JP5143709B2 - 工業用二層織物 - Google Patents

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Description

本発明は接結糸の織り合わせ部で生じる網目の閉塞を発生させることなく、織物全体で均一な脱水特性を有する工業用二層織物に関する。
従来から工業用織物として経糸、緯糸で製織したものが広く使用されており、例えば製紙用織物や搬送用ベルト、ろ布等があり、用途や使用環境に適した織物特性が要求されている。そして、織物の網目を利用して原料の脱水等を行う製紙工程で使用される抄紙用織物での要求は特に厳しい。
例えば、紙に織物のワイヤーマークが転写しにくい表面平滑性に優れた織物、また原料に含まれる余分な水分を十分且つ均一に脱水するための脱水性、過酷な環境下でも好適に使用できる程度の剛性、耐摩耗性を持ち合わせたもの、そして良好な紙を製造するために必要な条件を長期間持続することのできる織物が要求されている。
その他にも繊維支持性、製紙の歩留まりの向上、寸法安定性、走行安定性等が要求されている。
さらに近年では抄紙マシンが高速化しているため、それに伴い抄紙用織物への要求も一段と厳しいものとなっている。
工業用織物の中でも最も要求が厳しい抄紙用織物について説明すれば、ほとんどの工業用織物の要求とその解決について理解できる。そこで、以下抄紙用織物を一例に挙げて説明する。
近年ではマシンの高速化に伴い、特に優れた脱水性、表面平滑性が要求されている。マシンや抄造物によって求められる脱水特性は異なっているが、どんな抄造物であっても均一な脱水性は必須条件である。
また、近年では故紙の利用が増え、微細繊維が多く混在することで脱水不足になり、十分且つ均一な脱水がより重要となり、製紙用織物への要求の解決は一段と難しくなってきている。
抄造時、脱水すべき水を織物内に保水してしまうと、その水が湿紙にはねて欠点となってしまう。保水を減らすことを目的として網厚を薄くする方法が使用されており、引用文献1には偏平糸を用いた例が示されている。
引用文献1の図2,5,8には3つの実施例の平面図が示されている。これらは上面側緯糸と下面側緯糸を織り合わせるための経糸接結糸を有する2層織物の例である。経糸接結糸は、下層では下面側緯糸と織り合わされ、上層では上面側緯糸と織り合わされ、上面側経糸のナックルに並列して織り合わせ部を形成している。
この織物には下面側経糸が存在していなく、偏平糸を用いたり、小径の2本の経糸接結糸を引き揃えて配置したことで網厚を薄くし、網の保水量を減少させることで抄造時の紙への欠点の発生を抑えることができる。しかし、経糸接結糸の上面側の織り合わせ部は、上面側経糸のナックルに並列して織り合わされているため、この部分だけが接結糸によって網目が塞がれ、ろ水性が変化して紙に厚薄ムラを与えてしまうことがあった。
また、均一な脱水性を目的として、上面側経糸と経糸接結糸からなる組を配置した二層織物が引用文献2に示されている。この織物は、上下層を織り合わせる経糸接結糸の上面側ナックルと上面側経糸組織を組み合わせることで、表面に均一な組織を形成したものである。この織物は、前記2本の経糸が共同して表面に経糸1本分の組織を形成しているた
め組織の崩れはないものの、それらが交差部を形成し、且つ実際には経糸接結糸のナックルが完全に上面側経糸のライン上に移動していなく横並びに存在しているため、経糸接結糸のナックルが存在する部分で網目を塞いでしまい、部分的に脱水性が変化することで紙にマークを与えてしまうことがあった。
米国特許5,379,808号公報 特開2004−68168号公報
本発明は、従来から問題となっていた接結糸による網目の閉塞を発生させることなく、織物全体で均一な脱水性を得ることができ、表面平滑性に優れる工業用二層織物を提供することを目的とする。
本発明に係る工業用多層織物の最大の特徴は、経糸接結糸の上面側ナックルが網目を閉塞することのない組織構成としたことにある。
すなわち、本発明者は上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)本発明は、上面側緯糸と織り合わせる上面側経糸、上面側緯糸と下面側緯糸の両方と織り合わせる経糸接結糸とを有し、前記上面側経糸と前記経糸接結糸が上下に配置されている経糸接結糸の組を有する工業用二層織物において、上面側では、隣接する2本の前記上面側経糸がそれぞれ1又は2本の上面側緯糸の上を通って形成されるナックル間において、前記経糸接結糸が1本の上面側緯糸の上を通ってナックルを形成することによって、1本の上面側緯糸の上に上面側経糸、経糸接結糸、上面側経糸の順にナックルが配置され、接結糸のナックルが上面側経糸ナックルよりも突出していないことを特徴とする工業用二層織物である。
(2)前記経糸接結糸の組の他に、上面側緯糸と織り合わせる上面側経糸、下面側緯糸と織り合わせる下面側経糸からなる上下経糸の組を有することを特徴とする上記(1)に記載の工業用二層織物である。
(3)前記上面側では、1本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸と、2本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸とを有し、当該2種類の経糸組織を交互配置してなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の工業用二層織物である。
本発明に係る工業用二層織物の構成糸としては、上面側緯糸と織り合わせる上面側経糸、上面側緯糸と下面側緯糸の両方と織り合わせる経糸接結糸が存在し、上面側経糸と経糸接結糸が上下に配置する経糸接結糸の組を構成している。
ここで、上下に配置するとあるが、上面側経糸は上面側緯糸のみと織り合わされており、経糸接結糸は上面側緯糸と下面側緯糸の両方と織り合わされているため、完全に重なって配置されているわけではなく、実際にはずれて配置されている。
また、経糸接結糸の組の他に、上面側緯糸と織り合わせる上面側経糸、下面側緯糸と織り合わせる下面側経糸からなる上下経糸の組を配置しても構わない。
上面側経糸は1もしくは2本の上面側緯糸の上を通り、次いで1または複数本の上面側緯糸の下を通る組織であり、経糸接結糸は1本の上面側緯糸の上を通り、下面側に潜って少なくとも1本の下面側緯糸とを織り合わせる組織である。そして、経糸接結糸によって上面側に形成されるナックルは隣接する2本の上面側経糸によって形成されたナックルの間に配置される組織である。
本発明に係る工業用二層織物を従来技術と比較して説明すると、図7は本発明に係る織物の上面側の平面写真であり、図8は図7の織物の経糸に沿った断面写真である。そして、図9は従来技術に係る織物の上面側の平面写真であり、図10はその経糸に沿った断面写真である。
図9の織物は、連続する織り合わせにおいてナックルが1箇所欠如した上面側経糸の欠如箇所を経糸接結糸によって形成されたナックルで補完することで(図9のサークル内)、組織の崩れがなく上下織物を織り合わせたものである。
しかし、実際には経糸接結糸が上面側にナックルを形成している部分では、前記上面側経糸と交差部を形成しているため、それらが横並びに配置して経糸接結糸は完全に上面側経糸に寄りきっていなく、他の部分と比べると網目が塞がれてしまう。そして、経糸接結糸で補完されたナックルは斜めに連続して配列しているため、網目が開いている図9のY−Z間と、塞がれている図9のX−Y間で明白な境界ができ、斜めに班が発生しているのが確認できる。これが脱水の斑となって紙に斜めのマークを与えてしまうのである。
従来技術では経糸接結糸のナックルが表面に現れる部分で他との網目の大きさが変わってしまうため斑が生じる。それに対して、図8に示されている本実施形態の経糸接結糸Bのナックルは、同じ経糸接結糸を用いた二層織物であるのにも関わらず、上面側経糸よりも表面側に突出することはなく、実質的にナックルによる網目の部分的な閉塞箇所は存在しない。これは、連続する2本の上面側経糸が並んで1本の上面側緯糸の上を通る部分で上面側緯糸は下側に引き込まれ、その引き込まれたところの中央部に経糸接結糸が掛かりナックルを形成することで、経糸接結糸は上面側経糸よりも表面側に突出することなく、網目を埋めるような位置に現れることはない。また、接結糸がこの位置に存在するのであれば、斜め方向の脱水経路が十分確保されるので、従来技術で見られたような部分的な網目の閉塞がなく、均一な脱水性と共に優れた表面平滑性が得られるという顕著な効果を奏する。このような構造及び機能は、図7,8と図9,10を比較することで理解できる。
更に図8と図10を比較してみると、図8の本発明の経糸接結糸Bは上面側経糸と交差部を形成しておらず、かつ表面に突出もしていないが、一方の図10の従来技術に係る経糸接結糸bは上面側緯糸の上を通る部分で織物表面に現れて突出している。これにより、表面平滑性に影響を与える。
この引き込みは製織張力等の製織条件や線材を変えることによって若干の修正は可能だが、上面側経糸との交差については避けることはできない。従来技術に係る織物においては、経糸接結糸の上面側ナックルは引き込んだり、突出したりして表面平滑性に悪い影響を与えてしまう。
上面側組織では、上面側経糸は1本もしくは2本の上面側緯糸の上を通る組織であり、経糸接結糸によって上面側に形成されるナックルは隣接する2本の上面側経糸が形成するナックルの間に挟まれて配置される。
経糸組織は2本の上面側緯糸の上、下を通る2/2組織を連続して配置したものや、2本の上面側緯糸の上、下を通る2/2組織と1本の上面側緯糸の上、下を通る1/1組織を交互に配置したものがある。このように2種類の経糸組織を交互配置することで、経糸組織の互いの短所を打ち消しながら互いの長所を引き出すことができるため好ましい。例えば、1/1組織は織り合わせ回数が多いため剛性、安定性に優れるが、織り合わせ回数が多いため緯糸の打ち込み限界本数が少ない。緯糸が少ないと繊維支持性が低下し、歩留まりの低下を導く。一方の2/2組織は1/1組織よりも織り合わせ回数が少ないため緯糸の打ち込み本数は多くできるが、剛性に問題をきたす。
しかし、これらの組織を交互は位置することで、打ち込み本数を増やすことができ、尚かつ剛性も向上するというこうかが得られる。
その他には1本の上面側緯糸の上、4本の上面側緯糸の下、1本の上面側緯糸の上、2
本の上面側緯糸の下を通る1/4−1/2組織を連続して配置したものや、1本の上面側緯糸の上、3本の上面側緯糸の下、2本の上面側緯糸の上、2本の上面側緯糸の下を通る組織を連続して配置したもの等がある。いずれの組織においても、経糸接結糸が上面側緯糸の上を通って形成する上面側ナックルが隣接する2本の上面側経糸が形成するナックルの間に配置される組織が形成されている。
経糸接結糸は1本の上面側緯糸の上を通る部分と、少なくとも1本の下面側緯糸の下を通る部分を有する組織であり、上面側緯糸の上を通って形成するナックルの位置を検討する必要がある。適切な場所に経糸接結糸の上面側ナックルを配置させないと本発明の特徴である網目の閉塞をなくすことはできず、また、経糸接結糸が2本以上の上面側緯糸の上を通る組織とすると、上面側経糸の組織によっては緯糸の寄りが発止し緯糸の間隔が不均一になり均一な脱水性が得られなくなる。
下面側組織は、下面側では経糸接結糸が下面側緯糸と織り合わせて下面側組織の少なくとも一部を形成し、下面側経糸が存在する場合には、経糸接結糸と下面側経糸が下面側緯糸と織り合わせて規則的な下面側組織を形成するのが好ましい。また、経糸接結糸を下面側組織形成用としてではなく、単なる接結糸として利用した構造としても構わない。織物の用途によっては下面側緯糸をロングクリンプ構造にするのが好ましい。例えば、下面側緯糸が2本の経糸の上を通り、6本の経糸の下を通ってロングクリンプを形成する組織や、2本の経糸が引き揃って平織を形成する畝織組織等でも構わない。
本発明に係る工業用二層織物に使用される糸は、用途によって選択することができる。例えば、モノフィラメントの他、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や嵩高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、あるいはこれらを撚り合わせる等して組み合わせた糸が使用できる。また、糸の断面形状も円形だけでなく四角形状や星型等の短形状の糸や楕円形状、中空等の糸が使用できる。また、糸の材質としても、自由に選択でき、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、綿、ウール、金属等が使用できる。もちろん、共重合体やこれらの材質に目的に応じて種々の物質をブレンドしたり含有させた糸を使用しても良い。
抄紙用ワイヤーとしては種々の材料を用いることができるが、一般的には上面側経糸、下面側経糸、経糸接結糸、上面側緯糸には剛性があり、寸法安定性に優れるポリエステルモノフィラメントを用いるのが好ましい。また、耐摩耗性が要求される下面側緯糸としては、ポリエステルモノフィラメントとポリアミドモノフィラメントを交互に配置するのが好ましい。交織することによって剛性を確保しつつ耐摩耗性を向上できるからである。
構成糸の線径としては、上面側緯糸は下面側緯糸より小径である方が表面平滑性、繊維支持性等の問題から好ましく、経糸の線径については適宜選択でき、全ての経糸を同線径としてもよく、下面側経糸をその他の経糸より大径としてもよく、適宜選択できる。
本発明に係る工業用二層織物は、接結糸による網目の閉塞を発生させることなく、織物全体として均一な脱水性を保持すると共に、優れた表面平滑性を得ることができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜6は本発明に係る実施の形態の一例を示す例の意匠図である。
ここで意匠図とは、織物組織の最小の繰り返し単位(完全組織ともいう)であって、こ
の完全組織が上下左右に繋織されて織物全体の組織が形成される。意匠図において、経糸はアラビア数字、例えば1,2,3・・・で示した。また上下緯糸を織り合わせる経糸接結糸はBを付した数字、上面側経糸はuを付した数字、下面側経糸はdを付した数字で表した。意匠図中、同番号の経糸はそれぞれ組を形成していることを表し、上面側経糸uと経糸接結糸Bとで経糸接結糸の組を形成しており、上面側経糸uと下面側経糸dとで上下経糸の組を形成している。
緯糸はダッシュを付したアラビア数字、例えば1’,2’,3’・・・で示した。緯糸の配置比率によって上面側緯糸と下面側緯糸が上下に配置されている部位と上面側緯糸のみの部位があり、上面側緯糸はuを付した数字、下面側緯糸はdを付した数字で示し、例えば1’u,2’d等と示した。図10の従来技術の織物においては、経糸接結糸をbで表した
意匠図中、×は上面側経糸(u)が上面側緯糸の上側に位置してナックルを形成していることを示し、□は下面側経糸(d)が下面側緯糸の下側に位置してナックルを形成していることを示す。◆は経糸接結糸(B)が上面側緯糸の上側に位置してナックルを形成し
ていることを示し、◇はその経糸接結糸(B)が下面側緯糸の下側に位置してナックルを
形成していることを示す。
意匠図では糸が上下に正確に重なって配置されることになっているが、これは図面の都合上であって実際の織物ではずれて配置されていることがある。
(実施形態1)
図1は本発明に係る実施形態1の織物の意匠図である。上面側経糸(u)と経糸接結糸(B)からなる経糸接結糸の組(1,3,5,7)と、上面側経糸(u)と下面側経糸(d)からなる上下経糸の組(2,4,6,8)が交互に配置した16シャフトの織物である。上面側緯糸と下面側緯糸の配置比率は2:1である。
上面側経糸は2本の上面側緯糸の上、下を交互に通る2/2組織と、1本の上面側緯糸の上、下を交互に通る1/1組織を交互に配置している。そして、隣接する2本の上面側経糸がそれぞれ1ないし2本の上面側緯糸の上を通ってナックルを形成しているところの間で経糸接結糸が1本の上面側緯糸の上を通るナックルを形成している。本実施形態では経糸接結糸は2/2組織の上面側経糸1u,3u,5u,7uのうちの1つのナックルと、1/1組織の上面側経糸2u,4u,6u,8uのうちの1つのナックルの間に織り合わせ部を形成している。
具体的には、上面側経糸1uが2本の上面側緯糸11’u,12’uの上を通るナックルと、その隣の上面側経糸2uが1本の上面側緯糸12’uの上を通るナックルの間で、経糸接結糸1Bが上面側緯糸12’uの上にナックルを形成する組織とした。それにより、組織上は、上面側緯糸12’u上に上面側経糸1u、経糸接結糸1B、上面側経糸2uの順にナックルが形成される。ただ、隣接する2本の上面側経糸1u,2uが並んで上面側緯糸12’uの上を通る組織であるため、ナックル間で上面側緯糸12’uは引き込まれ、その中央部分に経糸接結糸1Bが織り合わせ部を形成するため、上面側経糸1u,2uと同じ高さの位置に経糸接結糸のナックルは突出することはなく、上面側経糸1u,2uより下に位置する(図8参照)。
経糸接結糸は上面側緯糸と織り合わされた後、下層に潜って離れた2本の下面側緯糸と織り合わされている。これによって上層と下層織物を繋ぎ合わせている。
また、下層では下面側経糸と経糸接結糸が下面側緯糸と織り合わせて下層組織を形成している。経糸接結糸は下面側では下面側経糸と同じように機能して組織形成を行っている。
下面側の経糸は1/4−1/2組織であり、経糸が左右に隣接する経糸とそれぞれ同じ
下面側緯糸の下を通る組織としたことで、右に左に蛇行して織り合わせ部を形成するジグザグ組織を形成している。それによって斜め方向の剛性が向上する。下面側緯糸は2本の経糸の上を通り、6本の経糸の下を通ってロングクリンプを形成した組織とした。下面側緯糸は2本の経糸の上を通り、次いで6本分のロングクリンプを表面に形成する耐摩耗性に優れた組織である。
また、本実施形態1に係る織物は、上面側では2本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸(例えば、1u,3u)と、1本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸(例えば、2u,4u)とが、交互配置される構造を有している。
(実施形態2)
図2は本発明の実施形態2に係る織物の意匠図である。前実施形態1と同じ経糸接結糸の組と上下経糸の組が交互に配置している。上面側経糸は全て2/2組織であり、経糸接結糸は隣接する2本の上面側経糸のナックルの間に織り合わせ部(◆)を形成している。
(実施形態3)
図3は本発明の実施形態3に係る織物の意匠図である。上面側経糸は実施形態1と同じ1/1組織と2/2組織が交互に配置している。前実施形態より経糸接結糸の配置割合が少ないが、このような配置割合であっても張力の掛かる縦方向の糸による接結のため、上下層が緩んで内部摩耗が発生したり、剥離してしまう心配はない。下面側緯糸は2本の経糸の上、2本の経糸の下、1本の経糸の上、3本の経糸の下を通る組織と、2本の経糸の上、2本の経糸の下を通る組織が交互に配置している。
また、本実施形態3に係る織物は、上面側では2本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸(例えば、2u,4u)、1本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸(例えば、1u,3u)とが、交互配置される構造を有している。
(実施形態4)
図4は本発明の実施形態4に係る織物の意匠図である。上面側経糸は1本の上面側緯糸の上、4本の上面側緯糸の下、1本の上面側緯糸の上、2本の上面側緯糸の下を通る1/4−1/2組織から構成されている。下面側層は隣接する2本の経糸が揃って同じ下面側緯糸の上下を通る組織であり、下面側緯糸は2本の経糸の上を通り、6本の経糸の下を通ってロングクリンプを形成した組織である。
(実施形態5)
図5は本発明の実施形態5の織物の意匠図である。上面側経糸は2本の上面側緯糸の上、2本の上面側緯糸の下、1本の上面側緯糸の上、3本の上面側緯糸の下を通る2/2−1/3組織から構成されている。下面側層は隣接する2本の経糸が揃って同じ下面側緯糸の上下を通る組織であり、下面側緯糸は2本の経糸の上を通り、6本の経糸の下を通ってロングクリンプを形成した組織である。
(実施形態6)
図6は本発明の実施形態6の織物の意匠図である。上面側経糸組織は実施形態1と同じ2種類の組織からなる。本実施形態は経糸の全てが経糸接結糸の組によって構成されており、下面側経糸が存在しない。このような構造であっても何ら問題はない。
下面側の経糸は実施形態1と同じで1/4−1/2組織であり、ジグザグ組織を形成している。下面側緯糸は2本の経糸の上を通り、6本の経糸の下を通ってロングクリンプを形成する組織とした。
また、本実施形態6に係る織物は、上面側では2本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸(例えば、1u,3u)と、1本の上面側緯糸の上、下を交互
に織り合わせる組織の上面側経糸(例えば、2u,4u)とが、交互配置される構造を有している。
本発明に係る実施形態1の完全組織を示す意匠図である。 本発明に係る実施形態2の完全組織を示す意匠図である。 本発明に係る実施形態3の完全組織を示す意匠図である。 本発明に係る実施形態4の完全組織を示す意匠図である。 本発明に係る実施形態5の完全組織を示す意匠図である。 本発明に係る実施形態6の完全組織を示す意匠図である。 本発明に係る織物の上面側表面の平面写真である。 本発明に係る織物の経糸に沿った断面写真である。 従来技術に係る織物の上面側表面の平面写真である。 図9の従来技術に係る織物の経糸に沿った断面写真である。
符号の説明
1u,2u・・・ 上面側経糸
2d,4d・・・ 下面側経糸
B,b,1B,3B・・・ 経糸接結糸
1’u,2’u・・・ 上面側緯糸
1’d,3’d・・・ 下面側緯糸

Claims (3)

  1. 上面側緯糸と織り合わせる上面側経糸、上面側緯糸と下面側緯糸の両方と織り合わせる経糸接結糸とを有し、前記上面側経糸と前記経糸接結糸が上下に配置されている経糸接結糸の組を有する工業用二層織物において、
    上面側では、隣接する2本の前記上面側経糸がそれぞれ1又は2本の上面側緯糸の上を通って形成されるナックル間において、前記経糸接結糸が1本の上面側緯糸の上を通ってナックルを形成することによって、1本の上面側緯糸の上に上面側経糸、経糸接結糸、上面側経糸の順にナックルが配置され、前記経糸接結糸のナックルが前記上面側経糸のナックルよりも突出していないことを特徴とする、工業用二層織物。
  2. 前記経糸接結糸の組の他に、上面側緯糸と織り合わせる上面側経糸、下面側緯糸と織り合わせる下面側経糸からなる上下経糸の組を有することを特徴とする、請求項1に記載の工業用二層織物。
  3. 前記上面側では、1本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸と、2本の上面側緯糸の上、下を交互に織り合わせる組織の上面側経糸とを有し、当該2種類の経糸組織を交互配置してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の工業用二層織物。
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