ構造体85を構成する複数の要素部材86(U字型又は矩形型の要素部材86)の列において、隣り合う要素部材86,86(86m,86n)の、互いに隣接する脚部86b,86bの先端部を、ジグザグ構造体85の振幅方向と振幅中止線の方向とに直交する軸心を有する支軸87を介して互い揺動自在に連結するようにしてもよい。
なお、図10に示す例では、各要素部材86の一対の脚部86b,86bの間に、第1実施形態のジグザグ構造体13と同様に、弾性部材(脚部間弾性部材)88,88を介装しているが、これを省略してもよい。
また、ジグザグ構造体の屈曲に対する剛性が、ジグザグ構造体の振幅中心線の方向で変化するようにジグザグ構造体を構成するようにしてもよい。例えば、第1実施形態のジグザグ構造体13において、脚部間弾性部材15の剛性が、第1部材11及び第2部材12の間の中央(振幅中心線Cの方向での中央)により近いものほど、より高くなるように、各脚部間弾性部材15の剛性を設定しておいてもよい。
このようにした場合には、ジグザグ構造体13を屈曲変形させた場合(詳しくは、要素部材14の頂部14aが外側、脚部14bの先端部が内側となるように屈曲変形させた場合)に、各脚部間弾性部材15に生じるひずみが相互に均一になるようにして、いずれかの脚部間弾性部材15(特に、第1部材11及び第2部材12の間の中央付近の脚部間弾性部材15)に他の脚部間弾性部材に比して過大なひずみが生じることを防止できる。このため、各脚部間弾性部材の寿命を長くすることができる。また、各脚部間弾性部材で寿命のばらつきが生じるのを防止できる。
なお、上記のようにジグザグ構造体の脚部間弾性部材の剛性を、ジグザグ構造体の振幅中心線の方向での中央により近いものほど、高くなるように設定しておくことは、第2実施形態の構造のジグザグ構造体68、あるいは、図9もしくは図10に示した構造のジグザグ構造体81,85でも同様に採用することができる。
また、ジグザグ構造体の屈曲に対する剛性を、ジグザグ構造体の振幅中心線の方向で変化させることは、各脚部間弾性部材の剛性を互いに同一にした場合であっても、例えば次のような手法で実現することもできる。
例えば、図11に示す如く、複数のU字型(又は矩形型)の要素部材92により構成されるジグザグ構造体91において、要素部材92の脚部92bの長さを、ジグザグ構造体91の振幅中心線Cの方向での中央により近いものほど、長く設定しておく。そして、各要素部材92の脚部92b,92bの間に介装する脚部間弾性部材93を、上記中央により近いものほど、脚部92bの先端部側に向かって長くなるようにしておく。
このように脚部間弾性部材93の配置を設定しておくことで、ジグザグ構造体91を屈曲変形させた場合(詳しくは、要素部材92の頂部92aが外側、脚部92bの先端部が内側となるように屈曲変形させた場合)に、脚部間弾性部材93は、ジグザグ構造体91の振幅中心線Cの方向での中央により近いものほど、該脚部間弾性部材93の弾性力によて、ジグザグ構造体91の屈曲を解消するように作用する力(モーメント)をより大きくできる。
その結果、ジグザグ構造体91の屈曲変形に対して、その振幅中心線Cの方向の中央に近い部分ほど、実質的な剛性が高まることとなる。
なお、図11のジグザグ構造体91は、図9に示したものと同様の形態のものであるが、図11のジグザグ構造体91の如く脚部間弾性部材93を配置することは、前記第1実施形態又は第2実施形態の構造のジグザグ構造体13,68、あるいは、図10に示した構造のジグザグ構造体85でも同様に採用できる。
また、前記第1実施形態のジグザグ構造体13、あるいは、図9に示したジグザグ構造体81の如き構造のジグザグ構造体では、ジグザグ構造体の屈曲度合いが大きくなると、前記した異常屈曲変形が生じやすくなることから、例えば各要素部材の一対の脚部の間にストッパ部材を介装して、ジグザグ構造体の屈曲度合いが大きくなったときに、該ストッパによりジグザグ構造体のさらなる屈曲変形を阻止するようにしてもよい。
その一例を図12に示す。このジグザグ構造体101では、それを構成するU字型(又は矩形型)の各要素部材102の一対の脚部102b,102bの間に、該脚部102b,102bの互いに対向する面に固着された一対のストッパ部材103,103が介装されている。
そして、ジグザグ構造体101の屈曲度合いがある程度大きくなったときに、各要素部材102の脚部102b,102bの間のストッパ部材103,103が互いに当接することで、該脚部102b,102bの間隔がさらに狭まるのが阻止され、ひいては、ジグザグ構造体101がさらに屈曲するのが阻止されるようになっている。
さらに、図示例のジグザグ構造体101では、各要素部材102の一対の脚部102b,102bの間のストッパ部材103,103が互いに当接したときに、該ストッパ部材103,103の一方に突設された凸部103aと、他方に形成された凹部103bとが相互に嵌合することで、該ストッパ部材103,103の相互の相対変位が制限されるようになっている。
これにより、ジグザグ構造体101の異常屈曲変形の発生を効果的に防止できる。
なお、上記の如きストッパ部材は、例えば第1実施形態で示した構造のジグザグ構造体13に採用してもよい。また、各要素部材102の一対の脚部102b,102bの間に介装するストッパ部材は、該一対の脚部102b,102bのいずれか一方にだけ固着するようにしてもよい。このことは、第1実施形態で示した構造のジグザグ構造体13についても同様である。
また、前記第1実施形態では、ジグザグ構造体13の異常屈曲変形を防止するためのカバー部材20を、複数のカバー要素(第1カバー要素21、第2カバー要素22、及び第3カバー要素23)で構成したが、単一のカバー部材で構成してもよい。ただし、この場合には、ジグザグ構造体13の屈曲度合いによらずに、ジグザグ構造体13の厚み方向の両側面を覆うために、カバー部材の面積が大きくなる。従って、カバー部材は、前記第1実施形態の如く、複数のカバー要素により構成することが望ましい。
また、カバー部材20によってジグザグ構造体13の異常屈曲変形の発生を防止することの効果を高めるために、カバー部材20を人の脚のひざの側面に押し付けるように、膝パッドの如き弾性を有する布状もしくは網目状の部材でカバー部材20(具体的には、例えば前記第3カバー要素22c)を人の脚の膝に拘束するようにしてもよい。
また、前記第1実施形態で説明した歩行補助装置Aは、人の各脚に対して、関節機構本体部5を備える一つの脚体3だけを備えるものであるが、図13に例示する如く、人の各脚の外側と内側とにそれぞれ沿わせる脚体110,110を備えるように歩行補助装置を構成してもよい。
なお、図13に示す歩行補助装置では、各脚体110の下フレーム111と上フレーム112との間の関節機構本体部(図示省略)は、単一のカバー部材113で覆われている。また、カバー部材113には、これを人の脚のひざに押し付けるための網目状の膝パッド114が取り付けられている。
関節機構本体部の構成は、前記したいずれの構造のジグザグ構造体を備えるものであってもよい。
また、かかる歩行補助装置では、人の各脚に対応する2つの脚体110,110のワイヤ(可撓性長尺部材。図示省略)に張力を付与する装置は、それぞれ各別に備えるようにしてもよい。あるいは、各脚体110,110のワイヤを巻き取るプーリに、共通の電動モータあるいはブレーキ装置から、ギヤなどを介して回転駆動力を分配することで、ワイヤに張力を付与するようにしてもよい。
また、以上説明した実施形態の張力付与装置30では、アクチュエータとして電動モータ35を使用したが、本発明における張力付与装置は、電動モータに限らず、油圧式のアクチュエータにより可撓性長尺部材に張力を付与するようにしてもよい。さらに、張力付与装置のアクチュエータは、回転型のアクチュエータに限らず、直動型のアクチュエータであってもよい。
また、本発明における張力付与装置は、可撓性長尺部材を機構的に係止する係止状態とその係止を解除する係止解除状態とに切替動作可能なロック機構を使用して構成することもできる。
その一例を図14を参照して説明する。図示例の張力付与装置120は、筐体121内に、ロック機構122と、ワイヤ16にプリテンションを付与するためのプリテンション発生装置としてのばね123(以降、プリテンション用ばね123という)とを備える。
なお、この張力付与装置120は、前記したいずれのジグザグ構造体13,68,81,85,91,101についても適用可能である。ただし、以下の説明では、便宜上、ジグザグ構造体は、第1実施形態で説明した構造のジグザグ構造体13であるとする。
ロック機構122は、ガイドレール124と、該ガイドレール124に沿ってスライド自在なラック125(換言すれば、上面に凹凸が配列された可動部)と、該ラック125に係脱する爪片126と、ラック125に対する爪片126の係脱を行わせるためのばね127及び電磁アクチュエータ128とを備える。
ラック125の一端部には、可撓性長尺部材としてのワイヤ16が連結され、該ワイヤ16が筐体121の側壁部に形成された孔121aを通って筐体121から導出される。そして、筐体121から導出されたワイヤ16の端部は、第2部材12を経由して第1部材11に連結されている。
ラック125の他端部には、前記プリテンション用ばね123が連結されている。該プリテンション用ばね123は、ラック125の他端部と、筐体121の側壁部との間に介在し、ワイヤ16を筐体121内に引っ張る方向(図14では左向き)にラック125を付勢している。
爪片126は、その先端部(爪先)と後端部との間の中間部が、筐体121の側壁部から延設された支持部材129の先端部に回転自在に軸支されている。その回転軸心は、ラック125を横断する方向(図14では紙面に垂直な方向)の軸心である。そして、爪片126は、その先端部(爪先)が、該爪片126の回転によって、ラック125の凹部に嵌り込んだ状態(図示の状態から爪片126が若干、反時計周り方向に回転した状態)と、該凹部から離脱する状態(図示の状態から時計周り方向に爪片126が回転した状態)とに切替動作可能となっている。
図14に示すロック機構122では、爪片126の先端部がラック125の凹部に嵌り込んだ状態が、筐体121からワイヤ16が引き出される方向(図14では右向き)にラック125が移動する(ひいては、第1部材11が第2部材12から遠ざかるようにワイヤ16が第2部材12に対して走行する)のを阻止するように、ラック125を係止する(ひいてはワイヤ16を係止する)係止状態である。また、爪片126の先端部がラック125の凹部から離脱した状態が、係止解除状態である。
なお、上記プリテンション用ばね123の付勢力により、ワイヤ16を筐体121内に引き込む方向にラック125が移動する場合には、爪片126の先端部がラック125の凹部に嵌り込んでいても、爪片126がラック125の移動に伴い自動的に回転して、係止状態が解除されるように、ラック125の凹部の傾斜面が形成されている。従って、ワイヤ16には、プリテンション用ばね123の弾性力によるプリテンションが常時作用するようになっている。
また、前記ばね127は、ロック機構121を係止解除状態にするための回転駆動力(図14では時計周り方向の回転駆動力)を弾性力により爪片126に付与するばね(以降、係止解除用ばね127という)である。この係止解除用ばね127は、爪片126の後端部に連結されている。そして、係止解除用ばね127が、爪片126と筐体121の側壁部との間に介在し、該爪片126を図14の時計周り方向に付勢している。これにより、係止解除用ばね127は、爪片126の先端部をラック125の凹部から離脱させるように該爪片126を付勢している。
電磁アクチュエータ128は、ロック機構122を係止状態にするときに、爪片126を回転駆動する(図14では爪片126を反時計周り方向に回転駆動する)ためのアクチュエータである。
この電磁アクチュエータ128は、ラック125のスライド方向と同方向に摺動自在な可動鉄芯128aと、該可動鉄芯128aを吸引する電磁力を通電により発生する電磁石128bとを備える。可動鉄芯128aは、前記係止解除用ばね127との間に爪片126が介在するようにして配置されている。また、電磁石128bは、爪片126と反対側で可動鉄芯128aに対向するように配置されている。
そして、電磁石128bの通電により発生する電磁力により、係止解除用ばね127の弾性力に抗して、可動鉄芯128aを電磁石128bに吸引することで、爪片126が図14の反時計周り方向に回転駆動されるようになっている。これにより、爪片126の先端部がラック125の凹部に嵌り込んで、ロック機構122が係止状態になるようになっている。
図14に示す張力付与装置120は以上の如く構成されている。
かかる張力付与装置120では、例えば、次のように動作制御が行われる。すなわち、ジグザグ構造体13を有する脚リンク3と同じ側(右側又は左側)の人の脚が遊脚となっている状態では、電磁アクチュエータ128がオフ状態(電磁石128bの通電を遮断した状態)とされる。このとき、係止解除用ばね127の弾性力によって、爪片126の先端部がラック125の凹部から離脱することで、ロック機構122が係止解除状態となる。このとき、ワイヤ16には、プリテンション用ばね123による弱い張力(プリテンション)だけが作用する。
このため、ジグザグ構造体13が、遊脚となっている人の脚の屈伸に伴う第1部材11及び第2部材12の相対変位に合わせて、滑らかに屈曲変形する。
また、脚リンク3と同じ側の人の脚が支持脚となっている状態では、前記電磁アクチュエータ128がオン状態(電磁石128bに通電している状態)とされる。これにより、ロック機構122が、係止状態(爪片126がラック125の凹部に嵌り込んだ状態)に保持される。従って、ワイヤ16が筐体121から引き出される方向にラック125が移動する(第1部材11が第2部材12から遠ざかるようにワイヤ16が第2部材12に対して走行する)のが阻止され、第1部材11と第2部材12との間の距離(ワイヤ16に沿った距離)が拘束される。
その結果、ジグザグ構造体13を屈曲させようとしたときに、ワイヤ16に付与される張力が増大し、さらには、該ジグザグ構造体13が、第1部材11と第2部材12との間で比較大きな弾性力(ジグザグ構造体13の屈曲を解消するように作用する弾性力)を発生する。
このため、人がその支持脚を屈曲させた場合(腰を落とした場合)に、その支持脚を伸ばす方向の力を該支持脚に作用させることができる。
また、ワイヤ16の弛みが発生した場合には、ロック機構122の動作状態によらずに、プリテンション用ばね123によるプリテンションがワイヤ16に付与される。これによりワイヤ16の弛みが解消される。
以上の如く、図14に示す構成の張力付与装置120を使用した場合でも、第1実施形態等と同様に、ジグザグ構造体13の屈曲時に適宜、該屈曲を解消するように機能する弾性力を該ジグザグ構造体13に発生させることができる。
なお、図14に示す張力付与装置120では、爪片126を回転させることで、ロック機構122の係止状態及び係止解除状態の切替えを行うようにしたが、爪片(もしくはピン)を直動させることによりラック125等の部材の凹部に係脱させ、それによりロック機構の動作状態の切替えを行うようにしてもよい。
また、ロック機構を、ワイヤ16等の可撓性長尺部材の巻き取り及び引き出しを行うプーリ等の回転部材の係止及びその係止の解除を機構的に行うように構成してもよい。
また、以上説明した実施形態あるいは変形態様の歩行補助装置では、第1部材11(又は66)を下フレーム7を介して人の脚の下腿部に装着し、第2部材12(又は67)を上フレーム6を介して人の脚の大腿部に装着した。ただし、第1部材11(又は66)を人の足部に回転自在に装着し、あるいは、第2部材12(又は67)を人の腰部に回転自在に装着してもよい。
また、以上説明した実施形態あるいは変形態様では、本発明の関節機構を歩行補助装置に適用した場合を例にとって説明したが、本発明の関節機構は、歩行補助装置に限らず、例えば人の腕の屈伸を補助する装置、あるいは、人の上体の屈伸を補助する装置等にも適用できる。さらには、本発明の関節機構をロボットなどに適用してもよい。
4…関節機構、11,66…第1部材、12,67…第2部材、13,68,81,85,91,101…ジグザグ構造体、14,82,86,92,102…要素部材、15,70,83,88,93…脚部間弾性部材、16,71…ワイヤ(可撓性長尺部材)、20…カバー部材、30,120…張力付与装置、35…電動モータ(アクチュエータ)、36…ブレーキ装置、37…クラッチ装置、38…ワンウェイクラッチ機構、33…プリテンション発生装置、103…ストッパ部材、122…ロック機構、123…プリテンション用ばね(プリテンション発生装置)。

Claims (18)

  1. 第1部材と第2部材とを相対変位可能に連結する関節機構であって、
    前記第1部材と第2部材との間で該第1部材から第2部材に向かって横方向に振幅を有してジグザグ状に連なるように形成された弾性体により構成され、前記第1部材側の端部と第2部材側の端部とがそれぞれ第1部材、第2部材に連結されたジグザグ構造体であって、その振幅中心線の方向での長さと該振幅中心線の屈曲度合とが変化し得るように変形可能に構成されたシグザグ構造体と
    前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する頂部のうちの1つ以上の頂部のそれぞれから二股状に延在する一対の脚部の間に介装された弾性体からなる脚部間弾性部材と、
    前記第1部材側から第2部材側に向かって延在するように配置され、前記第1部材側の一端部が該第1部材に固定されると共に、前記第2部材に対して走行可能に設けられた可撓性長尺部材であって、張力が付与された状態で前記ジグザグ構造体を前記第1部材と第2部材との間で押圧する力を該ジグザグ構造体に作用させる可撓性長尺部材と、
    前記可撓性長尺部材の他端部側から該可撓性長尺部材に張力を付与する装置であって、該張力の大きさを変更可能に構成された張力付与装置とを備えており、
    前記可撓性長尺部材は、前記ジグザグ構造体の振幅方向の両側のうちの一方側寄りの位置で延在するように配置されており、
    前記脚部間弾性部材は、少なくとも前記張力付与装置により前記可撓性長尺部材に所定値以上の張力を付与した状態で、該脚部間弾性部材の両側の一対の脚部の間隔が狭まる方向に前記ジグザグ構造体を屈曲変形させたときに、当該一対の脚部間で圧縮されることにより、前記ジグザグ構造体の屈曲変形を解消するように機能する弾性力を発生するように構成されていることを特徴とする関節機構。
  2. 請求項記載の関節機構において、
    前記脚部間弾性部材は、その両側の一対の脚部のうちの一方の脚部に固着されたゴム製の第1弾性部材と、他方の脚部に前記第1弾性部材に対向するように固着されたゴム製の第2弾性部材とから構成され、該一対の脚部間で圧縮されるとき、前記第1弾性部材と第2弾性部材とが互いに接触した状態で圧縮されることを特徴とする関節機構。
  3. 請求項1又は2記載の関節機構において、
    前記脚部間弾性部材は、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する複数の頂部のそれぞれから二股状に延在する一対の脚部の間に介装されており、前記ジグザグ構造体をその振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲変形させたときに、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する複数の頂部のそれぞれに対応する脚部間弾性部材のひずみが相互に均一に近づくように、当該複数の頂部のそれぞれに対応する脚部間弾性部材の剛性又は配置が設定されていることを特徴とする関節機構。
  4. 第1部材と第2部材とを相対変位可能に連結する関節機構であって、
    前記第1部材と第2部材との間で該第1部材から第2部材に向かって横方向に振幅を有してジグザグ状に連なるように形成された弾性体により構成され、前記第1部材側の端部と第2部材側の端部とがそれぞれ第1部材、第2部材に連結されたジグザグ構造体であって、その振幅中心線の方向での長さと該振幅中心線の屈曲度合とが変化し得るように変形可能に構成されたシグザグ構造体と、
    前記第1部材側から第2部材側に向かって延在するように配置され、前記第1部材側の一端部が該第1部材に固定されると共に、前記第2部材に対して走行可能に設けられた可撓性長尺部材であって、張力が付与された状態で前記ジグザグ構造体を前記第1部材と第2部材との間で押圧する力を該ジグザグ構造体に作用させる可撓性長尺部材と、
    前記可撓性長尺部材の他端部側から該可撓性長尺部材に張力を付与する装置であって、該張力の大きさを変更可能に構成された張力付与装置とを備えており、
    前記可撓性長尺部材は、前記ジグザグ構造体の振幅方向の両側のうちの一方側寄りの位置で延在するように配置されており、
    前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部毎に、該頂部から二股状に延在する一対の脚部の間隔が所定量よりも小さくなるのを阻止するストッパ部材が、該一対の脚部の少なくともいずれか一方に固設されていることを特徴とする関節機構。
  5. 請求項記載の関節機構において、
    前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部に対応するストッパ部材は、該頂部から二股状に延在する一対の脚部のそれぞれに互いに対向して固設された一対のストッパ部材から成り、該一対のストッパ部材は、その両側の一対の脚部の間隔が所定量まで小さくなったときに互いに当接すると共に、該一対のストッパ部材の一方に形成された凹部と他方に形成された凸部とが嵌合するように構成されていることを特徴とする関節機構。
  6. 第1部材と第2部材とを相対変位可能に連結する関節機構であって、
    前記第1部材と第2部材との間で該第1部材から第2部材に向かって横方向に振幅を有してジグザグ状に連なるように形成された弾性体により構成され、前記第1部材側の端部と第2部材側の端部とがそれぞれ第1部材、第2部材に連結されたジグザグ構造体であって、その振幅中心線の方向での長さと該振幅中心線の屈曲度合とが変化し得るように変形可能に構成されたシグザグ構造体と、
    前記第1部材側から第2部材側に向かって延在するように配置され、前記第1部材側の一端部が該第1部材に固定されると共に、前記第2部材に対して走行可能に設けられた可撓性長尺部材であって、張力が付与された状態で前記ジグザグ構造体を前記第1部材と第2部材との間で押圧する力を該ジグザグ構造体に作用させる可撓性長尺部材と、
    前記可撓性長尺部材の他端部側から該可撓性長尺部材に張力を付与する装置であって、該張力の大きさを変更可能に構成された張力付与装置とを備えており、
    前記可撓性長尺部材は、前記ジグザグ構造体の振幅方向の両側のうちの一方側寄りの位置で延在するように配置されており、
    前記ジグザグ構造体は、該ジグザグ構造体の振幅方向及び振幅中心線の方向に対して直交する方向に幅を有する板状の弾性体により、1つの頂部と、該頂部から一体に二股状に延在する一対の脚部とから成るU字型又は矩形型の形状に各々形成された複数の要素部材を連結してなる構造体であり、該複数の要素部材は、それぞれの頂部が前記ジグザグ構造体の振幅方向における一方側に位置する各頂部として前記振幅中心線の方向に並ぶように配列されており、さらに、互いに隣り合う要素部材の一方を第1要素部材、他方を第2要素部材と表記したとき、第1要素部材の一対の脚部のうちの第2要素部材側の脚部である第1A脚部の先端部と、第2要素部材の一対の脚部のうちの第1要素部材側の脚部である第2A脚部の先端部とが一体に連結されており、該第1A脚部の先端部と第2A脚部の先端部との連結部分が前記ジグザグ構造体の振幅方向における他方側に位置する各頂部となっており、
    前記ジグザグ構造体は、前記張力付与装置により前記可撓性長尺部材に所定値以上の張力を付与した状態で、前記第1要素部材の第1A脚部と第2要素部材の第2A脚部とが互いに当接するように構成されていることを特徴とする関節機構。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の関節機構において、
    前記ジグザグ構造体の振幅方向と振幅中心線の方向とに直交する方向である該ジグザグ構造体の厚み方向での該ジグザグ構造体の両側面を覆うように該厚み方向に間隔を存して配置される一対のカバー面を有するカバー部材をさらに備えており、前記ジグザグ構造体の変形が該カバー部材の一対のカバー面の間隔内での変形に制限されていることを特徴とする関節機構。
  8. 請求項記載の関節機構において、
    前記カバー部材は、該カバー部材の一対のカバー面の間隔内での前記ジグザグ構造体の屈曲変形に伴い、屈曲するように構成されていることを特徴とする関節機構。
  9. 第1部材と第2部材とを相対変位可能に連結する関節機構であって、
    前記第1部材と第2部材との間で該第1部材から第2部材に向かって横方向に振幅を有してジグザグ状に連なるように構成され、前記第1部材側の端部と第2部材側の端部とがそれぞれ第1部材、第2部材に連結されたジグザグ構造体であって、その振幅方向の両側のそれぞれに位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部が、当該ジグザグ構造体の振幅方向と振幅中心線の方向とに直交する軸心を有して該頂部に設けられた支軸を介して該支軸の軸心周りに相対回転自在に連結されていることによって、当該ジグザグ構造体の振幅中心線の方向での長さと該振幅中心線の屈曲度合とが変化し得るように変形可能に構成されたジグザグ構造体と、
    該ジグザグ構造体の振幅方向の両側にそれぞれ位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部の間に介装され、該一対の脚部の間隔が狭くなるに伴い圧縮されて弾性力を発生する弾性体からなる脚部間弾性部材と、
    前記第1部材側から第2部材側に向かって延在するように配置され、前記第1部材側の一端部が該第1部材に固定されると共に、前記第2部材に対して走行可能に設けられた可撓性長尺部材であって、張力が付与された状態で前記ジグザグ構造体を前記第1部材と第2部材との間で押圧する力を該ジグザグ構造体に作用させる可撓性長尺部材と、
    前記可撓性長尺部材の他端部側から該可撓性長尺部材に張力を付与する装置であって、該張力の大きさを変更可能に構成された張力付与装置とを備えることを特徴とする関節機構。
  10. 請求項記載の関節機構において、
    前記脚部間弾性部材は、その両側の一対の脚部のうちの一方に脚部に固着されたゴム製の第1弾性部材と、他方の脚部に前記第1弾性部材に対向するように固着されたゴム製の第2弾性部材とから構成され、該一対の脚部間で圧縮されるとき、前記第1弾性部材と第2弾性部材とが互いに接触した状態で圧縮されることを特徴とする関節機構。
  11. 請求項9又は10記載の関節機構において、
    前記可撓性長尺部材は、前記ジグザグ構造体の振幅方向の両側のうちの一方側寄りの位置で延在するように配置されていることを特徴とする関節機構。
  12. 請求項11記載の関節機構において、
    前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部から二股状に延在する一対の脚部の間に介装されている前記脚部間弾性部材は、前記ジグザグ構造体をその振幅方向の一方側が外側、他方側が内側となるように屈曲変形させたときに、前記ジグザグ構造体の振幅方向の一方側に位置する各頂部に対応する脚部間弾性部材のひずみが相互に均一に近づくように、当該各頂部に対応する脚部間弾性部材の剛性又は配置が設定されていることを特徴とする関節機構。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の関節機構において、
    前記第1部材と第2部材とは、前記ジグザグ構造体が人の脚の膝関節の側方に位置する状態で、該人の脚の下腿部又は足部と大腿部又は腰部とに各々装着される部材であることを特徴とする関節機構。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の関節機構において、
    前記張力付与装置は、前記可撓性長尺部材に前記張力を付与するための駆動力を発生するアクチュエータと、該アクチュエータと前記可撓性長尺部材との間の動力伝達系に介装され、前記可撓性長尺部材の走行を制動する状態と該制動を解除する状態とに動作可能なブレーキ装置とを備えることを特徴とする関節機構。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の関節機構において、
    前記張力付与装置は、前記可撓性長尺部材に前記張力を付与するための駆動力を発生するアクチュエータと、該アクチュエータと前記可撓性長尺部材との間の動力伝達を遮断する状態と、該動力伝達を行わせる状態とに動作可能なクラッチ装置とを備えることを特徴とする関節機構。
  16. 請求項14又は15記載の関節機構において、
    前記張力付与装置は、前記可撓性長尺部材の弛みを防止するための弛み防止用張力であるプリテンションを該可撓性長尺部材に付与するプリテンション発生装置をさらに備えることを特徴とする関節機構。
  17. 請求項16記載の関節機構において、
    前記アクチュエータから前記可撓性長尺部材までの間に、該可撓性長尺部材が弛む方向の力の伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構をさらに備えることを特徴とする関節機構。
  18. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の関節機構において、
    前記張力付与装置は、前記第1部材が前記第2部材から遠ざかる向きに前記可撓性長尺部材が前記第2部材に対して走行するのを阻止するように該可撓性長尺部材を係止する係止状態と該係止を解除する係止解除状態とに切替動作可能なロック機構と、前記可撓性長尺部材の弛みを防止するための弛み防止用張力であるプリテンションを該可撓性長尺部材に付与するプリテンション発生装置とを備えることを特徴とする関節機構。
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