JP5898021B2 - リチウムイオン電池の再資源化方法、およびその装置 - Google Patents

リチウムイオン電池の再資源化方法、およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン電池の再資源化回収方法、およびその装置に関し、特に、廃リチウムイオン電池からのリチウム塩、コバルト塩などの製造方法に関する。
リチウムイオン電池は、小型かつ大容量の二次電池として携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ・ビデオを始め幅広い電子・電気機器等に広く普及している。その使用量は、ハイブリッド型電気自動車(HEV)用や、電気自動車(EV)用に、今後ますます増加するといわれている。使用量が増加する一方で、廃製品も多く生まれる。リチウムイオン電池には、容器としての鉄系材料またはアルミニウム、負極集電体材料としての銅、負極活物質材料としての炭素、正極集電体材料としてのアルミニウム、正極活物質材料としてのリチウム化合物など、種々の材料が使用されているが、この中でも正極活物質材料には、リチウム、コバルト、ニッケルなどの希少金属(いわゆるレアメタル)が、電池によって含有量の多少があるものの含まれており、廃製品の再資源化のニーズが高まっている。
従来の廃リチウムイオン電池の再資源化技術としては、廃リチウムイオン電池を焼成、粉砕し、硝酸、硫酸、塩酸などの強酸を使用して溶解した後、溶媒抽出法により必要な元素を有機溶媒に抽出し、酸を用いて水相に逆抽出(有機溶媒相から剥離)した上で、アルカリ性水溶液を添加したり炭酸塩水溶液を作用させたりするなどして、水酸化物や炭酸塩の沈殿として採取していた。このような従来技術に、特開2011−74410号公報(特許文献1)がある。
また、本技術分野の他の従来技術として、特開2004−11010号公報(特許文献2)がある。この公報には、電池正極活物質であるコバルト酸リチウムを、水素または炭素とともに還元焙焼することにより、コバルト酸リチウムの化合物形態を変化させ、焙焼物を水で浸出することにより、焙焼物中のリチウム分を溶出させて、かつ、コバルトを残渣中へ分配させて、それぞれ回収する技術が開示されている。また、特開2011−94227号公報(特許文献3)がある。この公報には、マンガン酸リチウムに炭素を混合した混合物を焙焼してなる焙焼物を水で浸出することによりリチウムを選択的に回収する技術が記載されている。
特開2011−74410号公報 特開2004−11010号公報 特開2011−94227号公報
特許文献1にかかる方法では、溶解のための酸ならびに中和のためのアルカリを多量に必要とし、また、工程が煩雑であることから操業コストが高いという問題がある。また、廃電池に対して焼成や粉砕を行って得られる生成物には、電池の容器材料である鉄や正極集電体材料であるアルミニウムなどが混入することも、次のような課題を生む。すなわち、溶媒抽出法ではアルミニウムや鉄などがリチウムに優先して抽出されるため、リチウムを回収しようとしてもそれらが同時に抽出され、高純度化が図れないという問題がある。かかる問題を回避するために鉄やアルミニウムを先に抽出すると、リチウムを抽出するまでの工程数が増加することになり、回収コストの増加を生む。また、リチウムを抽出する段階において、前段で抽出した元素が一部残存しているため、回収するリチウムの高純度化が困難であるという問題がある。さらにリチウムに関しては、炭酸塩や水酸化物の溶解度が比較的大きいことも次のような問題を生じる。すなわち、炭酸塩や水酸化物の沈殿としてリチウムを回収しようとしても、溶解度に相当する量のリチウムが水相中に存在しており、これらは廃棄されることになる。そのため、アルカリ性水溶液や炭酸塩水溶液を作用させる方法では回収率が低いという問題がある。
また、特許文献2ならびに3を廃リチウムイオン電池の再資源化に適用する方法では、正極活物質以外の、たとえば集電体材料やケースなどが混入した場合に除去する工程がないという問題がある。
本発明は、これらの問題を解決するために、最小限の酸やアルカリを用い、簡略な工程で安価に操業を行うことができ、リチウムやコバルトなどを高い収率で分離回収する方法を提供する。
上記課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行った。その結果、以下の手段で解決せしめることが可能であることを見出した。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、以下のようである。
上記課題を解決するために本発明のリチウムイオン電池の再資源化方法を、リチウムイオン電池を500℃以下の温度で、および10Pa以下の減圧下で焙焼、粉砕、篩い分けすることにより焙焼粉を精製する工程と、前記得られた焙焼粉に、リチウムを浸出させた後の溶液の平衡pHが8.6以上となるように、脱イオン水またはpHを調整した酸を作用させて、前記焙焼粉中のリチウムを選択的に浸出させた浸出液を得る浸出工程と、前記浸出工程によって得られた浸出液に、キレート化剤を含む溶媒抽出液を作用させることにより、前記浸出液に含まれるリチウムイオンを油相に抽出する溶媒抽出工程と、前記溶媒抽出工程で得られた油相に、リチウム塩の水溶液を作用させることによって、前記油相に含まれるリチウムイオンを水相に逆抽出するとともにリチウム塩の沈殿を行う晶析剥離工程とを有して構成する。
また、上記課題を解決するために本発明の晶析剥離装置を、リチウムイオン電池を焙焼、粉砕、篩い分けして得られた焙焼粉に脱イオン水または酸を作用させて、前記焙焼粉中のリチウムを選択的に浸出させた浸出液に、キレート化剤を含む溶媒抽出液を作用させて前記浸出液に含まれるリチウムイオンを抽出した油相を、溶媒抽出装置より投入し、同時に、晶析剥離の機能を有する水相を投入して、混合液を攪拌、静置して、沈殿、水相、油相の3相に分離する剥離槽と、内部を真空ポンプにより減圧して、前記剥離槽より分岐コックを介して、沈殿、水相を導入して、濾布により沈殿と水相を効率的に分離する濾過器と、前記剥離槽内の油相を回収して、蓄え、前記溶媒抽出装置へ抽出溶媒として供給する油相回収タンクと、前記濾過器より分離された濾液を回収して、蓄え、対イオン供給機構より適切量の剥離助剤を投入して、蓄えた濾液を再度晶析剥離液として前記剥離槽へ供給する晶析剥離液タンクと、前記晶析剥離液タンクへ剥離助剤を供給する対イオン供給機構とを備えて構成する。
また、本発明の他の特徴として、前記晶析剥離装置において、前記晶析剥離の機能を有する水相は、主成分の水と、飽和濃度のリチウム塩と、該リチウム塩におけるリチウムの対イオンと同じイオンを含むリチウム塩以外の化合物(剥離助剤)とを有し、前記溶媒抽出液は、キレート化剤、および金属イオン抽出剤を含む灯油とする。
本発明の方法により、廃リチウムイオン電池から、最小量の薬品を用いて安価で、リチウムやコバルトなどを高い収率で分離回収することができる。
廃リチウムイオン電池のリサイクルプロセスフローの一例を示す図である。 純水を用いたリチウムの選択浸出試験結果を示す図である。 酸による種々の金属イオンの浸出のpH依存性を示す図である。 リチウム抽出後の残渣からの、酸によるコバルトの選択浸出を示す図である。 溶媒抽出によるリチウムの選択抽出の試験結果である。 抽出剤を替えた溶媒抽出によるリチウムの選択抽出の試験結果である。 リチウムの抽出に対するキレート化剤の効果を示す試験結果である。 アルミニウムの抽出に対するキレート化剤の効果を示す試験結果である。 鉄の抽出に対するキレート化剤の効果を示す試験結果である。 リチウムの抽出に対する種々の抽出剤の効果を示す試験結果である。 リチウムの抽出に対するTBPの効果を示す試験結果である。 晶析剥離装置を示す図である。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
本実施例では、廃リチウムイオン電池を焙焼したのち、粉砕、篩い分けすることで得られる篩下産物に、脱イオン水(純水)を作用させてリチウムを選択的に浸出させて回収する方法を説明する。
正極活物質材料としてコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物を使用しているリチウムイオン電池の廃棄物を、温度500℃、圧力7Pa(10Pa以下の減圧下が望ましい)で1時間焙焼したのち、機械的に粉砕し、35メッシュ(420μm目開き)の篩で分けることにより、篩の下側より粒径0.42mm以下の回収物を得る。回収物の組成は、電池のメーカーや製品によって異なるが、一例を重量百分率で示すと、Li:4.1%、Al:2.3%、Mn:0.7%、Fe:0.2%、Co:36.3%などである。この回収物1gを50mLの脱イオン水(純水)に室温下で分散させ、10分間攪拌した後、濾過することにより、濾液と残渣を得る。濾液中の陽イオンを分析した結果より各元素の浸出率(篩下産物の中に含まれる対象元素の全重量に対して、液中に溶け出た対象元素イオンの重量の比率)を求めたところ、Liが89%であった以外は、Co,Cu,Fe,Mn,Al,Niのいずれも1%未満であった。また各元素の浸出率は、攪拌時間に対して、図2のように変化した。図より、Liの浸出率は浸出時間5分以上で一定となっており反応は完了している。一方、浸出時間45分以上ではAlの浸出が1%以上と無視できなくなっている。以上より、浸出時間は5分から45分までの間で適切に選択することができる。
このようにして得られた浸出液を、加熱した二酸化炭素雰囲気中に噴霧することで、または、二酸化炭素雰囲気中に置かれた約200℃の回転ドラムに向けてスプレーすることで、ドラム表面に塗布された浸出液が乾燥、剥離して、炭酸リチウムの粉末を得た。
また、前記浸出液に二酸化炭素を通気して、炭酸リチウムの沈殿を得た。
本実施例では、実施例1における脱イオン水に代えて、硫酸、硝酸、または亜硫酸水素ナトリウムを加えた種々のpH(水素イオン指数)の溶液を用いた例を示す。図3は、リチウム、マンガン、アルミニウム、コバルトの浸出率を、pHに対してプロットしたものである。ここで、図の横軸のpHは浸出後の平衡pHである。平衡pHが約11の点は、pH7の脱イオン水を用いたときのものであり、本実施例では最も平衡pHが高くなっている。これらの図より明らかなように、用いる酸の種類にはよらず平衡pHが8.6以上となるような浸出液を用いることで、マンガンとコバルトの浸出率は1%以下に抑制でき、アルミニウムの浸出率は8%以下に抑制できる。また平衡pHが10以上となるような浸出液を用いることで、マンガン、コバルト、アルミニウムのいずれの金属イオンの浸出率も1%以下に抑制することが出来る。
以上の他元素に対して、リチウムの浸出率の推移は図3(a)に示す様に高いものであり、平衡pHが8.6以上となる浸出液においても、実施例1と同様にリチウムの浸出率は89%程度となっている。
本実施例では、実施例1または2と同様の処理を行ってリチウムを浸出させた後の残渣から、コバルトを回収する例について説明する。
実施例1に記載した脱イオン水による処理後の濾過によって得られた残渣に対して、酸を作用させた。このとき、酸の種類と添加量に対する、コバルトの浸出率と純度は、図4に示すようであった。
(数1) コバルトの浸出率 = (酸中に溶け出たCoイオンの重量)/(残渣中に含まれ
る全Co重量)×100
(数2) コバルトの純度 = (酸中に溶け出たCoイオンの重量)/(酸中に溶け出た
全金属イオンの重量)×100
ここで、図4(a),(b),(c)の横軸は、残渣に含まれるコバルトのモル数によって規格化した、酸の放出しうる水素イオンのモル数で示してある。即ち、硫酸及び硝酸はそれぞれ2価及び1価の酸であるので、硫酸のモル数の2倍及び硝酸のモル数の1倍で示してある。酸としては、酸化還元作用を有しない硫酸と、酸化作用を有する硝酸を用いて比較した。また比較のために、アルカリ性で還元作用を有する亜硫酸水素ナトリウム水溶液と、キレート化作用を有するEDTA(エチレンジアミン4酢酸)の種々のpH(水素イオン指数)の溶液も用いた。亜硫酸水素ナトリウム水溶液の場合は、残渣に含まれるコバルトのモル数に対する、硫酸水素ナトリウムのモル数で示してある。またEDTAの場合は、図4(d)の横軸はpHで示してある。図4(a),(b),(c),(d)において、黒丸は浸出率を、白丸は純度を表わす。
図より、硫酸、硝酸のいずれの酸も、コバルトのモル数の2倍以上添加することにより、その浸出率はほぼ最大値に達し、浸出率60%以上、純度90%以上を達成し、特に酸化作用を有する硝酸では浸出率、純度ともに90%以上を達成した。一方、還元性でアルカリ性溶液である亜硫酸水素ナトリウム水溶液では、浸出率は30%に満たなかった。以上から、コバルトの浸出液としては、酸性であることが望ましく、さらには酸化性も持つことが望ましい。キレート化剤であるEDTA水溶液では、pHが8以下の中性ないし酸性領域で、コバルトの浸出率が50%以上、純度90%以上を達成した。
残渣に含まれるコバルトのモル数の4.5倍の硝酸を作用させることにより得られたコバルトの浸出液を、水酸化ナトリウム水溶液によって中和して、水酸化コバルトの沈殿を得た。
本実施例では、実施例1乃至3記載と同様のリチウムの浸出処理によって得られた浸出液に対して、キレート化剤を添加した後、溶媒抽出を行い、高純度のリチウムを回収する例について説明する。
塩化リチウム、塩化アルミニウム、塩化鉄をそれぞれ0.01mol/dm含む混合水溶液に、キレート化剤としてエチレンジアミン4酢酸(以下EDTA)を0.1mol/dmの濃度になるよう添加したのち、pHが3〜7の範囲となるよう、塩酸でpHを調整した。ここで、前記の混合水溶液は実施例1に記載した脱イオン水による処理後の濾液を模擬した溶液である。実施例1に記載した脱イオン水による処理後の濾液はアルカリ性であり、0.3mol/dmの塩化リチウム水溶液は中性であるが、キレート化剤を添加した後にpHを調整するので、同じ溶液として扱うことが出来る。pH調整後の溶液15cmに対して、金属イオン抽出剤を含む灯油を15cm添加し、激しく攪拌して十分に接触させたのち、2層に分離するまで静置した。金属イオン抽出剤としては、次のいずれかを使用した。即ち、1つは大八化学製D2EHPA[一般名:リン酸ジ−2−エチルヘキシル](0.5mol/dm)とリン酸トリ−n−ブチルエステル(以下TBP、0.1mol/dm)を添加したもの(以下抽出剤I)であり、もう1つは大八化学製PC−88A[一般名:2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル](0.5mol/dm)にTBP(0.1mol/dm)を添加したもの(以下抽出剤II)である。
2層に分離させた後、水相、油相をそれぞれ採取して、含まれている金属イオンの濃度を原子吸光法により測定し、油相への抽出率を求めた。(本実施例では、水相から油相の方へ金属イオンを取り出すことを抽出と呼ぶ。)
(数3) 抽出率 = (油相の中の対象金属イオンの重量)/(水相の中の対象金属イオン
の重量)×100
結果を図5,6に示す。図5は抽出剤Iを用いた場合の結果であり、図6は抽出剤IIを用いた場合の結果である。両図とも、(a)は油相への抽出率であり、(b)は油相中のリチウムの純度である。抽出剤Iを用いた場合(図5)のリチウムの抽出率は、pHの増加とともに上昇し、pH=4.2で80%、pH=4.8で96%程度と高い。しかし鉄もアルミニウムも抽出率は0.1%未満であり、同図(b)に示すように油相のリチウムの純度(リチウム、アルミニウム、鉄の重量の合計に対する、リチウムの重量)は99%以上である。pHが4.9になると鉄の抽出が確認され、油相のリチウム純度は80%に低下する。
抽出剤IIを用いた場合(図6)のリチウムの抽出率も、pHの増加とともに上昇し、pH=4.5で25%程度、pH=5で55%程度である。このpH領域では鉄もアルミニウムも抽出率は0.1%未満であり、同図(b)に示すように油相のリチウムの純度は99%以上である。pHが5を上回ると鉄の抽出が確認され、油相のリチウム純度は低下する。このように、キレート化剤を添加することで、リチウムの選択的な抽出が可能となり、実施例1に記載した脱イオン水による処理後の濾液にアルミニウムや鉄が混入しても分離が可能である。
キレート化剤の作用について、さらに詳細に検討した結果を、図7から9を用いて説明する。0.3mol/dmの塩化リチウム水溶液に、キレート化剤を0.1mol/dmの濃度となるよう添加し、リチウムの抽出率に及ぼすキレート化剤の影響を評価した。キレート化剤としては、シュウ酸、クエン酸、EDTA、同仁化学研究所製Tiron[一般名:1,2−ジヒドロキシ−3,5−ベンゾジスルホン酸2ナトリウム1水塩]のいずれかを用いた。また比較のため、キレート化剤を添加しない検討も行った。そののち、抽出剤Iまたは抽出剤IIを含む灯油と接触させ、リチウムの抽出反応を進行させ、反応終了後の溶液中のリチウムイオン濃度を測定した。図7に示すように、キレート化剤を添加しない場合と比較して、いずれのキレート化剤を添加した場合も、リチウムの抽出率に顕著な違いはみられなかった。
アルミニウムと鉄については、いずれかを5×10−3mol/dmの濃度で含む溶液に前記のキレート化剤のいずれかを添加したのちpHを調整し、前記のリチウムの抽出と同様に抽出剤IまたはIIを含む灯油と接触させて抽出反応を進行させた。図8及び図9はそれぞれアルミニウム及び鉄の抽出率を示す図である。またいずれの図も、(a)及び(b)はそれぞれ抽出剤I及び抽出剤IIを用いた結果である。いずれの金属イオン、抽出剤の組合せにおいても、抽出が抑制されるpH領域が存在する。例えば鉄イオンを抽出剤IIで抽出する場合(図9(b))は、キレート化剤を添加しない場合はpHが2から6.5の範囲でほぼ100%抽出される。しかし、シュウ酸を添加した場合の抽出率は、pH5以下では20%以下に抑えられており、他のキレート化剤でも、クエン酸ではpH5.6以上で、TironではpH5.3以上で、EDTAではpH6.2以下で、いずれも抽出率は20%以下に抑えられている。また、キレート化剤としてEDTAを用いる場合に抽出率が1%以下に抑制されるpH領域を、金属イオンと抽出剤の組合せごとに記すと、アルミニウムと抽出剤Iの組合せ(図8(a))では6以下、アルミニウムと抽出剤IIの組合せ(図8(b))では4.6以下、鉄と抽出剤Iの組合せ(図9(a))では5.1以下、鉄と抽出剤IIの組合せ(図9(b))では5.6以下である。このpH領域は、図5及び図6でアルミニウム及び鉄の抽出が抑制されている領域とほぼ一致する。このように、キレート化剤が、鉄やアルミニウムに優先的に作用する結果として、リチウム、アルミニウム、鉄の混合溶液からリチウムを選択的に抽出することが可能となる。
図10には、リチウムの抽出に対する抽出剤の効果を示してある。抽出するpHは事業者が自由に選択することができるが、より高いpHでの操業を行う場合には、β−ジケトン系の抽出剤であるジベンゾイルメタン[一般名:1,3−diphenyl−1,3−propanedione]を用いればよい。
図11には、リチウムの抽出に対するTBP[一般名:リン酸トリ−n−ブチルエステル]の効果を示してある。TBPを添加しない場合でもリチウムの抽出は可能であるが、pHが高くなると水相とも油相とも異なる第3相が生成し、その相に含まれる元素の回収が困難になる。そのため、TBPを添加することが望ましい。
本実施例では、実施例1乃至3記載と同様のリチウムの浸出処理によって得られた浸出液に対して、実施例4記載と同様の、キレート化剤を添加した溶媒抽出処理を行い、かかるのちに得られる油相に晶析剥離操作を行うことにより、高純度のリチウムを回収する例について説明する。
図12は、晶析剥離を行う装置500を示している。剥離槽501は、下部が円錐形状をしており、分岐コック511を介して、濾過器521及び油相回収タンク551に繋がっている。剥離槽501はまた、上部に攪拌機502と該攪拌機によって回転駆動される羽根503が取り付けられている。剥離槽501はまた、上部に溶媒抽出装置600で得られる油相を投入する投入口504と、晶析剥離の機能を有する水相を投入する投入口505を有している。
実施例4記載と同様の方法で溶媒抽出装置600にて溶媒抽出処理を行い得られた油相を投入口504より投入し、晶析剥離液タンク552に貯蔵されている晶析剥離液を送液ポンプ572により投入口505より投入し、羽根503により攪拌を開始すると、水相に白濁が見られた。一定時間ののち攪拌を停止して静置すると、下から順に、白色の沈殿、水相、油相の3相に分離した。かかるのち、分岐コック511を慎重に開けることにより、白色の沈殿を濾過器521に導入する。濾過器には、真空ポンプ522とリーク弁523が図のような配置で接続されており、濾過器521内を適切な減圧とすることにより剥離槽501からの物質移動速度を最適に制御することが出来るとともに、濾過器521内に設けられた濾布525により沈殿と水相を効率的に分離することができる。沈殿が目視で完全に濾過器に移行したのちも水相を移動させ、微細な沈殿を可能な限り濾過により回収したのち、分岐コック511を切り替えて、油相を油相回収タンク551に導入し、すべての油相が移動した段階で、晶析剥離操作は完了する。
この後、濾布525を取り出し、適切な洗浄および乾燥を施すことで、リチウム化合物が乾燥した固体として回収される。また、濾過器521内に回収された濾液は、送液ポンプ571により晶析剥離液タンク552に移動される。晶析剥離タンク552は、固体炭酸塩投入機構(対イオン供給機構)591とバルブ582を介して接続されており、晶析剥離処理の後に回収された晶析剥離液は、適切量の炭酸塩を投入したのち、再度晶析剥離液として使用される。また、油相回収タンク551の油相は、送液ポンプ573により溶媒抽出装置600に移送され、抽出溶媒として使用される。
ここで、溶媒抽出装置600で得られる油相の晶析剥離装置500における組成変化は以下のようになる。まず剥離槽501に投入される前の油相は、主成分のケロシンなどの有機溶媒と、例えば実施例4記載の抽出剤Iまたは抽出剤IIと、リチウムイオンを含んでいる。この油相が剥離槽501において晶析剥離液と接触する。晶析剥離液には、析出させるリチウム塩と、該リチウム塩におけるリチウムの対イオンと同じイオンの、リチウム塩以外の化合物(以下剥離助剤)が、適正な濃度で含まれている。例えば前記析出させるリチウム塩を炭酸リチウムとする場合には、前記対イオンは炭酸イオンであり、前記剥離助剤には例えば炭酸ナトリウムなどの炭酸塩のほか、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩や、二酸化炭素が水に溶解することによって生じる炭酸イオン、炭酸水素イオンを利用することが出来る。また、前記した適正な濃度について、前記した炭酸リチウムを用いる例で説明すると、溶液中に存在するリチウムイオン活量の自乗と炭酸イオン活量の積で計算される値が、炭酸リチウムの溶解度積にほぼ等しいことをいう。このような晶析剥離液と前記油相が接触すると、油相中のリチウムイオンが水相に移動する。このリチウムイオンの移動によって、水相のリチウムイオン活量は増加しようとするが、その値の自乗と対イオン活量の積が、析出させるリチウム化合物の溶解度積に既にほぼ到達しているのでリチウムイオンとして水相中に存在することができず、リチウム塩の結晶として析出する。油相のリチウムは、水相のリチウム濃度と平衡に達するまで水相に移行し、移動したリチウムはそのほとんどが析出して、晶析剥離反応が完了する。晶析剥離後の油相は、若干のリチウムを含んでいるが、再度抽出溶媒として使用することができる。実施例4で示したようにリチウムの抽出率は非常に高いことから、抽出溶媒に既にリチウムが含まれていても、それが次の抽出の障害となることはない。
一方、晶析剥離液の組成変化は以下のようになる。剥離槽501に投入される前の晶析剥離液は、主成分の水と、析出させるリチウム塩と、該リチウム塩におけるリチウムの対イオンと同じイオンを含む、前記剥離助剤が含まれている。剥離槽501において、溶媒抽出で得られた油相が、前記晶析剥離液と接触すると、油相から晶析剥離液にリチウムイオンが移動しようとするが、水相のリチウムイオン活量の自乗と対イオン活量の積が、析出させるリチウム塩の溶解度積に既にほぼ到達しているため、リチウム塩の結晶が析出する。油相のリチウムは、水相のリチウム濃度と平衡に達するまで水相に移行し、移動したリチウムはそのほとんどが析出して、晶析剥離反応が完了する。このように、晶析剥離前後の晶析剥離液中のリチウム濃度はほぼ一定している。しかしながら、油相から移動したリチウムが前記対イオンとともに沈殿を生成するため、移動したリチウムの量に対応して前記対イオンの濃度は減少している。従って、剥離反応終了後の晶析剥離液は、適切な量の前記剥離助剤を添加することによって前記対イオンの濃度を高めた後、再度晶析剥離液として使用することができる。
以上のような操作を繰り返した結果として、非常に高い効率でリチウムを回収することができる。
実施例1乃至実施例5にて開示したリチウムイオン電池からリチウム塩、コバルト塩を回収するプロセスフローの一例を纏めて示すと、図1のようになる。廃電池1に対して真空焙焼と粉砕と篩い分けとを含む焙焼・粉砕2を行った後に得られる篩下産物5に対して、実施例1と同様の方法で水抽出10を行うと、残渣(Coなどを含む)111と溶液(Liを主に浸出)211が得られる。このとき、溶液211にはほぼリチウムのみが浸出されているが、若干のアルミニウム及び鉄も含まれる。そのため、実施例4と同様の方法で溶媒抽出220を行うことにより、リチウムを主に含む油相221と、アルミニウムや鉄を含む水相222に分離される。油相221に対して実施例5に記載の晶析剥離230を行うことにより、油相231、沈殿(Li塩が析出)232、水相233に分離される。油相231は再度抽出溶媒として溶媒抽出220に使用され、水相233は前記対イオンを添加した後、晶析剥離液として晶析剥離230に使用される。
水抽出10で得られた残渣111に対して、実施例3と同様の方法で酸を用いた選択溶解120を行うと、鉄やマンガンを含む残渣121とコバルトやアルミニウムを含む溶液122とに分離できる。溶液122に対して、アルミニウムよりコバルトが優先的に抽出される条件で溶媒抽出130を行うことにより、コバルトを含む油相131とアルミニウムを含む水相132とに分離される。油相131に対して酸などを用いて晶析剥離140を行うと、コバルトをほとんど含まない油相141とコバルトを含む水相142に分離される。こののち水相142に例えば水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリなどを添加する沈殿150を行うことで、例えば水酸化コバルトなどの沈殿151としてコバルトを回収することが出来る。
1 廃電池
2 焙焼・粉砕処理
5 篩下産物
10 水抽出処理
111,121 残渣
120 選択溶解処理
122 溶液
130,220 溶媒抽出処理
131,141,221,231 油相
132,142,152,222,233 水相
140,230 晶析剥離処理
150 沈殿処理
151,232 沈殿
211 溶液
500 晶析剥離装置
501 剥離槽
502 攪拌機
503 羽根
504,505 投入口
511 分岐コック
521 濾過器
522 真空ポンプ
523 リーク弁
525 濾布
551 油相回収タンク
552 晶析剥離液タンク
571,572,573 送液ポンプ
581,582,583 バルブ
591 固体炭酸塩投入機構(対イオン供給機構)

Claims (5)

  1. 廃棄リチウムイオン電池の再資源化方法であって、
    リチウムイオン電池を500℃以下の温度で、および10Pa以下の減圧下で焙焼、粉砕、篩い分けすることにより焙焼粉を精製する工程と、
    前記得られた焙焼粉に、リチウムを浸出させた後の溶液の平衡pHが8.6以上となるように、脱イオン水またはpHを調整した酸を作用させて、前記焙焼粉中のリチウムを選択的に浸出させた浸出液を得る浸出工程と、
    前記浸出工程によって得られた浸出液に、キレート化剤を含む溶媒抽出液を作用させることにより、前記浸出液に含まれるリチウムイオンを油相に抽出する溶媒抽出工程と、
    前記溶媒抽出工程で得られた油相に、リチウム塩の水溶液を作用させることによって、前記油相に含まれるリチウムイオンを水相に逆抽出するとともにリチウム塩の沈殿を行う晶析剥離工程とを有することを特徴とするリチウムイオン電池の再資源化方法。
  2. リチウムイオン電池を焙焼、粉砕、篩い分けして得られた焙焼粉に脱イオン水または酸を作用させて、前記焙焼粉中のリチウムを選択的に浸出させた浸出液に、キレート化剤を含む溶媒抽出液を作用させて前記浸出液に含まれるリチウムイオンを抽出した油相を、溶媒抽出装置より投入し、同時に、晶析剥離の機能を有する水相を投入して、混合液を攪拌、静置して、沈殿、水相、油相の3相に分離する剥離槽と、
    内部を真空ポンプにより減圧して、前記剥離槽より分岐コックを介して、沈殿、水相を導入して、濾布により沈殿と水相を効率的に分離する濾過器と、
    前記剥離槽内の油相を回収して、蓄え、前記溶媒抽出装置へ抽出溶媒として供給する油相回収タンクと、
    前記濾過器より分離された濾液を回収して、蓄え、対イオン供給機構より適切量の剥離助剤を投入して、蓄えた濾液を再度晶析剥離液として前記剥離槽へ供給する晶析剥離液タンクと、
    前記晶析剥離液タンクへ剥離助剤を供給する対イオン供給機構とを備えたことを特徴とする晶析剥離装置。
  3. 前記晶析剥離の機能を有する水相は、主成分の水と、飽和濃度のリチウム塩と、該リチウム塩におけるリチウムの対イオンと同じイオンを含むリチウム塩以外の化合物(剥離助剤)とを有し、
    前記溶媒抽出液は、キレート化剤、および金属イオン抽出剤を含む灯油であることを特徴とする請求項2に記載の晶析剥離装置。
  4. リチウムイオン電池を500℃以下の温度で、および10Pa以下の減圧下で焙焼、粉砕、篩い分けすることにより焙焼粉を精製する工程と、
    前記得られた焙焼粉に、リチウムを浸出させた後の溶液の平衡pHが8.6以上となるように、脱イオン水またはpHを調整した酸を作用させて、前記焙焼粉中のリチウムを選択的に浸出させた浸出液を得る浸出工程と、
    前記浸出工程によって得られた浸出液に、キレート化剤を含む溶媒抽出液を作用させることにより、前記浸出液に含まれるリチウムイオンを油相に抽出する溶媒抽出工程と、
    前記溶媒抽出工程で得られた油相に、リチウム塩の水溶液を作用させることによって、前記油相に含まれるリチウムイオンを水相に逆抽出するとともにリチウム塩の沈殿を行う晶析剥離工程とを有することを特徴とするリチウム化合物の製造方法
  5. 前記浸出液を得る浸出工程で得られた残渣に酸性水溶液を作用させることにより前記残渣に含まれるコバルトを浸出させた浸出液を得る工程を更に有することを特徴とする請求項4に記載のリチウム化合物の製造方法
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