JP5922483B2 - 抄紙用フェルト - Google Patents

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Description

本発明は、製紙機の、湿紙から水分を搾水するプレスパートにおいて使用される抄紙用フェルトに係り、詳細には、基布が製紙面側の上経糸と、走行面側の下経糸と、上経糸及び下経糸の双方に織り込まれた緯糸とを有する経2重織構造に形成された基布を有する抄紙用フェルトに関する。
製紙機のプレスパートでは、基布と基布に結合されたバット繊維層とからなる抄紙用フェルト(プレスフェルト)が使用されている。抄紙用フェルトは、湿紙の表面を平滑にするために製紙面の平滑性が要求されると共に、湿紙から効率良く搾水するために高い搾水性が要求されている。これらの性質を充足するために、製紙面側の上経糸と、走行面側の下経糸と、上経糸及び下経糸の双方に織り込まれた緯糸とを有する経2重織構造に形成された基布を抄紙用フェルトに使用することがある(例えば、特許文献1)。経2重織構造は、上経糸による上層(製紙面側層)と、下経糸による下層(走行面側層)とが形成されることによって、基布内の空隙体積が大きくなり、プレス時に湿紙からより多くの水分を吸収することができる。また、経2重織構造では、上経糸の数を増やしたり、径を小さくしたりすることによって、上層を下層に対して緻密に形成することができるため、搾水性を維持しつつ、製紙面の平滑性を向上させることができる。また、上経糸が連続して緯糸の製紙面側を通過するように織り込むことによって、上経糸の直線状に延在した部分が基布の製紙面を形成し、抄紙用フェルトの製紙面が平滑になる。
特開2009−155747号公報
しかしながら、図9の(a)及び(b)に示すように、経糸71が緯糸72の製紙面側又は走行面側に連続して配置される部分では、経糸71と緯糸72とのナックル部が減少する。そのため、経糸71が緯糸72に対して浮き上がった形態(浮糸形態という)を取ることがあり、織り構造の締りが緩くなって(すなわち、空隙体積が大きくなり)、基布の厚みが増大する。図9(c)に示すように、経糸が緯糸の製紙面側及び走行面側を交互に通過するヒラ組織では、浮糸形態が抑制され、基布は薄くなる。図9の(a)及び(b)に示すように、基布は、経糸が緯糸の一方側を連続して通過する本数が多くなるほど、浮糸形態を取り易くなって厚みが増大する。このような浮糸形態を有する抄紙用フェルトは、プレスパートで継続使用されることによって、圧縮されて厚みが減少し、次第に厚み及び形態が安定して浮糸形態をとらないようになる。しかしながら、基布の形態が安定するまでの期間は、抄紙用フェルトの搾水性及び平滑性等の特性が変化するため、製造条件(使用条件)が安定し難いという問題がある。また、形態が安定するまでに時間を要することから、形態が安定して抄紙用フェルトの特性が最適となった後の寿命が短いという問題がある。
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであって、経2重織構造に形成された基布を有する抄紙用フェルトにおいて、使用開始から短期間の間に厚み及び特性を安定させることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、製紙面(4)側の上経糸(5)と、走行面(6)側の下経糸(7)と、前記上経糸及び前記下経糸の双方に織り込まれた緯糸(8)とを有する経2重織構造に形成された基布(2)と、前記基布にニードリングされたバット繊維層(3)とを有する抄紙用フェルト(1)であって、前記経2重織構造の繰り返し単位(10)において、前記上経糸の本数の50%〜75%が、任意の前記緯糸の走行面側を通過し、次の前記緯糸の製紙面側を通過し、その次の前記緯糸の走行面側を通過する上ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成し、前記下経糸の本数の50%〜75%が、任意の前記緯糸の製紙面側を通過し、次の前記緯糸の走行面側を通過し、その次の前記緯糸の製紙面側を通過する下ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成することを特徴とする。
この構成によれば、上ヒラ組織及び下ヒラ組織を導入したことによって、上経糸及び下経糸と緯糸とのナックル部が増大し、上経糸及び下経糸の浮糸形態が抑制される。これにより、抄紙用フェルトは、初期状態(製造後の状態)から厚みが安定すると共に、製紙機において使用開始後、比較的短い期間で搾水性及び平滑性等の特性が安定するようになる。上ヒラ組織を有する上経糸の割合、及び下ヒラ組織を有する下経糸の割合は、大きいほど上経糸及び下経糸のナックル部が増加して基布の厚みが安定するが、ナックル部が増加することによって基布が固く締り、柔軟性が低下する。そのため、経2重織構造の繰り返し単位において、上経糸の50%〜75%が上ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成し、下経糸の50%〜75%が下ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成する割合で、十分な柔軟性を有し、かつ継続使用による厚み変動が小さい抄紙用フェルトを形成することができる。
上記の発明において、前記経2重織構造の繰り返し単位は、3本の前記上経糸と、3本の前記下経糸と、8本の緯糸とから構成され、前記経2重織構造の繰り返し単位において、前記上経糸の2本が前記上ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成し、前記下経糸の2本が前記下ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成するようにしてもよい。また、この発明において、前記上ヒラ組織を形成しない前記上経糸は、連続して3本の前記緯糸の製紙面側を通過した後、次の1本の前記緯糸の走行面側を通過するように織り込まれ、前記下ヒラ組織を形成しない前記下経糸は、連続して3本の前記緯糸の走行面側を通過した後、次の1本の前記緯糸の製紙面側を通過するように織り込まれているようにしてもよい。
また、上記の発明において、前記経2重織構造の繰り返し単位は、3本の前記上経糸と、3本の前記下経糸と、6本の緯糸とから構成され、前記経2重織の前記繰り返し単位において、前記上経糸の2本が前記上ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成し、前記下経糸の2本が前記下ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成するようにしてもよい。また、前記上ヒラ組織を形成しない前記上経糸は、連続して2本の前記緯糸の製紙面側を通過した後、次の1本の前記緯糸の走行面側を通過するように織り込まれ、前記下ヒラ組織を形成しない前記下経糸は、連続して2本の前記緯糸の走行面側を通過した後、次の1本の前記緯糸の製紙面側を通過するように織り込まれているようにしてもよい。
これらの構成によれば、本発明の課題を解決し得る抄紙用フェルトを好適に実施することができる。
以上の構成によれば、経2重織構造に形成された基布を有する抄紙用フェルトにおいて、使用開始から短期間の間に厚み及び特性を安定させることができ、初期なじみ及び搾水性を向上させることができる。
第1実施形態に係る抄紙用フェルトの模式的な断面図 第1実施形態に係る基布の織り構造を製紙面側から見た概略図 第2実施形態に係る基布の織り構造を製紙面側から見た概略図 第3実施形態に係る基布の織り構造を製紙面側から見た概略図 第4実施形態に係る基布の織り構造を製紙面側から見た概略図 第1実施形態に対する比較例に係る基布の織り構造を製紙面側から見た概略図 フェルトの水保持能力を測定するための測定装置の概略構成図 プレス回数によるフェルトの水保持能力の変化を示すグラフ (a)、(b)経糸の浮糸形態を示す概略図、(c)ヒラ組織における経糸の形態を示す概略図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態に係る抄紙用フェルト1は、製紙機のプレスパートにおいて抄紙を運搬すると共に、抄紙の加圧脱水に使用される。
第1実施形態に係るフェルト1は、図1及び図2に示すように、ニードリングにより基布2にバット繊維層3を積層一体化してなるものであり、基布2は、湿紙が載るフェルト1の製紙面4側の上経糸5(5a〜5c)と、抄紙機のロールなどに当接するフェルト1の走行面6側の下経糸7(7a〜7c)と、上経糸5及び下経糸7の双方に織り込まれた緯糸8(8a〜8h)とからなる経糸2重・緯糸1重の経2重織構造をなしている。本実施形態の経2重織構造では、上経糸5及び下経糸7の本数は同じであり、幅方向において交互に配置されている。本実施形態では、上経糸5及び下経糸7が丈方向に延在し、緯糸8が幅方向に延在している。
上経糸5、下経糸7及び緯糸8は、例えば、モノフィラメントや撚り糸、芯鞘繊維等の公知の糸を適用することができ、その材質は、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂であってよい。
図2に示すように、基布2の経2重織構造の繰り返し単位10は、3本の上経糸5a〜5cと、3本の下経糸7a〜7cと、8本の緯糸8a〜8hとによって6×8(経糸6本×緯糸8本)に形成されている。
任意の上経糸5が、任意の緯糸8の走行面側を通過し、次の1本の緯糸8の製紙面側を通過し、その次の緯糸8の走行面側を通過する織り構造パターンを上ヒラ組織11(11a、11b)とし、任意の下経糸7が、任意の緯糸8の製紙面側を通過し、次の1本の緯糸8の走行面側を通過し、その次の緯糸8の製紙面側を通過する織り構造パターンを下ヒラ組織13(13a、13b)とする。
繰り返し単位10内には、上経糸5bが、緯糸8fの走行面側を通過し、次の緯糸8gの製紙面側を通過し、その次の緯糸8hの走行面側を通過した上ヒラ組織11aが形成されていると共に、上経糸5cが、緯糸8bの走行面側を通過し、次の緯糸8cの製紙面側を通過し、その次の緯糸8dの走行面側を通過した上ヒラ組織11bが形成されている。繰り返し単位10内において、上ヒラ組織11は、1本の上経糸5に1箇所のみ形成されている。上経糸5b及び5cにおいて、上ヒラ組織11a、11b以外の部分は、任意の織り構造であってよく、本実施形態では上経糸5が2本の緯糸8の製紙面側を連続して通過し、その次の緯糸8の走行面側を通過し、その次の2本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を有している。
上ヒラ組織11を有さない上経糸5aは、任意の織り構造であってよく、緯糸8の製紙面側を連続して通過する本数が5本以下であることが好ましい。本実施形態では、上経糸5aが1本の緯糸8の走行面側を通過した後、次の3本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。
繰り返し単位10内には、下経糸7aが、緯糸8bの製紙面側を通過し、次の緯糸8cの走行面側を通過し、その次の緯糸8dの製紙面側を通過した下ヒラ組織13aが形成されていると共に、下経糸7cが、緯糸8fの製紙面側を通過し、次の緯糸8gの走行面側を通過し、その次の緯糸8hの製紙面側を通過した下ヒラ組織13bが形成されている。繰り返し単位10内において、下ヒラ組織13は、1本の下経糸7に1箇所のみ形成されている。下経糸7a及び7cにおいて、下ヒラ組織13a、13b以外の部分は、任意の織り構造であってよく、本実施形態では下経糸7が2本の緯糸8の走行面側を連続して通過し、その次の緯糸8の製紙面側を通過し、その次の2本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を有している。
下ヒラ組織13を有さない下経糸7bは、任意の織り構造であってよく、緯糸8の走行面側を連続して通過する本数が5本以下であることが好ましい。本実施形態では、下経糸7bが1本の緯糸8の製紙面側を通過した後、次の3本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。
本実施形態では、繰り返し単位10において、全上経糸5に対する上ヒラ組織11を有する上経糸5の本数の割合は、2/3(約67%)であり、全下経糸7に対する下ヒラ組織13を有する下経糸7の本数の割合は、2/3(約67%)となっている。
本実施形態に係るフェルト1では、基布2の繰り返し単位10において、全上経糸5の2/3に上ヒラ組織11をそれぞれ1個のみ形成し、全下経糸7の2/3に下ヒラ組織13をそれぞれ1個のみ形成したため、上経糸5及び下経糸7と緯糸8とのナックル部が適度に形成され、製造時から基布2が、薄く、締まった状態(空隙率が低い状態)となる。そのため、フェルト1は、製紙機のプレスパートにおいて継続使用した場合に、比較的短い期間で厚みや特性が一定した形態に到達する。上ヒラ組織11及び下ヒラ組織13は、当初より基布を締まった状態に形成し、プレスされても形態が変化し難いため、これらの割合が大きくなるほど、基布2の厚みが減少すると共に、プレスによる形態及び特性の経時変化が小さくなる。しかしながら、上ヒラ組織11及び下ヒラ組織13は、基布2の柔軟性を低下させ、曲がり難くするため、繰り返し単位10において、上経糸5及び下経糸7を含む全経糸のうちで、上ヒラ組織11、下ヒラ組織13を有する上経糸5、下経糸7の本数の割合は50%〜75%であることが好ましい。より詳細には、上経糸5及び下経糸7を同数有する基布2の繰り返し単位10において、全上経糸5に対する上ヒラ組織11を有する上経糸5の本数の割合が50%〜75%であり、かつ全下経糸7に対する下ヒラ組織13を有する下経糸7の本数の割合が50%〜75%であることが好ましい。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、基布2の織り組織が、第1実施形態と異なる。第2実施形態の基布2の繰り返し単位20は、3本の上経糸5a〜5cと、3本の下経糸7a〜7cと、6本の緯糸8a〜8fとによって6×6(経糸6本×緯糸6本)に形成されている。
繰り返し単位20内には、上経糸5aが、緯糸8dの走行面側を通過し、次の緯糸8eの製紙面側を通過し、その次の緯糸8fの走行面側を通過した上ヒラ組織21aが形成されていると共に、上経糸5cが、緯糸8aの走行面側を通過し、次の緯糸8bの製紙面側を通過し、その次の緯糸8cの走行面側を通過した上ヒラ組織21bが形成されている。繰り返し単位20内において、上ヒラ組織21a、21bは、1本の上経糸5に1箇所のみ形成されている。上経糸5a及び5cにおいて、上ヒラ組織21a、21b以外の部分は、任意の織り構造であってよく、本実施形態では上経糸5が3本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を有している。上ヒラ組織21a、21bを有さない上経糸5bは、任意の織り構造であってよく、本実施形態では、1本の緯糸8の走行面側を通過した後、次の2本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。
繰り返し単位20内には、下経糸7aが、緯糸8aの製紙面側を通過し、次の緯糸8bの走行面側を通過し、その次の緯糸8cの製紙面側を通過した下ヒラ組織23aが形成されていると共に、下経糸7bが、緯糸8dの製紙面側を通過し、次の緯糸8eの走行面側を通過し、その次の緯糸8fの製紙面側を通過した下ヒラ組織23bが形成されている。繰り返し単位20内において、下ヒラ組織23a、23bは、1本の下経糸7に1箇所のみ形成されている。下経糸7a及び7bにおいて、下ヒラ組織23a、23b以外の部分は、任意の織り構造であってよく、本実施形態では下経糸7が3本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を有している。下ヒラ組織23a、23bを有さない下経糸7cは、任意の織り構造であってよく、本実施形態では、1本の緯糸8の製紙面側を通過した後、次の2本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。
第2実施形態では、繰り返し単位20において、全上経糸5に対する上ヒラ組織21を有する上経糸5の本数の割合は、2/3(約67%)であり、全下経糸7に対する下ヒラ組織23を有する下経糸7の本数の割合は、2/3(約67%)となっている。
第3実施形態では、基布2の織り組織が、第1及び第2実施形態と異なる。第3実施形態の基布2の繰り返し単位30は、4本の上経糸5a〜5dと、4本の下経糸7a〜7dと、8本の緯糸8a〜8hとによって8×8(経糸8本×緯糸8本)に形成されている。
繰り返し単位30内には、上経糸5bが、緯糸8fの走行面側を通過し、次の緯糸8gの製紙面側を通過し、その次の緯糸8hの走行面側を通過した上ヒラ組織31aが形成されていると共に、上経糸5dが、緯糸8bの走行面側を通過し、次の緯糸8cの製紙面側を通過し、その次の緯糸8dの走行面側を通過した上ヒラ組織31bが形成されている。繰り返し単位30内において、上ヒラ組織31a、31bは、1本の上経糸5に1箇所のみ形成されている。上経糸5b及び5dにおいて、上ヒラ組織31a、31b以外の部分は、任意の織り構造であってよく、本実施形態では上経糸5が2本の緯糸8の製紙面側を連続して通過した後、次の1本の緯糸8の走行面側を通過し、その次の2本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を有している。上ヒラ組織31a、31bを有さない上経糸5a、5cは、任意の織り構造であってよく、本実施形態では、1本の緯糸8の走行面側を通過した後、次の3本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。
繰り返し単位30内には、下経糸7aが、緯糸8bの製紙面側を通過し、次の緯糸8cの走行面側を通過し、その次の緯糸8dの製紙面側を通過した下ヒラ組織33aが形成されていると共に、下経糸7cが、緯糸8fの製紙面側を通過し、次の緯糸8gの走行面側を通過し、その次の緯糸8hの製紙面側を通過した下ヒラ組織33bが形成されている。繰り返し単位30内において、下ヒラ組織33a、33bは、1本の下経糸7に1箇所のみ形成されている。下経糸7a及び7cにおいて、下ヒラ組織33a、33b以外の部分は、任意の織り構造であってよく、本実施形態では下経糸7が2本の緯糸8の走行面側を連続して通過し、次の1本の緯糸8の製紙面側を通過し、その次の2本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を有している。下ヒラ組織33a、33bを有さない下経糸7b、7dは、任意の織り構造であってよく、本実施形態では、1本の緯糸8の製紙面側を通過した後、次の3本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。
第3実施形態では、繰り返し単位30において、全上経糸5に対する上ヒラ組織31を有する上経糸5の本数の割合は、2/4(約50%)であり、全下経糸7に対する下ヒラ組織33を有する下経糸7の本数の割合は、2/4(約50%)となっている。
第4実施形態では、基布2の織り組織が、第1〜第3実施形態と異なる。第4実施形態の基布2の繰り返し単位35は、4本の上経糸5a〜5dと、4本の下経糸7a〜7dと、8本の緯糸8a〜8hとによって8×8(経糸8本×緯糸8本)に形成されている。
繰り返し単位35内には、上経糸5bが、緯糸8fの走行面側を通過し、次の緯糸8gの製紙面側を通過し、その次の緯糸8hの走行面側を通過した上ヒラ組織36aと、上経糸5cが、緯糸8aの走行面側を通過し、次の緯糸8bの製紙面側を通過し、その次の緯糸8cの走行面側を通過した上ヒラ組織36bと、上経糸5dが、緯糸8bの走行面側を通過し、次の緯糸8cの製紙面側を通過し、その次の緯糸8dの走行面側を通過した上ヒラ組織36cとが形成されている。繰り返し単位35内において、上ヒラ組織36a、36b、36cは、1本の上経糸5に1箇所のみ形成されている。上経糸5b、5c、5dにおいて、上ヒラ組織36a、36b、36c以外の部分は、任意の織り構造であってよく、本実施形態では上経糸5が2本の緯糸8の製紙面側を連続して通過した後、次の1本の緯糸8の走行面側を通過し、その次の2本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を有している。上ヒラ組織36a、36b、36cを有さない上経糸5aは、任意の織り構造であってよく、本実施形態では、1本の緯糸8の走行面側を通過した後、次の3本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。
繰り返し単位35内には、下経糸7aが、緯糸8bの製紙面側を通過し、次の緯糸8cの走行面側を通過し、その次の緯糸8dの製紙面側を通過した下ヒラ組織38aと、下経糸7cが、緯糸8fの製紙面側を通過し、次の緯糸8gの走行面側を通過し、その次の緯糸8hの製紙面側を通過した下ヒラ組織38bと、下経糸7dが、緯糸8dの製紙面側を通過し、次の緯糸8eの走行面側を通過し、その次の緯糸8fの製紙面側を通過した下ヒラ組織38cとが形成されている。繰り返し単位35内において、下ヒラ組織38a、38b、38cは、1本の下経糸7に1箇所のみ形成されている。下経糸7a、7c、7dにおいて、下ヒラ組織38a、38b、38c以外の部分は、任意の織り構造であってよく、本実施形態では下経糸7が2本の緯糸8の走行面側を連続して通過し、次の1本の緯糸8の製紙面側を通過し、その次の2本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を有している。下ヒラ組織38a、38b、38cを有さない下経糸7bは、任意の織り構造であってよく、本実施形態では、1本の緯糸8の製紙面側を通過した後、次の3本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。
第4実施形態では、繰り返し単位35において、全上経糸5に対する上ヒラ組織36を有する上経糸5の本数の割合は、3/4(約75%)であり、全下経糸7に対する下ヒラ組織38を有する下経糸7の本数の割合は、3/4(約75%)となっている。
第2〜第4実施形態に係るいずれのフェルトも第1実施形態に係るフェルト1と同様の効果を奏する。
本願発明を適用したフェルト(実施例1)と、比較対象としてのフェルト(比較例1)とを以下に示すように構成し、試験を行った結果を以下に示す。実施例1と比較例1のフェルト1は、基布2の織り構造が異なる。
実施例1に係るフェルト1の基布2は、第1実施形態と同様の繰り返し単位10を有する経2重織基布とした。上経糸5、下経糸7及び緯糸8は、ポリアミドから形成されたフィラメントの撚り糸であって、直径0.2mmのフィラメントを2本撚り合せ、撚り合せた糸2本を互いに撚り合わせたものとした(直径0.2mm×2本×2本)。上経糸5及び下経糸7を合せた経糸の幅方向における密度は44本/25.4mmとし、緯糸8の丈方向における密度は20本/25.4mmとした。
比較例1の基布40を図6に示す。図6に示すように、比較例1に係るフェルトの基布40は、上経糸41と、下経糸42と、上経糸41及び下経糸42の双方に織り込まれた緯糸43とからなる経2重織基布である。比較例1の上経糸41、下経糸42及び緯糸43の材質及び形状は、実施例1の上経糸5、下経糸7及び緯糸8と同様である。比較例1の基布40の経2重織構造の繰り返し単位44は、4本の上経糸41a〜41dと、4本の下経糸42a〜42dと、8本の緯糸43a〜8hとによって8×8(経糸8本×緯糸8本)に形成されている。上経糸41は、1本の緯糸8の走行面側を通過した後、次の3本の緯糸8の製紙面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。下経糸42は、1本の緯糸8の製紙面側を通過した後、次の3本の緯糸8の走行面側を連続して通過する織り構造を繰り返している。実施例1と同様に、上経糸5及び下経糸7を合せた経糸の幅方向における密度は44本/25.4mmとし、緯糸8の丈方向における密度は20本/25.4mmとした。
実施例1及び比較例1のバット繊維層3は、ポリアミド系の樹脂からなる11dtexの繊維を、製紙面側に600g/m、走行面側に200g/mでニードリングして形成した。
以上のように構成した実施例1及び比較例1のフェルト1について、フェルトの搾水性の経時変化(プレス回数)を図7に示す測定装置50を用いて測定した。図7に示すように、測定装置50は、実施例1及び比較例1に係るフェルト1を支持すると共に回転させる2つのローラ51と、フェルト1に水を供給するシャワー52と、一定の吸引力を有し、フェルト1に保持された水を吸い出すサクションボックス53と、フェルト1を加圧する2つのロール54と、ロール54によってフェルト1から搾り出された水を回収するプレス水回収部55とを有している。フェルト1は、シャワー52、サクションボックス53、ロール54を順に通過するように回転する。測定は、丈方向長さ200cm、幅方向長さ14cmのフェルト1を、走行速度1000m/分、ロール54が加える圧力50kg/cm、周回数(プレス回数)15万回とし、各周回においてサクションボックス53で回収される水量及びプレス水回収部55で回収される水量を測定した。ここでは、サクションボックス53及びプレス水回収部55で回収される水量を割合(%)で表す。
以上の測定を実施例1及び比較例1に係るフェルト1について行った結果を図8に示す。曲線61、62は、サクションボックス53で回収される水量(%)を表しており、曲線61は実施例1に対する結果を表し、曲線62は比較例1に対する結果を表している。曲線63、64は、プレス水回収部55で回収される水量(%)を表しており、曲線63は実施例1に対する結果を表し、曲線64は比較例1に対する結果を表している。図8に示す結果は、サクションボックス53で回収される水量(%)が大きいほどフェルト1の水の透水性が高いことを表している。また、周回数の増加に伴う、サクションボックス53で回収される水量(%)の変化は、使用に応じてフェルト1の透水性が変化することを表しており、変化が継続するものはフェルト1の性質が安定しないことを表している。
図8に示すように、曲線61、63から実施例1のフェルト1は、約5千回転までにサクションボックス53で回収される水量(%)が大きく減少し、その後減少が小さくなり、約7万回転以降、一定となることがわかる。これに対して、曲線62、64から比較例1のフェルトでは、約12万回転まで、サクションボックス53で回収される水量(%)が減少し続ける。以上より、実施例1のフェルト1は、比較例1のフェルトよりも短い期間で特性が安定することが確認された。これは、実施例1のフェルト1が、上ヒラ組織11及び下ヒラ組織13を含み、ナックル部が多く、基布が当初から厚みが薄く締まっている(空隙体積が小さい)一方、比較例1のフェルトが、ナックル部が少なく浮糸形態を取り得ることに起因する。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。以上の実施形態では、繰り返し単位が6×6や、6×8、8×8の場合について説明したが、例えば、12×12や8×10等の様々な繰り返し単位に適用することができる。
1…抄紙用フェルト、2…基布、3…バット繊維層、4…製紙面、5…上経糸、6…走行面、7…下経糸、8…緯糸、10…繰り返し単位、11…上ヒラ組織、13…下ヒラ組織、20…繰り返し単位、21…上ヒラ組織、23…下ヒラ組織、40…基布、41…上経糸、42…下経糸、43…緯糸、44…繰り返し単位、50…測定装置、51…ローラ、52…シャワー、53…サクションボックス、54…ロール、55…プレス水回収部

Claims (5)

  1. 製紙面側の上経糸と、走行面側の下経糸と、前記上経糸及び前記下経糸の双方に織り込まれた緯糸とを有する経2重織構造に形成された基布と、前記基布にニードリングされたバット繊維層とを有する抄紙用フェルトであって、
    前記経2重織構造の繰り返し単位において、前記上経糸の本数の50%〜75%が、任意の前記緯糸の走行面側を通過し、次の前記緯糸の製紙面側を通過し、その次の前記緯糸の走行面側を通過する上ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成し、前記下経糸の本数の50%〜75%が、任意の前記緯糸の製紙面側を通過し、次の前記緯糸の走行面側を通過し、その次の前記緯糸の製紙面側を通過する下ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成することを特徴とする抄紙用フェルト。
  2. 前記経2重織構造の繰り返し単位は、3本の前記上経糸と、3本の前記下経糸と、8本の緯糸とから構成され、
    前記経2重織構造の繰り返し単位において、前記上経糸の2本が前記上ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成し、前記下経糸の2本が前記下ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成することを特徴とする請求項1に記載の抄紙用フェルト。
  3. 前記上ヒラ組織を形成しない前記上経糸は、連続して3本の前記緯糸の製紙面側を通過した後、次の1本の前記緯糸の走行面側を通過するように織り込まれ、
    前記下ヒラ組織を形成しない前記下経糸は、連続して3本の前記緯糸の走行面側を通過した後、次の1本の前記緯糸の製紙面側を通過するように織り込まれていることを特徴とする請求項2に記載の抄紙用フェルト。
  4. 前記経2重織構造の繰り返し単位は、3本の前記上経糸と、3本の前記下経糸と、6本の緯糸とから構成され、
    前記経2重織の前記繰り返し単位において、前記上経糸の2本が前記上ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成し、前記下経糸の2本が前記下ヒラ組織をそれぞれ1つのみ形成することを特徴とする請求項1に記載の抄紙用フェルト。
  5. 前記上ヒラ組織を形成しない前記上経糸は、連続して2本の前記緯糸の製紙面側を通過した後、次の1本の前記緯糸の走行面側を通過するように織り込まれ、
    前記下ヒラ組織を形成しない前記下経糸は、連続して2本の前記緯糸の走行面側を通過した後、次の1本の前記緯糸の製紙面側を通過するように織り込まれていることを特徴とする請求項4に記載の抄紙用フェルト。
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