JP5900660B2 - Mimoアンテナおよび無線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のアンテナ素子を有するMIMO(Multiple Input Multiple Output)アンテナおよび無線装置に関する。
アンテナ素子間の距離を十分に確保できない携帯端末等の通信装置の分野では、良好なMIMO効果を確保するため、アンテナ利得が高く、アンテナ素子間の相関係数が低いMIMOアンテナが求められている。MIMOアンテナは、複数のアンテナ素子を用いて所定の周波数において多重の入出力が可能なマルチアンテナである。特許文献1には、複数のアンテナ素子として、グランドプレーンを利用するモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナが開示されている。
特開2010−130115号公報
MIMOアンテナでは、それぞれのアンテナ素子間の相関係数を低くすることが必要となるが、モノポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナでは、モノポールアンテナ素子をグランドプレーンから離さなければ、相関係数を下げることができなかった。モノポールアンテナ素子をグランドプレーンから離すと、アンテナ素子の設置に必要なスペースが広がるため、アンテナ素子の設置スペースの縮小とそれぞれのアンテナ素子間の相関係数を下げることとを両立させることが難しい。
本発明は、アンテナ素子の設置スペースの縮小と相関係数を下げることとを両立させることができる、MIMOアンテナおよび無線装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
グランドプレーンと、
前記グランドプレーンの近傍に配置された複数のダイポールアンテナ素子とを有し、
前記複数のダイポールアンテナ素子は、それぞれ、
前記グランドプレーンの外縁部に沿った導体部分を有する放射素子と、
前記放射素子に給電する給電部と
前記放射素子から離れて配置された給電素子とを備え、
前記給電素子が共振することにより、前記放射素子は、前記給電部で前記給電素子を介して非接触で給電され、放射導体として機能する、ことを特徴とするMIMOアンテナを提供するものである。
本発明によれば、アンテナ素子の設置スペースの縮小と相関係数を下げることとを両立させることができる。
放射素子が直交する複数のダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの平面図 放射素子が直交する非接触給電の複数のダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの平面図 MIMOアンテナの各構成の位置関係の例を模式的に示した図 放射素子が直交する複数のモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの平面図 アンテナ素子とグランドプレーンとの距離D2と、アンテナ素子間の相関係数との関係を示したグラフ ダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナのSパラメータの特性図 ダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの相関係数の特性図 放射素子の中央部と給電部とのオフセット距離を変えたときのSパラメータの特性図 放射素子とグランドプレーンとの距離D1を変化させたときの、放射素子が直交するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナのS11特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が直交するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの相関係数の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が直交するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの動作利得の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が直交し電磁界結合するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナのS11特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が直交し電磁界結合するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの相関係数の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が直交し電磁界結合するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの動作利得の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が直交するモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナのS11特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が直交するモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの相関係数の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が直交するモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの動作利得の特性図 放射素子が平行な複数のダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの平面図 放射素子が平行な非接触給電の複数のダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの平面図 放射素子が平行な複数のモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの平面図 放射素子とグランドプレーンとの距離D1を変化させたときの、放射素子が平行なダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナのS11特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が平行なダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの相関係数の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が平行なダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの動作利得の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が平行な電磁界結合するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナのS11特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が平行な電磁界結合するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの相関係数の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が平行な電磁界結合するダイポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの動作利得の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が平行なモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナのS11特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が平行なモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの相関係数の特性図 距離D1を変化させたときの、放射素子が平行なモノポールアンテナ素子を有するMIMOアンテナの動作利得の特性図
<MIMOアンテナ1の構成>
図1は、本発明の一実施形態であるMIMOアンテナ1の動作を解析するためのコンピュータ上のシミュレーションモデルを示した平面図である。電磁界シミュレータとして、Microwave Studio(登録商標)(CST社)を使用した。MIMOアンテナ1は、グランドプレーン70と、ダイポールアンテナ素子10と、ダイポールアンテナ素子20とを備えたマルチアンテナである。
グランドプレーン70は、例えば、少なくとも一つの角部73を有するグランド部位であり、角部73からY軸方向に直線的に延伸する外縁部71と、角部73からX軸方向に直線的に延伸する外縁部72とを有している。外縁部71は外縁部72の延伸方向に直交するように延伸することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、互いの延伸方向の交わる角度は、70°以上110°以下であることが好ましく、80°以上100°以下であることがより好ましい。
ダイポールアンテナ素子10,20は、例えば、グランドプレーン70の角部73の近傍に配置されている。ダイポールアンテナ素子10は、外縁部71に沿うように配置され、例えばX軸方向に所定距離D1離れた状態で外縁部71に平行にY軸方向に延在している。ダイポールアンテナ素子20は、外縁部72に沿うように配置され、例えばY軸方向に所定距離D1離れた状態で外縁部72に平行にX軸方向に延在している。図1では、ダイポールアンテナ素子10と外縁部71との所定距離D1とダイポールアンテナ素子20と外縁部72との所定距離D1は等しく設定されているが、必ずしも等しく設定されてなくてもよい。なお、ダイポールアンテナ素子10と外縁部71とがX軸方向と厚み方向(Z軸方向)の両方向に離間して設けられている場合、ダイポールアンテナ素子10と外縁部71との最短距離D2は、ダイポールアンテナ素子10と外縁部71との最近接部分を直線で結んだ距離に相当する。同様に、ダイポールアンテナ素子20と外縁部72とがY軸方向と厚み方向(Z軸方向)の両方向に離間して設けられている場合、ダイポールアンテナ素子20と外縁部72との最短距離D2は、ダイポールアンテナ素子20と外縁部72との最近接部分を直線で結んだ距離に相当する。
複数のダイポールアンテナ素子は、例えば、それぞれ、それらの複数のダイポールアンテナ素子の中で他のダイポールアンテナ素子の導体部分の延伸方向に直交するように延伸する導体部分を有する放射素子を備えている。ダイポールアンテナ素子10は、放射素子11を備え、ダイポールアンテナ素子20は、放射素子21を備えている。放射素子11は、給電部16を給電点とするアンテナとして機能するアンテナ導体であり、放射素子21は、給電部26を給電点とするアンテナとして機能するアンテナ導体である。
ダイポールアンテナ素子10の放射素子11は、ダイポールアンテナ素子10とは別の他のダイポールアンテナ素子20の放射素子21に構成される導体部分22又は導体部分23の延伸方向に直交するように延伸する導体部分12及び導体部分13を有している。導体部分12,13は、外縁部71に沿うように配置された線状のアンテナ導体部分であり、例えばX軸方向に所定距離D1離れた状態で外縁部71に平行にY軸方向に延在している。放射素子11が、外縁部71に沿った導体部分12,13を有することによって、例えばMIMOアンテナ1の指向性を容易に制御することが可能となる。
ダイポールアンテナ素子20の放射素子21は、ダイポールアンテナ素子20とは別の他のダイポールアンテナ素子10の放射素子11に構成される導体部分12又は導体部分13の延伸方向に直交するように延伸する導体部分22及び導体部分23を有している。導体部分22,23は、外縁部72に沿うように配置された線状のアンテナ導体部分であり、例えばY軸方向に所定距離D1離れた状態で外縁部71に平行にX軸方向に延在している。放射素子21が、外縁部72に沿った導体部分22,23を有することによって、例えばMIMOアンテナ1の指向性を容易に制御することが可能となる。
放射素子11,21は、例えば、誘電体基板80に設けられ、誘電体基板80の表面に設置されてもよいし、誘電体基板80の内部に設置されてもよい。誘電体基板80は、例えば樹脂製の基板であるが、樹脂以外の誘電体として、例えばガラスやガラスセラミックス、LTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramics)などを利用することができる。グランドプレーン70は、誘電体基板80に形成された部位でもよいし、誘電体基板80とは別の部材に形成された部位でもよい。図示の場合、放射素子11,21は、誘電体基板80の同じ表層に設置されているが、Z軸方向において互いに異なる層に設置されてもよい。また、放射素子11又は放射素子21は、Z軸方向において、グランドプレーン70と同じ層に設置されてもよいし、グランドプレーン70とは異なる層に設置されてもよい。
ダイポールアンテナ素子10は、放射素子11に給電する給電部16を備えている。給電部16は、放射素子11の一方の端部14と他方の端部15との間の導体部分に挿入される給電点である。
図1の場合、給電部16は、放射素子11の端部14と端部15との間の中央部90以外の部位(中央部90と端部14又は端部15との間の部位)に位置している。このように、給電部16を中央部90以外の放射素子11の部位に位置させることによって、ダイポールアンテナ素子10のマッチングを容易に取ることができる。例えば、ダイポールアンテナ素子10のマッチングを容易に取るために、給電部16は、放射素子11の中央部90から放射素子11の全長の1/8以上(好ましくは、1/6以上、さらに好ましくは、1/4以上)の距離を離した部位に位置するとよい。図1の場合、放射素子11の全長は、L11+L12に相当し、給電部16は、中央部90よりもグランドプレーン70の角部73側に位置している。
ダイポールアンテナ素子10のマッチングを容易に取るために、給電部16は、例えば、端部14と端部15との間の中央部90よりもインピーダンスの高い部位に位置する給電点であってもよい。放射素子11のインピーダンスは、放射素子11の中央部90から端部14又は端部15の方に離れるにつれて高くなり、図1の場合、給電部16は、放射素子11の中央部90に対して端部14寄りに配置されている。
ダイポールアンテナ素子20は、放射素子21に給電する給電部26を備えている。給電部26は、放射素子21の一方の端部24と他方の端部25との間の導体部分に挿入される給電点である。
図1の場合、給電部26は、放射素子21の端部24と端部25との間の中央部90以外の部位(中央部90と端部24又は端部25との間の部位)に位置している。このように、給電部26を中央部90以外の放射素子21の部位に位置させることによって、ダイポールアンテナ素子20のマッチングを容易に取ることができる。例えば、ダイポールアンテナ素子20のマッチングを容易に取るために、給電部26は、放射素子21の中央部90から放射素子21の全長の1/8以上(好ましくは、1/6以上、さらに好ましくは、1/4以上)の距離を離した部位に位置するとよい。図1の場合、放射素子21の全長は、L21+L22に相当し、給電部26は、中央部90よりもグランドプレーン70の角部73側に位置している。
ダイポールアンテナ素子20のマッチングを容易に取るために、給電部26は、例えば、端部24と端部25との間の中央部90よりもインピーダンスの高い部位に位置する給電点であってもよい。放射素子21のインピーダンスは、放射素子21の中央部90から端部24又は端部25の方に離れるにつれて高くなり、図1の場合、給電部26は、放射素子21の中央部90に対して端部24寄りに配置されている。
給電部16と給電部26は、互いに近づく方向に中央部90からシフトした部位に位置している。これにより、ダイポールアンテナ素子10,20のマッチングを容易に取ることができる上、給電部16,26それぞれに接続される伝送線路を互いに近づけることができるので、ダイポールアンテナ素子10,20の設置に必要なスペースを容易に縮小できる。
なお、給電部16と給電部26に給電する方法としては、例えば不平衡系の同軸ケーブルを放射素子11、21に直接接続してもよく、またバランを介して平衡系線路に変換して直接接続してもよい。また、グランドプレーンを有する誘電体基板上に放射素子11,21が形成される場合、平面伝送線路で接続されてもよい。さらに、放射素子11,21が形成される誘電体基板とは別の誘電体基板から金属ピンを用いて放射素子11,21の導体部分に接続してもよい。以上のように、ダイポールアンテナ素子10,20への給電は、実装環境に合わせた最適な方法を選択することができる。
<MIMOアンテナ2の構成>
図2は、本発明の他の実施形態であるMIMOアンテナ2の動作を解析するためのコンピュータ上のシミュレーションモデルを示した平面図である。電磁界シミュレータとして、Microwave Studio(登録商標)(CST社)を使用した。上述の実施形態と同様の構成につていの説明は省略又は簡略する。MIMOアンテナ2は、グランドプレーン70と、ダイポールアンテナ素子30と、ダイポールアンテナ素子40とを備えたマルチアンテナである。
ダイポールアンテナ素子30,40は、例えば、グランドプレーン70の角部73の近傍に配置されている。ダイポールアンテナ素子30は、ダイポールアンテナ素子40の導体部分の延伸方向に直交するように延伸する導体部分を有する放射素子として、放射素子31を備えている。ダイポールアンテナ素子40は、ダイポールアンテナ素子30の導体部分の延伸方向に直交するように延伸する導体部分を有する放射素子として、放射素子41を備えている。ダイポールアンテナ素子40は、ダイポールアンテナ素子30と同様の構成を有しているため、ダイポールアンテナ素子40の説明は、ダイポールアンテナ素子30の説明を援用する。
ダイポールアンテナ素子30の放射素子31は、他のダイポールアンテナ素子40の放射素子41の導体部分の延伸方向に直交するように延伸する導体部分を有している。放射素子31の導体部分は、外縁部71に沿うように配置された線状のアンテナ導体部分であり、例えばX軸方向に所定距離D1離れた状態で外縁部71に平行にY軸方向に延在している。放射素子31が、外縁部71に沿った導体部分を有することによって、例えばMIMOアンテナ2の指向性を容易に制御することが可能となる。なお、放射素子31と外縁部71とがX軸方向と厚み方向(Z軸方向)の両方向に離間して設けられている場合、放射素子31と外縁部71との最短距離D2は、放射素子31と外縁部71との最近接部分を直線で結んだ距離に相当する。
ダイポールアンテナ素子30は、放射素子31に給電する給電部36と、放射素子31からZ軸方向に所定距離離れて配置された導体である給電素子37とを備えている。なお、図2の場合、放射素子31と給電素子37は、Z軸方向での平面視において重複しているが、給電素子37が放射素子31に非接触で給電可能な距離離れていれば、必ずしもZ軸方向での平面視において重複していなくてもよい。例えば、X軸又はY軸方向などの任意の方向での平面視において重複していてもよい。
給電素子37と放射素子31は、互いに電磁界結合可能な距離で離れて配置されている。放射素子31は、給電部36で給電素子37を介して電磁界結合によって非接触で給電される。このように給電されることによって、放射素子31は、アンテナの放射導体として機能する。図2に示すように、放射素子31が2点間を結ぶ線状導体である場合、半波長ダイポールアンテナと同様の共振電流(分布)が放射素子31上に形成される。すなわち、放射素子31は、所定の周波数の半波長で共振するダイポールアンテナとして機能(以下、ダイポールモードという)する。
電磁界結合とは、電磁界の共鳴現象を利用した結合であり、例えば非特許文献(A.Kurs, et al,“Wireless Power Transfer via Strongly Coupled Magnetic Resonances,”Science Express, Vol.317, No.5834, pp.83−86, Jul. 2007)に開示されている。電磁界結合は、電磁界共振結合又は電磁界共鳴結合とも称され、同じ周波数で共振する共振器同士を近接させ、一方の共振器を共振させると、共振器間に作られるニアフィールド(非放射界領域)での結合を介して、他方の共振器にエネルギーを伝送する技術である。また、電磁界結合とは、静電容量結合や電磁誘導による結合を除いた高周波における電界及び磁界による結合を意味する。なお、ここでの「静電容量結合や電磁誘導による結合を除いた」とは、これらの結合が全くなくなることを意味するのではなく、影響を及ぼさない程度に小さいことを意味する。給電素子37と放射素子31との間の媒体は、空気でもよいし、ガラスや樹脂材等の誘電体でもよい。なお、給電素子37と放射素子31との間には、グランドプレーンやディスプレイ等の導電性材料を配置しないことが好ましい。
給電素子37と放射素子31を電磁界結合させることによって、衝撃に対して強い構造が得られる。すなわち、電磁界結合の利用によって、給電素子37と放射素子31を物理的に接触させることなく、給電素子37を用いて放射素子31に給電できるため、物理的な接触が必要な接触給電方式に比べて、衝撃に対して強い構造が得られる。
給電素子37と放射素子31を電磁界結合させることによって、非接触給電を簡易な構成で実現できる。すなわち、電磁界結合の利用によって、給電素子37と放射素子31を物理的に接触させることなく、給電素子37を用いて放射素子31に給電できるため、物理的な接触が必要な接触給電方式に比べて、簡易な構成での給電が可能である。また、電磁界結合の利用によって、容量板などの余計な部品を構成してなくても、給電素子37を用いて放射素子31に給電できるため、静電容量結合で給電する場合に比べて、簡易な構成での給電が可能である。
また、電磁界結合で給電する場合の方が、静電容量結合で給電する場合に比べて、給電素子37と放射素子31の離間距離(結合距離)を長くしても、放射素子31の動作利得(アンテナ利得)は低下しにくい。ここで、動作利得とは、アンテナの放射効率×リターンロスで算出される量であり、入力電力に対するアンテナの効率として定義される量である。したがって、給電素子37と放射素子31を電磁界結合させることで、給電素子37と放射素子31の配置位置を決める自由度を高めることができ、位置ロバスト性も高めることができる。なお、位置ロバスト性が高いとは、給電素子37及び放射素子31の配置位置等がずれても、放射素子31の動作利得に与える影響が低いことを意味する。また、給電素子37と放射素子31の配置位置を決める自由度が高いため、ダイポールアンテナ素子30,40の設置に必要なスペースを容易に縮小できる点で有利である。
また、図2の場合、給電素子37が放射素子31に給電する部位である給電部36は、放射素子31の一方の端部34と他方の端部35との間の中央部90以外の部位(中央部90と端部34又は端部35との間の部位)に位置している。このように、給電部36を放射素子31の基本モードの共振周波数における最も低いインピーダンスになる部分(この場合、中央部90)以外の放射素子31の部位に位置させることによって、ダイポールアンテナ素子30のマッチングを容易に取ることができる。給電部36は、放射素子31と給電素子37とが最近接する放射素子31の導体部分のうち給電点38に最も近い部分で定義される部位である。
放射素子31のインピーダンスは、放射素子31の中央部90から端部34又は端部35の方に離れるにつれて高くなる。電磁界結合における高インピーダンスでの結合の場合、給電素子37と放射素子31間のインピーダンスが多少変化しても一定以上の高インピーダンスで結合していればインピーダンスマッチングに対する影響は小さい。よって、マッチングを容易に取るために、放射素子31の給電部は、放射素子31の高インピーダンスの部分に位置することが好ましい。
例えば、ダイポールアンテナ素子30のインピーダンスマッチングを容易に取るために、給電部36は、放射素子31の基本モードの共振周波数における最も低いインピーダンスになる部分(この場合、中央部90)から放射素子31の全長の1/8以上(好ましくは、1/6以上、さらに好ましくは、1/4以上)の距離を離した部位に位置するとよい。図2の場合、放射素子31の全長は、L32に相当し、給電部36は、中央部90よりもグランドプレーン70の角部73側に位置している。
ダイポールアンテナ素子40の放射素子41は、前述のダイポールアンテナ素子30の放射素子31の導体部分の延伸方向に直交するように延伸する導体部分を有している。ダイポールアンテナ素子40は、放射素子41に給電する給電部46と、放射素子41からZ軸方向に所定距離離して配置された導体である給電素子47とを備えている。なお、図2の場合、ダイポールアンテナ素子40の放射素子41、給電部46および放射素子41は、放射素子31の延伸方向と放射素子41の延伸方向とが直交するように配置されている点で異なるだけであり、ダイポールアンテナ素子30の放射素子31、給電部36および給電素子37と同じ構成を有しているため説明を省略する。
給電部36と給電部46は、互いに近づく方向に中央部90からシフトした部位に位置している。これにより、ダイポールアンテナ素子30,40のマッチングを容易に取ることができる上、給電部36,46それぞれに接続される伝送線路を互いに近づけることができるので、ダイポールアンテナ素子30,40の設置に必要なスペースを容易に縮小できる。
給電素子37は、マイクロストリップライン等の伝送線路に接続される給電点38に接続され、給電部36を介して、放射素子31に対して非接触で給電可能な線状導体である。図2には、グランドプレーン70の外縁部71に対して直角且つX軸に平行な方向に延在する直線状導体と、Y軸に平行な外縁部71に並走して延在する直線状導体とによって、L字状に形成された給電素子37が例示されている。図2の場合、給電素子37は、給電点38を起点にX軸方向に延伸してからY軸方向に折り曲げられ、Y軸方向への延伸の端部39まで延伸している。給電素子47もX軸方向とY軸方向が異なるだけで同様に構成されている。
図3は、MIMOアンテナ2の各構成のZ軸方向の位置関係を模式的に示した図である。給電素子37は、図3の場合、誘電体基板80の表面に設けられているが、誘電体基板80の内部に設置されてもよい。放射素子31は、給電素子37から離れて配置され、例えば図3に示されるように、誘電体基板80から距離H2離れて誘電体基板80に対向する誘電体基板110に設けられている。誘電体基板110は、例えば樹脂製の基板であるが、樹脂以外の誘電体、例えばガラスやガラスセラミックス、LTCC、アルミナなどを利用することができる。放射素子31は、図3では誘電体基板110の給電素子37に対向する側の表面に配置されているが、誘電体基板110の給電素子37に対向する側とは反対側の表面に配置されてもよいし、誘電体基板110の側面に配置されてもよい。
なお、図面を見えやすくするため、図2では図3に示した誘電体基板110の図示が省略されている。また、放射素子41と給電素子47とのZ軸方向の位置関係は、図3に示した構成と同様のため、その説明を省略する。
また、放射素子31の基本モードの共振周波数における真空中の電波波長をλとする場合、給電素子37と放射素子31との最短距離H4(≒H2>0)は、0.2×λ以下(より好ましくは、0.1×λ以下、更に好ましくは、0.05×λ以下)であると好適である。給電素子37と放射素子31をこのような最短距離H4だけ離して配置することによって、放射素子31の動作利得を向上させる点で有利である。
なお、最短距離H4とは、給電素子37と放射素子31において、最も近接している部位間の直線距離である。また、給電素子37と放射素子31は、両者が電磁界結合していれば、任意の方向から見たときに、交差しても交差しなくてもよいし、その交差角度も任意の角度でよい。
また、給電素子37と放射素子31とが最短距離xで並走する距離は、放射素子31の物理的な長さの3/8以下であることが好ましい。より好ましくは、1/4以下、更に好ましくは、1/8以下である。最短距離xとなる位置は給電素子37と放射素子31との結合が強い部位であり、最短距離xで並走する距離が長いと、放射素子31のインピーダンスが高い部分と低い部分の両方と強く結合することになるため、インピーダンスマッチングが取れない場合がある。よって、放射素子31のインピーダンスの変化が少ない部位のみと強く結合するために最短距離xで並走する距離は短い方がインピーダンスマッチングの点で有利である。
また、給電素子37の共振の基本モードを与える電気長をLe37、放射素子31の共振の基本モードを与える電気長をLe31、放射素子31の基本モードの共振周波数fにおける給電素子37または放射素子31上での波長をλとして、Le37が、(3/8)・λ以下であり、かつ、Le31が、(3/8)・λ以上(5/8)・λ以下であることが好ましい。
また、外縁部71が放射素子31に沿うようにグランドプレーン70が形成されているので、給電素子37は、外縁部71との相互作用により、給電素子37とグランドプレーン70上に、共振電流(分布)を形成することができ、放射素子31と共鳴して電磁界結合する。そのため、給電素子37の電気長Le37の下限値は特になく、給電素子37が放射素子31と物理的に電磁界結合できる程度の長さであればよい。
また、前記Le37は、給電素子37の形状に自由度を与えたい場合には、(1/8)・λ以上(3/8)・λ以下がより好ましく、(3/16)・λ以上(5/16)・λ以下が特に好ましい。Le37がこの範囲内であれば、給電素子37が放射素子31の設計周波数(共振周波数f)にて良好に共振するため、グランドプレーン70に依存せずに給電素子37と放射素子31とが共鳴して良好な電磁界結合が得られ好ましい。
なお、電磁界結合が実現しているとは整合が取れているということを意味している。また、この場合、給電素子37が放射素子31の共振周波数に合わせて電気長を設計する必要がなく、給電素子37を放射導体として自由に設計することが可能になるため、ダイポールアンテナ素子30の多周波化を容易に実現できる。なお、放射素子31に沿うグランドプレーン70の外縁部71は、給電素子37の電気長と合計して設計周波数(共振周波数f)の(1/4)・λ以上の長さであることがよい。
なお給電素子37の物理的な長さL37は、整合回路などを含んでいない場合、放射素子の基本モードの共振周波数における真空中の電波の波長をλとして、実装される環境による波長短縮効果の短縮率をkとしたとき、λg1=λ・kによって決定される。ここでkは、給電素子37の環境の実効比誘電率(εr1)および実効比透磁率(μr1)などの給電素子が設けられた誘電体基材等の媒質(環境)の比誘電率、比透磁率、および厚み、共振周波数などから算出される値である。すなわち、L37は、(3/8)・λg1以下である。なお、短縮率は上記の物性から算出してもよいし、実測により求めても良い。例えば、短縮率を測定したい環境に設置された対象となる素子の共振周波数を測定し、任意の周波数ごとの短縮率が既知である環境において同じ素子の共振周波数を測定し、これらの共振周波数の差から短縮率を算出してもよい。
給電素子37の物理的な長さをL37(図2の場合、D1+L31に相当)とすると、L37はLe37を与える物理的な長さであり、その他の要素を含まない理想的な場合、Le37と等しい。給電素子37が、整合回路などを含む場合、L37は、ゼロを超え、Le37以下が好ましい。L37はインダクタ等の整合回路を利用することにより短く(サイズを小さく)することが可能である。
また、放射素子の共振の基本モードがダイポールモード(放射素子の両端が開放端であるような線状の導体)であり、前記Le31は、(3/8)・λ以上(5/8)・λ以下が好ましく、(7/16)・λ以上(9/16)・λ以下がより好ましく、(15/32)・λ以上(17/32)・λ以下が特に好ましい。また、高次モードを考慮すると、前記Le31は、(3/8)・λ・m以上(5/8)・λ・m以下が好ましく、(7/16)・λ・m以上(9/16)・λ・m以下がより好ましく、(15/32)・λ・m以上(17/32)・λ・m以下が特に好ましい。ただし、mは高次モードのモード数であり、自然数である。mは1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。m=1の場合は基本モードである。Le31がこの範囲内であれば、放射素子31が充分に放射導体として機能し、ダイポールアンテナ素子30の効率が良く好ましい。
なお放射素子31の物理的な長さL31は、放射素子の基本モードの共振周波数における真空中の電波の波長をλとして、実装される環境による短縮効果の短縮率をkとしたとき、λg2=λ・kによって決定される。ここでkは、放射素子31の環境の実効比誘電率(εr2)および実効比透磁率(μr2)などの放射素子が設けられた誘電体基材等の媒質(環境)の比誘電率、比透磁率、および厚み、共振周波数などから算出される値である。すなわち、放射素子の共振の基本モードがダイポールモードであり、L31は、(1/2)・λg2であることが理想的である。放射素子31の長さL31は、好ましくは、(1/4)・λg2以上(5/8)・λg2以下であり、さらに好ましくは、(3/8)・λg2以上である。放射素子31の物理的な長さL31は、Le31を与える物理的な長さであり、その他の要素を含まない理想的な場合、Le31と等しい。L31は、インダクタ等の整合回路を利用することにより短くしたとしても、ゼロを超え、Le31以下が好ましく、Le31の0.4倍以上1倍以下が特に好ましい。放射素子31の長さL31をこのような長さに調整することによって、放射素子31の動作利得を向上させる点で有利である。
例えば、誘電体基材として比誘電率=3.4、tanδ=0.003、基板厚0.8mmであるBTレジン(登録商標)CCL−HL870(M)(三菱ガス化学製)を使用した場合のL37の長さは、設計周波数を3.5GHzとしたときに、20mmであり、L31の長さは、設計周波数を2.2GHzとしたときに、34mmである。
なお、給電素子47と放射素子41との電磁界結合及び長さの関係は、上述の説明と同様であるため、その説明を省略する。
放射素子31は、給電素子37によって給電部36で非接触に給電されることにより(特には、電磁界結合で給電されることにより)、ダイポールモードで動作するアンテナとして機能するアンテナ導体である。同様に、放射素子41は、給電素子47によって給電部46で非接触に給電されることにより(特には、電磁界結合で給電されることにより)、ダイポールモードで動作するアンテナとして機能するアンテナ導体である。
<アンテナ素子間の相関係数について>
本発明の実施形態に係るMIMOアンテナは、ダイポールアンテナ素子間の相関係数が低いため、ダイポールアンテナ素子とグランドプレーンの外縁部との距離を自由に設計でき、特にモノポールアンテナ素子の場合と比較してダイポールアンテナ素子とグランドプレーンの外縁部とを互いに近づけることが可能である。すなわち、ダイポールアンテナ素子の放射素子の設計周波数における真空中の波長をλとする場合、放射素子とグランドプレーンの外縁部との最短の距離D2(>0)は、0.05・λ以下とすることが可能である。さらに、距離D2は、0.043・λ以下とすることが可能である。さらに、距離D2は、0.034・λ以下とすることが可能である。距離D2をこのような値に設定することにより、ダイポールアンテナ素子間の相関係数を低く保ったまま、ダイポールアンテナ素子の設置スペースを削減する点で有利である。例えば、設計周波数を2.5GHzに設定した場合、距離D2は、好ましくは6mm以下であり、さらに好ましくは、5mm以下である。さらに好ましくは、4mm以下である。
次に、アンテナ素子間の相関係数について、本発明の実施形態とは異なるモノポールアンテナ素子の場合と本発明の実施形態に係るダイポールアンテナ素子の場合とを比較して説明する。
図4は、本発明の実施形態とは異なる2つのモノポールアンテナ素子50,60を使用するMIMOアンテナ100の平面図である。モノポールアンテナ素子50,60は、グランドプレーン70の角部73の近傍に配置されたL字状のアンテナ導体である。モノポールアンテナ素子50は、給電点56を介して給電される放射素子51を備え、モノポールアンテナ素子60は、給電点66を介して給電される放射素子61を備えている。放射素子51,61は、誘電体基板80に設置されている。
図5は、アンテナ素子の放射素子とグランドプレーン70の外縁部との最短の距離D2と、アンテナ素子間の相関係数との関係を示したグラフである。図5は、放射素子の共振周波数を2.5GHzに固定(つまり、放射素子の全長を固定)した状態で、グランドプレーン70からX軸方向またはY軸方向の距離D1を変化させることで最短距離D2を変化させたときの相関係数の変化を示している。なお、相関係数は以下の式より算出した。
Figure 0005900660
モノポールアンテナ素子50,60を用いるMIMOアンテナ100の場合、放射素子51,61がグランドプレーン70に近づくほど、相関係数が上昇する(アンテナ利得が低下)する。つまり、アンテナ利得を向上させるには、距離D2を大きくしなければならない。そのため、放射素子51,61とグランドプレーン70の外縁部71,72との間の不要スペースが大きくなり、設置スペースが増大する。
これに対し、本実施形態に係るMIMOアンテナ1,2に構成されるダイポールアンテナ素子はグランドプレーンを利用しないため、放射素子をグランドプレーンに近づけても、ダイポールアンテナ素子間の相関係数を低く保つことができる。つまり、ダイポールアンテナ素子の設置スペースの縮小と相関係数を下げることを両立させることができる。
なお、本発明の実施形態に係る複数のダイポールアンテナ素子は、それぞれの放射素子の導体部分の延伸方向が直交するように延伸している(例えば、図1のMIMOアンテナ1の場合、放射素子11の導体部分12,13の延伸方向と放射素子21の導体部分22,23の延伸方向とが互いに直交している)。しかしながら、ダイポールアンテナ素子であれば、ダイポールアンテナ素子間の相関係数を下げることができるため、それぞれの放射素子が必ずしも互いに直交配置されていなくてもよい。例えば、複数のダイポールアンテナ素子それぞれの放射素子の導体部分の延伸方向が互いに平行又は斜めに配置されていてもよい。
<マルチバンド化について>
また、本発明の実施形態に係るMIMOアンテナは、複数のダイポールアンテナ素子を有するので、放射素子の基本モードと、その基本モードの共振周波数の整数倍で放射素子が共振する高次モードとを組み合わせたマルチバンド化が容易に可能となる。これに対し、複数のモノポールアンテナ素子を利用するMIMOアンテナは、高次モードの共振周波数が基本モードの共振周波数から離れすぎるため(2次モードの共振周波数は、基本モードの3倍)、マルチバンドに適用することが難しい。
図6は、基本モードの共振周波数を2.4GHzで設計したMIMOアンテナ1のSパラメータの特性図である。図7は、基本モードの共振周波数を2.4GHzで設計したMIMOアンテナ1の各周波数における相関係数を示した図である。図6,図7に示されるように、基本モードの共振周波数2.4GHzの約2倍の4.8GHz付近に、2次モードの共振が生じており、それぞれの共振周波数において相関係数は小さい。つまり、2.4GHz付近の帯域と4.8GHz付近の帯域とを比較的高いアンテナ利得で受信可能なマルチバンドアンテナが実現されている。
<給電部のオフセットについて>
ダイポールアンテナ素子とグランドプレーンとを近づけすぎると、放射素子とグランドプレーンとの結合により、放射素子の放射抵抗が低下し、MIMOアンテナのマッチングがとりにくい。しかしながら、本発明の実施形態に係るMIMOアンテナでは、給電部を、放射素子の中央部以外の部位(例えば、中央部よりもインピーダンスの高い部位)に配置しているので、MIMOアンテナのマッチングが容易になる。これにより、ダイポールアンテナ素子の放射素子とグランドプレーンとの外縁部との距離D2を容易に近づけることができるため、ダイポールアンテナ素子の設置スペースの縮小とMIMOアンテナのアンテナ利得の向上を両立させることができる。
特に、距離D2を0.05・λ以下(好ましくは、0.043・λ以下、さらに好ましくは0.034・λ以下)にする場合、給電部を放射素子の中央部からオフセットさせると、ダイポールアンテナ素子のマッチングを容易に取ることができるという点で有利である。例えば、距離D2を0.05・λ以下(好ましくは、0.043・λ以下、さらに好ましくは0.034・λ以下)にする場合、放射素子の中央部から放射素子21の全長の1/8以上(好ましくは、1/6以上、さらに好ましくは、1/4以上)の距離を離して給電部をオフセットさせるとよい。
図8は、基本モードの共振周波数を2.4GHzで設計したMIMOアンテナ1において、給電部16(又は、給電部26)と中央部90との間の距離であるオフセット距離を変えたときのSパラメータの変化を示した特性図である。図8の測定では、オフセット距離がMIMOアンテナ1の反射損失(リターンロス)に与える影響を評価するため、距離D2を2.8mmに設定している。図8に示されるように、オフセット距離を大きくするにつれて(図1の場合、給電部16,26を端部14,24に近づけるにつれて)、反射損失を低下させることができ、MIMOアンテナ1のマッチングが容易になる。
<MIMOアンテナの搭載装置>
本発明の実施形態に係るMIMOアンテナは、無線装置(例えば、人が携帯可能な通信端末等の無線通信装置)に搭載される。無線装置の具体例として、情報端末機、携帯電話、スマートフォン、パソコン、ゲーム機、テレビ、音楽や映像のプレーヤーなどの電子機器が挙げられる。
例えば図3において、MIMOアンテナ2がディスプレイを有する無線通信装置に搭載される場合、誘電体基板110は、例えば、ディスプレイの画像表示面を全面的に覆うカバーガラスであってもよいし、誘電体基板80が固定される筐体(特には、表蓋、裏蓋、側壁など)であってもよい。カバーガラスは、ディスプレイに表示される画像を透明又はユーザが視認可能な程度に半透明な誘電体基板であって、ディスプレイの上に積層配置された平板状の部材である。
放射素子31がカバーガラスの表面に設けられる場合、放射素子31は、銅や銀などの導体ペーストをカバーガラスの表面に塗って焼成して形成されるとよい。このときの導体ペーストとして、カバーガラスに利用される化学強化ガラスの強化が鈍らない程度の温度で焼成できる低温焼成可能な導体ペーストを利用するとよい。また、酸化による導体の劣化を防ぐために、メッキなどを施してもよい。また、カバーガラスには加飾印刷が施されていてもよく、加飾印刷された部分に導体が形成されていてもよい。また、配線などを隠す目的でカバーガラスの周縁に黒色隠蔽膜が形成されている場合、放射素子31が黒色隠蔽膜上に形成されてもよい。
また、給電素子37,47及び放射素子31,41、並びにグランドプレーン70のZ軸に平行な高さ方向における各位置は、互いに異なっていてもよい。また、給電素子37,47及び放射素子31,41、並びにグランドプレーン70の高さ方向の各位置が全て又は一部のみが同じでもよい。
また、一つの給電素子37で複数の放射素子に給電してもよい。複数の放射素子を利用することにより、マルチバンド化、ワイドバンド化、指向性制御等の実施が容易となる。また、複数のMIMOアンテナが一つの無線装置に搭載されてもよい。
図1〜4で示した形態の各MIMOアンテナをシミュレーション解析したときにおいて、距離D1を1〜6mmまで1mm毎に変化させることで最短距離D2を変化させたときの、S11特性、相関係数特性及び動作利得特性(アンテナ利得特性)について説明する。S11特性とは、高周波電子部品等の特性の一種であり、本明細書においては周波数に対する反射損失(リターンロス)で表す。電磁界シミュレータとして、Microwave Studio(登録商標)(CST社)を使用した。各放射素子の基本モードの共振周波数を2.4GHz付近に設定した。
特性測定時の図1で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L11,L21:4
L12,L22:34
L13,L23:3.5
W11,W21:1.9
とした。
特性測定時の図2で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L31,L41:10.95
L32,L42:30
L33,L43:4.05
W31,W41:1.9
W32,W42:1.9
W33,W43:1
とした。
特性測定時の図4で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L51,L61:22.95(D1=1)
L51,L61:21.95(D1=2)
L51,L61:20.95(D1=3)
L51,L61:19.95(D1=4)
L51,L61:18.95(D1=5)
L51,L61:17.95(D1=6)
L52,L62:5
W51,W61:1.9
W52,W62:1.9
とした。
また、グランドプレーン70、給電素子及び放射素子において、Z軸方向の厚さ(高さ)は0.018mmとした。また、誘電体基板80は、比誘電率ε=3.3、tanδ=0.003に設定し、誘電体基板110は、比誘電率ε=8.6、tanδ=0.000326に設定した。また、図3において、H1を0.8mm、H2を2mm、H3を1mmに設定した。また、グランドプレーン70の形状は、X軸方向が50mmでY軸方向が120mmの長方形とし、誘電体基板80の形状は、X軸方向が60mmでY軸方向が130mmの長方形とした。
図9は、直接給電したダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ1のS11特性図である。図10は、MIMOアンテナ1の相関係数の特性図である。図11は、MIMOアンテナ1の動作利得の特性図である。図12は、電磁界結合によって給電したダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ2のS11特性図である。図13は、MIMOアンテナ2の相関係数の特性図である。図14は、MIMOアンテナ2の動作利得の特性図である。図15は、モノポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ100のS11特性図である。図16は、MIMOアンテナ100の相関係数の特性図である。図17は、MIMOアンテナ100の動作利得の特性図である。
なお、図9から図17において、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mmは距離D1を示しており、最短距離D2に換算した場合、それぞれ3mm、3.4mm、4.1mm、4.9mm、5.7mm、6.6mmとなる。
ダイポールアンテナ素子を使用するS11(図9,図12)は、モノポールアンテナ素子を使用するS11(図15)に比べて、共振周波数2.4GHz付近で大きく低下している。そのため、ダイポールアンテナ素子を使用する場合の方が、モノポールアンテナ素子を使用する場合に比べて、共振周波数でマッチングすることに優れていることがわかる。
ダイポールアンテナ素子を使用する相関係数(図10,図13)も、モノポールアンテナ素子を使用する相関係数(図16)に比べて、共振周波数2.4GHz付近で大きく0付近に低下していることがわかる。
一方、ダイポールアンテナ素子を使用する動作利得(図11,図14)は、モノポールアンテナ素子を使用する動作利得(図17)に比べて、共振周波数2.4GHz付近で大きく向上していることがわかる。
このように、アンテナ素子の設置スペースの縮小と相関係数を下げることとの両立が実現されている。
次に、各放射素子が互いに直交する導体部分を有するMIMOアンテナ1,2,100(図1,図2,図4)それぞれについてマッチングが最も取れた共振周波数で、MIMOアンテナ1,2,100の特性を比較した結果について説明する。具体的には、距離D1を1〜6mmまで1mm毎に変化させることで最短距離D2を変化させたときの、S11特性、相関係数特性、動作利得特性について比較する。
特性測定時の各部の寸法は、実施例1と同じである。また、グランドプレーン70、各素子の厚さ及び誘電体基板の各部の寸法も、実施例1と同じである。
Figure 0005900660
表1は、MIMOアンテナ1,2,100のS11特性図(図9,図12,図15)から、S11が最小となる周波数(すなわち、マッチングが最も取れた共振周波数)を抽出してまとめたものである。
Figure 0005900660
表2は、MIMOアンテナ1,2,100の相関係数の特性図(図10,図13,図16)から、S11が最小となる周波数における相関係数を抽出してまとめたものである。表2によれば、ダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ1,2の相関係数は、モノポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ100の相関係数よりも低いという結果が得られた。
Figure 0005900660
表3は、MIMOアンテナ1,2,100の動作利得の特性図(図11,図14,図17)から、S11が最小となる周波数における動作利得を抽出してまとめたものである。表3によれば、ダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ1,2の動作利得は、モノポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ100の動作利得よりも高いという結果が得られた。
なお、表1から表3において、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mmは距離D1を示しており、最短距離D2に換算した場合、それぞれ3mm、3.4mm、4.1mm、4.9mm、5.7mm、6.6mmとなる。
次に、各放射素子が互いに平行な導体部分を有するMIMOアンテナ3,4,101(図18,図19,図20)それぞれについてマッチングが最も取れた共振周波数で、MIMOアンテナ3,4,101の特性を比較した結果について説明する。具体的には、距離D1を1〜6mmまで1mm毎に変化させることで最短距離D2を変化させたときの、S11特性、相関係数特性、動作利得特性について比較する。
図18は、本発明の実施形態であるMIMOアンテナ3の動作を解析するためのコンピュータ上のシミュレーションモデルを示した平面図である。MIMOアンテナ3は、グランドプレーン70と、2つのダイポールアンテナ素子10,20とを備えたマルチアンテナである。MIMOアンテナ3では、ダイポールアンテナ素子10の放射素子11とダイポールアンテナ素子20の放射素子21とが、それぞれ、互いに平行に延伸する導体部分を有している。
図19は、本発明の実施形態であるMIMOアンテナ4の動作を解析するためのコンピュータ上のシミュレーションモデルを示した平面図である。MIMOアンテナ4は、グランドプレーン70と、2つのダイポールアンテナ素子30,40とを備えたマルチアンテナである。MIMOアンテナ4では、ダイポールアンテナ素子30の放射素子31とダイポールアンテナ素子40の放射素子41とが、それぞれ、互いに平行に延伸する導体部分を有している。
図20は、本発明の実施形態とは異なるMIMOアンテナ101の動作を解析するためのコンピュータ上のシミュレーションモデルを示した平面図である。MIMOアンテナ101は、グランドプレーン70と、2つのモノポールアンテナ素子50,60とを備えたマルチアンテナである。MIMOアンテナ101では、モノポールアンテナ素子50の放射素子51とモノポールアンテナ素子60の放射素子61とが、それぞれ、互いに平行に延伸する導体部分を有している。
特性測定時の図18で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L11,L21:6.5
L12,L22:31.5
L3:2.1
W11,W21:1.9
とした。
特性測定時の図19で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L31,L41:10.95
L32,L42:30
L4:2.1
W31,W41:1.9
W32,W42:1.9
W33,W43:1
とした。
特性測定時の図20で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L51,L61:22.95(D1=1)
L51,L61:21.95(D1=2)
L51,L61:20.95(D1=3)
L51,L61:19.95(D1=4)
L51,L61:18.95(D1=5)
L51,L61:17.95(D1=6)
L101:2.1
W51,W61:1.9
W52,W62:1.9
とした。
また、グランドプレーン70、各素子の厚さ及び誘電体基板の各部の寸法は、実施例1と同じである。
図21は、ダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ3のS11特性図である。図22は、MIMOアンテナ3の相関係数の特性図である。図23は、MIMOアンテナ3の動作利得の特性図である。図24は、電磁界結合するダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ4のS11特性図である。図25は、MIMOアンテナ4の相関係数の特性図である。図26は、MIMOアンテナ4の動作利得の特性図である。図27は、モノポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ101のS11特性図である。図28は、MIMOアンテナ101の相関係数の特性図である。図29は、MIMOアンテナ101の動作利得の特性図である。
Figure 0005900660
表4は、MIMOアンテナ3,4,101のS11特性図(図21,図24,図27)から、S11が最小となる周波数(すなわち、マッチングが最も取れた共振周波数)を抽出してまとめたものである。
Figure 0005900660
表5は、MIMOアンテナ3,4,101の相関係数の特性図(図22,図25,図28)から、S11が最小となる周波数における相関係数を抽出してまとめたものである。表5によれば、ダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ3,4の相関係数は、モノポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ101の相関係数よりも低いという結果が得られた。
Figure 0005900660
表6は、MIMOアンテナ3,4,101の動作利得の特性図(図23,図26,図29)から、S11が最小となる周波数における動作利得を抽出してまとめたものである。表6によれば、ダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ3の動作利得は、モノポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ101の動作利得と同等という結果が得られた。また、表6によれば、ダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ4の動作利得は、モノポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ101の動作利得よりも高いという結果が得られた。
なお、図21から図29および表4から表6において、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mmは距離D1を示しており、最短距離D2に換算した場合、それぞれ3mm、3.4mm、4.1mm、4.9mm、5.7mm、6.6mmとなる。
次に、放射素子とグランドプレーンとの距離D2と、放射素子の中央部に対しての給電部のオフセット距離とを変化させたときの、ダイポールアンテナ素子を使用するMIMOアンテナ1(図1)の電圧定在波比(VSWR)を測定した結果について説明する。なお、オフセット距離は、給電部16(又は、給電部26)と中央部90との間の距離である。
放射素子11,21の基本モードの共振周波数を2.4GHz付近に設定し、VSWR測定時の図1で示した各部の寸法は、実施例1と同じである。
Figure 0005900660
表7は、距離D2とオフセット距離とを変化させたときに測定されたVSWRからS11を演算した値をまとめたものである。表7に示した「グランドからの距離」は、実際の距離D2を2.4GHzの真空中の波長λ(=125mm)で規格化した値(=D2/125)を表す。表7に示した「給電位置」は、放射素子11,21の全長(=38mm)に対する、端部14,24側への中央部90からの給電部16,26のシフト量(=オフセット距離)の割合を表す。この割合が0のとき、給電部16,26が中央部90に位置していることを表す。また、表7において、−6.0未満のS11を点線で囲っている。S11が−6.0未満のときにダイポールアンテナ素子のマッチングが良好であるとする。
そうすると、表7によれば、距離D2が0.046・λよりも大きく0.053・λよりも小さい値(例えば、0.05・λ)を超えるほど放射素子がグランドプレーンから離れていれば、給電部が放射素子の中央部付近にあってもよいという結果が得られた。
また、表7によれば、距離D2を0.05・λ以下にする場合、放射素子の中央部から放射素子の全長の1/8(=0.125)以上の距離を離して給電部をオフセットさせるとよいという結果が得られた(0.11<0.125<0.13)。また、表7によれば、距離D2を0.043・λ以下にする場合、放射素子の中央部から放射素子の全長の1/6(=0.166)以上の距離を離して給電部をオフセットさせるとよいという結果が得られた(0.16<0.166<0.24)。また、表7によれば、距離D2を0.034・λ以下にする場合、放射素子の中央部から放射素子の全長の1/4(=0.25)以上の距離を離して給電部をオフセットさせるとよいという結果が得られた(0.24<0.25<0.32)。
以上、MIMOアンテナを実施形態例により説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではない。他の実施形態例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、MIMOアンテナは、2つのダイポールアンテナ素子を有するものに限らず、3つ以上のダイポールアンテナ素子を有するものでもよい。
また、複数のダイポールアンテナ素子は、それぞれ、図示の形態に限られない。例えば、図1のダイポールアンテナ素子10は、放射素子11に直接又は接続導体を介して間接的に接続された導体部分を有するものでもよいし、放射素子11に高周波的(例えば、容量的)に結合された導体部分を有するものでもよい。他のダイポールアンテナ素子も同様である。
また、ダイポールアンテナ素子は、直線的に延びる線状の導体部分を含むものに限らず、曲がった導体部分を含むものでもよい。例えば、L字状の導体部分を含むものでもよいし、メアンダ形状の導体部分を含むものでもよいし、途中で分岐した導体部分を含むものでもよい。
また、給電素子に、スタブを設けてもよいし、整合回路を設けてもよい。これにより、給電素子が基板に占める面積を減らすことができる。
また、給電部が接続される伝送線路は、マイクロストリップラインに限られない。例えば、ストリップライン、グランドプレーン付きコプレーナウェーブガイド(導体面とは反対側の表面にグランドプレーンが配置されたコプレーナウェーブガイド)などが挙げられる。給電素子と給電点は、これらの異なる複数の種類の伝送線路を介して接続されてもよい。
本国際出願は、2013年1月10日に出願した日本国特許出願第2013−002988号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2013−002988号の全内容を本国際出願に援用する。
1,2,3,4,100,101 MIMOアンテナ
10,20,30,40 ダイポールアンテナ素子
11,21,31,41 放射素子
12,13,22,23 導体部分
14,15,24,25 端部
16,26,36,46 給電部
37,47 給電素子
38,48 給電点
39,49 端部
50,60 モノポールアンテナ素子
90 中央部
70 グランドプレーン
71,72 外縁部
73 角部
80,110 誘電体基板

Claims (16)

  1. グランドプレーンと、
    前記グランドプレーンの近傍に配置された複数のダイポールアンテナ素子とを有し、
    前記複数のダイポールアンテナ素子は、それぞれ、
    前記グランドプレーンの外縁部に沿った導体部分を有する放射素子と、
    前記放射素子に給電する給電部と、
    前記放射素子から離れて配置された給電素子とを備え、
    前記給電素子が共振することにより、前記放射素子は、前記給電部で前記給電素子を介して非接触で給電され、放射導体として機能する、ことを特徴とするMIMOアンテナ。
  2. グランドプレーンと、
    前記グランドプレーンの近傍に配置された複数のダイポールアンテナ素子とを有し、
    前記複数のダイポールアンテナ素子は、それぞれ、
    前記グランドプレーンの外縁部に沿った導体部分を有する放射素子と、
    前記放射素子に給電する給電部とを備え、
    前記グランドプレーンは、少なくとも一つの角部と、前記角部から延伸する第1の外縁部と、前記第1の外縁部の延伸方向に直交するように前記角部から延伸する第2の外縁部と、を有し、
    前記複数のダイポールアンテナ素子のうちの第1のダイポールアンテナ素子は、前記第1の外縁部に沿った導体部分を有し、
    前記複数のダイポールアンテナ素子のうちの第2のダイポールアンテナ素子は、前記第2の外縁部に沿った導体部分を有し、
    前記給電部は、前記放射素子の中央部以外の部位に位置する、ことを特徴とするMIMOアンテナ。
  3. 前記複数のダイポールアンテナ素子のそれぞれの前記放射素子は、互いに平行に延伸する導体部分を有する、請求項1に記載のMIMOアンテナ。
  4. 前記給電部は、前記放射素子の中央部以外の部位に位置する、請求項1または3に記載のMIMOアンテナ。
  5. 前記複数のダイポールアンテナ素子のそれぞれの前記給電部は、互いに近づく方向に前記放射素子の中央部からシフトした部位に位置する、請求項2又は4に記載のMIMOアンテナ。
  6. 前記給電部は、前記放射素子の中央部から該放射素子の全長の1/8以上の距離を離した部位に位置する、請求項2,4,5のいずれか一項に記載のMIMOアンテナ。
  7. 前記放射素子の設計周波数における真空中の波長をλとする場合、
    前記放射素子と前記グランドプレーンとの距離は、0.05・λ以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載のMIMOアンテナ。
  8. 前記給電素子の共振の基本モードを与える電気長をLe37、前記放射素子の共振の基本モードを与える電気長をLe31、前記放射素子の基本モードの共振周波数における前記給電素子または前記放射素子上での波長をλとして、Le37が、(3/8)・λ以下であり、かつ、Le31が、(3/8)・λ以上(5/8)・λ以下である請求項1または3に記載のMIMOアンテナ。
  9. 前記放射素子の基本モードの共振周波数における真空中の波長をλとする場合、
    前記給電素子と前記放射素子との最短距離が、0.2×λ以下である、請求項1,3,8のいずれか一項に記載のMIMOアンテナ。
  10. 前記給電部は、前記放射素子の基本モードの共振周波数における最も低いインピーダンスになる部分以外に位置する、請求項1,3,8,9のいずれか一項に記載のMIMOアンテナ。
  11. 前記給電部は、前記放射素子の基本モードの共振周波数における最も低いインピーダンスになる部分から前記放射素子の全長の1/8以上の距離を離した部位に位置する、請求項1,3,8,9,10のいずれか一項に記載のMIMOアンテナ。
  12. 前記給電素子と前記放射素子とが最短距離で並走する距離は、前記放射素子の長さの3/8以下である、請求項1,3,8,9,10,11のいずれか一項に記載のMIMOアンテナ。
  13. 前記複数のダイポールアンテナ素子は、それぞれの放射素子の導体部分の延伸方向が直交するように延伸する、請求項1,3,8,9,10,11,12のいずれか一項に記載のMIMOアンテナ。
  14. 前記給電部は、前記放射素子の中央部より前記グランドプレーンの角部側に位置する、請求項2または13に記載のMIMOアンテナ。
  15. 前記放射素子は、前記給電素子の共振周波数と異なる共振周波数を有する、請求項1,3,8,9,10,11,12,13のいずれか一項に記載のMIMOアンテナ。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載のMIMOアンテナを備える無線装置。
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