JP5924925B2 - 二次電池用正極及び二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池用正極及び二次電池に関する。
例えば特許文献1〜9に開示されるように、リチウムイオン二次電池が知られている。近年、高容量のリチウムイオン二次電池が要求されており、リチウムイオン二次電池の容量を増加させる方法として、電極を厚型化することが提案されている。電極を厚型化することで、リチウムイオン二次電池内の活物質の体積を増加させることができる一方、セパレータや集電体、即ちリチウムイオン二次電池内の反応に寄与しない部分の体積を減少させることができるので、リチウムイオン二次電池の高容量化を図ることができる。
特開平11−283629号公報 特許第2513418号公報 特開2011−108522号公報 特開2004−356078号公報 特開2011−108522号公報 特開2009−176721号公報 特開2009−176720号公報 特開2008−270204号公報 特開2007−48692号公報
しかし、電極の厚型化に伴い、電極の単位体積あたりの反応面積(電解質層に接触する部分の面積)が低下するので、充放電時のレート(C値)が同じでも電流密度が増加してしまう。このため、電極を厚型化する技術には、電池特性、特に高率放電特性及びサイクル特性が低下してしまうという問題があった。言い換えれば、単に電極を厚型化しただけでは、リチウムイオン二次電池の十分な高容量化を図ることができなかった。
これに対し、特許文献1〜9に開示されたリチウムイオン二次電池では、正極の導電体としてカーボンナノチューブを使用する技術を開示する。これにより、正極活物質間の導電性が向上するので、電池特性が向上する。しかし、この技術だけでは、電極の厚型化に伴う電池特性の低下を十分に補うことはできなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より高容量の二次電池を作製することが可能な、新規かつ改良された二次電池用正極及び二次電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、正極活物質及び正極活物質の表面に複合化された第1の繊維状炭素を含む複合化正極活物質と、第2の繊維状炭素と、カーボンブラックと、を含み、第1の繊維状炭素の複合化正極活物質の質量に対する質量%は0.3〜2.0質量%であり、第2の繊維状炭素の第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素の総質量に対する質量%は20〜80質量%であり、カーボンブラックの第2の繊維状炭素及びカーボンブラックの総質量に対する質量%は10〜60質量%であることを特徴とする、二次電池用正極が提供される。
この観点によれば、二次電池用正極は、正極活物質及び正極活物質の表面に複合化された第1の繊維状炭素を含む複合化正極活物質と、第2の繊維状炭素と、カーボンブラックとを含み、各炭素材料の割合が上記範囲に限定されている。このため、二次電池用正極内で強固な導電性ネットワークが形成されるので、二次電池用正極の作製に必要な結着剤の量を大幅に低減することができる。したがって、高率放電特性及びサイクル特性が大幅に向上する。さらに、二次電池用正極を厚型化しても、厚型化に伴う結着剤の量を大幅に低減することができるので、高率放電特性及びサイクル特性の変動を低く抑えることができる。
ここで、正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物であってもよい。
この観点によれば、より高い容量が得られる。
また、第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素は、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、及びこれらとカーボンブラックとの複合体からなる群より選択されるいずれか1つであってもよい。
この観点によれば、導電性ネットワークがより強固になる。
また、第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素の平均繊維径は10〜150nmであり、平均繊維径は5〜30μmであってもよい。
この観点によれば、導電性ネットワークがより強固になる。
また、カーボンブラックは、ケッチェンブラック及びアセチレンブラックからなる群から選択されるいずれか1つからなってもよい。
この観点によれば、導電性ネットワークがより強固になる。
また、本発明の他の観点によれば、上記の二次電池用正極を備えることを特徴とする、二次電池が提供される。
この観点によれば、二次電池は上記の二次電池用正極を備えるので、電池特性、特に高率放電特性及びサイクル特性が向上する。
以上説明したように本発明によれば、厚型化に伴う結着剤の量を大幅に低減することができるので、高率放電特性及びサイクル特性の変動を低く抑えることができる。したがって、本発明は、より高容量の二次電池を作製することができる。
本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構成を示す断面図である。 正極で形成される導電ネットワークの概要を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.リチウムイオン二次電池の構成>
まず、図1及び図2に基づいて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池1の構成を説明する。リチウムイオン二次電池1は、正極集電体2と、正極3と、電解質層4と、負極5と、負極集電体6とを備える。
正極集電体2は、特に限定されず、例えばアルミニウム箔等により構成される。正極3は、正極活物質及び正極活物質の表面に複合化された第1の繊維状炭素を含む複合化正極活物質と、第2の繊維状炭素と、カーボンブラックと、これらを結着させる結着剤とを含む。第2の繊維状炭素及びカーボンブラックは、正極3の導電材となるものである。正極活物質は、リチウムの吸蔵及び放出を可逆的に行うことが可能なものであれば特に限定されないが、リチウム遷移金属酸化物であることが好ましい。正極活物質がリチウム遷移金属酸化物で構成される場合、より高い容量が得られる。
リチウム遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoO等のLi・Co系複合酸化物、LiNiCoMn等のLi・Ni・Co・Mn系複合酸化物、LiNiO等のLi・Ni系複合酸化物、LiMn等のLi・Mn系複合酸化物等が考えられる。正極活物質は、これらの化合物を単独又は複数混合して用いることができる。正極活物質は、高電圧時の電解液との副反応を抑制するため、上記の各物質に表面処理を施したものであってもよい。正極活物質粒子の平均凝集粒径としては、正極活物質の安全性や充填性の観点から10〜30μmが望ましい。
第1の繊維状炭素は、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、及びこれらとカーボンブラックとの複合体からなる群より選択されるいずれか1つである。これらの物質のうち、カーボンナノチューブとカーボンブラックとを複合化した繊維状炭素は分散性、導電性、繊維同士の絡み合い何れも優れているので、第1の繊維状炭素に好適である。
第1の繊維状炭素の平均繊維径が10〜150nmであり、平均繊維長が5〜30μmであることが好ましい。ここで、平均繊維径は、第1の繊維状炭素の直径(外径)の算術平均値である。平均繊維長は、第1の繊維状炭素の繊維長の算術平均値である。繊維状炭素の繊維径と繊維長は例えば電界放出形走査電子顕微鏡(JEOL製JSM−7500F)により撮影した倍率2000〜50000倍のSEM像から求めることができる。第2の繊維状炭素についても同様である。
平均繊維径が10nm未満の場合または平均繊維長が30μmを超える場合、正極作製時の繊維状炭素の分散性が悪く十分な効果が発揮され難い。また平均繊維径が150nmを超える場合、または平均繊維長が5μm未満の場合は、導電性が不十分であり更に繊維同士の絡み合いも不十分のため十分な効果が発揮され難い。
正極活物質と第1の繊維状炭素とを複合化するための具体的な方法は特に限定されず、公知の方法が任意に適用される。例えば、複合化は、乾式のメカノケミカル法により行われる。乾式のメカノケミカル法は、例えば原料の混合粉体の粒子個々に衝撃力、せん断力、圧縮力を均一的に付与する方法が考えられる。乾式のメカノケミカル法による複合化は、例えば、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等により行われる。複合化は、湿式による方法、例えばスプレーコート法や強制担時法等により行われてもよい。
このような複合化により、第1の繊維状炭素は、正極活物質の表面に強固に結合する。したがって、単に第1の繊維状炭素及び正極活物質を混合した場合よりも、高い導電性が得られる。
第2の繊維状炭素は、第1の繊維状炭素と同様のものである。即ち、第2の繊維状炭素は、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、及びこれらとカーボンブラックとの複合体からなる群より選択されるいずれか1つである。これらの物質のうち、カーボンナノチューブとカーボンブラックとを複合化した繊維状炭素は分散性、導電性、繊維同士の絡み合い何れも優れているので、第2の繊維状炭素に好適である。なお、複合化は、後述する複合化正極活物質と同様の方法により行われればよい。
第2の繊維状炭素の平均繊維径が10〜150nmであり、平均繊維長が5〜30μmであることが好ましい。カーボンブラックは、ケッチェンブラック及びアセチレンブラックからなる群から選択されるいずれか1つで構成される。
正極3内の各炭素材料の質量%は、以下のように設定される。即ち、第1の繊維状炭素の複合化正極活物質の質量に対する質量%は0.3〜2.0質量%である。第2の繊維状炭素の第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素の総質量に対する質量%は20〜80質量%である。カーボンブラックの導電材(即ち第2の繊維状炭素及びカーボンブラック)の総質量に対する質量%は10〜60質量%である。
図2(a)は、正極3を拡大して示す説明図である。図2(b)、(c)はそれぞれ図2(a)の領域A、Bを拡大して示す説明図である。図2(a)〜(c)に示すように、正極3内の各炭素材料の質量%が上記の値となる場合、複合化正極活物質100、第2の繊維状炭素110、及びカーボンブラック120は互いに強固に絡み合うことで、導電ネットワークを形成することができる。導電性ネットワークは、例えば、正極活物質101同士の間、及び正極活物質101と正極集電体2との間にそれぞれ形成される。複合化正極活物質100は、正極活物質101及び第1の繊維状炭素102を含む。この導電ネットワークは、リチウムイオン二次電池1の充放電が繰り返された場合にも、強固に保持される。したがって、正極3内の結着剤の量を大幅に低減することができる。
結着剤は、特に限定されず、公知の構成が任意に適用される。例えば、結着剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などや、これらの変性体及び誘導体、並びにアクリロニトリル体を含む共重合体、ポリアクリル酸誘導体などを用いることができる。
電解質層4、負極5、及び負極集電体6は、特に限定されず、公知の構成が任意に適用される。例えば、電解質層4は、溶媒及び電解質を含む。溶媒は、リチウム塩を溶解し得るものであればよいが、特に非プロトン性の誘電率が大きい有機溶媒が好ましい。電解質層4は、セパレータを含んでもよい。
このような有機溶媒としては、たとえば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、スクシノニトリル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、エチレンスルフィドなどを挙げることができる。これらの溶媒を単独、あるいは適宜混合して用いることが可能である。
電解質としては、安定なアニオンを生成するリチウム塩、たとえば、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、六塩化アンチモン酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)などが好適である。セパレータは、合成繊維製またはガラス繊維製の不織布、織布やポリオレフィン系多孔質膜、ポリテトラフルオロエチレンの不織布等で構成される。
負極5は、負極活物質及び結着剤を含む。負極活物質は、リチウムの吸蔵及び放出を可逆的に行うことが可能であれば特に限定されず、公知の構成が任意に適用される。例えば、負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソカーボンファイバー(MCF)、コークス類、ガラス状炭素、有機化合物焼成体等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することができる金属、Siの化合物、Snの化合物、LiTi12、等が挙げられる。Siの化合物あるいはSnの化合物としては、例えばSi酸化物、Sn酸化物などが挙げられ、SiまたはSnに加え、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロム等の構成元素を含んでいてもよい。Siの化合物及びSnの化合物は、炭素等と複合化されていてもよい。
結着剤は、正極2の結着剤と同様のものを用いることができる。負極集電体6は、例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼等で構成される。
<2.リチウムイオン二次電池の製造方法>
リチウムイオン二次電池1の製造方法は、特に限定されず、公知の方法が任意に適用される。例えば、正極3及び負極5は、各電極の材料を含むスラリーを作製し、このスラリーを集電体上に塗布し、スラリーを乾燥させ、乾燥後の積層体を圧延することで作製される。電解質層4は、電解液をセパレータに含浸させることで作製される。
<3.実施例及び比較例>
次に、本実施形態の実施例及び比較例について説明する。リチウムイオン二次電池を構成する各材料の種類及び質量を変更して以下の各工程を行うことで、実施例1〜11、比較例1〜9に係るリチウムイオン二次電池を製造した。
(正極の作製)
平均粒径16μmのLi・Co系複合酸化物(LiCoO)と第1の繊維状炭素とをノビルタNOB−130(ホソカワミクロン株式会社製)により乾式で複合化することで複合化正極活物質を得た。このときの負荷動力は1.5kWであり、複合化処理は10分行われた。ここで、リチウムコバルト複合酸化物の平均粒径は、各粒子を球体とみなした時の粒度(直径)、いわゆる球相当径を算術平均した値である。平均粒径は、レーザ回折・散乱式粒度分析計MT3000(マイクロトラック製)により測定された。
得られた複合化正極活物質と、導電材としての第2の繊維状炭素及びケッチェンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを所定の割合で混合し、さらに溶媒であるN−メチルピロリドン(NMP)溶液を適量加えて混合することによりスラリーを作製した。なお、結着剤はNMPを除く合剤総重量に対し0.3〜2.0質量%の範囲で混合した。
次に、作製したスラリーを、乾燥後の塗布質量が40mg/cmとなるようにドクターブレード法によりアルミニウム箔からなる厚み15μmの正極集電体の片面に塗布した。その後、NMP蒸気を排気しながら80℃に保った恒温槽中で乾燥させることで、NMPを揮発させた。乾燥したシートを、ロールプレスを用いて厚さ125μmに圧延し、さらにこれを100℃で真空乾燥させることにより正極を得た。
(負極の作製)
負極活物質である黒鉛と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液とを、負極活物質と結着剤と増粘剤との質量比が98:1:1になるように調製した。ついで、これらを混練することで負極スラリーを作製した。
次に、この負極スラリーを、乾燥後の塗布質量が19mg/cmとなるように銅箔からなる厚み10μmの負極集電体の片面に塗布し、80℃に保った恒温槽中で乾燥させることで、水を揮発させた。乾燥後のシートを、ロールプレスを用いて厚さ119μmに圧延し、さらにこれを100℃で真空乾燥させることにより負極を得た。
(電解液の作製)
エチレンカーボネート(EC)及びジメチルカーボネート(DMC)を体積比3:7で混合した溶媒に対し、LiPFを1モル/リットルとなるように溶解することでLiPF溶液を作製した。ついで、LiPF溶液100質量部に対し1質量部のビニレンカーボネートを混合することで、電解液を作製した。
(電池の作製)
上記の方法で作製した正極及び負極を所定の大きさに切り出し、集電体である金属箔に集電タブを取付けた。次いで、正極及び負極の間にポリオレフィン系微多孔膜(ND525(旭化成イーマテリアルズ株式会社製))からなる厚さ25μmのセパレータを挟むことで、平板状電極体とした。この平板状電極体を、PET(ポリエチレンテレフタート)及びアルミニウムの積層体で構成されたラミネート容器中に挿入し、開口部から集電タブが外部に突き出る状態とした後、外装体の封止部を封止した。次に、上記の外装体の開口部から、上記電解液を注入し、その後、開口部を封止することにより、電池を作製した。
以上のようにして作製した電池を、室温環境下上限電圧4.35V、0.2Cの定電流定電圧充電後、下限電圧3.0Vまでの0.2Cの定電流放電を5サイクル行い、電池を十分に活性化させた後各評価に供した。
(放電容量測定)
室温環境下0.5Cの定電流定電圧充電を上限電圧4.35Vまで行った後、0.2Cの定電流放電を下限電圧3.0Vまで行うことで0.2C放電容量を測定した。次に0.5Cの定電流定電圧充電を上限電圧4.35Vまで行った後、1Cの定電流放電を下限電圧3.0Vまで行うことで1C放電容量を測定した。
(サイクル特性の測定)
室温環境下上限電圧4.35V、0.5Cの定電流定電圧充電と下限電圧3.0Vまでの1Cの定電流放電を300サイクル行い、1サイクル目の放電容量に対する300サイクル目の放電容量維持率をサイクル特性として求めた。
(正極シート保持に必要なバインダー量の評価)
正極が正極集電体に保持されるために必要な結着剤量を、得られた正極と正極集電体との180°剥離強度測定を行うことで導き出した。剥離強度測定は、以下のように行われた。
(正極剥離強度測定)
正極側に粘着テープを貼り、180°ピール試験を行った。ピール速度は100mm/minとした。同様の試験を2回行い、得られた値の算術平均値を測定値とした。
表1に、炭素材料の種類、質量%、及び測定結果を実施例及び比較例毎に示す。
Figure 0005924925
表1において、VGCFは、平均繊維径150nmの平均繊維長15μmの黒鉛化気相成長炭素繊維であり、CNT−Aは、平均繊維径60nmの平均繊維長7μmのカーボンナノチューブとアセチレンブラックを比表面積が70m/gになるようにメカノケミカル的に複合化させたものである。ここで、比表面積の測定は、NOVA4200e(Quantachrome製)により行われた。CNT−Bは、平均繊維径11nmの平均繊維長10μmのカーボンナノチューブである。また、正極シート保持に必要なバインダー量、0.2C放電容量、及び1C放電容量は、いずれも比較例1の値を100とした相対値である。
表1に示すように、実施例1〜11では、比較例1〜9よりも特に高率放電特性(1C放電容量)及びサイクル特性が向上している。この理由としては、以下のものが考えられる。
即ち、実施例1〜11では、各炭素材料の割合が上記範囲に限定されているため、複合化正極活物質内の第1の繊維状炭素と、第2の繊維状炭素とが複雑に絡み合い、結果として、強固な導電性ネットワークが形成されている。即ち、第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素が結着剤類似機能を発揮している。
これに対し、比較例1〜9では、繊維状炭素が単に混合されている、繊維状炭素を複合化した活物質だけを用いている、または、各繊維状炭素及びカーボンブラックの量が規定範囲外となっているので、導電性ネットワークが形成されないか、または、導電性ネットワーク内の結合力が実施例1〜11よりも弱くなっている。したがって、実施例1〜11では、結着剤の量が大幅に低減されるので、高率放電特性及びサイクル特性が向上すると考えられる。
以上により、本実施形態の正極3は、正極活物質及び正極活物質の表面に複合化された第1の繊維状炭素を含む複合化正極活物質と、第2の繊維状炭素と、カーボンブラックとを含み、各炭素材料の割合が上記範囲に限定されている。このため、正極内で強固な導電性ネットワークが形成されるので、正極の作製に必要な結着剤の量を大幅に低減することができる。したがって、高率放電特性及びサイクル特性が大幅に向上する。さらに、正極3を厚型化しても、厚型化に伴う結着剤の量を大幅に低減することができるので、高率放電特性及びサイクル特性の変動を低く抑えることができる。したがって、本実施形態は、より高容量の二次電池を作製することができる。
さらに、第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素は、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、及びこれらとカーボンブラックとの複合体からなる群より選択されるいずれか1つであるので、導電性ネットワークがより強固になる。
さらに、第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素の平均繊維径は10〜150nmであり、平均繊維径は5〜30μmであるので、導電性ネットワークがより強固になる。
さらに、カーボンブラックは、ケッチェンブラック及びアセチレンブラックからなる群から選択されるいずれか1つからなるので、導電性ネットワークがより強固になる。
さらに、リチウムイオン二次電池1は、正極3を備えるので、高率放電特性及びサイクル特性が優れている。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明は、巻回構造を有する円型、楕円型あるいは多角形型の二次電池、または、正極および負極を折り畳んだり複数積層したりするなど他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、本発明は、コイン型,ボタン型,角形あるいはラミネートフィルム型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電解質として電解液を用いる場合について説明したが、電解液を高分子化合物などの保持体に保持させたゲル状の電解質を用いるようにしてもよい。このような高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル,ポリフッ化ビニリデン,フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体,ポリテトラフルオロエチレン,ポリヘキサフルオロプロピレン,ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリフォスファゼン,ポリシロキサン,ポリ酢酸ビニル,ポリビニルアルコール,ポリメタクリル酸メチル,ポリアクリル酸,ポリメタクリル酸,スチレン−ブタジエンゴム,ニトリル−ブタジエンゴム,ポリスチレンあるいはポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的安定性の点からはポリアクリロニトリル,ポリフッ化ビニリデン,ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
1 リチウムイオン二次電池
2 正極集電体
3 正極
4 電解質層
5 負極
6 負極集電体

Claims (6)

  1. 正極活物質及び前記正極活物質の表面に複合化された第1の繊維状炭素を含む複合化正極活物質と、第2の繊維状炭素と、カーボンブラックと、を含み、
    前記第1の繊維状炭素の前記複合化正極活物質の質量に対する質量%は0.3〜2.0質量%であり、
    前記第2の繊維状炭素の前記第1の繊維状炭素及び前記第2の繊維状炭素の総質量に対する質量%は20〜80質量%であり、
    前記カーボンブラックの前記第2の繊維状炭素及び前記カーボンブラックの総質量に対する質量%は10〜60質量%であることを特徴とする、二次電池用正極。
  2. 前記正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物であることを特徴とする、請求項1記載の二次電池用正極。
  3. 前記第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素は、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、及びこれらとカーボンブラックとの複合体からなる群より選択されるいずれか1つであることを特徴とする、請求項1または2記載の二次電池用正極。
  4. 前記第1の繊維状炭素及び第2の繊維状炭素の平均繊維径は10〜150nmであり、平均繊維長は5〜30μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池用正極。
  5. 前記カーボンブラックは、ケッチェンブラック及びアセチレンブラックからなる群から選択されるいずれか1つからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池用正極。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池用正極を備えることを特徴とする、二次電池。
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