JP5892597B2 - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Description

この発明は、フォトデバイスを非接触で検査する技術に関する。
フォトデバイスの1種である太陽電池の製造工程においては、いわゆる4端子測定法を適用して、太陽電池の電気特性を測定する検査装置が利用されている。より具体的には、太陽電池の受光面と裏面に設けられた集電電極に、電流測定用のプローブピンと電圧測定用のプローブピンとが当てられる。この状態で、疑似太陽光が照射されながら、太陽電池に印加する電圧を変化させて電流電圧の関係が測定される。これにより、太陽電池のI−V特性が測定される(例えば、特許文献1)。
特開2010−182969号公報
ところが、従来の太陽電池の検査装置の場合、電流測定用または電圧測定用のプローブピンを集電電極に直接接触させる必要があった。このため、プローブピンのメッキが剥がれるなど、プローブピンが摺り減るという問題があった。また、太陽電池にプローブピンを接触させるため、検査中に太陽電池素子を傷付けてしまう虞があった。そこで、発明者らは、フォトデバイスを非接触で検査する手法を提案している(特願2011−155665号)。
具体的に、フォトデバイスを非接触で検査する場合、フォトデバイスにフェムト秒レーザーから出射されるパルス光を照射して、光励起キャリア(自由電子および正孔)を発生させる。この光励起キャリアがフォトデバイスの空乏層などに作用する内部電界により加速された場合、テラヘルツ波を含む電磁波が発生する。つまり、パルス光を照射フォトデバイスに照射することにより、光励起キャリア発生領域の特性に応じて、電磁波を発生させることができる。したがって、この発生した電磁波を解析することによって、フォトデバイスの特性(空乏層の形成状況など)を検査することができる。
しかしながら、このフォトデバイスの非接触の検査においては、フォトデバイスが実際に使用されるときに受ける光(具体的に、太陽電池であれば疑似太陽光など)が照射されることなく、検査が行われる。したがって、使用時に問題となりうる構造上の欠陥の検出、または、フォトデバイスの性能の評価を行うことが極めて困難であった。
そこで、本願発明は、使用時に問題となりうるフォトデバイスの欠陥検出、または、フォトデバイスの性能評価などの検査を、非接触で行うことができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、太陽電池を検査する検査装置であって、フェムト秒レーザーから出射されるパルス光を前記太陽電池に照射する照射部と、前記パルス光の照射に応じて前記太陽電池から発生する電磁波を検出する検出部と、前記太陽電池における前記パルス光が照射されている部分に対して、連続光を照射する連続光照射部と、前記太陽電池の使用時における受光面に前記パルス光及び前記連続光が入射するよう、前記太陽電池を保持する保持部とを備えている。
また、第2の態様は、第1の態様に係る検査装置において、前記連続光の照射径または強度を変更する照射条件変更部、をさらに備えている。
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る検査装置において、前記連続光は、相互に異なる複数の波長を持つ光を含む。
また、第4の態様は、第3の態様に係る検査装置において、前記連続光が疑似太陽光を含む。
また、第5の態様は、第1または第2の態様に係る検査装置において、前記連続光は、単一波長のレーザー光である。
また、第6の態様は、第1から第5の態様までのいずれか1態様に係る検査装置において、前記太陽電池を逆バイアス状態とする電圧を印加する逆バイアス電圧印加部、をさらに備えている。
また、第7の態様は、太陽電池を検査する検査方法であって、(a)フェムト秒レーザーから出射されたパルス光を前記太陽電池に照射する工程と、(b)前記パルス光の照射に応じて前記太陽電池から発生する電磁波を検出する工程と、(c)前記太陽電池における、前記パルス光が照射されている部分に対して、連続光を照射する工程と、(d)前記太陽電池の使用時における受光面に前記パルス光及び前記連続光が入射するよう、前記太陽電池を保持する工程とを含む。
第1から第7の態様によると、連続光が照射されることによって、太陽電池を、起電力が発生している状態とすることができる。これにより、使用された状態にある太陽電池を検査することができる。したがって、パルス光の照射に応じて発生する電磁波を検出することによって、使用時に問題となりうる構造上の欠陥の検出、または、太陽電池の性能の評価を、非接触で行うことができる。
第2の態様に係る検査装置によると、連続光の照射径または光強度を変更することによって、連続光による起電力が発生する範囲、ならびに発生する起電力の大きさを任意に変更することができる。
第3の態様によると、複数の波長の連続光に曝されている状態で、太陽電池を検査することができる。
第4の態様によると、太陽電池に疑似太陽光が照射されることで、実際の使用状態にある太陽電池を検査することができる。
第5の態様によると、太陽電池の波長に依存する特性を検査することができる。
第6の態様によると、逆バイアス状態とすることにより、空乏層などの内部電界が強められるため、発生する電磁波の強度を強めることができる。これにより、電磁波の検出感度を向上することができる。
第1実施形態に係る検査装置の概略構成図である。 第1実施形態に係る照射部および検出部の概略構成図である。 太陽電池パネルの概略断面図である。 太陽電池パネルを受光面側から見たときの平面図である。 太陽電池パネルの裏側平面図である。 第1検査の流れ図である。 時間波形構築部により復元された電磁波パルスの時間波形を示す図である。 電磁波パルスのスペクトル分布を示す図である。 連続光の強度を変更したときに検出される電磁波パルスの時間波形を示す図である。 第2検査の流れ図である。 電界強度分布画像の一例を示す図である。 第2実施形態に係る検査装置の照射部と検出部の概略構成図である。 第3実施形態に係る検査装置の照射部と検出部の概略構成図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<1. 第1実施形態>
<1.1. 構成および機能>
図1は、第1実施形態に係る検査装置100の概略構成図である。また、図2は、第1実施形態に係る照射部12および検出部13の概略構成図である。
図1に示されるように、検査装置100は、ステージ11、照射部12、検出部13、連続光照射部14、モーター15、制御部16、モニター17および操作入力部18を備えている。検査装置100は、フォトデバイスが形成された基板である太陽電池パネル90を検査するように構成されている。
フェムト秒レーザーから出射されたパルス光を太陽電池パネル90などのフォトデバイスに照射すると、フォトデバイスからテラヘルツ波(周波数が0.1〜30THz)を含む電磁波が発生する。この電磁波は、以下の原理に基づいて発生するものと考えられる。すなわち、バンドギャップを越えるエネルギーを持ったパルス光の照射により、フォトデバイスにおいて光励起キャリアが発生する。この発生した光励起キャリアがフォトデバイスの空乏層または金属半導体界面などの内部電界(ビルトイン電界)によって加速されることで、電流が発生する。このとき、照射光がパルス光である場合には、時間変化するパルス状の電流が発生することになるため、Maxwellの方程式にしたがって電磁波が発生する。
ここで、フォトデバイスから発生する電磁波は、空乏層などの光励起キャリア発生領域の特性に応じて放射されるものである。このため、放射された電磁波を検出することにより、光励起キャリア発生領域の特性を検査することができる。検査装置100は、このような原理に基づいて、所定波長のパルス光の照射に応じて太陽電池パネル90から発生する電磁波パルスを検出するように構成されている。
なお、検査装置100の検査対象となる試料は、太陽電池パネル90に限定されるものではなく、可視光を含む光を電流に変換するフォトデバイスを含む試料であれば、検査装置100の検査対象物となり得る。太陽電池パネル90以外のフォトデバイスとしては、具体的には、CMOSセンサやCCDセンサなどのイメージセンサがあげられる。なお、イメージセンサの中には、使用状態においてフォトデバイスが形成された基板の裏面側となる部分に受光素子が形成されているものが知られている。このような基板であっても、使用状態において受光する側の主面を受光面として検査装置100に設置すれば、良好に電磁波を検出することができる。
ステージ11は、図示を省略する固定手段によって、太陽電池パネル90をステージ11上に固定する。固定手段としては、太陽電池パネル90を挟持する挟持具、太陽電池パネル90およびステージ11に接着する粘着性シート、または、ステージ11表面に形成される吸着孔を利用するものなどが考えられるが、その他の固定手段が採用されてもよい。本実施形態では、ステージ11は、太陽電池パネル90の受光面91S側に照射部12および検出部13が配置されるように太陽電池パネル90を保持する。
図2に示されるように、照射部12は、フェムト秒レーザー121を備えている。フェムト秒レーザー121としては、波長が360nm(ナノメートル)以上1μm(マイクロメートル)以下、周期が数kHz〜数百MHz、パルス幅が10〜150フェムト秒程度の直線偏光のパルス光を出射するものを採用することができる。
フェムト秒レーザー121から出射されたパルス光LP1は、ビームスプリッタB1により2つに分割される。分割された一方のパルス光(以下、ポンプ光LP11という。)は、太陽電池パネル90に照射される。このとき、照射部12は、ポンプ光LP11の照射を受光面91S側から行う。また、ポンプ光LP11の光軸が、太陽電池パネル90の受光面91Sに対して斜めに入射するように、ポンプ光LP11が太陽電池パネル90に対して照射される。なお、図2に示される例では、ポンプ光LP11の入射角度が45度とされているが、この入射角度は0度から90度までの範囲内で適宜変更することができる。
図3は、太陽電池パネル90の概略断面図である。また図4は、太陽電池パネル90を受光面91S側から見たときの平面図である。また図5は、太陽電池パネル90の裏側平面図である。図3に示されるように、太陽電池パネル90は、積層構造を有しており、下から順に、アルミニウムなどで形成された平板状の裏面電極92と、p型シリコン層93と、n型シリコン層94と、反射防止膜95と、アルミニウムなどで形成される格子状の受光面電極96とで構成されている。
p型シリコン層93とn型シリコン層94との接合部分は、主に空乏層が形成されるpn接合部97となっている。この部分にパルス光が照射されると、発生した光励起キャリアが内部電界によって加速され、その結果、電磁波が発生する。発生した電磁波は、外部に放射されることで、電磁波パルスLT1として検出器132により観測される。
なお、太陽電池パネル90は、結晶シリコン系以外のもの(アモルファスシリコン系など)であってもよい。一般的に、アモルファスシリコン系太陽電池のバンドギャップ(例えば、1.75eV〜1.8eV)は、結晶シリコン系太陽電池のバンドギャップ(例えば、1.2eV)に比べて大きい。したがって、アモルファスシリコン系太陽電池の場合は、フェムト秒レーザーから出射されるパルス光の波長を、例えば700μm以下とすることで、アモルファスシリコン系太陽電池からテラヘルツ波を含む電磁波を良好に発生させることができる。同様の原理で、その他の半導体太陽電池においても、テラヘルツ波を含む電磁波を良好に発生させることが可能である。
反射防止膜95は、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸化チタンなどで形成されている。太陽電池パネル90においては、集電電極(受光面電極96または裏面電極92)が設けられている主面のうち、受光面電極96が設けられている側の主面が、受光面91Sとなっている。つまり、太陽電池パネル90は、受光面91S側から光を受けることで発電するように設計されている。受光面電極96は、採光性を向上するため、アルミニウム電極ではなく透明電極であってもよい。
太陽電池パネル90の受光面91Sは、光の反射損失を抑えるために、所要のテクスチャー構造を有している。具体的には、異方性エッチングなどにより形成される数μm〜数十μmの凹凸、または機械的方法によるV字状の溝などが形成されている。このように、太陽電池パネル90の受光面91Sは、一般的に、できるだけ効率良く採光できるように形成されている。したがって、太陽電池パネル90に照射される光は、pn接合部97に届きやすくなっている。太陽電池パネル90の場合、主に可視光の波長領域である波長1μm以下の光であれば、pn接合部97に容易に到達し得る。
図2に戻って、ビームスプリッタB1によって分割された他方のパルス光は、プローブ光LP12として遅延部131およびミラーなどを経由し、検出器132に入射する。また、パルス光であるポンプ光LP11の照射に応じて発生した電磁波は、放物面鏡M1,M2において集光されて検出器132に入射する。
検出器132は、光伝導スイッチなどで構成されている。太陽電池パネル90から発生した電磁波が検出器132に入射された状態で、プローブ光LP12が検出器132に照射されると、検出器132に瞬間的に電磁波パルスの電界強度に応じた電流が生じる。この電界強度に応じた電流は、I/V変換回路、A/D変換回路などを介してデジタル量に変換される。このようにして、検出部13は、プローブ光LP12の照射に応じて、太陽電池パネル90から発生した電磁波パルスの電界強度を検出する。なお、本実施形態では、検出器132に光伝導スイッチが利用されているが、その他の素子、例えば非線形光学結晶を利用してもよい。また、光伝導スイッチの代わりにショットキーバリアダイオードを用いて電磁波を検出することも考えられる。
遅延部131は、ビームスプリッタB1から検出器132までのプローブ光LP12の到達時間を連続的に変更するための光学素子である。遅延部131は、プローブ光LP12の入射方向に移動する移動ステージ(図示せず)に固定されている。遅延部131は、プローブ光LP12を入射方向に折り返させる折り返しミラー10Mを備えている。遅延部131は、制御部16の制御に基づいて移動ステージを駆動することにより、折り返しミラー10Mを移動させて、プローブ光LP12の光路長を精密に変更する。このようにして遅延部131は、電磁波パルスが検出部13に到達する時間と、プローブ光LP12が検出部13へ到達する時間との時間差を変更する。プローブ光LP12の光路(第2光路)の光学的距離(光路長)を遅延部131により変化させることによって、検出部13(検出器132)における、電磁波パルスLT1の電界強度を検出するタイミング(検出タイミングまたはサンプリングタイミング)を早めたりまたは遅延させたりすることができる。
なお、その他の態様により、電磁波パルスLT1とプローブ光LP12の検出部13への到達時間の時間差を変更することも考えられる。例えば、ポンプ光LP11の光路(第1光路)の光路長を変化できるようにしてもよい。この場合においても、検出器132に電磁波パルスLT1が到達する時間と、検出器132にプローブ光LP12が到達する時間を相対的にずらすことができる。したがって、検出器132における電磁波パルスLT1の電界強度の検出タイミングを遅延させることができる。また、電気光学効果を利用することも考えられる。すなわち、印加する電圧を変化させることで屈折率が変化する電気光学素子を遅延素子として用いる。具体的には、特開2009-175127号公報に開示されている電気光学素子を利用することができる。
図2に示されるように、太陽電池パネル90には、検査時に裏面電極92と受光面電極96との間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス電圧印加回路99(逆バイアス電圧印加部)が接続されている。逆バイアス電圧が電極間に印加されることによって、pn接合部97に形成される空乏層が拡大され、内部電界が大きくなる。これにより、ポンプ光LP11の照射に応じて発生する光励起キャリアの移動度を高めることができる。したがって、検出器132において検出される電磁波パルスLT1の電界強度を大きくすることができるため、検出部13における電磁波パルスLT1の検出感度を向上することができる。なお、逆バイアス電圧印加回路99は省略することもできる。
連続光照射部14は、連続光CWを太陽電池パネル90に照射する。連続光照射部14が出射する連続光CWの種類は、検査目的に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されるものではないが、具体的には、太陽光または太陽光を模した疑似太陽光、白熱灯のように波長分布が比較的広い光、LED照明や蛍光灯などの主にRGB3原色に対応した波長(400nm、600nmおよび800nmなど)を持つ光など、複数の波長を含む光であることが考えられる。また、連続光CWは、例えば、紫外線から近赤外までの中から選択される単一波長の光であってもよい。
連続光照射部14は、検査に用いられる光の波長に合わせて構成されている。具体的に、連続光照射部14は、例えば、半導体レーザー、LED、ハロゲンランプ、キセノンランプ、またはこれらを組み合わせたもので構成される。また、連続光照射部14として、波長可変レーザーが用いられてもよい。波長可変レーザーとしては、例えば温度制御によって、出射するレーザー光の波長をほぼ連続的(例えば、2nm毎)に変更可能とされる分布帰還型(DFB)レーザーなどを利用することができる。
検査装置100においては、ポンプ光LP11の照射位置に対して、連続光CWが照射されることにより、連続光CWが照射された状態(つまり、起電力が発生した状態)で、電磁波パルスLT1を発生させることができる。例えば、太陽電池パネル90に対し、疑似太陽光が照射された場合、室外などで太陽光に曝された状態を再現できる。この状態で発生する電磁波パルスLT1を解析することにより、太陽電池パネル90の使用時に問題となりうる構造上の欠陥の検出、または、太陽電池パネル90の性能を評価することできる。また、連続光CWを特定の波長に限定して照射することで、波長に依存した太陽電池パネル90の特性を検査することもできる。
連続光照射部14は、照射条件変更部141を備えている。照射条件変更部141は、同時に太陽電池パネル90に対して照射される連続光CWのスポット径を変更する。照射条件変更部141により一度に連続光CWが照射される範囲を変更することによって、起電力が発生する領域の範囲を任意の変更することができる。
例えば、ポンプ光LP11のビーム径(照射径)を50μmとした場合、連続光CWのビーム径(照射径)を50μm以上とすれば、ポンプ光LP11が照射される領域の周辺部についても、起電力が発生した状態とすることができる。ここで、ポンプ光LP11の照射により発生した光励起キャリアは、上記周辺部の影響を受ける可能性が高い。したがって、太陽電池パネル90を使用状態で検査するためには、その周辺部についても連続光CWが照射されることが望ましい。また、連続光CWは、必ずしも局所的にスポット状に照射しなければならないものではなく、例えば、太陽電池パネル90全体に同時に照射されるようにしてもよい。
また、照射条件変更部141は、連続光CWの光強度を変更する。太陽電池パネル90に照射される連続光CWの光強度を変更することで、発生する起電力の大きさを任意に変更することができる。これにより、発電状態に応じた太陽電池パネル90の検査を実現することができる。なお、連続光CWの強度を変更する手段としては、例えば遮光性のフィルタなどを用いることが考えられるが、これに限定されるものではない。無論、連続光照射部14から出力される連続光CWの光強度が直接変更されるようにしてもよい。
モーター15は、ステージを二次元平面内で移動させるX−Yテーブル(図示せず)を駆動する。モーター15は、このX−Yテーブルを駆動することによって、ステージ11に保持された太陽電池パネル90を、照射部12に対して相対移動させる。検査装置100は、モーター15により、太陽電池パネル90を二次元平面内で任意の位置に移動させることができる。検査装置100は、モーター15により、太陽電池パネル90の広い範囲にわたって、連続光CWおよびポンプ光LP11を照射することができる。なお、太陽電池パネル90を移動させる代わりに、または、太陽電池パネル90を移動させると共に、照射部12および連続光照射部14を二次元平面内で移動させる移動手段を設けてもよい。また、オペレータが手動でステージ11を移動させるようにしてもよい。
制御部16は、図示を省略するCPUやRAM、補助記憶装置(例えば、ハードディスク)などを備えた一般的なコンピュータとしての構成を備えている。制御部16は、照射部12、検出部13、連続光照射部14およびモーター15に接続されており、これらの動作を制御する。具体的に、制御部16は、検出器132から電磁波パルスLT1の電界強度に関するデータを受け取る。また、制御部16は、遅延部131を移動させる移動ステージ(図示せず。)の移動を制御したり、該移動ステージに設けられたリニアスケールなどから折り返しミラー10Mの移動距離などの遅延部131の位置に関連するデータを受け取ったりする。
また、制御部16は、時間波形構築部21、スペクトル解析部23および画像生成部25に接続されており、これら各部に各種演算処理を行わせる。時間波形構築部21、スペクトル解析部23および画像生成部25は、図示しないCPUがプログラムにしたがって動作することによってソフトウェア的に実現されてもよいし、これらの機能の一部または全部が専用の回路によってハードウェア的に実現されてもよい。
時間波形構築部21は、太陽電池パネル90において発生した電磁波パルスLT1について、検出部13(検出器132)にて検出される電界強度を元に、電磁波パルスLT1の時間波形を構築する。具体的には、遅延部131を移動させることによって、相互に異なる複数の検出タイミングで電磁波パルスLT1の電界強度が検出されることにより、時間波形が復元される。この復元方法については、後述する。
スペクトル解析部23は、電磁波パルスLT1の時間波形に基づいて、スペクトル解析を行う。具体的には、スペクトル解析部23は、電磁波パルスLT1の時間波形をフーリエ変換することにより、周波数に関する振幅強度スペクトルを取得する。
画像生成部25は、太陽電池パネル90上の検査対象領域(太陽電池パネル90の一部または全部)に関して、発生した電磁波パルスLT1の電界強度分布を視覚化した画像を生成する。具体的には、太陽電池パネル90の受光面91Sを表す画像について、各測定地点に対応する部分が実際に測定された電磁波パルスLT1の電界強度に応じた色で塗り分けられる。これにより、電界強度分布画像が生成される。
図1に示されるように、制御部16には、モニター17および操作入力部18が接続されている。モニター17は、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、オペレータに対して各種画像情報を提示する。モニター17には、カメラで撮影された太陽電池パネル90の受光面91Sの画像、画像生成部25が生成した電界強度分布画像などが表示される。また、検査の条件設定(太陽電池パネル90における検査領域の設定、連続光CWの照射強度または照射範囲の設定など)を実行するためのGUI画面がモニター17に表示されてもよい。
<1.2. フォトデバイスの検査>
次に、フォトデバイスである太陽電池パネル90の検査の流れについて説明する。本実施形態に係る検査装置100は、大きく分けて2種類の検査(第1検査および第2検査)を行うことができるように構成されている。
第1検査は、電磁波パルスLT1の時間波形に基づいた検査である。この第1検査においては、太陽電池パネル90上の検査されるべき特定の位置(関心位置)に、連続光CWおよびパルス光であるポンプ光LP11が照射される。そして、ポンプ光LP11の照射に応じて発生する電磁波パルスLT1の時間波形が復元される。また、復元された時間波形に関して、スペクトル解析が行われる。
また第2検査は、ポンプ光LP11の照射に応じて発生する電磁波パルスLT1の電界強度分布に基づいた検査である。この第2検査においては、太陽電池パネル90上の各地点に対して、連続光CWおよびポンプ光LP11が照射される。そして、各地点で発生した電磁波パルスLT1の電界強度が集計される。以下においては、まず第1検査について説明し、次に第2検査について説明する。なお、以下の説明において、検査装置100の各動作は、特に断らない限り制御部16により制御されるものとする。
<第1検査>
図6は、第1検査の流れ図である。なお、図6に示される第1検査の流れは一例である。したがって、いくつかの工程が並列的に実行され、または、いくつかの工程の実行順序が適宜変更されることも考えられる。
まず、ステージ11に検査対象となる太陽電池パネル90が固定される(ステップS10)。なお、オペレータによって太陽電池パネル90がステージ11に搬入されるようにしてもよいし、図示を省略する搬送装置などによって太陽電池パネル90がステージ11に搬入されるようにしてもよい。このとき、上述したように、太陽電池パネル90の受光面91Sに向けて、ポンプ光LP11が照射されるように太陽電池パネル90が設置される。
太陽電池パネル90がステージ11に固定されると、検査装置100は、関心位置に合わせて太陽電池パネル90を移動させる(ステップS11)。この関心位置は、あらかじめ、検査を行うべき太陽電池パネル90上の位置に関するデータ(座標データ)として、オペレータが操作入力部18を介して入力する情報に基づいている。制御部16は、この座標データに基づいて、モーター15を駆動することにより、関心位置にポンプ光LP11が照射されるようにステージ11を移動させる。なお、オペレータ自身が、ステージ11を手動で移動させることによって、太陽電池パネル90を関心位置に合わせて移動させるようにしてもよい。
次に、連続光CWの照射条件の設定が行われる(ステップS12)。具体的には、連続光CWの照射範囲の設定、連続光CWの強度などが設定される。また、連続光照射部14が異なる波長の連続光CWを照射できるように構成されている場合は、このステップで出射する連続光CWの波長が設定される。また、照射条件変更部141は、連続光CWの照射径が設定されたものとなるように、遮光領域の変更などを適宜行う。そして、設定された連続光CWの照射条件に基づいて、連続光照射部14により連続光CWの照射が開始される(ステップS13)。
次に、検査装置100は、太陽電池パネル90の検査位置に向けてポンプ光LP11の照射を行う(ステップS14)。また検査装置100は、ポンプ光LP11の照射に応じて発生する電磁波パルスLT1の電界強度を検出する(ステップS15)。ステップS15において電磁波パルスLT1の電界強度が検出される際、制御部16は、遅延部131を制して、検出器132にプローブ光LP12が到達するタイミングを遅延させる。これにより、相互に異なる複数の検出タイミングで、電磁波パルスLT1の電界強度が検出される。なお、太陽電池パネル90にポンプ光LP11を照射する際、逆バイアス電圧印加回路99を駆動して、太陽電池パネル90の電極間に逆バイアス電圧を印加するようにしてもよい。
検査装置100は、ステップS15において取得された電界強度の検出結果に基づいて、電磁波パルスLT1の時間波形を復元する(ステップS16)。具体的には、時間波形構築部21が、ステップS15において検出された電界強度の値を時間軸に沿ってプロットすることにより、電磁波パルスLT1の時間波形を復元する。
図7は、時間波形構築部21により復元された電磁波パルスLT1の時間波形を示す図である。図7中、横軸は時間を示し、縦軸は電界強度を示している。また、下段には、遅延部131によって、検出器132に到達するタイミング(すなわち、検出タイミング)の異なる複数のプローブ光LP12が概念的に示されている。
関心位置に対してポンプ光LP11が照射されることにより、検出器132には、図7に示されるような時間波形41の電磁波パルスLT1が所定の周期で繰り返し到来する。ここで、例えば検出器132に対して検出タイミングt1でプローブ光が到達するように遅延部131が調整された場合、検出器132においては値E1の電界強度が検出されることとなる。また検出タイミングがt2〜t8となるように遅延部131が調整された場合、それぞれ値E2〜E8の電界強度が検出されることとなる。このようにして取得された電界強度値E1〜E8が、時間軸に沿ってグラフにプロットされることによって、電磁波パルスLT1の時間波形41が復元される。
時間波形41が復元されることにより、関心位置における光励起キャリア発生領域の特性について検査することができる。例えば、電磁波パルスLT1の検出の有無、または、復元された電磁波パルスLT1の電界強度の振幅などから、光励起キャリア発生領域の形成不良を検出することができる。特に、本実施形態においては、連続光CWが照射されることにより、太陽電池パネル90を使用状態(つまり、起電力が発生している状態)とすることができる。このような状況下で発生する電磁波パルスLT1は、太陽電池パネル90が使用状態にあるときの、光励起キャリア発生領域の特性に応じたものとなっている。したがって、太陽電池パネル90の使用時において問題となりうる欠陥を検出したり、太陽電池パネル90の性能を評価したりすることができる。
図6に戻って、検査装置100は、電磁波パルスLT1の時間波形41が復元すると、スペクトル解析を行う(ステップS17)。具体的には、ステップS16において取得された時間波形に基づき、スペクトル解析部23がフーリエ変換を実行する。これにより、電磁波パルスLT1のスペクトル分布が取得される。なお、このステップS17は、省略することも可能である。
図8は、電磁波パルスLT1のスペクトル分布51を示す図である。図8中、縦軸はスペクトル強度を示し、横軸は周波数を示している。スペクトル分布51に示されるように、太陽電池パネル90から発生する電磁波パルスLT1の場合、0.1THz〜1THzにわたって比較的強いスペクトル強度を有している。
このようなスペクトル分布51が取得されることにより、太陽電池パネル90における関心位置に関して、様々な物性情報を取得することができる。例えば、図8に示されるスペクトル分布51と、基準となる他のスペクトル分布とが比較されることによって、太陽電池パネル90の関心位置の物性情報を相対的に評価することが可能となる。また、スペクトル分布51においては、矢印で示されるように、特定周波数の電磁波に関して吸収が起こっている。このことから、該特定周波数を吸収する不純物が関心位置に形成されていることが推定されるとともに、吸収された電磁波の周波数から不純物の種類や濃度なども推定される。
図6に戻って、スペクトル解析が完了すると、モニター17に検査結果を示す画像が表示される(ステップS18)。具体的には、ステップS16において取得された電磁波パルスLT1の時間波形41(図7参照)や、ステップS17において取得されたスペクトル分布51(図8参照)などが解析結果としてモニター17に表示される。
次に、検査装置100は、連続光CWの照射条件を変更して追加の検査を行うかどうか判定する(ステップS19)。追加の検査が必要な場合(ステップS19においてYES)、検査装置100はステップS12に戻って、連続光CWの照射条件の設定が行われる。また、追加の検査が不要である場合は(ステップS19においてNO)、検査装置100は第1検査に関する動作を終了する。
図9は、連続光CWの強度を変更したときに検出される電磁波パルスLT1の時間波形61〜64を示す図である。なお、時間波形61は、連続光CWが照射されていないときに検出される電磁波パルスLT1に対応しており、時間波形62〜64は、連続光CWの強度を順に大きくしていったときに検出される電磁波パルスLT1に対応している。
図9に示されるように、連続光CWが照射されることにより、電磁波パルスLT1の振幅が相対的に小さくなっている。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、連続光CWが照射されることにより、連続光CWによって励起された光励起キャリアが伝導帯に充満した状態となる。このため、ポンプ光LP11によって発生する光励起キャリアの電流変化が、相対的に弱められてしまい、発生する電磁波パルスLT1の電界強度も弱められるものと考えられる。
なお、時間波形61〜64が検出された検査地点においては、連続光CWの電界強度が強くなるに連れて、電磁波パルスLT1の振幅が小さくなっている。しかしながら、このような連続光CWの強度に応じた電磁波パルスLT1の振幅の変化の傾向は、必ずしも、太陽電池パネル90の全地点において共通するわけではない。すなわち、空乏層などの形成状況に応じて、その傾向が異なる場合も考えられる。
<第2検査>
次に、第2検査について説明する。図10は、第2検査の流れ図である。第2検査においては、まず、太陽電池パネル90がステージ11に固定される(ステップS21)。この工程は、図6に示される第1検査のステップS11と同様である。次に、太陽電池パネル90の裏面電極92と受光面電極96との間に、逆バイアス電圧が印加される(ステップS22)。なお、この逆バイアス電圧の印加は必ずしも行われる必要はなく、無バイアス状態で第2検査が行われることも考えられる。
次に、連続光CWの照射条件が設定される(ステップS23)。またステップS23において設定された照射条件に基づいて、連続光CWの照射が開始される(ステップS24)。ステップS23,S24は、図6に示される第1検査のステップS12,S13とほぼ同様である。
検査装置100は、連続光CWを照射するとともに、ポンプ光LP11を照射して、電磁波パルスLT1を発生させる。なお、連続光CWおよびポンプ光LP11が照射される位置は、特に限定されるものではないが、電界強度が検出可能な大きさである電磁波パルスLT1が発生する位置とされる。検査装置100は、遅延部131を調整することにより、検出器132において検出される電磁波パルスLT1の電界強度が最大となるようにする(ステップS25)。具体的には、遅延部131における折り返しミラー10Mの位置が調整され、プローブ光LP12の検出器132に到達するタイミングが変更される。
例えば、図7に示される時間波形41のような電磁波パルスLT1の場合、検出タイミングt3において電磁波パルスLT1が検出されるようにすれば、電磁波パルスLT1の最大強度を検出器132において検出することができる。したがって、検査装置100は、この場合、検出タイミングt3に対応する位置に折り返しミラー10Mを移動させる。
このように、電磁波パルスLT1の最大強度が検出されるようにすることで、電磁波パルスLT1を検出しやすくなる。このため、電磁波パルスLT1の検出感度を向上することができ、太陽電池パネル90の検査を適切に行うことができる。なお、必ずしも電磁波パルスLT1の最大強度が検出器132にて検出される必要はない。つまり、検出器132において、少なくとも測定が可能であれば、検出タイミングは任意に設定することができる。
また、ステップS25の検出タイミングを設定する上では、連続光CWの照射は必ずしも必要ではない。このため、ステップS25が実行されている間、連続光照射部14による連続光CWの照射を省略することも可能である。
検査装置100は、遅延部131の調整を完了すると、モーター15を駆動することによって、太陽電池パネル90を2次元平面内で移動させる(ステップS26)。このとき、連続光CWとポンプ光LP11とが太陽電池パネル90に向けて照射される。そして、ポンプ光LP11の照射に応じて発生する電磁波パルスLT1の電界強度が検出器132により検出される。これにより、太陽電池パネル90上の検査対象領域の各地点から発生した電磁波パルスLT1の電界強度が取得される。
検査装置100は、取得された電界強度に基づいて、電界強度分布を示す画像を生成し、その画像をモニター17に表示する(ステップS27)。図11は、電界強度分布画像71の一例を示す図である。電界強度分布画像71は、観測された電磁波パルスLT1の電界強度の大きさに応じて、太陽電池パネル90を表す画像の対応する部分を複数の色で塗り分けた画像となっている。なお、図11においては、色の相違がハッチングの相違で表現されている。電界強度分布画像71においては、電界強度の大きさが3段階(強度0〜4,強度4〜8,強度8〜10)に区分され、各区分に応じて塗り分けされている。ただし、電界強度の大きさが2段階もしくは4段階以上に区分されて、塗り分けが行われるようにしてもよい。
図11に示されるように、電界強度分布画像71においては、受光面電極96の周辺部において比較的強い電磁波パルスLT1が検出され、受光面電極96から離間する程、検出される電界強度が弱まっている。これは、受光面電極96などの電極に近い部分で、比較的強い内部電界が作用するために、発生する電磁波パルスLT1の電界強度も相対的に強くなったと考えられる。
このような電界強度分布画像71が生成されることによって、太陽電池パネル90の広い範囲にわたって、光励起キャリア発生領域の形成状況を一度に把握することができる。特に、本実施形態においては、連続光CWの照射も行われるため、使用時に問題となりうる構造上の欠陥部分の検出、または、太陽電池パネル90の各部分の性能の評価を効率的に行うことができる。
また、第2検査においては、電磁波パルスLT1のうち、瞬間的な電界強度のみが検出されているが、例えば第1検査で説明したように、遅延部131が制御されることで、各地点毎に、電磁波パルスLT1の時間波形が復元されるようにしてもよい。取得された時間波形をフーリエ変換して得られるスペクトル分布に基づいて、例えば、特定周波数のスペクトル強度を色の濃淡で表現した画像などが生成されるようにすることも考えられる。
<2. 第2実施形態>
図12は、第2実施形態に係る検査装置100Aの照射部12Aと検出部13Aの概略構成図である。なお、以下の説明において、第1実施形態に係る検査装置100の構成要素と同様の機能を有する要素については同一符号を付してその説明を省略する。
検査装置100Aにおいても、フェムト秒レーザー121から出射されたパルス光LP1がビームスプリッタB1によってポンプ光LP11とプローブ光LP12に分割される。ただし、本実施形態では、分割されたポンプ光LP11は、透明導電膜基板(ITO)19を透過して、太陽電池パネル90の受光面91Sに対して垂直に入射する。また、連続光照射部14は、太陽電池パネル90の受光面91Sに対して斜めに入射するように連続光CWを照射する。そして、ポンプ光LP11の照射に応じて発生する電磁波パルスLT1のうち、受光面91S側に放射される電磁波パルスLT1が、透明導電性基板19を反射して、レンズなどを介して検出器132に入射する。
このような照射部12Aおよび検出部13Aを備える検査装置100Aにおいても、ポンプ光LP11の照射に応じて発生する電磁波パルスLT1を検出することができる。したがって、検査装置100Aは、第1実施形態に係る検査装置100と同様に、太陽電池パネル90を非接触状態で検査することができる。
<3. 第3実施形態>
図13は、第3実施形態に係る検査装置100Bの照射部12Bと検出部13Bの概略構成図である。検査装置100Bにおいても、フェムト秒レーザー121から出射されたパルス光LP1がビームスプリッタB1によってポンプ光LP11とプローブ光LP12に分割される。本実施形態においては、ポンプ光LP11は、太陽電池パネル90の受光面91Sに対して垂直に入射する。また、連続光照射部14は、太陽電池パネル90の受光面91Sに対して、斜めに入射するように連続光CWを照射する。そして、ポンプ光LP11の照射に応じて発生した電磁波パルスLT1のうち、太陽電池パネル90の裏面側に出射される(透過する)電磁波パルスLT1が、放物面鏡M1,M2によって集光され、検出器132に入射する。
このような検査装置100Bにおいても、ポンプ光LP11の照射に応じて発生する電磁波パルスLT1を検出することができる。したがって、検査装置100Bは、第1実施形態に係る検査装置100と同様に、太陽電池パネル90を非接触状態で検査することができる。
<4. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、図3に示されるように、pn接合部が形成された太陽電池パネル90を例にしている。しかしながら、p型半導体層とn型半導体層との間に真性半導体層が挟み込まれた、いわゆるpin接合部が形成されている太陽電池パネルについても、検査装置100の検査対象とすることができる。
また、上記実施形態では、ステージ11を移動させることで、ポンプ光LP11および連続光CWの照射位置を変更している。しかしながら、照射部12または連続光照射部14が備える光学素子を制御するなどして、ポンプ光LP11および連続光CWの照射位置を光学的に変更することも考えられる。
また、上記各実施形態及び各変形例で説明した構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、または、省略したりすることができる。
100,100A,100B 検査装置
11 ステージ
12,12A,12B 照射部
121 フェムト秒レーザー
13,13A,13B 検出部
131 遅延部
132 検出器
14 連続光照射部
141 照射条件変更部
16 制御部
21 時間波形構築部
23 スペクトル解析部
25 画像生成部
41,61〜64 時間波形
51 スペクトル分布
71 電界強度分布画像
90 太陽電池パネル
91S 受光面
92 裏面電極
93 p型シリコン層
94 n型シリコン層
96 受光面電極
97 pn接合部
99 逆バイアス電圧印加回路
CW 連続光
LP11 ポンプ光(パルス光)
LT1 電磁波パルス

Claims (7)

  1. 太陽電池を検査する検査装置であって、
    フェムト秒レーザーから出射されるパルス光を前記太陽電池に照射する照射部と、
    前記パルス光の照射に応じて前記太陽電池から発生する電磁波を検出する検出部と、
    前記太陽電池における前記パルス光が照射されている部分に対して、連続光を照射する連続光照射部と、
    前記太陽電池の使用時における受光面に前記パルス光及び前記連続光が入射するよう、前記太陽電池を保持する保持部と、
    を備えている検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置において、
    前記連続光の照射径または強度を変更する照射条件変更部、をさらに備えている検査装置。
  3. 請求項1または2に記載の検査装置において、
    前記連続光は、相互に異なる複数の波長を持つ光を含む検査装置。
  4. 請求項3に記載の検査装置において、
    記連続光が疑似太陽光を含む検査装置。
  5. 請求項1または2に記載の検査装置において、
    前記連続光は、単一波長のレーザー光である検査装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の検査装置において、
    前記太陽電池を逆バイアス状態とする電圧を印加する逆バイアス電圧印加部、
    をさらに備えている検査装置。
  7. 太陽電池を検査する検査方法であって、
    (a) フェムト秒レーザーから出射されたパルス光を前記太陽電池に照射する工程と、
    (b) 前記パルス光の照射に応じて前記太陽電池から発生する電磁波を検出する工程と、
    (c) 前記太陽電池における、前記パルス光が照射されている部分に対して、連続光を照射する工程と、
    (d) 前記太陽電池の使用時における受光面に前記パルス光及び前記連続光が入射するよう、前記太陽電池を保持する工程と、
    を有している検査方法。
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