JP5889757B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、運転者の操舵状態に応じた車両挙動が得られる車両制御装置を提供することにある。
図1は実施例1の車両制御装置の制御構成を表すシステム図である。車両挙動制御コントローラ10は、ドライバのアクセルペダル操作量Apoを検出するアクセルペダルセンサ1、ブレーキペダル操作量Bpedalを検出するブレーキペダルセンサ2、車輪速Vwを検出する車輪速度センサ3、ヨーレイトγを検出するヨーレイトセンサ4、横加速度ayを検出する横加速度センサ5、前後加速度axを検出する前後加速度センサ6及びドライバのステアリング操作量θstrを検出する操舵角センサ7からの入力信号に基づいて車両挙動制御演算を行う。各種演算処理により、各輪の制動力を制御可能なブレーキアクチュエータ20に対して制動力指令Fw*を出力する。
また、保舵状態となっても、横加速度偏差ay_errが大きい場合は、操舵に対し車両のトレース性が悪いと考えられるため、ヨーモーメント制御を終了しつつ減速度制御を実施し、車両の目標軌跡に対するトレース性の向上を図る。
尚、実施例1の場合、従来のように車両挙動制御中に加速要求があった場合であっても、基本的には制御を継続する。そして、操舵状態や横加速度偏差に応じてヨーモーメント制御及び減速度制御の実行もしくは停止を判断すると共に、横滑り角速度によってESC制御の介入がある場合には、事前にヨーモーメント制御及び減速度制御を終了する。
ステップS1では、入力信号処理を実行する。具体的には、ドライバ操作検出部101及び車両状態検出部102及びアクチュエータ状態検出部103において各種センサ信号を読み込む。
ステップS2では、車両挙動状態を推定する。具体的には、車両挙動推定部104において適切な目標ヨーレイトγ*を算出すると共に、横滑り角速度dβ/dtと、車体速Vcarと、路面摩擦係数μを推定する。
ステップS3では、車両挙動制御演算処理を行う。具体的な内容については後述する。
ステップS4では、演算結果に基づいてブレーキアクチュエータ20に対して指令信号を出力する出力信号処理を実行する。
ステップS21では、目標横加速度算出部105においてドライバ要求に基づく横加速度を算出する。
ステップS22では、路面摩擦係数μに応じた補正を行い、最終的な目標横加速度ay*を算出する。
ステップS23では、横加速度偏差ay_errを算出する。
ステップS24では、横加速度偏差の絶対値が所定値以上か否かを判断し、所定値未満の場合は特に車両挙動制御は不要と判断して本制御フローを終了する。一方、横加速度偏差の絶対値が所定値以上の場合は車両挙動制御が必要と判断してステップS25に進む。
ステップS25では、目標ヨーモーメントM*を算出する。具体的には、車両挙動推定部104において算出された目標ヨーレイトγ*と実ヨーレイトγとの偏差に基づいて、目標ヨーレイトγ*を達成するのに必要な車両のヨーモーメントM*を算出する。
ステップS26では、横加速度偏差ay_errに基づいて目標減速度ax*を算出する。
以下、上記制御フローに基づく作用について図5〜8に基づいて説明する。尚、操舵角と目標横加速度とはほぼ一対一の対応で変化する値であり、タイムチャート上に操舵角の記載が無い場合は、目標横加速度と同じ位相で変化する値とみなす。
時刻t1において、運転者が操舵を開始すると、転舵状態となり、所定の応答遅れを持って車両挙動が変化し始める。
時刻t2において、横加速度偏差が生じるため、演算された目標ヨーモーメントに応じてヨーモーメント制御が実施され、旋回内輪にブレーキ力を発生させて回頭性を得る。
時刻t3において、転舵状態から保舵状態に移行すると、ヨーモーメント制御は終了する。図5の場合、非制御の場合に比べて、ヨーモーメント制御によって横加速度偏差を抑制できていることが分かる。また、横加速度偏差を抑制したため、保舵状態になったときには、実横加速度は目標横加速度に追従させることができ、運転者の意図に応じた車両挙動が達成される。
時刻t1において、運転者が操舵を開始すると、転舵状態となり、所定の応答遅れを持って車両挙動が変化し始める。
時刻t2において、横加速度偏差が生じるため、演算された目標ヨーモーメントに応じてヨーモーメント制御が実施される。
時刻t21において、横滑り角速度が所定角度以上となると、ヨーモーメント制御をきっかけとしてオーバーステアが発生していると判断し、ヨーモーメント制御を終了する。
そして、時刻t22において、ESC制御の作動を開始する。これにより、アンダーステア側への目標ヨーモーメントが設定され、これにより車両挙動を安定化させる。
時刻t1において、運転者が操舵を開始すると、転舵状態となり、所定の応答遅れを持って車両挙動が変化し始める。
時刻t2において、横加速度偏差が生じるため、演算された目標ヨーモーメントに応じてヨーモーメント制御が実施される。
時刻t31において、横加速度偏差が所定値以上となると、ヨーモーメント制御のみでは横加速度偏差を抑制できないと判断し、減速度制御を開始する。これにより減速することで回頭性を確保する
時刻t32において、転舵状態から保舵状態に移行した時点で、ヨーモーメント制御は終了する。しかしながら、未だ横加速度偏差が所定値以上であるため、減速度制御を継続することで車両挙動を安定化させる。
時刻t33において、横加速度偏差が所定値未満となった時点で減速度制御を終了する。これにより、車両挙動を安定化させることができる。
時刻t1から時刻t32までは図7の説明と同じであるため、説明を省略する。
時刻t41において、減速度制御を継続しているときに、横滑り角度が所定以上発生すると、車両減速度制御を終了する。
そして、時刻t42において、ゆっくりと車両がスピンし始めるのを検知すると、ESC制御の作動を開始する。これにより車両のスロースピンが抑制される。
(1)運転者の操舵状態を算出するドライバ操作検出部101(操舵状態算出部)と、算出された操舵状態から目標横加速度を算出する目標横加速度算出部105と、車両に発生している実横加速度を算出する車両状態検出部102(実横加速度算出部)と、目標横加速度と実横加速度との偏差を算出する横加速度偏差算出部106と、旋回内輪に制動力を付与し車両に対してヨーモーメントを発生させる目標ヨーモーメント算出部107(ヨーモーメント制御)または4輪に制動力を付与し車両に減速度を発生させる目標減速度算出部108(減速度制御)を実施し車両が算出された目標横加速度に収束するように車両挙動を制御するアクチュエータ目標値算出部109(車両挙動制御部)と、を有し、アクチュエータ目標値算出部109は、算出された操舵状態が転舵状態の時にはヨーモーメント制御を実施し、算出された操舵状態が所定の保舵状態の時には減速度制御を実施する。
よって、車両挙動制御を実施しているときに運転者がアクセルを踏み込み、加速要求があった場合であっても、車両挙動制御を継続することで、加速中における車両挙動を安定化できる。すなわち、加速要求に応じて加速している場面であっても、転舵状態であればヨーモーメント制御により回頭性を確保し、保舵状態であれば減速度制御によりトレース性を向上できる。
よって、転舵状態で加速要求があった場合であっても、横加速度偏差が生じた場合はヨーモーメント制御により回頭性を確保することで、車両挙動の安定化を図ることができる。また、加速要求により横加速度偏差が増大した場合には、減速度制御を行うことでトレース性を向上できる。
具体的には、横滑り角速度が大きいときは、目標ヨーモーメントを小さく、目標減速度を大きく補正することとした。これにより、車両挙動の安定化を図ることができる。
2 ブレーキペダルセンサ
3 車輪速度センサ
4 ヨーレイトセンサ
5 横加速度センサ
6 前後加速度センサ
7 操舵角センサ
10 車両挙動制御コントローラ
20 ブレーキアクチュエータ
101 ドライバ操作検出部
102 車両状態検出部
103 アクチュエータ状態検出部
104 車両挙動推定部
105 目標横加速度算出部
106 横加速度偏差算出部
107 目標ヨーモーメント算出部
108 目標減速度算出部
109 アクチュエータ目標値算出部
Claims (3)
- 運転者の操舵状態を算出する操舵状態算出部と、
前記算出された操舵状態から目標横加速度を算出する目標横加速度算出部と、
車両に発生している実横加速度を算出する実横加速度算出部と、
前記目標横加速度と実横加速度との偏差を算出する横加速度偏差算出部と、
旋回内輪に制動力を付与し車両に対してヨーモーメントを発生させるヨーモーメント制御または4輪に制動力を付与し車両に減速度を発生させる減速度制御を実施し車両が前記算出された目標横加速度に収束するように車両挙動を制御する車両挙動制御部と、
を有し、
前記車両挙動制御部は、前記算出された操舵状態が転舵状態の時には前記ヨーモーメント制御を実施し、前記算出された操舵状態が所定の保舵状態の時には前記減速度制御を実施することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 運転者の操舵状態を算出する操舵状態算出部と、
前記算出された操舵状態から目標横加速度を算出する目標横加速度算出部と、
車両に発生している実横加速度を算出する実横加速度算出部と、
前記目標横加速度と実横加速度との偏差を算出する横加速度偏差算出部と、
旋回内輪に制動力を付与し車両に対してヨーモーメントを発生させるヨーモーメント制御手段と、
4輪に制動力を付与し車両に減速度を発生させる減速度制御手段と、
前記算出された操舵状態が転舵状態であり、かつ前記算出された横加速度偏差が所定の偏差未満の時には、前記ヨーモーメント制御手段による制御を実施し、前記算出された操舵状態が所定の保舵状態であり、かつ前記算出された横加速度偏差が所定の偏差以上の時には、前記減速度制御手段による制御を実施して、車両が前記算出された目標横加速度に収束するように車両挙動を制御する車両挙動制御部と、
を有することを特徴とする車両制御装置。 - 請求項2に記載の車両制御装置において、
車両の横滑り角速度を算出する横滑り角速度算出部と、
前記算出された横滑り角速度の大きさに応じて前記ヨーモーメント制御手段及び前記減速度制御手段の制御量を補正する制御量補正手段と、
を備えたことを特徴とする車両制御装置。
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